JP5566571B2 - 排水ソケット - Google Patents
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例えば、上記従来技術の排水ソケットの構造のように、サイホンを起動させるため流出口側にサイホン起動用の絞り部を形成した場合には、絞り部の下流側では排水が飛び散り、排水がスムーズに抜け難く、サイホン流速は速くならないという問題点があった。
一方、絞り部を小さくすれば、排水がスムーズに抜けサイホン流速が速くなるが、サイホンの起動速度が遅くなるという問題がある。
このように、サイホンの起動速度、サイホン力、サイホン流速の3つのサイホン作用は相反する作用である。即ち、絞り部を大きくすればサイホンの起動速度を高めることができるが、絞り部の下流側へ排水がスムーズに抜け難くなり、サイホン流速が遅くなるという問題があった。また、絞り部の位置を下方にして溜まる水の水頭圧を向上させてサイホン力を高めようとすると、排水が早く溜まらずサイホンの起動速度が遅くなるという問題があり、絞り部を小さくすれば排水をスムーズに抜けさせてサイホン流速を高めることができるが、排水が早く溜まらずサイホンの起動速度が弱まるという問題があった。
そのため、上記3つのサイホン作用を他のサイホン作用を損なうことなく向上させて、少ない水で汚物を排出することのできる排水ソケットの出現が望まれていた。
本発明の排水ソケットは、上部の流入口側に便器の排水口が接続され、下部の流出口側が排水管に挿着されて床面に固定されるとともに、前記流出口側には、サイホン起動用の絞り部が形成されてなる排水ソケットにおいて、
前記絞り部の下流に、前記排水管の径より小径のガイド流路を前記床面に対し傾斜させて前記絞り部から下方に連続形成させ、前記絞り部の下方に連続形成される前記ガイド流路は、前記ガイド流路内を流れる水が前記ガイド流路の内壁面に当たって抵抗が生じる曲面形状としたことを要旨とする。
排水ソケット1は、その本体部2の上部に、上面が開放されたお椀状に接続椀部2aが一体形成されており、本体部2の下端側には、外側へ突出して排水管固定部2bが一体形成されている。
この本体部2の下端側には、円筒部材3が接着剤で接着されて一体化されており、円筒部材3の下部は、下方へ垂下状に延びる排水管差込部3aとなっており、さらに排水管差込部3aから下方へ向かって連続してガイド部3bが垂下状に一体形成されている。
また、排水ソケット1は、排水管固定部2bにボルト等を締め付けて床面Fに固定されるものであり、床面Fに埋設状に立ち上げられている排水管9に対し、排水管9内に排水管差込部3aを挿着させて排水ソケット1の下部が排水管9に接続されるものである。
また、偏心流路4の内壁は緩やかに傾斜して、その上部部位には図示右側から左側に向かって上方から下方に下傾する傾斜状の排水受け面4cが形成されており、この排水受け面4cから下方に連続して、ほぼ垂直に排水案内面4dが偏心流路4内に形成されている。また、排水案内面4dの下端側、即ち流出口4b側はラッパ状に拡径されている。
このように、排水ソケット1の本体部2内に形成されている偏心流路4は、上方から下方へ向かって図示左側方向に偏心されており、流入口4aと流出口4bの中心を結ぶ中心軸線Pは左側へ傾いており、また本例では、その下方のガイド流路6の中心軸線P1は、偏心流路4の中心軸線Pに対し交差するように右側へ傾いたものとなっている。
大便器の排水口8を通り、汚物とともに排水が排水ソケット1の偏心流路4内に流れ落ちてくるが、最初は排水の流速は遅く、排水は偏心流路4の内周面である排水受け面4cに当たり、この排水受け面4cから排水案内面4dに沿って流下する。即ち、最初は図中aで示す矢印の流れで排水は流下する。この流下する排水は、絞り部5の受け面5a,5bに当たり、受け面5a,5bの上方に排水が溜まり、偏心流路4内が排水で満たされることでサイホンが起動することとなる。
これにより、ガイド流路6から上方の排水の高さ、即ち水頭圧が上がり、これにより従来よりもサイホン力が向上することとなる。
なお、絞り部5の高さ位置は従来と同じに設定しておけば、絞り部5よりも上方に溜まる排水の体積は従来の排水ソケットと同じであるため、サイホン起動速度は従来と同じにすることができ、本例では、さらに、水頭圧を上げてサイホン力を高めることができ、また、絞り部5の下流において排水を良好にガイド流路6でガイドしてスムーズに抜けさせ、サイホン流速を速めることができるものとなる。このため、少ない水でも良好に汚物を排水することができるものとなる。
また、ガイド流路6内を通し排水をスムーズに抜けさせて、サイホン流速を速めることができるものとなる。
図2では、絞り部5よりも下流側のガイド部3b内に形成されたガイド流路6を、上方から下方側に向かって図示左方向に中心軸線P1を偏心させて形成したものである。
即ち、図2では、ガイド流路6の中心軸線P1の傾き方向は、排水ソケット1の本体部2内の偏心流路4の中心軸線Pと同方向にされ、ガイド流路6の傾き方向が排水ソケット1の偏心流路4の偏心方向と同じに設定されたものである。その他の構成は、図1のものと同様である。
即ち、偏心流路4内で偏心方向に排水が曲げられて、排水は床面に垂直な方向に落ちずに偏心方向に向かって落ちてゆくため、偏心流路4の偏心方向とガイド流路6の傾き方向が同じであれば、ガイド流路6内をスムーズに排水が通過することとなる。
なお、この場合でも、ガイド流路6内で若干の抵抗を受けて絞り部5の下方でサイホンを起こすことができ、水頭圧を上げてサイホン力を従来よりも高めることができるものである。
排水ソケット1は、その本体部2の上部に、上面が開放されたお椀状に接続椀部2aが一体形成されており、本体部2の下端側には、外側へ突出して排水管固定部2bが一体形成されている。
この本体部2の下端側には、円筒部材3が接着剤で接着されて一体化されており、円筒部材3の下部は、下方へ垂下状に延びる排水管差込部3aとなっている。
また、排水ソケット1は、排水管固定部2bにボルト等を締め付けて床面Fに固定されるものであり、床面Fに埋設状に立ち上げられている排水管9に対し、排水管9内に排水管差込部3aを挿着させて排水ソケット1の下部が排水管9に接続されるものである。
また、偏心流路4の内壁は緩やかに傾斜して、その上部部位には図示右側から左側に向かって上方から下方に下傾する傾斜状の排水受け面4cが形成されており、この排水受け面4cから下方に連続して、ほぼ垂直に排水案内面4dが偏心流路4内に形成されている。また、排水案内面4dの下端側、即ち流出口4b側はラッパ状に拡径されている。
大便器の排水口8から汚物とともに排水ソケット1の偏心流路4内に流入される排水は、最初は流速が遅いため偏心流路4の排水受け面4cに当たり、排水案内面4dに沿って図中aで示す方向に流下して、絞り部5の受け面5a,5bに当たり、排水が偏心流路4内に溜められてサイホンが起動されることとなる。サイホン起動後は流速が速く、偏心流路内を排水で満たされた状態で、図中bで示す方向、即ち偏心流路4の偏心方向に排水が曲げられながら流れてゆく。
なお、絞り部5の高さ位置は従来と同じに設定しておけば、絞り部5よりも上方に溜まる排水の体積は従来の排水ソケットと同じであるため、サイホン起動速度は従来と同じにすることができ、本例では、さらに、サイホン起動後の排水の抜けを従来よりも速くすることができるものとなる。
排水ソケット1は、その本体部2の上部に、上面が開放されたお椀状に接続椀部2aが一体形成されており、本体部2の下端側には、外側へ突出して排水管固定部2bが一体形成されている。
この本体部2の下端側には、円筒部材3が接着剤で接着されて一体化されており、円筒部材3の下部は、下方へ垂下状に延びる排水管差込部3aとなっている。
また、排水ソケット1は、排水管固定部2bにボルト等を締め付けて床面Fに固定されるものであり、床面Fに埋設状に立ち上げられている排水管9に対し、排水管9内に排水管差込部3aを挿着させて排水ソケット1の下部が排水管9に接続されるものである。
また、偏心流路4の内壁は緩やかに傾斜して、その上部部位には図示右側から左側に向かって上方から下方に下傾する傾斜状の排水受け面4cが形成されており、この排水受け面4cから下方に連続して、ほぼ垂直に排水案内面4dが偏心流路4内に形成されている。また、排水案内面4dの下端側、即ち流出口4b側はラッパ状に拡径されている。
大便器の排水口8から汚物とともに偏心流路4内に流入される排水は、サイホンが起こる前は流速が遅いために、偏心流路4内の排水受け面4cに排水が当たり、排水はほぼ垂直な排水案内面4dに沿って図中aで示す方向に流下し、絞り部5の右側の受け面5bに当たる。この右側の受け面5bの面積は従来のものよりも大であるために排水が溜まりやすく、良好に上方の偏心流路4内に排水を溜めてサイホンを起動させることができるものとなる。
サイホン起動後には排水の流速は速く、偏心流路4内を排水で満たされた状態で、偏心流路4の偏心方向に排水が曲げられながら、図中bの矢印で示す方向に排水は流れてゆくこととなる。
図6の排水ソケット1は、本体部が本体上部2Aと本体下部2Bに分割されており、本体下部2Bの上端に本体上部2Aの下部が接続部Bで接続されて一体化されたものであり、本体上部2Aと本体下部2B内に偏心流路4が形成されており、この偏心流路4は、上端の流入口4aから接続部B間では図示左側へ曲げられて形成され、接続部Bから下端の流出口4b間では図示右側へ曲げられて、偏心流路4は略S字状に曲げられた流路となっている。
このような構成では、サイホン起動前は排水の流速が遅いために、流入口4aから偏心流路4内に流下する排水は排水受け面4cに当たり、この排水受け面4cに沿って矢印aのように流下して、広い面積の絞り部5の受け面5aに当たり、広い面積の受け面5aで排水を受け止めて排水流路4内に早く水を溜めることができ、サイホンの起動速度を高めることができるものとなる。
排水ソケット1は、その本体部2の上部に、上面が開放されたお椀状に接続椀部2aが一体形成されており、本体部2の下端側には、外側へ突出して排水管固定部2bが一体形成されている。
この本体部2の下端側には、円筒部材3が接着剤で接着されて一体化されており、円筒部材3の下部は、下方へ垂下状に延びる排水管差込部3aとなっており、さらに排水管差込部3aから下方へ向かって連続してガイド部3bが垂下状に一体形成されている。
また、排水ソケット1は、排水管固定部2bにボルト等を締め付けて床面Fに固定されるものであり、床面Fに埋設状に立ち上げられている排水管9に対し、排水管9内に排水管差込部3aを挿着させて排水ソケット1の下部が排水管9に接続されるものである。
また、偏心流路4の内壁は緩やかに傾斜して、その上部部位には図示右側から左側に向かって上方から下方に下傾する傾斜状の排水受け面4cが形成されており、この排水受け面4cから下方に連続して、ほぼ垂直に排水案内面4dが偏心流路4内に形成されている。また、排水案内面4dの下端側、即ち流出口4b側はラッパ状に拡径されている。
大便器の排水口8から汚物とともに排水ソケット1の偏心流路4内に流入される排水は、最初は流速が遅いため偏心流路4の排水受け面4cに当たり、排水案内面4dに沿って図中aで示す方向に流下して、絞り部5の受け面5a,5bに当たり、排水が偏心流路4内に溜められてサイホンが起動されることとなる。サイホン起動後は流速が速く、偏心流路4内を排水で満たされた状態で、図中bで示す方向、即ち偏心流路4の偏心方向に排水が曲げられて流れてゆく。
即ち、絞り部5の高さ位置を従来のものと同じ位置に設定しておけば、サイホン起動速度は従来と同じであり、サイホン起動後の排水の抜けを従来よりも速くすることができるものとなる。
なお、この場合、ガイド流路6内で排水は若干の抵抗を受けて、絞り部5の下方でサイホンを起こすことができ、水頭圧を上げてサイホン力を従来よりも高めることができるものである。
2 本体部
2a 接続椀部
2b 排水管固定部
2A 本体上部
2B 本体下部
3 円筒部材
3a 排水管差込部
3b ガイド部
4 偏心流路
4a 流入口
4b 流出口
4c 排水受け面
4d 排水案内面
4e 排水受け面
5 絞り部
5a,5b 受け面
6 ガイド流路
7 ゴムパッキン
8 便器の排水口
9 排水管
B 接続部
F 床面
Claims (1)
- 上部の流入口側に便器の排水口が接続され、下部の流出口側が排水管に挿着されて床面に固定されるとともに、前記流出口側には、サイホン起動用の絞り部が形成されてなる排水ソケットにおいて、
前記絞り部の下流に、前記排水管の径より小径のガイド流路を前記床面に対し傾斜させて前記絞り部から下方に連続形成させ、前記絞り部の下方に連続形成される前記ガイド流路は、前記ガイド流路内を流れる水が前記ガイド流路の内壁面に当たって抵抗が生じる曲面形状とした
ことを特徴とする排水ソケット。
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