JP5556649B2 - 熱間鍛造プレス成形方法及びその装置 - Google Patents
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このような熱間鍛造工程では、素材が加熱されると表面に硬質で剥離性の酸化皮膜が生じる。このような状況下で熱間鍛造プレス加工を行うと、金型の摩耗が促進されて金型寿命の低下や素材品質が悪化する等の問題が発生する。
好ましい酸化皮膜の除去方法として、水圧除去(デスケーリング)法が特許文献1に開示されている。
また、例えば、ピニオンギヤ等の小物素材を鍛造プレス加工する際に、長尺の丸棒鋼材から所定長さに切断された素材が使用されており、切断方法として鋸切断やシャー切断が採用されているが、プレス成型時に素材の切断切口の角部によって金型の成形内面に当接した際の打昏傷が生じ、この傷が成形製品の品質を低下する要因となっていた。
プレス成形加工ラインの初工程前に予備成形工程を付加し、該予備成形工程は、前記加熱素材の酸化被膜除去のためのプレス工程と、面取り工程を同時に行う工程から成り、素材供給位置に自動供給された前記加熱素材を前記予備成形工程に前進移送し、予備成形後の前記加熱素材は、前記プレス成形加工ラインの初工程に移送すべく間欠移送装置の起点位置まで後退移動することを特徴とする。
プレス成形加工ラインの初工程金型の前に予備成形金型を付加し、前記予備成形金型は、前記加熱素材の酸化被膜除去のためのプレス工程と、上下の面取り工程を同時に行う上下金型から成り、素材供給位置に自動供給された前記加熱素材を前記予備成形金型に対しベースプレート上で進退移送する送り装置を備え、該送り装置は、前記予備成形後の加熱素材を前記初工程金型に移送すべく間欠移送装置の起点位置まで後退移動することを特徴とする。
また、予備成形工程後の小物加熱素材を前記プレス成形加工ラインで使用される間欠移送装置の起点(スタート)位置まで後退移動(略半ストローク)することで、間欠移送装置の間欠移送ストロークにより初期工程から連続する自動プレス加工を行うことができる。
かかる構成によれば、予備成形金型における下金型の下面取り角度が前記初工程金型の下金型の面取り角度に合せた角度で形成されているので、初工程金型の下金型面取り成形時に金型摩耗の促進を抑制することができる。
また、面取り成形後の加熱素材下面をベースプレート上まで押上げる復帰弾力を有する排出具を備えているので、ベースプレート上への乗り移りを円滑に行うことができる。
かかる構成によれば、予備成形金型を初工程金型に比し小型に形成することで、省スペース化が図れるので前記予備成形金型を、プレス成形加工ラインの初工程金型と間欠移送装置の起点位置までの距離の略中間部位に配置することができ、初工程金型を支持するベースを利用することで支持構造を簡素化することができる。
を、4工程からなる例えば2000トンのプレス工程によりドライブピニオンを同時に成形加工するプレス成形加工ラインを備えており、プレス成形加工ラインの前方には後述する予備成形金型5が配置されている。
前記プレス成形金型8a,8b,8c,8dは、一定間隔L(例えば280mm)離間して配置されている。
この予備成形金型5は、図2(a)〜(c)に示すように、1100℃〜1230℃に加熱された円柱状のワーク2(微小素材)の上下の面取り工程と酸化被膜除去の工程を同時に行うもので、加熱時に発生する酸化被膜は上下の面取り工程時における微小成形プレスにより剥離することができる。
この場合、上金型18bの内面角度は、上金型に対する負荷が少ないので予備成形金型5で成形される面取り角度とは必ずしも合致する必要はない。
このように、排出具17によりベースプレート16上面と面一な位置まで下面が押上げられた面取りワーク2aは、送りスライダー15の移送作用によりベースプレート16上へ円滑に乗り移ることができる。
前記送りスライダー15により起点位置6に位置決め保持された前記面取りワーク2aは、間欠移送装置によりその上部を左右両側から一対の把持爪により把持されて前記送りスライダー15から取出されその直上に上昇移動する。
その後、間欠移送装置により起点位置6の直上に上昇移動した面取りワーク2aは、前記間欠移送装置の一定ストロークLによりプレス成形加工ラインの初工程金型8aの直上まで移送したのち、下降移動することで初工程金型8aの下金型18a内に装填される。
このようにして、プレス成形加工ラインにおける間欠移送装置は、面取りワーク2aを一定間隔Lで繰り返し移送する一連の移送サイクル動作が完了する。
前記熱間鍛造プレス成形方法は、熱間鍛造プレス成形装置1のプレス成形加工ライン中に定間隔で連設された複数のプレス成形金型8a,8b,8c,8d間にワーク2を1ストローク毎に間欠移送しつつプレス成形加工を行うもので、前記プレス成形加工ラインの初工程金型8aによる初工程の前に予備成形金型5により予備成形工程が実施されるようになっている。
先ず、素材供給位置4に自動供給されたワーク2は、予備成形工程を実施する予備成形金型5に前進移送して予備成形工程実施の後、前記ワーク2を間欠移送装置の起点位置6まで略半ストローク後退移動する。
次いで、初工程で成形加工されたワーク2は、間欠移送装置によりプレス成形加工ラインの次の金型8bに間欠移送されて次の工程が実施されると、以下同様に間欠移送装置の繰り返し間欠移送により順次、後工程の金型8c,8dにより成形工程が実施される。
これにより、金型摩耗促進の抑制による金型寿命の改善、並びにワーク2のエッジによる金型成型面の打昏傷を無くすことにより製品品質向上を図ることができる。
これにより、省スペース化が図れるので予備成形金型5を、プレス成形加工ラインの初工程金型8aと間欠移送装置の起点位置6までの距離Lの略中間部位(≒L/2)に配置することができるので、初工程金型を支持するベース19を利用することで予備成形金型5の支持構造を簡素化することができる。
2 ワーク(小物加熱素材)
2a 面取りワーク(面取り工程後の小物加熱素材)
4 素材供給位置
5 予備成形金型
6 起点位置
8a プレス成形加工ラインの初工程金型
10a 予備成形工程における下金型
14 2段送り装置(送り装置)
16 ベースプレート
17 排出具
19 ベース
Claims (4)
- 搬送ライン中に定間隔で連設された複数の上下金型間に小物の加熱素材を1ストローク毎に間欠移送しつつプレス成形加工を行う熱間鍛造プレス成形方法において、
プレス成形加工ラインの初工程前に予備成形工程を付加し、該予備成形工程は、前記加熱素材の酸化被膜除去のためのプレス工程と、面取り工程を同時に行う工程から成り、
素材供給位置に自動供給された前記加熱素材を前記予備成形工程に前進移送し、予備成形後の前記加熱素材は、前記プレス成形加工ラインの初工程に移送すべく間欠移送装置の起点位置まで後退移動することを特徴とする熱間鍛造プレス成形方法。 - 搬送ライン中に定間隔で連設された複数の上下金型間に小物の加熱素材を1ストローク毎に間欠移送しつつプレス成形加工を行う熱間鍛造プレス成形装置において、
プレス成形加工ラインの初工程金型の前に予備成形金型を付加し、
前記予備成形金型は、前記加熱素材の酸化被膜除去のためのプレス工程と、上下の面取り工程を同時に行う上下金型から成り、
素材供給位置に自動供給された前記加熱素材を前記予備成形金型に対しベースプレート上で進退移送する送り装置を備え、該送り装置は、前記予備成形後の加熱素材を前記初工程金型に移送すべく間欠移送装置の起点位置まで後退移動することを特徴とする熱間鍛造プレス成形装置。 - 前記予備成形金型における下金型は、下面取り角度が前記初工程の下金型の面取り角度に合せた角度で形成されると共に、前記下金型の中央空間には面取り工程後の加熱素材下面を前記ベースプレート上まで押上げる復帰弾力を有する排出具を備えていることを特徴とする請求項2に記載の熱間鍛造プレス成形装置。
- 前記予備成形金型は、前記初工程金型に比し小型に形成されていることを特徴とする請求項2または3の何れかに記載の熱間鍛造プレス成形装置。
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