JP5550214B2 - コヒーレントotdr装置 - Google Patents
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Description
これは、光信号が入射されない時間が長く光ファイバアンプが高いエネルギー準位に励起された状態で光パルス信号が入射されると、急激なレーザ遷移が生じて光パルス信号の先端部分が急激に増幅されるためである。
なお、光通信システム200は、コヒーレントOTDR装置の評価対象であって、光ファイバアンプから構成される中継器200dが多段に縦続接続された上り回線200aと下り回線200bから構成され、回線間にはループバックパス200cが設けられている。また、それぞれの回線には、WDM送信機200e、WDM受信機200fが接続されており、異なる複数の波長を持つ通信光がWDM送信機200eから出力されてWDM受信機200fに向かって伝送される。
ダミー光源103からは、光周波数fp+Δfとは異なる光周波数fdのダミー光Pdが出射され、CW信号生成部105に入射される。
CW信号生成部105は、プローブ光Ppとダミー光Pdを重畳して、図5(b)に示す一定パワーのCW試験信号光Ptを光通信システム200の上り回線200aに出射する。具体的には、CW信号生成部105は、光スイッチ106と光スイッチの切替動作を制御する切替制御部107から構成されており、光スイッチ106は、切替制御部107の指示に従って、プローブ光Pp(fp+Δf)とダミー光Pd(fd)とを交互に切り替えて、プローブ光Pp(fp+Δf)を測定条件に適合したパルス幅Wと周期Tのパルス光にパルス化するとともに、プローブ光Pp(fp+Δf)の無信号区間にダミー光を重畳して、図5(b)に示す一定パワーのCW試験信号光Ptを形成する。
なお、CW試験信号光Ptのパワーが一定になるように、出力制御部108に指示により、プローブ光源102とダミー光源103の出力が制御される。
上り回線200aの反射戻り光Prは、ループバックパス200cを介して下り回線側200bからコヒーレントOTDR装置側へ出射され、プローブ光Ppを分岐して得たローカル光Pl(fp)と光合波器110で合波される。合波光は、ヘテロダイン検波部111でヘテロダイン検波される。具体的には、ヘテロダイン検波部111は、受光部112、バンドパスフィルタ113及び検波器114から構成され、合波光を受光して受光部112から出力されたビート信号Pbをバンドパスフィルタ113に通した後、ヘテロダイン検波部111で搬送周波数Δfの振幅変調波を取り出し、表示制御部115に入力される。
表示制御部115では、ヘテロダイン検波した信号を処理して、上り回線200aの損失分布と破断点を算出し、表示部116の算出結果を表示する。
ショット雑音は半導体受光素子においては光電流に比例した雑音電力であり、ショット雑音電力Nsは、次式(1)で与えられる。
Ns=2e(Ip+Id)BR (1)
ここで、eは電子の電荷(1.6×10-19 c)、Ipは光電流、Idは暗電流、Bは帯域幅、Rは負荷抵抗である。
また、合波光の光電力Abは、次式(2)で与えられる。
Ab=Al+Ar+2√Al√Arcos(2πΔft+φ) (2)
ここで、Alはローカル光Plの光電力、Arは反射戻り光Prの光電力、Δfはローカル光Plと反射戻り光Prの周波数差、φはローカル光Plと反射戻り光Prの位相差であり、(2)式の右辺第3項がビート信号Pbの振幅変調成分に相当する。
例えば、代表的な光周波数シフタとして使用される音響光学変調器(AOM:Acousto―Optic Modulator)の回折効率は、長距離系の光通信システムで利用される1500nm〜1600nm帯のレーザ波長で約50%である。この周波数シフタでのプローブ光の損失を補うために、プローブ光源の出力を上げたり、あるいは、後段のプリアンプである光ファイバアンプのゲインを上げることにより対処できるが、いずれの方法も電力を余計に消費することになる。
コヒーレント光パルスを光通信システムの光ファイバ線路に出射し、該光ファイバ線路からの戻り光を光ヘテロダイン検波して前記光ファイバ線路の特性評価を行うコヒーレントOTDR装置において、
波長可変光源であって、前記光ファイバ線路で運用中の通信信号光の光周波数とは異なる光周波数のプローブ光(Pp)を出射する波長可変プローブ光源(31)と、
該プローブ光とは光周波数が異なるダミー光(Pd)を出射するダミー光源(3)と、
前記波長可変プローブ光源から出射されたプローブ光を2つの光路に分波する光分波器(4)と、
該光分波器で分岐された一方のプローブ光、及び前記ダミー光源から出射されたダミー光を、それぞれパルスに変換するとともに、これらのパルスを交互に前記光ファイバ線路に出射するCW試験信号光(Pt)を形成するCW信号発生部(5、21)と、
該光分波器で分波された他方のプローブ光を周波数シフト(Δf)してローカル光(Pl)を出射する音響光学変調器(9)と、
該ローカル光と前記光ファイバ線路からの戻り光(Pr)を合波する第1の光合波器(10)と、
該第1の光合波器により合波された合波光を受光して戻り光とローカル光とでヘテロダイン検波を行うヘテロダイン検波部(11)と、
前記CW試験信号光のそれぞれのパルスが一定のパワーになるように前記波長可変プローブ光源及び前記ダミー光源の出力を制御し、前記波長可変プローブ光源に対し前記プローブ光の光周波数を制御するとともに、前記音響光学変調器において前記他方のプローブ光の損失が小さくなるように前記音響光学変調器の音響光学素子に印加する音響パルスの周期やレベルを調節する波長制御部(33)とから構成されることを特徴とする。
前記CW信号発生部は、前記光分岐器で分岐された一方のプローブ光を入射する第1の入力ポート(6a)と前記ダミー光源から出射されたダミー光を入射する第2の入力ポート(6b)とを有し、該入射されたプローブ光とダミー光の光路を交互に切り替えることによって前記CW試験信号光を合成して一の出力ポート(6c)から出射する光スイッチ(6)と、
前記特性評価の評価条件に応じてプローブ光とダミー光の切り替えのタイミングを光スイッチに指示する切替制御部(7)とから構成されることを特徴とする。
前記CW信号発生部は、前記光分波器で分岐された一方のプローブ光の通過を制御する第1の光ゲート(22)と、
前記ダミー光源から出射されたダミー光の通過を制御する第2の光ゲート(23)と、
前記特性評価の評価条件に応じて、該プローブ光とダミー光が交互に出射されるように前記第1及び第2の光ゲートのゲートタイミングを制御する切替制御部(24)と、
前記第1及び第2の光ゲートから出射されたプローブ光及びダミー光を重畳して前記CW試験信号光を合成して出射する第2の光合波器(25)とから構成されることを特徴とする。
前記第1の光ゲート及び第2の光ゲートは半導体光増幅素子から構成されることを特徴とする。
前記プローブ光源は波長可変光源(102)であって、前記光ファイバ線路で運用中の通信信号光の光周波数とは異なる光周波数の前記プローブ光を出射することを特徴とする。
図1は、本発明の第1の実施形態のコヒーレントOTDR装置1の構成を示している。
光分波器4は、光カプラ等から構成され、プローブ光Ppを受けて2つの光路に分波し、一方をCW信号生成部5の光スイッチ6へ、他方を光周波数シフタ9へ出射する。
光スイッチ6は、プローブ光源2から出射され光分波器4で分波されたプローブ光Ppとダミー光源から出射されたダミー光Pdをそれぞれ受ける第1の入力ポート6aおよび第2の入力ポート6bと、一つの出力ポート6cとを備えた光スイッチであって、切替制御部7の指示に従ってプローブ光Pp(fp)とダミー光Pd(fd)の光路を切り替えることによって、一の出力ポート6cから図5(a)に示すパワー一定のCW試験信号光Pt(fp、fd)を合成して出射する。
切替制御部7は、光ファイバ回線200aの測定距離や測定分解能等の測定条件に対応した最適なプローブ光パルスのパルス幅Wとパルス周期Tに基づいて、光スイッチ6の光路の切り替えタイミングを制御する。なお、光ファイバ回線の総延長が数千kmになる海底ケーブルシステムを測定対象とする場合、例えば、プローブ光パルスのパルス周期Tは100ms、パルス幅Wは10msが設定される。
なお、CW試験信号光Ptの出力が一定になるように、出力制御部8により、プローブ光源2とダミー光源3の出力が制御されるが、光源と光スイッチ6の間に設けたアッテネータでプローブ光Ppまたはダミー光Pdのレベルを制御する構成にしてもよい。
CW試験信号光Ptの入射に伴う上り回線200aからの反射戻り光Pr(fp、fd)は、ループバックパス200cを介して下り回線200bからコヒーレントOTDR装置1側へ出射される。
第1の光合波器10は、光カプラ等から構成され、下り回線200bから出射された上り回線200aの反射戻り光Pr(fp、fd)と光周波数シフタ9により周波数シフトされたローカル光Pl(fp+Δf)とを合波する。
合波光は、受光部12、受光部13および検波器14から構成されるヘテロダイン検波部11でヘテロダイン検波される。受光部12は、合波光を受光して反射戻り光Pr(fp、fd)とローカル光Pl(fp+Δf)の差周波数のビート信号(Δf、fd−fp−Δf)を出力し、バンドパスフィルタ13により、プローブ光パルスPpの戻り光に基づく成分のビート信号を取り出し、検波器14でヘテロダイン検波が行われ、表示制御部15に入力される。
表示制御部15では、ヘテロダイン検波した信号を処理して、上り回線200aの損失分布と破断点を算出し、表示部16の算出結果を表示する。
図2は、本発明の第2の実施形態のコヒーレントOTDR装置20の構成を示しており、第1の実施形態とは、CW信号生成部21の構成が異なる。したがって、第1の実施形態と同じ構成要素については同一の構成番号を付してCW信号生成部21以外の説明は省略する。
第2の光合波器25は、第1及び第2の光ゲートから出射されたプローブ光Pp及びダミー光Pdを合波して、図5(a)に示すパワー一定のCW試験信号光Pt(fp、fd)を出射する。
切替制御部24は、光ファイバ回線200aの測定距離や測定分解能等の測定条件に対応した最適なプローブ光パルスのパルス幅Wとパルス周期Tに基づいて、第1の光ゲート及び第2の光ゲートのゲートタイミングを制御する。
図3は、本発明の第3の実施形態のコヒーレントOTDR装置30の構成を示している。なお、第1の実施形態と同じ構成要素については同一の構成番号を付して説明を省略する。
波長制御部33は、外部からの指示に従ってプローブ光源31及びダミー光源32に対しプローブ光Pp及びダミー光Pdの光周波数fp、fdや出力を制御するとともに、音響光学変調器9においてプローブ光Ppの損失が小さくなるように音響光学変調器9の音響光学素子に印加する音響パルスの周期やレベルを調節する。これは、音響光学素子は回折効率及び回折方向の波長依存性を有しているので、プローブ光の波長の可変に合わせて変調効率が最大になるように制御する必要があるからである。
Claims (4)
- コヒーレント光パルスを光通信システムの光ファイバ線路に出射し、該光ファイバ線路からの戻り光を光ヘテロダイン検波して前記光ファイバ線路の特性評価を行うコヒーレントOTDR装置において、
波長可変光源であって、前記光ファイバ線路で運用中の通信信号光の光周波数とは異なる光周波数のプローブ光(Pp)を出射する波長可変プローブ光源(31)と、
該プローブ光とは光周波数が異なるダミー光(Pd)を出射するダミー光源(3)と、
前記波長可変プローブ光源から出射されたプローブ光を2つの光路に分波する光分波器(4)と、
該光分波器で分岐された一方のプローブ光、及び前記ダミー光源から出射されたダミー光を、それぞれパルスに変換するとともに、これらのパルスを交互に前記光ファイバ線路に出射するCW試験信号光(Pt)を形成するCW信号発生部(5、21)と、
該光分波器で分波された他方のプローブ光を周波数シフト(Δf)してローカル光(Pl)を出射する音響光学変調器(9)と、
該ローカル光と前記光ファイバ線路からの戻り光(Pr)を合波する第1の光合波器(10)と、
該第1の光合波器により合波された合波光を受光して戻り光とローカル光とでヘテロダイン検波を行うヘテロダイン検波部(11)と、
前記CW試験信号光のそれぞれのパルスが一定のパワーになるように前記波長可変プローブ光源及び前記ダミー光源の出力を制御し、前記波長可変プローブ光源に対し前記プローブ光の光周波数を制御するとともに、前記音響光学変調器において前記他方のプローブ光の損失が小さくなるように前記音響光学変調器の音響光学素子に印加する音響パルスの周期やレベルを調節する波長制御部(33)とから構成されることを特徴とするコヒーレントOTDR装置。 - 前記CW信号発生部は、前記光分岐器で分岐された一方のプローブ光を入射する第1の入力ポート(6a)と前記ダミー光源から出射されたダミー光を入射する第2の入力ポート(6b)とを有し、該入射されたプローブ光とダミー光の光路を交互に切り替えることによって前記CW試験信号光を合成して一の出力ポート(6c)から出射する光スイッチ(6)と、
前記特性評価の評価条件に応じてプローブ光とダミー光の切り替えのタイミングを光スイッチに指示する切替制御部(7)とから構成されることを特徴とする請求項1に記載のコヒーレントOTDR装置。 - 前記CW信号発生部は、前記光分波器で分岐された一方のプローブ光の通過を制御する第1の光ゲート(22)と、
前記ダミー光源から出射されたダミー光の通過を制御する第2の光ゲート(23)と、
前記特性評価の評価条件に応じて、該プローブ光とダミー光が交互に出射されるように前記第1及び第2の光ゲートのゲートタイミングを制御する切替制御部(24)と、
前記第1及び第2の光ゲートから出射されたプローブ光及びダミー光を重畳して前記CW試験信号光を合成して出射する第2の光合波器(25)とから構成されることを特徴とする請求項1に記載のコヒーレントOTDR装置。 - 前記第1の光ゲート及び第2の光ゲートは半導体光増幅素子から構成されることを特徴とする請求項3に記載のコヒーレントOTDR装置。
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