JPH0967341A - 新規トリプトファン誘導体およびその製造法 - Google Patents

新規トリプトファン誘導体およびその製造法

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JPH0967341A
JPH0967341A JP7223178A JP22317895A JPH0967341A JP H0967341 A JPH0967341 A JP H0967341A JP 7223178 A JP7223178 A JP 7223178A JP 22317895 A JP22317895 A JP 22317895A JP H0967341 A JPH0967341 A JP H0967341A
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boc
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俊平 榊原
Yuji Nishiuchi
祐二 西内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トリプトファン含有ペプチドまたはそのフラ
グメント合成に有用なBOCトリプトファン誘導体であ
って、ペプチド合成中間段階での処理条件に安定で、最
終脱離処理の際にチオール系スカベンジャーを使用せず
に脱離し得るインドール核保護基を有する化合物の提
供。 【解決手段】 式 【化1】 (式中、nは0、1または2を表わす)で示される新規
トリプトファン誘導体またはその塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規トリプトファン
誘導体、さらに詳しくは、ヒト副甲状腺ホルモン(PT
H)や黄体刺激ホルモン分泌ホルモン(LH−RH)な
どのトリプトファン含有ペプチドまたはそれらの部分フ
ラグメント等の合成原料として有用な後記一般式(1)
で示される新規トリプトファン誘導体ならびにその塩お
よびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ペプチドの合成に際しては、原
料となるアミノ酸における反応に関与しないアミノ基や
カルボキシル基を一時的に保護しておく必要があるが、
トリプトファン含有ペプチドの合成に際し、そのトリプ
トファンのα−アミノ基の一時的保護基としてtert−ブ
トキシカルボニル基(以下、BOC基と略す)を適用す
る場合、トリプトファン側鎖官能基であるインドール核
の窒素にも保護基を導入しておく必要がある。それは、
ペプチド合成の中間段階においてトリフルオロ酢酸やH
Cl/ジオキサン等を用いた脱BOC基処理の際、BO
C基由来のカチオンによるインドール核のtert−ブチル
化および使用した酸によるインドール核の2量化を避け
るためである。この目的には、従来ホルミル基がトリプ
トファン側鎖保護基として用いられているが、このホル
ミル基を使用した場合、その最終脱保護条件には、炭酸
水素アンモニウムや水酸化ナトリウム等の塩基処理を除
けば、適当なチオール系スカベンジャー(例えばメルカ
プトエタノール)の存在下にHF、メタンスルホン酸や
トリフルオロメタンスルホン酸等の強酸処理が適用され
ている。ホルミル基の脱離には、その反応機構からチオ
ールの添加が原理的に不可欠とされている。すなわち、
ホルミル基をインドール核に導入したトリプトファンを
用いてペプチドを合成した場合、最終的にその保護基を
除去するためにチオール系スカベンジャーの使用は不可
避である。しかし、これらのチオール系スカベンジャー
は甚だしい悪臭を有しており、その悪臭の故に最終脱保
護操作、それに続く精製段階にまで種々操作上の制約を
受ける。また、ホルミル基以外の保護基として2,4,6
−トリメトキシベンゼンスルホニル(Mtb)基や4−
メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル
(Mtr)基も知られているが、これらの保護基の場合
にも、最終的にはチオール系スカベンジャーの使用を避
けることはできない。
【0003】このようなN保護基として用い得ることが
知られている既存の保護基のうちで唯一ベンジルオキシ
カルボニル(Z)基およびそのベンゼン環にニトロ基や
アルコキシ基等が置換した各種置換体が、チオール系ス
カベンジャーを添加することなく強酸処理で脱離し得る
ことが知られている。しかしながら、このZ基またはそ
の置換体は、ペプチド中間体の合成段階で反応性基の保
護基を選択的に脱離させるためのトリフルオロ酢酸処
理、HCl/ジオキサン処理、さらにジイソプロピルエ
チルアミン、トリエチルアミン等の塩基処理に対して不
安定であり、特に固相合成法での使用は不適合である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような事情にかん
がみ、本発明者らは、一次構造中にトリプトファンを含
有する各種ペプチド類およびそれらのフラグメントを固
相法または液相法によって合成する際に用いられるトリ
プトファン、ことにBOC−トリプトファンの側鎖保護
基、すなわちインドール核のN保護基として、ペプチド
合成中間段階で用いられる種々の処理条件に安定で、か
つ最終脱保護基の際の強酸処理時にチオール系スカベン
ジャーの添加を必要としないような保護基を見い出すべ
く種々研究を行った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、特定のシクロアルキルオキシカルボニル基が前記の
種々の要件を満たす優れた保護基であることを見い出
し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は次
【化6】 (式中、nは0、1または2を表す)で示されるトリプ
トファン誘導体およびその塩を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の新規トリプトファン誘導
体(1)におけるインドール核上のN保護基であるシク
ロアルキルオキシカルボニル基としては、シクロペンチ
ルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル
およびシクロヘプチルオキシカルボニルが含まれるが、
ペプチド合成途上でのBOC保護基の脱離のためのトル
フルオロ酢酸処理、HCl/ジオキサン処理などに対す
る高安定性および最終保護基脱離処理であるフッ化水素
などの強酸処理の容易性などの観点からシクロヘキシル
オキシカルボニルが最も好ましい。本発明のトリプトフ
ァン誘導体の塩としては、ジシクロヘキシルアミン、シ
クロヘキシルアミン等の塩が含まれる。
【0007】本発明のトリプトファン誘導体(1)およ
びその塩は、例えば下記反応工程式で示される方法によ
って合成することができる。
【化7】 (式中、BOCはt−ブトキシカルボニル基、Bzlは
ベンジル基、Pacはフェナシル基、TBAHSはテト
ラ−n−ブチルアンモニウムハイドロゲンスルホニウム
を表し、nは0、1または2を表す)
【0008】上記反応工程式にしたがって本発明のトリ
プトファン誘導体(1)の製法を説明する。 (a)工程a まず、BOC−トリプトファン(BOC−Trp)
(2)を常法によりエステル化して、次式
【化8】 (式中、Rは低級アルキル、アラルキル、アシルアルキ
ル等のエステル残基を表す)で示されるBOC−トリプ
トファンエステル(2')に導く。例えば、該化合物
(2)にハロゲン化ベンジルやハロゲン化フェナシルな
どのエステル化剤を作用させて、トリプトファンのカル
ボキシル基をエステル化する。この反応は、通常、炭酸
セシウム、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルア
ミンなどの塩基の存在下に、ジメチルホルムアミド(D
MF)、ジメチルアセトアミド(DMA)等の適当な有
機溶媒中で、氷冷下または室温にて数〜十数時間撹拌下
に行われる。生成するBOC−トリプトファンエステル
体(3)または(4)を単離して次の反応に供する。
【0009】(b)工程b 一方、シクロアルキルアルコール(5)にホスゲンを反
応させてシクロアルキルオキシカルボニルクロリド
(6)を合成する。この反応は通常ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等の適当な有機溶媒中、室温〜加温下に
数〜十数時間撹拌して行われる。
【0010】(c)工程c 上記工程aで得られるBOC−トリプトファンエステル
(3)または(4)に上記工程bで得られるシクロアル
キルオキシカルボニルクロリド(6)を反応させて、そ
れぞれNin−シクロアルキルオキシカルボニル−BOC
−トリプトファンエステル(7)または(8)を得る。
この反応は、通常、ジクロロメタン、クロロホルム、テ
トラヒドロフラン等の有機溶媒中、テトラ−n−ブチル
アンモニウムハイドロゲンスルホニウム(TBAHS)
等の触媒および水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリの存在下に氷冷〜室温にて撹拌下に行われる。
【0011】(d)工程dまたはe 上記の方法で得られた化合物(7)または(8)を常法
により脱エルテル化して目的とするトリプトファン誘導
体(1)に導く。この脱エルテル化は、エステルの種類
に応じて最も適した条件が採用される。例えば化合物
(7)におけるようなベンジルエステルではPd−cの
ような接触還元触媒の存在下水素添加する方法が採用さ
れ、また化合物(8)におけるようなフェナシルエステ
ルでは亜鉛等の触媒の存在下酢酸を作用させる。これら
の脱エステル化処理は、いずれも、当該ペプチド合成分
野において公知の方法である。
【0012】
【発明の効果】本発明のトリプトファン誘導体はトリプ
トファン含有ペプチド類またはそのフラグメントの合成
に有用な物質であり、それらペプチド類またはフラグメ
ントの合成中間段階で行われる脱保護基処理、例えばト
ルフルオロ酢酸処理やHCl/ジオキサン処理などの際
にも、トリプトファン側鎖保護基であるシクロアルキル
オキシカルボニル基は安定に保持されており、しかも目
的のペプチド類またはそれらのフラグメントから該シク
ロアルキルオキシカルボニル保護基を最終的に脱離させ
る強酸処理においてもチオール系スカベンジャーの存在
なしに容易に除去することができる。すなわち、本発明
のNin−シクロアルキルオキシカルボニル−トリプトフ
ァンが結合されたペプチドを、フッ化水素、メタンスル
ホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の強酸で処理
することにより容易にそのNin−シクロアルキルオキシ
カルボニル基は脱離される。
【0013】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0014】実施例1 (a)Nα−BOC−トリプトファンベンジルエステル
(3)の合成(工程a) Nα−BOC−トリプトファン(2)(152.2g、
0.5mol)を含水エタノール(500ml)に溶解
し、炭酸セシウム(89.6g、0.275mol)を添
加する。溶媒を留去し、残渣にトルエンを加え、フラッ
シュしたのち、DMF(700ml)に溶かし、氷冷撹
拌下にベンジルブロミド(62.3ml、0.525mo
l)を滴下する。終夜、室温で撹拌後、反応液を酢酸エ
チル(1000ml)に注ぎ、水、5%炭酸水素ナトリ
ウム水、水、N−塩酸、水、飽和食塩水で順次洗浄す
る。酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、酢
酸エチルを減圧下に留去し、油状物を得る。これにヘキ
サンを加え結晶化し標記化合物(3)170.7g(収
率86.5%)を得る。
【0015】(b)シクロヘキシルオキシカルボニルク
ロリド(6)の合成(工程b) ベンゼン(150ml)に活性炭(5g)を添加した
後、ジホスゲン(119g、0.6mol)を室温で滴
下する。さらに室温で1時間撹拌した後、シクロヘキサ
ノール(5)(100g、1.0mol)を滴下する。
反応温度が35℃に上昇し、塩化水素の放出が始まる。
その反応液を室温で終夜撹拌し、窒素ガスを通じた後活
性炭を濾去し、減圧下に塩化水素および過剰のホスゲン
を除いて液状の標記化合物(6)162gを定量的に得
る。
【0016】(c)Nα−BOC−Nin−シクロヘキシ
ルオキシカルボニルトリプトファンベンジルエステル
(7)の合成(工程c) 上記工程aで得られた化合物(3)(1.97g、5.0
mmol)のジクロロメタン溶液(10ml)に、粉砕
した水酸化ナトリウム(0.5g、12.5mmol)お
よびテトラ−n−ブチルアンモニウムハイドロゲンスル
ホニウム(20mg、0.05mmol)を加えて懸濁
させ、氷冷撹拌下に工程bで得られた化合物(6)
(1.3g、7.5mmol)を添加する。その混合物を
30分間撹拌した後、反応液を水、5%炭酸水素ナトリ
ウム水、水、N−塩酸、水、飽和食塩水で順次洗浄す
る。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、ジクロロメタンを減圧下に留去し、固体の標記化合
物(7)2.4g(収率94%)を得る。
【0017】(d)Nα−BOC−Nin−シクロヘキシ
ルオキシカルボニルトリプトファン(1)の合成(工程
d) 上記工程cで得られた化合物(7)(2.4g、4.7m
ol)をエタノール(10ml)に溶かし、これに5%
パラジウム炭素(0.5g)を触媒として水素ガスを通
じる。30分後触媒を濾去し、エタノールを留去し、得
られる固体残渣を酢酸エチル/ヘキサンより再結晶して
標記目的化合物(1)1.8g(収率91%)を得る。 元素分析値:C233026として 計算値 C,64.17;H,7.02;N,6.51% 実測値 C,64.02;H,7.19;N,6.66%
【0018】実施例2 (a)Nα−BOC−トリプトファンフェナシルエステ
ル(4)の合成 Nα−BOC−トリプトファン(2)(10.0g、3
5mmol)を含水エタノール(30ml)に溶解し、
炭酸セシウム(5.70g、17.5mmol)を添加す
る。溶媒を留去し、残渣にトルエンを加えフラッシュし
た後、DMF(50ml)に溶かし、氷冷撹拌下にフェ
ナシルブロミド(7.31g、36.8mmol)を添加
する。終夜、室温で撹拌する。反応液を酢酸エチル(1
00ml)に注ぎ、水、5%炭酸水素ナトリウム水、
水、N−塩酸、水、飽和食塩水で順次洗浄する。酢酸エ
チル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、酢酸エチルを
減圧下に留去し、油状物を得る。これにヘキサンを加え
結晶化し標記化合物13.4g(収率91.0%)を得
る。 (b)Nα−BOC−Nin−シクロヘキシルオキシカル
ボニルトリプトファンフェナシルエステル(8)の合成 前記実施例1(c)の方法において、化合物(3)の代
わりに上記(a)で得られた化合物(4)(2.11
g、5.0mmol)を用いて同様に処理して標記化合
物(8)2.46g(収率90%)を得る。 (c)Nα−BOC−Nin−シクロヘキシルオキシカル
ボニルトリプトファン(1)の合成(工程e) 上記化合物(8)(2.4g、4.4mmol)を酢酸
(10ml)に溶かし、これに亜鉛粉末(1g)を加え
る。反応液を40℃に加温しながら撹拌する。30分後
触媒を瀘去し、酢酸を留去し、得られた油状残渣に0.
1N−塩酸を加え析出した固体を瀘取する。水で洗浄し
た後乾燥し、この固体を酢酸エチル/ヘキサンより再結
晶して標記目的化合物(1)1.67g(収率88%)
を得る。
【0019】実施例3 (a)シクロペンチルオキシカルボニルクロリドの合成 前記実施例1(b)の方法において、シクロヘキサノー
ルの代わりにシクロペンタノール(17.2g、0.2m
ol)を用いて同様に反応させて標記化合物を得る。 (b)Nα−BOC−Nin−シクロペンチルオキシカル
ボニルトリプトファンベンジルエステルの合成 前記実施例1(c)の方法において、シクロヘキシルオ
キシカルボニルクロリド(6)の代わりに上記(a)で
得られたシクロペンチルオキシカルボニルクロリド
(5.6g、38mmol)を用いて同様に反応させ
て、標記化合物10.2g(収率75.3%)を得る。 (c)Nα−BOC−Nin−シクロペンチルオキシカル
ボニルトリプトファンの合成 前記実施例1(d)の方法において、化合物(7)の代
わりに、上記(b)で得られたNα−BOC−Nin−シ
クロペンチルオキシカルボニルトリプトファンベンジル
エステルを用いて同様に処理して、標記化合物1.6g
を得る。 融点:152−156℃ 元素分析値:C222826として 計算値 C,63.45;H,6.78;N,6.73% 実測値 C,63.05;H,6.92;N,6.70%
【0020】実施例4 (a)シクロヘプチルオキシカルボニルクロリドの合成 前記実施例1(b)の方法において、シクロヘキサノー
ルの代わりにシクロヘプタノール(22.8g、10.2
mol)を用いて同様に反応させて標記化合物を得る。 (b)Nα−BOC−Nin−シクロヘプチルオキシカル
ボニルトリプトファンベンジルエステルの合成 前記実施例1(c)の方法において、シクロヘキシルオ
キシカルボニルクロリド(6)の代わりに上記(a)で
得られたシクロヘプチルオキシカルボニルクロリド
(6.7g、38mmol)を用いて同様に反応させ
て、標記化合物10.0g(収率70.5%)を得る。 (c)Nα−BOC−Nin−シクロヘプチルオキシカル
ボニルトリプトファンの合成 前記実施例1(d)の方法において、化合物(7)の代
わりに、上記(b)で得られたNα−BOC−Nin−シ
クロヘプチルオキシカルボニルトリプトファンベンジル
エステルを用いて同様に処理して、標記化合物1.2g
を得る。 融点:90−94℃ 元素分析値:C243226として 計算値 C,64.85;H,7.26;N,6.30% 実測値 C,64.33;H,7.29;N,6.25%
【0021】参考例1 次式 で示されるソマトスタチンの合成 (1)BOC−Cys(MeBzl)−メリフィールド
樹脂への13位Serの導入 1)脱保護および中和 BOC−Cys(MeBzl)−メリフィールド樹脂
(0.502mmol/g)0.996gをジクロロメタ
ン(DCM)で洗浄する。この樹脂に、30%トリフル
オロ酢酸(TFA)溶液(溶媒:DCM)11mlを加
え、3分間撹拌後瀘過する。さらに50%TFA溶液
(溶媒:DCM)9mlを加え、16分間撹拌後瀘過し
て、BOC基を脱離させ、得られた樹脂を、下記の溶媒
で順次処理し、各々の処理後に瀘過する。 ジクロロメタン(DMC) (5回、各3分) 5%ジイソプロピルエチルアミン/N−メチルピロリド
ン(DIEA/NMP)(1回、各4分) N−メチルピロリドン(NMP) (6回、各5分)
【0022】2)BOC−Ser(Bzl)−OBt活
性エステルの調製 BOC−Ser(Bzl)2mmolを、N−メチルピ
ロリドン(NMP)3.4mlに溶解後、これに1Mブ
タノール溶液(溶媒:NMP)2mlを加える。さらに
1MDCC溶液(溶媒:NMP)2mlを加え、40−
50分間反応させ、ブタノール活性エステルを生成させ
る。副生するジシクロヘキシルウレアを瀘別する。
【0023】3)縮合反応およびアセチルキャッピング 2)で調製したBOC−Ser(Bzl)−OBt活性
エステルのNMP溶液を1)で調製したCys(MeB
zl)−メリフィールド樹脂に加え、室温で39分間反
応させる。ジメチルスルホキシド/N−メチルピロリド
ン(DMSO/NMP)混合溶媒(80:20)2.8
mlを加え、全体の溶媒比を15%DMSO/85%N
MPとして16分間反応を続ける。ジイソプロピルエチ
ルアミン(DIEA)0.33ml(3.8当量)を加
え、さらに5分間反応させる。反応終了後、反応液を瀘
去し、NMP7mlで洗浄する。次に、未反応のアミノ
基をブロックする目的で、無水酢酸でアセチル化する。
すなわち、5%DIEA/10%無水酢酸溶液(溶媒:
NMP)10mlを加え、9分間反応し、得られた樹脂
をDCM(4回、各20秒)で洗浄し、各々の処理後に
瀘過する。
【0024】(2)12から1位の各アミノ酸の導入 (1)と同様にして、BOC−Ser(Bzl)−Cy
s(MeBzl)−メリフィールド樹脂に、ソマトスタ
チンの12位から1位までの各構成アミノ酸に対応する
保護アミノ酸を順次カップリングさせる。1位のアミノ
酸、Boc−Ala、導入後、この樹脂ペプチドに30
%TFA溶液(溶媒:DCM)11mlを加え、3分間
撹拌後瀘過する。さらに50%TFA溶液(溶媒:DC
M)9mlを加え、16分間撹拌後瀘過して、BOC基
を脱離させ、得られた樹脂を、下記の溶媒で順次処理
し、各々の処理後に瀘過する。 DCM (5回、各3分) 5%DIEA/NMP (1回、各4分) NMP (6回、各5分) DCM (4回、各20秒) 次に、本樹脂ペプチドを1昼夜減圧乾燥して乾燥樹脂ペ
プチド2.026g(収率91%)を得る。
【0025】(3)HFによる全保護基の除去および樹
脂からのペプチドの切断 乾燥した樹脂ペプチドの一部(0.89g、0.20mm
ol相当)を秤量し、HF分解用反応容器(ダイフロン
製)に入れ、アニソール1.5mlを加える。撹拌子を
入れた前記反応容器をHF分解装置(ペプチド研究所
製)に取り付け、ドライアイス−メタノール浴中に置
き、HF8.5mlを反応容器中に導入する。この混合
物を食塩を添加した氷浴中において1時間、−5℃で撹
拌する。減圧下にHFを留去し、2時間後、反応容器を
取り外し、無水ジエチルエーテルを加えることによりペ
プチドを粉末化する。ペプチドおよび樹脂を瀘過し、無
水ジエチルエーテルで洗浄する。50%酢酸水(10m
l)で、脱保護されたペプチドを溶解し、この酢酸溶液
を、塩交換の目的で予め酢酸型に置換したダウエックス
1×2イオン交換樹脂カラムに通す。素通り画分に水を
加えて酢酸濃度を約2Nに調製した後、凍結乾燥して還
元型の粗ソマトスタチン304mg(収率93%)を得
る。
【0026】(4)合成ソマトスタチンの構造確認と純
度検定 (3)で得られた還元型粗ソマトスタチンの溶液(1m
g/100μlの50%酢酸)の一定量を高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)により分析した。カラムは
YMC−Pack ODS−A(ワイ・エム・シィ社
製、φ4.6×150mm)を用い、溶離液はA液とし
て0.1%TAF/水、B液として0.1%TAF/アセ
トニトリルを用い、アセトニトリル濃度10%から60
%(B濃度が、10%から60%に相当)の直線勾配
(30分間)の条件下に溶出させた。溶出したピークを
220nmの吸収で検出した。分析に供した粗ペプチド
の主ピークは16.6分に溶出され、標品の還元型ソマ
トスタチンと完全に一致した。また上記(1)(2)に
おいて、Nα−BOC−Nin−シクロヘキシルオキシカ
ルボニルトリプトファンの代わりにNα−BOC−Nin
−ホルミルトリプトファンを用いて同様に別途調製した
樹脂ペプチドを、上記(3)においてHF/アニソール
(容量比80:15、10ml)の代わりにHF/ブタ
ンジチオール/p−クレゾール(容量比80:15:
5、10ml)を用いて同様に処理して得た還元型ソマ
トスタチンも、やはり16.6分に溶出した。このとき
の純度(上記HPLCでの分析で得られた全てのピーク
面積の総和に占める16.6分に溶出される主ピーク面
積の割合)は、Nα−BOC−Nin−シクロヘキシルオ
キシカルボニルトリプトファンを適用した合成の場合、
41%であり、一方Nα−BOC−Nin−ホルミルトリ
プトファンを適用した場合、39%であった。すなわ
ち、インドール核のN保護基として、ペプチド中間段階
で用いられる種々の処理条件に安定で、かつ最終脱保護
基の強酸処理時にチオール系スカベンジャーの添加を必
要としない保護基として、Nin−シクロヘキシルオキシ
カルボニル基は前記要因を満たす保護基である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (式中、nは0、1または2を表す)で示される新規ト
    リプトファン誘導体およびその塩。
  2. 【請求項2】 下記式(2') 【化2】 (式中、Rはエステル残基を表す)で示されるBOC−
    トリプトファンエステルに、式(6) 【化3】 (式中、nは0、1または2を表す)で示されるシクロ
    アルキルオキシカルボニルクロリドを反応させ、生成す
    る次式 【化4】 (式中、Rおよびnは前記に同じ)で示される化合物を
    脱エステル化することを特徴とする、式 【化5】 (式中、nは前記に同じ)で示される新規トリプトファ
    ン誘導体の製造法。
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