JP5560726B2 - 高炉の吹卸し操業方法 - Google Patents
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Description
このため、過去の操業実績などから、十分な安全率を見込んだ空気の送風量を決定し、この送風量で、炉内の装入物を減尺させることが一般的である。
1)羽口から吹き込まれた空気と装入物の接触機会が減少することで、装入物中のコークスの消費速度が遅れる。
2)吹き上がった装入物が、再度羽口前方のレースウェイ領域に供給され、装入物の減尺速度が遅れる。
そこで、例えば、特許文献1に示すように、ガスによる浮力(ΔP×断面積、ΔPは炉内圧損)と装入物重量(装入物荷重ともいう)との比を算出し、更に過去の実績から求めたしきい値により、羽口から送り込む空気の送風量を決定する方法が提案されている。
更に、減尺末期には、装入物が高炉の朝顔部まで減尺されるが、この朝顔部は、すり鉢状になっており、しかも炉芯コークスの存在によりガス流路の断面積が縮小しているため、炉内ガスの流速が上昇して、空気の吹き抜けやコークスの流動化が発生することが多い。
(1)高炉を吹き止め、該高炉の羽口から空気を送風して、該高炉炉内の装入物を減尺する高炉の吹卸し操業方法において、
前記羽口から吹き込まれる空気が、前記高炉の朝顔部において吹き抜けることを防止可能な限界送風量を、コークスの流動開始速度を用いて予め求め、減尺される前記装入物の上面が、前記高炉の炉腹部の下部から前記朝顔部の上部の領域に達したときに、前記羽口から吹き込む空気の送風量を、該羽口から吹き込む空気の浮力と前記装入物の重量との釣り合いから得られる送風量から、前記限界送風量以下かつ該限界送風量の70%以上に切り替えることを特徴とする高炉の吹卸し操業方法。
これにより、空気の吹き抜けやコークスの流動化を抑制でき、コークスの消費速度と装入物の減尺速度の向上が図れ、吹卸し操業に要する時間を従来よりも短縮できる。
図1(A)〜(D)、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る高炉の吹卸し操業方法は、高炉10の操業を停止し(吹き止め)、高炉10の羽口11から空気を送風して、高炉10炉内の装入物12、即ち層状に装入された鉱石とコークスの高さレベルを低減する減尺方法であり、羽口11から吹き込む空気の炉頂への吹き抜けやコークスの流動化を抑制して、コークスの消費速度と装入物12の減尺速度の向上を図る方法である。以下、詳しく説明する。
まず、高炉10炉内に装入された鉱石とコークスの上に、更に多量のコークスを装入する。なお、層状に装入された鉱石及びコークスと、更に装入されたコークスとで、装入物12が構成される。
次に、図1(B)に示す吹卸し途中では、装入物12の表面高さ位置を測定する差指(垂下式のレベル検出器)13を用いて、装入物12の高さレベルを測定しながら、羽口11からの空気の送風量を、装入物12の高さレベルに応じて調整することにより、装入物12の高さレベルを低減する。なお、この装入物12の高さレベルが低減していくと、図1(C)に示すように、融着帯14が部分的に崩壊し、高炉10炉内の圧損が減少していく。
ΔP×S=W ・・・(1)
ここで、ΔP:炉内圧損(kg/m2)、S:高炉の炉内断面積(m2)、W:装入物重量(kg)、である。なお、炉内圧損は、{(送風圧力)−(炉頂圧力)}で求まる。
この式(1)について、装入物12の重量と空気による浮力との比をFとすると、式(2)で示される。
F=W/(ΔP×S) ・・・(2)
W=WV×(1+α)×(O/C+1)/{(O/C)/ρore+1/ρcoke} ・・・(3)
ここで、WV:炉内容積(m3)、α:装入物の圧縮率(例えば、0.1)、O/C:{(鉱石重量)/(コークス重量)}、ρore:鉱石の密度(kg/m3)、ρcoke:コークスの密度(kg/m3)、である。
以上に示した空気の送風量の算出は、RAM、CPU、ROM、I/O、及びこれらの要素を接続するバスを備えた従来公知の演算器(即ち、コンピュータ)を用いて行うが、これに限定されるものではない。
上記した送風量の切り替え領域は、具体的には、朝顔部15の上端位置Xを基準として、高炉10の炉口(ストックライン位置)の上端位置から羽口11の上端位置までの距離Dの−0.1倍以上0.1倍以下の範囲である(図1(A)参照)。
上記した限界送風量は、装入物12の流動開始速度Umfを用いて予め求める。以下、流動開始速度Umfの算出方法について説明する。
Umf={Dpi(ρi−ρgas)×g/24.5/ρgas}1/2 ・・・(4)
ここで、Umf:流動開始速度(m/sec)、Dpi:粒径(m)、ρiとρgas:密度(kg/m3)、g:重力加速度(m/sec2)、である。
なお、ρiは、コークスを前提とした密度であり、ρgasは、H2(8質量%)、H2O(3質量%)、N2(56質量%)、CO(25質量%)、及びCO2(8質量%)で構成されるガスを前提とした密度である。
Ui={Vbosh/(60×ε×Si)}×{(Ti+273)/273}×{1.033/(Pi+1.033)} ・・・(5)
ここで、Ui:ガス流速(m/sec)、Vbosh:ボッシュガス量(Nm3/分)、ε:装入物の空隙率(−)、Si:断面積(m2)、Ti:ガス温度(℃)、Pi:送風圧力から送風管の配管圧損を差し引いた圧力(kg/m2)、である。なお、上記式(5)の左辺では、ボッシュガス量Vboshを「60」で除しているため、左辺と右辺の単位は釣り合う。
従って、式(4)から、流動開始速度Umfを求めた後、この流動開始速度Umf未満となるUi(例えば、流動開始速度Umfの80%以上100%未満)を式(5)に代入して、ボッシュガス量Vboshを求め、式(6)により限界送風量を決定する。
Vbosh=BV×1.21+(FVO2/60)×2+BV×BM×(22.4/18)×2 ・・・(6)
ここで、BV:限界送風量(Nm3/分)、FVO2:酸素富化量(Nm3/時間)、BM:送風湿分添加率(g/Nm3)、である。
しかし、炉内の断面積Siを、朝顔部15と炉芯コークス16の傾斜角度を考慮した値とすることもできる。この場合、コークスは、朝顔部15と炉芯コークス16に近づくに伴って、その高さ位置が高くなる(傾斜角度が大きくなる)傾向にあるが、コークスの安息角は30度であるため、この傾斜角度を超えて高くなることはない。そこで、差指13の位置を起点とし、傾斜角度30度で朝顔部15と接触する位置での水平状態の断面積S2を求め、この断面積S2と差指13の位置の断面積S1を、それぞれ式(5)に代入して、限界送風量を求めその平均値を求める。なお、差指13の炉径方向の位置は、炉腹の半径をRとした場合、炉中心から0.4R〜0.7Rの範囲内である。
ここで、5000m3級の高炉を使用して吹卸し操業を行うに際し、装入物中のコークスの消費速度と装入物の減尺速度との関係を検討し、吹卸し操業に要する時間を調査した結果について、図4を参照しながら説明する。
なお、図4中の発明例は、高炉の朝顔部の上端位置で、空気の送風量を限界送風量以下に切り替えた結果であり、従来例1、2は、内容積が若干異なるが5000m3級の2つの高炉について、それぞれ空気の送風量を途中で切り替えることなく、従来法のように、最後までF値に基づいて行った結果である。
また、発明例での切り替え後の空気の送風量の算出に際しては、前記した式(4)と式(5)を使用しているが、式(4)中の粒径Dpiに0.05(m)、コークス密度ρiに550(kg/m3)、ガス密度ρgasに1.201(kg/m3)を、それぞれ用い、式(5)中の装入物の空隙率εに0.55を用いた。
なお、送風量は、送風本管又は送風支管に設けた流量計で測定した。
ηCO=(炉頂ガスCO2濃度)/{(炉頂ガスCO濃度)+(炉頂ガスCO2濃度)}×100
上記式中の炉頂ガスCO2と炉頂ガスCOの濃度の単位は、それぞれ容量%である。
還元燃焼(C+1/2O2→CO)は酸化燃焼(C+O2→CO2)に対して、同一の酸素量に対して2倍のコークス(炭素C)を消費できるため、コークスの効率的な消費(減尺)が可能となる。つまり、ηCOが低い値であればコークスの還元燃焼が増え、コークスの消費速度と減尺速度の向上が図れ、その結果、吹卸し操業に要する時間の短縮が図れることになる。なお、ガスの各成分濃度は、炉頂に設置したガスクロマトグラフィーで測定した。
一方、発明例では、減尺率95%まで、ηCOを継続的に低減できることが確認された。これは、空気の吹き抜けやコークスの流動化を抑制して、コークスの還元燃焼を更に増やすことができたことによる。なお、減尺率100%は、羽口の上端位置に相当する位置である。
以上のことから、羽口から吹き込む空気の送風量を、F値制約の値からUmf制約の値に切り替えることで、空気の吹き抜けやコークスの流動化(炉頂及び炉壁に設けた圧力計で推定)を抑制して、コークスの消費速度と装入物の減尺速度の向上を図り、吹卸し操業に要する時間を従来よりも短縮できることを確認できた。
以上の方法により、吹卸し操業が終了するため、更に、炉内を冷却した後、高炉の改修や工事などを行う。
まず、5000m3級の高炉について、前記した式(1)〜式(3)を使用してF値制約の送風量を求め、前記した式(4)〜式(6)を使用してUmf値制約の限界送風量を求めた。なお、空気の送風量の算出に際しては、前記した図4で用いた値と同じ値を使用した。
この結果を、図5に示す。
そして、得られた図5の結果に基づき、減尺される装入物の上面が、高炉の朝顔部の上端(装入物の減尺率:80%)に達したときに、羽口から吹き込む空気の送風量を、F値制約の値からUmf値制約の限界送風量以下に切り替えた。
この送風量は、送風本管又は送風支管に設けた流量計で測定した。
その結果、本発明の高炉の吹卸し操業方法を適用することで、空気の吹き抜けやコークスの流動化を抑制して、コークスの消費速度と装入物の減尺速度の向上が図れ、吹卸し操業に要する時間を従来よりも短縮できることを確認できた。
Claims (2)
- 高炉を吹き止め、該高炉の羽口から空気を送風して、該高炉炉内の装入物を減尺する高炉の吹卸し操業方法において、
前記羽口から吹き込まれる空気が、前記高炉の朝顔部において吹き抜けることを防止可能な限界送風量を、コークスの流動開始速度を用いて予め求め、減尺される前記装入物の上面が、前記高炉の炉腹部の下部から前記朝顔部の上部の領域に達したときに、前記羽口から吹き込む空気の送風量を、該羽口から吹き込む空気の浮力と前記装入物の重量との釣り合いから得られる送風量から、前記限界送風量以下かつ該限界送風量の70%以上に切り替えることを特徴とする高炉の吹卸し操業方法。 - 請求項1記載の高炉の吹卸し操業方法において、前記領域は、前記朝顔部の上端位置を基準として、前記高炉の炉口から前記羽口までの距離Dの−0.1倍以上0.1倍以下の範囲であることを特徴とする高炉の吹卸し操業方法。
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