図1は、本実施形態にかかるPOS装置1の概略的構成を示す外観斜視図である。POS装置1は、現金等を収容するためのドロワ12の上に載置されており、このドロワ12の引出し12aの開閉を制御する。POS装置1の正面側には、登録、点検、精算、設定などの各種業務モードを選択するためのモードキー14が設けられている。また、POS装置1の正面に設けられたキーボード13には、オペレータ(店員)が、例えば預かり金額などを置数するための置数キーや、一取引として販売登録が行われた商品の合計出力を指示する小計キー、一取引の合計金額の算出、ポイント算出、釣銭算出等の会計処理を行うための会計キーなど、各種操作入力を行うための操作キーが配置されている。
また、キーボード13には、キーボード13またはスキャナ19から先に入力された商品コードの商品に各種値引きを適用するための値引キーが配置されている。値引キーとしては、複数種類設けられた値引サービスを区別して入力できるよう、「値引1」「値引2」「値引3」などと各値引サービスを識別できるキーが複数設けられている。尚、それぞれの値引キーは、後述する値引設定テーブル43により各値引サービスの内容と対応付けられている。
また、キーボード13に近接する位置には、客の会員カード2の磁気情報から、客の会員番号等の会員情報を読み取るカードRW(リーダライタ)11が設けられている。
また、POS装置1には、商品に付されたバーコードを読取るためのスキャナ19が接続されている。また、POS装置1の正面側には店員用ディスプレイ15が、背面側には客用ディスプレイ16が取り付けられている。店員用ディスプレイ15および客用ディスプレイ16は販売登録された商品の品名、価格、値引き額、値引き後の価格や、販売登録の終了が宣言された1商取引の合計金額、釣銭額などを表示する。なお、これらディスプレイとしては液晶カラーディスプレイ等を用いることができるが、ディスプレイの構成は特に限定されない。また、POS装置1は、レシートおよびジャーナルを印字するプリンタ17を内蔵している。プリンタ17によって印字されたレシートおよびジャーナルはPOS装置1の正面側に形成されたレシート発行口18から発行される。
図2は、POS装置1の電装系の構成を示すブロック図である。POS装置1は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)(いずれも不図示)等から構成されるコンピュータ構成の制御部31を備えている。ROMは、CPUが実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAMは、CPUが各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶する。また、RAMは、商品の販売記録を示す販売登録データや、店員用ディスプレイ15や客用ディスプレイ16に表示する各種の画面表示データを記憶する。
制御部31は、CPUがROMに格納された本実施形態に係るプログラムをRAMに展開して実行することにより、図2に示すように、商品情報受付部51、値引情報受付部52、第1ポイント算出部53、第2ポイント算出部54、販売登録部55、印刷制御部56としての機能を実現する。各部の機能については後述する。
制御部31は、I/O機器制御部34およびバス32を介して、キーボード13、店員用ディスプレイ15、客用ディスプレイ16、プリンタ17、スキャナ19、カードRW11、HDD40等のI/O機器を制御し、POS装置1のシステム全体を制御するものである。また、POS装置1は、通信I/F33および店舗に設けられたLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して図示しないストアサーバに接続される。POS装置1は、自装置で登録された販売登録データ等のデータをストアサーバに送信する。ストアサーバは店舗内に設けられた複数のPOS装置1から各種データを受信し、これらデータを総括して管理する。
HDD40は、CPUが実行する各種プログラムの他、商品マスタ41、部門別ポイント倍率テーブル42、値引設定テーブル43を格納している。商品マスタ41、部門別ポイント倍率テーブル42、値引設定テーブル43は、上述のストアサーバで管理される商品マスタ、部門別ポイント倍率テーブル、値引設定テーブル(いずれも不図示)と同期がとられており、これらデータに更新があった場合にはHDD40に格納された各種データも更新される。尚、各POS装置1には商品マスタ41、部門別ポイント倍率テーブル42、値引設定テーブル43を格納せず、各POS装置1がストアサーバに格納された商品マスタ、部門別ポイント倍率テーブル、値引設定テーブルから各種データを読み込む形態としてもよい。
図3は、商品マスタ41のデータ構成例を示す図である。図3に示すように、商品マスタ41には、商品を識別するための商品コード、商品名、商品が属する部門のコードを示した部門コード、商品価格等、各商品に関する商品情報が各商品コードに対応付けて格納されている。
図4は、部門別ポイント倍率テーブル42のデータ構成例を示す図である。図4に示すように、部門別ポイント倍率テーブル42には、部門コードと、当該部門コードの部門名と、当該部門コードに属する商品に対するポイント倍率を示した部門別ポイント倍率とがそれぞれ対応付けられて格納されている。
ここで、ポイント倍率とは、基準とするポイント還元率(基準還元率)の何倍でポイントを付与するかを示す倍率である。例えば、基準還元率が1%(0.01)であり、ポイント倍率が2倍である商品については、当該商品に対するポイント還元率は基準還元率とポイント倍率とを乗じることにより、2%となる。従って、当該商品の商品価格の2%にあたるポイントがその商品を買い上げた客に対して付与されることとなる。店舗側は、部門別ポイント倍率テーブル42を用いて部門ごとにポイント倍率を設定することにより、ポイント倍率を高くした部門の商品について販売促進を図ることができる。
このように、部門別ポイント倍率テーブル42は、商品情報(上述の場合は部門コードである)と、当該商品情報を有する商品に対して適用されるポイント還元率とを対応付けて記憶する商品情報別ポイント還元率記憶手段として機能する。
図5は、値引設定テーブル43のデータ構成例を示す図である。値引設定テーブル43は、店舗において用いられる複数種類の値引サービスを値引コードによって識別し、値引サービスごとの値引き額や割引率を設定するためのテーブルである。即ち、図5に示すように、値引設定テーブル43には、各値引サービスを識別するための値引コード、当該値引コードの値引サービスが値引か割引か等サービスの種類を示した値引き種類、値引額または割引率等の、値引きに関する情報(値引情報)が値引コードに対応付けて格納されている。また、値引設定テーブル43には、それぞれの値引サービスが適用される値引き対象商品に対して用いられるポイント倍率が、値引き時ポイント倍率としてそれぞれ設定されている。
このように値引設定テーブル43は、値引情報と値引き時ポイント倍率とを対応付けて記憶する値引き時ポイント還元率記憶手段として機能する。尚、部門別ポイント倍率テーブル42と同様、値引設定テーブル43にはポイント倍率に代わってポイント還元率が設定されてもよい。
好適な実施形態の一例としては、値引き時ポイント倍率は部門別ポイント倍率以下に設定されると、値引き時のポイントを値引き無し時のポイント以下に抑えることができ、客へのサービスが過剰となることを防止できる。即ち、一例として部門別ポイント倍率が1.0倍以上と設定されている場合、値引き時ポイント倍率を1.0倍以下に設定しておけば、値引き有りの場合の付与ポイントを値引き無しの場合の付与ポイント以下とすることができる。
次に、図2に示す制御部31が実現する各部の機能について説明する。
商品情報受付部51は、キーボード13またはスキャナ19からの入力に応じて、客が買い上げる商品の商品情報を受付ける。例えば、商品情報受付部51は、キーボード13から商品コードが入力された場合、或いは、スキャナ19が商品に付されたバーコードから商品コードを読み取った場合、当該商品コードに対応する商品情報を商品マスタ41から読み込んでRAMのワークメモリに格納する。
商品情報としては、商品コードの他、当該商品コードに対応する商品の商品名、当該商品が属する部門コード、部門名、商品の価格等が用いられるが、その他の商品情報が用いられてもよい。
値引情報受付部52は、商品の値引きに関する情報である値引情報を受付ける。即ち、上述したキーボード13の値引キーのうちいずれか1つが選択された場合に、値引情報受付部52は値引設定テーブル43を参照して、選択された値引キーに対応付けられている値引情報を読み込んで受付ける。即ち、値引情報受付部52は、図5に示す値引設定テーブル43から値引情報として、値引き種類と、値引き額と、値引き時ポイント倍率とを読み込み、RAMのワークメモリに格納する。
以下では、値引情報受付部52が値引情報を受付けた商品を値引き対象商品、値引情報を受付けていない商品を値引き対象外商品と称する。
第1ポイント算出部53は、商品情報受付部51が読み込んだ商品情報に基づく値引き対象外商品の価格と、当該値引対象外商品に対するポイント還元率とを用いて値引き対象外商品に対するポイントを算出する。より詳細には、第1ポイント算出部53は、商品情報受付部51によって上述のように読み込まれた部門コードに対応する部門別ポイント倍率を部門別ポイント倍率テーブル42から読み込む。そして、商品情報受付部51が商品マスタ41から読み込んだ商品価格と、部門別ポイント倍率と、基準倍率とを用いて、値引き対象外商品に対するポイントを算出する。
例えば、スキャナ19から商品コード00004の入力を受付けると、商品情報受付部51は、商品マスタ41(図3参照)からこの商品DDDDDの部門コード(03)と商品価格(500円)とを読み込む。そして、第1ポイント算出部53は、部門別ポイント倍率テーブル42からこの部門コード03に対応する部門別ポイント倍率(2.0倍)を読み込む。そして、第1ポイント算出部53は、商品価格(500円)と部門別ポイント倍率(2.0倍)と基準倍率(1.0%)との積から、この商品DDDDDに対するポイントを10ポイントと算出する。
第2ポイント算出部54は、値引き対象商品の値引き後の価格と、当該値引き対象商品に対して設定された値引き時ポイント還元率とを用いて値引き対象商品に対するポイントを算出する。より詳細には、第2ポイント算出部54は、商品情報受付部51が読み込んだ商品価格と、値引情報受付部52が読み込んだ値引情報とから値引き対象商品の値引き後の価格を算出する。そして、当該値引き後の価格と、値引情報受付部52が値引設定テーブル43から読み込んだ値引き時ポイント倍率と、基準倍率とを用いて、値引き対象商品に対するポイントを算出する。
例えば、商品情報受付部51がスキャナ19から商品コード00004の入力を受付けた場合であって、かつ、値引情報受付部52がキーボード13の値引キーから値引1の入力を受付けた場合、値引情報受付部52は、値引設定テーブル43(図5参照)から値引1に対応する値引き種類(円)、値引き額(−100)、値引き時ポイント倍率(1.0倍)を読み込む。そして、第2ポイント算出部54は、商品マスタ41から読み込まれた商品価格(500円)と、値引き種類(円)、値引き額(−100)とから値引き後の価格を400円と算出する。そして、第2ポイント算出部54は、値引き後の価格(400円)と、値引き時ポイント倍率(1.0倍)と、基準倍率(1.0%)との積から、この値引き対象商品に対するポイントを4ポイントと算出する。
従来は、値引き対象商品、値引き対象外商品に関わらず部門別ポイント倍率テーブル42に設定された部門別ポイント倍率によりポイントが算出されていた。従って、値引き商品であるにも関わらず部門コードに応じてポイント倍率が基準倍率より高めに設定されている場合には、値引サービスと、高倍率によるポイント付与サービスとの双方が提供されることとなり、サービス過剰となってサービス提供の最適化において改善の余地があった。
これに対して本実施形態の第2ポイント算出部54は、値引き対象商品に対しては、部門別ポイント倍率テーブル42に設定されている部門別ポイント倍率ではなく、値引設定テーブル43に設定されている値引き時ポイント倍率を優先的に適用してポイントを算出するので、ポイントを付与しすぎることを防止してサービスの最適化を図ることができる。
尚、値引き時ポイント倍率を、値引き対象外商品に対して適用されるポイント倍率(本実施形態では部門別ポイント倍率)より低く設定しておけば、過剰なサービスを抑えることができるが、値引き時ポイント倍率および値引き対象外商品に対するポイント倍率の大小関係は特に限定されない。例えば、得意客には、値引き時にも高いポイント倍率でポイント還元できるよう値引き時ポイント倍率が設定されてもよいし、その他の条件に応じて値引き時ポイント倍率が設定されてもよい。
また、上述では、値引き対象商品に対するポイントを、値引き後の価格を用いて算出したが、第2ポイント算出部54は、値引き前の価格と値引き時ポイント倍率とから当該ポイントを算出してもよい。また、値引き対象商品の価格として、値引き前の価格を用いるか、或いは値引き後の価格を用いるかをメモリ設定により変更可能に構成してもよい。
また、値引き時ポイント倍率を値引コードごとに変えず、一律に所定倍数としてもよい。例えば、値引き時ポイント倍率を一律に1.0倍として、値引き時には基準倍率が適用されてもよい。
販売登録部55は、販売登録手段および出力手段として機能する。販売登録部55は、第1ポイント算出部53が算出したポイントと、第2ポイント算出部54が算出したポイントとを合算して、客に対して付与される合計ポイントを算出する。そして当該合計ポイントを客の会員番号に対応付けて、HDD40内のジャーナル、顧客マスタ(ともに不図示)等に出力して格納する。また、販売登録部55は当該合計ポイントをカードRW11に出力して、客の会員カードに記録されている累計ポイントをこの合計ポイントにより更新する。
また、販売登録部55は、商品情報受付部51が受付けた商品情報、値引情報受付部52が受付けた値引情報、第2ポイント算出部54が算出した値引き後の価格、一取引における買い上げ点数、一取引の合計金額、第1ポイント算出部53、第2ポイント算出部54がそれぞれ算出したポイント、商品に適用されるポイント還元率やポイント倍率、販売登録部55が算出した合計ポイント、累計ポイント等のデータをHDD40内のジャーナルに出力して記録することにより、商品の販売登録を行う。
また、販売登録部55は、更新後の累計ポイント等のポイントに関するデータをカードRW11に出力して、会員カード2に当該累計ポイントを記録する。
尚、販売登録データ(ポイントに関するデータを含む)等の出力先は特に限定されず、販売登録部55は例えばRFID等の無線通信を介して、客の携帯型電子機器にこれらポイントに関するデータを送信し、当該電子機器の表示画面にこれらポイントを表示出力させてもよい。また、販売登録部55は、上述したストアサーバやその他のサーバに対して販売登録データ又はポイントに関するデータを出力してもよい。
印刷制御部56は、出力手段として機能し、キーボード13の会計キー等が選択されて一取引の終了が宣言された場合に、プリンタ17を制御して当該取引にかかるレシートおよびジャーナルを印刷する。レシートおよびジャーナルに印刷される項目は略同様であるため、以下では図6を参照してレシートの印刷例を示すことにより、レシートおよびジャーナルの双方に印刷される項目例を示すこととする。尚、図6に示される項目以外のデータがレシートまたはジャーナルに印刷されてよいことは言うまでもない。
図6は、印刷制御部56によって印刷されるレシート80の一例を示す図である。レシート80には、例えば、この取引において客が買い上げた商品の商品名、部門コード、商品価格等、商品毎の商品情報や、この取引における合計金額などの情報が印刷される。また、レシート80には、値引き対象外商品に対するポイントにかかる情報として部門別ポイント倍率が、値引き対象商品に対するポイントにかかる情報として値引き時ポイント倍率が印刷される。さらに、レシート80には、前回までの累計ポイントを示した前回ポイント、今回の取引で付与された合計ポイントを示す今回ポイント、前回ポイントと今回ポイントとの合計であり客が今回の取引後に保有する累計ポイントなど、ポイントに関する情報が印刷される。
ポイントの表示方法は特に限定されないが、例えば図6に示すように、ポイント倍率が1倍である部門の商品(部門01の商品AAAAAおよびBBBBB)については通常のポイント倍率であるとしてポイント倍率を記さず、部門02の商品CCCCCのようにポイント倍率が1倍以外である場合に、その部門別ポイント倍率が1.5倍であることを記してもよい。また、値引き時ポイント倍率が適用される場合には、適用された値引コード(値引1)とその値引き額(−100)等の値引情報とともに、その値引コードに対応する値引き時ポイント倍率(1.0倍)を記してもよい。
また、図6ではポイント倍率を印刷する例について示したが、ポイントに関する情報としては、付与されるポイント数を印刷してもよい。また、図6では、ポイント倍率が1倍である場合にポイント倍率を記さないとしたが、各商品に対するポイント倍率を省略せずに全て示したり、各商品に対するポイント数をそれぞれ表示したりしてもよい。さらに、部門ごとの合計ポイントや、値引き対象商品に対する合計ポイント、値引き対象外商品に対する合計ポイントなどを印刷してもよい。
次に、POS装置1が実行するポイント算出処理の手順について説明する。図7は、POS装置1が実行するポイント算出処理の手順を示すフローチャートである。
まず、商品情報受付部51は、キーボード13またはスキャナ19からの入力に応じて、客が買い上げる商品の商品コードを受付ける(ステップS1)。そして、受付けた商品コードに対応する商品名、部門コード、商品価格等の商品情報を商品マスタ41から読み込んでRAMのワークメモリに格納する(ステップS2)。
次に、値引情報受付部52は、キーボード13の値引キーのうちいずれか1つが選択された場合に(ステップS3:Yes)、選択された値引キーに対応する値引コード、値引き種類、値引き額、値引き時ポイント倍率等の値引情報を値引設定テーブル43から読み込んでワークメモリに格納し(ステップS4)、ステップS6に移行する。値引キーの選択を受付けない場合(ステップS3:No)、値引情報受付部52は、所定時間が経過したか否かを判定し(ステップS5)、所定時間が経過するまで(ステップS5:No)値引キーの受付待ちをする(ステップS3)。所定時間が経過した場合(ステップS5:Yes)には、ステップS6に移行する。
販売登録部55は、ステップS1で商品コードを受付けた商品が値引き対象商品であるか否かを判定する(ステップS6)。販売登録部55は、値引情報が読み込まれた商品については値引き対象商品であると判定し(ステップS6:Yes)、値引情報が読み込まれていない商品については値引き対象外商品であると判定する(ステップS6:No)。
まず、値引き対象外商品(ステップS6:No)については、第1ポイント算出部53は、ステップS1で読み込まれた部門コードに対応する部門別ポイント倍率を部門別ポイント倍率テーブル42から読み込む。そして、第1ポイント算出部53は、当該部門別ポイント倍率と、ステップS1で読み込まれた商品価格と、基準倍率との積を求めることにより、値引き対象外商品に対するポイントを算出し、部門別ポイント倍率とともにワークメモリに格納する(ステップS7)。
一方、値引き対象商品(ステップS6:Yes)については、第2ポイント算出部54は、ステップS1で読み込まれた商品価格と、値引情報受付部52が受付けた値引情報に基づいて、当該商品の値引き後の価格を算出する。そして、第2ポイント算出部54は、値引き後の価格と、値引情報受付部52によって値引設定テーブル43から読み込まれた値引き時ポイント倍率と、基準倍率との積を求めることにより、この値引き対象商品に対するポイントを算出し、値引き時ポイント倍率とともにワークメモリに格納する(ステップS8)。
次に、販売登録部55は、キーボード13において会計キーが選択されてこの取引の終了が宣言されたか否かを判定する(ステップS9)。会計キーが選択されていない間(ステップS9:No)は、ステップS1に戻って客が買い上げる全ての商品についてステップS1〜S8の処理を繰り返す。
会計キーが選択された場合(ステップS9:Yes)、販売登録部55は、ステップS2で読み込まれた商品情報やステップS8で算出された値引き対象商品の値引き後の価格に基づいて、この取引で客が支払う合計金額を算出する。また、販売登録部55は、全ての値引き対象外商品に対して付与される総ポイントと、全ての値引き対象商品に対して付与される総ポイントとを合算して、この取引において客に付与される合計ポイントを算出する。また、販売登録部55は、客の会員カード2からこの客の会員番号と現時点までに累積されている累計ポイントを読み込む。そして、販売登録部55は、累計ポイントに今回の取引の合計ポイントを加算して、新たな累計ポイントを算出する(ステップS10)。
そして、販売登録部55は、ステップS2で読み込まれた各商品の商品情報、ステップS10で算出された合計金額、今回の取引における合計ポイント、累計ポイント、会員カード2から読み込んだ会員番号等の情報等を当該取引にかかる販売登録データとしてHDD40内のジャーナルに格納し、この取引の販売登録を行う(ステップS11)。また、販売登録部55は、カードRW11を制御して、ステップS10で算出された累計ポイントにより会員カード2に格納されている累計ポイントを更新する(ステップS12)。
次いで、印刷制御部56は、プリンタ17を制御して、この取引で販売登録された各商品の商品情報や合計金額等の情報、並びに、図6で上述した今回ポイント、前回ポイント、累計ポイントを示す情報等ポイントに関する情報を記したレシートおよびジャーナルを印刷する(ステップS13)。
尚、図7では、先に商品コードを受付けてその後値引コードを受付ける形態としたが、値引コードを先に受付けて商品コードをその後受付ける形態としてもよいし、受付順をPOS装置1において適宜設定可能としてもよい。
本実施形態のPOS装置1で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態のPOS装置1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施形態のPOS装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のPOS装置1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
本実施形態のPOS装置1で実行されるプログラムは、上述した各部(商品情報受付部51、値引情報受付部52、第1ポイント算出部53、第2ポイント算出部54、販売登録部55、印刷制御部56)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、商品情報受付部51、値引情報受付部52、第1ポイント算出部53、第2ポイント算出部54、販売登録部55、印刷制御部56が主記憶装置上に生成されるようになっている。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
尚、上述では、第1ポイント算出部53が、部門別にポイント倍率が設定されている部門別ポイント倍率テーブル42(図4参照)を用いて値引き対象外商品に対するポイントを算出する例を示したが、第1ポイント算出部53は、部門以外の商品情報に基づいてポイントを算出してもよい。即ち、ポイント還元率を記憶する記憶手段には、特定の商品コード、特定の商品名、特定のキーワードなど所定の商品情報を有する商品に対するポイント還元率またはポイント倍率が設定されていてもよい。そして、第1ポイント算出部53が、特定の商品情報を有する値引き対象外商品に対して当該記憶手段に設定されているポイント還元率またはポイント倍率を適用してポイントを算出してもよい。
また、商品マスタ41において商品のセール期間を設定しておき、ポイント還元率を記憶する記憶手段において、セール期間内にある商品に対して基準還元率よりも高くなるようにポイント還元率或いはポイント倍率を設定しておく形態としてもよい。そして、第1ポイント算出部53が、セール期間に該当する商品には当該セール期間に該当する商品に対して適用されるポイント還元率またはポイント倍率を適用してポイント倍率を算出してもよい。
また、商品マスタ41において販売促進キャンペーンに属する商品にフラグを立てておき、ポイント還元率を記憶する記憶手段には、当該フラグが立てられた商品に対するポイント還元率またはポイント倍率を基準還元率より高くなるように設定しておく形態としてもよい。
また、上述では、値引き対象外商品に対するポイント倍率が商品情報に対応して変更される例を示したが、値引き対象外商品に対するポイント倍率が商品情報に寄らず一定倍率である場合に、上記本実施形態が適用されてもよい。例えば、ポイント2倍デー等のように全商品に対して基準倍率の2倍でポイントが付与される特売日において、値引き対象外商品に対するポイント倍率は2倍とし、値引き対象商品に対するポイント倍率は基準倍率(例えば1倍)としてもよい。
また、上述では、本実施形態の出力手段の一例として販売登録部55および印刷制御部56を示したが、POS装置1は出力手段としてその他の構成を備えてもよい。例えば、POS装置1の制御部31は、店員用ディスプレイ15、客用ディスプレイ16、或いはPOS装置1に接続されたその他の表示器に、上述のポイントに関する情報を含む画像データを出力し、表示画面にこれらポイントに関する情報を表示出力させてもよい。
また、上述では、第2ポイント算出部54は、値引き対象外商品に対して部門別ポイント倍率を用いずに値引き時ポイント倍率を用いてポイントを算出するとしたが、双方の倍率を比較した後にいずれか一方のポイント倍率を選択してポイントを算出してもよい。即ち、一例として第2ポイント算出部54は、値引き対象外商品に対するポイント倍率(例えば、部門別ポイント倍率)と、値引き時ポイント倍率とを比較して、小さい方のポイント倍率を選択し、当該小さい方のポイント倍率と値引き後の価格とを用いて、値引き対象商品に対するポイントを算出してもよい。さらにこの場合に、値引き後の価格ではなく値引き前の価格を用いてもよい。また、この場合に、ポイント倍率ではなく、上述したのと同様にポイント還元率同士を比較してもよい。
以上説明したとおり、本実施形態によれば、値引き対象外商品に対するポイントの算出には値引き対象外商品に対するポイント倍率が用いられ、値引き対象商品に対するポイントは値引き時ポイント倍率が用いられるので、値引きの有無を考慮したポイント付与サービスを提供することができる。