JP5551527B2 - プレストレストコンクリート構造体およびその施工方法 - Google Patents
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Description
この特許文献1では、筒状の中空PC鋼棒と、その中に配置される反力PC鋼棒とを備えるプレストレス導入用のPC鋼棒ユニット(登録商標:NAPPユニット)を用いてプレストレスを導入しており、現場での緊張管理が不要で、現場作業を軽減できるといった特徴を有するものである。
そして、建設現場に前記PC鋼棒ユニットを搬送し、現場の地盤に形成したアンカー孔に前記PC鋼棒ユニットを設置した後、前記アンカー孔内にグラウト材を注入する。
このグラウト材が硬化した後、緊張保持部材および反力PC鋼棒を取り外して中空PC鋼棒に導入された緊張を解放する。
以上により、中空PC鋼棒に付着されているグラウト材にプレストレスを導入し、場所打ち杭を形成している。
中空PC鋼棒は、通常、場所打ち杭の鉄筋(配筋)として用いられる鋼棒に比べ、直径が同じであれば中空であるため断面積は小さい。このため、前記中空PC鋼棒を用いた場合には、コンクリートにプレストレスを導入できる一方で、配筋材としての性能は、同じ直径の鉄筋に比べて低くなるという問題があった。
さらに、第1,2連結部材によって、中空PC鋼棒に対して反力PC鋼棒を軸方向に移動不能に連結して一体化しているので、中空PC鋼棒に引張力および圧縮力のいずれの力が加わった場合でも、その力を中空PC鋼棒に伝達して各鋼棒で支持することができる。このため、コンクリート構造体が圧縮される場合や引っ張られる場合のいずれの場合も、PC鋼棒ユニットの耐力を向上でき、コンクリート構造体の性能を向上できる。
さらに、中空PC鋼棒、反力PC鋼棒と、第1、2連結部材の連結は、すべて雄ねじ部および雌ねじ部の螺合によって実現できるので、連結作業も容易に行うことができる。
さらに、固定筒に対する固定ボルトの取付作業も、固定ボルトを固定筒にねじ込むだけでよいため、現場作業性を低下させることがない。
なお、緊張保持部材を残してコンクリートを打設するとは、少なくとも緊張保持部材にはコンクリートが掛からないように打設し、コンクリートが硬化した後で緊張保持部材を取り外すことができるように施工することを意味する。
図1は、本発明のプレストレストコンクリート構造体の実施形態である場所打ち杭1が示されている。
場所打ち杭1は、地盤5に形成された孔(打設予定空間)5Aに打設されたコンクリート形成部2と、コンクリート形成部2内に配設されたPC鋼棒ユニット3とを備えて構成されている。
PC鋼棒ユニット3は、その上部が地盤5から露出するように配置されており、その上部は、地盤5上に設けられたコンクリート構造物、例えば、フーチング6内に配設されている。
なお、本実施形態の図面においては、コンクリート形成部2内にPC鋼棒ユニット3を1本のみ配置しているが、このPC鋼棒ユニット3の本数はコンクリート形成部2の断面積などに応じて適宜設定すればよい。通常、杭1の配筋は、杭1の周面に沿って複数本配置されるため、前記PC鋼棒ユニット3も同様にコンクリート形成部2内に複数本配置すればよい。
PC鋼棒ユニット3は、図2に示すように、中空PC鋼棒10と、中空PC鋼棒10内に配置された反力PC鋼棒20と、中空PC鋼棒10および反力PC鋼棒20を連結する第1連結部材30および第2連結部材40とを備えている。
中空PC鋼棒10は、筒状(パイプ状)に形成され、その内径は所定の口径とされている。例えば、中空PC鋼棒10は、直径が30mm〜45mm程度であり、厚さが3.5mm〜7.5mm程度のパイプ部材である。これらの直径や厚さは、中空PC鋼棒10によるプレストレスの導入力や、中空PC鋼棒10に求められる強度に応じて設定される。
中空PC鋼棒10の第1の端部(図1において孔5Aの底側に配置される下端部)と、第2の端部(図1において孔5Aの開口側に配置される上端部)には、それぞれ雄ねじ部11,12が形成されている。本実施形態の中空PC鋼棒10では、雄ねじ部11,12間にはネジが形成されていないが、中空PC鋼棒10の全長に渡って雄ねじ部を形成してもよい。
反力PC鋼棒20は、前記中空PC鋼棒10の貫通孔に挿通される中実のPC鋼棒であり、その直径は中空PC鋼棒10の口径に応じて設定される。この反力PC鋼棒20は、例えば、JIS G 3109に規定されたC種1号のPC鋼棒が用いられる。
反力PC鋼棒20の第1の端部(下端部)および第2の端部(上端部)には、それぞれ雄ねじ部21,22が形成されている。この雄ねじ部21,22は、転造加工等で形成される。なお、雄ねじ部21,22は、中空PC鋼棒10内に配置される反力PC鋼棒20に形成されているため、雄ねじ部21,22の直径は中空PC鋼棒10の内径よりも小さくされている。従って、雄ねじ部11,12の直径は、雄ねじ部21,22の直径よりも大きな寸法となる。
第1連結部材30は、筒状に形成され、内部の貫通孔には、前記雄ねじ部11が螺合される大径雌ねじ部31と、前記雄ねじ部21が螺合される小径雌ねじ部32とを備えている。
すなわち、大径雌ねじ部31の内径は、小径雌ねじ部32の内径よりも大きくされている。
このように、第1連結部材30に対して、中空PC鋼棒10、反力PC鋼棒20がそれぞれねじ止めされているので、中空PC鋼棒10に対して反力PC鋼棒20は軸方向に移動不能に連結されている。
第2連結部材40は、反力鋼棒用ナット41と、固定部材45とを備えている。
反力鋼棒用ナット41は、円筒状の部材であり、筒内周面に前記雄ねじ部22に螺合する雌ねじ部42が形成されている。この反力鋼棒用ナット41は、反力PC鋼棒20の端面に当接される位置まで雄ねじ部22にねじ込まれている。
固定筒46は、貫通孔461が形成されて筒状とされている。貫通孔461の両端部には、雌ねじ部462,463が形成されている。
雌ねじ部462には、中空PC鋼棒10の雄ねじ部12が螺合されている。また、雌ねじ部463には、固定ボルト47が螺合されている。
ここで、本実施形態の固定筒46は、雌ねじ部462の内径が、雌ねじ部463の内径よりも小さく設定され、貫通孔461の内径が雌ねじ部462,463で異なるように形成されている。従って、固定筒46は、異径スリーブで構成されていることになる。
すなわち、反力鋼棒用ナット41を雄ねじ部22に螺合した際に、反力鋼棒用ナット41よりも雄ねじ部22が上方の突出している場合には、固定ボルト47は反力PC鋼棒20の上端面に当接する。
逆に、雄ねじ部22よりも反力鋼棒用ナット41が上方の突出している場合には、固定ボルト47は反力鋼棒用ナット41の上端面に当接する。
さらに、反力鋼棒用ナット41および雄ねじ部22の上端面が同一平面で揃っている場合には、固定ボルト47は、反力鋼棒用ナット41および反力PC鋼棒20の各上端面に当接する。
このため、中空PC鋼棒10に加わる力は、反力PC鋼棒20にも伝達され、各鋼棒10,20で支持される。
例えば、PC鋼棒ユニット3に応力が加わり、中空PC鋼棒10に圧縮力が加わった場合、反力鋼棒用ナット41に対して中空PC鋼棒10の端面が離れる方向(下方)に力が加わる。この場合は、雄ねじ部12に螺合された固定筒46および固定筒46に螺合された固定ボルト47も下方に移動しようとする。この際、固定ボルト47が前記反力鋼棒用ナット41や反力PC鋼棒20に当接しているため、前記中空PC鋼棒10に加わった力は、中空PC鋼棒10にも伝達される。従って、中空PC鋼棒10および反力PC鋼棒20が一体となって前記圧縮力を受けることになり、PC鋼棒ユニット3の耐力が向上する。
次に、前記プレストレストコンクリート構造体である場所打ち杭1の施工方法について説明する。
なお、現場において杭1を施工する前に、中空PC鋼棒10に予め引張力を導入するための作業を工場において行う必要がある。この作業は、前記特許文献1に記載されたものと同様であるため、以下に簡略して説明する。
工場において、図3に示すようなPC鋼棒ユニット3を組み立てる。
すなわち、中空PC鋼棒10内に反力PC鋼棒20を挿通し、雄ねじ部11,21に第1連結部材30を螺合する。これにより、中空PC鋼棒10および反力PC鋼棒20の第1の端部側が連結されて一体化される。
この緊張保持部材50は、図3に示すように、前記第2連結部材40の固定筒46と、固定筒46内の貫通孔461に配置されて反力PC鋼棒20の第2の端部に当接される押込みピース51と、前記固定筒46の雌ねじ部463に螺合され、かつ、貫通孔521を有するストッパー52とを備えたものである。
ただし、第2連結部材40の固定筒46と、緊張保持部材50のスリーブとは、前述した機能を実現できる構成であれば、必ずしも同一の寸法、構造のものでなくてもよい。
図3に示す状態のPC鋼棒ユニット3に対して、貫通孔521に圧縮用ロッド(図示略)を挿入し、この圧縮用ロッドを油圧ジャッキなどで反力PC鋼棒20側に押し込む。
すると、押込みピース51を介して反力PC鋼棒20に圧縮力が加わり、その反力で中空PC鋼棒10には引張力が加わる。
この状態からストッパー52をねじ込んで、反力PC鋼棒20が元の長さに戻らないように拘束し、圧縮用ロッドを取り外す。
以上により、図4に示すように、中空PC鋼棒10に引張力が導入された状態のPC鋼棒ユニット3が製造される。このPC鋼棒ユニット3は、場所打ち杭1の施工現場に出荷される。
施工現場では、図4に示すように、地盤5に形成した孔5AにPC鋼棒ユニット3を配置する。この際、緊張保持部材50が地盤5から突出する高さにPC鋼棒ユニット3を設置する。
次に、図5に示すように、孔5A内にコンクリートを打設してコンクリート形成部2を形成する。この際、コンクリートは、緊張保持部材50部分まで達しないように打設する。すなわち、緊張保持部材50を残して、緊張保持部材50以外の部分(緊張保持部材50より下側)を被覆するようにコンクリートを打設する。
図6に示すように、コンクリートが硬化した後、専用の解放機器を用いてストッパー52を緩めて取り外す。これにより、反力PC鋼棒20が元の長さに戻り、中空PC鋼棒10に加わっていた引張力(緊張状態)も解放される。すると、中空PC鋼棒10が縮んで元の長さに戻るため、中空PC鋼棒10に付着されているコンクリート形成部2にプレストレスが導入される。
また、ストッパー52の他に、押込みピース51および固定筒46も、中空PC鋼棒10から取り外す。
図7に示すように、反力PC鋼棒20の雄ねじ部22に反力鋼棒用ナット41を取り付ける。この際、反力鋼棒用ナット41は反力PC鋼棒20の端面に当接する位置までねじ込まれる。
次に、図8に示すように、固定筒46を雄ねじ部12にねじ込む。この際、反力鋼棒用ナット41の直径は、貫通孔461や雌ねじ部462の内径よりも小さく設定されているので、反力鋼棒用ナット41は、雌ねじ部462を通して貫通孔461内に配置される。
さらに、固定ボルト47を固定筒46の雌ねじ部463にねじ込み、反力鋼棒用ナット41および反力PC鋼棒20の端面に当接させる。
これにより、第2連結部材40によって、中空PC鋼棒10および反力PC鋼棒20の第2の端部側が連結されて一体化される。
以上の工程により、PC鋼棒ユニット3によりプレストレスが導入され、かつ、PC鋼棒ユニット3が配筋として埋設された場所打ち杭1が施工される。
次に、図1に示すように、固定ボルト47を間に挟んで型枠などを設置し、コンクリートを打設してフーチング6を施工する。
これにより、場所打ち杭1およびフーチング6を有する基礎が施工される。
(1)PC鋼棒ユニット3によってコンクリート形成部2にプレストレスを導入した後、中空PC鋼棒10だけでなく、反力PC鋼棒20もコンクリート形成部2内に残しており、かつ、第1連結部材30および第2連結部材40でこれらの各鋼棒10,20を一体化している。
このため、コンクリート形成部2内に中空PC鋼棒10のみが配置されていた従来技術に比べて、本実施形態では、中空PC鋼棒10だけでなく反力PC鋼棒20も配置されているので、杭1の鉄筋となるPC鋼棒ユニット3の断面積が従来よりも増加し、鉄筋の曲げ耐力も向上する。
従って、中空PC鋼棒10のみをコンクリート形成部2内に配置していた場合に比べて、その中空PC鋼棒10と同じ本数のPC鋼棒ユニット3を配置すれば、プレストレストコンクリート構造体である杭1の性能を向上できる。
一方、杭1の性能を従来技術と同等に維持する場合には、コンクリート形成部2内に配置するPC鋼棒ユニット3の本数、つまり配筋量を減少させることができ、コストダウンを図れ、かつ、重量減少により配筋を支持する負担を軽減できる。
特に、工場から現場まではPC鋼棒ユニット3に緊張保持部材50が取り付けられているので、第2連結部材40を別途輸送しなければならず、施工後は、取り外された緊張保持部材50を工場に戻さなければならないが、固定筒46を第2連結部材40および緊張保持部材50で兼用できれば、輸送部品点数も少なくでき、輸送コストも低減できる。
さらに、PC鋼棒ユニット3が、杭1およびフーチング6に跨って配置されるため、フーチング6に加わった力を杭1に伝達でき、杭1およびフーチング6で構成される構造物の基礎部分の性能を向上できる。
例えば、図1で示される実施形態では、固定筒46から突出する長さ寸法の固定ボルト47を用いていたが、図9に示すように、固定筒46から突出しない長さ寸法の固定ボルト47Aを用いてもよい。
Claims (4)
- コンクリートで形成されたコンクリート形成部と、
前記コンクリート形成部内に配設され、コンクリート形成部にプレテンション方式でプレストレスを導入するPC鋼棒ユニットと、を備えて構成され、
前記PC鋼棒ユニットは、
筒状に形成されるとともに、前記コンクリート形成部に対してプレストレスを導入する中空PC鋼棒と、
前記中空PC鋼棒内に配置された反力PC鋼棒と、
前記中空PC鋼棒および反力PC鋼棒の一端側である第1の端部に取り付けられて、中空PC鋼棒に対して反力PC鋼棒を軸方向に移動不能に連結する第1連結部材と、
前記中空PC鋼棒および反力PC鋼棒の他端側である第2の端部に取り付けられて、前記コンクリート形成部にプレストレスを導入した中空PC鋼棒に対して反力PC鋼棒を軸方向に移動不能に連結する第2連結部材と、
を備え、
前記中空PC鋼棒は、少なくとも前記第1および第2の端部に雄ねじ部が形成され、
前記反力PC鋼棒は、前記第1および第2の端部が前記中空PC鋼棒の端部から突出され、この突出部分には雄ねじ部が形成され、
前記第1連結部材は、
前記中空PC鋼棒の第1の端部に形成された雄ねじ部に螺合された大径雌ねじ部と、
前記反力PC鋼棒の第1の端部に形成された雄ねじ部に螺合された小径雌ねじ部と、を備えて構成され、
前記第2連結部材は、
前記反力PC鋼棒の第2の端部に形成された雄ねじ部に螺合されるとともに、前記中空PC鋼棒の第2の端部側の端面に当接された反力鋼棒用ナットと、
前記中空PC鋼棒の第2の端部に形成された雄ねじ部に螺合される雌ねじ部を備えるとともに、前記反力PC鋼棒の第2の端部側の端面および前記反力鋼棒用ナットの端面の少なくとも一方に当接された当接部を備えた固定部材と、を備えて構成された
ことを特徴とするプレストレストコンクリート構造体。 - 請求項1に記載されたプレストレストコンクリート構造体において、
前記第2連結部材の固定部材は、
少なくとも両端部に雌ねじ部が形成された貫通孔を有して筒状に形成され、一端側の雌ねじ部が前記中空PC鋼棒の第2の端部の雄ねじ部に螺合された固定筒と、
この固定筒の前記他端側の雌ねじ部に螺合された固定ボルトと、を備えて構成され、
前記固定筒の貫通孔内には、前記反力PC鋼棒の第2の端部およびこの第2の端部に螺合された前記反力鋼棒用ナットが配置され、
前記固定ボルトにより、前記反力PC鋼棒の第2の端部側の端面および前記反力鋼棒用ナットの端面の少なくとも一方に当接された当接部が構成されている
ことを特徴とするプレストレストコンクリート構造体。 - 請求項2に記載されたプレストレストコンクリート構造体において、
前記PC鋼棒ユニットは、
少なくとも両端部に雌ねじ部が形成された貫通孔を有して筒状に形成され、一端側の雌ねじ部が前記中空PC鋼棒の第2の端部の雄ねじ部に螺合されるスリーブと、
前記スリーブの貫通孔内に配置されて前記反力PC鋼棒の第2の端部に当接される押込みピースと、
前記スリーブの他端側の雌ねじ部に螺合され、かつ、貫通孔を有するストッパーとを備えた緊張保持部材を用いるとともに、
前記ストッパーの貫通孔に挿通される圧縮用ロッドおよび前記押込みピースを介して力を加えて反力PC鋼棒を圧縮し、前記ストッパーを前記押込みピースに当接する位置までねじ込んで反力PC鋼棒が元の長さに戻らないように拘束することで、中空PC鋼棒に引張力を導入され、
前記スリーブは前記固定筒として兼用されている
ことを特徴とするプレストレストコンクリート構造体。 - コンクリートで形成されたコンクリート形成部と、コンクリート形成部内に配設され、コンクリート形成部にプレテンション方式でプレストレスを導入するPC鋼棒ユニットと、を備えて構成されるプレストレストコンクリート構造体の施工方法であって、
筒状に形成されるとともに、前記コンクリート形成部に対してプレストレスを導入する中空PC鋼棒と、前記中空PC鋼棒内に配置された反力PC鋼棒と、前記中空PC鋼棒および反力PC鋼棒の一端側である第1の端部に取り付けられて、中空PC鋼棒に対して反力PC鋼棒を軸方向に移動不能に連結する第1連結部材と、前記中空PC鋼棒および反力PC鋼棒の他端側である第2の端部に取り付けられて、前記中空PC鋼棒を引張力を導入した状態で保持する緊張保持部材とを備えて予め緊張保持されたPC鋼棒ユニットを、前記コンクリート形成部を形成する打設予定空間に配置する工程と、
前記PC鋼棒ユニットの緊張保持部材を残して、前記打設予定空間にコンクリートを打設する工程と、
前記コンクリートの硬化後に、緊張保持部材を取り外して中空PC鋼棒の緊張を解放し、中空PC鋼棒に付着しているコンクリート形成部にプレストレスを導入する工程と、
前記中空PC鋼棒および反力PC鋼棒の他端側である第2の端部に第2連結部材を取り付けて、前記中空PC鋼棒に対して反力PC鋼棒を軸方向に移動不能に連結する工程と、
を備え、
前記第2連結部材は、
前記反力PC鋼棒の第2の端部に形成された雄ねじ部に螺合されるとともに、前記中空PC鋼棒の第2の端部側の端面に当接された反力鋼棒用ナットと、前記中空PC鋼棒の第2の端部に形成された雄ねじ部に螺合される雌ねじ部を備えるとともに、前記反力PC鋼棒の第2の端部側の端面および前記反力鋼棒用ナットの端面の少なくとも一方に当接された当接部を備えた固定部材と、を備え、
前記中空PC鋼棒に対して反力PC鋼棒を軸方向に移動不能に連結する工程は、
前記中空PC鋼棒の第2の端部に前記反力鋼棒用ナットを螺合し、その後、前記固定部材を中空PC鋼棒に螺合して前記当接部を前記反力PC鋼棒の第2の端部側の端面および前記反力鋼棒用ナットの端面の少なくとも一方に当接させる
ことを特徴とするプレストレストコンクリート構造体の施工方法。
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