JP7401838B1 - 液体アンモニア中応力腐食割れ特性の評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体アンモニアによって鋼材に生じるSCCを実験室で加速して再現し、SCC感受性を評価することが可能な液体アンモニア中応力腐食割れ特性の評価方法を提供する。【解決手段】曲げ試験治具で表面ひずみが付与された参照用試験片及び評価用試験片、並びにカルバミン酸アンモニウムのアンモニア溶液及び酸素ガスを同一の圧力容器内に導入して加圧し1時間以上保持する工程と、試験時間経過後に応力腐食割れの発生の有無を確認する工程、を含み、各試験片は曲げ試験治及び前記圧力容器具とは電気的に絶縁されており、参照用試験片のビッカース硬さは230HV以上であり、液体アンモニア及びカルバミン酸アンモニウム、並びに酸素ガスは所定の純度以上であり、参照用試験片に応力腐食割れの発生が認められた場合、評価用試験片の応力腐食割れの評価を有効とする。【選択図】図1

Description

本発明は、液体アンモニア中応力腐食割れ特性の評価方法に関する。
アンモニアは、従来から肥料の原料や冷媒など、様々な用途で広く使用されている。近年、地球温暖化対策のニーズが高まり、アンモニアは燃焼時にCOを排出しないという特性から、次世代エネルギーとして注目されるようになった。火力発電、産業、エンジン等でのアンモニアの混焼や専焼を通じて、CO排出量の削減が期待されている。これらの用途に膨大な量のアンモニアを供給するためには、アンモニアの効率のよい貯蔵や運搬が必要であり、高強度鋼製の大型のアンモニアタンクの建造が求められている。
しかし、アンモニアは鋼材に対して腐食性を有し、液体アンモニア中で鋼材は応力腐食割れ(Stress Corrosion Cracking、以下「SCC」ということがある。)を発生する場合がある。そのため、現状、アンモニアタンクに使用される鋼材の強度は制限されている。しかし、今後、大型のアンモニアタンクを製造するために高強度鋼を使用した場合、溶接継手の溶接残留応力が大きくなることに加えて、設計応力も高くなるため、SCC感受性が上昇する。したがって、液体アンモニア中で高強度鋼及びその溶接部のSCC特性を適切に評価した上で、SCCが生じない条件で高強度鋼製の大型アンモニアタンクを設計・製造する必要がある。
液体アンモニア中の鋼材のSCCは、活性経路腐食型のSCCと言われており、液体アンモニアタンクの長期間の供用中に、アンモニアと接するタンク内面で腐食皮膜が生成し、溶接残留応力や内圧によるフープ応力で皮膜が局所的に破壊すると、新生面が露出して、当該新生面が優先的に腐食・溶解することで割れに至るとされる。このようなSCC現象を正確に再現しようとすると、実タンクのSCCと同等の膨大な時間(数年から十数年)がかかるため、試験効率が極端に悪くなる。
そこで、実験室でSCC現象を再現するために、例えば、特許文献1には、25℃の液体アンモニアをベースに、SCCの加速因子として飽和量のCO(十分な量のカルバミン酸アンモニウム:NHCONH)と1kgf/cmのOを加え、さらに定電位発生装置(ポテンショスタット)を介して液体アンモニア中の4点曲げ試験片に定電位(白金電極に対して2V、アノード側への分極)を印加することで、168時間でSCCを再現する技術が開示されている。
また、特許文献2には、試験片はアノード分極されていないが、試験片をU字に曲げて塑性ひずみを付与することで皮膜破壊を助長し、また、環境加速因子としてCO(カルバミン酸アンモニウム)と酸素を加えることで、25℃の液体アンモニア中に1000時間浸漬してSCCを再現する技術が開示されている。
特開昭57-137096号公報 特開平11-131178号公報
ところで、液体アンモニア中の鋼材のSCCには温度依存性があり、低温よりも室温(20~25℃)の方がSCC感受性が上がる。しかしながら、室温でアンモニアを液体状態に保つためには、高圧(例えば20℃で0.86MPa以上)とする必要がある。そのため、液体アンモニア中で鋼材のSCC評価試験を厳しい条件、例えば室温で行うには圧力容器(オートクレーブ)が必要となり、これが実験上の制約を与える。また、試験中にアンモニアが漏洩せぬよう注意する必要があるため、取り扱いが極めて煩雑となる。
そのため、特許文献1及び特許文献2のいずれに記載の技術においても、比較的小型の圧力容器中に複数の試験片を同時に入れて評価し、試験の効率化を図っている。しかし、特許文献1及び特許文献2のいずれにも同一のSCC試験における試験環境が適切に厳しく管理されたものか明記されておらず、これらに記載の技術では試験条件が厳密に制御されていない可能性がある。また、液体アンモニア中への酸素添加はSCC発生への有力な加速因子となるが、本発明者の検討により、酸素添加後に皮膜が形成されるまでの時間を経てからSCC試験を開始しないと、その酸素添加の効果が得られないことが判明した。しかしながら、特許文献1には酸素添加からSCC試験開始までの時間が記されておらず、この点においても試験条件が厳密に制御されていない可能性がある。また、酸素添加からSCC試験開始までの時間が記されていないため、加速試験として適切であるか否かも不明である。
さらに、液体アンモニア中の鋼材のSCCは、液体アンモニアに混入する微量の不純物の影響を受け易く、試験環境の微量不純物の制御を適切に行わないとSCCが再現されず、適切ではない評価となってしまう。しかしながら、試験毎に環境中の不純物種類と濃度を高精度に分析することは極めて煩雑であり、現実的ではない。したがって、試験環境に用いるアンモニア純度や添加物質の濃度を予め適切に制限した上で、評価材を含む試験環境が液体アンモニアSCCの再現として適切に行われていることを示す試験方法が必要とされる。しかしながら、特許文献1及び特許文献2のいずれにも、試験環境再現に用いた各物質の純度や濃度は明記されておらず、液体アンモニア中SCCの評価では、試験環境中の不純物の種類及び濃度が曖昧となっている。
ところで、液体アンモニアは、電気伝度率(導電率、電気伝導度とも呼ばれる)が低く、電気を通し難い性質がある。本発明者は、液体アンモニア中で電位の印可又は電流の通電を行う場合は、試験片と対極、更には試験片と参照電極との間の距離が試験結果に大きく影響することを知見した。しかし、特許文献1では試験片と電極との間の距離は考慮されていない。
上記のとおり、現状の液体アンモニア中SCCの評価では、試験環境、酸素添加後の保持時間、不純物の管理、及び、試験片と対極、更には試験片と参照電極との間の距離の設定が不十分である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、液体アンモニアによって鋼材に生じるSCCを実験室で加速して再現し、SCC感受性を評価することが可能な液体アンモニア中応力腐食割れ特性の評価方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、これまで行われていなかった、試験環境、酸素添加後の保持時間、不純物の管理、及び、試験片と対極との間の距離の設定、更には試験片と参照電極との間の距離の設定を適切に行い、さらに、予めSCCが生じることが確認された参照用試験片を評価用試験片と同一の容器内に配することに想到した。参照用試験片にSCCが生じる条件で試験を行い、かつ、参照用試験片にSCCが発生していることを確認することによって、試験環境が液体アンモニアSCCの再現として適切に行われていることが保証される。
本発明の要旨は以下の通りである。
[1] 本発明の一実施形態に係る液体アンモニア中応力腐食割れ特性の評価方法は、曲げ試験治具によって表面ひずみが付与された、参照用試験片及び評価用試験片と、上記参照用試験片及び上記評価用試験片のそれぞれの試験面に対向する対極と、又は、上記参照用試験片及び上記評価用試験片と、上記対極と、上記参照用試験片及び上記評価用試験片のそれぞれの試験面に対向する参照電極と、を同一の圧力容器内に設置する設置工程と、カルバミン酸アンモニウムを3質量%以上含むアンモニア溶液を上記圧力容器内に充填する充填工程と、酸素ガスを上記圧力容器内に導入して加圧し、1時間以上保持する保持工程と、予め実施された試験において上記参照用試験片に応力腐食割れが発生した試験時間の間、加圧状態を維持し、上記参照用試験片及び上記評価用試験片を、上記対極に対して1.0V以上で陽分極となる定電位で保持する、又は、電流密度が3.0A/m以上の定電流でアノード分極させながら保持する試験工程と、上記試験時間の経過後に応力腐食割れの発生の有無を確認する確認工程と、を含み、上記参照用試験片及び上記評価用試験片は、上記曲げ試験治具及び上記圧力容器とは電気的に絶縁されており、上記参照用試験片の素材はビッカース硬さが230HV以上の鋼材、又は、ビッカース硬さが230HV以上の溶接熱影響部を含む溶接継手であり、上記参照用試験片の試験面と上記対極との距離及び上記評価用試験片の試験面と上記対極との距離は、それぞれ100mm以下であり、上記定電位での保持では、上記参照用試験片の上記試験面と上記参照電極との距離及び上記評価用試験片の上記試験面と上記参照電極との距離は、それぞれ50mm以下であり、上記アンモニア溶液を構成する液体アンモニアの純度は99.9%以上であり、上記カルバミン酸アンモニウムの純度は97.0%以上であり、上記酸素ガスの純度は99.9%以上であり、上記確認工程で上記参照用試験片に応力腐食割れの発生が認められた場合に、上記評価用試験片の応力腐食割れの評価を有効とする。
[2] 上記[1]に記載の液体アンモニア中応力腐食割れ特性の評価方法において、上記保持工程及び上記試験工程では、上記圧力容器内のO分圧を0.5kgf/cm以上5.0kgf/cm以下としてもよい。
[3] 上記[1]又は[2]に記載の液体アンモニア中応力腐食割れ特性の評価方法において、上記表面ひずみは降伏ひずみの0.6倍以上としてもよい。
[4] 上記[1]~[3]のいずれかに記載の液体アンモニア中応力腐食割れ特性の評価方法において、上記曲げ試験治具は、4点曲げ試験治具であり、セラミック製又はガラス製のピンを介して、上記参照用試験片及び上記評価用試験片を定変位支持してもよい。
本発明によれば、液体アンモニアによって鋼材に生じるSCCを実験室で加速して再現し、SCC感受性を評価することが可能な液体アンモニア中応力腐食割れ特性の評価方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る液体アンモニア中応力腐食割れ特性の評価方法に用いることができる試験装置の一例を示す模式図である。 図1のA-A’断面の平面図である。
<液体アンモニア中応力腐食割れ特性の評価方法>
本発明の実施形態に係る液体アンモニア中応力腐食割れ特性の評価方法を説明する。本実施形態に係る液体アンモニア中応力腐食割れ特性の評価方法は、曲げ試験治具によって表面ひずみが付与された、参照用試験片及び評価用試験片と、上記参照用試験片及び上記評価用試験片のそれぞれの試験面に対向する対極と、又は、上記参照用試験片及び上記評価用試験片と、上記対極と、上記参照用試験片及び上記評価用試験片のそれぞれの試験面に対向する参照電極と、を同一の圧力容器内に設置する設置工程と、カルバミン酸アンモニウムを3質量%以上含むアンモニア溶液を上記圧力容器内に充填する充填工程と、酸素ガスを上記圧力容器内に導入して加圧し、1時間以上保持する保持工程と、予め実施された試験において参照用試験片に応力腐食割れが発生した試験時間の間、加圧状態を維持し、上記参照用試験片及び上記評価用試験片を、上記対極に対して1.0V以上で陽分極となる定電位で保持する、又は、電流密度が3.0A/m以上の定電流でアノード分極させながら保持する試験工程と、試験時間の経過後に上記圧力容器から上記評価用試験片及び上記参照用試験片を取り出し、応力腐食割れの発生の有無を確認する確認工程と、を含む。
図1に本発明の一実施形態に係る液体アンモニア中応力腐食割れ特性の評価方法に用いることができる試験装置の一例を示す模式図を示す。また、図2は図1のA-A’断面の平面図である。図1は、圧力容器1の内部に、曲げ試験治具5によって表面ひずみが付与された試験片2、参照電極3及び対極4を設置し、粉末のカルバミン酸アンモニウム6及びカルバミン酸アンモニウムが溶解したアンモニア溶液7を入れた状態を示している。図2は図1に示した試験装置の平面図(A-A’)であり、参照用試験片21及び評価用試験片22が参照電極3及び対極4の試験面に対向して設置された状態を示している。参照用試験片21及び評価用試験片22は、図1における試験片2に対応する。参照用試験片21及び評価用試験片22は、それぞれ、参照用試験治具51及び評価用試験治具52によって表面ひずみが付与されている。参照用試験治具51及び評価用試験治具52は、図1における曲げ試験治具5に対応する。圧力容器1には、液体アンモニア及びOを導入するガスボンベとの接続配管8、内部の圧力を測定する圧力ゲージとの接続配管10が設置されている。図1、2に示すように、圧力容器1の内部には参照電極3を設置してもよいが、設置しなくてもよい。試験片2、参照電極3、対極4は、接続線9によって、定電位を印可又は定電流を通電するポテンショ/ガルバノスタット(図示せず)に接続している。
[設置工程]
設置工程では、曲げ試験治具5によって表面ひずみが付与された、参照用試験片21及び評価用試験片22と、参照用試験片21及び評価用試験片22のそれぞれの試験面に対向する対極4と、又は、参照用試験片21及び評価用試験片22と、対極4と、参照用試験片21及び評価用試験片22のそれぞれの試験面に対向する参照電極3と、を同一の圧力容器1内に設置する。
参照用試験片21は、液体アンモニア中の応力腐食割れ特性の評価試験において、試験環境が適切か否かを判定する試験片である。参照用試験片21は、鋼板、又は、鋼板及び溶接熱影響部を含む溶接継手である。参照用試験片21の形状は、曲げ試験治具5に応じた形状である。曲げ試験治具5としては、参照用試験片21に表面ひずみを付与することができれば特段制限されず、例えば、4点曲げ試験治具、3点曲げ試験治具、又はUベンド試験治具等が挙げられる。
参照用試験片21の素材は、ビッカース硬さが230HV以上の鋼材、又は、溶接熱影響部(Heat Affected Zone、HAZという場合がある。)のビッカース硬さが230HV以上の溶接継手である。大容量の液体アンモニアを貯蔵するための大型のタンクには、高強度の鋼材が求められる。参照用試験片21は、試験環境が液体アンモニアSCCの再現として適切に行われていることを保証するために用いられることから、SCCが発生することが求められる。ビッカース硬さが230HV以上になると、液体アンモニア中のSCCが生じやすくなるため、参照用試験片21が採取される鋼材のビッカース硬さ、又は、溶接継手のHAZのビッカース硬さは230HV以上である。SCC発生条件をより厳しくするために、参照用試験片21の素材のビッカース硬さは240HV以上、又は260HV以上とすることが好ましい。また、参照用試験片21の素材としては、例えば、合金元素の含有量の合計が5%以下の低合金鋼、又は、合金元素の含有量の合計が5%超、10%以下の中合金鋼が挙げられる。なお、ビッカース硬さは、JIS Z 2244-1:2020に準拠し、例えば9.8N(1kgf)の荷重を負荷して得られた値である。
本実施形態に係る液体アンモニア中応力腐食割れ特性の評価方法は、基本的に、参照用試験片に応力腐食割れが発生する条件で実施される。参照用試験片に応力腐食割れが発生する条件は、予め参照用試験片を用いて応力腐食割れが発生する試験時間及び加圧状態を確認して決定される。そして、後述する一連の工程の最後の確認工程において、参照用試験片に応力腐食割れの発生が認められた場合に、評価用試験片の応力腐食割れの評価を有効と判断することができる。
評価用試験片22は、液体アンモニア中の応力腐食割れ特性の評価の対象となる試験片である。評価用試験片22は、参照用試験片21と同じ形状を有する。評価用試験片22の素材としては、例えば、合金元素の含有量の合計が5%以下の低合金鋼、又は、合金元素の含有量の合計が5%超、10%以下の中合金鋼が挙げられる。一度の評価において、評価用試験片22の素材は、参照用試験片21の素材と同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
参照用試験片21及び評価用試験片22は、各曲げ試験治具5及び圧力容器1と電気的に絶縁されている。参照用試験片21及び評価用試験片22と各曲げ試験治具5及び圧力容器1とが電気的に絶縁されていることで、これらの間で生じうる異種金属接触腐食やアノード分極時の通電を防止することができ、適切に液体アンモニア中のSCCを評価することができる。参照用試験片21及び評価用試験片22を、各曲げ試験治具5と電気的に絶縁するために、セラミック製又はガラス製のピンを介して、参照用試験片21及び評価用試験片22を定変位支持してもよい。
曲げ試験治具5によって参照用試験片21及び評価用試験片22に付与される表面ひずみは、降伏ひずみの0.6倍以上であることが好ましい。付与される表面ひずみが降伏ひずみの0.6倍以上であれば、SCC評価を加速することができ、試験時間を短縮することができる。一方、試験片に付与する表面ひずみを試験面においてほぼ一様に設定するために、試験片の局部が大きく膨出又は収縮するような大ひずみを与えることは避けるべきである。このような観点から、曲げ試験治具5によって参照用試験片21及び評価用試験片22に付与される表面ひずみは、Uベンド曲げ試験に相当する、降伏ひずみの10倍以下であることが好ましい。4点曲げ試験の場合、表面ひずみは、降伏ひずみの1.0倍以下であることが好ましい。また、評価用試験片22に付与される表面ひずみは、参照用試験片21に付与される表面ひずみよりも大きくてもよい。
降伏ひずみは、予め引張試験で測定した降伏応力を用いてひずみに換算した値であり、例えばJIS Z2241:2022に準拠して室温で得た上降伏点又は0.2%耐力を用いてよい。溶接継手など、母材、溶接熱影響部、溶接金属において降伏ひずみが異なる場合は、代表部位の値を用いればよく、例えば母材の値を用いればよい。
参照用試験片21及び評価用試験片22における表面ひずみの測定方法は限定しないが、参照用試験片及び評価用試験片における表面ひずみは、例えば以下の方法で測定された値である。すなわち、ひずみ測定器に接続されたひずみゲージを試験片の表面に貼り付け、ひずみ測定器によって表面ひずみの値を測定することができる。この場合、表面ひずみを目標値に設定した後、ひずみゲージを剥がし、有機溶剤を用いてひずみゲージの接着に用いた接着剤を拭き取った後、目の細かい(例えば#1000)エメリー紙でひずみゲージを貼り付けた跡がなくなるまで研磨することが好ましい。
参照用試験片21及び評価用試験片22は、同一の圧力容器1内に設置される。圧力容器1は、内部を高圧力にすることが可能な耐圧性の容器、いわゆるオートクレーブであってよい。各試験片が同一の圧力容器1内に設置されることで、参照用試験片21の試験環境と評価用試験片22の試験環境を同一の環境にすることができ、これらの試験環境の間のばらつきを抑制することができる。
圧力容器1は、曲げ試験治具5が取り付けられた、参照用試験片21及び評価用試験片22を内部に設置することができ、内部を高圧力に維持することができる。圧力容器1は、アノード分極するための対極4を装入することが可能であり、図1に示したように、参照電極3も装入可能であることが好ましい。定電位を印加する場合は、対極4及び参照電極3の両方を圧力容器1に装入する。定電流を通電する場合は、対極4のみを圧力容器1に装入してもよい。対極4及び参照電極3は白金製であることが好ましい。
液体アンモニアは、電気伝度率(導電率、電気伝導度とも呼ばれる)が低く、電気を通し難い性質がある。液体アンモニア中で、電位を印可する場合は、試験片2と参照電極3との間の距離が試験結果に大きく影響する。アノード分極するために設定した電位において、試験片2と参照電極3との間の距離が大きくなると、流れる電流が設定値よりも低くなり、SCCが発生し難くなると考えられる。
本発明者らの検討によれば、後述する試験工程で、定電位を印可する場合は、参照用試験片21の試験面と参照電極3との距離及び評価用試験片33の試験面と参照電極3との距離は、それぞれ50mm以下にすることが重要である。参照用試験片21の試験面と参照電極3との距離と、評価用試験片22の試験面と参照電極3との距離は、誤差の範囲で同一であることが好ましく、例えば、図2に示す配置としてもよい。例えば、参照電極3からの距離が50mm以下であり、参照電極3を中心とする円弧上に、参照用試験片21、及び、単数又は複数の評価用試験片22を設置してもよい。参照用試験片21の試験面と参照電極3との距離及び評価用試験片22の試験面と参照電極3との距離は接触しない限り近いほど好ましく、下限は規定しないが、圧力容器1内に設置される試験片2及び治具のサイズに応じて、適宜、決定される。
圧力容器1内に参照電極3及び対極4を設置する場合は、基本的には、試験片2から参照電極3までの距離よりも、試験片2から対極4までの距離を大きくする。しかし、液体アンモニアは電気を通し難い性質のため、試験片2から対極4までの距離が大きくなり過ぎると、アノード分極の際の応答性が悪くなる。本発明者らの検討によれば、参照用試験片21の試験面と対極4との距離及び評価用試験片22の試験面と対極4との距離は、それぞれ100mm以下にすることが重要である。参照用試験片と対極の距離と、評価用試験片と対極の距離は、誤差の範囲で同一であることが好ましく、例えば図2に示す配置としてもよい。例えば、対極から各試験片までの距離が100mm以下であり、対極を中心とする円弧上に、参照用試験片、及び、単数又は複数の評価用試験片を設置してもよい。また、圧力容器1内に複数の参照電極及び対極を設置できる場合は、参照用試験片及び評価用試験片の試験面に対して、それぞれ独立して参照電極及び対極を設置してもよい。後述する試験工程での定電流試験において、圧力容器1内に参照電極3を設置しない場合は、参照用試験片21の試験面及び評価用試験片22の試験面と対極4の距離は、接しない限りは近いほど好ましく、下限は規定しないが、圧力容器1内に設置される試験片2及び治具のサイズに応じて、適宜、決定される。上述のように、圧力容器1内に参照電極3及び対極4を設置する場合は、対極4から各試験片2までの距離の下限は、参照電極3から各試験片2までの距離、圧力容器1内に設置される試験片2及び治具のサイズに応じて、適宜、決定される。
[充填工程]
充填工程では、カルバミン酸アンモニウムを3質量%以上含むアンモニア溶液を圧力容器内に充填する。アンモニア溶液中のカルバミン酸アンモニウムの濃度が3質量%以上であれば、液体アンモニア中のSCCを促進することができる。アンモニア溶液中のカルバミン酸アンモニウムの濃度は4質量%以上又は5質量%以上であってもよい。アンモニア溶液中のカルバミン酸アンモニウムの濃度の上限は特段制限されないが、カルバミン酸アンモニウムの濃度が高すぎても、液体アンモニア中のSCCを促進する効果は飽和する。したがって、アンモニア溶液中のカルバミン酸アンモニウムの濃度は、カルバミン酸アンモニウムの使用量の節約のために、例えば、10質量%以下とすることができる。アンモニア溶液中のカルバミン酸アンモニウムの濃度は9質量%以下、又は7質量%以下であってもよい。
カルバミン酸アンモニウムの純度は97.0%以上である。また、アンモニア溶液を構成する液体アンモニアの純度は99.9%以上である。これにより、不純物量が少量に制限され、不純物によるSCCへの影響を抑制することができる。カルバミン酸アンモニウムの純度は、99.5%以上であることが好ましい。また、アンモニア溶液を構成する液体アンモニアの純度は、99.999%以上であることが好ましい。
カルバミン酸アンモニウムを3質量%以上含むアンモニア溶液を圧力容器内に充填する方法は、特段制限されず、例えば、以下の方法で行うことができる。例えば、カルバミン酸アンモニウムの粉末を圧力容器内に入れた後に、当該圧力容器内に液体アンモニアを入れてカルバミン酸アンモニウムを液体アンモニアに溶解させてアンモニア溶液とする。
次いで、酸素ガス(Oガス)を圧力容器1内に導入することにより、参照用試験片21及び評価用試験片22が3質量%以上のカルバミン酸アンモニウム、及びOを含有するアンモニア溶液に浸漬される。
[保持工程]
保持工程では、酸素ガス(Oガス)を圧力容器1内に導入して加圧し、1時間以上保持する。保持時間は、圧力容器1内を加圧後、試験開始までの時間である。後述するように、定電位で分極する場合は、試験開始は、参照用試験片21及び評価用試験片22に定電位を与えた時点である。定電流で分極する場合は、試験開始は、参照用試験片21及び評価用試験片22に定電流を与えた時点である。
アンモニア溶液の温度は、特段制限されないが、SCCの促進、及び、試験環境の取り扱いの容易さを考慮すると、室温であることが好ましい。アンモニア溶液の温度は、例えば、5℃以上、35℃以下であってよい。
酸素ガスの純度は99.9%以上である。酸素ガスの純度を99.9%以上とすることで、不純物量が少量に制限され、不純物によるSCCへの影響を抑制することができる。酸素ガスの純度は、99.999%以上であることが好ましい。
圧力容器1内の圧力は、アンモニアが液体に維持される圧力に保持されるが、O分圧は、0.5kgf/cm以上5.0kgf/cm以下とすることが好ましい。気相中のOガスは、アンモニア溶液との界面で当該アンモニア溶液に溶解して試験片表面に皮膜を形成する。実使用が再現された皮膜を形成するために、圧力容器1内のO分圧は、0.5kgf/cm以上とすることが好ましい。圧力容器1内のO分圧は、より好ましくは、0.7kgf/cm以上であり、更に好ましくは0.8kgf/cm以上、0.9kgf/cm以上、1.0kgf/cm以上である。圧力容器1内のO分圧は、1.1kgf/cm以上であってもよいし、1.2kgf/cm以上であってもよい。一方で、皮膜が厚くなりすぎると割れが生じにくくなる。したがって、圧力容器1内のO分圧は、5.0kgf/cm以下とすることが好ましい。圧力容器1内のO分圧は、より好ましくは、1.5kgf/cm以下であり、更に好ましくは1.2kgf/cm以下、1.1kgf/cm以下である。圧力容器1内のO分圧は、1.0kgf/cm以下であってもよいし、0.9kgf/cm以下であってもよい。圧力容器1内の圧力は、圧力ゲージによって測定し、必要に応じてガスボンベから酸素ガスを導入して調整することができる。
保持時間は1時間以上とする。1時間以上保持することで、参照用試験片21及び評価用試験片22の表面に皮膜が安定して形成され、SCC感受性を適切に評価することができる。保持時間の上限は特に規定しないが、試験効率の観点から、例えば、96時間以下であってもよく、24時間以下であってもよい。
[試験工程]
試験工程では、予め実施された試験において参照用試験片21に応力腐食割れが発生した試験時間の間、加圧状態を維持する。試験片2の形状、曲げ試験治具5の種類、及び圧力容器1内の環境(温度、圧力、アンモニア溶液成分等)等によって、参照用試験片21に応力腐食割れが発生する時間は変動する。
SCCを促進するために、参照用試験片21及び評価用試験片22を、対極4に対して1.0V以上で陽分極となる定電位で保持する、又は、電流密度が3.0A/m以上の定電流でアノード分極させながら保持する。定電位での保持は1.5V以上で行ってもよい。定電位での保持は、3.0V以下又は2.5V以下で行ってもよい。定電流での保持は4.0A/m以上で行ってもよい。定電流での保持は、7.0A/m以下又は6.0A/m以下で行ってもよい。
定電位での保持では、SCCを発生させるために、参照用試験片21及び評価用試験片22と参照電極3との距離を50mm以下とすることが重要である。上記定電位で分極する場合には、試験時間は例えば240時間(10日)とすることができる。なお、定電位で分極する場合、参照用試験片21及び評価用試験片22に定電位を与えた時点を試験開始とする。また、上記定電流で分極する場合、試験時間は168時間(1週間)とすることができる。定電流で分極する場合、参照用試験片21及び評価用試験片22に定電流を与えた時点を試験開始とする。
[確認工程]
確認工程では、試験時間の経過後に応力腐食割れの発生の有無を確認する。応力腐食割れは、評価用試験片22の表面を観察することで確認される。例えば、目視観察によって応力腐食割れの発生の有無を確認してもよいし、光学顕微鏡を用いて、任意の倍率、例えば500倍に拡大して評価用試験片22の表面を観察し、応力腐食割れの発生の有無を確認してもよい。このとき、参照用試験片21に応力腐食割れの発生が認められた場合に、適切な評価が行われていると判断できる。したがって、参照用試験片21に応力腐食割れの発生が認められた場合に、評価用試験片22の応力腐食割れの評価を有効とする。
ここまで、液体アンモニア中応力腐食割れ特性の評価方法を説明した。ただし、本発明の技術的範囲は上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、確認工程では、評価用試験片22を樹脂に埋め込み、研磨した後の当該評価用試験片22の表面を観察してもよい。
続いて、本発明の実施例を説明する。ただし、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
参照用試験片を、高強度鋼HT80(溶接熱影響部の最高硬さが260HV超)、JIS G3115:2022に規定される圧力容器用鋼板SPV315(溶接熱影響部の最高硬さが210HV)、より高強度となるHT60(溶接熱影響部の最高硬さが230HV)のアーク溶接部から採取した。また、評価用試験片を、圧力容器用鋼板SPV315、高強度鋼HT60のアーク溶接部から採取した。いずれの参照用試験及び評価用試験片についても、ステンレス製4点曲げ試験治具を用いて、中央2点間の表面ひずみを表1に示す大きさに設定した。曲げ試験治具において、参照用試験片及び評価用試験片は、セラミックス製の絶縁ピンと接触されるものとした。この評価用試験片と参照用試験片の組み合わせを複数用意し、純度の異なる、液体アンモニア、カルバミン酸アンモニウム、及びOガスを準備し、Oの分圧、浸漬条件を変更してSCC試験を行った。試験温度は20℃(±2℃)に制御した。浸漬後、Oガスを圧力容器内に導入し、1時間保持した。
各試験片は、浸漬後にポテンショスタットで1.0Vもしくは2.0V(対Pt電極)の定電位状態とした条件、又は、ガルバノスタットで3.0A/mもしくは5.0A/mの定電流状態でアノード分極させた条件とした。Pt対極との距離は100mm以下とし、比較のため、一部(表1のNo.17)は100mm超とした。試験片とPt参照電極との距離は50mm以下とし、比較のため、一部(表1のNo.16)は50mm超とした。また、一部の定電流状態でのアノード分極(表1のNo.3、8、10)では、圧力容器内に参照電極を設置せずに行った。試験片と表1に示す試験時間の経過の後、各圧力容器から試験片を取り出し、参照用試験片にSCCが認められた場合に、当該参照用試験片と同じ容器に入れた評価用試験片のSCCの有無を調査した。SCCの有無は、具体的には、目視観察、及び光学顕微鏡を用いて500倍に拡大して参照用試験片及び評価用試験片の表面を観察することで確認した。
表1にSCC試験条件と結果の一覧を示す。
Figure 0007401838000002
本発明例であるNo.1~10では、いずれも参照用試験片でSCCが発生しており、SCCの再現条件が適切であり、評価用試験片のSCC感受性の有無を評価できた。
比較例であるNo.11は、参照用試験片のSCC感受性が低かったため、参照用試験片でSCCが再現されず、液体アンモニア中SCC試験として不適切となった。No.11は、参照用試験片にSPV315(溶接熱影響部の最高硬さが210HV)を用いたことを除いて、設定した試験条件が本発明例であるNo.2と同じであった。しかしながら、参照用試験片でSCCが再現されていなければ、試験工程においてSCCの再現条件が適切であったか否かを判断することができないため、No.11は不適切な例であった。
比較例であるNo.12は、液体アンモニアの純度が低く、割れ感受性を下げる不純物が含まれていたため、参照用試験片でSCCが再現されず、液体アンモニア中SCC試験環境として不適切となった。
比較例であるNo.13は、カルバミン酸アンモニウムの純度が低く、液体アンモニア中のSCC促進効果が得られなかったため、参照用試験片でSCCが再現されず、液体アンモニア中SCC試験環境として不適切となった。
比較例であるNo.14は、カルバミン酸アンモニウムの濃度が低く、液体アンモニア中のSCCの促進が不十分であったため、参照用試験片でSCCが再現されず、液体アンモニア中SCC試験環境として不適切となった。
比較例であるNo.15は、Oの純度が低く、割れ感受性を下げる不純物が含まれていたため、参照用試験片でSCCが再現されず、液体アンモニア中SCC試験環境として不適切となった。
比較例であるNo.16は、試験片と参照電極との間の距離が大きかったため、参照用試験片でSCCが再現されず、液体アンモニア中SCC試験環境として不適切となった。
比較例であるNo.17は、試験片と対極との間の距離が大きかったため、参照用試験片でSCCが再現されず、液体アンモニア中SCC試験環境として不適切となった。
比較例であるNo.18は、O加圧後の保持時間が短かったため、参照用試験片でSCCが再現されず、液体アンモニア中SCC試験環境として不適切となった。
1 圧力容器(オートクレーブ)
2 試験片
21 参照用試験片
22 評価用試験片
3 参照電極
4 対極
5 曲げ試験治具
51 参照用試験治具
52 評価用試験治具
6 カルバミン酸アンモニウム
7 アンモニア溶液
8 ガスボンベとの接続配管
9 接続線
10 圧力ゲージとの接続配管

Claims (4)

  1. 曲げ試験治具によって表面ひずみが付与された、参照用試験片及び評価用試験片と、前記参照用試験片及び前記評価用試験片のそれぞれの試験面に対向する対極と、又は、前記参照用試験片及び前記評価用試験片と、前記対極と、前記参照用試験片及び前記評価用試験片のそれぞれの試験面に対向する参照電極と、を同一の圧力容器内に設置する設置工程と、
    カルバミン酸アンモニウムを3質量%以上含むアンモニア溶液を前記圧力容器内に充填する充填工程と、
    酸素ガスを前記圧力容器内に導入して加圧し、1時間以上保持する保持工程と、
    予め実施された試験において前記参照用試験片に応力腐食割れが発生した試験時間の間、加圧状態を維持し、前記参照用試験片及び前記評価用試験片を、前記対極に対して1.0V以上で陽分極となる定電位で保持する、又は、電流密度が3.0A/m以上の定電流でアノード分極させながら保持する試験工程と、
    前記試験時間の経過後に応力腐食割れの発生の有無を確認する確認工程と、
    を含み、
    前記参照用試験片及び前記評価用試験片は、前記曲げ試験治具及び前記圧力容器とは電気的に絶縁されており、
    前記参照用試験片の素材はビッカース硬さが230HV以上の鋼材、又は、ビッカース硬さが230HV以上の溶接熱影響部を含む溶接継手であり、
    前記参照用試験片の試験面と前記対極との距離及び前記評価用試験片の試験面と前記対極との距離は、それぞれ100mm以下であり、
    前記定電位での保持では、前記参照用試験片の前記試験面と前記参照電極との距離及び前記評価用試験片の前記試験面と前記参照電極との距離は、それぞれ50mm以下であり、
    前記アンモニア溶液を構成する液体アンモニアの純度は99.9%以上であり、
    前記カルバミン酸アンモニウムの純度は97.0%以上であり、
    前記酸素ガスの純度は99.9%以上であり、
    前記確認工程で前記参照用試験片に応力腐食割れの発生が認められた場合に、前記評価用試験片の応力腐食割れの評価を有効とする、
    液体アンモニア中応力腐食割れ特性の評価方法。
  2. 前記保持工程及び前記試験工程では、前記圧力容器内のO分圧を0.5kgf/cm以上5.0kgf/cm以下とする、
    請求項1に記載の液体アンモニア中応力腐食割れ特性の評価方法。
  3. 前記表面ひずみは降伏ひずみの0.6倍以上である、
    請求項1又は2に記載の液体アンモニア中応力腐食割れ特性の評価方法。
  4. 前記曲げ試験治具は、4点曲げ試験治具であり、セラミック製又はガラス製のピンを介して、前記参照用試験片及び前記評価用試験片を定変位支持する、
    請求項1又は2に記載の液体アンモニア中応力腐食割れ特性の評価方法。
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液体アンモニア中における高張力鋼の陽分極と腐食割れ挙動,日本金属学会誌,第40巻,1976年,第1256-1263頁

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