JP5556585B2 - 腐食試験装置及び腐食試験方法 - Google Patents

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本発明は、腐食試験装置及び腐食試験方法に係り、特に、放射性廃棄物処分容器の表面に設けられるチタン層の耐食性を評価する腐食試験装置及び腐食試験方法に関する。
使用済み燃料の再処理工程で排出される高レベル放射性廃棄物(HLW廃棄物)や長半減期低発熱放射性廃棄物(TRU廃棄物)等を深地層中に埋設して地層処分することが検討されている。HLW廃棄物やTRU廃棄物は、金属製の放射性廃棄物処分容器に収納されて深地層中に埋設処分される。放射性廃棄物処分容器は、その周囲に緩衝材(けい砂を含む圧縮ベントナイト等)が設けられてコンクリート内部に設置される。
深地層中の地下環境は酸素のない還元性雰囲気であるが、放射性廃棄物処分容器の処分施工中に地上から大気が取り込まれるため、処分期間初期は酸化性雰囲気にある。取り込まれた大気の拡散等で酸素が消費尽くされた後は、放射性廃棄物処分容器は、長期間にわたって酸素のない還元性雰囲気に曝される。また、放射性廃棄物処分容器は、地下水がコンクリートを透過して浸み出したコンクリート透過溶液にも曝される。このようなコンクリート透過溶液は、Na,K、Caなどのアルカリ成分を含むことにより形成されたアルカリ性水溶液である。
例えば、TRU廃棄物は、チタン材を耐食層として強度層である炭素鋼の周囲に設けた複合型の放射性廃棄物処分容器に収納される。放射性廃棄物処分容器は還元性雰囲気及びコンクリート透過溶液に曝されるので、チタン材で形成された耐食層の表面では、カソード反応により水素ガスが発生する。その結果、チタン材で形成された耐食層に水素化物層の形成と破壊とが繰り返し生じて腐食割れ等が発生する可能性がある。そのため、放射性廃棄物処分容器の耐食性について評価することが行われている。
特許文献1には、原子力施設から発生する放射性廃棄物の埋設処分において使用する廃棄物処分容器腐食モニタリング装置及びモニタリング方法が記載されており、廃棄物処分容器の外表面に容器本体と絶縁し電気化学センサーとなる金属電極を設置し、この金属電極と廃棄物処分容器間の電気化学信号を検出し、廃棄物処分容器外部の腐食環境及び容器の腐食速度をモニタしている。
特開2008−202972号公報
ところで、放射性廃棄物処分容器の表面に設けられるチタン層の耐食性評価は、一般的に、試験セルに入れた腐食液中にチタン材で形成された試験片を大気圧中で浸漬させた状態で、例えば、試験片に一定の荷重を付与して腐食を評価する応力腐食割れ試験等で行われている。このような腐食試験方法では、試験片サイズが腐食試験装置の試験セルサイズに制約されて小さくなるので、評価結果にばらつきが生じやすく耐食性評価の信頼性が低下する可能性がある。
そこで、本発明の目的は、放射性廃棄物処分容器の表面に設けられるチタン層の耐食性評価の信頼性をより向上させた腐食試験装置及び腐食試験方法を提供することである。
本発明に係る腐食試験装置は、放射性廃棄物処分容器の表面に設けられるチタン層の耐食性を評価する腐食試験装置であって、チタン材で形成され、アルカリ性水溶液を入れる被試験容器と、前記被試験容器を試験温度に加熱する加熱手段と、前記被試験容器内を排気して減圧する排気手段と、前記被試験容器内の圧力を測定する圧力測定手段と、前記被試験容器に入れた前記アルカリ性水溶液の溶存酸素濃度を検出する溶存酸素濃度検出手段と、を備え、前記加熱手段で前記試験温度に加熱され、前記排気手段で減圧された前記アルカリ性水溶液を入れた被試験容器内の圧力を前記圧力測定手段で測定し、前記試験温度に加熱されたアルカリ性水溶液の溶存酸素濃度を前記溶存酸素濃度検出手段で検出することを特徴とする。
本発明に係る腐食試験装置において、前記溶存酸素濃度検出手段は、前記アルカリ性水溶液に浸漬され、前記チタン材で形成されたチタン電極と、前記アルカリ性水溶液に浸漬された参照電極と、前記チタン電極と前記参照電極との間の電位差を計測する電位計測器と、を有し、前記チタン電極の自然電位を計測して前記アルカリ性水溶液の溶存酸素濃度を検出することが好ましい。
本発明に係る腐食試験装置は、前記チタン電極の自然電位と予め設定された閾値とを比較して、前記被試験容器における腐食割れの有無を判定する判定部を有することが好ましい。
本発明に係る腐食試験装置は、前記圧力測定手段で測定された圧力から前記被試験容器内の圧力上昇速度を算出する計算処理部と、前記圧力上昇速度と予め設定された閾値とを比較して、前記被試験容器における腐食割れの有無を判定する判定部と、を有することが好ましい。
本発明に係る腐食試験装置において、前記被試験容器は、有底で筒状に形成され、前記アルカリ性水溶液を入れる容器本体と、前記容器本体の開口を覆う蓋体と、を有し、前記圧力測定手段は、前記容器本体と前記蓋体とに挟持され、前記容器本体内の圧力により変形するダイアフラムと、前記蓋体に設けられた貫通孔に挿入され、前記ダイアフラムに一端が当接して前記ダイアフラムの変形に追従して軸方向に変位する変位ロッドと、を有することが好ましい。
本発明に係る腐食試験方法は、放射性廃棄物処分容器の表面に設けられるチタン層の耐食性を評価する腐食試験方法であって、チタン材で形成された被試験容器にアルカリ性水溶液を注入する工程と、前記アルカリ性水溶液を入れた被試験容器内を排気して減圧する工程と、前記減圧された被試験容器を試験温度まで加熱する工程と、前記試験温度に加熱された被試験容器内の圧力を測定すると共に、前記試験温度に加熱されたアルカリ性水溶液の溶存酸素濃度を検出する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る腐食試験方法は、前記被試験容器内に前記チタン材で形成されたチタン電極と、参照電極とを配置する工程を有し、前記アルカリ性水溶液を注入する工程は、前記チタン電極と前記参照電極とが浸漬されるように前記アルカリ性水溶液を注入し、前記アルカリ性水溶液の溶存酸素濃度は、前記チタン電極と前記参照電極との電位差から前記チタン電極の自然電位を計測して検出されることが好ましい。
本発明に係る腐食試験方法は、前記チタン電極の自然電位と予め設定された閾値とを比較して、前記被試験容器における腐食割れの有無を判定する工程を有することが好ましい。
本発明に係る腐食試験方法は、前記圧力から前記被試験容器内の圧力上昇速度を算出する工程と、前記被試験容器内の圧力上昇速度と予め設定された閾値とを比較して、前記被試験容器における腐食割れの有無を判定する工程と、を有することが好ましい。
上記構成の腐食試験装置及び腐食試験方法によれば、被試験容器の大きさが応力腐食割れ試験等で使用される試験セルサイズに制約されることがないので、放射性廃棄物処分容器の表面に設けられるチタン層の耐食性評価の信頼性がより向上する。
本発明の実施の形態において、放射性廃棄物処分容器の腐食試験装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態において、他の圧力計測手段の構成を示す図である。 本発明の実施の形態において、参照電極における他の配置方法を示す図である。 本発明の実施の形態において、曲げ冶具の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態において、制御手段の構成を示す図である。 本発明の実施の形態において、腐食試験方法のフローチャートである。 本発明の実施の形態において、チタン電極における自然電位の経過時間に対する変化を示すグラフである。
以下に、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、腐食試験装置10の構成を示す図である。腐食試験装置10は、放射性廃棄物処分容器の表面に設けられたチタン層の耐食性を評価する試験装置である。
被試験容器12は、有底で筒状に形成され、アルカリ性水溶液13を入れる容器本体14と、容器本体14の開口側に取り付けられる平板状の蓋体15と、を有している。容器本体14は、筒状に形成された胴部14aと、平板状の底部14bとに分割されて形成されている。容器本体14の胴部14aにおける長手方向の両端には、長手方向に対して側方へ突出したフランジ16が設けられている。フランジ16には、胴部14aと蓋体15との間と、胴部14aと底部14bとの間を各々シールするためのOリング等のシール部材17を嵌めこむ嵌合溝18が設けられている。胴部14aと蓋体15及び胴部14aと底部14bは、各々ボルト19等で締結される。なお、胴部14aと底部14bとは、溶接等で一体的に形成されてもよい。
容器本体14と蓋体15とは、放射性廃棄物処分容器の表面に設けられたチタン層の耐食性を評価するためにチタン材で形成されている。チタン材には、放射性廃棄物処分容器に設けられる耐食層として使用されるTi−Gr.1(工業用純チタン)、Ti−Gr.7(Ti−0.15〜0.2%Pd)、Ti−Gr.17(Ti−0.06%Pd)等が用いられる。容器本体14の胴部14aは、例えば、板厚が約6mmのチタン薄板を用いて、内径が約150mm、内容量が約1リットルとなるように円筒状に曲げ加工し、長手方向を溶接して形成される。被試験容器12の成形には、一般的なチタン材の機械加工、塑性加工、溶接加工等を用いることができる。
容器本体14または蓋体15には、後述する排気管30bを挿入する排気管挿入孔20と、後述する圧力計32a、熱電対42、チタン電極44a及び参照電極44bを取り付ける圧力計取り付け部21と、熱電対取り付け部22と、電極取り付け部23とが各々設けられる。
排気管挿入孔20と、熱電対取り付け部22と、電極取り付け部23とは、気密性を向上させるため容器本体14の底部14bに設けられることが好ましい。排気管挿入孔20の周りには、後述する排気管30bを挿入したときに気密性を確保するために図示されないシール材が設けられている。熱電対取り付け部22と、電極取り付け部23とは、気密性を有するようにして、例えば、コネクタ等で形成されている。圧力計取り付け部21は、後述する圧力計32aで被試験容器12内の圧力を測定するため、蓋体15に気密性を有するようにして設けられることが好ましい。
被試験容器12には、アルカリ性水溶液13が腐食液として注入される。放射性廃棄物処分容器は、地下埋設処分環境でコンクリート透過溶液等のアルカリ性水溶液13に曝露されるからである。また、放射性廃棄物処分容器が埋設される実環境により近づけるため、アルカリ性水溶液13中にベントナイトやけい砂等を混合させてもよい。
ヒータ26aは、容器本体14における胴部14aの周りに配置され、被試験容器12を加熱する加熱手段26としての機能を有している。ヒータ26aは、アルカリ性水溶液13を入れた被試験容器12を試験温度まで加熱する能力を有している。ヒータ26aは、放射性廃棄物処分容器の埋設処分環境温度、例えば、80℃にアルカリ性水溶液13を入れた被試験容器12を加熱することができる。ヒータ26aには、一般的な加熱用コイル等が用いられる。また、加熱手段26として恒温槽を使用して、恒温槽の中に被試験容器12を配置して加熱してもよい。
真空ポンプ30aは、底部14bの排気管挿入孔20を通って被試験容器12内へ設けられた排気管30bと開閉弁30cを介して接続され、被試験容器12内を排気して減圧する排気手段30としての機能を有している。真空ポンプ30aを作動させることにより被試験容器12内が排気されて減圧され、アルカリ性水溶液13中に含まれる溶存酸素を除去することができる。排気管30bは、アルカリ性水溶液13の排出を抑えるため、排気口30dがアルカリ性水溶液13の液面より上方となるように設けられる。真空ポンプ30aには、一般的な油回転真空ポンプ等が用いられる。
圧力計32aは、蓋体15の圧力計取り付け部21に取り付けられ、被試験容器12内の圧力を測定する圧力測定手段32としての機能を有している。圧力計32aには、一般的な圧力ゲージ等を用いることができる。
図2は、他の圧力測定手段40の構成を示す図であり、図2(a)は、被試験容器12内が減圧されていない状態を示す図であり、図2(b)は、被試験容器12内が減圧されている状態を示す図である。圧力測定手段40は、容器本体14の胴部14aと、蓋体15とに挟持されて被試験容器12内の圧力により変形するダイアフラム40aと、ダイアフラム40aに一端が当接してダイアフラム40aの変形に追従して軸方向に変位する棒状の変位ロッド40bとを有している。
ダイアフラム40aは、容器本体14の胴部14aの開口より大きく形成される。ダイアフラム40aと胴部14aのフランジ16との間は、シール部材17でシールされ気密性が確保されている。ダイアフラム40aは、Ti−Gr.1(工業用純チタン)等で成形されたチタン箔で被試験容器12内の圧力変化により撓み可能に形成されている。
変位ロッド40bは、蓋体15に設けられた貫通孔41に挿入され、ダイアフラム40aにその一端が当接するように設けられている。変位ロッド40bがダイアフラム40aの変形に追従して軸方向に変位することにより、変位ロッド40bの移動方向と移動量とから被試験容器12内の圧力変化を検知することができる。なお、変位ロッド40bの変位量を検出するために、変位ロッド40bの変位量に応じた電気信号を出力する圧電素子(図示せず)等を備えるようにしてもよい。
被試験容器12内が減圧されていない状態では、図2(a)に示すようにダイアフラム40aに変形は生じていない。被試験容器12内が減圧された状態では、図2(b)に示すようにダイアフラム40aは凹状に変形すると共に、変位ロッド40bは下方(底部14b側)へ移動する。そして、被試験容器12内の圧力が上昇するのに伴って変位ロッド40bは上方(蓋体15側)へ移動する。このように、ダイアフラム40aと変位ロッド40bとにより被試験容器12内の圧力を計測できるので、圧力計32aを用いるよりもより簡易な構成とすることができる。
再び、図1に戻り、熱電対42は、容器本体14における底部14bの熱電対取り付け部22を通って被試験容器12内に配置され、アルカリ性水溶液13の温度を測定する温度測定手段としての機能を有している。熱電対42には、試験温度範囲が測定可能な一般的な熱電対が用いられる。
溶存酸素濃度検出手段44は、被試験容器12内のアルカリ性水溶液13に浸漬したチタン電極44aと、被試験容器12内のアルカリ性水溶液13に浸漬した参照電極44bと、チタン電極44aと参照電極44bとの間の電位差を計測する電位計測器44cとを有しており、アルカリ性水溶液13の溶存酸素濃度を検出する機能を有している。アルカリ性水溶液13に浸漬したチタン電極44aの自然電位は、アルカリ性水溶液13の溶存酸素濃度によって変化するので、チタン電極44aの自然電位を計測することにより、アルカリ性水溶液13の溶存酸素濃度を検出することができる。
チタン電極44aと参照電極44bとは、容器本体14における底部14bの電極取り付け部23を通して被試験容器12内に配置される。チタン電極44aは、被試験容器12を形成するチタン材と同質のチタン材で、例えば、小片に形成される。例えば、被試験容器12がTi−Gr.17で形成される場合には、チタン電極44aもTi−Gr.17で形成される。参照電極44bには、一般的なAg/AgCl電極を用いることができる。電位計測器44cには、一般的なエレクトロメータ(電位差計)等が用いられる。チタン電極44aと参照電極44bとは、絶縁被覆した金属製のリード線で電位計測器44cに接続される。
図3は、参照電極44bにおける他の配置方法を示す図である。参照電極44bは、容器本体14の胴部14aに下方傾斜(底部14b側へ傾斜)して突出するように設けられた傾斜突出部50の端にアルカリ性水溶液13に浸漬されて配置される。傾斜突出部50は、参照電極44bを挿入可能な大きさで管状に形成され、容器本体14内と連通するように設けられる。また、傾斜突出部50は、胴部14aと同じ材質のチタン材で形成されている。胴部14aと傾斜突出部50とは、溶接等で一体的に形成される。図3に示す参照電極44bの配置によれば、参照電極44bが空冷されることによりヒータ26aからの加熱が抑えられるので、参照電極44bの消耗が低減される。また、傾斜突出部50が下方に傾斜していることにより、傾斜突出部50の内周面でカソード反応により発生する水素ガスの気泡の滞留を抑制できる。
なお、溶存酸素濃度検出手段44として酸素電極膜への溶存酸素の拡散で実測される一般的な溶存酸素濃度計でもアルカリ性水溶液13中の溶存酸素の検出が可能であるが、このような溶存酸素濃度計では、酸素電極膜へアルカリ性水溶液13中の溶存酸素を拡散させるために下限界流速が必要になる。そのため、被試験容器12内にアルカリ性水溶液13が静置(停留した静水環境)される場合には、酸素電極膜近傍の溶存酸素が計測により消費されてアルカリ性水溶液13の溶存酸素濃度が低濃度と実測される可能性がある。したがって、被試験容器12に入れたアルカリ性水溶液13の溶存酸素濃度は、上述したチタン電極44aにおける自然電位の変化で検出されることが好ましい。
再び、図1に戻り、被試験容器12内には、アルカリ性水溶液13に浸漬させるようにしてチタン材で形成された供試体に曲げ応力を負荷するための曲げ冶具52を備えるようにしてもよい。例えば、TRU廃棄物用の放射性廃棄物処分容器では、厚みが19mmの炭素鋼製強度層の外側に厚み6mmのチタン耐食層を設けたチタンクラッド鋼で内径490mmの円筒型容器に曲げ成形加工されるため、チタン耐食層は約6%の曲げ加工を受ける。そのため、チタン材で形成された供試体に曲げ応力を負荷した状態でアルカリ性水溶液13に浸漬させることにより、腐食に対する曲げ歪の影響についても合わせて評価することが好ましい。
図4は、曲げ冶具52の構成を示す断面図である。曲げ冶具52は、略中央にアルカリ性水溶液13が入る開口を設けた上冶具部54と、曲率面を設けた下冶具部56とを備えている。上冶具部54と下冶具部56とは、チタン材で形成されることが好ましい。曲げ冶具52は、被試験容器12内に配置可能な大きさに形成される。供試体60は、上冶具部54と下冶具部56との間に絶縁シート58を挟んでセットされる。供試体60は、例えば、長さ100mm×幅60mm×厚み6mmの矩形状にチタン材で形成される。供試体60は、被試験容器12を形成するチタン材と同質のチタン材で形成される。例えば、被試験容器12がTi−Gr.17で形成される場合には、供試体60もTi−Gr.17で形成される。なお、放射性廃棄物処分容器を溶接で成形する場合には、供試体60の長手方向の中央に溶接継手部62を設けてもよい。更に、放射性廃棄物処分容器のチタン耐食層が溶接後熱処理(PWHT)等の熱履歴を受ける場合には、供試体60に必要な熱履歴を与えてもよい。また、供試体60をポテンショガルバノスタットに接続し、一定の電流密度を与えて強制的に供試体60の表面に水素ガスを発生させることにより促進試験を行ってもよい。このような促進試験を行う場合には、電位計測器44cには、モードを切り替えることによりポテンショスタット、ガルバノスタット、エレクトロメータとして使用可能な計測器を用いることが好ましい。
再び、図1に戻り、制御手段70は、ヒータ26aと、真空ポンプ30aと、開閉弁30cと、圧力計32aと、熱電対42と、電位計測器44cとに図示されないケーブル等で接続され、被試験容器12の加熱や被試験容器12内の排気等を制御する機能を有している。制御手段70は、例えば、一般的なパーソナルコンピュータ等で構成される。
図5は、制御手段70の構成を示す図である。制御手段70は、データを計算処理する計算処理部72と、被試験容器12に発生する腐食割れの有無を判定する判定部74と、データを記憶する記憶部76とを有している。
計算処理部72では、圧力計32aから送られる被試験容器12内の圧力データ、電位計測器44cから送られるチタン電極44aの自然電位データ、熱電対42から送られる温度データ等が計算処理される。計算処理部72では、被試験容器12内の圧力データに基づいて、被試験容器12内の圧力上昇速度が算出される。また、計算処理部72では、電位計測器44cから送られたチタン電極44aの自然電位データを、Ag/AgCl(飽和KCl)、標準水素電極(SHE)を基準として換算する等の計算処理が行われる。
判定部74では、被試験容器12に発生する腐食割れの有無が判定される。被試験容器12に腐食割れ(腐食孔等も含む)が発生した場合には、被試験容器12内は減圧されているため腐食割れが生じた部位から空気が入り込む。その結果、アルカリ性水溶液13中の溶存酸素濃度が増加してチタン電極44aの自然電位が大きくなる。判定部74では、チタン電極44aの自然電位と、予め設定した閾値(基準となる電位)とが比較され、チタン電極44aの自然電位が閾値を超える場合には被試験容器12に腐食割れが発生したと判定する。そして、判定部74では、チタン電極44aの自然電位が閾値以下の場合には被試験容器12に腐食割れが発生していないと判定する。なお、閾値は、アルカリ性水溶液13中に溶存酸素を含んだ状態のチタン電極44aの自然電位に対応して予め試験等により定められる。
また、腐食試験中では、被試験容器12のアルカリ性水溶液13との接触箇所ではカソード反応により水素ガスが発生して被試験容器12の内圧が緩やかに上昇する。被試験容器12に腐食割れが発生した場合には、被試験容器12内が減圧されていることにより腐食割れが生じた部位から空気が入り込むので、被試験容器12の内圧が急激に上昇する。したがって、被試験容器12内の圧力上昇速度の変化から被試験容器12における腐食割れの発生を判断することができる。そこで、判定部74では、被試験容器12内の圧力上昇速度と予め設定された閾値(基準となる圧力上昇速度)とが比較され、被試験容器12内の圧力上昇速度が閾値を超えたときに被試験容器12に腐食割れが発生したと判定する。また、判定部74では、被試験容器12内の圧力上昇速度が閾値以下の場合には被試験容器12に腐食割れが発生していないと判定する。なお、閾値は、減圧された被試験容器12にリーク等が生じたときの圧力上昇速度に対応して予め試験等により定められる。
判定部74での判定結果は、例えば、図示されないディスプレイやプリンタ等へ送られて出力される。なお、判定部74で被試験容器12に腐食割れが発生したと判定された場合にはアラーム等が鳴るように構成してもよい。
記憶部76には、圧力計32aから送られる圧力データ、熱電対42から送られる温度データ、電位計測器44cから送られる自然電位データ、計算処理部72で換算された自然電位、計算処理部72で算出された圧力上昇速度、予め設定された自然電位や圧力上昇速度の閾値等が記憶されている。
次に、腐食試験装置10を用いた腐食試験方法について説明する。図6は、腐食試験装置10を用いた腐食試験方法のフローチャートである。
まず、腐食試験装置10のセットアップが行われる(S10)。被試験容器12に,排気管30b、圧力計32a、熱電対42、チタン電極44a、参照電極44b等が取り付けられる。排気管30bは、排気管挿入孔20を通して被試験容器12内に取り付けられる。圧力計32aは、蓋体15の圧力計取り付け部21に取り付けられる。熱電対42は、底部14bの熱電対取り付け部22に取り付けられて被試験容器12内に配置される。チタン電極44aと参照電極44bは、底部14bの電極取り付け部23に取り付けられて被試験容器12内に配置される。
被試験容器12の中にアルカリ性水溶液13が注入される(S12)。アルカリ性水溶液13は、チタン電極44a、参照電極44b、熱電対42が浸漬される高さであり、排気管30bの排気口30dが浸漬されない高さまで注入される。アルカリ性水溶液13は、例えば、被試験容器12の容積の3分の2まで注入される。被試験容器12内にアルカリ性水溶液13が注入された後、容器本体14に蓋体15が取り付けられる。
被試験容器12内を排気して減圧する(S14)。真空ポンプ30aを作動させて、被試験容器12内を排気して減圧する。被試験容器12内を排気することにより脱ガスされ、アルカリ性水溶液13に含まれる溶存酸素が除去される。被試験容器12内は、アルカリ性水溶液13に含まれる溶存酸素をより確実に除去するために、アルカリ性水溶液13が沸騰するまで減圧されることが好ましい。例えば、アルカリ性水溶液13を沸騰させるために、被試験容器12内は、室温で−0.09MPaから−0.1MPaの減圧度まで減圧される。被試験容器12内の減圧状態は、圧力計32aで測定される。アルカリ性水溶液13の溶存酸素濃度は、チタン電極44aの自然電位の変化で検出される。なお、真空ポンプ30aの作動を停止した後は、室温で1時間から2時間程度放置して被試験容器12にリークが生じていないことを確認することが好ましい。
減圧状態の被試験容器12を試験温度まで加熱する(S16)。真空ポンプ30aの作動を停止して、被試験容器12にリークが生じていないことを確認した後、ヒータ26aで試験温度まで被試験容器12を加熱する。加熱方法は、室温から試験温度まで連続して昇温してもよいし、ステップ状に昇温してもよい。例えば、試験温度80℃の場合には、室温から80℃まで連続して昇温してもよいし、70℃で一度保持してから試験温度80℃まで昇温してもよい。
なお、被試験容器12を試験温度まで加熱した後、真空ポンプ30aを作動させて被試験容器12内を再度排気することが好ましい。被試験容器12内を再度排気することにより、アルカリ性水溶液13に含まれる残留溶存酸素をより確実に除去できるからである。以上の工程により、被試験容器12内に減圧された還元性環境が形成される。
被試験容器12を静置して、チタン電極44aの自然電位と、被試験容器12内の圧力とをモニタする(S18)。真空ポンプ30aの作動を停止し、被試験容器12を試験温度に保持した状態で静置する。そして、チタン電極44aの自然電位と、被試験容器12内の圧力とをモニタする。被試験容器12は試験温度に保持されているので、チタン電極44aの自然電位をモニタすることによりアルカリ性水溶液13の溶存酸素濃度を検知できるので、被試験容器12内に還元性環境が維持されているか確認できる。また、被試験容器12内の圧力をモニタすることにより、被試験容器12の腐食によりカソード反応で生じた水素ガスの発生を検知できるので、被試験容器12における腐食の進行状況を知ることができる。
被試験容器12における腐食割れの有無を判定する(S20)。判定部74は、チタン電極44aの自然電位データと、記憶部76に記憶された閾値とを比較する。そして、チタン電極44aの自然電位が閾値以下の場合には、被試験容器12には腐食割れが発生しておらず、被試験容器12内に還元性環境が維持されていると判定する。また、チタン電極44aの自然電位が閾値を超えた場合には、被試験容器12に腐食割れが発生したと判定する。
また、判定部74は、被試験容器12内の圧力上昇速度と、記憶部76に記憶された閾値とを比較する。被試験容器12内の圧力上昇速度が閾値以下の場合には、圧力上昇が被試験容器12の腐食により発生している水素ガスによるものとして、被試験容器12に腐食割れの発生がないと判定する。そして、被試験容器12内の圧力上昇速度が閾値を超えた場合には、被試験容器12に腐食割れが発生したと判定する。このように、チタン電極44aの自然電位の変化だけでなく、被試験容器12内の圧力上昇速度の変化からも被試験容器12の腐食割れを判定することにより、より確実に被試験容器12の腐食割れの発生を検知できる。
判定部74で被試験容器12に腐食割れが発生したと判定された場合には、腐食試験を中止し、被試験容器12を室温まで冷却する。そして、被試験容器12の蓋体15を開けてアルカリ性水溶液13を除去した後、腐食割れが発生した箇所等の腐食状況を調査解析する。勿論、判定部74で被試験容器12に腐食割れが発生していないと判定された場合でも、腐食試験を中断して被試験容器12内の腐食状況を調査解析してもよい。
以上、上記構成によれば、チタン材で形成され、アルカリ性水溶液を入れる被試験容器と、被試験容器を試験温度に加熱するヒータと、被試験容器内を排気して減圧する真空ポンプと、被試験容器内の圧力を測定する圧力計と、被試験容器に入れられた腐食液の溶存酸素濃度を検出するチタン電極、参照電極及び電位計測器と、を備え、ヒータで試験温度に加熱され、真空ポンプで減圧されたアルカリ性水溶液を入れた被試験容器内の圧力を圧力計で測定し、試験温度に加熱されたアルカリ性水溶液の溶存酸素濃度をチタン電極の自然電位の変化で検出することにより、被試験容器の大きさが応力腐食割れ試験等で使用される試験セルのサイズに制約されることがないことから、従来の試験片より大きい面積を有する被試験容器で腐食試験できるので、放射性廃棄物処分容器の表面に設けられるチタン層の耐食性評価の信頼性がより向上する。
また、被試験容器内は減圧されているので、被試験容器内の圧力を圧力計で測定することにより、カソード反応による水素ガスの発生による内圧の上昇から被試験容器における腐食の進行を知ることができる。そして、チタン電極の自然電位の変化からアルカリ性水溶液中の溶存酸素濃度を検出できるので、被試験容器内に還元性環境が維持されていることを確認できる。
上記構成によれば、チタン電極の自然電位と予め設定された閾値とを比較して、被試験容器における腐食割れの有無を判定する判定部を有しているので、被試験容器の腐食割れの有無を知ることができる。
上記構成によれば、圧力計で測定された圧力から被試験容器における内圧の圧力上昇速度を算出する計算処理部と、算出された圧力上昇速度と予め設定された閾値とを比較して、被試験容器における腐食割れの有無を判定する判定部とを有しているので、被試験容器の腐食割れの有無を知ることができる。
上記の腐食試験装置10により腐食試験を行った。
被試験容器12には、内径110mm、高さ150mm、肉厚3mmの有底円筒型のチタン製容器を使用した。被試験容器12を成形するチタン材には、Ti−Gr.17を用いた。容器本体14の胴部14aには、参照電極44bを配置するために傾斜突出部50が溶接されている。傾斜突出部50は、内径10mm、長さ100mmの単管で形成されており、胴部14aに対する下方傾斜角度を45度とした。傾斜突出部50は、Ti−Gr.17で形成されている。
被試験容器12内にチタン電極44aを配置し、傾斜突出部50に参照電極44bを配置し、参照電極44bとチタン電極44aとを電位差計(エレクトロメータ)に接続した。チタン電極44aは、Ti−Gr.17で形成されている。参照電極44bには、Ag/AgCl電極を使用した。そして、被試験容器12に、排気管30b、圧力計32a、熱電対42等を取り付けた。
腐食試験装置10のセットアップが完了した後、被試験容器12内に腐食液であるアルカリ性水溶液13を注入した。アルカリ性水溶液13には、代表的なコンクリート透過溶液である0.223mol/L[OH−]allに調整した高アルカリ性溶液を使用した。また、深地層地下水として海水起源である場合を考慮して、0.6mol/L[Cl−]を添加した。そして、熱電対42と、チタン電極44aと、参照電極44bとをアルカリ性水溶液13に浸漬するようにし、排気管30bの排気口30dがアルカリ性水溶液13に浸漬されないようにして、容器本体14の高さの3分の2(100mm)までアルカリ性水溶液13を注入した。
アルカリ性水溶液13の注入後、被試験容器12の蓋体15を閉じボルト19で締結した。次に、真空ポンプ30aを作動させて、室温で被試験容器12内の排気を行って減圧した。真空ポンプ30aの作動時間は30秒間とした。真空ポンプ30aの作動中、被試験容器12内の圧力は、−0.09MPa〜−0.1MPaであった。なお、室温で−0.09MPaになるとアルカリ性水溶液13が沸騰し、アルカリ性水溶液13中の溶存酸素濃度が0.05ppmDO以下となることを予め試験して確認した。そして、真空ポンプ30aの作動を停止した後、室温にて2時間放置して被試験容器12にリークが生じていないことを確認した。なお、室温は、放射性廃棄物処分容器が埋設される埋設位置の地下500mの地熱温度である30℃とした。
次に、被試験容器12内を減圧した状態でヒータ26aで加熱して、被試験容器12を試験温度まで昇温した。試験温度は、放射性廃棄物処分容器が埋設されたときの設計上の最高温度である80℃とした。そして、80℃に到達後、真空ポンプ30aを作動させて被試験容器12内を再度排気し、アルカリ性水溶液13に含まれる残留溶存酸素を除去した。以上の工程により、被試験容器12内に減圧された還元性環境を形成した。
図7は、チタン電極44aにおける自然電位の経過時間に対する変化を示すグラフである。図7のグラフにおいて、横軸には被試験容器12の蓋体15を閉じてからの経過時間を取り、縦軸にはチタン電極44aの自然電位(標準水素電極基準SHE)を取った。図7のグラフにおいて、a点は被試験容器12の蓋体15を開けた状態である大気開放のときを示す点であり、b点は真空ポンプ30aを作動させて室温で被試験容器12内を排気したときを示す点であり、c点は室温で放置を開始したときを示す点であり、d点は昇温を開始したときを示す点であり、e点は70℃に到達したときを示す点であり、f点は試験温度である80℃に到達したときを示す点であり、g点は真空ポンプ30aを作動させて80℃で被試験容器12内を再度排気したときを示す点であり、h点は真空ポンプ30aの作動を停止して80℃で保持して腐食試験を開始したときを示す点である。
図7のグラフから明らかなように、被試験容器12内を真空ポンプ30aを作動させて排気することにより脱気され、アルカリ性水溶液13中に含まれる溶存酸素が除去されてチタン電極44aの自然電位が+0.125(VvsSHE)から−0.25(VvsSHE)の範囲まで低下した。
そして、腐食試験中は、チタン電極44aの自然電位と、被試験容器12内の圧力とをモニタして試験を行った。腐食試験中は、試験温度80℃の一定温度で被試験容器12を静置して行った。被試験容器12に腐食割れが生じて被試験容器12内に空気の流入がなければアルカリ性水溶液13中の溶存酸素濃度が上昇しないので、チタン電極44aの自然電位は略一定に維持される。一定時間経過後、判定部74でチタン電極44aの自然電位と予め設定した閾値である0(VvsSHE)と比較し、チタン電極44aの自然電位が閾値以下であることから被試験容器12に腐食割れの発生はなく還元性環境が維持されていることを確認した。また、判定部74で被試験容器12内の圧力上昇速度と予め設定した閾値とを比較し、被試験容器12内の圧力上昇速度が閾値以下であることから被試験容器12に腐食割れの発生はないことを確認した。
10・・・腐食試験装置、12・・・被試験容器、13・・・アルカリ性水溶液、14・・・容器本体、14a・・・胴部、14b・・・底部、15・・・蓋体、16・・・フランジ、17・・・シール部材、18・・・嵌合溝、19・・・ボルト、20・・・排気管挿入孔、21・・・圧力計取り付け部、22・・・熱電対取り付け部、23・・・電極取り付け部、26・・・加熱手段、26a・・・ヒータ、30・・・排気手段、30a・・・真空ポンプ、30b・・・排気管、30c・・・開閉弁、30d・・・排気口、32、40・・・圧力測定手段、32a・・・圧力計、40a・・・ダイアフラム、40b・・・変位ロッド、41・・・貫通孔、42・・・熱電対、44・・・溶存酸素濃度検出手段、44a・・・チタン電極、44b・・・参照電極、44c・・・電位計測器、50・・・傾斜突出部、52・・・曲げ冶具、54・・・上冶具部、56・・・下冶具部、58・・・絶縁シート、60・・・供試体、62・・・溶接継手部、70・・・制御手段、72・・・計算処理部、74・・・判定部、76・・・記憶部

Claims (9)

  1. 放射性廃棄物処分容器の表面に設けられるチタン層の耐食性を評価する腐食試験装置であって、
    チタン材で形成され、アルカリ性水溶液を入れる被試験容器と、
    前記被試験容器を試験温度に加熱する加熱手段と、
    前記被試験容器内を排気して減圧する排気手段と、
    前記被試験容器内の圧力を測定する圧力測定手段と、
    前記被試験容器に入れた前記アルカリ性水溶液の溶存酸素濃度を検出する溶存酸素濃度検出手段と、
    を備え、
    前記加熱手段で前記試験温度に加熱され、前記排気手段で減圧された前記アルカリ性水溶液を入れた被試験容器内の圧力を前記圧力測定手段で測定し、前記試験温度に加熱されたアルカリ性水溶液の溶存酸素濃度を前記溶存酸素濃度検出手段で検出することを特徴とする腐食試験装置。
  2. 請求項1に記載の腐食試験装置であって、
    前記溶存酸素濃度検出手段は、
    前記アルカリ性水溶液に浸漬され、前記チタン材で形成されたチタン電極と、
    前記アルカリ性水溶液に浸漬された参照電極と、
    前記チタン電極と前記参照電極との間の電位差を計測する電位計測器と、
    を有し、
    前記チタン電極の自然電位を計測して前記アルカリ性水溶液の溶存酸素濃度を検出することを特徴とする腐食試験装置。
  3. 請求項2に記載の腐食試験装置であって、
    前記チタン電極の自然電位と予め設定された閾値とを比較して、前記被試験容器における腐食割れの有無を判定する判定部を有することを特徴とする腐食試験装置。
  4. 請求項1または2に記載の腐食試験装置であって、
    前記圧力測定手段で測定された圧力から前記被試験容器内の圧力上昇速度を算出する計算処理部と、
    前記圧力上昇速度と予め設定された閾値とを比較して、前記被試験容器における腐食割れの有無を判定する判定部と、
    を有することを特徴とする腐食試験装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の腐食試験装置であって、
    前記被試験容器は、有底で筒状に形成され、前記アルカリ性水溶液を入れる容器本体と、前記容器本体の開口を覆う蓋体と、を有し、
    前記圧力測定手段は、
    前記容器本体と前記蓋体とに挟持され、前記容器本体内の圧力により変形するダイアフラムと、
    前記蓋体に設けられた貫通孔に挿入され、前記ダイアフラムに一端が当接して前記ダイアフラムの変形に追従して軸方向に変位する変位ロッドと、
    を有することを特徴とする腐食試験装置。
  6. 放射性廃棄物処分容器の表面に設けられるチタン層の耐食性を評価する腐食試験方法であって、
    チタン材で形成された被試験容器にアルカリ性水溶液を注入する工程と、
    前記アルカリ性水溶液を入れた被試験容器内を排気して減圧する工程と、
    前記減圧された被試験容器を試験温度まで加熱する工程と、
    前記試験温度に加熱された被試験容器内の圧力を測定すると共に、前記試験温度に加熱されたアルカリ性水溶液の溶存酸素濃度を検出する工程と、
    を備えることを特徴とする腐食試験方法。
  7. 請求項6に記載の腐食試験方法であって、
    前記被試験容器内に前記チタン材で形成されたチタン電極と、参照電極とを配置する工程を有し、
    前記アルカリ性水溶液を注入する工程は、前記チタン電極と前記参照電極とが浸漬されるように前記アルカリ性水溶液を注入し、
    前記アルカリ性水溶液の溶存酸素濃度は、前記チタン電極と前記参照電極との電位差から前記チタン電極の自然電位を計測して検出されることを特徴とする腐食試験方法。
  8. 請求項7に記載の腐食試験方法であって、
    前記チタン電極の自然電位と予め設定された閾値とを比較して、前記被試験容器における腐食割れの有無を判定する工程を有することを特徴とする腐食試験方法。
  9. 請求項6または7に記載の腐食試験方法であって、
    前記圧力から前記被試験容器内の圧力上昇速度を算出する工程と、
    前記被試験容器内の圧力上昇速度と予め設定された閾値とを比較して、前記被試験容器における腐食割れの有無を判定する工程と、
    を有することを特徴とする腐食試験方法。
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