JP5567707B2 - 無線通信方法、無線基地局および無線端末局 - Google Patents
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Description
本願は、2009年7月9日に日本に出願された特願2009−162727号と、2009年8月19日に日本に出願された特願2009−190230号とに基づき、優先権を主張し、その内容をここに援用する。
このセルで構成される無線通信システムにおいて、同一の周波数帯域を用いた複数のセルが近接することにより、セル間において通信の干渉が発生することになる。
これを解決する方法としては、干渉を起こす隣接したセルの無線基地局の各々が異なる周波数帯域を用いて通信を行う方法が有効である(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載されているように、自身の無線基地局に所属する無線端末局から送信される無線信号のみを用い、周波数帯域の選択を行う場合、自身に所属する無線端末局に対する他の無線基地局および無線端末局からの干渉を考慮した周波数帯域の選択は困難であった。
また、空間多重通信において、従来のMU−MIMO技術では、同一の周波数チャネルを複数のセルで共用するケース、すなわちオーバーラップセル環境を考慮していないため、複数のセル間で空間多重により通信する仕組みはない。図42に示す例では、無線基地局APは、たまたま2つの無線端末局宛ての送信パケットを保持していたため、無線基地局の最大空間多重数で送信し、無線空間リソースを有効利用しているが、1つの無線端末局宛ての送信パケットのみ保持している場合は、空間多重数は2に留まり、空間多重による無線空間リソースの有効利用が不十分であるという問題がある。
近年、それぞれがセルを形成する複数の無線基地局と、複数の無線基地局のいずれかのセルに属し、自身が属するセルを形成する無線基地局と無線通信を行う無線端末局とを備えた無線通信システムが増加している。このような複数のセルが近接すると、それぞれのセル間での無線通信の干渉が発生する。
このような干渉を回避する技術として、セルごとに異なる周波数帯域を割り当てる方法が有効である。例えば、特許文献1には、無線基地局が、定められた周波数帯域毎の自身の周辺セルの無線基地局および無線端末局が送信する信号の信号強度を測定し、信号強度が閾値以下である周波数帯域を自律分散的に自局に割り当てる技術が記載されている。
まず、本実施形態による無線通信方法の概要を説明する。本実施形態では、それぞれがセルを形成する複数の無線基地局と、これらの無線基地局のいずれかと無線通信を行う無線端末局とを備えた無線通信システムにおいて、無線基地局と無線端末局との間で送受信される無線信号の信号強度および利用頻度が周波数帯域毎に測定される。無線基地局は、測定された信号強度および利用頻度に基づいて、自身のセルに属する無線端末局とのスループットが最大となる周波数帯域を決定し、決定した周波数帯域を利用して無線端末局と通信を行う。このように、周波数帯域の利用頻度の情報を取得することにより時系列情報に基づいて周波数帯域を決定することができるため、信号強度のみに基づいて周波数帯域を決定することに比べて、よりスループットが高くなる周波数帯域を利用することが可能である。なぜならば、信号強度が大きくても周波数帯域の利用頻度が低い場合、その周波数帯域を利用して無線通信を行うことによりスループットの向上が期待できるからである。
まず、本発明による第1の実施形態について説明する。本実施形態は、無線基地局の受信ウェイトごとに信号強度および利用頻度を測定し、測定した情報を用いて周波数帯域を決定する。図1は、本発明の第1の実施形態における無線通信システムの一例を示す構成図である。図1において、セル1は、無線基地局110のセルであり、無線端末局111〜113が属している。セル2は、無線基地局120のセルであり、無線端末局121〜123が属している。セル3は、無線基地局130のセルであり、無線端末局131〜133が属している。
無線信号処理部103は、測定信号受信部102が受信した無線信号を、アナログ信号とデジタル信号との双方向に変換させる。
信号強度測定部104は、利用対象の一部もしくは全周波数帯域について無線基地局周辺に存在する他セルの無線基地局もしくは無線端末局の信号強度を測定する。
情報記憶部106には、信号強度測定部104および信号利用頻度測定部105によって測定された情報が記憶される。図3は、変更した受信ウェイト毎、周波数帯域毎に測定され情報記憶部106に記憶された信号強度とその平均値とのデータ例を示す図である。図4は、変更した周波数帯域毎に測定され情報記憶部106に記憶された平均信号強度および平均信号利用頻度のデータ例を示す図である。ここでは、受信ウェイト毎、周波数帯域毎に測定され信号強度と、周波数帯域毎に測定された平均信号強度および平均信号利用頻度とのデータが別テーブルに記憶された例を示すが、受信ウェイト毎、周波数帯域毎に平均信号強度と平均信号利用頻度との情報が取得され、記憶されるようにして良い。
周波数帯域決定部108は、情報記憶部106に記憶された情報に基づいて、通信に利用する周波数帯域を決定する。例えば、図3のデータ例に基づいて周波数帯域を決定する場合には、最も受信信号強度が低い第1の周波数帯域を通信に利用すると決定する。あるいは、図4のデータ例に基づいて周波数帯域を決定する場合には、最も平均信号利用頻度が低い第2の周波数帯域を通信に利用すると決定する。
次に、本発明による第2の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態における受信ウェイト決定部107による受信ウェイトの選択方法の例において、変更する受信ウェイトの数を削減することにより、最大のスループットとなる周波数帯域を検出するスピードを上げる例である。この場合、無線基地局から無線端末局へ最大のスループットが達成される送信ウェイトを検出用の受信ウェイトとして用いることにより、信号検出ウェイトの変更数を削減する。
次に、本発明による第3の実施形態について説明する。本実施形態では、第2の実施形態と同様に、受信ウェイト決定部107による受信ウェイトの選択方法の例において、変更する受信ウェイトの数を削減する。ここでは、無線基地局は電波の到来方向をθ度ずつのブロックに分け、それぞれのブロックにおける受信ウェイトを信号検出ウェイトとして用いることにより、信号検出ウェイトの変更数を削減する。
次に、本発明による第4の実施形態について説明する。本実施形態においては、無線端末局が定期的に他セルに属する無線基地局もしくは無線端末局からの無線信号の信号強度および信号利用頻度を測定し、測定した情報を定期的に自身のセルに属する無線基地局に通知する。通知信号を受信した無線基地局は、該通知信号を用いて周波数帯域を決定する。
データ信号受信部304は、無線端末局から通知されるデータ信号を受信する。
無線信号処理部305は、受信したアナログ信号とデジタル信号との双方向に変換する。受信した信号を無線信号処理部でデジタル信号へ変化した信号は上位のレイヤに送信される。
測定信号受信部403は、無線端末局周辺の他セルからの無線信号を受信する。
信号強度測定部405では、利用対象の一部もしくは全周波数帯域について当該無線端末局周辺に存在する他セルの無線基地局もしくは無線端末局の信号強度を測定する。また、信号強度測定部405は、信号強度の測定結果から他セルの電波が存在していない場合、空いている周波数帯域を検出する空き周波数検出手段を提供する場合もある。
情報記憶部408には、信号強度測定部405と信号利用頻度測定部406とが測定した情報が記憶される。
送信部409は、情報記憶部408に記憶された情報を、定期的に自身のセルに属する無線基地局に対して送信し、通知する。
次に、本発明による第5の実施形態について説明する。本実施形態においては、第4の実施形態のように無線端末局が測定を行なう場合において、無線端末局が定期的に無線基地局に通知を行わず、無線基地局から無線端末局に通知要求をした場合のみ無線端末局が無線基地局に通知する場合について示すものである。本実施形態における装置構成は、図1に示した第1の実施形態と同様である。
通知要求部507は、無線基地局自身のセルに属する無線端末局から情報を収集するために、無線端末局に対して要求信号を生成する。
送信部508は、前記通知要求部507で生成された要求信号を送信する。
次に、本発明による第6の実施形態について説明する。本実施形態においては、第4、5の実施形態のように無線端末局が測定を行なう場合において、無線端末局が定期的に当該無線端末局の周辺に存在する他セルに属する無線基地局もしくは無線端末局からの無線信号から信号強度もしくは信号利用頻度の測定を行わず、無線基地局から無線端末局に通知要求をした場合のみ無線端末局が測定を行い、無線基地局に通知する場合について示すものである。本実施形態における装置構成は、図1に示した第1の実施形態と同様である。
次に、本発明による第7の実施形態について説明する。本実施形態においては、第4、5、6の実施形態で示す無線端末局の測定する信号強度および信号利用頻度を複数の受信ウェイトによって測定した結果を用いて周波数を決定する。無線端末局から無線基地局へ情報を通知する方法は、第4、5、6の実施形態の方法のどの方法を用いてもよい。無線端末局の受信ウェイトを変更し用いることによって、より広範囲の無線信号の情報を通知することが可能となるため、よりスループットが上昇する。
次に、本発明による第8の実施形態について説明する。本実施形態においては、無線基地局が自身のセルに属する無線端末局から無線端末局周辺の他セルに属する無線基地局もしくは無線端末局からの無線信号の信号強度を用いて、無線基地局が自身のセルに属する無線端末局のスループットが最大になる変調方式および符号化率を決定する場合である。他セルに属する無線基地局もしくは無線端末局と変調方式および符号化率が異なれば、干渉が低減することから、信号利用頻度が低い周波数帯域を利用すると同様にスループットが上昇する。例えば、無線基地局が図17に示すようなテーブルを予め記憶し、記憶したテーブルを参照して、測定した信号強度および雑音電力の比である受信信号対雑音比に基づいて変調方式および符号化率を決定することにより、通信量を増加させることが可能である。
また、適応変調や適応符号化を行う場合でも、無線基地局と端末間のチャネル情報を用いて適応変調や適応符号化を行うことに比べて、他のエリアからの干渉をも考慮して、より有効な変調方式あるいは符号化率を選択することが可能となる。
また、空間多重を用いる場合に、他セルの無線装置から自セル無線装置への干渉(通信品質劣化)も考慮して、他セルに対してヌルを向けることにより、他セルに属する無線装置(無線基地局、あるいは、無線端末局)間の干渉を排除することが可能となる。
<第9の実施形態>
図18は本発明の第9の実施形態の無線ネットワーク構成を示すブロック図である。図18において、2つのセル(無線通信をカバーする通信エリア;以下、単にセルという、第1から第8の実施形態におけるセル)であるセル201、セル202は同一周波数チャネルを使用しており、互いに一部がオーバーラップしている。また、無線端末局STA1、無線端末局STA2はセル201に属し、無線基地局AP1と、無線端末局STA3はセル202に属し無線基地局AP2とそれぞれ通信を行う。また、無線端末局STA3はセル201とセル202のオーバーラップ領域に存在し、ビームフォーミングしない場合、無線基地局AP1および無線基地局AP2からの無線波が伝播する環境にある。
次に、図20、図21を参照して本発明の第10の実施形態について説明する。図20は、第10の実施形態の無線ネットワーク構成図であり、図21は、図20に示すシステムのパケット信号の送信の動作を示すタイムチャートである。図20において、無線基地局AP1と無線端末局STA1はセル201に属しており、無線基地局AP2と無線端末局STA2はセル202に属している。無線基地局AP1、無線基地局AP2、無線端末局STA1、無線端末局STA2は、セル201と周辺セルであるセル202のオーバーラップするエリアに存在する。
次に、図22を参照して本発明の第11の実施形態について説明する。第11の実施形態における無線ネットワーク構成図は、図20に示す構成図と同じである。図22は、本発明の第11の実施形態のパケット信号の送信の動作を示すタイムチャートである。図22において、無線基地局APは、1つないし複数の宛先の送信データが生起したとき、ランダムな時間間隔でキャリアセンスCSを行い、他の信号を検出しなかった場合、すなわちアイドル中の場合、1つないし複数の宛先アドレスを含む呼出信号を送信する。図示する例では、無線基地局AP1では無線端末局STA1宛の送信データが生起し、無線基地局AP2では無線端末局STA2宛ての送信データが生起している。また、「無線基地局AP1のランダム時間」<「無線基地局AP2のランダム時間」の関係により、無線基地局AP1が最初の呼出信号を送信している。
次に、図23を参照して本発明の第12の実施形態について説明する。第12の実施形態における無線ネットワーク構成図は、図20に示す構成図と同じである。図23は、第12の実施形態のパケット信号の送信の動作を示すタイムチャートである。図23において、無線基地局AP1は、セル202の無線基地局AP2からのパケット信号を受信した場合、パケット信号に含まれる送信元アドレスを記憶する。また、無線基地局AP2は、セル201の無線基地局AP1からのパケット信号を受信した場合、パケット信号に含まれる送信元アドレスを記憶する。なお、一般に無線LANのパケット信号には宛先アドレス、送信元アドレス、属しているセルの無線基地局アドレスがヘッダ部に含まれている。
次に、図25を参照して第13の実施形態について説明する。第13の実施形態における無線ネットワーク構成図は、図20に示す構成図と同じである。図25は、呼出信号に送信元の無線基地局が空間多重可能な余裕数を含む場合の動作を示すタイムチャートである。ここでは、無線基地局AP1と無線基地局AP2のアンテナ数は4とする。無線基地局AP2は無線基地局AP1からの呼出信号を受信し、無線基地局AP1の空間多重余裕数が2であることを知る。そこで、無線端末局STA2との通信に残りの空間多重数2を割り当てるとともに、空間多重余裕数0として、呼出信号を送信する。このため、空間多重余裕数を超えてパケット信号を送信することによるセル間干渉の発生を防止することができる。
次に、図26を参照して第14の実施形態について説明する。第14の実施形態における無線ネットワーク構成図は、図20に示す構成図と同じである。図26は、呼出信号に宛先無線端末局のアンテナ数を含む場合の動作を示すタイムチャートである。一般に、空間多重の最大数はアンテナ数に一致し、送信局のアンテナ数と受信局のアンテナ数が異なる場合は少ない方のアンテナ数に一致する。ここでは、無線基地局AP1と無線基地局AP2のアンテナ数は4とする。無線基地局AP2は、無線基地局AP1からの呼出信号を受信して無線基地局AP1の宛先無線端末局のアンテナ数が2であることを知り、空間多重余裕数が2であることを知る。そこで、無線端末局STA2との通信に残りの空間多重数2を割り当てる。このため、空間多重余裕数を超えてパケット信号を送信することによるセル間干渉の発生を防止することができる。
次に、図27を参照して第15の実施形態について説明する。第15の実施形態における無線ネットワーク構成図は、図20に示す構成図と同じである。図27は、呼出信号に呼出信号により指定された無線端末局と無線基地局以外の送信を禁止する区間を含む場合の動作を示すタイムチャートである。ここでは、呼出信号送信後から確認信号ACK受信までの区間を送信禁止区間としている。これにより、他の無線局から干渉されることを防止できる。
次に、図28を参照して第16の実施形態について説明する。第16の実施形態における無線ネットワーク構成図は、図20に示す構成図と同じである。図28は、呼出信号にパケット信号長を含む場合の動作を示すタイムチャートである。無線基地局AP1は、パケット信号長を呼出信号に含めて送信する。無線基地局AP2は、通知されたパケット信号長と等しい長さのパケット信号を生成し送信する。例えば、パケット信号が短い場合はパディングし、長い場合は分割して送信する。これにより、パケット信号受信中にセル202の無線端末局が確認信号ACKを送信して干渉を与える事象を、防止することができる。
次に、図29を参照して第17の実施形態について説明する。第17の実施形態における無線ネットワーク構成図は、図20に示す構成図と同じである。図29は、呼出信号に確認信号ACKを送信する時間を含む場合の動作を示すタイムチャートである。ここでは、確認信号ACKを送信する時間を無線基地局AP1のパケット信号送信後としている。これにより、無線基地局AP1の送信するパケット信号長より無線基地局AP2の送信するパケット信号長が短い場合であっても、無線端末局STA2が無線基地局AP1のパケット信号送信中に確認信号ACKを送信して、無線端末局STA1に対して干渉を与える事象を、防止することができる。
次に、図30を参照して第18の実施形態について説明する。第18の実施形態における無線ネットワーク構成図は、図20に示す構成図と同じである。図30は、呼出信号受信時に無線端末局が周波数オフセットを測定する場合の動作を示すタイムチャートである。無線局は所定の周波数によりパケット信号を送信するが、誤差すなわち周波数オフセットが生じる。あらかじめ呼出信号受信時に周波数オフセットを測定することで、パケット信号受信時に周辺無線基地局からの干渉を精度よく除去することができる。
次に、図31を参照して第19の実施形態について説明する。第19の実施形態における無線ネットワーク構成図は、図20に示す構成図と同じである。図31は、呼出信号に、無線端末局が呼出信号の受信時にチャネル推定した結果を含む場合の動作を示すタイムチャートである。これにより無線基地局がチャネル推定する負荷を軽減し、パケット信号を速やかに送信することができる。
次に、図32を参照して第20の実施形態について説明する。この実施形態では、無線基地局は、チャネル推定結果のすべての組み合わせについて相関値を計算し、相関値が予め定められた閾値以下の組み合わせを選択する。閾値以下の組み合わせが存在しない場合、無線基地局は、空間多重通信を行わずに無線端末局を1つ選択する。図32は、第20の実施形態における無線基地局が、無線端末局を選択する動作を示すフローチャートである。図32において、無線基地局は、チャネル推定結果のすべての組み合わせについて相関値を計算し(ステップS1)、予め定められた閾値以下の組み合わせがあるか否かを判定する(ステップS2)。相関が閾値以下の組み合わせが存在すれば、相関が閾値以下の組み合わせの無線端末局を選択し(ステップS3)、相関が閾値以下の組み合わせが存在しない場合は、無線端末局を1つ選択する(ステップS4)。
次に、図33を参照して第21の実施形態について説明する。この実施形態では、無線基地局は、受信した応答信号の受信電力が閾値以下のとき、この応答信号を送信した無線端末局を、空間多重を行う無線端末局の選択肢から除外するものである。図33は、第21の実施形態における無線基地局が、応答信号を受信した際の処理動作を示すフローチャートである。図33において、無線基地局は、応答信号を受信したとき、受信電力が閾値以下であるか否かを判定する(ステップS11)。受信電力が閾値以下であると判定した場合、無線基地局は、この応答信号を送信した無線端末局を選択肢から除外する(ステップS12)。これにより、第21の実施形態では、無線基地局は、受信電力が閾値以下である応答信号を送信した無線端末局を選択しないことで、空間多重通信の品質を向上させることができる。
次に、図34を参照して、第22の実施形態について説明する。この実施形態では、無線基地局は、送信するデータを蓄積し、データ量が閾値Lを越え、かつアイドルのときに、呼出信号を送信する。図34は、第22の実施形態の無線基地局が、呼出信号を送信する動作を示すフローチャートである。図34において、無線基地局は、送信するデータを生起すると(ステップS21)、データを蓄積し(ステップS22)、データ量が予め決められた閾値Lを越えたか否かを判定する(ステップS23)。データ量が閾値Lを越えていないと判定した場合は、ステップS21の処理に戻る。一方、データ量が閾値Lを越えていると判定した場合は、無線基地局は、アイドル期間か否かを判定し(ステップS24)、アイドル期間であると判定した場合は、呼出信号を送信する(ステップS25)。このように、第22の実施形態では、呼出信号の送信が遅延することにより、無線基地局でパケット信号が蓄積される確率が高くなり、空間多重数を大きくすることができる。
次に、図35を参照して第23の実施形態について説明する。第23の実施形態における無線ネットワーク構成図は、図20に示す構成図と同じである。図35は、無線基地局が、チャネル推定結果から決定した送信パケットの宛先アドレスと空間多重可能な余裕数を含む了承信号を送信してから、セル202の無線端末局方向にはアンテナの指向性におけるヌル点を生成した上で、パケット信号の宛先無線端末局へ空間多重送信を行う場合の動作を示すタイムチャートである。ここで了承信号は、呼出信号同様に順次期間T1間隔で送信される。無線基地局は呼出信号送信時に想定していた空間多重数をチャネル推定結果に応じて減じる場合がある。チャネル推定後に了承信号を送信することにより、チャネル推定結果から決定した空間多重余裕数が報知することができる。ここでは、無線基地局AP1と無線基地局AP2のアンテナ数は4とする。無線基地局AP2は無線基地局AP1からの了承信号を受信し、無線基地局AP1の空間多重余裕数が2であることを知る。そこで、無線端末局STA2との通信に残りの空間多重数2を割り当てるとともに、空間多重余裕数0として、呼出信号を送信する。このため、空間多重余裕数を超えてパケット信号を送信することによるセル間干渉の発生を防止することができる。また、チャネル推定結果から決定した空間多重余裕数をセル間で有効活用することができる。
次に、図36を参照して第24の実施形態について説明する。第24の実施形態における無線ネットワーク構成図は、図20に示す構成図と同じである。図36は、了承信号に、了承信号により指定された無線端末局と無線基地局以外の送信を禁止する区間を含む場合の動作を示すタイムチャートである。無線基地局は呼出信号送信時に想定していたパケット信号長をチャネル推定結果に応じて変更する場合がある。ここでは、了承信号送信後から確認信号ACK受信までの区間を送信禁止区間としている。これにより、他の無線局から干渉されることを防止できる。また、チャネル推定結果から決定したパケット信号長を用いて送信禁止区間を設定することができる。
次に、図37を参照して第25の実施形態について説明する。第25の実施形態における無線ネットワーク構成図は、図20に示す構成図と同じである。図37は、了承信号にパケット信号長を含む場合の動作を示すタイムチャートである。無線基地局AP1は、パケット信号長を呼出信号に含めて送信する。無線基地局AP2は、通知されたパケット信号長と等しい長さのパケット信号を生成し送信する。例えば、パケット信号が短い場合はパディングし、長い場合は分割して送信する。これにより、パケット信号受信中にセル202の無線端末局STA2が確認信号ACKを送信して干渉を与える事象を、防止することができる。
次に、図38を参照して第26の実施形態について説明する。第26の実施形態における無線ネットワーク構成図は、図20に示す構成図と同じである。図38は、了承信号に確認信号ACKを送信する時間を含む場合の動作を示すタイムチャートである。ここでは、確認信号ACKを送信する時間を無線基地局AP1のパケット信号送信後としている。これにより、無線基地局AP1の送信するパケット信号長より無線基地局AP2の送信するパケット信号長が短い場合であっても、無線端末局STA2が無線基地局AP1のパケット信号送信中に確認信号ACKを送信して、無線端末局STA1に対して干渉を与える事象を、防止することができる。また、チャネル推定結果から決定したパケット信号長を用いて確認信号ACKの送信時間を設定できる。
次に、図39を参照して第27の実施形態について説明する。第27の実施形態における無線ネットワーク構成図は、図20に示す構成図と同じである。図39は、パケット信号の送信動作を示すタイムチャートである。図39において、無線基地局AP1は、周辺セルの無線基地局AP2からのパケット信号を受信した場合、パケット信号に含まれる送信元アドレスを記憶する。また、無線基地局AP2は、セル201の無線基地局AP1からのパケット信号を受信した場合、パケット信号に含まれる送信元アドレスを記憶する。なお、一般に無線LANのパケット信号には宛先アドレス、送信元アドレス、属しているセルの無線基地局アドレスがヘッダ部に含まれている。
次に、図40を参照して、第28の実施形態について説明する。第28の実施形態における無線ネットワーク構成図は、図20に示す構成図と同じである。図40に、呼出信号の送信元無線基地局と、呼出信号により指定された無線端末局と周辺の無線基地局とを除く無線局の送信を禁止する区間を、応答信号に含む場合のタイムチャートを示す。ここでは、応答信号送信後から確認信号ACK受信までの区間を送信禁止区間としている。これにより、応答信号送信後から確認信号ACK受信までの間、無線端末局の周辺の無線局がパケット信号を送信して干渉を与えることを防止できる。
次に、第29の実施形態について説明する。第29の実施形態における無線ネットワーク構成図は、図20に示す構成図と同じである。第29の実施形態は、無線基地局が自身のセル内の無線端末局と通信する際に用いる周波数帯域の設定の処理が含まれている。無線基地局が無線端末局と通信する際に用いる周波数帯域の設定については、第1から第3の実施形態に示す処理のいずれを用いてもよい。また、無線基地局が自身のセル内の無線端末局と通信を行う際、自身のセル以外の無線端末局の方向に対してヌル点を生成する処理については、第9から第28の実施形態に記載した動作により行う。
例えば、図20において、無線基地局AP1及びAP2は、第1から第3の実施形態で記載した処理により、それぞれ属する無線端末局STA1、STA2との通信に用いる周波数帯域を決定する。
そして、無線基地局AP1は、自身が所属するセル201の周辺に存在するセル202の無線端末局STA2と通信を行う無線基地局AP2が送信するパケット信号を受信した際、受信した受信パケット信号に含まれる送信元アドレスを記憶する。
そして、無線基地局AP1は、例えば、第12の実施形態に記載された図23のタイムチャートの示す処理において、無線端末局STA1及びSTA2との通信におけるチャネル推定を行う。無線基地局AP1は、自身のセル内の無線端末局STA1にパケットを送信する際、記憶した無線端末局STA2のアドレスと、チャネル推定結果とから無線端末局STA2方向にヌル点を生成し、無線端末局STA1に対してパケット信号を送信する。
一方、無線基地局AP2は、無線基地局AP1と同様に、無線端末局STA1及びSTA2との通信におけるチャネル推定を行う。そして、無線基地局AP2は、無線端末局STA2にパケットを送信する際、記憶した無線端末局STA2のアドレスと、チャネル推定結果とから無線端末局STA1方向にヌル点を生成し、無線端末局STA2に対してパケット信号を送信する。
次に、第30の実施形態について説明する。第30の実施形態における無線ネットワーク構成図は、図20に示す構成図と同じである。第30の実施形態は、無線基地局が自身のセル内の無線端末局と通信する際に用いる周波数帯域の設定の処理が含まれている。無線基地局が無線端末局と通信する際に用いる周波数帯域の設定については、第4から第8の実施形態に示す処理のいずれを用いてもよい。また、無線基地局が自身のセル内の無線端末局と通信を行う際、自身のセル以外の無線端末局の方向に対してヌル点を生成する処理については、第9から第28の実施形態に記載した動作により行う。
例えば、図20において、無線基地局AP1及びAP2は、第4から第8の実施形態で記載した処理により、それぞれ属する無線端末局STA1、STA2から送信される、無線端末局STA1及びSTA2が測定した無線基地局各々とにおける通信の無線信号強度及び信号利用頻度により、それぞれ属する無線端末局STA1、STA2との通信に用いる周波数帯域を決定する。
以降の、無線基地局AP1及びAP2の各々が自信のセル内に属さない無線端末局方向にヌル点を生成する方法については、第29の実施形態に記載された処理により行う。
第29及び第30の実施形態によれば、無線基地局が第1から第8の実施形態に示す処理により設定した、自身のセル内の無線端末局との通信に用いる周波数帯域が、複数のセルにてオーバーラップした場合、各セルの無線基地局の各々が、自身のセル内の無線端末局と通信する際、オーバーラップした他のセルに属する無線基地局の方向にヌル点を向ける。このため、無線基地局がオーバーラップした他のセルの無線基地局と同一の周波数帯域を選択した場合においても、相互の異なるセル間における干渉を低減する通信を行うことができる。
101−1〜101−N アンテナ素子
102 測定信号受信部
103 無線信号処理部
104 信号強度測定部
105 信号利用頻度測定部
106 情報記憶部
107 受信ウェイト決定部
108 周波数帯域決定部
110 無線基地局
111 無線端末局
112 無線端末局
113 無線端末局
120 無線基地局
121 無線端末局
122 無線端末局
123 無線端末局
130 無線基地局
131 無線端末局
132 無線端末局
133 無線端末局
301−1〜301−N アンテナ素子
302 受信信号切り替え部
303 通知信号受信部
304 データ信号受信部
305 無線信号処理部
401−1〜401−N アンテナ素子
402 送受信切り替え部
403 測定信号受信部
404 無線信号処理部
405 信号強度測定部
406 信号利用頻度測定部
407 取得指示部
408 情報記憶部
409 送信部
501−1〜501−N アンテナ素子
502 受信信号切り替え部
503 通知信号受信部
504 データ信号受信部
505 無線信号処理部
506 送受信切り替え部
507 通知要求部
508 送信部
601−1〜601−N アンテナ素子
602 送受信切り替え部
603 測定信号受信部
604 無線信号処理部
605 信号強度測定部
606 信号利用頻度測定部
607 取得指示部
608 情報記憶部
609 送信部
610 要求信号受信部
701−1〜701−N アンテナ素子
702 送受信切り替え部
703 測定信号受信部
704 無線信号処理部
705 信号強度測定部
706 信号利用頻度測定部
707 情報記憶部
708 送信部
709 要求信号受信部
AP1、AP2 無線基地局
STA1、STA2、STA3 無線端末局
201、202 セル
Claims (14)
- それぞれがセルを形成する複数の無線基地局と、当該複数の無線基地局のいずれかのセルに属し、自身が属する前記セルを形成する前記無線基地局と無線通信を行う無線端末局とを備えた無線通信システムにおける前記無線基地局の無線通信方法であって、
定められた複数の周波数帯域毎に、前記無線端末局との間で送受信される無線信号を検出するアンテナの指向性を変化させるように定められた複数の受信ウェイト毎に、前記無線端末局との間で送受信される無線信号の信号強度を測定する測定ステップと、
前記測定ステップにおいて測定した測定結果に基づいて、前記複数の周波数帯域のうち、一定レベル以下の信号強度の周波数帯域を決定する周波数帯域決定ステップと、
前記周波数帯域決定ステップによって決定された前記周波数帯域を利用して、前記無線信号を送受信する通信ステップと、
を備えることを特徴とする無線通信方法。 - 前記受信ウェイトは、予め定められた角度毎に分割されたブロック毎に、当該ブロックの方向から到来する前記無線信号を受信するように定められている
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信方法。 - 前記測定ステップにおいて、前記無線端末局との間で送受信される無線信号の信号強度および利用頻度を測定し、
前記周波数帯域決定ステップにおいて、前記複数の周波数帯域のうち、一定レベル以下の信号強度の周波数帯域が存在しない場合、相対的に利用頻度が小さい周波数帯域を決定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無線通信方法。 - 前記測定ステップにおいて測定した測定結果に基づいて、定められた変調方式および符号化率のうち、スループットが最大である変調方式および符号化率を決定する変調符号化方式決定ステップを備え、
前記通信ステップにおいて、前記変調符号化方式決定ステップにおいて決定した前記変調方式および符号化率により前記無線信号を送受信する
ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の無線通信方法。 - それぞれがセルを形成する複数の無線基地局と、当該複数の無線基地局のいずれかのセルに属し、自身が属する前記セルを形成する前記無線基地局と無線通信を行う無線端末局とを備えた無線通信システムにおける前記無線端末局の無線通信方法であって、
定められた複数の周波数帯域毎に、前記無線基地局との間で送受信される無線信号を検出するアンテナの指向性を変化させるように定められた複数の受信ウェイト毎に、前記無線基地局との間で送受信される無線信号の信号強度を測定する測定ステップと、
前記測定ステップにおいて測定された測定結果に基づいて前記無線基地局により決定された、前記複数の周波数帯域のうち一定レベル以下の信号強度の周波数帯域を利用して、前記無線信号を送受信する通信ステップと、
を備えることを特徴とする無線通信方法。 - 前記受信ウェイトは、予め定められた角度毎に分割されたブロック毎に、当該ブロックの方向から到来する前記無線信号を受信するように定められている
ことを特徴とする請求項5に記載の無線通信方法。 - 前記測定ステップにおいて、前記無線基地局との間で送受信される無線信号の信号強度および利用頻度を測定し、
前記通信ステップにおいて、前記無線基地局により、前記複数の周波数帯域のうち、一定レベル以下の信号強度の周波数帯域が存在しない場合に決定された、相対的に利用頻度が小さい周波数帯域を利用して、前記無線信号を送受信する
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の無線通信方法。 - それぞれがセルを形成する複数の無線基地局と、当該複数の無線基地局のいずれかのセルに属し、自身が属する前記セルを形成する前記無線基地局と無線通信を行う無線端末局とを備えた無線通信システムにおける前記無線基地局であって、
定められた複数の周波数帯域毎に、前記無線端末局との間で送受信される無線信号を検出するアンテナの指向性を変化させるように定められた複数の受信ウェイト毎に、前記無線端末局との間で送受信される無線信号の信号強度を測定する測定部と、
前記測定部によって測定された測定結果に基づいて、前記複数の周波数帯域のうち、一定レベル以下の信号強度の周波数帯域を決定する周波数帯域決定部と、
前記周波数帯域決定部によって決定された前記周波数帯域を利用して、前記無線信号を送受信する通信部と、
を備えることを特徴とする無線基地局。 - 前記受信ウェイトは、予め定められた角度毎に分割されたブロック毎に、当該ブロックの方向から到来する前記無線信号を受信するように定められている
ことを特徴とする請求項8に記載の無線基地局。 - 前記測定部は、前記無線端末局との間で送受信される無線信号の信号強度および利用頻度を測定し、
前記周波数帯域決定部は、前記複数の周波数帯域のうち、一定レベル以下の信号強度の周波数帯域が存在しない場合、相対的に利用頻度が小さい周波数帯域を決定する
ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の無線基地局。 - 前記測定部によって測定された測定結果に基づいて、定められた変調方式および符号化率のうち、スループットが最大である変調方式および符号化率を決定する変調符号化方式決定部を備え、
前記通信部は、前記変調符号化方式決定部によって決定された前記変調方式および符号化率により前記無線信号を送受信する
ことを特徴とする請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載の無線基地局。 - それぞれがセルを形成する複数の無線基地局と、当該複数の無線基地局のいずれかのセルに属し、自身が属する前記セルを形成する前記無線基地局と無線通信を行う無線端末局とを備えた無線通信システムにおける前記無線端末局であって、
定められた複数の周波数帯域毎に、前記無線基地局との間で送受信される無線信号を検出するアンテナの指向性を変化させるように定められた複数の受信ウェイト毎に、前記無線端末局との間で送受信される無線信号の信号強度および利用頻度を測定する測定部と、
前記測定部によって測定された測定結果に基づいて前記無線基地局により決定された、前記複数の周波数帯域のうち一定レベル以下の信号強度の周波数帯域を利用して、前記無線信号を送受信する通信部と、
を備えることを特徴とする無線端末局。 - 前記受信ウェイトは、予め定められた角度毎に分割されたブロック毎に、当該ブロックの方向から到来する前記無線信号を受信するように定められている
ことを特徴とする請求項12に記載の無線端末局。 - 前記測定部は、他の前記無線基地局が形成するセルに属する前記無線端末局から送信される無線信号を検出するように定められた複数の受信ウェイト毎に、前記無線信号の信号強度および利用頻度を測定し、
前記通信部は、前記無線基地局により、前記複数の周波数帯域のうち、一定レベル以下の信号強度の周波数帯域が存在しない場合に決定された、相対的に利用頻度が小さい周波数帯域を利用して、前記無線信号を送受信する
ことを特徴とする請求項12または請求項13に記載の無線端末局。
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