JPH09136870A - ジベンゾスベレニルアルギニン誘導体及びこれを用いるペプチド製造方法 - Google Patents

ジベンゾスベレニルアルギニン誘導体及びこれを用いるペプチド製造方法

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JPH09136870A
JPH09136870A JP7296864A JP29686495A JPH09136870A JP H09136870 A JPH09136870 A JP H09136870A JP 7296864 A JP7296864 A JP 7296864A JP 29686495 A JP29686495 A JP 29686495A JP H09136870 A JPH09136870 A JP H09136870A
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peptide
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dibenzosuberenyl
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Masaki Noda
昌樹 野田
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Shimadzu Corp
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 一般式(1) で表わされるアルギニン誘導
体およびこの塩酸塩: 【化1】 1 〜R8 は、それぞれ独立してH、炭素数1〜4のア
ルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基、R9 及びR
10は、ともにH、一方がHで他方がαアミノ基の保護
基、一方がHで他方が炭素数1〜4のアルキル基、又は
一方がαアミノ基の保護基で他方が炭素数1〜4のアル
キル基を表わす。前記αアミノ基の保護基はフルオレニ
ルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基が好適であ
る。前記アルギニン誘導体またはこの塩酸塩を用いるア
ルギニン含有ペプチドの製造方法。 【効果】 新規アルギニン誘導体はアルギニン含有ペプ
チド製造のための原料化合物として非常に有用である。
本方法は特に、アルギニンとトリプトファンとを含有す
るペプチドを高収率かつ高純度で製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なアルギニン
誘導体に関し、より詳しくは、機能性生体高分子(ペプ
チド、核酸等)関連の研究、医薬品の研究開発、製造等
の試薬、原料として利用することができる新規なアルギ
ニン誘導体に関する。また、本発明は、この新規なアル
ギニン誘導体を用いるアルギニン含有ペプチドの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ペプチドの化学合成においては、アミノ
酸残基の官能基を保護してカップリング反応を行ない、
全てのアミノ酸の導入後、保護基を除去して目的ペプチ
ドを得ている。かかる目的に適した多くの保護基がそれ
ぞれの官能基について開発されて来ている。例えば、ア
ミノ酸のN−αアミノ基の保護基としてフルオレニルメ
チルオキシカルボニル(Fmoc)基を用い、その除去
にピペリジンを用いるFmoc合成法の場合、各アミノ
酸側鎖官能基の保護には、トリフルオロ酢酸(TFA)
による除去可能なトリフェニルメチル(Trt)基、三
級ブチル(t-Bu)基、又は三級ブチルオキシカルボニ
ル(Boc)基が用いられている。
【0003】ところで、アルギニン残基について見る
と、アルギニンの側鎖グアニジノ基は、求核性がきわめ
て強くアシル化を受けやすい。従って、ペプチド合成に
おいては、アルギニン側鎖のグアニジノ基の保護は不可
欠である。しかしながら、従来用いられているグアニジ
ノ基の保護基としては、他の官能基の場合のようにTF
Aにより容易に除去できるものはなかった。
【0004】例えば、グアニジノ基の保護基としての4
−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニ
ル(Mtr)基(M.Fujino et al., Chem.Pharm.Bull.,
29,2825 (1981))は、その脱保護にTFA−アニソー
ル(9:1)で50℃、1〜2時間を要し、除去されに
くい。また、トリプトファン含有ペプチドの合成時には
副生成物を生じ、収率が低下する(P.Siever, Tetrahed
ron Lett., 28, 1637(1987))という問題もある。また
近年開発された2,2,5,7,8−ペンタメチルクロ
マン−6−スルホニル(Pmc)基(R.Ramage at al.,
Tetrahedron Lett., 28, 2287 (1987) )による保護で
あっても、その脱保護には80%以上の濃度のTFAを
使用して2〜4時間、さらに複数のアルギニン残基を含
むペプチドでは6〜8時間の処理が必要となる。
【0005】このように、アルギニン含有ペプチドの合
成ではアルギニンの側鎖グアニジノ基の脱保護が律速と
なり、長時間のTFA処理を行っており、充分満足すべ
き性能のグアニジノ基の保護基は、いまだ開発されてい
ないのが現状である。従って、アルギニン側鎖グアジニ
ノ基の保護基であって酸によって容易に脱保護されるも
のの開発が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アル
ギニンの側鎖保護基であって、他のアミノ酸の側鎖保護
基と少なくとも同程度の酸で脱保護され、しかも脱保護
の際に生ずる保護基のカチオンが安定であって、さらに
併用するスカベンジャーによって捕捉され易く、トリプ
トファン残基を攻撃しない保護基により側鎖グアジニノ
基が保護された新規なアルギニン誘導体を提供すること
にある。また、本発明の目的は、前記新規アルギニン誘
導体を使用する効率的なアルギニン含有ペプチドの製造
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】側鎖グアジニノ基の保護
基が酸によって容易に切断される場合には、従来用いら
れて来たアリルベンゼンスルホン酸誘導体保護基の場合
に比べグアニジノ基の求核性が増大することとなり、そ
の結果、アルギニンが他のアミノ酸との間でペプチド結
合を形成する場合、中間体として生成する活性エステル
が分子内環化し、即ちクアニジノ基の窒素とカルボキシ
ル基のカルボニル炭素との間でラクタムが形成され、ペ
プチド結合が形成されなくなる可能性が生ずる(Organi
c Preparations and Procedure Int. 2(5),427-463 (19
88) )。
【0008】そこで、本発明者は、ジベンゾスベレニル
基を保護基にもつアルギニン誘導体を鋭意に検討したと
ころ、この保護基が適度に酸に不安定であり、容易に切
断・脱保護され、生ずるカチオンが比較的安定であるた
め、トリプトファン残基を含むペプチド合成にも有利に
使用できること、又ペプチド結合に関与するアミノ基
(ペプチドの遊離アミノ基)の存在下に、アルギニン誘
導体を活性エステル形成試薬と反応させることにより、
分子内ラクタム形成という副反応を抑え、目的とするペ
プチドが高純度で生成することを見出した。本発明は、
かかる知見により完成されたものである。
【0009】すなわち、本発明のアルギニン誘導体は、
下記一般式(1) で表わされるアルギニン誘導体である:
【化2】 式中、R1 〜R8 は、それぞれ独立して水素原子、炭素
数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基
を表わし、R9 及びR10は、ともに水素原子、一方が水
素原子で他方がαアミノ基の保護基、一方が水素原子で
他方が炭素数1〜4のアルキル基、又は一方がαアミノ
基の保護基で他方が炭素数1〜4のアルキル基を表わ
す。R9 及びR10のうちの一方がαアミノ基の保護基を
表わす場合において、前記αアミノ基の保護基がフルオ
レニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基であるこ
とが好ましい。また、本発明のアルギニン誘導体は、塩
酸塩の形態であることが好ましい。
【0010】また、本発明のアルギニン含有ペプチドの
製造方法は、アルギニンを含むペプチドの製造法におい
て、前記アルギニン誘導体またはアルギニン誘導体の塩
酸塩を使用することを特徴とするものである。
【0011】以下、本発明について詳しく説明する。
【0012】一般式(1) においてジベンゾスベレニル基
の置換基R1 〜R8 は、それぞれ独立して水素原子、炭
素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ
基である。
【0013】炭素数1〜4のアルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブ
チル基、sec-ブチル基、 tert-ブチル基を挙げることが
できる。また、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、
メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポ
キシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、 tert-ブトキ
シ基を挙げることができる。これらのうち、メゾメリー
効果によって、生じたカルボカチオンを安定化する能力
が最も大きい点からメトキシ基が好ましい。
【0014】本発明においては、R1 〜R8 のうちの任
意に選ばれる4〜7個が水素原子であるアルギニン誘導
体が、保護基の合成が容易である点から好ましい。ま
た、R1 〜R8 のすべてが水素原子であるアルギニン誘
導体が、市販品から合成できるため最も容易に製造する
ことができる点から好ましい。また、R1 〜R8 のうち
の任意に選ばれる1個がメトキシ基であり、残りが水素
原子であるアルギニン誘導体が、メトキシ基のメゾメリ
ー効果によりカルボカチオンを安定化するため保護基の
切断が容易となる点から好ましい。この場合、R3 がメ
トキシ基であり、R1 、R2 及びR4 〜R8 が水素原子
であるアルギニン誘導体が、メトキシ基がカルボカチオ
ンのパラ(p) 位にあるため、メゾメリー効果を与える位
置にある点から特に好ましい。
【0015】一般式(1) においてR9 及びR10は、とも
に水素原子、一方が水素原子で他方がαアミノ基の保護
基、一方が水素原子で他方が炭素数1〜4のアルキル
基、又は一方がαアミノ基の保護基で他方が炭素数1〜
4のアルキル基である。
【0016】炭素数1〜4のアルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブ
チル基、sec-ブチル基、 tert-ブチル基を挙げることが
できる。
【0017】R9 及びR10のうちの一方がαアミノ基の
保護基を表わす場合におけるαアミノ基の保護基として
は、アルギニンの側鎖グアジニノ基を保護している置換
又は非置換のジベンゾスベレニル基が脱離しない条件下
で除去できる保護基であれば良い。より具体的には、そ
の脱保護にTFAのような酸を必要とせず、ピペリジン
等の塩基で脱保護可能な保護基であれば良い。このよう
なαアミノ基の保護基としては、フルオレニルメチルオ
キシカルボニル(Fmoc)基が好適であるが、これの
みに限定されるものではない。Fmoc基は、ペプチド
合成においてαアミノ基の保護基として一般に用いられ
ているものであり、極めて温和な条件下で脱保護するこ
とができる。
【0018】本発明の一般式(1) で表わされるアルギニ
ン誘導体におけるR1 〜R8 およびR9 〜R10の好まし
い組合わせは、R1 〜R8 およびR9 が水素原子であ
り、R10がFmoc基であるもの;R3 がメトキシ基で
あり、R1 、R2 及びR4 〜R9 が水素原子であり、R
10がFmoc基であるもの;R1 〜R8 のうちのいずれ
か1つがメトキシ基であり、その他の置換基及びR9
水素原子であり、R10がFmoc基であるもの;R1
8 のうちの1〜4個の置換基が炭素数1〜4のアルキ
ル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基であり、その他の
置換基及びR9 が水素原子であり、R10がFmoc基で
あるもの;等である。
【0019】本発明において、アルギニン誘導体は塩酸
塩型であるものが、ペプチド合成において好ましい。こ
れは、アルギニン誘導体を塩酸塩型として、強い塩基性
のグアジニノ基をプロトン化により保護し、親電子攻撃
から守るためである。
【0020】次に、一般式(1) のジベンゾスベレニルア
ルギニン誘導体の合成法を、以下のスキームを参照して
説明する。
【化3】
【0021】一般式(1) のR1 〜R10の各置換基を有す
るジベンゾスベレニルアルギニン誘導体の合成は一般
に、一般式(2) のR9 〜R10の各置換基を有するアルギ
ニンと一般式(4) のR1 〜R8 の各置換基を有するジベ
ンゾスベレニルハライド(X:塩素、臭素等のハロゲン
原子、ジベンゾスベレニル基をSubeneと記す)と
を、塩基触媒存在下反応させ、グアジニノ基とカルボキ
シル基の双方にジベンゾスベレニル基が導入された一般
式(3) の化合物を得て、続いて、極めて弱い酸性条件下
でカルボン酸エステルのみを加水分解して、一般式(1)
のアルギニン誘導体とすることにより行なうことができ
る。
【0022】例えば、R1 〜R9 が水素原子でありR10
がFmoc基の場合は、ジメチルホルムアミド中、ジイ
ソプロピルエチルアミン(DIPEA)を塩基触媒とし
て、Fmoc−アルギニン(2) (R9 :H、R10:Fm
oc基)とジベンゾスベレニルクロライド(4) (R1
8 :H、 X:Cl)とを室温で反応させ、グアジニ
ノ基とカルボキシル基の双方にジベンゾスベレニル基が
導入された化合物(3)(R1 〜R9 :H、R10:Fmo
c基)を得て、極めて弱い酸性条件下でカルボキシル基
のジベンゾスベレニル基のみを加水分解・脱保護して、
Fmoc−アルギニン誘導体(1) (R1 〜R9 :H、R
10:Fmoc基)を得ることができる。
【0023】ここで、Fmoc−アルギニン(2) は、市
販のもの(例えば、スイス Senn Chemicals AG 社製)
を利用できるし、ジベンゾスベレニルクロライド(4)
は、次式のようにジベンゾスベレノール(5) (Aldrich
社製)をチオニルクロライド等によりクロル化すること
により得ることができる。
【化4】
【0024】生成したアルギニン誘導体(1) の反応液か
らの単離操作は、常法による。例えば、反応溶媒を留去
し、残留物をクロロホルム−メタノールを溶出液とする
シリカゲルカラムクロマトグラフィー等で生成すること
により行なうことができる。
【0025】また、本発明のアルギニン誘導体の塩酸塩
は、このようにして得られたアルギニン誘導体を、例え
ば、0.01NのHCl−アセトニトリル(約1:1)
の混合液に溶解又は懸濁して凍結乾燥することにより容
易に得ることができる。
【0026】また、一般式(1) のアルギニン誘導体のう
ち、Nα−位がフリー体(R9 およびR10が共にH)の
ものは、上記のようにして得られたR9 :H、R10:F
moc基であるFmoc−アルギニン誘導体(1) を常法
によりピペリジンで処理することにより得ることができ
る。
【0027】一般式(1) のアルギニン誘導体のうち、R
9 :H、R10:炭素数1〜4のアルキル基のものは、N
α−アルキルオルニチンをベンジルオキシカルボニルク
ロライド(Z−Cl)でZ化し、さらに1−アミジン−
3,5−ジメチルピラゾールニトレート(1-Amidine-3,5
-dimethylpyrazole nitrate)で処理することにより得る
ことができる。
【0028】一般式(1) のアルギニン誘導体のうち、R
9 :Fmoc基、R10:炭素数1〜4のアルキル基のも
のは、Fmoc−Nα−アルキルオルニチンを1−アミ
ジン−3,5−ジメチルピラゾールニトレートで処理す
ることにより得ることができる。
【0029】一方、一般式(4) で表わされるR1 〜R8
に炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコ
キシ基を有するジベンゾスベレニルハライドを得るに
は、アルキル体については、アルキルジベンゾスベレノ
ン(Dibenzosuberenone) をNaBH4 で還元し、アルコ
ール体となし、SOCl2 でクロル化すれば良く、ま
た、アルコキシ体については、ハロゲン化ジベンゾスベ
レノンを金属アルコラートで処理し、アルコキシジベン
ゾスベレノンとなし、還元、クロル化すれば良い。特
に、R3 がメトキシ基であり、R1 、R2 及びR4 〜R
8 が水素原子であるものは、3−メトキシジベンゾスベ
レノン(3-Methoxydibenzosuberenone, J.Org. Chem.,
59, 7968 (1994) )をNaBH4 で還元しアルコール
体とし、チオニルクロライドでクロル体とすることによ
り得ることができる。
【0030】一般式(1) のジベンゾスベレニルアルギニ
ン誘導体の酸安定性は、高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)で測定することができる。例えば、R1
9 が水素原子でありR10がFmoc基であるアルギニ
ン誘導体(1) は、25%トリフルオロ酢酸(TFA)−
ジクロロメタン溶液中で25℃、約15分間で、ほぼ1
00%の保護基ジベンゾスベレニル基の脱離が起こるこ
とが認められる。
【0031】このように、本発明のジベンゾスベレニル
基で保護されたアルギニン誘導体またはその塩酸塩は、
従来の保護基(例えば、4−メトキシ−2,3,6−ト
リメチルベンゼンスルホニル基)でグアニジノ基が保護
されたアルギニン誘導体と比較して、より温和な酸条件
下でジベンゾスベレニル基を脱保護することができ、本
発明のアルギニン誘導体をアルギニン含有ペプチドの製
造に用いた場合においても、温和な酸条件下で脱保護し
て目的の生成物を得ることができる。従って、本発明の
アルギニン誘導体は、アルギニン含有ペプチドの製造に
有用であり、例えば、トリプトファン含有ペプチドの製
造にも非常に有用である。
【0032】次に、本発明のアルギニン含有ペプチドの
製造方法について説明する。本発明の前記アルギニン誘
導体またはアルギニン誘導体の塩酸塩を使用するペプチ
ドの製造は、固相法、液相法のいずれでも行うことがで
きる。固相法でアルギニン含有ペプチドの製造を行なう
には、ペプチド自動合成機を使用することができるが、
マニュアル操作で行うこともできる。
【0033】マニュアル操作でアルギニン含有ペプチド
合成を行う場合について説明する。この場合には、例え
ば、以下のようなプロセスが有利であるが、これに限定
されるものではない。
【0034】アミノ酸のNα−アミノ基の保護は、Fm
oc基で行なうことが脱保護の容易さの点から効率的で
ある。側鎖官能基の保護は、例えば、グルタミン酸残基
やアスパラギン酸残基のカルボキシル基の保護の場合は
tert-ブチルエステル(OtBu)として、グルタミン
残基やアスパラギン残基の酸アミド基の保護の場合はト
リフェニルメチル(Trt)基で、セリン残基、トレオ
ニン残基やチロジン残基の水酸基の保護の場合は tert-
ブチル(tBu)基で、ヒスチジン残基のイミダゾリル
基の保護の場合はトリフェニルメチル(Trt)基で、
リシン残基の側鎖アミノ基やトリプトファン残基のイン
ドール基の保護の場合は tert-ブチルオキシカルボニル
(Boc)基で、そしてアルギニン残基のグアニジノ基
の保護の場合は本発明のようにジベンゾスベレニル(S
ubene)基で行なう。これらのアミノ酸誘導体は、
アルギニン誘導体を除きすべて市販されている(例え
ば、SynProPep試薬)。なお、アルギニン残基
以外のアミノ酸残基の保護は上記以外の保護基を使用す
ることも可能である。
【0035】固相として使用する樹脂は、市販品、例え
ば、SynProPep社製のTentaGelR S−
RAM、TentaGelR S−CHA(J. Org. Che
m., 59 (26), 7969 (1994) )、または目的ペプチドの
C末端アミノ酸が既に結合した樹脂、例えば、Fmoc
−Tyr(tBu)−Wang(SynProPep社
製)を使用することが便宜である。
【0036】カルボキシル基の活性化法としては、ベン
ゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ピロリジ
ノ)ホスホニウム ヘキサフルオロフォスフェート(P
yBop)(SynProPep社製)および1−ヒド
ロキシベンゾトリアゾール(HOBT)を用いる方法が
便宜である。
【0037】具体的な操作の一例は以下の通りである。
反応容器に固相として使用する樹脂例えばTentaG
elR S−CHAを入れ、これに適当な溶媒例えばDM
Fを加え、洗浄するとともに膨潤させ、ついでこれに2
0%ピペリジン/DMFを加え振盪を繰り返し、さらに
DMFで繰り返し洗浄する。これにアミノ酸誘導体を加
え、PyBopおよびHOBTをDMFに溶解して添加
し、さらに塩基触媒として例えばN−メチルモルホリン
を加え充分振盪してカップリング反応を行なう。この操
作をペプチドに結合させるアミノ酸の数だけ繰り返す。
この方法では、アミノ酸の活性化時に常に遊離のアミノ
基が存在するため、活性化アミノ酸がFmoc−Arg
(Subene)OH、またはFmoc−Arg(Su
bene−OMe)OHであっても、分子内ラクタム形
成は起こらず、反応収率は極めて高い。得られたペプチ
ドレジンを五酸化リン上で減圧乾燥した後、クリーベイ
ジ工程を行なう。この工程は、TFAスカベンジャーカ
クテルにより、側鎖保護基を除去すると同時にペプチド
鎖を支持体レジンより切り離す工程である。
【0038】このクリーベイジ工程は、従来のアルギニ
ン側鎖グアニジノ基の保護基では、強酸の使用や長時間
の処理が必要であったため、副反応等により目的物の収
率低下の原因となり、また処理に熟練を用する困難な工
程であった。しかし、本発明においては、置換又は無置
換のジベンゾスベレニル基を保護基としているので、こ
のクリーベイジ工程は、下記のクリーベイジカクテル中
に室温で60分間放置するだけで完了する。なお、クリ
ーベイジ時間はペプチドのアミノ酸配列に依存するもの
の、従来最も優れた保護基とされているPmc基を用い
た場合でも、複数のアルギニン残基を含むペプチドの場
合は、クリーベイジに4〜8時間を要する。 <クリーベイジカクテル>TFA 50%、メチレンク
ロライド 32%、チオアニソール 5%、水5%、エ
チルメチルスルフィド 3%、エタンジオール3%、お
よびチオフェノール 2%:数値は容量%である。
【0039】クリーベイジ工程の終了後、レジンを濾過
して除き、濾液にエーテルを加えることによりペプチド
を沈殿させ、遠心分離する。得られた沈殿を減圧乾燥し
て粗ペプチドを得る。
【0040】以上のようにして得られた粗ペプチドは、
必要に応じて逆相HPLCで精製し、逆相HPLCで単
一成分であることを確認した上、液体二次イオン質量
分析法、エドマン分解によるアミノ酸配列分析、ア
ミノ酸組成分析等により、目的物であることを確認する
ことができる。
【0041】本発明においては、マニュアル操作と同様
に操作するペプチド自動合成機を用いることにより、ア
ルギニン含有ペプチドの製造を行うことができる。
【0042】このように、本発明のアルギニン含有ペプ
チドの製造方法によれば、ジベンゾスベレニル基で保護
されたアルギニン誘導体またはその塩酸塩を用いるの
で、従来の保護基(例えば、4−メトキシ−2,3,6
−トリメチルベンゼンスルホニル基)でグアニジノ基が
保護されたアルギニン誘導体と比較して、より温和な酸
条件下、短時間でジベンゾスベレニル基を脱保護するこ
とができ、副反応等を起こすことなく目的ペプチドを高
純度、高収率で得ることができる。とりわけ、本発明の
方法は、例えば、酸に不安定なトリプトファンを含有す
るペプチドの製造に非常に有用である。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0044】[参考例] (ジベンゾスベレニルクロライド(Subene−C
l)の合成例)ジベンゾスベレノール(Dibenzosuberen
ol, (5H−dibenzo(a.d)cycloheptene-5-ol))(Aldr
ich 製)5.0g(24mmol)をCH2 Cl2 (5
0ml)に溶解し、氷冷下にチオニルクロライド3.5
ml(2当量)を滴下した。反応液を室温で2時間攪拌
した。この反応液から溶媒を減圧下に留去し、残渣を石
油エーテルで洗浄後、乾燥し粗結晶を得た。得られた粗
結晶を石油エーテル−エチルエーテルより再結晶し、無
色結晶9.18g(収率:78%)を得た。mp:10
4〜108℃。
【0045】[実施例1] (Fmoc−アミノ−Nω−5−ジベンゾスベレニルア
ルギニンの合成)Fmocアルギニン(スイス Senn Ch
emicals AG製)3.0g(7.6mmol)をDMF
(20ml)に溶解し、これに上記参考例で得られたジ
ベンゾスベレニルクロライド(Subene−Cl)5.15
g(3当量)を加えた。攪拌下にジイソプロピルエチル
アミン(DIPEA)1.32ml(1当量)を滴下
し、室温で4時間攪拌した。反応液にさらにDIPEA
1.32ml(1当量)を滴下し、一夜攪拌した。反応
液から溶媒を減圧下に留去し、残渣をジクロルメタン5
0mlに溶解し、さらに水50mlを加えた。水層を飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した後、ジクロルメ
タン層を分取、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残渣にエチルエー
テルを加え、不溶物を濾取し、エチルエーテルで洗浄
後、乾燥して、粗生成物を得た。この粗生成物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒はCHCl3
−MeOH(8:1→5:1にグラジエント))で精製
し、Fmoc−アミノ−Nω−5−ジベンゾスベレニル
アルギニン1.94g(収率:44%)を得た。さらに
これをCHCl3 −MeOHから再結晶して無色結晶、
mp:149−154℃(decomp) を得た。同定データ
は以下の通りである: *元素分析値:C36344 4 ・3H2 O 理論値:C:67.48、H:6.29、N:8.74 分析値:C:67.02、H:5.96、N:8.43 * 1H−NMR(CD3 OD)δ(ppm ):1.4〜
1.8(6H、m、アルギニンメチレン−(CH2 3
−),3.95〜4.10(1H、m、アルギニンCα
メチン),4.15〜4.35(3H、m、Fmocメ
チレン、メチン),5.27(1H、br.s.ジベン
ゾスベレニルメチン、CH−NH),7.1〜7.83
(18H、芳香環H)
【0046】[実施例2] (ArgとTrpとを含むヘキサペプチドの合成…Tr
p(Boc)OHを原料に用いる) H−Gly−Ala−Gly−Trp−Ala−Arg
−NH2 合成はPyBop(ベンゾトリアゾール−1−イル−オ
キシ−トリス(ピロリジノ)ホスホニウム ヘキサフル
オロフォスフェート及びHOBT(1−ヒドロキシベン
ゾトリアゾール)を用いるマニュアル操作で行った。使
用した固相レジンはテンタゲルTentaGelR S−
CHAであり、使用したアミノ酸誘導体は下記表1の通
りである:
【表1】
【0047】反応操作の各ステップを表2を参照して説
明する。反応容器にテンタゲルS−CHAレジンを入
れ、これにDMF(0.5ml)を加え、振盪して樹脂
を洗うとともに膨潤させ、次いで20容量%ピペリジン
/DMF(0.5ml)を加えて、4分間振盪した。こ
の操作を再度繰り返し、さらにDMF(0.5ml)を
加え、5回洗浄した。これにFmoc−Arg(Sub
ene)−OH(0.075mmol)及びDMF
(0.1ml)を加え、1分間振盪し、さらにDMF1
ml中にPyBop(0.5mmol)とHOBT
(0.5mmol)とを含む溶液0.015mlを加え
て、8分間振盪した。これにN−メチルモルホリン0.
012mlを加えて、20分間振盪し、カップリング反
応を行ない、DMF(0.5ml)で5回洗浄した。
【0048】次に、ピペリジンでFmoc基を除去し、
DMFで洗浄(ステップ1、2)後、Fmoc−アミノ
酸及びDMFを反応容器に加え振盪し(ステップ3)、
これにN−メチルモルホリンを加え振盪した(ステップ
4)後、HOBT−PyBopを加え20分間振盪し
(ステップ5)、カップリング反応を行ない、DMFで
5回洗浄する(ステップ6)。この一連の反応操作のス
テップ1〜ステップ6を、Fmoc−アミノ酸として、
Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Trp(Boc)
−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Ala−
OH、Fmoc−Gly−OHを順次用いて5回繰り返
した。
【0049】最終工程は表3に示すように行った。すな
わち、ピペリジン−DMF溶液で振盪し、Fmoc基を
除去し(ステップ1)、DMFで洗浄し(ステップ
2)、次いでメタノール(ステップ3)、t−ブチルエ
ーテル(ステップ4)で洗浄し、得られたレジンをP2
5 存在下、減圧乾燥し、32.9mgのレジンを得
た。
【0050】
【表2】
【表3】
【0051】クリーベイジは、50%TFA、32%メ
チレンクロライド、5%チオアニソール、5%水、3%
エチルメチルスルフィド、3%エタンジチオール、およ
び2%チオフェノール(数値は容量%)からなる混合カ
クテル(0.5ml)を合成後のレジンに加え、室温で
1時間放置した。クリーベイジ後、樹脂を濾去し、レジ
ンを混合カクテル(0.1ml)、次いでエチルエーテ
ルで洗浄し、得られた濾液にエチルエーテルを加えるこ
とによりペプチドを沈殿させ、遠心分離した。得られた
残留物を減圧乾燥させペプチド3.7mgを得た。
【0052】得られたペプチドについて、HPLCによ
る純度分析を行った。HPLCは島津製作所製LC−1
0AS、Synpropep RPC18(逆相ODSシリカゲル5
μ120オングストローム、4.6φ×150mm)カ
ラムを用いた。溶出液はA液:0.01NのHCl、B
液:CH3 CNでリニアグラジエント、A液:100〜
60%、40分間、流速1ml/minで行ない、21
0nm(UV)で検出した。得られたHPLCチャート
を図1に示す。図1から明らかなように、得られたペプ
チドの純度は精製操作を行わなくてもきわめて高く(9
8面積%)、副生成物は認められない。
【0053】HPLCにより主ピークを分取して、島津
製作所製 Kratos Concept 2Hを用い
て、質量分析(LSIMS)を行った。 測定結果: 理論値:615.69 実験値:616.3 また、エドマン法によるアミノ酸配列分析により、目的
配列であることを確認した。
【0054】[実施例3] (ArgとTrpとを含むヘキサペプチドの合成…Tr
pOHを原料に用いる) H−Gly−Ala−Gly−Trp−Ala−Arg
−NH2 ArgおよびTrp残基の両方を含有するペプチド合成
においては、クリーベイジ時に脱離したアルギニンの保
護基のカチオンがTrp残基を攻撃して副生成物が生じ
ることが広く知られている。そのためBoc保護Trp
(すなわちTrp(Boc)OH)を原料に用いる方法
が採用されている。TrpOHとArg(Pmc)OH
とを使用する場合、生成ペプチドの中のArg残基とT
rp残基の間にアミノ酸残基が1個存在する場合に、ク
リーベイジ時に、アルギニン保護基(Pmc)カチオン
の分子内転移を最も起しやすく、副生成物を与えること
が知られている(Int. J. Peptide Protein Res. 43, 3
1 (1994) )。
【0055】本実施例では、Arg(Subene)O
H及びTrp−OHを用い、ヘキサペプチド(H−Gl
y−Ala−Gly−Trp−Ala−Arg−N
2 )の合成を行なった。
【0056】使用した固相レジン、アミノ酸誘導体は下
記表4の通りであり、実施例2のFmoc−Trp(B
oc)−OHの代わりにFmoc−Trp−OHを用い
た以外は、実施例2と全く同様の操作でペプチド合成を
行った。合成後、32.1mgのレジンを得た。
【表4】
【0057】クリーベイジは、実施例2と同様の混合カ
クテルを使用し、次の2通りの操作を行なった: (a) 上記レジン10.7mgに混合カクテル(0.3
ml)を加え、室温(25℃)で1時間放置後、実施例
2と同様の後処理を行い粗ペプチドを得た; (b) 上記レジン9.5mgに混合カクテル(0.3m
l)を加え、6℃で1時間放置後、実施例2と同様の後
処理を行い粗ペプチドを得た。
【0058】得られた各粗ペプチド(a) 及び(b) につい
てそれぞれ、実施例2と同様の条件でHPLCにより純
度分析を行なった。その結果は、図2(ペプチド(a) )
及び図3(ペプチド(b) )に示す通りである。図2にお
いては主生成物であるヘキサペプチド(93面積%)の
他に保持時間28.9分に保護基カチオンがペプチドに
付加したと思われるピーク(6面積%)が見られる。一
方、6℃でクリーベイジを行った場合、図3に示すよう
に実施例2における場合と同様にペプチドの純度が高く
(97面積%)、副生成物は認められなかった。従っ
て、Arg(Subene)OHを用い、Trp含有ペ
プチド合成を行う場合、低温(例えば6℃程度)でクリ
ーベイジを行なえばTrp−OHを原料として用いた場
合でも、副生成物が生成せず、純度の高いペプチドを合
成できることが明かとなった。
【0059】
【発明の効果】本発明の新規アルギニン誘導体は、上述
のように、アルギニン含有ペプチド製造のための原料化
合物として非常に有用である。また、本発明の新規アル
ギニン誘導体を使用する本発明のペプチド製造方法によ
れば、目的とするペプチドを高純度、高収率で製造する
ことができる。とりわけ、本発明の方法によれば、アル
ギニンと酸に不安定なトリプトファンとを含有するペプ
チドを高収率かつ高純度で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例2で得られたペプチドの純度を示すH
PLCチャートである。
【図2】 実施例3のクリーベイジ処理(a) で得られた
ペプチドの純度を示すHPLCチャートである。
【図3】 実施例3のクリーベイジ処理(b) で得られた
ペプチドの純度を示すHPLCチャートである。
【符号の説明】
Rt:保持時間

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) で表わされるアルギニン
    誘導体: 【化1】 式中、R1 〜R8 は、それぞれ独立して水素原子、炭素
    数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基
    を表わし、R9 及びR10は、ともに水素原子、一方が水
    素原子で他方がαアミノ基の保護基、一方が水素原子で
    他方が炭素数1〜4のアルキル基、又は一方がαアミノ
    基の保護基で他方が炭素数1〜4のアルキル基を表わ
    す。
  2. 【請求項2】 R9 及びR10のうちの一方がαアミノ基
    の保護基を表わす場合において、前記αアミノ基の保護
    基がフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)
    基である、請求項1に記載のアルギニン誘導体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2項に記載のアルギニン
    誘導体の塩酸塩。
  4. 【請求項4】 アルギニンを含むペプチドの製造法にお
    いて、請求項1または2項に記載のアルギニン誘導体ま
    たは請求項3に記載のアルギニン誘導体の塩酸塩を使用
    することを特徴とする、アルギニン含有ペプチドの製造
    方法。
JP7296864A 1995-11-15 1995-11-15 ジベンゾスベレニルアルギニン誘導体及びこれを用いるペプチド製造方法 Withdrawn JPH09136870A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018038166A1 (ja) * 2016-08-23 2018-03-01 公益財団法人川崎市産業振興財団 ポリマー、ポリマーの製造方法、及び薬物複合体

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WO2018038166A1 (ja) * 2016-08-23 2018-03-01 公益財団法人川崎市産業振興財団 ポリマー、ポリマーの製造方法、及び薬物複合体

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