JP5567004B2 - グアニジノ基およびアミノ基の保護のためのインドールスルホニル保護基 - Google Patents
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Description
WO 01/57045は、ベンゾフラン中間体、ベンゾチオフェン中間体およびインドール中間体を経て得られる三環スルファム(sulfame)を開示する。
本発明の1つの目的は、有機化合物のグアニジノ部分を容易に保護し、容易に除去される化合物を提供することである。
同様に、「C1〜nアルキルチオ」という用語は、上述したC1〜nアルキル基および単一の共有結合により結合した硫黄原子で構成される基を意味する。
これ以下において、「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。
特別な実施形態において、R1およびR2の両方がメチルであり;R3が水素であり;Xが塩素である1,2-ジメチルインドール-3-スルホニルクロリドである。便宜上、この化合物はMIS-Clと省略する。
より好ましい実施形態において、R1およびR2は両方ともメチルであり、R3は水素である。
好ましくは、前記反応のために、オキサリルクロリドが使用される。
前記反応は、溶媒なしで行われてもよい。
便宜上、前記反応は、N,N-ジメチルホルムアミドの存在下で行われる。
(a)ペプチド、すなわち1のアミノ酸のカルボキシル基ともう1つのアミノ酸のアミノ基との間にアミド結合が形成されることにより作られる化合物。アミド結合は、典型的に、1のアミノ酸のC−1ともう1つのアミノ酸のN−2との間に形成されるが(真正ペプチド結合)、他のアミド結合により結合された残基を有する化合物(イソペプチド結合)も、「ペプチド化合物」という用語に包含される。2〜15のアミノ酸残基からなるオリゴペプチドおよび16〜約50のアミノ酸残基からなるポリペプチドは、このカテゴリーの典型的なペプチドである。アミノ酸残基は、いずれかの天然または合成のアミノ酸であってよい。ペプチドの例は、H-Arg-Val-OHである。
対照的に、一般的なアミノ酸名に対して接頭語である「ノル(nor)」を付けた場合(例えばノルアルギニン)、炭素鎖における1つのメチレン基の除去を意味する。
少なくとも1の以下の式(III)の部分を含む化合物を得ることを含んでなる:
式中、R1は、水素、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシまたはC1〜6アルキルチオであり;R2は、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシまたはC1〜6アルキルチオであるか;または、R1およびR2は一緒になって、式-(CH2)n-の部分を形成し;nは3〜5の整数であり;R3は、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、フェニルまたはベンジルであり;mは1であり;
好ましくは、R1およびR2は、独立に、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシまたはC1〜4アルキルチオであり、R3は水素またはハロゲンであり;
より好ましくは、R1およびR2はメチルであり、R3は水素である。
式中、R1は水素、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシまたはC1〜6アルキルチオであり;R2は、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシまたはC1〜6アルキルチオであるか;または、R1およびR2は一緒になって、式-(CH2)n-の部分を形成し、nは3〜5の整数であり;R3は、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、フェニルまたはベンジルであり;mは0である;
好ましくは、R1およびR2は、独立に、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシまたはC1〜4アルキルチオであり、R3は水素またはハロゲンである;
より好ましくは、R1およびR2はメチルであり、R3は水素である。
好ましい実施形態において、前記反応させるペプチド化合物は、L−アラニンメチルエステル(H-Ala-OMe)である。
式中、R1は、水素、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシまたはC1〜6アルキルチオであり;R2は、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシまたはC1〜6アルキルチオであるか;または、R1およびR2は一緒になって、式-(CH2)n-の部分を形成し、nは3〜5の整数であり;R3は、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、フェニルまたはベンジルであり;mは1であり;
より好ましくは、R1およびR2 はメチルであり、R3は水素である。
さらにより好ましくは、前記ペプチド化合物はZ-Arg(MIS)-OHである。
式中、R1は、水素、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシまたはC1〜6アルキルチオであり;R2は、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシまたはC1〜6アルキルチオであるか;または、R1およびR2は一緒になって、式-(CH2)n-の部分を形成し、nは3〜5の整数であり;R3は、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、フェニルまたはベンジルであり;mは0であり;
好ましくは、R1およびR2は、独立に、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシまたはC1〜4アルキルチオであり、R3は水素またはハロゲンであり;
より好ましくは、R1およびR2 はメチルであり、R3は水素である。
さらにより好ましくは、前記ペプチド化合物のアミノ基はN末端アミノ基である。
最も好ましくは、前記ペプチド化合物は、MIS-Ala-OMeである。
さらにより好ましくは、前記ペプチド化合物のアミノ基は、アミノ酸残基の側鎖の一部である。最も好ましくは、前記アミノ基は、リジン、ホモリジンまたはノルリジン残基の一部である。
本発明により得られる有機化合物が重要な構成要素であるように、それらは、例えば薬物として有用な有機化合物を形成するために適用され得る。
式中、R1、R2、R3およびmは上記で定義した通りであり;
好ましくは、R1およびR2は、独立に、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシまたはC1〜4アルキルチオであり、R3は水素またはハロゲンであり;
より好ましくは、R1およびR2はメチルであり、R3は水素である。
さらにより好ましくは、前記ペプチド化合物はZ-Arg(MIS)-OHである。
式中、R1、R2、R3およびmは上記で定義した通りであり;
好ましくは、R1およびR2は、独立に、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシまたはC1〜4アルキルチオであり、R3は水素またはハロゲンであり;
より好ましくは、R1およびR2はメチルであり、R3は水素である。
さらにより好ましくは、前記ペプチド化合物は、Fmoc-Arg(MIS)-OHまたはZ-Arg(MIS)-OHである。
適切な不活性溶媒の例は、ジクロロメタン(DCM)である。好ましくは、酸と溶媒のモル比は1:0〜1:2であり、好ましくは1:0〜1:1である。
特に示さない場合、アミノ酸残基のL−エナンチオマーを使用し、全ての試薬は商業的に入手した。
Boc=tert-ブトキシカルボニル
DIC=ジイソプロピルカルボジイミド
DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン
ESMS=エレクトロスプレー質量分析法
Fmoc=フルオレン-9-イルメトキシカルボニル
HOAt=N-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール
HOBt=N-ヒドロキシベンゾトリアゾール
HRMS(Cl)=高分解能質量分析法(化学的イオン化)
MALDI-TOF=マトリックス支援レーザーイオン化−飛行時間
MIS=1,2-ジメチルインドール-3-スルホニル
PyBOP=ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
TFA=トリフルオロ酢酸
TIS=トリイソプロピルシラン
TMB=1,3,5-トリメトキシベンゼン
Z-OSu=N-(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド。
1,2-ジメチルインドール (19.7 g, 135.9 mmol) および三酸化硫黄ピリジン複合体 (20.4 g, 128.3 mmol) を、アルゴン雰囲気下でピリジン (100 mL) に溶解した。反応混合物を40時間還流し、室温まで冷却した。水 (400 mL)を添加後、得られた溶液をジエチルエーテルで4回洗浄した (それぞれ250 mL)。水相を蒸発させて乾燥し、減圧乾燥器中で乾燥することにより、1,2-ジメチルインドール-3-スルホン酸ピリジニウムを赤色の油として得た(37.6 g, 96%収率)。
13C NMR (100 MHz, D2O): δ = 147.0, 140.9, 139.2, 135.6, 127.3, 124.1, 122.0, 121.0, 119.2, 112.8, 109.9, 29.2, 10.4
HRMS (CI): m/z calc. for C10H10NO3S [M - H]+ 224.0386, found 224.0388。
実施例1で調製した1,2-ジメチルインドール-3-スルホン酸ピリジニウム(16.4 g, 53.7 mmol) を、窒素雰囲気下で乾燥ジクロロメタン (120 mL) に懸濁した。その溶液を氷浴中で冷却し、オキサリルクロリド (14 mL, 161 mmol) をゆっくりと加えた。その後、N,N-ジメチルホルムアミド (0.5 mL) を、撹拌しながら非常にゆっくりと加えた。反応混合物を氷浴中でさらに30時間撹拌し、その後室温にした。6時間後、溶液を氷浴中で冷却した。余分のオキサリルクロリド (4 mL, 46 mmol) およびN,N-ジメチルホルムアミド (0.4 mL) を加え、反応混合物を室温でさらに15時間撹拌した。オキサリルクロリド (2 mL, 23 mmol) を添加した後、さらに4時間撹拌し、反応を完了した (HPLCによる測定; 測定前に、少量のメタノールで20分間処理した)。
13C NMR (100 MHz, DMSO): δ = 137.2, 135.9, 125.5, 121.4, 120.8, 120.1, 109.7, 30.0, 11.3
HRMS (CI): m/z calc. for C10H10NO2S [M - Cl]+ 208.0426, found 208.0427。
Z-Arg-OH (2 g, 6.5 mmol) をアセトン (65 mL) および3N水酸化ナトリウム水溶液 (18 mL, 54 mmol)に溶解した。反応を氷浴中で冷却し、アセトン(50 mL)に溶解した実施例2のMIS-Cl (1.59 g, 6.5 mmol) を10分間で添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。その後、アセトン中の付加的なMIS-Cl (0.95 g, 3.9 mmol) を加え、0℃で90分間撹拌した。最後に、アセトン(15 mL)中のMIS-Cl (0.95 g. 3.9 mmol) の最後の部分を加えた。反応混合物をさらに0℃で30分間撹拌し、さらにMIS-ClがTLC(ヘキサン:酢酸エチル 1:1)により検出されなくなるまで、室温で3時間撹拌した。反応のpHは、10%クエン酸水溶液で中和した。減圧下でアセトンを蒸発させた後、水 (100 mL) を加え、10%クエン酸を用いてpHをpH3まで酸性化した。その後、溶液を酢酸エチルで3回抽出した (それぞれ 100 mL)。有機相を一緒にし、水で3回洗浄し (それぞれ75 mL)、硫酸マグネシウムで乾燥し、最後に蒸発乾燥した。得られた粗製の生成物を、カラムクロマトグラフィーにより2回精製した (ジクロロメタン、メタノール、酢酸)。純粋な画分を合わせ、溶媒を減圧除去して油を得た。沈殿のために、酢酸エチル、ジクロロメタンおよびメタノールの混合物を最小限の量加え、メタノールを加え、さらなる沈殿が観察されなくなるまでヘキサンを加えた。溶媒をデカントし、ジクロロメタンとヘキサンの混合物で固体を4回洗浄し、最後に硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、18% (0.61 g) のZ-Arg(MIS)-OHを得た。
13C NMR (100 MHz, DMSO): δ = 174.4, 157.0, 156.8, 139.4, 137.7, 135.9, 129.0, 128.5, 128.4, 125.2, 122.1, 121.1, 120.1, 110.4, 66.1, 54.3, 40.0, 30.2, 28.9, 26.4, 11.4
HRMS (CI): m/z calc. for C24H30N5O6S [M + H]+ 516.1911, found 516.1911。
1.H-Arg(MIS)-OHの調製
実施例3で得られたZ-Arg(MIS)-OHの混合物 (486 mg, 0.94 mmol) およびメタノール(60 mL)中の10% Pd/C (110 mg)を、大気圧において一晩、水素化した。反応がまだ不完全であったので (TLCにより測定; ジクロロメタン:メタノール:酢酸, 90:9:1)、10% Pd/C (100 mg) を添加し、完全に反応するまでさらに24時間水素化した (TLCにより測定)。
Fmoc-Cl (84 mg, 0.32 mmol) を、1,4-ジオキサン (0.5 mL)に溶解した。水(0.4 mL)中のアジ化ナトリウム (25 mg, 0.39 mmol) を添加し、得られたエマルジョンを室温で2時間撹拌した。そのエマルジョンを、水とジオキサンの1:1混合物中における前記工程において得られたH-Arg(MIS)-OHの溶液 (136 mg, 0.36 mmol) にゆっくりと添加し、10%炭酸ナトリウム水溶液を添加することによりpH9に調整した。pHを9に維持しながら、反応混合物を撹拌した。pHを安定化し、混合物を一晩撹拌した。その後、水 (30 mL) を加え、混合物をtert-ブチルメチルエーテルで3回洗浄した (それぞれ20 mL)。1N HClを用いて水相をpH2〜3に酸性化し、その後、酢酸エチル(30 mL)で3回素早く抽出した。有機相を合わせ、硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。蒸発乾燥した後、油 (115 mg) を得て、それを最小量のアセトンに溶解した。その後、炭酸ナトリウム水溶液 (20 mL) をpH9で加え、tert-ブチルメチルエーテルを用いて水溶液を3回洗浄した (それぞれ30 mL)。その後、得られた水溶液を1N HClを用いてpH 2〜3に酸性化し、その後、酢酸エチルを用いて3回抽出し (それぞれ20 mL)、硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、最後に蒸発乾燥して、乾燥した収率34.3% (67.4 mg) のFmoc-Arg(MIS)-OHを得た。
13C NMR (100 MHz, DMSO): δ = 174.4, 157.0, 156.8, 144.5, 141.4, 139.4, 135.9, 128.3, 127.8, 126.0, 125.2, 122.1, 121.1, 120.8, 120.1, 110.4, 66.3, 55.6, 47.3, 40.0, 30.2, 28.8, 26.5, 11.4
HRMS (CI): m/z calc. for C31H34N5O6S [M + H]+ 604.2224, found 604.2222。
シーバー(Sieber)アミド樹脂 (25 mg, 0.42 mmol/g, 9-Fmoc-アミノキサンテン-3-イルオキシ-メリフィールド樹脂) を、ポリエチレンフィルターディスクを用いて固定した2 mL ポリプロピレンシリンジ中に入れた。ジクロロメタンを用いて樹脂を膨潤させた。その後、ジクロロメタンおよびN,N-ジメチルホルムアミドを用いた洗浄を行い、ピペリジンとN,N-ジメチルホルムアミドの2:8混合物を用いて処理することにより、Fmoc基を除去した (1分間1回、および10分間2回)。N,N-ジメチルホルムアミド中のDIC (6.7μL, 42.1μmol)およびHOBt (5.7 mg, 42.1μmol)を用いて、Fmoc-Val-OH (14.3 mg, 42.1μmol)を1.5時間カップリングさせた。通常の方法でFmoc基を除去し、PyBOP (13.7 mg, 26.3μmol)、HOAt (3.6 mg, 26.3μmol) およびDIPEA (13.4μL, 78.9μmol)を用いて、N,N-ジメチルホルムアミド中で90分間、実施例4で得られたFmoc-Arg(MIS)-OH(15.8 mg, 26.3μmol)をカップリングさせた。無水酢酸(50 eq) およびDIPEA (50 eq) を用いて、DMF中で25分間処理することにより、樹脂をアセチル化して未反応のアミンをキャッピングし、Fmoc基を除去し、Fmoc除去の前の樹脂のアセチル化を含む同じ方法をあと3回繰り返した。最後のFmoc除去の後、PyBOP (18.3 mg, 35μmol)、HOAt (4.8 mg, 35μmol)およびDIPEA (17.9μL, 105.2μmol)を用いて、N,N-ジメチルホルムアミド中で90分間、Fmoc-Phe-OH (13.6 mg, 35μmol) をカップリングさせた。Fmoc基を除去し、得られた遊離のアミノ基を上記と同じ方法でアセチル化した。このように得られた保護された樹脂結合ペプチドAc-Phe-Arg(MIS)-Arg(MIS)-Arg(MIS)-Arg(MIS)-Val-NH-キサンテン-3-イルオキシ-メリフィールド樹脂を、N,N-ジメチルホルムアミド、ジクロロメタンおよびジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥し、5分割した。
樹脂の1つをジクロロメタンを用いて膨潤させ、TFA、ジクロロメタン、TISおよび水 (2:93:2.5:2.5) の混合物1.5 mLで20分間処理し、保護されたペプチドを樹脂から切り離した。樹脂をろ過し、回収した溶液をジクロロメタンで希釈し、DIPEA (80μL, TFA 1eq当り1.2 eq)を加えることにより中和した。溶媒を減圧除去した。水およびアセトニトリルを添加した後、溶液を凍結乾燥し、Ac-Phe-Arg(MIS)-Arg(MIS)-Arg(MIS)-Arg(MIS)-Val-NH2 (配列番号2)を得た。
シーバーアミド樹脂 (70 mg, 0.40 mmol/g) を、ポリエチレンフィルターディスクを用いて固定した2 mL ポリプロピレンシリンジ中に入れた。ジクロロメタンを用いて樹脂を膨潤させ、ジクロロメタンおよびN,N-ジメチルホルムアミドを用いて洗浄し、Fmoc基を除去した。PyBOP (58.3 mg, 112μmol)、HOAt (15.2 mg, 112μmol)およびDIPEA (57.4μL, 336μmol)を用いて、N,N-ジメチルホルムアミド中で1.5時間、Fmoc-Gly-OH (33.3 mg, 112μmol)、Fmoc-Ala-OH (34.9 mg, 112μmol)および Fmoc-Trp(Boc)-OH (59.0 mg, 112μmol) を連続的にカップリングした。樹脂を2等分した。そのうちの1つは、本実施例の標的化合物の調製のために使用し、他方はZ-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Ala-Gly-NH2 (実施例8.2を参照されたい)の調製のために使用した。
H-Ala-OMe (95 mg, 0.68 mmol, 1 eq) を乾燥ジクロロメタン中に溶解し、DIPEA (3 eq)を加えた。乾燥ジクロロメタン中の実施例2で得られたMIS-Cl (200 mg, 1.2 eq)の溶液を加え、反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。通常の方法により、収量85.4 mg (40%)のMIS-Ala-OMeが得られた。
8.1 Ac-Phe-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Val-NH 2 (配列番号2)の調製
Fmoc-Arg(MIS)-OHをFmoc-Arg(Pbf)-OH (17.1 mg, 26.3μmol)で置き換えることを除き、Ac-Phe-Arg(MIS)-Arg(MIS)-Arg(MIS)-Arg(MIS)-Val-NH2の調製と同じ方法を適用した (実施例5を参照されたい)。得られた生成物を、LC-MSおよびHRMS (CI)により特徴付けた: m/z calc. for C92H136N19O19S4 [M + H]+ 1938.9137, found 1938.9202。
PyBOP (29.2 mg, 56μmol)、HOAt (7.6 mg, 56μmol)およびDIPEA (28.7μL, 168μmol)を用いて、N,N-ジメチルホルムアミド中で1.5時間、Fmoc-Arg(Pbf)-OH (36.3 mg, 56μmol)を実施例6で得られた樹脂の1つとカップリングさせた。Fmoc基を除去し、Z-OSu (14.0 mg, 56μmol)およびDIPEA (35.9μL, 210μmol)で処理することにより、遊離アミンをZ基で保護した。そのように得られた保護された樹脂結合ペプチドZ-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Ala-Gly-NH-キサンテン-3-イルオキシ-メリフィールド樹脂を、N,N-ジメチルホルムアミド、ジクロロメタンおよびジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥し、その後4 mgずつに分割した。
調製は、MIS-Clの代わりにPbf-Cl (1.2 eq)を使用することを除き、実施例7と類似の方法で行った。Pbf-Ala-OMeの収量: 209 mg (82%)。
一般的な方法
保護された樹脂結合ペプチド(3 mg) を、切断溶液 (50μL)で処理した。切断時間の後、溶液を水 (4 mL)に注いだ。その後、TFAおよびジクロロメタンを蒸発させた。得られた水溶液をジクロロメタンで6回洗浄し (それぞれ1 mL)、凍結乾燥した。得られた固体を、HPLC (λ = 220 nm) およびESMSまたはMALDI-TOFにより分析した。
b=実施例8.1(比較例)で得られたAc-Phe-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Arg(Pbf)-Val-NH-キサンテン-3-イルオキシ-メリフィールド樹脂(配列番号1)
DCM=ジクロロメタン。
実施例9〜12に記載した一般的な方法に従った。実施例5において得られた保護された樹脂結合ペプチドAc-Phe-Arg(MIS)-Arg(MIS)-Arg(MIS)-Arg(MIS)-Val-NH-キサンテン-3-イルオキシ-メリフィールド樹脂 (配列番号1)を使用した。切断時間は60分とした。TFA、ジクロロメタンおよび捕捉剤 (50:40:10) の混合物を切断溶液として使用した。
実施例9〜12に記載した一般的な方法に従った。結果として得られた粗生成物をLC-MSにより特徴づけ、その純度をHPLCにより分析した(λ=220 nm)。
d=実施例8.2(比較例)で得られたZ-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Ala-Gly-NH-キサンテン-3-イルオキシ-メリフィールド樹脂 (配列番号3)
DCM=ジクロロメタン−TMB=1,3,5-トリメトキシベンゼン−**Z-Arg(MIS)-Trp-Ala-Gly-NH2 (配列番号4) は、得られた粗製生物において検出されなかった (LC-MSによる) −*20.4%のZ-Arg(Pbf)-Trp-Ala-Gly-NH2 (配列番号4) が粗製生物において検出された (HPLCによる)。
保護されたアミノ酸を、室温にて切断溶液で処理し、TLCにより脱保護を行った。MIS除去はわずかに早く、5分後にポジティブカイザーテストを呈し(遊離アミノ酸の存在を示す)、一方、Pbfの場合は、ポジティブカイザーテストは次のコントロールであった(10分)。
f=実施例8.3(比較例)で得られたPbf-Ala-OMe
*カイザーテストにより検出されたH-Ala-OMeの存在または非存在。
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
〔1〕以下の式(II)で表される化合物:
〔2〕1-メチルインドール-3-スルホニルクロリドを除く、〔1〕に記載の化合物。
〔3〕〔1〕に記載の化合物であって、R 1 およびR 2 は、独立に、C 1〜4 アルキル、C 1〜4 アルコキシまたはC 1〜4 アルキルチオであり;R 3 は、水素またはハロゲンであり; Xは、塩素または臭素である化合物。
〔4〕〔1〕または〔3〕に記載の化合物であって、R 1 およびR 2 はメチルであり;R 3 は水素であり;Xは塩素である化合物。
〔5〕〔1〕に記載の式(II)で表される化合物の製造方法であって、
以下の式(I)で表される化合物またはその塩をオキサリルクロリドまたはオキサリルブロミドと反応させることを含む方法:
〔6〕〔5〕に記載の方法であって、R 1 およびR 2 は、独立に、C 1〜4 アルキル、C 1〜4 アルコキシまたはC 1〜4 アルキルチオであり、R 3 は水素またはハロゲンである方法。
〔7〕〔5〕または〔6〕に記載の方法であって、R 1 およびR 2 はメチルであり、R 3 は水素である方法。
〔8〕〔5〕〜〔7〕のいずれか1に記載の方法であって、前記反応は、前記式(I)の化合物のピリジニウム塩を用いて行われる方法。
〔9〕少なくとも1のグアニジノ部分および/または少なくとも1のアミノ基を含む有機化合物の保護のための保護試薬としての、〔1〕に記載の式(II)で表される化合物の使用。
〔10〕〔9〕に記載の使用であって、前記有機化合物は、任意に側鎖が保護され、および/または遊離末端が保護され、任意に樹脂が結合したペプチド化合物であり;R 1 およびR 2 は、独立に、C 1〜4 アルキル、C 1〜4 アルコキシまたはC 1〜4 アルキルチオであり、R 3 は水素またはハロゲンである使用。
〔11〕〔9〕に記載の使用であって、前記グアニジノ部分は、アルギニンまたはホモアルギニン残基の一部である使用。
〔12〕少なくとも1のグアニジノ部分および/または少なくとも1のアミノ基を含む有機化合物の保護方法であって、前記化合物を〔1〕に記載の式(II)で表される化合物(式中の、R 1 、R 2 、R 3 およびXは、〔1〕で定義した通りである)と反応させ、少なくとも1の以下の式(III)で表される部分を含む化合物を得る方法:
〔13〕〔12〕に記載の方法であって、R 1 およびR 2 は、独立に、C 1〜4 アルキル、C 1〜4 アルコキシまたはC 1〜4 アルキルチオであり、R 3 は水素またはハロゲンである方法。
〔14〕〔12〕または〔13〕に記載の方法であって、R 1 およびR 2 はメチルであり、R 3 は水素であり、Xは塩素である方法。
〔15〕〔12〕〜〔14〕のいずれか1項に記載の方法であって、前記有機化合物は、任意に側鎖が保護され、および/または遊離末端が保護され、任意に樹脂が結合したペプチド化合物である方法。
〔16〕少なくとも1の以下の式(IV)で表される部分を含む有機化合物:
〔17〕〔16〕に記載の化合物であって、任意に側鎖が保護され、および/または遊離末端が保護され、任意に樹脂が結合したペプチド化合物である化合物。
〔18〕カップリング生成物の製造方法であって、少なくとも1の以下の式(III)で表される部分を含む有機化合物を、有機化合物Qとカップリングする工程を含む方法:
〔19〕〔18〕に記載の方法であって、前記少なくとも1の式(III)で表される部分を含む有機化合物(R 1 、R 2 、R 3 およびmは、〔18〕で定義した通りである)は、任意に側鎖が保護され、および/または遊離末端が保護され、任意に樹脂が結合したペプチド化合物である方法。
〔20〕〔18〕または〔19〕に記載の方法であって、前記有機化合物Qは、任意に側鎖が保護され、および/または遊離末端が保護され、任意に樹脂が結合したペプチド化合物である方法。
Claims (7)
- 以下の式(III)で表される部分を含む化合物であって、前記式(III)は、以下のように定義される化合物であって、
ここで、前記化合物は、ベンジルオキシカルボニル基またはフルオレン−9−イルメトキシカルボニル基で保護されてよいアルギニン、ホモアルギニンまたはノルアルギニンであり、
ここで、式(III)中の
- 前記化合物が、N−α−ベンジルオキシカルボニル−N−ω−(1,2−ジメチルインドール−3−スルホニル)−L−アルギニンである、請求項1に記載の化合物。
- 前記化合物が、N−α−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル−N−ω−(1,2−ジメチルインドール−3−スルホニル)−L−アルギニンである、請求項1に記載の化合物。
- 式(II)の化合物と反応する前記化合物は、N−α−ベンジルオキシカルボニル-Arg-OHである、請求項4に記載のペプチド化合物の製造方法。
- 請求項4に記載の方法であって、R1およびR2は、独立に、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシまたはC1〜4アルキルチオであり、R3は水素またはハロゲンである方法。
- 請求項4に記載の方法であって、R1およびR2はメチルであり、R3は水素であり、Xは塩素である方法。
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