JP5554760B2 - 歯科用治療具の製造方法と、歯科用治療具用支持材と、歯科用治療具 - Google Patents
歯科用治療具の製造方法と、歯科用治療具用支持材と、歯科用治療具 Download PDFInfo
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本願発明の歯科用治療具の製造方法は、要治療歯の窩洞の修復治療に使用される歯科用治療具の製造方法であり、窩洞の外周に宛がうことのできるテープ状の支持材に形成された凹部内の全域又は一部の領域に歯科用レジンを充填し、その歯科用レジンを硬化させて、前記凹部内で、窩洞内に収容可能な小片を成型する方法である。
本願発明の歯科用治療具用支持材は、要治療歯の窩洞の修復治療に使用される歯科用治療具用支持材であり、窩洞の外周に宛がうことのできるテープ状の支持材に凹部が形成され、その凹部は歯科用レジンを充填してそのレジンを硬化させると要治療歯の窩洞に収容可能な小片が成型される形状、サイズとしてある。支持材は樹脂製、金属製といった各種材質製とすることができる。
本願発明の歯科用治療具は、要治療歯の窩洞の修復治療に使用されるものであり、窩洞の外周に宛がうことのできるテープ状の支持材に小片が設けられ、支持材及び凹部にはそれらの一部を縦幅方向に分離可能な縦分離部が設けられ、小片は前記支持材の凹部に歯科用レジンを充填して成型され、支持材及び凹部の一部を前記縦分離部から分離して除去すると小片の下部が残余支持部の残余凹部内に残され、小片の上部が残余凹部から突出するようにしたものである。
(1)支持材の凹部に歯科用レジンを充填して小片を成型するので、支持材に小片を備えた歯科用治療具を容易に製作することができる。
(2)歯科用レジンを凹部の全域又は一部の領域に充填することにより、一つの凹部で形状、サイズの異なる小片を成型することができる。
(3)支持材の凹部に歯科用レジンを充填して小片を成型してから、支持材及び凹部の一部を分離して除去し、小片の下部を残余支持材の残余凹部内に残し、上部を残余凹部から突出させるので、残余支持材を要治療歯の外周に宛がうと要治療歯の窩洞内に収容できる小片を備えた歯科用治療具を容易に製作することができる。
(4)豊隆部成型部を備えた凹部内に歯科用レジンを充填して小片を成型すれば、窩洞修復後に要治療歯と隣接する隣接歯の接触点と接触する豊隆部を備えた小片付きの歯科用治療具を容易に製作することができる。
(1)窩洞部に収容可能な小片を成型可能な凹部を備えているので、凹部内に歯科用レジンを充填することにより、前記小片を備えた歯科用治療具を手軽に製作することができる。
(2)支持材及び凹部に縦分離部を設ければ、支持材及び凹部の一部をその縦分離部から分離して除去すれば、残余支持部の残余凹部内に小片が収容された歯科用治療具を製作することができる。
(3)残余支持材及び残余凹部に横分離部を設ければ、窩洞修復後に残余支持材及び残余凹部を横幅方向に分離して要治療歯の外周から容易に外すことができる。
(4)凹部が豊隆部成型部を備えるので、凹部内に歯科用レジンを充填して小片を成型すれば、窩洞修復後に隣接歯の接触点と接触する豊隆部付きの小片を備えた歯科用治療具を製作することができる。
(5)凹部の内面を粗面にするか、凹部内面に接着剤や粘着剤を塗布しておけば、凹部内に充填される歯科用レジンが凹部内面に固定し易くなる。
(1)支持材が窩洞に収容できる形状、サイズの小片を備えているので、支持材を要治療歯の窩洞の外周に宛がって小片を窩洞内に容易に収容して、容易に窩洞修復することができる。
(2)小片が豊隆部を備えているので、小片を要治療歯の窩洞に収容して、小片の豊隆部が要治療歯の接触点と確実に接触するように修復することができ、咀嚼、発音機能の障害、歯周組織の損傷、う蝕の発生、歯の傾斜・捻転・移動等の障害発生を回避できる治療が可能となる。
(3)小片が、凹部に歯科用レジンを充填して成型されているので、小片の形状、サイズが一定し、治療者の熟練度によって接触点の完成度がばらついたり、接触不良が生じたりし難く、窩洞部回復の仕上りがばらつきにくい。
(4)凹部内で予め成型された小片を窩洞に収容できるため、窩洞修復時に窩洞内の空隙に注されるレジンの充填量が少なくてすみ、治療時間を短縮でき、治療中の患者の負担が少なくなる。
(5)テープ状の支持材は分離部がなくても、咬合面側でも頬舌側方向でも引き抜く(小片から取り外す)ことができるが、支持材に横分離部を設けた場合は、支持材の横幅方向両端部を外側に引くだけで、要治療歯の外周から容易に引き抜くことができるので、窩洞修復後の支持材の除去が容易になる。
(6)小片を、窩洞修復時に窩洞内の空隙に注入されるレジンと接着し易い材質製とすれば、小片と注入されるレジンとの重合(接着)が確実になる。
(7)小片の内面を粗面にしてあるので、窩洞内に充填されるレジンが小片に食いつき(接着し)易くなる。
(8)小片がレジン製の場合、レジンに未重合モノマーが残っていれば(未重合(未硬化)状態或いは半重合(半硬化)状態)、窩洞修復時に窩洞内に充填されるレジンとの接着が確実になる。
本願発明の歯科用治療具の製造方法は、図1(a)、(b)に示す樹脂フィルム製のテープ状の支持材1を使用し、その凹部2内に図2(a)のように歯科用レジン(CR)を充填し、その歯科用レジンに光(可視光線)を照射して凹部2内で硬化させて図3(b)のように小片3を成型する。充填するCR(以下「充填CR」という。)には光硬化型の光重合型低粘度のレジン(フロアブルレジン)が適する。
本願発明の歯科用治療具用支持材は、図1(a)、(b)のように、窩洞の外周に宛がうことのできる樹脂フィルム製のテープ状の支持材1に凹部2を備えたものである。凹部2はその内部に充填CRを充填すると窩洞に収容或いは宛がうことのできる小片3を成型可能な形状、サイズとしてある。
歯科用治療具は、図7(a)のように窩洞Bが形成された要治療歯Aの外周面に宛がうテープ状の支持材1に、要治療歯Aの窩洞B内に収容可能な大きさの小片3が取付けられている。歯科用治療具は図3(a)のように、支持材1を上下に分離する前の状態のものであってもよく、図4(a)のように支持材1を上下に分離して、残余支持材1bの残余凹部2bに小片3が残されたものであってもよい。支持材1には前記した本願発明の歯科用治療具用支持材(例えば、図1(a)に示すもの)が使用され、その支持材1の凹部2内に前記した本願発明の歯科用治療具の製造方法で小片3を成型してある。支持材1は前記した縦分離部5、横分離部6を備え、残余支持材1bは宛がい部1c、1d(図4(a))、横分離部6を備えている。支持材1の材質は前記した歯科用治療具用支持材の材質と同じ樹脂製としてあるが、他の材質製にすることもできる。小片3は豊隆部4(図4(b))を備えている。小片3の材質は前記した光硬化型のCRとしてある。支持材1、小片3の材質は他の材質であってもよく、小片3の形状、サイズは他の形状、サイズであってもよい。
本願発明の歯科用治療具の使用例の一例を以下に説明する。この使用例は図4(a)に示す歯科用治療具をII級窩洞の修復に使用する場合を一例とする。
(1)図6(b)に示すように残余支持材1b(図4(a))に取付けられている小片3を、要治療歯Aの窩洞B(図6(a))内に図6(b)のように収容し、小片3の豊隆部4を隣接歯Dの接触点dに接触させる。
(2)小片3の両外側に突出する残余支持材1bの宛がい部1c、1dを、図6(b)のように湾曲させて要治療歯Aの外周に添わせる。その宛がい部1c、1dを指先やピンセットで摘んで要治療歯Aの周壁に添わせて湾曲させ、要治療歯Aの外周を辺縁封鎖する。
(3)要治療歯Aの咬合面E(図6(b))側から、小片3を配置した窩洞内に注入CR、例えば、光重合型低粘度CRを咬合面Eの高さまで注入し、窩洞B内の隙間を埋める(図6(b))。
(4)前記注入CRを注入した修復部分及び咬合面Eを整形してから、光照射器により注入CRに光を照射して注入CRと小片3を重合させて要治療歯Aに接着(固定)する。
(5)注入CRの硬化後、残余支持材1bの宛がい部1c、1dを広げ、指で摘んで、図6(c)のように外側方向(左右)に引っ張って、残余支持材1bを横分離部6(図4(a))から分離させ(切り離し)、要治療歯Aの外周から除去する(図6(d))。
1a (支持材の)上方部
1b 残余支持材
1c、1d 宛がい部
2 凹部
2a (凹部の)上方部
2b 残余凹部
3 小片
3a (小片の)上部
3b (小片の)下部
4 小片の豊隆部
5 縦分離部
6 横分離部
A 要治療歯
B 窩洞
D 隣接歯
d 隣接歯の接触点
E 咬合面
G 歯科用治療具
H CR小片
K 歯頸側
P 目印
Claims (15)
- 要治療歯の窩洞の修復治療に使用される歯科用治療具の製造方法であり、窩洞の外周に宛がうことのできるテープ状の支持材に形成された凹部内の全域又は一部の領域に歯科用レジンを充填し、その歯科用レジンを硬化させて、前記凹部内で、窩洞内に収容可能な小片を成型してから、支持材及び凹部の一部を縦幅方向に分離して除去し、残された支持材(残余支持材)の凹部(残余凹部)内に前記小片の下部(歯頸側)を残し、小片の上部(噛合面側)を残余凹部の上方に突出させることを特徴とする歯科用治療具の製造方法。
- 請求項1記載の歯科用治療具の製造方法において、
残余凹部の上方に突出した小片を加工して、小片を要治療歯の窩洞に収容又は宛がい易い形状、サイズにすることを特徴とする歯科用治療具の製造方法。 - 請求項1又は請求項2記載の歯科用治療具の製造方法において、
残余凹部の上方に突出した小片を加工して、小片に要治療歯と隣接する隣接歯の接触点と接触する豊隆部を設けることを特徴とする歯科用治療具の製造方法。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の歯科用治療具の製造方法において、
凹部に豊隆部成型部を設けておき、凹部内に歯科用レジンを充填して硬化させることにより凹部内での小片成型時に、要治療歯と隣接する隣接歯の接触点と接触する豊隆部を小片に成型することを特徴とする歯科用治療具の製造方法。 - 要治療歯の窩洞の修復治療に使用される歯科用治療具用支持材であり、窩洞の外周に宛がうことのできるテープ状の支持材に凹部が形成され、その凹部は歯科用レジンを充填してそのレジンを硬化させると要治療歯の窩洞に収容可能な小片が成型される形状、サイズであり、前記支持材及び凹部の一部を縦幅方向に分離可能な縦分離部を支持材及び凹部に設け、支持材及び凹部の縦幅方向の一部をその縦分離部から分離除去すると、凹部内で成型される小片の下部が残された支持材(残余支持材)の凹部(残余凹部)内に残り、小片の上部が残余凹部から上方に突出するようにしたことを特徴とする歯科用治療具用支持材。
- 請求項5記載の歯科用治療具用支持材において、
残余支持材及び残余凹部に、それらを横幅方向に分離可能な横分離部を設けたことを特徴とする歯科用治療具用支持材。 - 請求項5又は請求項6記載の歯科用治療具用支持材において、
凹部は歯科用レジンを充填すると、要治療歯と隣接する隣接歯の接触点と接触する豊隆部が成型される豊隆部成型部を備えたことを特徴とする歯科用治療具用支持材。 - 請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の歯科用治療具用支持材において、
凹部のうち、少なくとも、残余凹部となる部分の内面を粗面加工するか又は接着剤が塗布されたものとしたことを特徴とする歯科用治療具用支持材。 - 要治療歯の窩洞の修復治療に使用される歯科用治療具において、
窩洞の外周に宛がうことのできるテープ状の支持材に小片が設けられ、支持材及び凹部にはそれらの一部を縦幅方向に分離可能な縦分離部が設けられ、小片は前記支持材の凹部に歯科用レジンを充填して成型され、支持材及び凹部の一部を前記縦分離部から分離して除去すると、凹部内で成型される小片の下部が残された支持材(残余支持材)の凹部(残余凹部)内に残り、小片の上部が残余凹部から突出するようにしたことを特徴とする歯科用治療具。 - 請求項9記載の歯科用治療具において、
残余支持材及び残余凹部にそれらを横幅方向に分離可能な横分離部を設け、残余支持材及び残余凹部は前記横分離部から横幅方向に分離すると小片から取外しできるようにしたことを特徴とする歯科用治療具。 - 請求項9又は請求項10記載の歯科用治療具において、
小片が、窩洞に収容可能な形状、サイズであることを特徴とする歯科用治療具。 - 請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の歯科用治療具において、
小片が、小片を、窩洞修復後に要治療歯と隣接する隣接歯の接触点と接触できる豊隆部を備えたことを特徴とする歯科用治療具。 - 請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の歯科用治療具において、
小片が、窩洞修復時に窩洞に注入される歯科用レジンと接着可能な材質製であることを特徴とする歯科用治療具。 - 請求項9から請求項13のいずれか1項に記載の歯科用治療具において、
小片の要治療歯に宛がう面を粗面にして、窩洞修復時に小片が収容された窩洞に注入されるレジンと接着し易くしたことを特徴とする歯科用治療具。 - 請求項9から請求項14のいずれか1項に記載の歯科用治療具において、
小片がCR製であり、そのCRに未重合モノマーを残して、窩洞修復時に小片が収容された窩洞に注入されるレジンと接着し易くしたことを特徴とする歯科用治療具。
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