JP5561600B2 - 合成樹脂製カップ容器 - Google Patents

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Description

本発明は、射出成形による合成樹脂製のカップ容器に関する。
近年、射出成形による合成樹脂製のカップ容器が飲料用容器の容器本体として数多く使用されている。たとえば、特許文献1にも記載があるように、この種の射出成形によるカップ容器を成形する金型は、カップ容器の底部の中央部から溶融樹脂を注入する構造になっており、溶融樹脂は、底面壁、側周壁を経てフランジへと充填される。
特開2000−128141号公報
ここで、射出成形のカップ容器では、比較的低分子量の合成樹脂を使用することができるのでその周壁を薄肉化できる等の特徴を有するが、一方で特許文献1に、射出成形によるポリエステル樹脂製のカップ容器における溶融樹脂の流動に伴う分子配向に起因する衝撃強度の低下について言及があるように、省資源や低コスト化の要請から軽量化、すなわち周壁の薄肉化を進めると、合成樹脂の分子量が比較的低いこと、樹脂流動における分子配向の影響が相俟って内容液を充填してシールした容器の落下による衝撃や、容器の積載時の座屈変形により割れが発生しやすくなる云う問題がある。
特に、周壁が屈曲する領域、あるいは厚さが段差的に変化する領域で凹角部を介して180°未満の開き角度に壁面が連結する凹角領域で割れが発生し易い。
図6は、従来のカップ容器のフランジ近傍の縦断面図で、側周壁102の上端部からフランジ107にかけて周壁が屈曲する部位を示している。この図に見られるように、凹角部111での応力集中に起因するこの凹角部111を起点とした割れの発生を抑制するため、この種の凹角部111では、通常、曲率半径が0.1〜1mm程度の円弧で角取りする。ところが、周壁の薄肉化を進めると今度は、図中符号Stで示す角取りした円弧の終点で、割れが発生し易くなってしまう。
そこで、本発明の技術的な課題は、射出成形によるカップ容器の薄肉化に伴う、凹角部の近傍領域を基点とした、落下時の衝撃力や、容器の積載時の座屈変形による割れの発生を、周壁の形状により効果的に抑制することを技術的課題とするものである。
上記技術的課題を解決する手段の内、本発明の主たる構成は、
射出成形による、上部開口端に外鍔状に周設されるフランジを有する合成樹脂製のカップ容器において、
カップ容器を形成する周壁が、屈曲する部位あるいは段差状に肉厚が変化する部位に形成され、凹角部を介して180°未満の開き角度に二つの壁面が連結する凹角領域にあって、
一方の壁面に連結する第1円弧と、他方の壁面に連結する第2円弧が交わる仮想交点は凹角領域の内側にあり、且つ第1円弧と第2円弧の双方に内接し、その第1および第2円弧よりも曲率半径の小さい第3円弧が第1円弧と第2円弧を連結して凹角部を角取りするように、凹角部の近傍を、壁面の壁厚が凹角部に向けて漸増する壁厚漸増領域とする、と云うものである。
上記構成よれば、一方の壁面が凹角部を角取りするように、この凹角部の近傍をこの一方の壁面側の周壁が凹角部に向けて漸増する壁厚漸増領域とすることにより、周壁の厚さを本来の厚さから凹角部に向けて緩やかに漸増させて、薄肉化による軽量化効果を大きく損なうことなく凹角部の近傍の広い範囲を厚肉化することができる。
そして、周壁の撓み変形の支点となる凹角部から周壁の厚さを漸減するようにし、緩やかに周壁が本来の厚さを有する領域に連結することにより、凹角部の近傍領域における応力を広い範囲に分散することができ、落下時の衝撃力や、容器の積載時の座屈変形による、凹角部の近傍領域での割れの発生を効果的に抑制することが可能となる。
ここで、カップ容器には一般的に数多くの凹角部そして凹角領域が存在するが、そのすべてについて上記、壁厚漸増領域に係る構成を適用する必要はなく、個々の凹角領域への外力の作用態様や、個々の凹角領域での壁面の開き角度や周壁の厚さ等の形状を考慮し、さらには、落下試験や積載試験における割れの発生のし易さを考慮して、適用の有無を選択することができる。
また、壁厚漸増領域に係る構成を適用する個々の凹角領域においても、凹角部を介して対向位置する一対の壁面に対応する両周壁の壁厚や、外力の作用態様を考慮して、一方の壁面に対してだけに壁厚漸増領域に係る構成を適用することができるし、勿論双方の壁面に対して壁厚漸増領域に係る構成を適用することもできる。
本発明の他の構成は、上記主たる構成において、少なくとも一方の壁面が、曲率半径が5mm以上の円弧に沿って凹角部を角取りするように、一方の壁面側の周壁の凹角部に至る所定範囲を壁厚漸増領域とする、と云うものである。
上記構成よれば、一方の壁面が、曲率半径が5mm以上の緩やかな円弧に沿って凹角部を角取りするように、この凹角部の近傍でこの壁面側の周壁に壁厚漸増領域を配置することにより、従来から凹角部の角取りに用いている曲率半径が0.1〜1mm程度の円弧を利用するのに比較して、周壁の厚さを本来の厚さから凹角部に向けてスムーズに緩やかに漸増させることができる。
円弧の曲率半径を大きくし、壁厚漸増領域における漸増の態様を直線状にすることもできる。
本発明のさらに他の構成は、上記主たる構成において、少なくとも一方の壁面が、曲率半径が異なる複数の円弧を連結した湾曲線に沿って凹角部を角取りするように、一方の壁面側の周壁の前記凹角部に至る所定範囲を、凹角部に向けて壁厚が漸増する壁厚漸増領域とする、と云うものである。
上記構成よれば、一方の壁面が、曲率半径が異なる複数の円弧を連結した湾曲線に沿って凹角部を角取りするようにすることにより、より自在に壁厚漸増領域での漸増の態様に対応することができ、応力をより効率的に広い範囲に分散させることが可能となる。
本発明のさらに他の構成は、上記主たる構成において、壁厚漸増領域における周壁の厚さの増分を、この壁厚漸増領域の開始点における厚さの15〜50%分とする、と云うものである。
壁厚漸増領域における周壁の厚さの増分をどの程度にするかについては、個々の凹角領域への外力の作用態様や個々の凹角領域の開き角度や周壁の厚等の形状共に、薄肉化による軽量化効果を大きく損なわない範囲で適宜決めるものであるが、この種のカップ容器の周壁の厚さは0.5〜1mm程度であり、凹角部の近傍での厚肉化の程度に係る壁厚漸増領域における周壁の厚さの増分は、15〜50%分とすることが好ましい。
本発明のさらに他の構成は、上記主たる構成において、側周壁の上端部からフランジにかけて周壁が屈曲する部位に形成される凹角領域において、凹角部を介して対向位置する一対の壁面に対応する側周壁とフランジの双方の周壁について、凹角部に至る所定範囲を壁厚漸増領域とする、と云うものである。
側周壁の上端部からフランジにかけての凹角領域は、カップ状の容器の開口端近傍に位置すること、フランジの外周端は自由端であること等が相俟って、外力による変形が大きく、大きな応力が作用するため、割れが発生しやすい領域であり、双方の周壁について壁厚漸増領域に係る構成を適用することが好ましい。
本発明のさらに他の構成は、上記主たる構成において、側周壁の内壁面に、カップ容器を積み重ねた際のスタッキングを防止するための突片が複数突設状に配設される構成とし、この突片により周壁の厚さが段差状に変化する部位に形成される凹角領域において、
凹角部を介して対向位置する、突片の上方に位置する側周壁の内壁面と突片の上端面のうち、内壁面側の側周壁について、凹角部に至る所定範囲を壁厚漸増領域とする、と云うものである。
上記、突片が配設される部分は、周壁の壁厚が段差状に変化する部位の具体例である。カップ容器の積み重ね操作、あるいは積重状態での落下等によりこの突片近傍の凹角領域には大きな応力が作用するため、割れが発生しやすい領域であるが、基本的には上記構成のように、内壁面側の側周壁に壁厚漸増領域に係る構成を適用することにより、上記した割れの発生を効果的に抑制することが可能となる。
本発明のさらに他の構成は、上記主たる構成において、側周壁の下端近傍の高さ位置から内鍔状周片を介して底面壁を連設し、また側周壁の下端部を内鍔状周片より下方に突出させて接地部となる袴状の突出部を形成する構成とし、
内鍔状周片から側周壁の上方に屈曲する部位に形成される凹角領域と、下方に屈曲する部位に形成される凹角領域において、
凹角部を介して対向位置する一対の壁面に対応する双方の周壁について凹角部に至る所定範囲を壁厚漸増領域とする、と云うものである。
底面壁から側周壁にかけ屈曲する部位にかかる上記した2つの凹角領域も外力の作用により大きな応力が発生する領域であるが、上記構成により2つの凹角領域のそれぞれについて、双方の周壁に壁厚漸増領域を配設することにより、この応力を広い範囲に分散させることが可能となる。
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
本発明の主たる構成を有するカップ容器では、一方の壁面を角取りするように凹角部の近傍を周壁の壁厚が前記凹角部に向けて漸増する壁厚漸増領域とすることにより、周壁の厚さを本来の厚さから凹角部に向けて緩やかに漸増させて、薄肉化による軽量化効果を大きく損なうことなく凹角部の近傍の広い範囲を厚肉化することができる。
そして、周壁の撓み変形の支点となる凹角部から周壁の厚さを漸減するようにし、緩やかに周壁の本来の厚さを有する領域に連結することにより、凹角部の近傍領域における応力を広い範囲に分散することができ、落下時の衝撃力や、容器の積載時の座屈変形による、凹角部の近傍領域での割れの発生を効果的に抑制することができる。
本発明のカップ容器の一実施例を示す半縦断正面図である。 図1の容器の平面図である。 図1の容器のフランジ近傍の縦断面図である。 図1の容器の突片近傍の縦断面図である。 図1の容器の底部近傍の縦断面図である。 比較として示す、従来のカップ容器のフランジ近傍の縦断面図である。
以下、本発明の実施例に沿って、図面を参照しながら説明する。
図1〜図5は本発明の合成樹脂製カップ容器の一実施例を示すものであり、図1は半縦断正面図、図2は平面図、図3はフランジ7近傍の縦断面図、図4は突片8近傍の縦断面図、図5は底部5近傍の縦断面図である。
このカップ容器はポリプロピレン樹脂製の射出成形品で、全高さは118mmで、円筒状の側周壁2の上端部の径は65mmであり下端部の径51mmまで直線状に緩やかに縮径しており、容量は250mlである。
なお、図3〜5の縦断面図、また図6縦断面図では説明し易いようにハッチングは省略しており、図中R1、R5、R10等は曲率半径を示し、例えばR5は曲率半径が5mmであることを示す。
側周壁2の上部開口端には外鍔状にフランジ7周設されている。
また、側周壁2の内壁面にはカップ容器を積み重ねた際のスタッキングを防止するための突片8が等中心角度間隔で複数突設されている。
また、側周壁2の下端に近い高さ位置から内鍔状周片4を介して中央部に陥没凹部6が連設されており、これら内鍔状周片4と陥没凹部6により底面壁5wが形成されている。また、側周壁2の下端部ではその下端を内鍔状周片4より下方に突出させて、袴状の突出部3を形成するようにしており、この突出部3の下端面が接地部となる。
ここで、このカップ容器1には、周壁が屈曲する部位、あるいは周壁の肉厚が段差状に変化する部位で、凹角部11を介して180°未満の開き角度に一対の壁面が連結する凹角領域Rcが多数あり、図1ではこの中、代表的な凹角領域Rc1、Rc2、Rc3、Rc4、Rc5を矢印で示している。
このうち、Rc1は側周壁2の上端部からフランジ7に至る周壁が屈曲する部位、Rc2は突片8の突設により肉厚が段差状に変化する部位、底部5近傍に位置するRc3、Rc4、Rc5は周壁が屈曲部する部位に係る凹角領域である。
図3は、フランジ7近傍の縦断面図であり、凹角部11を介して側周壁2の壁面である壁面12bとフランジ7の下端面に相当する壁面12aが93°の開き角度で連結した、凹角領域Rc1の形状を説明するためのものである。
一方の壁面12a側のフランジ7の、図中の開始点Spaから凹角部11に至る範囲には曲率半径が5mmの円弧に沿って、壁厚を凹角領域Rc1側に漸増させるようにした壁厚漸増領域Rtaを配設し、壁面12aが、曲率半径5mmの円弧に沿って凹角部11を角取りするようにしている。
他方、壁面12b側の側周壁2の、図中の開始点Spbから凹角部11に至る範囲には曲率半径が10mmの円弧に沿って、壁厚を凹角領域Rc1側に漸増させるようにした壁厚漸増領域Rtbを配設し、壁面12bが、曲率半径10mmの円弧に沿って凹角部11を角取りするようにしている。
すなわち、この凹角領域Rc1では、凹角部11が双方の壁面12a、12bにより円弧状に二重に角取りされている。また、両円弧の交点Cp近傍で曲率半径が1mmの円弧で、曲率半径が5mmと10mmの両円弧を連結している。
ここで、壁厚漸増領域Rtaの交点Cp位置における厚さの増分ta1は0.33mmで、フランジ7の開始点Spa位置における厚さ、すなわちフランジ7が本来の厚さを有する領域Raaでの厚さtaである0.75mmの44%で、他方、壁厚漸増領域Rtbの交点Cp位置における厚さの増分tb1は0.26mmで、側周壁2の開始点Spb位置における厚さ、すなわち本来の厚さを有する領域Rabの壁厚tbである0.60mmの43%である。
そして全体として、両周壁の厚さを領域Raaや領域Rabで示される本来の厚さを有する領域から凹角部11に向けて緩やかに漸増させて、薄肉化による軽量化効果を大きく損なうことなく、凹角部11の近傍の広い範囲で厚肉化を達成することができ、視点を変えて云えば、フランジ7と側周壁2の両周壁の撓み変形の支点となる凹角部11から周壁の厚さを漸減するようにし、緩やかに両周壁の本来の厚さを有する領域Raa、Rabに連結することにより、凹角部11の近傍領域における応力を広い範囲に分散することができ、
図6に示した、従来のカップ容器のフランジ近傍の凹角部111近傍でみられる、凹角部111近傍での応力集中に起因する落下時の衝撃力や、容器の積載時の座屈変形による、凹角部の近傍領域での割れの発生を効果的に抑制することができるようになった。
なお、この例では双方の周壁に壁厚漸増領域を配設する構成としたが、作用する外力の作用態様等を考慮して、一方の周壁にだけ壁厚漸増領域を配設する構成とすることもできる。
次に、図4は、突片8近傍の縦断面図で、周壁の厚さが段差状に変化する部位の具体的な例で、また凹角部11を介して連結する壁面の一方にだけ壁厚漸増領域を配設した例であり、凹角部11を介して側周壁2側の壁面である壁面12aから突片8の上端面に相当する壁面12bが88°の開き角度で連結した、凹角領域Rc2の形状を説明するためのものである。
ここでは、壁面12a側の側周壁2の、図中の開始点Spaから凹角部11に至る範囲には曲率半径が10mmの円弧に沿って、壁厚を凹角部11側に漸増させるようにした、壁厚漸増領域Rtaを配設し、壁面12aが曲率半径が10mmの円弧に沿って凹角部11を角取りするようにしている。
また、この曲率半径が10mmの円弧と壁面12bの交点Cp近傍では曲率半径が0.15mmの円弧で曲率半径が10mmの円弧と壁面12bを連結するようにしている。
そして、壁厚漸増領域Rtaの交点Cp位置における厚さの増分ta1は0.13mmで、側周壁2の開始点Spa位置における厚さ、すなわち側周壁2の本来の厚さを有する領域Raaの壁厚taである0.65mmの20%としており、薄肉化による軽量化効果を損なうことなく、凹角部11の近傍の広い範囲で緩やかに漸増する厚肉化を達成し、側周壁2の撓み変形の支点となる凹角部11から周壁の厚さを漸減するようにし、緩やかに周壁の本来の厚さを有する領域Raaに連結することにより、凹角部11の近傍領域における応力を広い範囲に分散することができる。
次に、図5には底部5近傍の縦断面図で、落下時の衝撃力や、容器の積載時の座屈変形により大きな応力が作用する凹角領域Rc3、Rc4、Rc5が示されているが、ここでは底面壁5wの一部である内鍔状周片4から側周壁2あるいは突出部3へ周壁が屈曲する部位に形成される凹角領域Rc3と凹角領域Rc4の形状について説明する。
まず、凹角領域Rc3は凹角部11を介して92°の開き角度で側周壁2の壁面12aと内鍔状周片4の上端面に相当する壁面12bが連結する部位であり、壁面12a側の側周壁2の、図中の開始点Spaから凹角部11に至る範囲に曲率半径が10mmの円弧に沿って、壁厚を凹角領域Rc3側に漸増させるようにした、壁厚漸増領域Rtaを配設している。
他方、壁面12b側の内鍔状周片4の、図中の開始点Spbから凹角部11に至る範囲には曲率半径が7mmの円弧に沿って、壁厚を凹角領域Rc3側に漸増させるようにした、壁厚漸増領域Rtbを配設しており、
また、両円弧の交点Cp近傍では曲率半径が1mmの円弧で曲率半径が10mmと7mmの両円弧を連結している。
そして、壁厚漸増領域Rtaの交点Cp位置における厚さの増分ta1は0.21mmで、側周壁2の本来の厚さを有する領域Rabにおける壁厚taである0.7mmの30%である。
また、壁厚漸増領域Rtbの交点Cp位置における壁厚の増分tb1は0.17mmで、内鍔状周片4の本来の厚さを有する領域Rabでの壁厚tbである0.75mmの23%である。
次に、凹角領域Rc4は凹角部11を介して91°の開き角度で突出部3の壁面12cと内鍔状周片4の下端面に相当する壁面12dが連結する領域で、凹角領域Rc5を上下逆転したような形状であり、壁面12cの側では曲率半径が10mmの円弧に沿って壁厚を漸増させるようにし、壁面12dの側では曲率半径が3.9mmの比較的小径の円弧に沿って壁厚を漸増させるようにして、両円弧の交点Cp近傍では曲率半径が0.5mmの円弧で曲率半径が10mmと3.9mmの両円弧を連結している。
以上、実施例に沿って本願発明の実施形態とその作用効果について説明したが、本願発明はこの実施例に限定されるものではない。
上記実施例ではポリプロピレン樹脂製としたがもちろん使用目的に応じて他の合成樹脂を選択することができる。
また、上記説明ではカップ容器に数多く形成される凹角領域のうち、大きな応力が作用し易いRc1〜Rc5について言及したが、他の凹角領域についても個々の凹角領域への外力の作用態様や、個々の凹角領域での壁面の開き角度や周壁の厚さ等の形状を考慮し、壁厚漸増領域に係る構成を適用するかどうかを決め、適用する際には、その凹角領域の開き角度や周壁の厚等の形状を考慮し、周壁の薄肉化による軽量化効果を損なわない範囲で、壁厚の漸増の態様や、壁厚漸増領域での厚さの増分を決めることができる。
また、上記実施例では、所定の曲率半径を有する1つの円弧に沿って壁厚を漸増させる構成としたが、異なる曲率半径を有する複数の円弧を連結して形成される緩やかな湾曲線に沿って壁厚を漸増させる構成とすることもでき、さらには直線状に厚を漸増させる構成とすることもできる。
以上説明したように、本発明の合成樹脂製カップ容器は、周壁の屈曲部等に形成される凹角部の近傍での割れの発生を効果的抑制できるものであり、特に周壁の薄肉化が要求される用途での幅広い利用展開が期待される。
1 ;容器
2 ;側周壁
3 ;突出部
4 ;内鍔状周片
5 ;底部
5w;底面壁
6 ;陥没凹部
7 ;フランジ
8 ;突片
11;凹角部
12a、12b、12c、12d;壁面
Raa、Rab;領域
Rc(Rc1、Rc2、Rc3、Rc4、Rc5);凹角領域
Rt(Rta,Rtb);壁厚漸増領域
Spa、Spb;開始点

Claims (7)

  1. 射出成形による、上部開口端に外鍔状に周設されるフランジ(7)を有する合成樹脂製のカップ容器であって、前記カップ容器を形成する周壁が、屈曲する部位あるいは段差状に肉厚が変化する部位に形成され、凹角部(11)を介して180°未満の開き角度に二つの壁面が連結する凹角領域(Rc)において、一方の壁面に連結する第1円弧と、他方の壁面に連結する第2円弧が交わる仮想交点(Cp)は前記凹角領域(Rc)の内側にあり、且つ前記第1円弧と前記第2円弧の双方に内接する、該第1円弧および該第2円弧よりも曲率半径の小さい第3円弧が該第1円弧と該第2円弧を連結して前記凹角部(11)を角取りするように、該凹角部(11)の近傍を、前記壁面の壁厚が前記凹角部(11)に向けて漸増する壁厚漸増領域(Rt)としたことを特徴とする合成樹脂製カップ容器。
  2. 少なくとも一方の壁面が、曲率半径が5mm以上の円弧に沿って前記凹角部(11)を角取りするように、前記一方の壁面側の周壁の前記凹角部(11)に至る所定範囲を壁厚漸増領域(Rt)とした請求項1記載の合成樹脂製カップ容器。
  3. 少なくとも一方の壁面が、曲率半径が異なる複数の円弧を連結した湾曲線に沿って前記凹角部(11)を角取りするように、前記一方の壁面側の周壁の前記凹角部(11)に至る所定範囲を、該凹角部(11)に向けて壁厚が漸増する壁厚漸増領域(Rt)とした請求項1記載の合成樹脂製カップ容器。
  4. 壁厚漸増領域(Rt)における周壁の厚さの増分を、該壁厚漸増領域(Rt)の開始点(Sp)における厚さの15〜50%分とした請求項1、2または3の合成樹脂製カップ容器。
  5. 側周壁(2)の上端部からフランジ(7)にかけて周壁が屈曲する部位に形成される凹角領域(Rc1)において、凹角部(11)を介して対向位置する一対の壁面に対応する前記側周壁(2)の上端部とフランジ(7)の双方の周壁について、前記凹角部(11)に至る所定範囲を壁厚漸増領域(Rt)とした請求項1、2、3または4記載の合成樹脂製カップ容器。
  6. 側周壁(2)の内壁面に、カップ容器を積み重ねた際のスタッキングを防止するための突片(8)が複数突設状に配設される構成とし、前記突片(8)により周壁の厚さが段差状に変化する部位に形成される凹角領域(Rc2)において、凹角部(11)を介して対向位置する、突片(8)の上方に位置する側周壁(2)の内壁面と突片(8)の上端面のうち、前記内壁面側の側周壁(2)について、前記凹角部(11)に至る所定範囲を壁厚漸増領域(Rt)とした請求項1、2、3または4記載の合成樹脂製カップ容器
  7. 側周壁(2)の下端近傍の高さ位置から内鍔状周片(4)を介して底面壁(5w)を連設し、また前記側周壁(2)の下端部を内鍔状周片(4)より下方に突出させて接地部となる袴状の突出部(3)を形成する構成とし、前記内鍔状周片4から側周壁(2)の上方に屈曲する部位に形成される凹角領域(Rc3)と、下方に屈曲する部位に形成される凹角領域(Rc4)において、それぞれ凹角部(11)を介して対向位置する一対の壁面に対応する双方の周壁について前記凹角部(11)に至る所定範囲を壁厚漸増領域(Rt)とした請求項1、2、3または4記載の合成樹脂製カップ容器。
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