JP2007254897A - 高炉の減尺操業方法 - Google Patents

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真二 松原
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敦 酒井
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Abstract

【課題】減尺操業途上において、炉内ガスの吹き抜け及び炉冷を発生させることなく、且つ炉頂ガス温度を400℃以下に抑制することを可能とする操業方法を開発し、高炉の減尺を安定状態で行なうことができる操業方法を提供すること。
【解決手段】炉内装入物レベルがストックラインから下方の所定の高さに至るまでは、高炉内への原料装入を継続しながら減尺を行ない、それよりも下方部においては原料装入を停止して減尺を行ない、原料装入継続中における減尺速度が所定の範囲内に入るように原料装入量を調整しつつ減尺し、羽口から吹き込まれる熱風の圧力損失量(ΔP)と、羽口レベルにおける圧力(WS)との比(ΔP/WS)の値が所定値以下になるよう送風流量を調整し、最終目標より所定距離だけ低いレベルまで減尺し、散水を停止すると共に原料の最終調整装入を行ない、最終目標減尺レベルまで埋め戻すことを特徴とする高炉の減尺操業方法を用いる。
【選択図】図1

Description

この発明は、高炉の吹き卸し又は炉体補修のための休風を目的とした、高炉の減尺操業方法に関するものであって、特に、減尺操業途上において、吹き抜けや炉冷を発生させず、且つ炉頂ガス温度を制御して炉頂設備及びガス清浄系設備を保護する技術に関するものである。
近年、高炉の寿命は設備技術や操業技術の進歩により大幅に延びており、10年以上稼動している大型高炉も多い。ところが、稼動年数の経過と共にシャフト下部や朝顔部のライニング厚さが減少する。そこで、シャフト部や朝顔部の内面を補修する必要があるが、その場合、この部分に原料があると補修できないので、高炉内の原料装入レベルを所定の高さまで下げ、次いで休風する。炉内の補修終了後、高炉を立ち上げるときには、再度原料を充填して立ち上げる。また、高炉の吹き卸しをし、解体修理をしようとする場合には、一つの方法として炉内容物をすべて取り出してしまう。この場合にも、高炉内の原料装入レベルを下げていく操業を行なう。このように、炉体の中間補修を行なうとき、あるいは高炉の解体修理に入るときに、高炉内の原料装入レベルを下げていく操業形態を減尺操業という。減尺操業の基本的方法は、炉頂からの原料装入を停止し、これをコークスに置換して、羽口から供給する高温送風によりコークスを燃焼させつつ、原料の装入レベルを下げ、通常、羽口レベルまでこれを下げることにある。
図2に、高炉の減尺休風状態における縦断面模式図を示す。同図において、1は炉頂、2(2a、2b、2c)は原料装入レベルが降下して減尺が進行していく様子を示すストックライン、3は吹き卸し状態における原料レベル、4は羽口、5は熱風等を炉内に羽口から供給する熱風導管、6は散水、そして7はその散水により炉内発生ガスを冷却するための散水管である。
高炉の減尺操業は、従来、例えば次のようにして行なわれる(例えば、特許文献1参照)。
先ず、コークスの増加装入を行ない、その後、原料装入を中止する。一方、羽口4からは炉内に熱風を吹き込みながらストックライン2を下げていく。この熱風送風流量は、ストックライン2の降下状況に応じて減らしていく。原料装入を中止し、熱風送風流量を減らすと減尺が進み、コークスの燃焼と炉内ガスの通りがよくなること等により、炉頂ガスの温度が上昇する。これに対して炉頂ガス温度の上昇を抑えるために、炉頂に設けた散水管7から散水6を出してガスを冷却する。ここで、炉頂ガス温度のを上限を500℃として減尺操業をしている。
ところが、炉頂ガス温度の上昇を抑制して炉頂設備及びガス清浄系設備を保護するためには、炉頂ガス温度を更に低く抑えることが望ましい。こうして、装入物レベルが所定のレベル、即ち羽口レベルまで下がると休風に入る。
特開平2−282408号公報
高炉の減尺操業においては、装入物のストックラインを下げていく過程においても、鉄鉱石は所要の予備還元が行なわれ、炉冷発生を防止しつつ溶銑の生成反応が行なわれるように操業しなければならない。従って、原料装入を中止しても、コークス装入を継続し、炉冷発生を防止する。
一方、上述したように、炉頂ガスの温度を抑制して炉頂設備及びガス清浄系設備が損傷されないように保護する必要がある。通常操業においては、炉頂ガス温度は200℃以下に制御しているものであり、最大限400℃以下に抑えることが望ましい。そこで、スプレーノズル等による炉口散水により炉頂ガス温度を抑制する方法が採られている。しかしながら、上記の通り炉頂ガス温度の上限を抑えようとする場合には、大量の散水が必要となり、スプレー散水と炉内ガスとの熱交換制御が不完全になると、高炉の下部まで水が入るという、炉内浸水事故発生の危険性がある。この場合には炉冷状態にも陥る危険性がある。炉内浸水事故発生の危険性を排除するためには、スプレー散水量を少なくした方がよいが、炉頂ガス温度の上昇抑制と相反することになる。
また、減尺操業においては装入物の層高さが低くなるので、炉内ガスの吹き抜けが発生し易くなるので、その防止対策も必要である。炉内ガスの吹き抜けが発生すると、炉頂ガス温度は急激に大きく上昇する恐れがある。
以上より、この発明の課題は、減尺操業途上において、炉内ガスの吹き抜け及び炉冷を発生させることなく、且つ炉頂ガス温度を400℃以下に抑制することを可能とする操業方法を開発することにある。かくしてこの発明の目的は、高炉の減尺を安定状態で行なうことができる操業方法を提供することにある。
本発明者等は、上記観点から試験研究を重ねた結果、下記知見を得た。
減尺操業途上において炉頂ガス温度の上昇を抑制するためには、炉頂からの散水が効果的であるが、その散水量をできるだけ減らして、炉内浸水事故発生の危険性を排除すると共に、散水量を減らした分に相当する炉内ガス顕熱の抜熱媒体の代替手段を必要とする。このための有効な手段としては、減尺操業開始の前半期において、原料装入を漸次減らしていき、原料装入を完全には停止せずに継続させることにより、装入原料による吸熱効果を利用すること、及びその原料装入の漸次低減条件を適切に設定することにより、所期の目的が達成され得ることがわかった。
また、減尺時の吹き抜け発生を防止するためには、現時点の減尺レベルを考慮して、羽口からの送風の炉内圧損を制限するように送風流量を制御することが効果的であることがわかった。
更に、炉体補修のための減尺休風をする場合には、通常、原料装入を停止したまま、炉内装入物を所定の高さまで減尺した時点で休風に入るが、送風を停止すると炉頂ガス温度が急上昇するので、炉頂からの散水を継続する。すると、減尺レベルと羽口間の距離が短いため、炉内浸水の危険性が極めて高くなる。そこで、炉内浸水防止のため、休風開始前の所定時間前に、送風圧力を減じ、散水を停止する。この場合、炉頂ガス温度が急激に上昇するので、この温度上昇を抑止するために、最終目標減尺レベルよりも所定距離だけ低いレベルまで一旦減尺し、ここで送風圧力を減じ、散水を停止すると共に、必要最少量の最終原料装入を行ない、最終目標減尺レベルまで埋め戻すことにより、炉頂ガス温度の急上昇を防止できることがわかった。
この発明は、上記知見に基づきなされたものであり、その要旨は次の通りである。
請求項1記載の高炉の減尺操業方法は、炉頂散水を行なう高炉の減尺操業において、炉内装入物レベルがストックラインから下方に、ストックラインと羽口との距離の0.3〜0.5倍の範囲内の高さに至るまでは、その高炉内への原料装入を継続しながら減尺を行ない、炉内装入物レベルがそれよりも下方部においては、原料装入を停止して減尺を行ない、そして、しかも上記原料装入継続中における減尺速度が0.8〜1.5m/hの範囲内に入るように原料装入量を調整しつつ減尺し、
羽口から吹き込まれる熱風又は酸素富化熱風の、羽口レベルから現時点における減尺レベルに至る圧力損失量(ΔP)と、現時点における炉内装入物重量による羽口レベルにおける圧力(WS )との比(ΔP/WS )の値を、炉内ガスの吹き抜け発生を防止するために予め定められた所定値以下になるよう送風流量を調整し、
最終目標減尺レベルよりも所定距離だけ低いレベルまで減尺し、次いで、散水を停止すると共に原料の最終調整装入を行ない、上記最終目標減尺レベルまで埋め戻すことに特徴を有するものである。
請求項2記載の高炉の減尺操業方法は、請求項1記載の高炉の減尺操業方法において、上記炉内ガスの吹き抜け発生を防止するために予め定められた所定値は、当該高炉の過去の操業実績における圧力損失量(ΔPpst )とそれに対応する時点での羽口レベルにおける炉内装入物重量による圧力(WS,pst )との比(ΔPpst /WS,pst )の値に基づき、過去の操業成績を勘案して定められた値であることに特徴を有するものである。
この発明によれば、高炉の吹き卸し又は炉体補修のための休風を目的として行なわれる高炉の減尺操業において、従来炉頂ガス温度を所定値以下に抑えるために行なわれている炉頂から散水冷却水を無理なく少なくし、且つ、炉頂ガス温度を安定して400℃以下に制御することができる。そして、散水不適当による炉内浸水事故、炉内ガスの吹き抜け、あるいは炉冷事故を発生させず、且つ、炉頂設備及び清浄系設備を保護することができ、安定した減尺操業を行なうことができる。このような高炉の減尺操業方法を提供することができ、工業上有用な効果がもたらされる。
本発明方法の第一の実施形態においては、減尺操業中に、炉頂ガス温度の上昇を上限目標値である400℃以下に抑えるために炉頂から散水し、この散水時に、炉内ガスとの熱交換が正常に行なわれない場合に発生する炉内浸水事故を防止すると共に、炉冷発生を防止することを目的とする。この目的のために、減尺操業の前期においては、高炉内への原料装入を一気に停止せず、装入量を減らしつつ継続させることに特徴がある。このように、減尺操業前期において、原料装入の継続期間を設ける理由は、炉頂からのスプレー散水の制御が適切でなかったり、誤ったりした場合に発生する恐れのある炉内浸水を防止することにある。そのために、散水量を減らす手段として、適切量の原料装入を継続する。
原料装入の継続期間は、高炉建設時に設定されている原料装入レベル(=SL−Om )を高さ位置のレベル基準とし、これをSL0 で表わす。このSL0 から下方向への装入物レベルの移動距離、即ち装入物レベルの降下距離で原料装入の継続期間を表わす。
但し、各種高炉に適用し得る条件とするために、SL0 から羽口レベルまでの距離(図2参照。以下、L)に対する装入物レベルのSL0 からの降下距離(以下、ΔL)の割合(ΔL/L)で表わす。本発明においては、装入物レベルがΔL=0.3L〜0.5Lの範囲内のレベルに下がるまで原料装入を継続する。このように当初所定期間、原料装入を継続するのは、炉頂からの散水量をできるだけ少なくして炉内浸水事故発生の危険性をなくすためである。ここで、ΔLを0.3より小さくすると、散水量の低減期間が短くなり、原料装入の効果が発揮されにくい。一方、ΔLを0.5Lより大きくすると、原料の溶融・還元が十分に行なわれるのに必要な時間等の条件が満たされなくなり、また、炉内ガスとの熱交換も不十分になり、原料が未還元、未溶融の状態で炉下部まで降下し、安定操業が阻害される恐れがでてくる。従って、原料装入の継続期間は、ΔL≦0.5Lを満たす範囲内に限定する必要がある。
原料装入継続期間中の減尺速度は、0.8〜1.5m/hの範囲内に調整する。作業能率低下を抑制するために減尺速度を0.8m/h以上に調整し、一方、減尺速度を大きくしすぎると、炉内散水量が増加し、本発明の方法による効果が十分に発揮できなくなる。そこで、安定した減尺操業を確保するために、1.5m/hを上限値とした。
上述したように、炉内装入物レベルが、通常操業時のストックライン(SL0)から下方に向かって、当該ストックラインと羽口との距離の0.3倍から0.5倍の範囲内の高さに至るまでは、原料装入を継続しながら減尺を行ない、炉内装入物レベルがそれよりも下方部においては、原料装入を停止して減尺を行ない、そして、しかも前記原料装入継続中における減尺速度が0.8〜1.5m/hの範囲内に入るように原料装入量を調整しつつ減尺する。
本発明方法の第二の実施形態は、減尺操業中に炉内ガスの吹き抜けを確実に防止することを目的とするものである。羽口レベルから減尺レベルに至るまでの送風圧損量(ΔP)と、羽口レベルにおける炉内装入物重量による圧力(WS )との比(ΔP/WS )の値を適正値以下に抑えて、上記目的を果たすものである。これは、羽口レベルから減尺レベルに至るまでの送風圧損量(ΔP)が大きい状態にあるほど、炉内ガスを吹き抜けさせる駆動力が大きいこと、羽口レベルにおける炉内装入物重量による圧力(WS )が小さいほど(即ち、減尺が進んだ状態ほど)、炉内ガスの吹き抜け抵抗が小さいので、容易に吹き抜けが発生し易いこと、従って、送風圧損量(ΔP)と炉内装入物重量による圧力(WS )との比であるΔP/WS の値が大きいほど、炉内ガスは吹き抜け易い。そこで、本発明においては、ΔP/WS の値の上限値を予め定めておき、これを超えないように送風流量をはじめ減尺操業要因を調整する。
炉内ガス吹き抜け防止に適切なΔP/WS の値の決め方としては、当該高炉の過去の操業において吹き抜けが発生せず、安定操業が行なわれた実績データを利用するのが望ましい。その求め方を例示する(ΔP/WS を吹き抜け係数という)。
〔1〕はじめに、圧力損失量(炉内圧損):ΔP(kg/cm2 )を求める。圧力損失量ΔPは、下記(1)式で表わされる。
ΔP=Pb −Po ・・・(1)
b :送風圧力(kg/cm2
o :炉頂圧力(kg/cm2
K :炉内通気抵抗指数(−)
一方、減尺中の炉内通気抵抗指数Kは、羽口上装入物の高さに比例するものと仮定すると、下記(2)式で表わされる。
K=(Pb 2 −Po 2 )×106 /(Vb +O2 /60)1.7 ・・・(2)
b :送風流量(Nm3 /min)
2 :酸素富化流量(Nm3 /h)
(2)式より(2)’式を導き、(2)’式を(1)式に代入して(3)式を得る。
b ={(K/106 )(Vb +O2 /60)1.7 +Po 2 1/2 ・・・(2)’
ΔP={(K/106 )(Vb +O2 /60)1.7 +Po 2 1/2 −Po ・・・(3)
一方、過去の減尺操業時のデータから、炉内通気抵抗指数Kと、減尺時装入物レベルのストックラインからの降下距離ΔLとの関係を一次式で回帰して、下記(4)式を求める。
K={(Kbase−Ktuy )/(ΔLtuy −ΔLbase)}(ΔLtuy −ΔL)+Ktuy =α−β・ΔL・・・(4)
base:減尺操業開始直前のストックラインレベルでの通気抵抗(−)
tuy :減尺操業時における羽口レベルでの通気抵抗(−)
ΔLtuy :減尺操業開始直前のストックラインから羽口までの降下距離(m)
ΔLbase:減尺操業開始直前のストックラインの、通常操業時における基準ストックラインレベルからの降下距離(m)
L :基準ストックラインから羽口までの距離(m)
α :係数(−)
β :指数(1/m)
(3)式のKに(4)式のK、並びに、過去の操業データのVb 、O2 及びPo を代入して圧力損失量ΔPを求める。なお、本発明者等が4000m3 級の高炉で求めた例によれば、
α=2.55
β=0.087(1/m)
であった。
〔2〕次に、炉内装入物重量による圧力:WS (kg/cm2 )を求める。過去の安定操業時の炉内装入物重量による羽口レベルにおける圧力:WS は、下記(5)式で表わされる。
S ={その時点における装入物レベルから羽口レベルまでの 装入物全重量(t)×103 }/{炉床面積(m3 )×104 }・・・(5)
上記(3)、(4)及び(5)式より、ΔP/WS を計算する。過去の高炉操業データに基づき検討した結果、吹き抜けを発生させないためには、ΔP/WSの値として、0.5以下であることが望ましいことがわかった。
本発明方法の第三の実施形態は、炉体補修のための減尺休風をする場合には、送風圧力を減じ、散水を停止したときの炉頂ガスの急上昇を避ける必要がある。そこで、最終目標減尺レベルよりも所定距離だけ低いレベルまで一旦減尺し、ここで送風圧力を減じ、散水を停止すると共に、最終原料装入を行ない、最終目標減尺レベルまで埋め戻すことにより、炉頂ガス温度の急上昇を防止する。
なお、高炉の減尺操業においては、上述した第一、第二及び第三の実施形態を適宜組み合わせて操業するのが効果的である。
この発明を実施例により更に説明する。
4000m3 級の高炉における減尺操業の試験の一例を説明する。図1に、減尺操業要因として、通常操業時のストックラインSL0 からの装入物の降下距離ΔL、送風流量Vb 、炉頂ガス温度TGT、及び炉頂散水量の経時変化を示す。羽口レベルは通常操業時のストックラインSL0 から24.3m下方の位置(SL−26.3m)にあり、この実施例の減尺操業に入る直前の操業では、上記ストックラインSL0 から下方約2mのレベル(SL≒2mのレベル)を装入物レベルとした操業を行なっていた。減尺の最終目標レベルは、SL=−19mであり、これは減尺操業直前のストックラインを基準とした降下距離(単に「降下距離」といい、「ΔL’」で表す)では約17mである。
減尺操業は、図1に示したように、減尺開始(当日時刻11時30分)後、17時間後(翌日4時30分)にSL=20m(ΔL’=18m)まで減尺し、次いで、SL=19mまで埋め戻した。なお、減尺中の原料装入継続により減尺速度が低下して作業能率を悪化させないために、SL=20mに達する時点まで800Nm3 /hの酸素富化をした。また、炉頂ガス圧はSL=20mまで2.50kg/cm2 の一定値に保持した。
減尺経過は、減尺レベルがSL−10m(ΔL’=8m)まで、(即ち、ストックライン〜羽口間の0.38倍)を、13回の原料分割装入により、この間の平均減尺速度として8.0m/6h=1.3m/hで降下させ、次に、この時点で原料無装入に切り替えた。原料無装入状態で、羽口レベルのSL−19mを通り越してSL−20mまで減尺した。SL−20mのレベルで送風を減圧すると共に、酸素富化をカットし、散水を停止した。直ちに、最終原料の装入を実施し、散水冷却に替わる原料装入冷却を行ない、目標であるSL−19mまで減尺レベルを上げた。こうして減尺レベルの埋め戻しを完了した時点で休風に入った。
上記減尺操業期間を通して、炉内ガスの吹き抜けを防止するために、羽口から減尺レベルに至る酸素富化熱風の圧力損失量(ΔP(kg/cm2 ))と、羽口レベルにおける炉内装入物重量による圧力(WS (kg/cm2 ))との比(ΔP/WS )の値を、0.4以下になるよう操業条件を調整した。
以上の減尺操業において、炉頂ガス温度を400℃以下に安定して抑えることができた。また、減尺操業途上において、炉頂からの散水冷却による炉内浸水事故及び炉冷事故の発生の恐れがなかったことは勿論のこと、安定した減尺操業を行なうことができ、更に、炉頂設備及び炉頂ガスの清浄系設備の損傷の恐れも一切なく操業できた。
実施例1で用いた4000m3 級の高炉における減尺操業の他の実施例において行なった、炉内ガスの吹き抜け防止例を説明する。実施例1の方法に準じた減尺操業を行なった。但し、減尺の最終目標レベルは、羽口のレベルであって、SL−24.5mであり、最終の原料装入による埋め戻し作業は実施しなかった。
主な操業条件の概要は下記の通りである。
a、前期原料装入の継続期間:SL−2mからSL−10mまでの間
b、前期原料装入の継続期中の減尺速度 : 1.3 m/h
c、送風流量:前期原料装入の継続期間 : 4700Nm3 /min
送風流量:原料無装入期間:前半〜中期: 2200Nm3 /min
送風流量:原料無装入期間:末期 :500〜1500Nm3 /min
d、酸素流量:前期原料装入の継続期間 :10000Nm3 /h
酸素流量:原料無装入期間:前半〜中期: 5000Nm3 /h
酸素流量:原料無装入期間:後期 : 0 Nm3 /h
e、送風圧力:初期から末期にかけて :3.26〜0.33(kg/cm2
f、炉頂圧力:初期から末期にかけて :2.50〜0.30(kg/cm2
g、装入物重量による羽口レベルでの圧力 :初期から末期にかけて :2.097〜0.227(kg/cm2
h、(送風圧力−炉頂圧力)/装入物重量圧力=(Pb −Po )/WS =(e−f)/g:初期から末期にかけて :0.365〜0.227
図3に、減尺レベルに対する上記hの値、即ち吹き抜け係数(ΔP/WS )の変化を示す。同図によれば、吹き抜け係数(ΔP/WS )は、減尺操業期間中常に0.40以下で制御されていることがわかる。
以上の減尺操業においては、炉内ガスの吹き抜けは発生せず、またその恐れもなかった。また、炉頂ガス温度も400℃以下に安定して抑えることができた。その他の減尺操業成績も、実施例1と同じように、減尺操業途上において、炉頂からの散水冷却による炉内浸水事故及び炉冷事故の発生の恐れはなく、安定した減尺操業を行なうことができ、更に、炉頂設備及び炉頂ガスの清浄系設備の損傷の恐れも一切なかった。
本発明の高炉の減尺操業方法における主な操業条件を示す図である。 高炉の減尺休風状態における縦断面模式図である。 減尺レベルに対する吹き抜け係数(ΔP/WS )の変化を示すグラフである。
符号の説明
1 炉頂
2、2a、2b、2c ストックライン
3 原料レベル
4 羽口
5 熱風導管
6 散水
7 散水管

Claims (2)

  1. 炉頂散水を行なう高炉の減尺操業において、炉内装入物レベルがストックラインから下方に、当該ストックラインと羽口との距離の0.3〜0.5倍の範囲内の高さに至るまでは、前記高炉内への原料装入を継続しながら減尺を行ない、炉内装入物レベルがそれよりも下方部においては、原料装入を停止して減尺を行ない、そして、しかも前記原料装入継続中における減尺速度が0.8〜1.5m/hの範囲内に入るように原料装入量を調整しつつ減尺し、
    羽口から吹き込まれる熱風又は酸素富化熱風の、羽口レベルから現時点における減尺レベルに至る圧力損失量(ΔP)と、現時点における炉内装入物重量による前記羽口レベルにおける圧力(WS )との比(ΔP/WS )の値を、吹き抜け発生を防止するために予め定められた所定値以下になるよう送風流量を調整し、
    最終目標減尺レベルよりも所定距離だけ低いレベルまで減尺し、次いで、散水を停止すると共に原料の最終調整装入を行ない、前記最終目標減尺レベルまで埋め戻すことを特徴とする、高炉の減尺操業方法。
  2. 前記吹き抜け発生を防止するために予め定められた所定値は、当該高炉の過去の操業実績における圧力損失量(ΔPpst )とそれに対応する時点での羽口レベルにおける炉内装入物重量による圧力(WS,pst )との比(ΔPpst /WS,pst )の値に基づき、過去の操業成績を勘案して定められた値である、請求項1記載の高炉の減尺操業方法。
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