JP5567979B2 - 自動車用ハーネスの配線構造 - Google Patents
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Description
前記クロスメンバ103はフロアパネルの剛性を保持するために設けられており、フロアパネル100に上下方向から加えられる荷重を支持すると共にフロアパネルの側方からの外力に対して抗力を発生する。フロアパネル100の剛性を高めるためには、クロスメンバ103のフロアパネル100からの高さはできるだけ大きくすることが望ましい。一方、ウォークスルータイプとして利便性を高めたり、積載性を高めるたりするには、クロスメンバ103やセンタトンネル102の高さをできるだけ低くすることが好ましい。
前記パーキングブレーキケーブル10はセンタトンネル102の上面に沿って車両前後方向に配索され、該センタトンネル102を跨ぎ越すクロスメンバ103の上面を縦断して車両後方に配線される場合が多い。かつ、車両の左右に配置する電装品を接続するために、クロスメンバ103の後縦壁に沿って車幅方向にワイヤハーネス11が配索される場合が多い。
自動車組立時に、前記パーキングブレーキケーブル10が最後に自動車に配線されるため、クロスメンバ103およびワイヤハーネス11の上面を跨ぐようにパーキングブレーキケーブル10が後方へと配線される。また、前記ワイヤハーネス11の車幅方向の中央部で幹線11Aから枝線11Bが分岐し、該枝線11Bがクロスメンバ103の上面を縦断するとともに、センタトンネル102の上面に沿って配索される場合もある。
フロアの上面に突出した段差を跨ぎ越すハーネスを収容するプロテクタを設け、該プロテクタは前記段差の上面に凹設したプロテクタ収容溝に嵌合する段差縦断部を枝線収容部として備えると共に該枝線収容部と連続する幹線収容部を備え、
前記プロテクタの段差縦断部および幹線収容部の上面高さを前記段差の上面高さと同等としてプロテクタが前記段差を跨ぐ範囲を含めた平坦面を形成し、かつ、前記プロテクタの段差縦断部の底壁に固定用のクランプを突設している自動車用ハーネスの配線構造を提供している。
前記プロテクタは本体と蓋とからなり、前記クロスメンバの後縦壁に沿って車幅方向に配置する前記幹線収容部と、該幹線収容部から分岐して前方に延在する枝線収容部とからなる略L字形状で、前記枝線収容部の一部が前記段差縦断部となり、該段差縦断部から前方へ突出する前方膨出部を備え、前記段差縦断部にハーネスの幹線から分岐した枝線と、ケーブルとを平行に配線していることが好ましい。
前記のようにクロスメンバとセンタトンネルの間の凹部にプロテクタを配置し、該プロテクタの上面高さを両側のクロスメンバとセンタトンネルの上面高さと同等とすると、水平面を拡張でき、フラット化を促進できる。かつ、プロテクタにケーブルを収納する構造にすることにより低く抑えたフラットな面の下でケーブルとハーネスの交差を収めることができる。
すなわち、段差となるクロスメンバの前後縦壁にプロテクタの段差縦断部を挟む前後部のプロテクタ本体の側壁を接触させると、段差縦断部をプロテクタ収容溝に嵌合した状態で安定して固定でき、安定したフラット面を広く形成できる。かつ、ケーブルやハーネスの配索もばらつきが少なく、収まりを良くすることができる。
高さがあり、剛性の高いシート取付座に連なる位置とすることで、プロテクタの一部を通すための高さ寸法と、クロスメンバの剛性確保を両立できる。また、相対的に剛性が低くなり易いプロテクタを踏まれ難くすることができる。
かつ、足踏みや積載物による上方からの荷重に対して、プロテクタでワイヤハーネスやケーブルを外装することにより保護を図ることができる。
実施形態の自動車は、図1に示すように、運転席シートS1と助手席シートS2との間にセンタコンソールを配置せず、乗員が移動可能なウォークスルー通路5を設けたウォークスルー型自動車からなる。
ウォークスルー通路5とする部分には、センタトンネル2を跨ぎ越すクロスメンバ3が
段差としてフロアパネル1の基準床面1aから突設している。すなわち、前記センタトンネル2は車両前後方向に延在し、該センタトンネル2を横断してクロスメンバ3が車幅方向に延在し、該クロスメンバ3とセンタトンネル2との交差部ではクロスメンバ3がセンタトンネル2を跨ぎ越している。
該ケーブル挿通溝25は、車両前方からクロスメンバ3を跨いで後方へと配線されるパーキングブレーキケーブル10の挿通用である。パーキングブレーキケーブル10を蓋20bの表面に設けたケーブル挿通溝25に挿通させるのは、前記のように、プロテクタ20をフロアパネル1およびクロスメンバ3に固定した後に、最後に組みつけるケーブルとなるからである。
このように、クロスメンバ3の突出高さを大とした部分にプロテクタ収容溝15を設けているため、クロスメンバ3の剛性を低下させず、かつ、プロテクタ20の段差縦断部22aの上面をクロスメンバ3の上面3a、3bと同等とできる。さらに、クロスメンバ3の後縦壁3cに沿って配置するプロテクタ20の幹線収容部21の上面もクロスメンバ3の上面の高さと略同等としているため、ウォークスルー通路5となる部分を平坦とすることができる。
図9(A)に示すように係止段部23dの係止突出部23eを長くすると共に、図9(B)に示すように、該係止突出部23eを断面コ字形状とし、図9(C)に示すように、解除用の治具の両側部30a、30bで係止突出部23eを掴みやすくすると共に、掴んだ状態で横すべりしにくくしている。
2 センタトンネル
3 クロスメンバ
5 ウオークスルー通路
10 パーキングブレーキケーブル
11 ワイヤハーネス
11A 幹線
11B 枝線
15 プロテクタ収容溝
20 プロテクタ
20a 本体
20b 蓋
21 幹線収容部
22 枝線収容部
22a 段差縦断部
22b 前方膨出部
25 ケーブル挿通溝
25a、25b 挟持爪
S1 運転席シート
S2 助手席シート
Claims (6)
- 運転席シートと助手席シートの間をウォークスルー通路とする自動車において、
フロアの上面に突出した段差を跨ぎ越すハーネスを収容するプロテクタを設け、該プロテクタは前記段差の上面に凹設したプロテクタ収容溝に嵌合する段差縦断部を枝線収容部として備えると共に該枝線収容部と連続する幹線収容部を備え、
前記プロテクタの段差縦断部および幹線収容部の上面高さを前記段差の上面高さと同等としてプロテクタが前記段差を跨ぐ範囲を含めた平坦面を形成し、かつ、前記プロテクタの段差縦断部の底壁に固定用のクランプを突設している自動車用ハーネスの配線構造。 - 前記段差はフロアパネルに設けたクロスメンバからなり、該クロスメンバに設ける前記プロテクタ収容溝は前後方向に開口した窪みからなり、
前記プロテクタは本体と蓋とからなり、前記クロスメンバの後縦壁に沿って車幅方向に配置する幹線収容部と、該幹線収容部から分岐して前方に延在する枝線収容部とからなる略L字形状で、前記枝線収容部の一部を前記段差縦断部とし、該段差縦断部に連続する前方膨出部を設け、かつ、前記段差縦断部にハーネスの幹線から分岐した枝線とケーブルとを平行に配線している請求項1に記載の自動車用ハーネスの配線構造。 - 前記クロスメンバはセンタトンネルの突出部分を跨ぎ越して車幅方向に延在し、前記プロテクタの幹線収容部を挟んで前記センタトンネルの最上面が位置し、該最上面と幹線収容部の上面と前記クロスメンバの上面の高さを略同等としている請求項2に記載の自動車用ハーネスの配線構造。
- 前記プロテクタの枝線収容部の前方膨出部は、前記クロスメンバの高さがセンタトンネルの突出部分の段差に応じて高くなる部位に対応して形成している請求項2または請求項3に記載の自動車用ハーネスの配線構造。
- 前記プロテクタの段差縦断部を前記クロスメンバに設けるシート取付座の脇に設けている請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の自動車用ハーネスの配線構造。
- 前記プロテクタは段差縦断部を挟む前後部分を、前記段差の前後縦壁に当接させて固定している請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の自動車用ハーネスの配線構造。
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