JP2006511459A - ペプチド合成方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ペプチドを溶液状態で合成するための新しい方法に関する。上記方法は、a)化学式R1−SO2−CH2−O−CO−(式中、R1はアリール)のウレタン基で保護されたα−アミン作用基を有するペプチドまたはアミノ酸誘導体を有機溶媒の中で過量の脂肪族2次アミンで処理し、前記アミノ酸またはペプチド誘導体の遊離α−アミン作用基を放出させ、前記2次アミンと化学式R1−SO2−CH2=CH2の遊離されたビニール化合物との間に3次アミン添加生成物を形成し;b)前記溶媒と過量の2次アミンとを取り除き;c)前記Nα−保護基の除去されたアミノ酸またはペプチド誘導体と、前記Nα−保護基または他のウレタン保護基で保護されて次に連結されるペプチドまたはアミノ酸誘導体とを含む前記3次アミン添加生成物で形成した混合物を、Nα−保護基の除去されたアミノ酸またはペプチド誘導体の遊離α−アミン作用基と次のNα−保護されたペプチドまたはアミノ酸誘導体のα−カルボキシ作用基との間にペプチド結合を形成する条件下で反応させ;d)前記新たに形成されるペプチドを前記反応混合物から取り除き;e)所望のポリペプチドが得られるまで前記各過程を繰り返すことを含む。
Description
本発明は、ペプチドを溶液状態で合成するための新しい方法に係り、全体の合成過程を実質的に容易にし、促進させるペプチド合成方法に関する。
ペプチド合成の際の根本的な課題は、α−アミノ基が同一アミノ酸のカルボキシ基と相互作用することを遮断または防止することである。このような好ましくない同一アミノ酸での副反応は、NH2基を非反応性で作りながらも所望の反応を続けて進行させる保護基を一つのアミノ酸に取り付けることで防止される。アミノ基を保護する以外にも、前記保護基は合成の間に形成されたペプチド結合を含む残りの分子を化学的に変化させず容易に除去され得るようなものが好ましい。一般に、前記ペプチド鎖の連結過程は多数の連続的な合成サイクルにて構成されるが、それぞれのサイクルは次のような2つの基本的な化学的な各段階を含む:1)形成されるペプチドのα−アミノ基からの保護基の除去(Nα−保護基除去段階)、および、2)前記Nα−保護基の除去されたペプチドと次のNα−保護されたアミノ酸またはペプチド断片とのカップリング。したがって、前記Nα−保護基除去段階を容易で速かに行うことが全体のペプチド連結工程の速度および効果のために重要となる。
ペプチド合成に対して報告された殆どのアミノ保護基は次のような3種類の基が中心となってきた:触媒水素化によって脱保護されるカルボベンズオキシ(ZまたはCbz);穏やかな酸加水分解によって脱保護される3次−ブトキシカルボニル(Bocまたはt−Boc);および2次アミンによって脱保護される9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)。参照文献の例[Kocienski,P.Protecting Groups,Corrected Edition,Thieme:Stuttgart,NY,2000;Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Edition;John Wiley & Sons,Inc.:New York,NY,1999]。このようなそれぞれの保護基は互いに対立するが、これは前記Boc基は2次アミンおよび水素化反応(hydrogenolysis)に対して安定で、前記Fmoc基は酸加水分解(acidolysis)に対して安定で、前記Z基は2次アミンおよび穏やかな酸加水分解に対して安定であるからである。このような各保護基はペプチド化学においてそれぞれが位置づけられてきた。
短いペプチドから前記Z基を加水素分解することは簡単であるが、その処理作業はただ触媒を取り除いて溶媒を蒸発させることを含む。しかし、ペプチドが長くなるほどその反応は非常に遅くなり得る。その他、硫黄含有のアミノ酸がペプチドに存在すれば触媒水素化が不可能となる。
前記Boc基の分解時には揮発性の副産物のみが生成するので、その処理作業は酸性の脱保護基を取り除くことを含む。次のカップリング段階を成功的に進めるために重要とされる前記酸の完全な除去には、殆どの場合、Nα−保護されたペプチドを数回にかけて蒸発させ、気を付けながら洗浄および乾燥させることが要求される。
今日のペプチド合成において幅広く利用される、塩基に不安定な保護基であるFmoc基は、下記のような多数の長所を有するものとして確認された:すなわち、かかるFmoc基は、酸安全性が優秀で、塩基によって促進されるβ−除去(base-promoted β-elimination)を通じて様々なアミンによって非加水分解的な形態で容易に脱保護され、かかる基の存在の際に他の標準ペプチド保護基(すなわち、Boc、ベンジル)が容易に除去されることができ、脱保護の際に発生するアミンが遊離塩基である(Atherton,E.:Sheppard,R.C.,in The
Peptides;Udenfriend,S.;Meienhofer,J.,Eds.;Academic Press:New York,NY,1987;Vol.9,p.1)。しかし、前記Fmoc方法が自動化固相ペプチド合成において幅広く適用されてきたが、溶相ペプチド合成でのその使用を妨げるいくつかの短所がある。第一に、Fmoc基で保護されたアミノ酸(およびペプチド)はカップリング段階において一般的に利用される弱塩基性のDMF溶液および中性のDMF溶液のいずれにおいても安全性が不十分である(Atherton,E.;Bury,C.;Sheppard,R.C.;Williams,B.J.,Tetrahedron Lett.1979,3041;Bodanszky,M.;Deshmane,S.S.;Martinez,J.J.Org.Chem.1979,44,1622)。第2に、おそらく最も不利なものとして、Fmoc分解アルケン生成物であるジベンゾフルベン(dibenzofulvene)が過量の脱保護剤である2次脂肪族アミンと比較的遅いが可逆的に反応する。したがって、ジベンゾフルベンをアミンで効率的に捕獲(trapping)した後、反応混合物から取り除くことが難しくなり、結局、標的ペプチド生成物が難溶性ジベンゾフルベン重合体によって汚染される。
Peptides;Udenfriend,S.;Meienhofer,J.,Eds.;Academic Press:New York,NY,1987;Vol.9,p.1)。しかし、前記Fmoc方法が自動化固相ペプチド合成において幅広く適用されてきたが、溶相ペプチド合成でのその使用を妨げるいくつかの短所がある。第一に、Fmoc基で保護されたアミノ酸(およびペプチド)はカップリング段階において一般的に利用される弱塩基性のDMF溶液および中性のDMF溶液のいずれにおいても安全性が不十分である(Atherton,E.;Bury,C.;Sheppard,R.C.;Williams,B.J.,Tetrahedron Lett.1979,3041;Bodanszky,M.;Deshmane,S.S.;Martinez,J.J.Org.Chem.1979,44,1622)。第2に、おそらく最も不利なものとして、Fmoc分解アルケン生成物であるジベンゾフルベン(dibenzofulvene)が過量の脱保護剤である2次脂肪族アミンと比較的遅いが可逆的に反応する。したがって、ジベンゾフルベンをアミンで効率的に捕獲(trapping)した後、反応混合物から取り除くことが難しくなり、結局、標的ペプチド生成物が難溶性ジベンゾフルベン重合体によって汚染される。
FmocNα−保護の利点を有しながらも欠点のない溶液状ペプチドの合成のための効率的で柔軟な方法が必要であることが明らかである。
以前、本発明の発明者らのうちの一部は、2−アリールスルホニルエタノールから誘導されたウレタンアミノ保護基が、Fmoc基に対して説明したことと非常に類似した機序である塩基−促進β脱離(base-promoted β-elimination)を通じて非加水分解的な条件下でアミンによって脱保護され得ることを確認した(Samukov,V.V.;Sabirov,A.N.;Troshkov,M.L.Zh.Obshchei Khim.1988,58,1432)。しかし驚くことに、Fmoc基とは反対に、過量の2次脂肪族アミンが脱保護剤として利用される場合、ウレタン分解生成物であるアリールビニールスルホンが非常に速くて非可逆的に捕獲されるという事実を確認した(Samukov,V.V.;Sabirov,A.N.;Pozdnyakov,P.I.,Tetrahedron Left.1994,35,7821;Sabirov,A.N.;Kim,Y.-D.;Kim,H.-J.;Samukov,V.V.Protein
Peptide Left.1997,4,307)。このような場合、捕獲生成物はビニールスルホンアミン添加生成物(すなわち、3次アミン)を表すので、前記過量の脱保護剤および溶媒を取り除けば、Nα−保護基の除去されたペプチドと前記3次アミンとの等モル混合物が得られる。したがって、既に存在するモル当量の3次アミンが媒質の塩基性を維持してアシル化反応を促進するための目的によく利用され得るようにするために、3次アミンが前記カップリング混合物に常に添加されるので、カップリング段階を始める前に前記混合物を取り除く必要がないものとして推定されてきた。
Peptide Left.1997,4,307)。このような場合、捕獲生成物はビニールスルホンアミン添加生成物(すなわち、3次アミン)を表すので、前記過量の脱保護剤および溶媒を取り除けば、Nα−保護基の除去されたペプチドと前記3次アミンとの等モル混合物が得られる。したがって、既に存在するモル当量の3次アミンが媒質の塩基性を維持してアシル化反応を促進するための目的によく利用され得るようにするために、3次アミンが前記カップリング混合物に常に添加されるので、カップリング段階を始める前に前記混合物を取り除く必要がないものとして推定されてきた。
したがって、本発明は、前述した発見を利用して全体の合成過程を実質的に容易にし、促進させるものであって、ペプチドを溶液状態で合成するための新しい方法に関する。
したがって、本発明の目的は、
a)化学式R1−SO2−CH2CH2−O−CO−(式中、R1はアリールである。)のウレタン基で保護されたα−アミン作用基を有するペプチドまたはアミノ酸誘導体を有機溶媒の中で過量の脂肪族2次アミンで処理し、前記アミノ酸またはペプチド誘導体の遊離α−アミン作用基を放出させ、前記2次アミンと化学式R1−SO2−CH2=CH2の遊離したビニール化合物との間に3次アミン添加生成物を形成し;
b)前記溶媒と過量の2次アミンとを取り除き;
c)前記Nα−保護基の除去されたアミノ酸またはペプチド誘導体と、前記Nα−保護基または他のウレタン保護基で保護されて次に連結されるペプチドまたはアミノ酸誘導体とを含む前記3次アミン添加生成物で形成した混合物を、Nα−保護基の除去されたアミノ酸またはペプチド誘導体の遊離α−アミン作用基と、次のNα−保護されたペプチドまたはアミノ酸誘導体のα−カルボキシ作用基との間にペプチド結合を形成する条件下で反応させ;
d)前記新たに形成されるペプチドを前記反応混合物から取り除き;
e)所望のポリペプチドが得られるまで前記各過程を繰り返すことを含むペプチド合成方法を提供することにある。
a)化学式R1−SO2−CH2CH2−O−CO−(式中、R1はアリールである。)のウレタン基で保護されたα−アミン作用基を有するペプチドまたはアミノ酸誘導体を有機溶媒の中で過量の脂肪族2次アミンで処理し、前記アミノ酸またはペプチド誘導体の遊離α−アミン作用基を放出させ、前記2次アミンと化学式R1−SO2−CH2=CH2の遊離したビニール化合物との間に3次アミン添加生成物を形成し;
b)前記溶媒と過量の2次アミンとを取り除き;
c)前記Nα−保護基の除去されたアミノ酸またはペプチド誘導体と、前記Nα−保護基または他のウレタン保護基で保護されて次に連結されるペプチドまたはアミノ酸誘導体とを含む前記3次アミン添加生成物で形成した混合物を、Nα−保護基の除去されたアミノ酸またはペプチド誘導体の遊離α−アミン作用基と、次のNα−保護されたペプチドまたはアミノ酸誘導体のα−カルボキシ作用基との間にペプチド結合を形成する条件下で反応させ;
d)前記新たに形成されるペプチドを前記反応混合物から取り除き;
e)所望のポリペプチドが得られるまで前記各過程を繰り返すことを含むペプチド合成方法を提供することにある。
前記ウレタン構造において、R1基は置換または非置換アリールであっても良いが、塩基促進β脱離によって適当な高速度のウレタン分解を提供するためには、強い電子求引性置換基(electron-withdrawing substituent)を有するアリールを利用することが好ましい。このような置換アリール基のうち最も好ましいものは、4−ニトロフェニルおよび4−スルホニル化フェニル(4-sulfonylated phenyl)である。R1が4−ニトロフェニルである場合、前記Nα−保護基は公知された2−(4−ニトロフェニル)スルホニルエトキシカルボニル(NsC)基である(Samukov,V.V.;Sabirov,A.N.;Pozdnyakov,P.I.Tetrahedron Left.1994,35,7821;米国特許5,616,788号および6,265,590号)。前記4−スルホニル化フェニル基の例としては当業界でアミノ保護基として既に知られている2−(4−メチルスルホニルフェニル)スルホニルエトキシカルボニル(Mpc)基が挙げられる(Verhart,C.;G.Rec.Trav.Chim.Pays-Bas.1988,107,621)。かかる基の他の好ましい例としては、4−フェニルスルホニルフェニルおよび様々な4−スルホンアミド誘導体、すなわち、4−ジメチルアミドスルホニルフェニル、4−ジエチルアミドスルホニルフェニル、4−モルホリドスルホニルフェニル、および4−ピペリジドスルホニルフェニルが挙げられる。
前記アミンによって促進されるβ脱離機序(Amine-Promoted β-elimination)によるウレタンの分解速度は、同等な条件下でFmoc基の分解速度よりは遅いが、かかるアミノ保護基はカップリング段階において一般に利用される弱塩基性または中性反応溶液でFmocに比べより一層安定である。
前述したNα−保護基を迅速に分解し、遊離されたビニールスルホン化合物を効率よく捕獲するために、脱保護および捕獲剤として用いられる2次アミンは、強塩基性と求核性との物性を兼ね備えることが好ましい。また、重要であるのは前記アミンの物性である。前記Nα−保護基除去反応の後、反応混合物から過量のアミンを分離することは様々な方法で達成できるが、最も簡単で迅速な方法は、真空蒸溜(蒸発)させることである。よって、前記アミンは揮発性であることが好ましい。すなわち、沸点が低いことが好ましい。このような要件を満足させるアミン類の中で最も好ましいものは、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ピペリジン、ピロリジン、およびモルホリンである。前記効率的な分解および捕獲に必要なアミンの過量は2〜100モル当量の範囲であるが、それぞれのペプチドの合成において特定的に容易に選択されることができる。
前記Nα−保護基除去の段階を行うのに好適な溶媒は、出発物質および反応生成物を溶解させることのできる極性非陽性子性揮発性溶媒であることが好ましいが、かかる溶媒の例としては、ジクロロメタン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
このように形成される揮発性分解剤は、Nα−保護基の除去を行った後に蒸発させて容易に取り除くことができる。一般に、反応混合物から2次アミンの完全な除去を確保するためには、新しい部分の溶媒を利用した単一の追加的な同時蒸着(co-evaporation)を用いれば十分である。
過量のアミンおよび溶媒を、例えば蒸発によって取り除いた後には、Nα−保護基の除去されたアミノ酸またはペプチド誘導体と、ビニールスルホンアミン添加生成物の等モル(molar equivalents)混合物が、いかなる追加的な処理を介さずに、上記のウレタンまたは他のウレタン基によってNα−保護された後のペプチドまたはアミノ酸誘導体とのカップリング反応のために導入される。前記カップリングのためのNα−保護された成分のα−カルボキシ基を活性化するには合成において知られている様々な方法によって達成できるが、かかる方法の例としては、4−ニトロフェニル、ペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステルまたはその他の公知された類型の活性エステルのような活性エステルを予め形成したり、対称または混合無水物に切り替えたり、アジドに切り替えるなどの方法がある。前記カップリングは、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ベンゾトリアゾリル−1−オキシ(トリス−ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、その他多数のウロニウム(uronium)タイプのカップリング剤のような公知されたカップリング剤の存在下で行うこともできる。前記カップリング反応の間に反応媒質の塩基性を調節する際、1モル当量の塩基が反応混合物に既に存在するという事実を考慮しなければならない。
前記新たに形成されるペプチドを前記反応混合物から分離するには、抽出、沈澱、洗浄、クロマトグラフィーなどのような当業界で知られている一般的な方法を利用して行うことができる。
前述した全体の過程は所望のポリペプチド鎖が得られるまで繰り返して行うことができる。
所望または必要な場合、合成サイクルの間にアミノ酸またはペプチドの側鎖を適切な保護基で保護した後、保護基を取り除いて最終生成物を得ることができる。使用可能な保護基の性質および類型、これらの適用および除去は、文献に詳しく記載されており、当業者によく知られている。
以下、例示の目的で提供されるが、本発明を制限するものとして解釈されない下記の実施例によって本発明を説明する。下記の説明でのすべてのアミノ酸は別に指摘しない限りL−配列を有する。本発明で用いられる作用基、保護基、溶媒および試薬などに対する略語は以下の通りである。
Boc:3次−ブトキシカルボニル
BOP:ベンゾトリアゾリル−1−オキシ(トリス−ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
CbZ:ベンジルオキシカルボニル
DCC:N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
Despsc:2−(4−ジエチルアミドスルホニル)フェニルスルホニルエトキシカルボニル
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
Dmspsc:2−(4−ジメチルアミドスルホニル)フェニルスルホニルエトキシカルボニル
FC:フラッシュクロマトグラフィー
Fmoc:9−フルオレニルメトキシカルボニル
HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
Mpc:2−(4−メチルスルホニル)フェニルスルホニルエトキシカルボニル
Mspsc:2−(4−モルホリドスルホニル)フェニルスルホニルエトキシカルボニル
NMM:N−メチルモルホリン
Nsc:2−(4−ニトロフェニルスルホニル)エトキシカルボニル
Pfp:ペンタフルオロフェニル
Pipspsc:2−(4−ピペリジドスルホニル)フェニルスルホニルエトキシカルボニル
Pspsc:2−(4−フェニルスルホニル)フェニルスルホニルエトキシカルボニル
tBu:3次−ブチル
THF:テトラヒドロフラン
TFA:トリフルオロ酢酸
TEA:トリエチルアミン
Boc:3次−ブトキシカルボニル
BOP:ベンゾトリアゾリル−1−オキシ(トリス−ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
CbZ:ベンジルオキシカルボニル
DCC:N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
Despsc:2−(4−ジエチルアミドスルホニル)フェニルスルホニルエトキシカルボニル
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
Dmspsc:2−(4−ジメチルアミドスルホニル)フェニルスルホニルエトキシカルボニル
FC:フラッシュクロマトグラフィー
Fmoc:9−フルオレニルメトキシカルボニル
HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
Mpc:2−(4−メチルスルホニル)フェニルスルホニルエトキシカルボニル
Mspsc:2−(4−モルホリドスルホニル)フェニルスルホニルエトキシカルボニル
NMM:N−メチルモルホリン
Nsc:2−(4−ニトロフェニルスルホニル)エトキシカルボニル
Pfp:ペンタフルオロフェニル
Pipspsc:2−(4−ピペリジドスルホニル)フェニルスルホニルエトキシカルボニル
Pspsc:2−(4−フェニルスルホニル)フェニルスルホニルエトキシカルボニル
tBu:3次−ブチル
THF:テトラヒドロフラン
TFA:トリフルオロ酢酸
TEA:トリエチルアミン
クロマトグラフィー移動度(Rf値)は、Alufolien Kiesegel 60 F254(Merck,Darmstadt,Germany)薄層クロマトグラフィープレートで現わす;クロロホルム/メタノール/酢酸(95:5:3(A)および90:10:3(B))および酢酸エチル/ピリジン/酢酸/水(60:5:15:10(C))を展開溶媒として使用し、斑点はUV−吸光および/またはニンヒドリン反応によって検出する。分子イオン質量(M+H)+は、MALDI−TOF VISION2000装置(Thermo Bioanalysis,England)を用いて測定した。
実施例1:2−(4−フェニルスルホニル)フェニルスルホニルエチルクロロホルメート(Pspsc−Cl)
a)2−(4−フェニルスルホニル)フェニルスルホニルエタノール
10mlのDMFに溶解された2−(4−クロロフェニル)スルホニルエタノール(4.41g)およびチオフェノール(3.1g)の撹拌溶液に、5mlエタノールに溶解された1.4gのKOHを添加する。常温で10時間続けて撹拌した後、前記混合物を70mlの水で希釈し、100mlの酢酸エチルで抽出する。その抽出物を5%NaHCO3水溶液および塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で蒸発させる。得られた油状残留物を30mlのアセトンに溶解させる。その溶液に3mlの0.3Mモリブデン酸ナトリウム水溶液を添加した後、撹拌しながら8mlの30%過酸化水素を加える。前記混合物を50℃で6時間維持し蒸発させた後、100mlの水で処理する。その沈殿物をろ過し、水で洗浄し、乾燥させた後、酢酸エチル−石油から再結晶化して3.6gの表題の生成物を得る。融点:107〜108℃;Rf:0.35(A)。
C14H14O5S2(FW:326.39)に対する元素分析
計算値:C;51.52%、H;4.32%
実測値:C;51.14%、H;4.40%
b)Pspsc−Cl
35mlのTHFと10mlのホスゲンの30%トルエン溶液とを−10℃に冷却した撹拌混合物に、2−(4−フェニルスルホニル)フェニルスルホニルエタノール(3.2g)の微細粉末を添加した後、常温で撹拌する。前記混合物を蒸発乾燥させた後、その固体残留物をトルエンで処理してろ過分離し、トルエンおよび石油で洗浄し、減圧デシケーターで乾燥させる。収得量:3.55g;融点:160〜161℃。
C15H13ClO6S2(FW:388.85)に対する元素分析
計算値:C;46.33%、H;3.37%
実測値:C;45.94%、H;3.48%
a)2−(4−フェニルスルホニル)フェニルスルホニルエタノール
10mlのDMFに溶解された2−(4−クロロフェニル)スルホニルエタノール(4.41g)およびチオフェノール(3.1g)の撹拌溶液に、5mlエタノールに溶解された1.4gのKOHを添加する。常温で10時間続けて撹拌した後、前記混合物を70mlの水で希釈し、100mlの酢酸エチルで抽出する。その抽出物を5%NaHCO3水溶液および塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で蒸発させる。得られた油状残留物を30mlのアセトンに溶解させる。その溶液に3mlの0.3Mモリブデン酸ナトリウム水溶液を添加した後、撹拌しながら8mlの30%過酸化水素を加える。前記混合物を50℃で6時間維持し蒸発させた後、100mlの水で処理する。その沈殿物をろ過し、水で洗浄し、乾燥させた後、酢酸エチル−石油から再結晶化して3.6gの表題の生成物を得る。融点:107〜108℃;Rf:0.35(A)。
C14H14O5S2(FW:326.39)に対する元素分析
計算値:C;51.52%、H;4.32%
実測値:C;51.14%、H;4.40%
b)Pspsc−Cl
35mlのTHFと10mlのホスゲンの30%トルエン溶液とを−10℃に冷却した撹拌混合物に、2−(4−フェニルスルホニル)フェニルスルホニルエタノール(3.2g)の微細粉末を添加した後、常温で撹拌する。前記混合物を蒸発乾燥させた後、その固体残留物をトルエンで処理してろ過分離し、トルエンおよび石油で洗浄し、減圧デシケーターで乾燥させる。収得量:3.55g;融点:160〜161℃。
C15H13ClO6S2(FW:388.85)に対する元素分析
計算値:C;46.33%、H;3.37%
実測値:C;45.94%、H;3.48%
実施例2:2−(4−ジメチルアミドスルホニル)フェニルスルホニルエチルクロロホルメート(Dmspsc−Cl)
a)N,N−ジメチル−4−ブロモベンゼンスルホンアミド
16mlの30%ジメチルアミン水溶液および50mlのジオキサンとが撹拌された冷却(氷湯煎)混合物に、4−ブロモベンゼンスルホニルクロライド(7.7g)を10分にかけて少しずつ添加する。前記混合物を蒸発させ、十分な量の水で処理し、その沈殿物をろ過して冷水で洗浄し、次の段階で直接使用する。
b)2−(4−ジメチルアミドスルホニル)フェニルスルホニルエタノール
粗製のN,N−ジメチル−4−ブロモベンゼンスルホンアミド、3mlの2−メルカプトエタノールおよび30mlのDMFの混合物に、18mlのKOHの2Nエタノール溶液を添加し、70℃で8時間加温する。前記混合物を200mlの水で希釈し、70mlの酢酸エチルで2回抽出する。その抽出物を5%NaHCO3水溶液および水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で蒸発させる。次いで、その油状残留物を50mlのアセトンに溶解させる。その溶液に4mlの0.3Mモリブデン酸ナトリウム水溶液を添加した後、撹拌しながら10mlの30%過酸化水素を加える。前記混合物を50℃で5時間維持して蒸発させた後、100mlの水で処理する。その沈殿物をろ過して水で洗浄した後、乾燥させて酢酸エチルおよび石油で洗浄する。7.1gの表題生成物を得る。融点:171〜173℃;Rf:0.27(A)。
C10H15NO5S2(FW:293.36)に対する元素分析
計算値:C;40.94%、H;5.15%、N;4.77%
実測値:C;41.35%、H;5.05%、N;4.42%
c)Dmspsc−Cl
実施例1bで説明したように、2−(4−ジメチルアミノスルホニル)フェニルスルホニルエタノールから表題生成物を製造する。融点:135℃(軟化)〜144℃。
C11H14ClNO6S2(FW:355.82)に対する元素分析
計算値:C;37.13%、H;3.97%、N;3.94%
実測値:C;37.42%、H;4.05%、N;3.77%
なお、上記方法によって下記の各化合物を製造する:
2−(4−ピペリドスルホニル)フェニルスルホニルエタノール。融点:181〜182℃;Rf:0.34(A)。
C13H19NO5S2に対する元素分析
計算値:C;46.83%、H;5.74%、N;4.20%
実測値:C;47.18%、H;5.65%、N;4.05%
2−(4−ピペリジノスルホニル)フェニルスルホニルエタノール(Pipspsc−Cl)。融点:185〜187℃
C14H18ClNO6S2(FW:395.88)に対する元素分析
計算値:C;42.48%、H;4.58%、N;3.54%
実測値:C;42.32%、H;4.65%、N;3.42%
2−(4−モルホリドスルホニル)フェニルスルホニルエタノール。融点:190〜191℃;Rf:0.23(A)
C12H17NO6S2(FW:335.40)に対する元素分析
計算値:C;42.97%、H;5.11%、N;4.18%
実測値:C;42.68%、H;5.25%、N;4.01%
2−(4−モルホリドスルホニル)フェニルスルホニルエチルクロロホルメート(Mspsc−Cl)。融点:166〜169℃
C13H16ClNO7S2(FW:397。86)に対する元素分析
計算値:C;39.25%、H;4.05%、N;3.52%
実測値:C;39.61%、H;4.15%、N;3.39%
2−(4−ジエチルアミドスルホニル)フェニルスルホニルエタノール。融点:167〜168℃;Rf:0.30(A)
C12H19NO5S2(FW:321.42)に対する元素分析
計算値:C;44.84%、H;5.96%、N;4.36%
実測値:C;44.48%、H;6.08%、N;4.21%
2−(4−ジエチルアミドスルホニル)フェニルスルホニルエチルクロロホルメート(Despsc−Cl)。融点:155〜157℃;
C13H18ClNO6S2(FW:383.87)に対する元素分析
計算値:C;40.68%、H;4.73%、N;3.65%
実測値:C;40.21%、H;4.85%、N;3.49%
a)N,N−ジメチル−4−ブロモベンゼンスルホンアミド
16mlの30%ジメチルアミン水溶液および50mlのジオキサンとが撹拌された冷却(氷湯煎)混合物に、4−ブロモベンゼンスルホニルクロライド(7.7g)を10分にかけて少しずつ添加する。前記混合物を蒸発させ、十分な量の水で処理し、その沈殿物をろ過して冷水で洗浄し、次の段階で直接使用する。
b)2−(4−ジメチルアミドスルホニル)フェニルスルホニルエタノール
粗製のN,N−ジメチル−4−ブロモベンゼンスルホンアミド、3mlの2−メルカプトエタノールおよび30mlのDMFの混合物に、18mlのKOHの2Nエタノール溶液を添加し、70℃で8時間加温する。前記混合物を200mlの水で希釈し、70mlの酢酸エチルで2回抽出する。その抽出物を5%NaHCO3水溶液および水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で蒸発させる。次いで、その油状残留物を50mlのアセトンに溶解させる。その溶液に4mlの0.3Mモリブデン酸ナトリウム水溶液を添加した後、撹拌しながら10mlの30%過酸化水素を加える。前記混合物を50℃で5時間維持して蒸発させた後、100mlの水で処理する。その沈殿物をろ過して水で洗浄した後、乾燥させて酢酸エチルおよび石油で洗浄する。7.1gの表題生成物を得る。融点:171〜173℃;Rf:0.27(A)。
C10H15NO5S2(FW:293.36)に対する元素分析
計算値:C;40.94%、H;5.15%、N;4.77%
実測値:C;41.35%、H;5.05%、N;4.42%
c)Dmspsc−Cl
実施例1bで説明したように、2−(4−ジメチルアミノスルホニル)フェニルスルホニルエタノールから表題生成物を製造する。融点:135℃(軟化)〜144℃。
C11H14ClNO6S2(FW:355.82)に対する元素分析
計算値:C;37.13%、H;3.97%、N;3.94%
実測値:C;37.42%、H;4.05%、N;3.77%
なお、上記方法によって下記の各化合物を製造する:
2−(4−ピペリドスルホニル)フェニルスルホニルエタノール。融点:181〜182℃;Rf:0.34(A)。
C13H19NO5S2に対する元素分析
計算値:C;46.83%、H;5.74%、N;4.20%
実測値:C;47.18%、H;5.65%、N;4.05%
2−(4−ピペリジノスルホニル)フェニルスルホニルエタノール(Pipspsc−Cl)。融点:185〜187℃
C14H18ClNO6S2(FW:395.88)に対する元素分析
計算値:C;42.48%、H;4.58%、N;3.54%
実測値:C;42.32%、H;4.65%、N;3.42%
2−(4−モルホリドスルホニル)フェニルスルホニルエタノール。融点:190〜191℃;Rf:0.23(A)
C12H17NO6S2(FW:335.40)に対する元素分析
計算値:C;42.97%、H;5.11%、N;4.18%
実測値:C;42.68%、H;5.25%、N;4.01%
2−(4−モルホリドスルホニル)フェニルスルホニルエチルクロロホルメート(Mspsc−Cl)。融点:166〜169℃
C13H16ClNO7S2(FW:397。86)に対する元素分析
計算値:C;39.25%、H;4.05%、N;3.52%
実測値:C;39.61%、H;4.15%、N;3.39%
2−(4−ジエチルアミドスルホニル)フェニルスルホニルエタノール。融点:167〜168℃;Rf:0.30(A)
C12H19NO5S2(FW:321.42)に対する元素分析
計算値:C;44.84%、H;5.96%、N;4.36%
実測値:C;44.48%、H;6.08%、N;4.21%
2−(4−ジエチルアミドスルホニル)フェニルスルホニルエチルクロロホルメート(Despsc−Cl)。融点:155〜157℃;
C13H18ClNO6S2(FW:383.87)に対する元素分析
計算値:C;40.68%、H;4.73%、N;3.65%
実測値:C;40.21%、H;4.85%、N;3.49%
実施例3:Nα−保護されたアミノ酸
10mlの無水クロロホルムに溶解されたアミノ酸(3.6mmol)の懸濁液に、クロロメチルシラン(8mmol)を添加した後、撹拌・冷却しながら8mmolのTEAを加える。40℃で1時間撹拌した後、得られる透明な溶液にクロロホルメート(3mmol,実施例1および2)を添加した後、常温で3時間続けて撹拌する。次いで、前記混合物を蒸発させ、その残留物を冷たい0.5N HCl(20ml)水溶液と酢酸エチル(30ml)との間に分配する。得られる有機相を0.5N HCl水溶液および水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下で蒸発させる。その残留物を適切な溶媒で再結晶化するか、あるいはシリカゲルカラム上で分離した。このような方法によって製造されたNα−アミノ酸類を下記表1に表す。
Nsc−およびMpc−アミノ酸類を発表された過程によって製造する。
10mlの無水クロロホルムに溶解されたアミノ酸(3.6mmol)の懸濁液に、クロロメチルシラン(8mmol)を添加した後、撹拌・冷却しながら8mmolのTEAを加える。40℃で1時間撹拌した後、得られる透明な溶液にクロロホルメート(3mmol,実施例1および2)を添加した後、常温で3時間続けて撹拌する。次いで、前記混合物を蒸発させ、その残留物を冷たい0.5N HCl(20ml)水溶液と酢酸エチル(30ml)との間に分配する。得られる有機相を0.5N HCl水溶液および水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下で蒸発させる。その残留物を適切な溶媒で再結晶化するか、あるいはシリカゲルカラム上で分離した。このような方法によって製造されたNα−アミノ酸類を下記表1に表す。
Nsc−およびMpc−アミノ酸類を発表された過程によって製造する。
実施例4:Tyr−Gly−Gly−Leu(ロイシン−エンケファリンの合成)
a)Mspsc−Phe−Leu−OtBu
ロイシン3次−ブチルエステルヒドロクロライド(0.6mmol)、Mspsc−Phe−OH(0.5mmol,表1の番号4)とHOBt(0.74mmol)とを2mlのDMFに溶解させる。この溶液に、NMM(2mmol)とBOP(0.6mmol)とを加え、その混合物を常温で60分間維持する。次いで、前記混合物を25mlの酢酸エチルと20mlの5%NaHCO3水溶液との間に分配した後、得られる有機相を分離して水で洗浄し、0.5N HCl水溶液で洗浄した後、更に水で洗浄して蒸発乾燥させる。その残留物をエーテルで処理して収率83%の表題のジペプチドを得る。Rf:0.50(A)。
b)Pipspsc−Gly−Phe−Leu−OtBu
ジペプチド(実施例4a)をDMF−ピペリジンの混合物(1:4v/v;3ml)に溶解させ、10分後1mmHg下で蒸発乾燥させる。その残留物を3mlのDMFと共同蒸発させ、DMF(2ml)に溶解させる。その溶液に、Pipspsc−Gly−OH(0.5mmol,表1の番号12)、HOBt(0.74mmol)、NMM(1mmol)およびBOP(0.6mmol)を加え、その混合物を常温で1.5時間維持する。次いで、前記混合物を25mlの酢酸エチルと20mlの5%NaHCO3水溶液との間に分配し、得られる有機相を分離した後、水で洗浄し、0.5N HCl水溶液で洗浄した後、更に水で洗浄し、蒸発乾燥させる。その残留物をエーテルで処理して収率86%の表題のトリペプチドを得る。Rf:0.32(A)。
c)Dmspsc−Gly−Gly−Phe−Leu−OtBu
実施例4bのトリペプチドをDMF−ピペリジンの混合物(1:4v/v;3ml)に溶解させ、15分後1mmHg下で蒸発乾燥させる。その残留物を3mlのDMFと共同蒸発させ、DMF(2ml)に溶解させる。その溶液に、Dmspsc−Gly−OH(0.45mmol,表1の番号11)、HOBt(0.6mmol)、NMM(0.8mmol)およびBOP(0.5mmol)を加え、その混合物を常温で1.5時間維持する。次いで、前記混合物を35mlの酢酸エチルと20mlの5%NaHCO3水溶液との間に分配し、得られる有機相を分離した後、水で洗浄し、0.5N HCl水溶液で洗浄した後、更に水で洗浄し、蒸発乾燥させる。その残留物をエーテル−石油で処理して収率93%の表題のテトラペプチドを得る。Rf:0.55(B)。
d)Boc−Tyr(Boc)−Gly−Gly−Phe−Leu−OtBu
実施例4cのテトラペプチドをDMF−ピペリジンの混合物(1:4v/v;3ml)に溶解させ、15分後1mmHg下で蒸発乾燥させる。その残留物を3mlのDMFと共同蒸発させ、DMF(3ml)に溶解させる。その溶液に、Boc−Tyr(Boc)−OPfp(0.4mmol)を加え、その混合物を常温で30分間維持する。次いで、前記混合物を35mlの酢酸エチルと20mlの5%NaHCO3水溶液との間に分配し、得られる有機相を分離した後、水で洗浄し、0.5N HCl水溶液で洗浄した後、更に水で洗浄し、蒸発乾燥させる。その残留物を石油エーテルで処理して収率90%の表題のペンタペプチドを得る。Rf:0.75(B)。
e)Tyr−Gly−Gly−Phe−Leu
実施例4dの保護されたペンタペプチドをクロロホルム−TFA−水の混合物(50:50:2,10ml)に溶解させ、常温で1時間維持する。次いで、その溶液を蒸発乾燥させ、その残留物をエーテルで粉碎する。エーテルを用いてエタノールからの再結晶化を行い160mg(出発のMspsc−Phe−OHに対して計算するとき48%)のロイシン−エンケファリン−トリフルオロアセテートを得る。Rf:0.27(C);m/Z:−556.5、M+H+(計算値:556.77);純度:94%(HPLCによる)。
Nα−保護基とNα−保護基除去剤の様々な組み合わせを用いて前記合成過程を繰り返して行った。このようにして行われる合成過程が下記の表2に要約されている。N−末端およびC−末端アミノ酸、合成規模およびカップリング条件は前述した通りである。アミノ酸残基をN−末端およびC−末端から計算し、保護基の除去された粗製(crude)のロイシン−エンケファリン−トリフルオロアセテートの全体の収率および純度を上記のように測定する。
a)Mspsc−Phe−Leu−OtBu
ロイシン3次−ブチルエステルヒドロクロライド(0.6mmol)、Mspsc−Phe−OH(0.5mmol,表1の番号4)とHOBt(0.74mmol)とを2mlのDMFに溶解させる。この溶液に、NMM(2mmol)とBOP(0.6mmol)とを加え、その混合物を常温で60分間維持する。次いで、前記混合物を25mlの酢酸エチルと20mlの5%NaHCO3水溶液との間に分配した後、得られる有機相を分離して水で洗浄し、0.5N HCl水溶液で洗浄した後、更に水で洗浄して蒸発乾燥させる。その残留物をエーテルで処理して収率83%の表題のジペプチドを得る。Rf:0.50(A)。
b)Pipspsc−Gly−Phe−Leu−OtBu
ジペプチド(実施例4a)をDMF−ピペリジンの混合物(1:4v/v;3ml)に溶解させ、10分後1mmHg下で蒸発乾燥させる。その残留物を3mlのDMFと共同蒸発させ、DMF(2ml)に溶解させる。その溶液に、Pipspsc−Gly−OH(0.5mmol,表1の番号12)、HOBt(0.74mmol)、NMM(1mmol)およびBOP(0.6mmol)を加え、その混合物を常温で1.5時間維持する。次いで、前記混合物を25mlの酢酸エチルと20mlの5%NaHCO3水溶液との間に分配し、得られる有機相を分離した後、水で洗浄し、0.5N HCl水溶液で洗浄した後、更に水で洗浄し、蒸発乾燥させる。その残留物をエーテルで処理して収率86%の表題のトリペプチドを得る。Rf:0.32(A)。
c)Dmspsc−Gly−Gly−Phe−Leu−OtBu
実施例4bのトリペプチドをDMF−ピペリジンの混合物(1:4v/v;3ml)に溶解させ、15分後1mmHg下で蒸発乾燥させる。その残留物を3mlのDMFと共同蒸発させ、DMF(2ml)に溶解させる。その溶液に、Dmspsc−Gly−OH(0.45mmol,表1の番号11)、HOBt(0.6mmol)、NMM(0.8mmol)およびBOP(0.5mmol)を加え、その混合物を常温で1.5時間維持する。次いで、前記混合物を35mlの酢酸エチルと20mlの5%NaHCO3水溶液との間に分配し、得られる有機相を分離した後、水で洗浄し、0.5N HCl水溶液で洗浄した後、更に水で洗浄し、蒸発乾燥させる。その残留物をエーテル−石油で処理して収率93%の表題のテトラペプチドを得る。Rf:0.55(B)。
d)Boc−Tyr(Boc)−Gly−Gly−Phe−Leu−OtBu
実施例4cのテトラペプチドをDMF−ピペリジンの混合物(1:4v/v;3ml)に溶解させ、15分後1mmHg下で蒸発乾燥させる。その残留物を3mlのDMFと共同蒸発させ、DMF(3ml)に溶解させる。その溶液に、Boc−Tyr(Boc)−OPfp(0.4mmol)を加え、その混合物を常温で30分間維持する。次いで、前記混合物を35mlの酢酸エチルと20mlの5%NaHCO3水溶液との間に分配し、得られる有機相を分離した後、水で洗浄し、0.5N HCl水溶液で洗浄した後、更に水で洗浄し、蒸発乾燥させる。その残留物を石油エーテルで処理して収率90%の表題のペンタペプチドを得る。Rf:0.75(B)。
e)Tyr−Gly−Gly−Phe−Leu
実施例4dの保護されたペンタペプチドをクロロホルム−TFA−水の混合物(50:50:2,10ml)に溶解させ、常温で1時間維持する。次いで、その溶液を蒸発乾燥させ、その残留物をエーテルで粉碎する。エーテルを用いてエタノールからの再結晶化を行い160mg(出発のMspsc−Phe−OHに対して計算するとき48%)のロイシン−エンケファリン−トリフルオロアセテートを得る。Rf:0.27(C);m/Z:−556.5、M+H+(計算値:556.77);純度:94%(HPLCによる)。
Nα−保護基とNα−保護基除去剤の様々な組み合わせを用いて前記合成過程を繰り返して行った。このようにして行われる合成過程が下記の表2に要約されている。N−末端およびC−末端アミノ酸、合成規模およびカップリング条件は前述した通りである。アミノ酸残基をN−末端およびC−末端から計算し、保護基の除去された粗製(crude)のロイシン−エンケファリン−トリフルオロアセテートの全体の収率および純度を上記のように測定する。
実施例5:Leu−Glu−Asp−Gly−Pro−Lys−Phe−Leu(THF−γ2)の合成
a)Nsc−Lys(Boc)−Phe−Leu−OtBu
Mspsc−Phe−Leu−OtBu(0.87mmol,実施例4a)を、実施例4bで説明したように、Nα−保護基除去し、4mlのDMFに溶解させる。その溶液に、Nsc−Lys(Boc)−OH(1mmol)、HOBt(1.5mmol)、およびNMM(2mmol)を加え、その混合物を常温で1時間維持する。次いで、前記混合物を25mlの酢酸エチルと20mlの5%NaCO3水溶液との間に分配し、得られる有機相を分離して静置し、決定化する。その沈殿物をろ過し、水で洗浄して収率86%の表題のトリペプチドを得る。Rf:0.72(B)。
b)Nsc−Pro−Lys(Boc)−Phe−Leu−OtBu
トリペプチド(実施例5a)をDMF−ピペリデンの混合物(1:4v/v;5ml)に溶解させ、15分後1mmHg下で蒸発乾燥させる。その残留物を3mlのDMFと共同蒸発させ、DMF(5ml)に溶解させる。その溶液に、Nsc−Pro−OH(0.8mmol)、HOBt(1.2mmol)、NMM(1.8mmol)およびBOP(0.85mmol)を加え、その混合物を常温で1.5時間維持する。次いで、前記混合物を35mlの酢酸エチルと20mlの5%NaHCO3水溶液との間に分配し、得られる有機相を分離した後、水で洗浄し、0.5N HCl水溶液で洗浄した後、更に水で洗浄し、蒸発乾燥させる。その残留物をエーテルで処理して収率91%の表題のテトラペプチドを得る。Rf:0.60(B)。
c)Nsc−Gly−Pro−Lys(Boc)−Phe−Leu−OtBu
テトラペプチド(実施例5b)をDMF−ピペリジンの混合物(1:4v/v;5ml)に溶解させ、15分後1mmHg下で蒸発乾燥させる。その残留物を5mlのDMFと共同蒸発させ、DMF(5ml)に溶解させる。その溶液に、Nsc−Gly−OH(0.8mmol)、HOBt(1.2mmol)、NMM(1.8mmol)およびBOP(0.85mmol)を加え、その混合物を常温で2.5時間維持する。次いで、前記混合物を35mlの酢酸エチルと20mlの5%NaHCO3水溶液との間に分配し、得られる有機相を分離した後、水で洗浄し、0.5N HCl水溶液で洗浄した後、更に水で洗浄し、蒸発乾燥させる。その残留物を酢酸エチル−エーテルで処理し、収率94%の表題のペンタペプチドを得る。Rf:0.50(B)。
d)Mspsc−Glu(OtBu)−Asp(OtBu)−OH
5mlのTHFに溶解されたMspsc−Glu(OtBu)−OH(1mmol)およびペンタフルオロフェニル(1.2mmol)の冷却溶液に、DCC(1mmol)を加え、その混合物を常温で2時間撹拌する。その沈殿物をろ過し、そのろ液を蒸発させた後、4mlのDMFに溶解された1.1mmolのH−Asp(OtBu)−OHと合わせる。その混合物を透明な溶液が形成されるまで12時間撹拌した後、30mlの酢酸エチルと30mlの冷たい0.25N HCl水溶液との間に分配する。得られる有機相を分離した後、冷たい0.25N HCl水溶液および水で洗浄し、蒸発乾燥させる。その残留物をエーテルで処理し、収率88%の所望のジペプチドを得る。Rf:0.50(A)。
e)Boc−Leu−Glu(OtBu)−Asp(OtBu)−OH
ジペプチド(実施例5d)をDMF−ピペリジンの混合物(1:4v/v;5ml)に溶解させ、15分後1mmHg下で蒸発乾燥させる。その残留物を5mlのDMFと2回共同蒸発させ、DMF(5ml)に溶解させる。その溶液に、Boc−Leu4−ニトロフェニルエステル(1.1mmol)およびHOBt(0.2mmol)を加える。その混合物を常温で3時間維持する。次いで、前記混合物を35mlの酢酸エチルと30mlの冷たい0.25N HCl水溶液との間に分配する。得られる有機相を分離した後、冷たい0.25N HCl水溶液および水で洗浄し、蒸発させてオイルを得る。その残留物を石油(2×10ml)で粉碎して洗浄した後、真空乾燥させて収率74%の所望のトリペプチドを固体発泡体の形態で得る。Rf:0.40(A)。
f)Boc−Leu−Glu(OtBu)−Asp(OtBu)−Gly−Pro−Lys(Boc)−Phe−Leu−OtBu
実施例5cのペンタペプチド(0.38mmol)をDMF−ピペリジンの混合物(1:4v/v;3ml)に溶解させ、15分後1mmHg下で蒸発乾燥させる。その残留物を5mlのDMFと共同蒸発させ、DMF(3ml)に溶解させる。その溶液に、Boc−Leu−Glu(OtBu)−Asp(OtBu)−OH(0.41mmol,実施例5e)、HOBt(1mmol)、NMM(1mmol)およびBOP(0.55mmol)を加え、その混合物を常温で4時間維持する。次いで、前記混合物を35mlの酢酸エチルと20mlの5%NaHCO3水溶液との間に分配し、得られる有機相を分離した後、5%NaHCO3水溶液、0.5N HCl水溶液および水で洗浄した後、蒸発させてオイルを得る。その残留物をエーテル−へキサンで処理し、収率90%の表題の保護されたオクタペプチドを得る。Rf:0.450(A)。
g)Leu−Glu−Asp−Gly−Pro−Lys−Phe−Leu
前記保護されたオクタペプチド(440mg)を10mlの冷たいTFA−水の混合物(9:1,v/v)に溶解させ、常温で40分間撹拌する。その溶液を蒸発させ、得られる濃い油状残留物を冷たいエーテルで処理する。その沈殿物をろ過し、エーテルで洗浄し、真空乾燥させて380mgの粗製のオクタペプチド(純度87%/HPLCによる)を得る。前記ペプチドを4%酢酸水溶液に溶解させた後、酢酸の緩衝された水−エタノール勾配(gradient)を利用してLichroprep RP18上で分取用逆相クロマトグラフィーによって精製する。最終の収率は280mg(98%)の純粋なオクタペプチドである。m/Z=919.5;M+H+(計算値:919.13);[α]D20=−68.9゜(c1、1%CH3COOH水溶液)。
a)Nsc−Lys(Boc)−Phe−Leu−OtBu
Mspsc−Phe−Leu−OtBu(0.87mmol,実施例4a)を、実施例4bで説明したように、Nα−保護基除去し、4mlのDMFに溶解させる。その溶液に、Nsc−Lys(Boc)−OH(1mmol)、HOBt(1.5mmol)、およびNMM(2mmol)を加え、その混合物を常温で1時間維持する。次いで、前記混合物を25mlの酢酸エチルと20mlの5%NaCO3水溶液との間に分配し、得られる有機相を分離して静置し、決定化する。その沈殿物をろ過し、水で洗浄して収率86%の表題のトリペプチドを得る。Rf:0.72(B)。
b)Nsc−Pro−Lys(Boc)−Phe−Leu−OtBu
トリペプチド(実施例5a)をDMF−ピペリデンの混合物(1:4v/v;5ml)に溶解させ、15分後1mmHg下で蒸発乾燥させる。その残留物を3mlのDMFと共同蒸発させ、DMF(5ml)に溶解させる。その溶液に、Nsc−Pro−OH(0.8mmol)、HOBt(1.2mmol)、NMM(1.8mmol)およびBOP(0.85mmol)を加え、その混合物を常温で1.5時間維持する。次いで、前記混合物を35mlの酢酸エチルと20mlの5%NaHCO3水溶液との間に分配し、得られる有機相を分離した後、水で洗浄し、0.5N HCl水溶液で洗浄した後、更に水で洗浄し、蒸発乾燥させる。その残留物をエーテルで処理して収率91%の表題のテトラペプチドを得る。Rf:0.60(B)。
c)Nsc−Gly−Pro−Lys(Boc)−Phe−Leu−OtBu
テトラペプチド(実施例5b)をDMF−ピペリジンの混合物(1:4v/v;5ml)に溶解させ、15分後1mmHg下で蒸発乾燥させる。その残留物を5mlのDMFと共同蒸発させ、DMF(5ml)に溶解させる。その溶液に、Nsc−Gly−OH(0.8mmol)、HOBt(1.2mmol)、NMM(1.8mmol)およびBOP(0.85mmol)を加え、その混合物を常温で2.5時間維持する。次いで、前記混合物を35mlの酢酸エチルと20mlの5%NaHCO3水溶液との間に分配し、得られる有機相を分離した後、水で洗浄し、0.5N HCl水溶液で洗浄した後、更に水で洗浄し、蒸発乾燥させる。その残留物を酢酸エチル−エーテルで処理し、収率94%の表題のペンタペプチドを得る。Rf:0.50(B)。
d)Mspsc−Glu(OtBu)−Asp(OtBu)−OH
5mlのTHFに溶解されたMspsc−Glu(OtBu)−OH(1mmol)およびペンタフルオロフェニル(1.2mmol)の冷却溶液に、DCC(1mmol)を加え、その混合物を常温で2時間撹拌する。その沈殿物をろ過し、そのろ液を蒸発させた後、4mlのDMFに溶解された1.1mmolのH−Asp(OtBu)−OHと合わせる。その混合物を透明な溶液が形成されるまで12時間撹拌した後、30mlの酢酸エチルと30mlの冷たい0.25N HCl水溶液との間に分配する。得られる有機相を分離した後、冷たい0.25N HCl水溶液および水で洗浄し、蒸発乾燥させる。その残留物をエーテルで処理し、収率88%の所望のジペプチドを得る。Rf:0.50(A)。
e)Boc−Leu−Glu(OtBu)−Asp(OtBu)−OH
ジペプチド(実施例5d)をDMF−ピペリジンの混合物(1:4v/v;5ml)に溶解させ、15分後1mmHg下で蒸発乾燥させる。その残留物を5mlのDMFと2回共同蒸発させ、DMF(5ml)に溶解させる。その溶液に、Boc−Leu4−ニトロフェニルエステル(1.1mmol)およびHOBt(0.2mmol)を加える。その混合物を常温で3時間維持する。次いで、前記混合物を35mlの酢酸エチルと30mlの冷たい0.25N HCl水溶液との間に分配する。得られる有機相を分離した後、冷たい0.25N HCl水溶液および水で洗浄し、蒸発させてオイルを得る。その残留物を石油(2×10ml)で粉碎して洗浄した後、真空乾燥させて収率74%の所望のトリペプチドを固体発泡体の形態で得る。Rf:0.40(A)。
f)Boc−Leu−Glu(OtBu)−Asp(OtBu)−Gly−Pro−Lys(Boc)−Phe−Leu−OtBu
実施例5cのペンタペプチド(0.38mmol)をDMF−ピペリジンの混合物(1:4v/v;3ml)に溶解させ、15分後1mmHg下で蒸発乾燥させる。その残留物を5mlのDMFと共同蒸発させ、DMF(3ml)に溶解させる。その溶液に、Boc−Leu−Glu(OtBu)−Asp(OtBu)−OH(0.41mmol,実施例5e)、HOBt(1mmol)、NMM(1mmol)およびBOP(0.55mmol)を加え、その混合物を常温で4時間維持する。次いで、前記混合物を35mlの酢酸エチルと20mlの5%NaHCO3水溶液との間に分配し、得られる有機相を分離した後、5%NaHCO3水溶液、0.5N HCl水溶液および水で洗浄した後、蒸発させてオイルを得る。その残留物をエーテル−へキサンで処理し、収率90%の表題の保護されたオクタペプチドを得る。Rf:0.450(A)。
g)Leu−Glu−Asp−Gly−Pro−Lys−Phe−Leu
前記保護されたオクタペプチド(440mg)を10mlの冷たいTFA−水の混合物(9:1,v/v)に溶解させ、常温で40分間撹拌する。その溶液を蒸発させ、得られる濃い油状残留物を冷たいエーテルで処理する。その沈殿物をろ過し、エーテルで洗浄し、真空乾燥させて380mgの粗製のオクタペプチド(純度87%/HPLCによる)を得る。前記ペプチドを4%酢酸水溶液に溶解させた後、酢酸の緩衝された水−エタノール勾配(gradient)を利用してLichroprep RP18上で分取用逆相クロマトグラフィーによって精製する。最終の収率は280mg(98%)の純粋なオクタペプチドである。m/Z=919.5;M+H+(計算値:919.13);[α]D20=−68.9゜(c1、1%CH3COOH水溶液)。
本発明は、ペプチドを溶液状態で合成するための新しい方法を提供することで、全体の合成過程を実質的に容易にし、促進させる。
Claims (8)
- a)化学式R1−SO2−CH2CH2−O−CO−(式中、R1はアリール)のウレタン基で保護されたα−アミン作用基を有するペプチドまたはアミノ酸誘導体を有機溶媒の中で過量の脂肪族2次アミンで処理し、前記アミノ酸またはペプチド誘導体の遊離α−アミン作用基を放出させ、前記2次アミンと化学式R1−SO2−CH2=CH2の遊離されたビニール化合物との間に3次アミン添加生成物を形成し、
b)前記溶媒と過量の2次アミンとを取り除き、
c)前記Nα−保護基の除去されたアミノ酸またはペプチド誘導体と、前記Nα−保護基または他のウレタン保護基で保護されて次に連結されるペプチドまたはアミノ酸誘導体とを含む前記3次アミン添加生成物で形成した混合物を、Nα−保護基の除去されたアミノ酸またはペプチド誘導体の遊離α−アミン作用基と次のNα−保護されたペプチドまたはアミノ酸誘導体のα−カルボキシ作用基との間にペプチド結合を形成する条件下で反応させ、
d)前記新たに形成されるペプチドを前記反応混合物から取り除き、
e)所望のポリペプチドが得られるまで前記各過程を繰り返すことを含むペプチド合成方法。 - R1は、4−ニトロフェニル、4−フェニルスルホニルフェニル、4−メチルスルホニルフェニル、4−ジメチルアミドスルホニルフェニル、4−ジエチルアミドスルホニルフェニル、4−モルホリドスルホニルフェニルおよび4−ピペリドスルホニルフェニルからなる群より選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記脂肪族2次アミンが、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ピペリジン、ピロリジンおよびモルホリンからなる群より選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記有機溶媒が、揮発性の非陽性子性溶媒であることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記揮発性の非陽性子性溶媒が、ジクロロメタン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンおよびジメチルスルホキシドからなる群より選択されることを特徴とする請求項4記載の方法。
- 前記溶媒と過量の脂肪族2次アミンとの除去が蒸発によって行われることを特徴とする請求項3または4記載の方法。
- 前記接触段階が、カップリング剤の存在下で行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記カップリング剤が、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ベンゾトリアゾリル−1−オキシ(トリス−ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)およびウロニウムタイプのカップリング剤からなる群より選択されることを特徴とする請求項7記載の方法。
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