JP2005112436A - 容器内ガス置換方法、容器内ガス置換装置、及び、飲料液充填方法 - Google Patents

容器内ガス置換方法、容器内ガス置換装置、及び、飲料液充填方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ロータリー式ガス置換ラインの追従機構の簡素化とガス置換の改善。
【解決手段】複数の容器Bを回転面の回転に同期させて公転させる。公転する回転軸35の廻りでノズルレバー41は、一定角度範囲で揺動的に自転する。ノズルレバーの噴射口55から容器の上方部位の口56の中に不活性ガスを噴射し容器の中の空気を不活性ガスで置換する。ノズルレバー41の噴射口を口56から離隔させて口56から退避させる退避自転位置Iに噴射口56を位置づける。不活性ガスの噴射は停止し、公転と置換は規定される時間帯で同時的に実行され、追従機構が簡素化される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、容器内ガス置換方法、容器内ガス置換装置、及び、飲料液充填方法に関し、特に、回転的に移動する容器に対して追従してガス置換を行い、又は、飲料液を充填する容器内ガス置換方法、容器内ガス置換装置、及び、飲料液充填方法に関する。
ペットボトル、ボトル缶のような容器は、全世界的規模で大量に消費される。容器生産ラインには、洗浄工程のリンサー、充填工程のフィラーが設備されている。このような工程は、その高速化が求められる。その高速化のためには、洗浄機器、充填機器は容器移送機に追従して工程ライン上で同期して移動する間に洗浄、充填が行われている。ノンガス飲料液用容器では、充填工程で内部の空気が除去される必要がある。
炭酸ガスのようなガスを含まない飲料液を充填する装置として、開閉弁を備える充填機構のノズルの先端を容器の口、口栓部位の開口部の上側に保持し、又は、そのノズルの先端を容器内に挿入し、充填液を重力で自由落下させて容器に供給する自由落下式充填機構が知られている。このような開放状態の充填方式では、ノズルから離れて容器内に注入される過程で空気に接触する飲料液は、空気中の酸素に触れ、充填後の容器の上方部位のヘッドスペースに残存する空気に触れ続け、その品質が劣化する。ヘッドスペースに残存する空気と飲料液の長期間の接触を回避するために、充填後にキャップを装着する前に、そのヘッドスペースの空気を不活性ガスで置換することが行われている。
そのような置換の技術として、一列に配列され常態的に下向きに不活性ガスを吹き出す複数のノズルの吹出口の下方側で、飲料液が充填されている容器を搬送する空気置換方式が知られている。そのような搬送ラインが円形状に形成され、飲料液充填後の容器とガス置換機器とが追従して移送される追従方式が後掲特許文献1で更に知られている。このような技術では、飲料液の粘性が高く充填速度が更に高速化される場合には、飲料液中に空気を抱き込む泡が液中に発生し、その泡はヘッドスペースに移動して封入後に残存することが知られている。
このような空気抱き込み泡の発生を回避するために、容器内空気を引き抜いて容器内を真空にした後に飲料液を充填する充填技術、容器内に液体窒素液滴を滴下し窒素液の蒸発気体で容器内を充満した後に飲料液を充填する充填技術が後掲特許文献2で知られている。このような技術に用いられる真空引き装置は装置ラインを複雑化し、且つ、ガス量制御が困難であり、実用的には採用しがたい問題点が残存している。更には、充填過程の飲料液の周囲の雰囲気を形成する空気と飲料液の接触を回避するために、飲料液吐出口の周囲に不活性ガスを吹き出することにより形成される環状の不活性ガスカーテンで内側の飲料液を空気から保護する技術が、後掲特許文献3で提案されている。このような不活性ガスカーテン保護技術には、不活性ガスの使用量の多くが無駄になる恐れがある。
回転式(ロータリー式)ガス置換ラインの追従機構の簡素化が重要である。不活性ガスの使用量を削減することが求められる。リンサー、フィラー、キャッパー(封入機)を含む一連のラインとガス置換ラインとの融合に好適であるガス置換技術の確立が求められる。
実公平6−42968号 特開2002−293398号 特公平6−33118号
本発明の課題は、ロータリー式ガス置換ラインの追従機構が簡素化する容器内ガス置換方法、容器内ガス置換装置、及び、飲料液充填方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、不活性ガスの使用量を削減する容器内ガス置換方法、容器内ガス置換装置、及び、飲料液充填方法を提供することにある。
本発明の更に他の課題は、リンサー、フィラーを含む一連のラインとガス置換ラインとの融合に好適であるガス置換の技術を確立する容器内ガス置換方法、容器内ガス置換装置、及び、飲料液充填方法を提供することにある。
本発明の更に他の課題は、充填時の飲料液の空気接触をより有効に回避する技術を確立する容器内ガス置換方法、容器内ガス置換装置、及び、飲料液充填方法を提供することに
ある。
本発明による容器内ガス置換方法は、複数の容器(B)を回転面の回転に同期させて公転させる第1ステップと、回転面に対して固定される回転軸(35)を回転面の回転に同期させて公転させる第2ステップと、回転軸(35)の廻りにノズルレバー(41)を一定角度範囲で回転させて揺動的に自転させる第3ステップとから構成されている。第3ステップは、ノズルレバーの噴射口(55)から容器の上方部位の口(56)の中に不活性ガスを噴射し容器の中の空気を不活性ガスで置換する噴射自転位置(II)に噴射口(55)を位置づける第4ステップと、ノズルレバー(41)の噴射口を口(56)から離隔させて口(56)から退避させる退避自転位置(I)に噴射口(56)を位置づける第5ステップとから形成されている。第5ステップでは、不活性ガスの噴射は停止し、第1ステップと第2ステップと第3ステップとは規定される時間帯で同時的に実行される。
ノズルレバーは容器に追従しながら公転し、ガス置換は公転の途中で行われる。置換のために容器の停止がなく、多数の容器に同時進行的に置換が行われ、置換工程に時間的無駄がなく、ガス置換効率が高く、置換終了時点では不活性ガスの噴射は停止し、不活性ガスを無駄に消費しない。
容器を洗浄する第6ステップと、容器に飲料液を充填する第7ステップとが効果的に追加される。第6ステップは、第1ステップより時間的に先行し、第7ステップは第5ステップより時間的に後行する。ガス置換は、洗浄工程と充填工程の間で実行されることに意義がある。
本発明による容器内ガス置換装置は、回転円盤(4)と、回転円盤(4)に支持されて回転円盤(4)と同体に回転し容器を支持する容器支持機構(6)と、回転円盤(4)に支持され回転円盤(4)と同体に回転し不活性ガスを容器の開口から下方に噴射して容器の中の空気を不活性ガスで置換するガス噴射機構(5)とから構成されている。ガス噴射機構(5)は、不活性ガスを噴射する噴射口(55)を備えるノズルレバー(41)と、ノズルレバー(41)を揺動自在に支持する揺動機構(28)とから形成されている。噴射口(55)は、回転円盤(4)の回転面に平行である面上の2位置(I,II)の間で揺動し、2位置のうちの1位置(II)は、噴射口(55)が容器の上端部位の口の真上にある噴射位置に対応し、2位置のうちの他の1位置(I)は、噴射口(55)が容器の上端部位の口から離れる退避位置に対応する。
噴射位置(II)と退避位置(I)の揺動回転変位に対応して不活性ガスの噴射とそれの停止が行われ、機械的追従関係を保持して機械的に揺動するノズルレバーの位置に対応して不活性ガスの供給が行われ、追従とガス供給が機械的に連動し、追従型のガス置換の機械系が簡素化され、且つ、ガス置換終了位置でガス供給が停止され、不活性ガスの無駄な使用量が削減される。
回転円盤(4)に支持されて回転円盤(4)と同体に回転し不活性ガスの供給と不活性ガスの供給の停止を切り換える開閉弁(27)が追加される。開閉弁(27)は、本体筒(29)と、本体筒(29)のなかで回転する回転弁体(34)とから形成されている。ノズルレバー(41)の中には、回転弁体(34)と噴射口(55)を接続する通路が形成される。回転弁体(34)は、ノズルレバー(41)に結合してノズルレバー(41)と同体に揺動し、回転弁体(34)は、噴射位置(II)でその通路に不活性ガスを供給し、退避位置(I)で不活性ガスを通路に供給しない。このように追従型のガス置換の機械系は、より具体的に回転弁の回転位置と既述の2位置(I,II)の対応が機械的でありより実用的に簡素化される。
カム機構が機械系のより一層の簡素化のために用いられる。カム機構は、回転円盤(4)の回転軸心線(L)の廻りに配置されるカム輪(49)と、カム輪(49)に係合して揺動する揺動レバー(47)とから形成される。揺動レバー(47)の揺動は回転弁体(34)の揺動に機械的に連動している。カム輪(49)は揺動レバー(47)の動作点が接触するカム面(51)を有している。カム面(51)は、噴射口(55)を退避位置(I)に位置づける第1カム面(53)と、噴射口(55)を噴射位置(II)に位置づける第2カム面(52)とから構成されている。カム面(51)は、第1カム面(53)と第2カム面(52)で二分され、第1カム面(53)は第1角度範囲で連続し第2カム面()52は第2角度範囲で連続している。両角度領域で噴射と非噴射が機械的に制御され、噴射制御の機械構造がより簡素化される。具体的には、第1角度範囲と第2角度範囲の合計は360度である。ロータリー式ガス置換機構の簡素化がより一層に促進されている。
本発明による飲料液充填方法は、容器を配置するステップと、飲料液を自由落下させるステップと、自由落下する飲料液を容器に注入するステップと、自由落下して縮径する飲料液の周囲に不活性ガスを吹き付けて不活性ガスの層流(88)を飲料液の周面(87)に形成するステップとから構成されている。層流(88)は飲料液に誘引されて容器の中に侵入し、容器の中の空気は不活性ガスと飲料液とで置換される。重力による自由落下の利用は、合理的である。自由落下する流体は、加速度を受け、流速が増加し自然にその流路断面積が縮小する。このような縮小は、縮径と呼ばれる。その縮径は、周囲の真空化により不活性ガスを吸引し、不活性ガスは飲料液の円錐状の周面に吸着して一体的に容器に侵入する。飲料液は確実に不活性ガスに保護される。
飲料液は、ノズルの下端開口(84)から噴出し容器の上方部位の上端開口から容器の中に流入し、下端開口(84)は上端開口より上方に位置していることが適正である。ノズルの下端開口(84)は容器の内部で容器内の液面より上方に位置づけられ得る。飲料液は、ノズルの下端開口から噴出する。
本発明による飲料液充填装置は、飲料液を供給する第1供給源と、不活性ガスを供給する第2供給源と、飲料液と不活性ガスを噴射する二重管ノズル(58)とから構成される。二重管ノズル(58)は、外管(62)と、外管(62)の内側に配置される内管(59)と、内管(59)の内部には第1供給源から飲料液が供給され、内管(59)と外管(62)の間の環状空間(64)には第2供給源から不活性ガスが供給される。飲料液は内管(59)の下端開口(84)から自由落下的に放出され、不活性ガスは環状空間(649の下端開口(83)から噴射される。縮径する飲料液と飲料液の周囲(87)に誘引されて形成する不活性ガスの層流(88)は容器の口から容器の中に注入される。
内管(59)の下端部位の外側面は飲料液の流れ方向に対して傾斜する傾斜面(86)として形成されて、その下端部位は先鋭に形成されている。その先鋭な円形線では、不活性流と飲料液との交叉を防止して、層流(88)が円滑に飲料液流体束の周面に形成される。不活性ガスの流れ面は環状空間(64)の下端部位で傾斜面(86)に沿う面に形成されている。内管(59)の下端開口(84)は環状空間(64)の下端開口より高い位置に位置づけられることが適正である。二重管ノズル(58)の下端は容器の内部に昇降自在に位置づけられることは置換効率を向上させる。
本発明による容器内ガス置換方法、容器内ガス置換装置、及び、飲料液充填方法は、ロータリー式ガス置換ラインの追従機構を簡素化することができる。不活性ガスの使用量は削減される。リンサー、フィラーを含む一連のラインとガス置換ラインとの融合が合理的に実現される。充填時の飲料液の空気接触をより有効に回避する技術を確立することができる。
本発明による容器内ガス置換装置の実現態は、図に対応して、詳細に記述される。その実現態は、図1に示されるように、3つの回転系により構成される。その3つの回転系は、リンサー回転系1と、ガス置換回転系2と、フィラー回転系3とから構成されている。3つの回転系の本体は、それぞれに、回転円盤を形成している。リンサー回転系1はボトル内面を洗浄し、ガス置換回転系2はボトル内ガスを置換し、フィラー回転系3は飲料液を充填する。ボトルとして、PETボトルが好適に例示される。
リンサー回転系1の外周縁で把持され円運動するPETボトルBは、円周上の定位置である第1移載位置Mでガス置換回転系2に移載される。第1移載位置Mでガス置換回転系2に移載されるボトルBは、ガス置換回転系2と同体に1円周上で円運動する。ボトルBの円運動の期間中に、ガス置換初期位置Nでガス置換が開始され、ガス置換終了位置Pでガス置換が終了する。ガス置換初期位置Nとガス置換終了位置Pとの間の回転角度は、ガス置換速度とガス置換回転系2の回転速度とにより適正に設計される設計定数である。ボトルBは、ガス置換終了位置Pをより回転方向に僅かに進んだ回転角度位置の第2移載位置Qで、ガス置換回転系2からフィラー回転系3に移載される。
ガス置換回転系2の本体は、回転円盤4として構成されている。回転円盤4と同体に回転円盤4に、複数のノズル型ガス噴射ユニット5と、多数のボトルBをそれぞれに把持する多数のグリッパユニット6とが形成されている。1つのノズル型ガス噴射ユニット5は、1つのグリッパユニット6に位置対応して1円周上で等角度間隔で回転円盤4に配置されている。回転運動中のノズル型ガス噴射ユニット5は、グリッパユニット6に把持されるボトルBに対して追従関係を保持している。
1つのグリッパユニット6は、図2に示されるように、1つのボトルBを把持する。回転円盤4は、中心支柱7に回転自在に内挿されている回転駆動軸8に同体に結合している。ノズル型ガス噴射ユニット5は、回転円盤4の周縁で立ち上がるステーロッド9に支持されている。置換用ガスは、ガス分配供給器11から多数のノズル型ガス噴射ユニット5に分配的に供給される。ガス分配供給器11は、多数のガス分配管12を介してそれぞれにノズル型ガス噴射ユニット5に接続している。回転駆動軸8に同軸に結合するヘッダーピラー13の頂部の内部は、ガス分配共通口14として形成されている。多数のガス分配管12のそれぞれの一端側は、共通にヘッダーピラー13に接続している。ガス分配供給器11は、ガス分配共通口14に対してロータリジョイント15を介して連通している。ガス分配供給器11には、ガス供給管16が接続している。ガス供給管16の一部位は、ステーフレーム17に支持されている。ステーフレーム17は、支持板18を介して中心支柱7に固定的に支持されている。置換用ガス19は、ガス供給管16に導入されている。
図3は、ノズル型ガス噴射ユニット5とグリッパユニット6の詳細を示している。公知のグリッパユニット6は、ボトルBの頚部を把持する開閉自在なネックホルダ21と、ネックホルダの両指を開閉駆動するネックホルダ動作カム輪板22とから形成されている。ネックホルダ動作カム輪板22は、支持板18に対して支持体23を介して1水平面上に支持されている。ネックホルダ21の両指は、圧縮ばね24により常態的に開く方向に付勢されている。その両指は、第1移載位置Mと第2移載位置Qの間の回転角度範囲でネックホルダ動作カム輪板22に形成されている動作カム面25に転動し又は摺動する動作体26の動作力を受けて、その回転角度範囲で強制的に閉じる方向の動作力を受ける。このような把持機構の把持動作は、回転円盤4の回転に機械的に同期していて、その同期制御が簡素に形成され得る。このような把持機構は、周知である。
ノズル型ガス噴射ユニット5は、ガス分配開閉弁機構27と揺動ノズル機構28とから構成されている。ガス分配開閉弁機構27の本体は、弁形成本体筒29として形成されている。弁形成本体筒29は、図2に示されるように、既述のステーロッド9を介して回転円盤4に支持されている。弁形成本体筒29の中に形成されるガス供給路31は、蓋部分32により閉められている。ガス分配管12の開口端は、ガス供給路31に接続して開放されている。弁形成本体筒29の内部でガス供給路31に、非回転摺動弁座33と回転摺動弁体34と鍔付き回転筒35が挿入されている。鍔付き回転筒35は、回転摺動弁体34に一体的に固着されている。非回転摺動弁座33は、回転阻止ピン36により回転を制止されている。非回転摺動弁座33と回転摺動弁体34の対向面は回転摺動面として形成されている。非回転摺動弁座33には、軸心線から離隔した位置で、第1導通路37が軸心線方向に貫通的に開けられている。回転摺動弁体34には、軸心線から離隔した位置で、第2導通路38が軸心線方向に貫通的に開けられている。非回転摺動弁座33の第1導通路37は、非回転摺動弁座33に対して規定される回転位置の回転摺動弁体34の第2導通路38に位置的に一致して、第1導通路37と第2導通路38は1直線上に接続する。鍔付き回転筒35の鍔部の上面側には円形状溝が形成され、鍔付き回転筒35の筒部の中心にはガス通路39が形成されている。ガス通路39の上端は、その円形状溝で開放されている。ガス通路39は、既述の回転位置の回転摺動弁体34の第2導通路38を介して非回転摺動弁座33の第1導通路37に接続する。
揺動ノズル機構28は、ノズル形成揺動レバー41を備えている。ノズル形成揺動レバー41は、鍔付き回転筒35の筒部の下端面に固着的に接合し、鍔付き回転筒35と同体に揺動的に回転する。ノズル形成揺動レバー41には部分的に円筒部分が形成され、その円筒部分は第1セクタギア42として形成されている。第1セクタギア42に噛み合う第2セクタギア43は、揺動軸44に支持されている。揺動軸44は、弁形成本体筒29の上方部位に一体に取り付けられている上側ブラケット45と弁形成本体筒29の下方部位に一体に取り付けられている下側ブラケット46とに貫通して軸受けされて、両ブラケット45,46に回転自在に支持されている。
揺動軸44の頂部には、図4に示されるように、揺動レバー47が取り付けられている。揺動レバー47の自由側端部には、カム動作ローラ48が回転自在に支持されている。ノズル揺動カム動作輪板49は、図2に示されるように、Lを軸心線として共有し、回転軸心線Lの廻りで一周している。ノズル揺動カム動作輪板49の外周面は、図4に示されるように、ノズル揺動カム動作面51として形成されている。ノズル揺動カム動作面51は、回転円盤4の回転方向にガス置換初期位置Nからガス置換終了位置Pに向かう回転角度範囲では、向心方向に低位に形成されるノズル揺動カム動作低位面52として形成されている。ノズル揺動カム動作面51は、回転円盤4の回転方向に第2移載位置Qからと第1移載位置Mに向かう回転角度範囲では、遠心方向に高位に形成されるノズル揺動カム動作高位面53として形成されている。揺動レバー47の自由側端部と回転円盤4の間には、図3に示されるように、引張コイルスプリング54が介設されている。引張コイルスプリング54は、カム動作ローラ48がノズル揺動カム動作面51に常態的に接する向きに揺動軸44と同体に回転する回転力を揺動レバー47に与えている。
カム動作ローラ48がノズル揺動カム動作低位面52に接して転動している回転運動中には、揺動レバー47は図4に示されるガス噴出禁止位置Iに位置している。カム動作ローラ48がノズル揺動カム動作低位面52に接して転動している回転運動中には、揺動レバー47は図4に示されるガス噴出許容位置IIに位置している。位置Iは退避位置であり、位置IIは動作位置である。位置Iと位置IIの比較のために、位置Iは、現実に位置し得る実線位置と現実に位置し得ない点線位置とで図4に示されている。位置IIのノズル形成揺動レバー41のガス噴射口55は、図3に示されるように、ボトルBの頚部の開口上端面56に回転方向に位置的に一致している。退避位置Iと動作位置IIの位置間で、ノズル形成揺動レバー41のガス噴射口55は開口上端面56に平行である1水平回転面の上で回転し、ノズル形成揺動レバー41は昇降方向に運動することはない。ガス噴射口55の下端面と開口上端面56との間には、僅かな高さ幅の隙間が与えられている。その高さ幅は、より狭いことがガス置換効率の向上の点で望ましい。ノズル形成揺動レバー41を動作位置IIに厳密に保持するためには、揺動レバー47と上側ブラケット45との間に揺動レバー47の回転を制止するストッパ機構を介設することが望ましい。その場合には、カム動作ローラ48はノズル揺動カム動作低位面52に接することは強制されない。
ノズル形成揺動レバー41が動作位置IIに位置している時間中には、ノズル形成揺動レバー41と同体に回転する鍔付き回転筒35のガス通路39は、第2導通路38を介して第1導通路37に連通している。ガス供給管16に導入される置換用ガス19は、ガス分配供給器11とロータリジョイント15を介してガス分配管12に分配され、ガス分配管12に分配される置換用ガス19は、図3に示されるように、ガス供給路31に導入され、連通しあう第1導通路37と第2導通路38とガス通路39を介して、ノズル形成揺動レバー41の中に通されている噴出案内孔の先端開口であるガス噴射口55から吹き出してボトルBの中に導入される。
このようなガス噴射は、それぞれの揺動ノズル機構28に関して、ガス置換初期位置Nで開始されガス置換終了位置Pで終了する。ガス置換が終了したボトルBは、第2移載位置Qでガス置換回転系2からフィラー回転系3に移載される。フィラー回転系3で回転運動するボトルBには、飲料液が充填される。飲料液が充填されるボトルBの中は、空気ではなく空気と置換されている不活性ガスが充填されている。充填される飲料液は、その不活性ガスを追い出す。その不活性ガスは、飲料液と置換される。飲料液の充填の際に生じる泡立ちに吸い込まれるガスは空気ではなく不活性ガスである。栓で密封されるボトルBの中に空気は残存しない。ボトルBの中に不活性ガスが残存することは許容される。
図5は、本発明による飲料液充填方法の実現態を示している。飲料液は、ノンガス飲料液である。本実現態では、飲料液吐出口はボトルBの口より上方側に位置づけられ、充填ノズルユニット58が用いられている。充填ノズルユニット58は、飲料液供給ノズル本体筒59と、弁体61と、ガス供給ノズル本体筒62とを備えている。ガス供給ノズル本体筒62は、飲料液供給ノズル本体筒59に外挿されている。飲料液供給ノズル本体筒59の内側は飲料液流路63として形成されている。飲料液供給ノズル本体筒59とガス供給ノズル本体筒62の間の環状空間は、ガス流路64として形成されている。飲料液供給ノズル本体筒59の上端面は、蓋65で閉じられている。弁体61は、弁棒66により支持され弁棒66の下方端に一体に形成されている。弁棒66の上方部分は、蓋65を貫通している。弁棒66の上端は、エアシリンダ67の動作部分68に結合している。飲料液供給ノズル本体筒59の上方部位には半径方向に飲料液供給管69が貫通し、飲料液供給管69の管端面は飲料液流路63で開放されている。飲料液供給ノズル本体筒59には半径方向にガス供給管71が貫通し、ガス供給管71の管端面はガス流路64で開放されている。ガス供給管71の一部位は、飲料液供給ノズル本体筒59に結合している。飲料液供給管69は飲料液供給タンク(図示されず)に接続し、ガス供給管71の内部に形成されているガス通路72は、不活性ガス供給源(図示されず)に接続している。ガス置換回転系2で用いられるグリッパユニット6と同じグリッパユニット6が、フィラー回転系3で用いられる。
図6は、弁体61とそれの近傍の詳細を示している。飲料液供給ノズル本体筒59の下端部位は、縮径化される縮径部分73を形成している。縮径部分73は、下方に向かって滑らかに縮径化する円錐座面形成部分74と、最小径部分75とから形成されている。円錐座面形成部分74は、下方向きに最小径部分75に連続に接続している。円錐座面形成部分74の内面は円錐面76に形成され、最小径部分75の内面は円筒面77に形成されている。弁体61の上方部位78は、飲料液流路63の流路断面積を縮小して第1環状流路79を形成している。弁体61の下方部位81は、第1環状流路79の流路を更に縮径化して第2環状流路82を形成している。第2環状流路82は、断面輪環状の流路の流れを軸線線方向に収束させる絞り作用を有している。飲料液供給ノズル本体筒59の下端部位とガス供給ノズル本体筒62の下端部位との間には、縮径化されたガス吹出口83が形成されている。
飲料液流路63の下端開口面84とガス噴出口83の下端開口面85とが同一平面を形成することは、液流とガス流の層状化の点で好ましい。ガス噴出口83の下端開口面85が飲料液流路63の下端開口面84より僅かに下方に位置することは、その層状化を阻害しない。飲料液流路63の下端に一致する飲料液供給ノズル本体筒59の下端は、先鋭化されている。円筒面77の下端部位は円筒面であるが、飲料液供給ノズル本体筒59の下端部位の外周面は円錐面86に形成されている。
図6に示されるボトルBは、既述のネックホルダーで規定位置に支持されている。下端開口面84と容器Bの上端開口面との間の隙間幅は、適正値に設定されている。その適正値としては、5〜10mmが適正である。ガス通路72からガス流路64に導入される適正圧力の不活性ガスは、ガス噴出口83からボトルBの中に吹き出される。その直後に、エアシリンダ67が動作し弁体61が上動して、図6に示されるように、第1環状流路79が開通し、飲料液供給管69から供給され飲料液流路63に導入される飲料液の流れは、円錐面76と円筒面77により強制的に縮径され、下端開口面84から放出される。飲料液は、第1環状流路79で重力的に自然落下して下端開口面84から放出される。下端開口面84から下方に放出され重力加速度を受けてその流速が増大する飲料液の流れは、自然に縮径化される。その縮径化の程度は、初期直径と初期速度と重力加速度とにより計算され得る。下端開口面84から放出される飲料液の流れは、飲料液供給ノズル本体筒59の下端の先鋭円周で有効に絞られてその縮径化が促進される。縮流化された飲料液は、その外周面が円錐状面87に保持される。ガス噴出口83から下方に吹き出す不活性ガスは、その縮径円錐状面の負圧に誘引されて、環状薄膜状の層流88に形成され、円錐面86を被覆する。その不活性ガスの層流88は、ボトルBの中でより下方で更に縮径化する飲料液の円錐状面87に吸着し、飲料液に同体化して、ボトルBの中の飲料液面まで誘導される。ボトルBの中に初期的に充填されている不活性ガスは、飲料液と層流88の不活性ガスとに置換されて、矢印89で示されるように、ボトルBの口の内面と層流88の外周面の間を通って外部に放出される。ボトルBの中に残存していた僅かな空気は、概ね完全にボトルBの中から追放される。飲料液の規定量がボトルBの中に充填された後のボトルBのヘッドスペースには不活性ガスが充満している。
図7は、本発明による容器内飲料液充填方法の他の実現態を示している。本実現態では、既述の実現態のガス噴出口83と下端開口面84とが形成されるノズル筒91が別途に用いられる。ノズル筒91は、外筒92と内筒93とから形成されている。内筒93の内部は、飲料液流路63に接続して連通している。ガス通路72は、外筒92と内筒93の間の環状空間94に連通している。
図8に示されるように、図6の下端開口面84は内筒93の下端面に下端開口面84’として転位され、図6の下端開口面85は環状空間94の下端面に下端開口面85’として転位されている。内筒93の下端の先鋭化と外筒92の下端の先鋭化は、図6に対応して記述されいる通りである。飲料液の縮径と層流88の形成は、既述の通りである。飲料液は、ボトルBの中の液面の近傍で層流88でより確実に覆われより確実に縮径化し、その縮径状態と層流状態の乱れがより確実に抑制される。
図1は、本発明による容器内ガス置換装置の適用を示す平面図である。 図2は、本発明による容器内ガス置換装置の実現態を示す断面図である。 図3は、図2の一部の詳細を示す断面図である。 図4は、図3の一部を示す平面図である。 図5は、本発明による容器内ガス置換方法の実現態を示す断面図である。 図6は、本発明による容器内ガス置換方法の他の実現態を示す断面図である。 図7は、本発明による容器内ガス置換方法の更に他の実現態を示す断面図である。 図8は、本発明による容器内ガス置換方法の更に他の実現態を示す断面図である。
符号の説明
4…回転円盤
6…容器支持機構
5…ガス噴射機構
55…噴射口
28…揺動機構
27…開閉弁
29…本体筒
34…回転弁体
35…回転軸
41…ノズルレバー
49…カム輪
47…揺動レバー
51…カム面
52…第2カム面
53…第1カム面
55…ノズルレバーの噴射口
56…上方部位の口
58…二重管ノズル
59…内管
62…外管
64…環状空間
84…下端開口
84…下端開口
83…下端開口
86…傾斜面
87…周面
88…層流

Claims (15)

  1. 複数の容器を回転面の回転に同期させて公転させる第1ステップと、
    前記回転面に対して固定される回転軸を前記回転面の回転に同期させて公転させる第2ステップと、
    前記回転軸の廻りにノズルレバーを一定角度範囲で回転させて揺動的に自転させる第3ステップとを構成し、
    前記第3ステップは、
    前記ノズルレバーの噴射口から前記容器の上方部位の口の中に不活性ガスを噴射し前記容器の中の空気を前記不活性ガスで置換する噴射自転位置に前記噴射口を位置づける第4ステップと、
    前記ノズルレバーの噴射口を前記口から離隔させて前記口から退避させる退避自転位置に前記噴射口を位置づける第5ステップとを形成し、
    前記第5ステップでは、前記不活性ガスの噴射は停止し、前記第1ステップと前記第2ステップと前記第3ステップとは規定される時間帯で同時的に実行される
    容器内ガス置換方法。
  2. 前記容器を洗浄する第6ステップと、
    前記容器に飲料液を充填する第7ステップとを更に構成し、
    前記第6ステップは前記第1ステップより時間的に先行し、前記第7ステップは前記第5ステップより時間的に後行する
    請求項1の容器内ガス置換方法。
  3. 回転円盤と、
    前記回転円盤に支持されて前記回転円盤と同体に回転し容器を支持する容器支持機構と、
    前記回転円盤に支持され前記回転円盤と同体に回転し不活性ガスを前記容器の開口から下方に噴射して前記容器の中の空気を前記不活性ガスで置換するガス噴射機構とを構成し、
    前記ガス噴射機構は、
    前記不活性ガスを噴射する噴射口を備えるノズルレバーと、
    前記ノズルレバーを揺動自在に支持する揺動機構とを形成し、
    前記噴射口は、前記回転円盤の回転面に平行である面上の2位置の間で揺動し、前記2位置のうちの1位置は、前記噴射口が前記容器の上端部位の口の真上にある噴射位置に対応し、前記2位置のうちの他の1位置は、前記噴射口が前記容器の上端部位の口から離れる退避位置に対応する
    容器内ガス置換装置。
  4. 前記回転円盤に支持されて前記回転円盤と同体に回転し前記不活性ガスの供給と前記不活性ガスの供給の停止を切り換える開閉弁を構成し、
    前記開閉弁は、
    本体筒と、
    前記本体筒のなかで回転する回転弁体とを形成し、
    前記ノズルレバーの中には、前記回転弁体と前記噴射口を接続する通路が形成され、前記回転弁体は、前記ノズルレバーに結合して前記ノズルレバーと同体に揺動し、前記回転弁体は、前記噴射位置で前記通路に前記不活性ガスを供給し、前記退避位置で前記不活性ガスを前記通路に供給しない
    請求項3の容器内ガス置換装置。
  5. カム機構を更に構成し、
    前記カム機構は、
    前記回転円盤の回転軸心線の廻りに配置されるカム輪と、
    前記カム輪に係合して揺動する揺動レバーとを形成し、
    前記揺動レバーの揺動は前記回転弁体の揺動に機械的に連動している
    請求項4の容器内ガス置換装置。
  6. 前記カム輪は前記揺動レバーの動作点が接触するカム面を有し、
    前記カム面は、
    前記噴射口を前記退避位置に位置づける第1カム面と、
    前記噴射口を前記噴射位置に位置づける第2カム面とを構成し、
    前記カム面は、前記第1カム面と前記第2カム面で二分され、前記第1カム面は第1角度範囲で連続し前記第2カム面は第2角度範囲で連続する
    請求項5の容器内ガス置換装置。
  7. 前記第1角度範囲と前記第2角度範囲の合計は360度である
    請求項6の容器内ガス置換装置。
  8. 容器を配置するステップと、
    飲料液を自由落下させるステップと、
    自由落下する前記飲料液を前記容器に注入するステップと、
    自由落下して縮径する前記飲料液の周囲に不活性ガスを吹き付けて前記不活性ガスの層流を前記飲料液の周面に形成するステップとを構成し、
    前記層流は前記飲料液に誘引されて前記容器の中に侵入し、前記容器の中の空気は前記不活性ガスと前記飲料液とで置換される
    飲料液充填方法。
  9. 前記飲料液は、ノズルの下端開口から噴出し前記容器の上方部位の上端開口から前記容器の中に流入し、前記下端開口は前記上端開口より上方に位置している
    請求項8の飲料液充填方法。
  10. 前記ノズルの下端開口は前記容器の内部で前記容器内の液面より上方に位置づけられ、 前記飲料液は、前記ノズルの下端開口から噴出する
    請求項8の飲料液充填方法。
  11. 飲料液を供給する第1供給源と、
    不活性ガスを供給する第2供給源と、
    前記飲料液と前記不活性ガスを噴射する二重管ノズルとを構成し、
    前記二重管ノズルは、
    外管と、
    前記外管の内側に配置される内管とを形成し、
    前記内管の内部には前記第1供給源から前記飲料液が供給され、前記内管と前記外管の間の環状空間には前記第2供給源から前記不活性ガスが供給され、
    前記飲料液は前記内管の下端開口から自由落下的に放出され、前記不活性ガスは前記環状空間の下端開口から噴射され、縮径する前記飲料液と前記飲料液の周囲に誘引されて形成する前記不活性ガスの層流は容器の口から前記容器の中に注入される
    飲料液充填装置。
  12. 前記内管の下端部位の外側面は前記飲料液の流れ方向に対して傾斜する傾斜面として形成されて、前記下端部位は先鋭に形成されている
    請求項11の飲料液充填装置。
  13. 前記不活性ガスの流れ面は前記環状空間の下端部位で前記傾斜面に沿う面に形成されている
    請求項12の飲料液充填装置。
  14. 前記内管の前記下端開口は前記環状空間の前記下端開口より高い位置に位置づけられている
    請求項11ないし請求項13から選択されるいずれか一に記載の飲料液充填装置。
  15. 前記二重管ノズルの下端は前記容器の内部に昇降自在に位置づけられる
    請求項11ないし請求項13から選択されるいずれか一に記載の飲料液充填装置。
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