JP2023177114A - 高炉の操業方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炉内の圧力損失を低減しながら、CO2の削減効果をより高めることができる高炉の操業方法を提供する。【解決手段】高炉原料である鉱石とコークスとを交互に装入する高炉の操業方法であって、高炉の炉径を1とする高炉無次元半径0以上0.2未満の領域を第1の炉径領域、高炉無次元半径0.2以上1以下の領域を第2の炉径領域と定義し、高炉に装入されるコークス及び鉱石の重量比(O/C)を1に置換した無次元O/Cにて、前記第1の炉径領域及び前記第2の炉径領域の各炉径位置におけるO/Cを表したとき、前記第1の炉径領域の各炉径位置における無次元O/Cが0.00以上となり、かつ、前記第2の炉径領域の各炉径位置における無次元O/Cの最大値と最小値の差が0.35以内となるように高炉原料装入を行い、水素ガス吹込量を75(Nm3/t)以上とする吹込み条件にて、羽口から水素系還元ガスを吹き込む。【選択図】図2b

Description

本発明は、高炉原料である鉱石とコークスとを交互に装入する高炉の操業方法に関するものである。
高炉操業では、炉内に装入された鉱石を昇温させ、炉内の鉱石を還元するためにコークスや微粉炭などの還元材が使用される。銑鉄の製造時に排出されるCOを削減する手法として、還元材比(溶銑1トン当たりの還元材重量)を低減させることが有効である。還元材比を低減させるためには、炉内の還元効率を上げる必要がある。炉内で生じる還元反応の中でも、化学式:FeO+C→Fe+COで表される還元反応(直接還元)は、吸熱量の大きい吸熱反応であり、炉内還元効率の向上には、この吸熱反応を抑制することが重要である。
ここで、上述の直接還元反応は、溶融した鉱石がコークスと直接接触することで生じる還元反応であるため、主に炉下部で反応が生じる。そのため、溶融した鉱石が炉下部に到達するまでに、H等を含む水素系還元ガスによって十分に鉱石を還元することによって、コークスと接触する未還元鉱石の鉱石量が減少し、直接還元反応を抑制することができる。
従来、炉下部に設けられた羽口から水素系還元ガス(COG、天然ガス、都市ガス等のCやHを含有するガス)を吹き込むことにより、直接還元反応を抑制する技術が提案されている。特許文献1には、固体還元材とともに、H/C(水素と炭素のモル比)が1.5以上の気体還元材を吹き込む高炉操業方法が開示されている。
特許第4984396号公報
特許文献1に開示されている通り、羽口から水素ガスを吹き込むことによって、炉内の圧力損失を低減させることができる。しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、炉内の圧力損失を低減できるものの、COの削減量については課題があった。
上記問題点に鑑み、本発明は、炉内の圧力損失を低減しながら、COの削減効果をより高めることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る高炉の操業方法は、(1) 高炉原料である鉱石とコークスとを交互に装入する高炉の操業方法であって、高炉の炉径を1とする高炉無次元半径0以上0.2未満の領域を第1の炉径領域、高炉無次元半径0.2以上1以下の領域を第2の炉径領域と定義し、高炉に装入されるコークス及び鉱石の重量比(O/C)を1に置換した無次元O/Cにて、前記第1の炉径領域及び前記第2の炉径領域の各炉径位置における前記の重量比(O/C)を表したとき、前記第1の炉径領域の各炉径位置における無次元O/Cが0.00以上となり、かつ、前記第2の炉径領域の各炉径位置における無次元O/Cの最大値と最小値の差が0.35以内となるように、高炉原料の装入を行い、水素ガス吹込量を75(Nm3/t)以上とする吹込み条件にて、羽口から水素系還元ガスを吹き込むことを特徴とする。
(2)前記第1の炉径領域の各炉径位置における無次元O/Cが0.00超となるように高炉原料の装入を行うことを特徴とする、上記(1)に記載の高炉の操業方法。
(3)前記第2の炉径領域において、前記の無次元O/Cの最大値と最小値の差は0.20以下であることを特徴とする、上記(2)に記載の高炉の操業方法。
(4)前記第2の炉径領域において、前記の無次元O/Cの最大値と最小値の差は0.00超であり、最大値は1.00超であることを特徴とする、上記(3)に記載の高炉の操業方法。
(5)前記第2の炉径領域における無次元O/Cが0.95以上1.3以下となるように、高炉原料の装入を行うことを特徴とする、上記(1)に記載の高炉の操業方法。
本発明によれば、炉内の圧力損失を低減しながら、COの削減効果をより高めることができる。
高炉(ベルレス式高炉)の概略図である。 実施例1の装入物分布条件である。 実施例2の装入物分布条件である。 実施例3の装入物分布条件である。 実施例4の装入物分布条件である。 実施例5の装入物分布条件である。 比較例の装入物分布条件である。 従来操業の装入物分布条件である。 図2g、図2aに示す「従来操業」及び「実施例1」での、水素ガス吹込み量を種々変更した場合における炉内圧力損失の変化を示す。 図2g、図2aに示す「従来操業」及び「実施例1」での、水素ガス吹込み量を種々変更した場合における炉内COガス利用率の変化を示す。 図2g、図2aに示す「従来操業」及び「実施例1」での、水素ガス吹込み量を種々変更した場合における炉内Hガス利用率の変化を示す。 図2g、図2aに示す「従来操業」及び「実施例1」での、水素ガス吹込み量を種々変更した場合における炭素削減効果の変化を示す。 図2a~図2gに示す「従来操業」、「実施例1」~「実施例5」及び「比較例」について、水素ガス吹込み量を200(Nm3/t)に固定した場合における、それぞれの圧力損失低減効果(kPa)を示す。 図2a~図2gに示す「従来操業」、「実施例1」~「実施例5」及び「比較例」について、水素ガス吹込み量を200(Nm3/t)に固定した場合における、それぞれの炭素削減効果(%)を示す。
図1は、本発明の一実施形態である高炉の操業方法に用いられる高炉の概略図である。高炉1は、ベルレス式の高炉であり、羽口2と、環状管3と、ブローパイプ4と、旋回シュート5とを備える。羽口2は、高炉1の炉周方向に沿って、炉下部に複数設けられている。環状管3は高炉1の下部を包囲するように配設されている。ブローパイプ4は環状管3の周方向に間欠的に設けられるとともに、それぞれが異なる羽口2に接続されている。
旋回シュート5は、上下方向に延びる軸周りに回転し、高炉原料である鉱石及びコークスを、炉内に交互に層状に装入して、鉱石層とコークス層を形成する。鉱石及びコークスはそれぞれ複数回に分けて装入してもよいし、それぞれ1回で装入してもよい。鉱石には焼結鉱、ペレット、塊鉱石、非焼成含炭塊成鉱を用いることができる。また、鉱石には、小塊コークス等の還元補助剤が含まれ得る。コークスには、フェロコークスが含まれてもよい。旋回シュート6のノッチ等の駆動条件を制御することによって、後述する所望の層構造が実現される。なお、本発明は、旋回シュートを有しないベル式高炉にも適用することができる。
(本発明の経緯)
前述の所望の層構造について説明する前に、本発明の創作経緯について説明する。なお、本明細書において「(高炉内の)圧力損失」とは、羽口2の先端における圧力と、高炉1の炉頂における圧力と、の差であり、送風機(不図示)から羽口2の先端に至るまでの配管圧損を除いた値である。圧力損失は、実炉をシミュレートするための高炉数学モデル(具体例には実施例参照)を用いた場合、ergun式により算出され、実炉の場合、炉壁部に設置された圧力計により測定される。
高炉の羽口から吹き込む還元ガスとして水素系還元ガスを用いることにより、(1)水素ガスが低密度かつ低粘度であること、(2)還元ガスのポテンシャルが向上してボッシュガス量が低減できること、(3)融着帯での鉱石の溶け落ち性状が改善すること、(4)ソルロスカーボン量の低下によってコークス粉化量が低減すること、などに起因して、高炉内の圧力損失を低減することができる。
すなわち、炉内に水素系還元ガスを多量に吹込むことにより、炉内の圧力損失を低減することができる。ただし、従来の高炉操業では、高炉内の圧力損失を低減するために、炉中心部に鉱石を装入しない操業方法(すなわち、コークスのみが堆積したコークス単独層を炉中心部に積層させる操業方法、以下「コークス単独層形成操業」とも称す)を採用している。そこで、本発明者らは、新規な高炉の操業方法を発明するにあたり、圧力損失を、ベース操業(コークス単独層形成操業において、水素ガス吹込み量を0(Nm3/t)とした操業)と比較して同等以下とする必要があると考えた。なお、水素ガス吹込み量は、溶銑1トンを製造するのに必要な水素の吹込量(Nm3)のことである。
一方、近年の地球温暖化の深刻化に伴い、温室効果ガスとして最も温暖化への影響が大きいCO2の排出量を削減することが、高炉操業においても求められている。高炉操業においてCO2の排出量を削減するためには、炭素消費原単位(溶銑1tあたりの炭素消費量)を削減することが有効である。
そこで、本発明者らは、圧力損失をベース操業と同等以下に抑えながら、炭素削減効果を更に高める高炉の操業方法について鋭意検討し、以下の(A)及び(B)を満足する高炉の操業方法を知見した。
(A)について
高炉無次元半径:0以上0.2未満の領域(第1の炉径領域)の各炉径位置における無次元O/Cが0.00以上となるように、鉱石及びコークスを装入する。高炉無次元半径とは、高炉の炉径(炉半径)を1に変換した無次元半径のことである。
すなわち、第1の炉径領域では、鉱石及びコークスの層構造は限定されない。第1の炉径領域に堆積される高炉原料の層構造は、炉径方向全体に亘って鉱石層及びコークス層が上下に積層された二層構造としてもよいし、一部がコークスのみからなるコークス単独層、残部が前記の二層構造からなる層構造としてもよいし、鉱石のみからなる鉱石単独層としてもよい。
なお、上記構成(A)のように、第1の炉径領域の各炉径位置における無次元O/Cが0.00以上となるような装入方法としては、例えば、鉱石とコークスとを所定量秤量したバッチを別途設け、該バッチを第1の炉径領域に装入する方法を用いることができるが、これに限られない。
(B)について
高炉無次元半径:0.2以上1以下の領域(第2の炉径領域)において、炉径方向におけるO/Cのバラツキが小さくなるように、鉱石及びコークスを装入する。
具体的には、炉頂から高炉に装入される鉱石及びコークスの重量比(O/C)を1に置換した無次元O/Cにて、第2の炉径領域の各炉径位置におけるO/Cを表したとき、各炉径位置における無次元O/Cの最大値と最小値の差が0.35以内となるように高炉原料装入を行う。0.35を超過すると、炉径方向において還元ガスの偏りが大きくなり、炭素削減効果が不十分となる。好ましくは、第2の炉径領域の各炉径位置における無次元O/Cの最大値と最小値の差は、0.2以下とする。
例えば、鉱石を1回、コークスを1回で装入する2ダンプ装入を行う場合には、これらの鉱石及びコークスの重量比(O/C)を1に置換した無次元O/Cに基づき、各炉径位置におけるO/Cが無次元O/Cとして表される。炉頂から高炉に装入される鉱石及びコークスの重量比は、高炉の炉頂ホッパーに搬送される鉱石及びコークスの重量を予め計測しておくことによって、求めることができる。鉱石の中に非焼成含炭塊成鉱等炭素を含む鉱石が含まれている場合には、非焼成含炭塊成鉱を鉱石成分とコークス成分に案分して重量比を求めてもよい。同様に、コークスの中にフェロコークス等鉱石成分を含むコークスが含まれている場合には、フェロコークスを鉱石成分とコークス成分に案分して重量比を求めてもよい。
上記構成(B)によれば、炉径方向において無次元O/Cが偏ることによって還元ガスの流れが不均一となることを抑制できる。そのため、還元ガスがより有効利用されて還元効率が向上し、炭素削減効果を高めることができる。
第2の炉径領域における無次元O/Cの最大値及び最小値は特に限定しないが、例えば、最大値を1.3以下、最小値を0.95以上に設定することが望ましい。すなわち、第2の炉径領域における無次元O/Cが0.95以上1.3以下となるように、鉱石及びコークスを装入することが望ましい。
なお、上記構成(B)のように、第2の炉径領域において、炉径方向における無次元O/Cのバラツキを小さくする装入方法としては、例えば、数値計算や模型実験などによって予め無次元O/Cのバラツキの傾向を把握して鉱石及びコークスの装入量を適宜調整する方法や、操業時に計測しているプロフィールメーターの測定結果に基づいて鉱石とコークスの存在分布を把握し、その結果を無次元O/Cに換算して、鉱石及びコークスの装入量を適宜調整する方法などを用いることができるが、これに限られない。
(C)について
高炉1の羽口2から、水素系還元ガスの多量吹込みを行う。
水素系還元ガスは、水素ガスそのものであってもよいし、水素ガスを含有するCOG、天然ガス、都市ガス等であってもよい。水素系還元ガスの吹込み量は、水素ガス吹込み量相当で、75(Nm3/pig-ton)以上である。上記の構成(A)及び(B)を満足する条件下で、構成(C)の水素系還元ガスの多量吹込みを行うことによって、圧力損失をベース操業と同等以下に抑えながら、炭素削減効果を更に高めることができる。
上記(A)~(C)を満足する高炉の操業方法は、第1の炉径領域の各炉径位置における無次元O/Cに関し、(A)に代えて、以下の(A´)を満足することが好ましい。
(A´)について
高炉無次元半径:0以上0.2未満の領域(第1の炉径領域)の各炉径位置における無次元O/Cが0.00超となるように、鉱石及びコークスを装入する。
第1の炉径領域に堆積される高炉原料の層構造は、炉径方向全体に亘って鉱石層及びコークス層が上下に積層された二層構造としてもよいし、鉱石のみからなる鉱石単独層としてもよい。
なお、上記構成(A´)のように、第1の炉径領域の各炉径位置における無次元O/Cが0.00超となるような装入方法については、(A)において記載した方法と同様の為、説明を省略する。
実施例を示して、本発明について詳細に説明する。
(実施例)
炉内に堆積する装入物の分布条件及び羽口から吹き込む水素ガスの吹込量を種々変更して、炉内の圧力損失及び炭素削減効果に与える影響について、高炉数学モデルによるシミュレーションを行った。還元ガスは、水素ガスとした。本実施例等で想定した装入物分布条件を、図2a~図2gに示す。図2a~図2gにおいて、縦軸は無次元O/C(-)であり、横軸は無次元半径位置(-)である。「無次元O/C」及び「無次元半径」の定義は既に述べたため、説明を省略する。図2a~図2dに示す「実施例1」~「実施例4」は、上述の実施形態に示す構成(A´)、(B)、(C)を満足する実施例であり、図2eに示す「実施例5」は、上述の実施形態に示す構成(A)~(C)を満足する実施例である。図2fに示す「比較例」は、上述の実施形態に示す構成(A)~(C)及び(A´)のいずれも満足しない装入物分布条件である。図2gに示す「従来操業」は、上述のコークス単独層形成操業に相当し、炉中心部にコークス単独層を形成した装入物分布である。図2aに示す「実施例1」は、無次元O/Cが1.0(炉径方向に一定)である装入物分布であり、以下、完全フラット装入ともいう。
高炉数学モデルには、Kouji TAKATANI、Takanobu INADA、Yutaka UJISAWA、「Three-dimensional Dynamic Simulator for Blast Furnace」、ISIJ International、Vol.39(1999)、No.1、p.15-22に記載のモデルを使用した。
シミュレーションの諸元を表1に示す。
(炉内圧力損失の変化について)
図2g、図2aに示す「従来操業」及び「実施例1」の装入物分布において、水素ガス吹込み量を種々変更した場合の炉内圧力損失の変化を、図3に示す。図3において、縦軸は圧力損失変化(kPa)であり、横軸は水素吹込み量(Nm3/t)である。ここで、「圧力損失変化(kPa)」は、各条件における圧力損失と、ベース操業(コークス単独層形成操業において、水素ガス吹込み量を0(Nm3/t)とした操業)における圧力損失と、の差分である。「圧力損失変化(kPa)」が0以下になると、圧力損失が低減されているものと評価できる。
図3より、完全フラット装入の場合、水素ガス吹込み量を75(Nm3/t)以上に設定することにより、圧力損失を、ベース操業と同等以下に抑制できることが分かった。
(炉内還元ガス利用率の変化について)
図2g、図2aに示す「従来操業」及び「実施例1」の装入物分布において、水素ガス吹込み量を種々変更した場合の炉内還元ガス利用率の変化を、図4及び図5に示す。図4は、炉内COガス利用率の変化を示しており、縦軸はCOガス利用率(%)、横軸は水素吹込み量(Nm3/t)である。ここで、「COガス利用率(%)」は、炉頂部から排出される高炉ガスに基づき算出される、COガス濃度をCOガス及びCOガス濃度の総和で除算した値である。図5は、炉内Hガス利用率の変化を示しており、縦軸はHガス利用率(%)、横軸は水素吹込み量(Nm3/t)である。ここで「Hガス利用率(%)」は、炉頂部から排出される高炉ガスに基づき算出される、HOガス濃度をHOガス及びHガス濃度の総和で除算した値である。
図4及び図5より、完全フラット装入を行うことで、従来操業と比べて、炉内の還元ガスをより有効に利用でき、還元効率が向上することが分かった。
(炭素削減効果の変化について)
図2g、図2aに示す「従来操業」及び「実施例1」の装入物分布において、水素ガス吹込み量を種々変更した場合の炭素削減効果の変化を、図6に示す。図6において、縦軸は炭素削減効果(%)であり、横軸は水素吹込み量(Nm3/t)である。ここで「炭素削減効果(%)」は、炭素消費原単位の削減量を指し、ベース操業(コークス単独層形成操業において、水素ガス吹込み量を0(Nm3/t)とした操業)に対するCO排出量の削減割合として算出した。
図6より、同一の水素ガス吹込み量で比較した場合、完全フラット装入を行うことで、従来操業と比べて、炭素削減効果をより高められることが分かった。
図2a~図2gに示す「従来操業」、「実施例1」~「実施例5」及び「比較例」について、水素ガス吹込み量を200(Nm3/t)に固定した場合における、それぞれの圧力損失低減効果(kPa)及び炭素削減効果(%)を、図7及び図8に示す。図7における「圧力損失低減効果(kPa)」は、図3における「圧力損失変化(kPa)」と同一の定義である。圧力損失低減効果(%)が0%以下であり、且つ炭素削減効果(%)が12%以上である場合には、「圧力損失低減効果及び炭素削減効果が共に優れる」として、「○」で評価した。圧力損失低減効果(%)が0%以下であり、且つ炭素削減効果(%)が12.8%以上である場合には、「圧力損失低減効果が優れ、炭素削減効果が特に優れる」として、「◎」で評価した。一方、炭素削減効果(%)が12%未満である場合には、「炭素削減効果が低い」として、「×」で評価した。評価結果を、表2に示す。
表2を参照して、上述の構成(A´)、(B)及び(C)を満足する実施例1~実施例4と、上述の構成(A)~(C)を満足する実施例5と、は評価が「○」以上となった。実施例2~4では、上述の構成(A´)、(B)、(C)を満足することに加え、第2の炉径領域の各炉径位置における無次元O/Cの最大値と最小値の差が0.2以下であるため、評価が「◎」となった。一方、比較例では、圧力損失を十分に低減させることができたものの、第2の炉径領域で、炉径方向における無次元O/Cの最大値と最小値の差が0.35超であるため(最小値約0.5、最大値約1.4)、炭素消費量を十分に低減することができず、評価が「×」となった。また、従来操業では、炉径方向における無次元O/Cの最大値と最小値の差が0.35超であるため(最小値約0.1、最大値約1.6)、炭素消費量を十分に低減することができず、評価が「×」となった。
1 高炉 2 羽口 3 環状管 4 ブローパイプ 5 旋回シュート

Claims (5)

  1. 高炉原料である鉱石とコークスとを交互に装入する高炉の操業方法であって、
    高炉の炉径を1とする高炉無次元半径0以上0.2未満の領域を第1の炉径領域、高炉無次元半径0.2以上1以下の領域を第2の炉径領域と定義し、
    高炉に装入されるコークス及び鉱石の重量比(O/C)を1に置換した無次元O/Cにて、前記第1の炉径領域及び前記第2の炉径領域の各炉径位置における前記の重量比(O/C)を表したとき、
    前記第1の炉径領域の各炉径位置における無次元O/Cが0.00以上となり、かつ、前記第2の炉径領域の各炉径位置における無次元O/Cの最大値と最小値の差が0.35以内となるように、高炉原料の装入を行い、
    水素ガス吹込量を75(Nm3/t)以上とする吹込み条件にて、羽口から水素系還元ガスを吹き込む
    ことを特徴とする、高炉の操業方法。
  2. 前記第1の炉径領域の各炉径位置における無次元O/Cが0.00超となるように高炉原料の装入を行うことを特徴とする、請求項1に記載の高炉の操業方法。
  3. 前記第2の炉径領域において、前記の無次元O/Cの最大値と最小値の差は0.20以下である
    ことを特徴とする、請求項2に記載の高炉の操業方法。
  4. 前記第2の炉径領域において、前記の無次元O/Cの最大値と最小値の差は0.00超であり、最大値は1.00超である
    ことを特徴とする、請求項3に記載の高炉の操業方法。
  5. 前記第2の炉径領域における無次元O/Cが0.95以上1.3以下となるように、高炉原料の装入を行う
    ことを特徴とする、請求項1に記載の高炉の操業方法。
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