JP5562679B2 - ポリアセタール樹脂製車載用スピーカーグリル - Google Patents
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Description
特に、車載用スピーカーグリルのように、樹脂の流れる部分の幅及び肉厚が薄く、かつ連続して形成されるため、流動長が長く、かつ製品形状が複雑な金型においては、金型への樹脂の充填率が低下し易く、金型内にモールドデポジットを生成し易くなる。その結果、金型を洗浄する頻度が増える場合があり、生産性を著しく低下させることが問題になる。また、成形品をリサイクルして成形した場合に、ホルムアルデヒドガスの発生量が増えるため、成形品の形状によっては、リサイクルできないか、あるいは、金型洗浄の頻度がリサイクルしない場合に比べて著しく増え、生産性及び経済性が損なわれる問題がある。
さらに、車載用スピーカーグリルは、製品が薄肉かつ流路が長いため、流動抵抗が大きくなり、成形品表面には湯ジワやヒケが、流動末端部にはショートショットが発生し易いという問題がある。また、車載用スピーカーグリルは金型から着脱する際の抵抗が大きくなるため、上述した抵抗に耐えきれずに、製品にクラックが発生したり、破壊に至ることがある。
[1]
ポリアセタール樹脂と、
第1のヒドラジン誘導体と、
前記第1のヒドラジン誘導体の融点を低下させる化合物と、
を含有する原料組成物から得られるポリアセタール樹脂組成物を含む車載用スピーカーグリルであって、
前記第1のヒドラジン誘導体と、前記第1のヒドラジン誘導体の融点を低下させる前記化合物との混合物が下記式(1)及び(2)で表される条件を満足し、
前記ポリアセタール樹脂組成物のASTM−D1238に準拠して測定したメルトフローレートが20g〜50g/10分である、
車載用スピーカーグリル。
T1<T2 (1)
T1<T3 (2)
(式(1)及び(2)中、T1は、示差走査熱量計を用いて前記混合物に対して所定の温度プログラムで加熱及び冷却を施した後に、前記混合物が融解するまで2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)であり、T2は、前記示差走査熱量計を用いて前記第1のヒドラジン誘導体に対して所定の温度プログラムで加熱及び冷却を施した後に、前記第1のヒドラジン誘導体に対して2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)であり、T3は、前記示差走査熱量計を用いて前記ポリアセタール樹脂に対して所定の温度プログラムで加熱及び冷却を施した後に、前記ポリアセタール樹脂に対して2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)である。)
[2]
VDA275法により測定したホルムアルデヒド発生量が、2mg/Kg以下である、上記[1]記載の車載用スピーカーグリル。
[3]
VDA275法により測定したホルムアルデヒド発生量が、1mg/Kg以下である、上記[1]記載の車載用スピーカーグリル。
[4]
前記第1のヒドラジン誘導体の融点を低下させる化合物が、前記第1のヒドラジン誘導体とは異なる1種又は2種以上の第2のヒドラジン誘導体である、上記[1]〜[3]のいずれか記載の車載用スピーカーグリル。
[5]
前記第1のヒドラジン誘導体がカルボン酸ヒドラジドであり、前記第1のヒドラジン誘導体の融点を低下させる化合物が、前記第1のヒドラジン誘導体とは異なる1種又は2種以上のカルボン酸ヒドラジドである、上記[1]〜[4]のいずれか記載の車載用スピーカーグリル。
[6]
前記第1のヒドラジン誘導体が下記一般式(3)で表されるカルボン酸ジヒドラジドであり、前記第1のヒドラジン誘導体の融点を低下させる化合物が、前記第1のヒドラジン誘導体とは異なる1種又は2種以上のカルボン酸ヒドラジドである、上記[1]〜[5]のいずれか記載の車載用スピーカーグリル。
(式(3)中、R1は2価の置換又は無置換の炭化水素基を示す。)
[7]
前記第1のヒドラジン誘導体が、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド及びドデカン二酸ジヒドラジドからなる群より選ばれる1種又は2種以上のカルボン酸ジヒドラジドである、上記[1]〜[6]のいずれか記載の車載用スピーカーグリル。
[8]
前記第1のヒドラジン誘導体と、前記第1のヒドラジン誘導体の融点を低下させる化合物とが、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド及びドデカン二酸ジヒドラジドからなる群より選ばれる互いに異なるカルボン酸ジヒドラジドを含む、上記[1]〜[7]のいずれか記載の車載用スピーカーグリル。
[9]
前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して、前記第1のヒドラジン誘導体と前記第1のヒドラジン誘導体の融点を低下させる化合物との合計の含有量が0.03〜0.2質量部である、上記[1]〜[8]のいずれか記載の車載用スピーカーグリル。
[10]
前記第1のヒドラジン誘導体と、前記第1のヒドラジン誘導体の融点を低下させる化合物との含有比が、質量基準で2:8〜8:2である、上記[1]〜[9]のいずれか記載の車載用スピーカーグリル。
[11]
前記第1のヒドラジン誘導体と、前記第1のヒドラジン誘導体の融点を低下させる前記化合物との含有比が、質量基準で3:7〜7:3である、上記[1]〜[10]のいずれか記載の車載用スピーカーグリル。
[12]
前記第1のヒドラジン誘導体と前記第1のヒドラジン誘導体の融点を低下させる化合物との質量比1:1の混合物の吸熱容量が最も大きな吸熱ピークのピーク面積が、前記混合物の全吸熱ピークの総ピーク面積の95%未満である、上記[1]〜[11]のいずれか記載の車載用スピーカーグリル。
[13]
前記ポリアセタール樹脂は、ポリアセタールコポリマーである、上記[1]〜[12]のいずれか記載の車載用スピーカーグリル。
[14]
前記ポリアセタール樹脂は、メチラールに連鎖移動させて得られるポリアセタールコポリマーである、上記[1]〜[13]のいずれか記載の車載用スピーカーグリル。
ポリアセタール樹脂と、
第1のヒドラジン誘導体と、
前記第1のヒドラジン誘導体の融点を低下させる化合物と、
を含有する原料組成物から得られるポリアセタール樹脂組成物を含む車載用スピーカーグリルであって、
前記第1のヒドラジン誘導体と、前記第1のヒドラジン誘導体の融点を低下させる前記化合物との混合物が下記式(1)及び(2)で表される条件を満足し、
前記ポリアセタール樹脂組成物のASTM−D1238に準拠して測定したメルトフローレートが20g〜50g/10分である。
T1<T2 (1)
T1<T3 (2)
(式(1)及び(2)中、T1は、示差走査熱量計を用いて前記混合物に対して所定の温度プログラムで加熱及び冷却を施した後に、前記混合物が融解するまで2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)であり、T2は、前記示差走査熱量計を用いて前記第1のヒドラジン誘導体に対して所定の温度プログラムで加熱及び冷却を施した後に、前記第1のヒドラジン誘導体に対して2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)であり、T3は、前記示差走査熱量計を用いて前記ポリアセタール樹脂に対して所定の温度プログラムで加熱及び冷却を施した後に、前記ポリアセタール樹脂に対して2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)である。)
T1<T2 (1)
T1<T3 (2)
ポリアセタール樹脂(A)としては、従来知られているものであれば特に限定されず、ポリアセタールホモポリマー及びポリアセタールコポリマーが挙げられる。ポリアセタールホモポリマーとしては、例えば、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーを単独重合して得られる、実質的にオキシメチレン単位のみからなるポリアセタールホモポリマーが挙げられる。また、ポリアセタールコポリマーとしては、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)若しくは4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソラン及び1,4−ブタンジオールホルマールからなる群より選ばれる1種又は2種以上のコモノマーである、グリコール若しくはジグリコールの環状ホルマール等の環状エーテル又は環状ホルマールとを共重合させて得られるポリアセタールコポリマーが挙げられる。さらに、ポリアセタールコポリマーとして、ホルムアルデヒド単量体又は上記ホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、単官能グリシジルエーテルとを共重合させて得られる分岐を有するポリアセタールコポリマー;ホルムアルデヒド単量体又は上記ホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、多官能グリシジルエーテルとを共重合させて得られる架橋構造を有するポリアセタールコポリマーが挙げられる。
[R1R2R3R4N+]nXn− (7)
ここで、式(7)中、R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、炭素数1〜30の置換又は非置換アルキル基;炭素数6〜20のアリール基;炭素数1〜30の置換又は非置換アルキル基の少なくとも1個の水素原子が炭素数6〜20のアリール基で置換されたアラルキル基;炭素数6〜20のアリール基の少なくとも1個の水素原子が炭素数1〜30の置換又は非置換アルキル基で置換されたアルキルアリール基を示し、置換又は非置換アルキル基は直鎖状、分岐状、又は環状である。上記置換アルキル基の置換基はハロゲン原子、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、又はアミド基である。また、上記非置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基はその水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。nは1〜3の整数を示す。Xは水酸基、又は炭素数1〜20のカルボン酸、ハロゲン化水素以外の水素酸、オキソ酸、無機チオ酸若しくは炭素数1〜20の有機チオ酸の酸残基を示す。
P×14/Q (8)
ここで、式(8)中、Pは第4級アンモニウム化合物のポリアセタールコポリマーに対する濃度(質量ppm)を示し、14は窒素の原子量であり、Qは第4級アンモニウム化合物の分子量を示す。
本実施形態に係るヒドラジン誘導体(B)は、窒素原子間の単結合を有するヒドラジン構造(N−N)を有するものであれば特に限定されず、例えばヒドラジン;ヒドラジン水和物;コハク酸モノヒドラジド、グルタル酸モノヒドラジド、アジピン酸モノヒドラジド、ピメリン酸モノヒドラジド、スペリン酸モノヒドラジド、アゼライン酸モノヒドラジド、セバシン酸モノヒドラジド等のカルボン酸モノヒドラジド;蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スペリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド等の飽和脂肪族カルボン酸ジヒドラジド;マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等のモノオレフィン性不飽和ジカルボン酸のジヒドラジド;イソフタル酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボジヒドラジド等の芳香族カルボン酸ジヒドラジド;ピロメリット酸のジヒドラジド;トリマー酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、ベンゼントリカルボン酸トリヒドラジド、ニトリロトリ酢酸トリヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド等のトリヒドラジド;ピロメリット酸テトラヒドラジド、ナフトエ酸テトラヒドラジド、エチレンジアミンテトラ酢酸テトラヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジド等のテトラヒドラジド;カルボン酸低級アルキルエステル基を有する低重合体をヒドラジン又はヒドラジン水化物(ヒドラジンヒドラート)と反応させてなるポリヒドラジド等のポリヒドラジド;炭酸ジヒドラジド;ビスセミカルバジド;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネート及びそれから誘導されるポリイソシアネート化合物にN,N−ジメチルヒドラジン等のN,N−置換ヒドラジン及び/又は上記例示のヒドラジドを過剰に反応させて得られる多官能セミカルバジド;上記ポリイソシアネート化合物とポリエーテルポリオール類又はポリエチレングリコールモノアルキルエーテル類等の親水性基を含む活性水素化合物との反応物中のイソシアネート基に、上記のいずれかのジヒドラジドを過剰に反応させて得られる水系多官能セミカルバジド;上記多官能セミカルバジドと上記水系多官能セミカルバジドとの混合物;ビスアセチルジヒドラゾン等が挙げられる。
本発明者らは、種々のヒドラジン誘導体(B)を検討した結果、ヒドラジン誘導体(B)がホルムアルデヒドと効率よく反応するためには、その分子内に複数のヒドラジド基を有する化合物が有効であるものの、ヒドラジド誘導体(B)自体の融点は上昇していく傾向にあり、ポリアセタール樹脂(A)の融点よりも高くなることを知見した。さらに、ポリアセタール樹脂(A)の融点とヒドラジン誘導体(B)の融点との差が広がるとモールドデポジットになりやすいことが判明した。そこで、本発明者らは、ヒドラジン誘導体(B)の融点を低下させる化合物に着目した。
T1<T2 (1)
T1<T3 (2)
ここで、式(1)及び(2)中、T1は、示差走査熱量計を用いて上記ヒドラジン誘導体と、ヒドラジン誘導体の融点を低下させる化合物との混合物に対して所定の温度プログラムで加熱及び冷却を施した後に、上記混合物が融解するまで2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)であり、T2は、上記示差走査熱量計を用いてヒドラジン誘導体(B)に対して所定の温度プログラムで加熱及び冷却を施した後に、2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)であり、T3は、上記示差走査熱量計を用いてポリアセタール樹脂(A)に対して所定の温度プログラムで加熱及び冷却を施した後に、2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)である。また、上述の「所定の温度プログラム」とは、上記混合物又はヒドラジン誘導体(B)の吸熱ピークよりも低い温度から上記混合物又はヒドラジン誘導体(B)が融解する温度まで2.5℃/分の速度で昇温し、次いで、2分間その温度で保持し、その次に、100℃まで10℃/分の降温速度で降温する温度プログラムを意味する。ポリアセタール樹脂(A)の場合、上述の「所定の温度プログラム」とは、ポリアセタール樹脂(A)の吸熱ピークよりも低い温度から200℃まで速度320℃/分で昇温し、200℃で2分間保持した後に、速度10℃/分で100℃まで降温する温度プログラムを意味する。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物には、用途に応じて適当な添加剤を配合することができる。具体的には、添加剤として、酸化防止剤、ホルムアルデヒド反応性窒素を有する重合体又は化合物、蟻酸捕捉剤、離型剤等が挙げられる。
酸化防止剤としてはヒンダートフェノール系酸化防止剤が好ましい。酸化防止剤としては、例えば、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4−ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが挙げられる。これらの中で好ましい酸化防止剤は、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]及びペンタエリスリトールテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンである。これらの酸化防止剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ホルムアルデヒド反応性窒素を有する重合体又は化合物は、ホルムアルデヒドと反応可能な窒素原子を分子内に有する重合体又は化合物(単量体)であり、その具体例としては、ナイロン4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12等のポリアミド樹脂、及びこれらの重合体、例えば、ナイロン6/6−6/6−10、ナイロン6/6−12が挙げられる。また、ホルムアルデヒド反応性窒素を有する重合体又は化合物として、アクリルアミド及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体が挙げられる。より具体的には、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られるポリ−β−アラニン共重合体が挙げられる。さらに、ホルムアルデヒド反応性窒素を有する重合体又は化合物として、アミド化合物、アミノ置換トリアジン化合物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの付加物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの縮合物、尿素、尿素誘導体、イミダゾール化合物、イミド化合物が挙げられる。
蟻酸捕捉剤は蟻酸を効率的に中和し得るものであり、例えば、上記のアミノ置換トリアジン化合物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの縮合物、例えば、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物が挙げられる。
離型剤としては、アルコール、脂肪酸及びそれらの脂肪酸エステルが好ましく用いられるが、特に好ましい離型剤としては、エチレングリコールジステアレートが挙げられる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、更に適当な公知の添加剤を必要に応じて配合することができる。具体的には、無機充填剤、結晶核剤、導電材、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマー、顔料等が挙げられる。
無機充填剤としては、繊維状、粉粒子状、板状及び中空状の無機充填剤が挙げられる。繊維状無機充填剤としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、シリコーン繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、ステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮などの金属繊維等の無機質繊維が挙げられる。また、繊維長の短いチタン酸カリウムウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー等のウイスカー類も繊維状無機充填剤として例示される。
導電剤としては、例えば、導電性カーボンブラック、金属粉末又は繊維が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーネート樹脂、未硬化のエポキシ樹脂が挙げられる。また、これらの樹脂の変性物も熱可塑性樹脂に含まれる。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが挙げられる。
顔料としては、無機系顔料及び有機系顔料、メタリック系顔料、蛍光顔料が挙げられる。無機系顔料とは樹脂の着色用として一般的に使用されているものをいい、例えば、硫化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、チタンイエロー、コバルトブルー、燃成顔料、炭酸塩、りん酸塩、酢酸塩、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラックが挙げられる。有機系顔料としては、例えば、縮合アゾ系、キノン系、フタロシアニン系、モノアゾ系、ジアゾ系、ポリアゾ系、アンスラキノン系、複素環系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジコ系、ペリレン系、ジオキサジン系の顔料が挙げられる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物を製造する方法は特に制限されない。例えば、ポリアセタール樹脂(A)とヒドラジン誘導体(B)と化合物(C)とをヘンシェルミキサー、タンブラー、V字型ブレンダーなどで予め混合してそれらを含有する原料組成物を得た後、1軸又は多軸混錬押出機等を用いて溶融混錬するなど、ポリアセタール樹脂組成物の製造方法として一般的に知られている方法により製造することができる。それらの中でも、減圧装置を備えた2軸混練押出機を用いる方法が好ましい。また、ポリアセタール樹脂(A)とヒドラジン誘導体(B)と化合物(C)とを予め混合することなく、定量フィーダーなどで各成分を単独又は数種類ずつまとめて押出機に連続供給することにより、押出機内にて原料組成物を得、その原料組成物からポリアセタール樹脂組成物を製造することも可能である。また、予めポリアセタール樹脂(A)、ヒドラジン誘導体(B)及び化合物(C)からなる高濃度マスターバッチを作製しておき、押出溶融混練時又は射出成形時に更にポリアセタール樹脂(A)で希釈することによりポリアセタール樹脂組成物を得ることもできる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物を含む車載用スピーカーグリルを成形する方法は特に制限されるものではなく、公知の成形方法、例えば、押出成形、射出成形、真空成形、ブロー成形、射出圧縮成形、加飾成形、他材質成形、ガスアシスト射出成形、発砲射出成形、低圧成形、超薄肉射出成形(超高速射出成形)、金型内複合成形(インサート成形、アウトサート成形)等の成形方法のいずれかによって成形することができる。
以下の実施列及び比較例における各種物性の測定及び評価は次のようにして行った。
射出成形機(東芝機械株式会社製、商品名「IS−100GN」)を用いて、シリンダー温度を200℃、金型温度を80℃、射出圧力50MPa、射出時間30秒、冷却時間20秒に設定して、スピーカーグリル金型(成形品寸法として、外径120mm、厚み2mm、穴内径2mm、穴間距離2mm、リブ高さ1mm)を用いて、後述のポリアセタール樹脂組成物を成形することにより、スピーカーグリルの成形品を得た。
但し、ポリアセタール樹脂(a−2)、(a−5)、(a−6)のように、メルトフローレートが異なる場合は、成形品重量が同等になるように、射出圧力を調整した。
図5は、車載用スピーカーグリルを模式化して作成した成形品の形状を示す。図5中、Aはスピーカーグリル、Bはスピーカーグリルの拡大図、Cは拡大図bのXX’断面図を示す。
(1)樹脂の評価
ASTM−D1238に準じて、190℃、2169gの条件下でメルトフローレートを測定したところ、後述するポリアセタール樹脂(a−1〜a−6)と、それらより得られたポリアセタール樹脂組成物の数値は同等であることを確認した。
前述した条件で、後述のポリアセタール樹脂組成物からスピーカーグリルの成形品を200ショット成形した際の成形品の外観を目視で観察し、成形10ショット目の成形品と比較し、成形品のショートショットや湯ジワの有無、クラック発生有無を確認した。
なお、スピーカーグリルは、製品が薄肉かつ流路が長いため、流動抵抗が大きくなり、ポリアセタール樹脂組成物のメルトフルーレートが小さいと、金型に十分充填せずに成形品表面に湯ジワやヒケが、流動末端部にショートショットが発生することがある。この場合、射出圧力を上げても改善しないことがある。
また、スピーカーグリルは金型から着脱する際の抵抗が大きくなるため、ポリアセタール樹脂組成物の分子量が小さくなり、降伏伸度が小さいと、上述した抵抗に耐えきれずに、製品にクラックが発生したり、破壊に至ることがある。
前述した条件で、後述のポリアセタール樹脂組成物からスピーカーグリルの成形品を200ショット成形した後の金型内のモールドデポジット(MD)を目視にて観察した。
「A」は、MDが認められないことを示し、「B」は、うっすらとMDが認められることを示し、「C」は、明らかな析出物が認められることを示す。
前述した条件で、後述のポリアセタール樹脂組成物から成形したスピーカーグリルの成形品及びランナーをV型粉砕機で粉砕処理し、ポリアセタール樹脂組成物に対して、粉砕品を50質量部混合し、再度成形して成形品を得ることによりリサイクル成形性テストを行った。
繰り返し成形回数10回の成形品からのホルムアルデヒド放出量(mg/Kg)を導出した。導出方法を下記に示す。
得られた成形品の中心部よりゲートと平行に長さ80mm、幅40mmに切り出し、放出されるホルムアルデヒドを、下記VDA275法により測定し、成形品から放出されるホルムアルデヒドとしてその量を求めた。
VDA275法では、まず、ポリエチレン容器に蒸留水50mLと規定されたサイズの試験片(縦100mm×横40mm×厚み3mm)とを収容して密閉した。次いで、60℃で3時間容器を加熱後、蒸留水中のホルムアルデヒドをアンモニウムイオン存在下においてアセチルアセトンと反応させ、その反応物を対象としてUV分光計にて波長412nmの吸収ピークを測定し、ホルムアルデヒド放出量(mg/Kg)を求めた。
実施例及び比較例において、ポリアセタール樹脂組成物に含有される成分には下記のものを用いた。
熱媒を通すことができるジャケット付きの2軸セルフクリーニングタイプの重合機(L/D=8)を80℃に調整した。次いで、トリオキサンを4kg/hr、コモノマーとして1,3−ジオキソランを42.8g/hr(トリオキサン1molに対して、0.039mol)、連鎖移動剤としてメチラール(水分量1.3%、メタノール量0.99%)をトリオキサン1molに対して1.50×10−3molにて連続的に添加した。さらに、重合触媒として三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1molに対して1.5×10−5molにて連続的に添加し重合を行った。重合機より排出されたポリアセタールコポリマーをトリエチルアミン0.1%水溶液中に投入し重合触媒の失活を行った。重合触媒が失活したポリアセタールコポリマーを遠心分離機でろ過して分離回収した後、ポリアセタールコポリマー100質量部に対して、第4級アンモニウム化合物として水酸化コリン蟻酸塩(トリエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメート)を含有した水溶液1質量部を添加して、均一に混合し、さらに120℃で乾燥した。水酸化コリン蟻酸塩の添加量の調節は、添加する水酸化コリン蟻酸塩を含有した水溶液中の水酸化コリン蟻酸塩の濃度を調整することにより行った。上記式(8)で表わされる水酸化コリン蟻酸塩由来の窒素の量に換算して20質量ppmとなる量の水酸化コリン蟻酸塩を添加した。乾燥後のポリアセタールコポリマーをベント付き2軸スクリュー式押出機に供給し、押出機中で溶融しているポリアセタールコポリマー100質量部に対して水を0.5質量部添加し、押出機設定温度200℃、押出機における滞留時間7分間で不安定末端部の分解除去処理を行った。不安定末端部が分解されたポリアセタールコポリマーは、ベント真空度20Torrの条件下で脱揮され、押出機ダイス部よりストランドとして押し出され、ペレット化した。こうして、ペレット化したポリアセタール樹脂(a−1)を得た。得られたポリアセタール樹脂(a−1)のメルトフローレートをASTM−D1238に準じて測定したところ、190℃、2169gの条件下で30g/10分であった(メルトフローレートの測定は以下同様。)。また、ポリアセタール樹脂(a−1)について、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製、商品名「DSC7」)を用いて200℃まで速度320℃/分で昇温し、200℃で2分間保持した後に、速度10℃/分で100℃まで降温し、その後、昇温速度2.5℃/分で測定した融点(以下同様。)は165℃であった。
メルトフローレートが50g/10分になるように連鎖移動剤のメチラールの量を変更した以外はポリアセタール樹脂(a−1)と同様にして、ポリアセタール樹脂(a−2)を得た。その融点は165℃であった。
連鎖移動剤のメチラールとして上記に代えてメチラール(水分量45ppm、メタノール量0.58%)を用いた以外はポリアセタール樹脂(a−1)と同様にして、ポリアセタール樹脂(a−3)を得た。得られたポリアセタール樹脂(a−3)のメルトフローレートは30g/10分であり、その融点は165℃であった。
熱媒を通すことができるジャッケット付きの2軸セルフクリーニングタイプの重合機(L/D=8)を80℃に調整した。次いで、トリオキサンを4kg/hr、コモノマーとして1,3−ジオキソランを42.8g/h(トリオキサン1molに対して、0.039mol)にて連続的に添加した。さらに、重合触媒として三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1molに対して1.5×10−5molにて連続的に添加し重合を行った。得られた粗ポリアセタール1000部にトリフェニルホスフィン0.8部を添加し、均一に混合してポリアセタール樹脂(a−4)を得た。得られたポリアセタール樹脂(a−4)のメルトフローレートは30g/10分であり、その融点は165℃であった。
カルボン酸ヒドラジド(bc−1)としてアジピン酸ジヒドラジドを、カルボン酸ヒドラジド(bc−2)としてセバシン酸ジヒドラジドを、カルボン酸ヒドラジド(bc−3)としてドデカン二酸ジヒドラジドを、カルボン酸ヒドラジド(bc−4)としてイソフタル酸ジヒドラジドを、カルボン酸ヒドラジド(bc−5)としてテレフタル酸ジヒドラジドをそれぞれ準備した。これらを、ヒドラジン誘導体(B)及び/又はヒドラジン誘導体(B)の融点を低下させる化合物(C)として用いた。
メルトフローレートが15g/10分になるように連鎖移動剤のメチラールの量を変更した以外はポリアセタール樹脂(a−1)と同様にして、ポリアセタール樹脂(a−5)を得た。その融点は165℃であった。
メルトフローレートが70g/10分になるように連鎖移動剤のメチラールの量を変更した以外はポリアセタール樹脂(a−1)と同様にして、ポリアセタール樹脂(a−5)を得た。その融点は165℃であった。
実施例及び比較例において、ベント付2軸押出機として東芝機械社製TEM26SSを用いた。
表2に示した割合で、ポリアセタール樹脂(a−1)、(a−2)、(a−3)又は(a−4)100質量部に、カルボン酸ヒドラジド(bc−1)、(bc−2)及び(bc−3)から選ばれたヒドラジン誘導体(B)及びヒドラジン誘導体(B)の融点を低下させる化合物(C)を添加してタンブラーで混合し原料組成物を得た。その原料組成物を、ベント付2軸押出機により200℃で溶融混錬することによりポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。
得られたペレットを用いて、上述のようにして、スピーカーグリルでの耐モールドデポジット(MD)性、外観、リサイクル性の評価を行った。
ポリアセタール樹脂(a−1)100質量部を、ベント付2軸押出機で溶融混錬することによりポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。得られたペレットについて上述のようにして、スピーカーグリルでの耐モールドデポジット(MD)性、外観、リサイクル性の評価を行った。
ポリアセタール樹脂(a−1)に代えてポリアセタール樹脂(a−2)を用いた以外は比較例1と同様にして、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。得られたペレットについて上述のようにして、スピーカーグリルでの耐モールドデポジット(MD)性、外観、リサイクル性の評価を行った。
ポリアセタール樹脂(a−1)に代えてポリアセタール樹脂(a−3)を用いた以外は比較例1と同様にして、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。得られたペレットについて上述のようにして、スピーカーグリルでの耐モールドデポジット(MD)性、外観、リサイクル性の評価を行った。
ポリアセタール樹脂(a−1)に代えてポリアセタール樹脂(a−4)を用いた以外は比較例1と同様にして、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。得られたペレットについて上述のようにして、スピーカーグリルでの耐モールドデポジット(MD)性、外観、リサイクル性の評価を行った。
ポリアセタール樹脂(a−1)100質量部に、表3に示した割合でカルボン酸ヒドラジド(bc−1)、(bc−2)、(bc−4)及び(bc−5)のうち1種又は2種を添加してタンブラーで混合し原料組成物を得た。その原料組成物を、ベント付2軸押出機により200℃で溶融混錬することによりポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。得られたペレットについて上述のようにして、スピーカーグリルでの耐モールドデポジット(MD)性、外観、リサイクル性の評価を行った。
比較例5、12で用いたカルボン酸ヒドラジド単独の融点のメインピーク温度は比較例5では171℃、比較例12では180℃であった。比較例6〜9では、それぞれ、用いた2種のカルボン酸ヒドラジドの混合物を上述の示差走査熱量測定に供した際の融点のメインピーク温度は存在しなかった。比較例10、11で用いた2種のカルボン酸ヒドラジドの混合物の融点のメインピーク温度を表3に示した。
ポリアセタール樹脂(a−1)に代えてポリアセタール樹脂(a−5)を用いた以外は比較例1と同様にして、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。得られたペレットについて上述のようにして、スピーカーグリルでの耐モールドデポジット(MD)性、外観、リサイクル性の評価を行った。
ポリアセタール樹脂(a−1)に代えてポリアセタール樹脂(a−6)を用いた以外は比較例1と同様にして、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。得られたペレットについて上述のようにして、スピーカーグリルでの耐モールドデポジット(MD)性、外観、リサイクル性の評価を行った。
の結果を表4に示す。
また、本実施形態のポリアセタール樹脂組成物からなるスピーカーグリルは、リサイクル成形後のホルムアルデヒド放出量を卓越した低いレベルで維持していることから、極めて優れたリサイクル成形性を有していることが分かる。
2 穴
3 補強リブ
4 ゲート位置
a 穴間距離
b 厚み
c リブ高さ
Claims (13)
- ポリアセタール樹脂と、
第1のヒドラジン誘導体と、
前記第1のヒドラジン誘導体の融点(下記式(1)中のT2)を低下させる化合物と、
を含有する原料組成物から得られるポリアセタール樹脂組成物を含む車載用スピーカーグリルであって、
前記第1のヒドラジン誘導体と、前記第1のヒドラジン誘導体の融点を低下させる前記化合物との混合物が下記式(1)及び(2)で表される条件を満足し、
前記第1のヒドラジン誘導体の融点を低下させる化合物が、前記第1のヒドラジン誘導体とは異なる1種又は2種以上の第2のヒドラジン誘導体であり、
前記ポリアセタール樹脂組成物のASTM−D1238に準拠して測定したメルトフローレートが20g〜50g/10分である、
車載用スピーカーグリル。
T1<T2 (1)
T1<T3 (2)
(式(1)及び(2)中、T1は、示差走査熱量計を用いて前記混合物に対して所定の温度プログラムで加熱及び冷却を施した後に、前記混合物が融解するまで2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)であり、T2は、前記示差走査熱量計を用いて前記第1のヒドラジン誘導体に対して所定の温度プログラムで加熱及び冷却を施した後に、前記第1のヒドラジン誘導体に対して2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)であり、T3は、前記示差走査熱量計を用いて前記ポリアセタール樹脂に対して所定の温度プログラムで加熱及び冷却を施した後に、前記ポリアセタール樹脂に対して2.5℃/分の速度で昇温したときに得られる吸熱ピークのうち、吸熱容量が最も大きな吸熱ピークの頂点を示す温度(℃)である。) - VDA275法により測定したホルムアルデヒド発生量が、2mg/Kg以下である、請求項1記載の車載用スピーカーグリル。
- VDA275法により測定したホルムアルデヒド発生量が、1mg/Kg以下である、請求項1記載の車載用スピーカーグリル。
- 前記第1のヒドラジン誘導体がカルボン酸ヒドラジドであり、前記第1のヒドラジン誘導体の融点を低下させる化合物が、前記第1のヒドラジン誘導体とは異なる1種又は2種以上のカルボン酸ヒドラジドである、請求項1〜3のいずれか1項記載の車載用スピーカーグリル。
- 前記第1のヒドラジン誘導体が下記一般式(3)で表されるカルボン酸ジヒドラジドであり、前記第1のヒドラジン誘導体の融点を低下させる化合物が、前記第1のヒドラジン誘導体とは異なる1種又は2種以上のカルボン酸ヒドラジドである、請求項1〜4のいずれか1項記載の車載用スピーカーグリル。
(式(3)中、R1は2価の置換又は無置換の炭化水素基を示す。) - 前記第1のヒドラジン誘導体が、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド及びドデカン二酸ジヒドラジドからなる群より選ばれる1種又は2種以上のカルボン酸ジヒドラジドである、請求項1〜5のいずれか1項記載の車載用スピーカーグリル。
- 前記第1のヒドラジン誘導体と、前記第1のヒドラジン誘導体の融点を低下させる化合物とが、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド及びドデカン二酸ジヒドラジドからなる群より選ばれる互いに異なるカルボン酸ジヒドラジドを含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の車載用スピーカーグリル。
- 前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して、前記第1のヒドラジン誘導体と前記第1のヒドラジン誘導体の融点を低下させる化合物との合計の含有量が0.03〜0.2質量部である、請求項1〜7のいずれか1項記載の車載用スピーカーグリル。
- 前記第1のヒドラジン誘導体と、前記第1のヒドラジン誘導体の融点を低下させる化合物との含有比が、質量基準で2:8〜8:2である、請求項1〜8のいずれか1項記載の車載用スピーカーグリル。
- 前記第1のヒドラジン誘導体と、前記第1のヒドラジン誘導体の融点を低下させる前記化合物との含有比が、質量基準で3:7〜7:3である、請求項1〜9のいずれか1項記載の車載用スピーカーグリル。
- 前記第1のヒドラジン誘導体と前記第1のヒドラジン誘導体の融点を低下させる化合物との質量比1:1の混合物の吸熱容量が最も大きな吸熱ピークのピーク面積が、前記混合物の全吸熱ピークの総ピーク面積の95%未満である、請求項1〜10のいずれか1項記載の車載用スピーカーグリル。
- 前記ポリアセタール樹脂は、ポリアセタールコポリマーである、請求項1〜11のいずれか1項記載の車載用スピーカーグリル。
- 前記ポリアセタール樹脂は、メチラールに連鎖移動させて得られるポリアセタールコポリマーである、請求項1〜12のいずれか1項記載の車載用スピーカーグリル。
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