JP4793644B2 - ケージドペプチドの合成法 - Google Patents
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Description
1. 下記式(I)
2. Raが2−ニトロベンジル基である項1に記載の固相合成法。
合)に関与するαアミノ基に結合する。光解離性保護基が結合するアミノ酸としては、グ
リシンとプロリン以外のαアミノ酸であれば特に限定されない。グリシンの場合には、アミノ基に光解離性保護基が結合していても通常の固相合成の手順に従ってペプチドの伸長を行うことができるので、本発明で使用する一般式(I)のジペプチドを使用する必要がない。また、プロリンはアミノ基に光解離性保護基が結合するとペプチド結合が形成できないので除外される。
側鎖が挙げられ、「B」で表される基としては、Ala、Ser、Thr、Tyr、Phe、Trp、Asp、Glu、Met、Cys、Leu、Ile、Val、Lys、Arg、His、Asn、Gln、Gly、Pro、Orn(オルニチン
)の側鎖が挙げられる。なお、A, Bで表されるアミノ酸の側鎖がNH2、SH、イミダゾリル
、グアニジノ、OH、COOH)などの官能基を有する場合には、必要に応じてペプチド合成(
特に固相合成)で通常使用される保護基で必要に応じて保護される。
度影響されるかを評価することで、該活性に重要なアミノ酸を同定することができる。
い。
ケファリン、Leu−エンケファリン、エンドルフィン、ガストリン、グルカゴン、ニューロペプチドY、セクレチン、カルシトニン、成長因子放出ホルモン(GRF)、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRF)、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、インシュリン、コレシストキニン(CCK)、ソマトスタチン、インターフェロン、インターロイキン、TNF、神経ペプチドY等の各種のペプチドが挙げられる。
シ基、アミノ基、ハロゲン原子、水酸基またはシアノ基を示すか、あるいはR1、R2及びR3のいずれか2つが一緒になってメチレンジオキシ基を示す。Rは、水素原子又はメチ
ル基を示す。〕で表される
基が挙げられる。
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4の直鎖又は分枝を有するアルキル基が挙げられる。
が水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基で、Rが水素原子で表される基である。
1)ジペプチドの合成の概略
αアミノ基に光解離性保護基を有するアミノ酸(Aaa)とN保護アミノ酸(Baa)の酸フッ化物を反応させて、目的とする一般式(I)のジペプチドを合成することができる。反応は、光解離性保護基が結合したAaa1モルに対し、N保護−Baa−Fを1モルから過剰量使用し、0℃〜100℃程度の温度下に1分から24時間程度反応させることにより、有利に進行する。
<反応工程式1>
<反応工程式1>において、原料となるFmoc-NH-CHB-COFは、Fmoc-NH-CHB-COOHとフッ
化シアヌルを使用して常法により製造することができる。また、(o-ニトロヘ゛ンシ゛ル)-NHCHACOOHなどの光解離性保護基が導入されたアミノ酸は、Ra-Cl、Ra-BrなどのRa-(脱離基)で表される化合物と、必要に応じてCOOH基、側鎖官能基(NH2、SH、イミダゾリル、グアニジノ、OH、COOH)が保護されたαアミノ酸とを必要に応じて塩基の存在下に反応させることで得ることができる。また、光解離性保護基が一般式(II)の基の場合には、一般式(II)のベンジル位にカルボニル基を有するo-ニトロアセトフェノン誘導体又はo-ニトロベンズアルデヒド誘導体と必要に応じて保護基を有するαアミノ酸をNaBH4、NaCNBH3などの還元剤の存在下に反応させてシッフ塩基を還元させ、必要な場合には脱保護することにより、目的とする(光解離性保護基)-NH-CHA-COOHを得ることができる。
固相合成により、上記ジペプチドビルディングブロックを任意の配列のペプチド鎖に導入することができる。
<反応工程式2>
固相合成の樹脂としては、ポリスチレンージ ビニルベンゼン共重合体などの公知の樹
脂を広く使用することができる。
参考例1:N−2-ニトロベンジル−アミノ酸((NB)Aaa)の製造
<反応工程式1>の左辺第2項に示される化合物(N−2-ニトロベンジル−アミノ酸、(NB)Aaa)の合成例として、N−2-ニトロベンジル−アラニン((NB)Ala)の合成例を記載する。
ニトロベンズアルデヒド15.1g(0.1mol)を撹拌しながら少量ずつ加えた。フラスコを氷浴に移し、水素化ホウ素ナトリウム6.0g(0.159mol)を攪拌しながら少量ずつ加えた。約15分後、エタノールをエバポレーターにより留去し、得られた懸濁液をジエチルエーテルにて洗浄後、2N塩酸水溶液を加え万能pH試験紙によりpHを約5に調整し、生じた沈殿を水、ジエチルエーテルにて洗浄後、真空乾燥し、N−2-ニトロベンジル−アラニン((NB)Ala)10.65g(0.047mol、収率47.5%)を得た。同定は、1H−NMRによって行った。
氷浴上の100mlナス型フラスコに上記参考例で得た(NB)Ala2.24g(10mmol)を入れ、10%炭酸ナトリウム水溶液(30ml)、水(70ml)、アセトン(10ml)を加え溶解させ、アセトン(20ml)に溶解した9-フルオレニル-N-スク
シンイミジル炭酸塩3.89g(15mmol)を滴下ロートで滴下後、一夜撹拌した。これをエバポレーターにより、アセトンを留去した後、水相をジエチルエーテルで洗浄し、2N塩酸水溶液を加え万能pH試験紙によりpHを約4以下に調整した後、酢酸エチルにより抽出し、有機相を1N塩酸1回、水2回、飽和食塩水1回にて洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、ヘキサンを加え白色沈殿を析出させた。次いで、この白色沈殿を濾取し、ヘキサンで洗浄して乾燥させ、標記化合物4.04gを回収した。(9.1mmol、収率91%、質量分析値:FABMS calculated for C25H22N2O6(M) 446.15, found m/z
446.13(M+H+))
Fmoc-NH-CHB-COFの合成法をAla(B=CH3)を例に取り記載する。100mlナス型フラス
コにN-α-フルオレニルメチルオキシカルボニル-アラニン1水和物1.81g(5.5
mmol)を入れ、乾燥ジクロロメタン(25ml)を加え溶解させ、ピリジン(221マイクロl)を加え、フッ化シアヌル(3.5ml)を滴下後、一夜撹拌した。水(50ml)を加え攪拌した。4時間後に、生じた固形物をろ別し、ジクロロメタンによる洗浄液をろ液と合わせ、水1回、飽和食塩水1回にて洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ジクロロメタンを留去し、N-α-フルオレニルメチルオキシカルボニル−アラニン酸フッ化物(Fmoc−Ala−F)の粗生成物1.75gを回収した。収率101%。
自動ペプチド合成装置PSSM−8((株)島津製作所製)を使用し、この合成マニュアルに従
い粗ペプチドを合成した。レジンはTGS-RAM レジン((株)島津製作所製)を用いた。合成スケールは、リアクションベッセル1個に対し、100mgのレジンとFmoc化アミノ酸を210μmol(10当量)加えた。ニトロベンジルが含まれていないアミノ基にペプチド結合
を生じさせるステップは、マニュアルどおり、ベンゾトリアゾリルオキシトリピロリジノフォスフォニウムヘキサフルオロフォスフェート(PyBOP、109mg、10当量、
Nメチルモルホリン(1M ジメチルホルムアミド溶液、210μl)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、0.5M ジメチルホルムアミド溶液、420μl)を次のFmoc化アミノ酸10当量を反応させるプログラムを選択した。合成終了後、リアクションベッセル内のペプチドレジンにメタノール及びt−ブチルメチルエーテルを加え順次洗浄した後、ペプチドレジンを1時間減圧乾燥した。乾燥後、クリーベッジカクテル(レ
ジン100mgのスケールに対してトリフルオロ酢酸(以下、TFAと略す)/チオアニソー
ル/エタンジチオール/水/エチルメチルスルフィド/チオフェノール/1, 2-エタンジ
チオール=0.8ml/0.05ml/0.05ml/0.03 ml / 0.02 ml / 0.025 ml)をリアクションベッセル内に注入し、約8時間放置した。クリーベッジカクテルの濾液を遠沈
管に回収し、冷却したジエチルエーテルを加え、遠心操作を行い、析出した沈殿物を回収し、アルゴン気流中で乾燥し、更に減圧乾燥して、粗ペプチドを得た。この粗ペプチドをC18AR-IIカラム(φ20x250mm、ナカライ製)を装着した逆相系液体クロマトグラフィ
ー(溶出液0.1%TFA水溶液と80%アセトニトリル水溶液のグラジエント溶出)によ
り、単離した。
SKAEAAARAAAAAAA-amideの配列のペプチドの10番目のアラニンのアミノ基にニトロベンジル基を導入したケージドペプチドの合成を試みた。10番目のアミノ酸導入は、Fmoc−(NB)Ala−OH(10当量)を用い、通常の合成プログラムで行った。9番目のアミノ酸導入は、FmocAla−OH(65mg、210μmol)、ジイソプロピルカルボジイミド(25mg、210μmol)、Nメチルモルホリン(1
M ジメチルホルムアミド溶液、210μl)、をジメチルホルムアミド(500μl)
に溶解したものを約30分反応させ、同じ反応約1時間反応させた。その他のステップは参考例4の方法により行った。この結果、目的のペプチドは得られなかった。
SKAEAAARAAAAAAA-amideの配列のペプチドの10番目のアラニンのアミノ基にニトロベンジル基を導入したケージドペプチドの合成を試みた。10番目のアミノ酸導入は、Fmoc−(NB)Ala−OH(10当量)を用い、通常の合成プログラムで行った。9番目のアミノ酸導入は、FmocAla−F(65mg、228μmol)、Nメチルモルホリン(1M ジメチルホルムアミド溶液、210μl)、をジメチルホルムアミド(500μl)に溶解したものを約30分反応させ、同じ反応約1時間反応させた。そのほかのステップは参考例4の方法により行った。この結果、目的のペプチドは得られなかった。
100mlナス型フラスコに(NB)Ala(2.24g、10mmol)をいれ、ジメチルホルムアミド(50ml)とジイソプロピルエチルアミン(1.71ml、10mmol)を加え溶解し、ここへ参考例3で調整した粗Fmoc−Ala-F(3.15g、10mmol)を加え、一夜撹拌した。不溶物をろ別後、ジメチルホルムアミドを留去し、酢酸エチル加え、を1N塩酸水溶液で1回、水で2回、飽和食塩水1回にて洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、酢酸エチルを留去し、ケージドジペプチド(Fmoc−Ala−(NB)Ala−OH)を回収した。この粗ケージドペプチドをC18AR-IIカラム(φ20x250
mm、ナカライ製)を装着した逆相系液体クロマトグラフィー(溶出液0.1%TFA水溶
液と80%アセトニトリル水溶液のグラジエント溶出)により、目的物質Fmoc−Ala−(NB)Ala―OHを単離し、凍結乾燥により白色粉末を得た。質量分析値:FABMS calculated for C28H27N3O7(M) 517.18, found m/z 518(M+H+), 540(M+Na+)。
a+))、Fmoc−Leu―(NB)Ala−OH(質量分析値:FABMS calculated for
C31H33N3O7(M) 559.23, found m/z 560(M+H+), 582(M+Na+))、Fmoc−Ser(OtBu)―(NB)Ala−OH(質量分析値:FABMS calculated for C32H35N3O8(M)
589.24, found m/z 590(M+H+), 612(M+Na+))、を得た。
SKAEAAARAAAAAAA-amideの配列のペプチドの10番目のアラニンのアミノ基にニトロベンジル基を導入したケージドペプチドの合成を行った。9,10番目のアミノ酸導入は、実施例1で製造したケージドジペプチドFmoc−Ala−(NB)Ala―OHを用い、14残基アミノ酸のペプチド合成として、通常の合成プログラムで行った。その他のステップは参考例3の方法により行った。乾燥した白色粉末の目的物を得た。(質量分析値:MALDI-TOFMS calculated for C60H99N21O20(M) 1434.6, found m/z 1437(M+H+))
神経ペプチドY(11−36)(アミノ酸配列:DAPAEDLARYYSALRHY
INLITRQRY-amide)の2番目のアラニンのアミノ基にニトロベンジル基を導入し
たケージドペプチド([(NB)Ala2]NPY(11−36))の合成を、<反応工程式2>に示される方法にて行った。1,2番目のアミノ酸導入は、実施例1で製造したケージドジペプチドFmoc−Asp(tBu)−(NB)Ala―OHを用い、25残基アミノ酸のペプチド合成として、通常の合成プログラムで行った。その他のステップは参考例4の方法により行った。乾燥した白色粉末の目的物([(NB)Ala2]NPY(11−36))を得た。(質量分析値:MALDI-TOFMS calculated for C149H224N44O42(M) 3301.7, found m/z 3302(M+H+))
神経ペプチドY(11−36)(アミノ酸配列:DAPAEDLARYYSALRHY
INLITRQRY-amide)の8番目のアラニンのアミノ基にニトロベンジル基を導入し
たケージドペプチド([(NB)Ala8]NPY(11−36))の合成を、<反応工程式2>に示される方法にて行った。1,2番目のアミノ酸導入は、実施例1で製造したケージドジペプチドFmoc−Leu−(NB)Ala―OHを用い、25残基アミノ酸のペプチド合成として、通常の合成プログラムで行った。その他のステップは参考例4の方法により行った。乾燥した白色粉末の目的物([(NB)Ala8]NPY(11−36))を得た。(質量分析値:MALDI-TOFMS calculated for C149H224N44O42(M) 3301.7,
found m/z 3300(M+H+))
神経ペプチドY(11−36)(アミノ酸配列:DAPAEDLARYYSALRHY
INLITRQRY-amide)の13番目のアラニンのアミノ基にニトロベンジル基を導入
したケージドペプチド([(NB)Ala13]NPY(11−36))の合成を、<反応工程式2>に示される方法にて行った。1,2番目のアミノ酸導入は、実施例1で製造したケージドジペプチドFmoc−Ser(OtBu)−(NB)Ala―OHを用い、25残基アミノ酸のペプチド合成として、通常の合成プログラムで行った。乾燥した白色粉末の目的物([(NB)Ala13]NPY(11−36))を得た。(質量分析値:MALDI-TOFMS calculated for C149H224N44O42(M) 3301.7, found m/z 3300(M+H+))
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