JP5569260B2 - 現像装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
二成分系現像剤は、攪拌混合時に生起される摩擦帯電作用によりトナーを帯電させて感光体上の静電潜像に対して静電吸着できる状態とされる。
このため、トナーの出入りが激しい場合には補給されたトナーが十分に分散できないことがあり、撹拌効果による帯電が不十分となり、結果として帯電量不足のトナーが現像スリーブに達してしまうと浮遊トナーによる感光体の地肌汚れや飛散による周辺部への汚染等の不具合が発生し、品質低下を招く虞がある。
このようなスクリューオーガによる不具合を解消する目的で、回転軸に対して外側およびこれの内側にそれぞれスクリューオーガを設けて現像剤を複数の流れにより撹拌することも考えられるが、各スクリューオーガ同士の間の隙間では撹拌されない現像剤が存在することもあり、依然として十分な撹拌による帯電処理が行えないのが現状である。
現像剤のストレス増加が起こると、キャリアのコート膜剥がれによる帯電能力の低下やトナーの外添剤が埋没することによる帯電能力の低下および流動性の悪化が発生する。流動性の悪化によっては帯電能力の変化や転写率の変化を招き、画質低下の原因となる。
この構成においては、漏斗状の断面形状を有する現像剤収容部の内部に攪拌スクリューおよびこれの外周囲で回転する攪拌羽根が備えられており、攪拌スクリューによる現像剤の上昇移動と上昇した現像剤の自由落下時に攪拌羽根による攪拌が行われ、落下位置に設けられた気流搬送手段により攪拌混合された現像剤を現像装置に向け移送するようになっている。
特許文献に開示されているように、現像剤収容部での攪拌部の構成は、下部に位置する漏斗状断面部に連続する円筒部で構成された収容部本体からなり、攪拌羽根により生起される遠心力により現像剤が円筒部に向けて漏斗状断面部を上昇するとともに、中心部に位置する攪拌スクリューによって現像剤が持ち上げられ、円筒部内で上昇した後、自重落下するようになっている。
従って、攪拌スクリューにより持ち上げられた現像剤は円筒部の長さに関係なく上昇するものの、その上昇端では攪拌羽根の遠心力を利用した現像剤が混ざる量が少なくなり、現像剤が現像剤収容部内で上下に循環する過程で上下方向での攪拌が十分に行われないという現象が発生する。
(1)潜像担持体に形成されている静電潜像をトナーとキャリアとからなる現像剤により可視像処理する現像部と、該現像部から回収した現像剤を再度該現像部の現像剤供給部に向け移送する循環部とを備え、該循環部には、上記現像部に至る前の位置に現像剤の一部を収容する収容部が設けられ、該収容部内には上記回収された現像剤と新たに補給されるトナーとを撹拌混合する攪拌部材が設けられている現像装置において、上記収容部は、円筒部または円錐部とその下方に連設される逆円錐部とで形成され、上記収容部内に収容される現像剤の静止粉面位置が、上記円筒部または円錐部と上記逆円錐部との接合部近傍で、現像剤の嵩密度上限では上記円筒部または円錐部と上記逆円錐部との接合部以下に設定され、現像剤の嵩密度下限では上記円筒部または円錐部と上記逆円錐部との接合部以上に設定されていることを特徴とする現像装置。
しかも、現像剤中のトナーが補充された場合においても、その総容量が現像剤の上昇移動に支障がない量に設定されていることにより、上昇移動と落下という循環過程において分散性を高めてストレス軽減を図ることができる。
図1は、本発明による現像装置を用いる画像形成装置を示しており、同図に示す画像形成装置は、タンデム方式によるフルカラープリンタであるが、本発明は、これに限らず、複写機やファクシミリ装置などにも適用することができる。
図1に示す画像形成装置は、装置本体100内で中間転写ユニット10に設けられている未定着像担持体としての中間転写ベルト10Aの下面に対向して、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。
感光体ドラム1上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)が行われ、感光体ドラム1上に所望のトナー像が形成される。
感光体ドラム1は、不図示の駆動部によって図中、時計回り方向に回転駆動され、帯電手段2の位置で表面が一様に帯電される(帯電工程)。
感光体ドラム1の表面は、不図示の露光部から発せられたレーザ光の照射位置に達して、この位置での露光走査によって静電潜像が形成され(露光工程)、現像装置3と対向する位置に達すると、そこから供給される現像剤に含まれるトナーにより可視像処理されて現像工程を実行される。
転写を終えて感光体1の表面は、クリーニング手段4との対向位置に達し、この位置で感光体ドラム1上に残存した未転写トナーが回収される(クリーニング工程)。クリーニング後、感光体ドラム1の表面は図示しない除電ローラにより電位を初期化される。このような工程を経過することで、感光体ドラム1上で行われる一連の作像プロセスが終了する。
中間転写ベルト10Aは、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ5Y、5M、5C、5Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト10A上に重ねて1次転写される。
定着を終えた転写紙Pは、排紙ローラ対12により、装置本体100の上面に形成された排紙部100Aへ出力画像として排出され、スタックされる。こうして、画像形成装置における一連の画像形成プロセスが完了する。なお、図1において符号13は、中間転写ベルト10Aのクリーニング装置を示している。
図2において現像装置は、後で詳しく説明するが、感光体ドラムに対してキャリアとトナーとを混合した二成分系現像剤により現像工程を実行する現像部と、現像部から回収した現像剤を再度現像部の現像剤供給部に向け移送する循環部と備えている。
現像剤収容部40の上部には、攪拌部材の駆動部をなす駆動モータ40Aおよび攪拌部材の回転トルクを検知するトルクセンサ40Bが設けられている。
トナー供給部60は、トナータンク61と、このトナータンク61と現像剤収容部40との間に接続されているトナー供給路62とトナー供給路62内に配置されているスクリューオーガなどの搬送部材(図示されず)を駆動する駆動モータ63とを備えている。
図3において現像槽30の内部には、感光体ドラム1に対向して現像剤を担持する現像スリーブ31と、現像スリーブ31の近傍で上下に配置されて相対するリード方向を設定された搬送スクリュー32,33と、現像スリーブ31表面での現像剤担持量を規定するドクターブレード34とが設けられている。
搬送スクリュー33の最下流には図示しないトナー濃度検知手段が設置されており、その信号を基にトナータンク61から新規トナーの補給が行われる。トナーの補給は前述したように現像剤供給路41内に配置されている搬送スクリューを介して行われる。
図4において、現像剤収容部40は、上部側に位置する円筒状部分40Cと円筒状部分40Cの下部に連続して設けられている逆円錐状部分40Dとからなり、下向き錘状をなす漏斗状の形状とされた容器43が用いられている。
これは、後述するが、攪拌部材の一つである攪拌羽根による遠心力が現像剤に作用した際に、現像剤を逆円錐状部分40Dの内壁面に沿って円筒状部分40Cに向けて移動させることを意図したものである。
スクリュー44Aは、モータ40Aから垂下して円筒状部分40Cおよび逆円錐状部分40Dが連続する方向の軸方向を有する回転軸44に一体化されており、また、攪拌羽根45Aは、回転軸44により駆動される減速ギヤ群GRの出力ギヤと連動可能な端板45と一体化されることにより回転可能に設けられている。なお、図4には、図2において示したトルクセンサ(40B)が省略されている。
モータ40Aからの回転は、回転軸44に連動するスクリュー44Aに伝達されると共に、回転軸44に連動可能な減速ギヤ群RGを介して端板45に伝達されることでスクリュー44Aとは異なる周速で回転するようになっている。
本発明の特徴は、円筒状部40Cと逆円錐状部40Dとの接合部SG近傍に現像剤の静止粉面位置が設定されて現像剤が収容されている点にある。
そこで、下層の現像剤への重量負荷を避けるために、本発明では現像剤を逆円錐上部40Dから円筒状部40Cに向けて移動させることで、円筒状部を移動する場合のような下層の現像剤への重量負荷を作用させないようにしている。
現像剤は、湿度などの環境変動や、トナー濃度変動、さらには現像剤の劣化状態などにより嵩密度が変化する。例えば、トナー濃度変化および、劣化現像剤に関する緩み嵩密度の変化は、図6に示す結果が得られる。
ここでいう、緩み嵩密度はφ5mmの穴を通して、現像剤を50mLの容器内へ落下させ、容器からはみ出した現像剤を摺りきり、そのときの重さから嵩密度を求めている。
トナーは約5μm、キャリアは約35μmのものを使用)。図では1.6〜1.95g/cm3まで嵩密度が変化しているが、さらに環境変動が入ると、1.5〜2g/cm3程度の嵩密度変化が考えられる(ただし、トナーやキャリアの粒径や、添加剤などでも嵩密度は変化するため、その都度嵩密度の変動幅は考慮する必要がある)。
本実施例では、現像剤の静止粉面位置を、現像剤の嵩密度上限で円筒部と逆円錐部の接合部以下の高さとなるように、そして、嵩密度下限で接合部以上の高さとなるように現像剤の粉面(収容部内現像剤量)を設定することで、現像剤が極端に多かったり、少なかったりすることを防ぎ、前述した現像剤量の適正化と同様な理由により、撹拌性を良好に保つことが可能となる。
図5における状態Bは、嵩密度が上限となる条件での粉面位置であり、円筒部と逆円錐部の接合位置(a)よりも下に静止粉面(b)が位置している。
一方、状態Cは嵩密度の下限値を表しており、接合部位置(a)に対して上側に静止粉面位置(c)が位置している。通常(制御中心値、例えばトナー濃度の中心値)は、状態Aのように接合部と粉面が近い位置にあり、これにより低ストレスで良好な撹拌性を保つことができる。
図7における矢印が現像剤の動きを表しており、板状の撹拌部材45Aが回転することにより、現像剤は押し動かされ、遠心力により容器側面に移動する。この際、収容部の容器43は逆円錐形であるため、容器側面に沿って上側に現像剤が持上げられる(矢印a)。持上げられた現像剤は円筒状部40Cに達し、重力により落下する(矢印b)。
一方で、中心部に設けられたスクリュー44Aも現像剤を上方向に持上げる向きに回転しており、現像剤は矢印cのように上側に移動し、最終的には重力により落下する。
図8(A)は、本発明の実施例に用いる構成であり、円筒部と逆円錐の接合部近傍に静止粉面が来るように設定したものである。
図8(B)は、接合部よりも上に、そして図8(C)は、接合部以下となるような静止粉面位置に関する条件を設定した場合を示している。
特に、図8(C)では、撹拌時の粉面も接合部以下となるようにしている。
各容器内の現像剤容量は同量となるように容器形状を変化させている。図8(A)を標準、図8(B)を小径、図8(C)を大径とそれぞれ呼称する。
まず、上下方向(重力方向)の撹拌性を調べるために、所望のトナー濃度(本実験ではトナー濃度10wt%)になる量のキャリアを下方に、その上にトナーを図9(1)のように配置させ、下部の排出口を閉じた状態で撹拌を行った。
図9(1)のa、bで示された位置の現像剤をサンプリングし、その時のトナー濃度を測定し、時間に対してプロットした。
図9(2)には、標準条件、図9(3)には、小径条件の結果をそれぞれ示す。
図9のグラフでは、小径条件に対して、標準条件のトナー濃度の収束が著しく速く(約1/6)なっていることがわかる。これは、現像剤の嵩が高くなると、上下方向の撹拌性が悪く、十分混ざるために時間が掛かることが理由である。
図10には容器の水平方向(横方向)の撹拌性を調べるため、高濃度現像剤(TC10%)および低濃度現像剤(TC4%)を、容器内に図10(1)に示す状態で配置し、撹拌後の現像剤をc、dの位置からサンプリングし、トナー濃度の測定を行った。
図10(2)に標準条件、図10(3)に大径条件の結果を示す。標準条件は大径条件よりも横方向のトナー濃度差の収束が速く、約1/6の時間で収束するという結果になった。
これは上でも説明したように、撹拌時に円筒部に粉面が届かないよう条件では、撹拌時の遠心力により外側に広がった現像剤が中心の現像剤と混ざることが出来ないためである。
また、収容部内の現像剤量を極端に減らすことで、容器内の現像剤を十分均一にするまでの時間を短くすることも可能であるが、それではトナー補給時のトナー濃度変動が大きくなってしまい(収容部の現像剤量が多くなればなるほど、あるトナー補給量に対するトナー濃度変化は小さくなる)、現像部に送り出される現像剤のトナー濃度が不安定になってしまい望ましくない。
図11に撹拌部材44A、45Aに掛かる総撹拌トルクを現像剤容量に対してプロットしたグラフを示す。
標準条件は、他の2条件に対して、撹拌トルクが小さいことがわかる。小径(接合部以上の静止粉面条件)については、現像剤の嵩高さが高いため、上部の現像剤により下部の現像剤が圧縮され、圧縮された状態で撹拌されるためにトルクが上昇すると考えられる。
一方、大径については、撹拌時、図8(C)に示すように遠心力で現像剤が容器側面に寄り、さらに外側ほどトルクが大きくなることで、標準よりもトルクが増加していると考えられる(標準では、円筒部に達した現像剤は落下して、余計なトルクが掛からない)。
図12に示すように撹拌部材の回転数を上げていくと、トルクは一旦下がり、その後上昇するという変化が生じる。これは、現像剤の流動状態が影響しており、低回転数から大きくなるに従い、現像剤が流動化して、最も小さなトルクになる。流動化がある状態にまで達すると、回転数を上げてもそれ以上流動化(低嵩密度となる)することはなく、撹拌部材が高回転数化することによるトルク上昇が生じる。最もトルクが小さい範囲の回転数を使用することで、現像剤に余計なストレスを与えずに劣化させることがない。
つまり、粉面位置を検知する圧電素子を用いた粉面位置検知センサと、このセンサが入力側に接続され、出力側には現像剤収容部40から攪拌後の現像剤を排出する手段、本実施例では、ロータリーフィーダ50の駆動部が接続された制御部を用い、粉面位置検知センサからの検知信号に応じて現像剤収容部40からの現像剤の排出量を調整する。
例えば、圧電素子への圧力入力によって容器の接合部よりも高い位置に現像剤の粉面が位置していると判断した場合には、ロータリーフィーダ50を駆動して現像剤収容部40内での現像剤の排出を促すことにより粉面位置を下げるようにする。これとは逆に、圧電素子への圧力の入力がないことにより容器の接合部よりも低い位置に粉面が位置していると判断した場合には、ロータリーフィーダ50の駆動条件を変更して現像剤の排出量を少なくする。ただし、現像装置内で現像剤の度が不足していることが判断された場合には、ロータリーフィーダ50の動作条件を所定条件に戻して現像剤の濃度不足を補うようにすることが前提であること勿論である。
30 現像槽
40 現像剤収容部
40C 円筒状部
40D 逆円錐部
43 容器
44A スクリュー
45A 攪拌羽根
SG 接合部
Claims (6)
- 潜像担持体に形成されている静電潜像をトナーとキャリアとからなる現像剤により可視像処理する現像部と、該現像部から回収した現像剤を再度該現像部の現像剤供給部に向け移送する循環部とを備え、該循環部には、上記現像部に至る前の位置に現像剤の一部を収容する収容部が設けられ、該収容部内には上記回収された現像剤と新たに補給されるトナーとを撹拌混合する攪拌部材が設けられている現像装置において、
上記収容部は、円筒部または円錐部とその下方に連設される逆円錐部とで形成され、
上記収容部内に収容される現像剤の静止粉面位置が、上記円筒部または円錐部と上記逆円錐部との接合部近傍で、現像剤の嵩密度上限では上記円筒部または円錐部と上記逆円錐部との接合部以下に設定され、現像剤の嵩密度下限では上記円筒部または円錐部と上記逆円錐部との接合部以上に設定されていることを特徴とする現像装置。 - 上記円筒部または円錐部の長手方向長さは上記逆円錐部のそれよりも短い関係とされていることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
- 上記現像剤の収容部には、円筒部または円錐部とその下方に連設される逆円錐部の連設方向に軸方向を有する回転軸に装備された攪拌部材が配置され、該攪拌部材は、上記現像剤を上記逆円錐部から上記円筒部または円錐部に向け移動させる回転方向が設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
- 上記攪拌部材の回転数として、上記円筒部または円錐部と逆円錐部との接合部よりも上記円筒部または円錐部側に上記現像剤を持ち上げ、該円筒部または円錐部に達した現像剤を重力により落下させることができる汲み上げ量が得られる回転数を設定されていることを特徴とする請求項3記載の現像装置。
- 上記現像剤の収容部には、上記円筒部または円錐部の上部に設けられた現像剤供給部と上記逆円錐部の下部に設けられている現像剤排出部とが備えられていることを特徴とする請求項1乃至4のうちの一つに記載の現像装置。
- 請求項1乃至5のうちの一つに記載の現像装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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