JP5550174B2 - ポリエステル樹脂組成物及びそれを成形してなる樹脂成形体、樹脂製ボトル容器 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物及びそれを成形してなる樹脂成形体、樹脂製ボトル容器 Download PDF

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Description

本発明は、ポリエステル樹脂組成物及びそれを成形してなる樹脂成形体、樹脂製ボトル容器に関するものであり、さらに詳しくは、酸素吸収性に優れるとともに、使用後のポリエステル樹脂組成物を再利用する場合にリサイクル処理工程で必須となるアルカリ洗浄工程において、黄変が抑えられたリサイクル可能なポリエステル樹脂組成物に関する。
包装容器としては、金属缶、ガラスビン、各種プラスチック容器等が使用されており、特にプラスチック容器は透明で軽量性、耐衝撃性、耐食性に優れるため広く使用されている。しかしながら、プラスチック容器はガスバリア性が低く、特に酸素によるさまざまな不具合を生じる内容物に関しては使用が難しいという問題がある。そこで、プラスチック中に酸素吸収性物質をブレンドし、酸素吸収能を付与することが広く行われている。
酸素吸収機能を有する物質としては、一般に無機化合物と有機化合物がある。無機化合物の代表的なものとしては、鉄粉系の脱酸素剤組成物が知られているものの、顆粒状や粉体のものが多く、プラスチックにブレンドする方法では透明性を損なってしまうため、それ自身のみの状態で使用することが出来ず、その適用範囲は限定されており、また、リサイクルも難しい。一方、有機化合物として代表的なものとしては、不飽和炭化水素ポリマーが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、このような酸素吸収性の不飽和炭化水素ポリマーとして、ポリブタジエンを使用した例が多数報告されている(例えば、特許文献2,3参照)。しかしながら、従来使用されているポリブタジエンを酸素吸収剤としてポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)にブレンドした場合、酸素吸収能としては問題ないものの、再利用のためのリサイクル処理工程の一工程であるアルカリ洗浄工程において樹脂が著しく黄変してしまうため、PETとして再利用することは難しい状況にあった。
特開平5−295171号公報 特開平9−291120号公報 特開平10−113555号公報
本発明は、前記従来技術の背景に鑑みなされたものであって、その解決すべき課題は、優れた酸素吸収能を有するとともに、リサイクル処理工程中のアルカリ洗浄工程において黄変が抑えられ、ポリエステル樹脂としてリサイクル可能な、環境に優しいポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、1,2−重合体構造を特定の割合で有するポリブタジエンと、遷移金属化合物とを、熱可塑性ポリエステル樹脂中にブレンドすることによって、優れた酸素吸収能を有し、且つリサイクル処理工程中のアルカリ洗浄工程において黄変が抑えられ、リサイクル可能なポリエステル樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかるポリエステル樹脂組成物は、(A)炭素−炭素不飽和結合を有する化合物であって、下記一般式(1)で表わされる1,2−重合体構造と、下記一般式(2)で表わされる1,4−重合体構造とを含み、(1)及び(2)の合計量に対する(1)の割合が60〜70質量%である化合物と、(B)遷移金属化合物と、(C)熱可塑性ポリエステル樹脂とを含むことを特徴とするものである。
Figure 0005550174
(一般式(1),(2)中、Rは水素又はメチル基を表す。)
また、前記ポリエステル樹脂組成物において、(A)炭素−炭素不飽和結合含有化合物が、ポリブタジエンであることが好適である。
また、前記ポリエステル樹脂組成物において、(B)遷移金属化合物が、Fe,Ni,Co,又はMnを含有する化合物の1種又は2種以上であることが好適である。
また、前記ポリエステル樹脂組成物において、(C)熱可塑性ポリエステル樹脂が、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸から選ばれるジカルボン酸成分と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコールから選ばれるジオール成分とを重合して得られるポリエステル樹脂であることが好適である。
また、本発明にかかる樹脂成形体は、前記ポリエステル樹脂組成物を成形してなることを特徴とするものである。
また、本発明にかかる樹脂製ボトル容器は、前記ポリエステル樹脂組成物を成形してなることを特徴とするものである。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、優れた酸素吸収能を有し、且つリサイクル処理工程中のアルカリ洗浄工程において黄変が抑えられ、ポリエステル樹脂として再利用することが可能である。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
本発明にかかるポリエステル樹脂組成物は、(A)炭素−炭素不飽和結合を有する化合物であって、(1)1,2−重合体構造と、(2)1,4−重合体構造とを含み、(1)及び(2)の合計量に対する(1)の割合が50質量%以上である化合物と、(B)遷移金属化合物と、(C)熱可塑性ポリエステル樹脂とを含むことを特徴とするものである。
(A)炭素−炭素不飽和結合を有する化合物
本発明に用いる炭素−炭素不飽和結合を有する化合物としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、あるいはブタジエン−イソプレン共重合体が挙げられる。これらのなかでも、特にポリブタジエンを好適に使用することができる。
ここで、上記ポリブタジエン及びポリイソプレンには、下記一般式(1)で表わされる1,2−重合体構造と、下記一般式(2)で表わされる1,4−重合体構造とが存在する(なお、下記一般式(1),(2)中、Rが水素の場合はポリブタジエン、Rがメチル基の場合にはポリイソプレンとなる)。
Figure 0005550174
(一般式(1),(2)中、Rは水素又はメチル基を表す。)
本発明に用いる炭素−炭素不飽和結合を有する化合物としては、上記(1)1,2−重合体構造及び(2)1,4−重合体構造の合計量に対する(1)1,2−重合体構造の割合が50質量%以上である。なお、(1)1,2−重合体構造の割合が前記範囲を下回ると、酸素吸収能を付与することはできるものの、リサイクル処理工程中のアルカリ洗浄により樹脂が黄色く着色してしまうため、ポリエステル樹脂としての再利用が困難となる。なお、(1)及び(2)の合計量に対する(1)の割合は、好ましくは60〜90質量%、さらに好ましくは60〜70質量%であり、この範囲内で特にアルカリ洗浄工程後の黄変が抑えられた、良好なポリエステル樹脂組成物が得られる。
本発明に用いる炭素−炭素不飽和結合を有する化合物としては、公知の重合方法により調製したポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体等を用いても構わないが、ポリマー中の(1)1,2−重合体構造の割合が前記範囲内となるように調整する必要がある。分子量も特に限定されるものではないが、通常の場合、1,000〜100,000程度である。なお、炭素−炭素不飽和結合を有する化合物としては、市販のポリマーを使用してもよい。
(B)遷移金属化合物
本発明に用いる遷移金属化合物は、遷移金属原子を含有する化合物であれば、特に限定されるものではないが、酸素吸収能を考慮すると、Fe、Ni、Co及びMnといった周期律表第8族の金属を含有する化合物が好ましい。また、本発明に用いる遷移金属化合物としては、上記遷移金属と有機酸との塩、あるいは上記遷移金属の錯体化合物として用いることが望ましい。
遷移金属の有機酸塩としては、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、ホスホン酸塩等が挙げられ、これらのなかでもカルボン酸塩が特に好適である。より具体的には、例えば、酢酸、プロピオン酸、イソプロピオン酸、ブタン酸、イソブタン酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、イソヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、デカン酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸、リンデル酸、ツズ酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ギ酸、シュウ酸、スルファミン酸、ナフテン酸等の有機酸と遷移金属との塩が挙げられる。
また、遷移金属の錯体としては、例えば、遷移金属とβ−ジケトン又はβ−ケト酸エステルとの錯体が挙げられ、より具体的には、例えば、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、1,3−シクロヘキサジオン、メチレンビス−1,3ーシクロヘキサジオン、2−ベンジル−1,3−シクロヘキサジオン、アセチルテトラロン、パルミトイルテトラロン、ステアロイルテトラロン、ベンゾイルテトラロン、2−アセチルシクロヘキサノン、2−ベンゾイルシクロヘキサノン、2−アセチル−1,3−シクロヘキサンジオン、ベンゾイル−p−クロルベンゾイルメタン、ビス(4−メチルベンゾイル)メタン、ビス(2−ヒドロキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセトン、トリベンゾイルメタン、ジアセチルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン、ラウロイルベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタン、ビス(4−クロルベンゾイル)メタン、ビス(メチレン−3,4−ジオキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセチルフェニルメタン、ステアロイル(4−メトキシベンゾイル)メタン、ブタノイルアセトン、ジステアロイルメタン、アセチルアセトン、ステアロイルアセトン、ビス(シクロヘキサノイル)−メタン、ジピバロイルメタン等のβ−ジケトン又はβ−ケト酸エステルと遷移金属との錯体が挙げられる。
(C)熱可塑性ポリエステル樹脂
本発明に用いる熱可塑性ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体から導かれる構成単位を主成分とするジカルボン酸単位と、ジオール単位とからなる。ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、コハク酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸などが挙げられ、これらのなかでも特にテレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンメチレングリコール、ドデカメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノール類、ハイドロキノン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオール類などが挙げられ、これらのなかでもエチレングリコールが特に好ましい。また、トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等のエステル形成性官能基を3個以上有する化合物から誘導される構成単位を、ゲル化反応を起こさない範囲内で含んでいてもよい。
また、本発明に用いる熱可塑性ポリエステル樹脂としては、テレフタル酸から誘導される構成単位を、全ジカルボン酸単位に対して85モル%を超える割合、好ましくは90〜100モル%の割合で含有するジカルボン酸単位と、エチレングリコールから誘導される構成単位を、全ジオール単位に対して85モル%を超える割合、好ましくは90〜100モル%の割合で含有するジオール単位とからなるポリエチレンテレフタレート樹脂を、特に好適に使用することができる。
熱可塑性ポリエステル樹脂は、従来公知の重合方法によって製造することができ、例えば、ジカルボン酸とジオールとを直接エステル化した後、二酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン等のアンチモン化合物、チタニウムテトラアルコキシド等のチタン化合物等の重縮合触媒の存在下で溶融重縮合する方法、あるいはジカルボン酸エステルとジオールとを二酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモン、チタンテトラブトキシド等のエステル交換触媒の存在下でエステル交換反応を行った後、二酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン等のアンチモン化合物、チタニウムテトラアルコキシド等のチタン化合物等の重縮合触媒の存在下で溶融重縮合する方法によって製造することができる。
また、本発明にかかるポリエステル樹脂組成物には、酸素吸収能や樹脂の黄変防止といった本発明の効果を妨げない範囲であれば、酸化防止剤、光活性化物質、顔料等の着色剤や加工安定剤等を、助剤として適宜添加していても構わない。
本発明において、(A)炭素−炭素不飽和結合を有する化合物と、(B)遷移金属化合物、及び(C)熱可塑性ポリエステルとの混合方法は、特に限定するものではなく、公知の方法を用いて実施することができる。ただし、前段階での酸素吸収が生じないように、非酸化性雰囲気下で実施することが望ましく、このために減圧下あるいは窒素気流中で混合することが好ましい。なお、混合工程は、ベント式あるいは乾燥機付きの押出し機あるいは射出機を用い、成型工程の前段階において行うことができる。あるいは、(A)炭素−炭素不飽和結合を有する化合物及び/又は(B)遷移金属化合物を比較的高い濃度で含む(C)熱可塑性ポリエステルからなるマスターバッチを調整し、このマスターバッチを未添加の(C)熱可塑性ポリエステルと乾式ブレンドし、本発明にかかるポリエステル樹脂組成物を得ることもできる。
本発明にかかるポリエステル樹脂組成物を用いた成型体は、成型体の形状に応じて、公知の熱可塑性樹脂の各種成型法によって成型することができ、特にその成型方法および成型体の形状は限定されない。例えば、本発明にかかるポリエステル樹脂組成物を使用し、射出成型機によってパリソンをインジェクション成型し、これをストレッチブロー方法によってボトル容器に成型する方法等がある。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
まず最初に、本発明で用いた評価方法について説明する。
〈酸素吸収性〉
各実施例及び比較例の樹脂製ボトル容器中に、0.04質量%のロイコメチレンブルー溶液に還元剤として0.02質量%の塩化第一錫を加えた2%寒天溶液500mlを充填し、密封した。4週間時間経過した後の溶液の色を目視観察し、ボトルの酸素透過度合いを判断した。
○:ボトル中の溶液が無色透明で変色を生じていなかった。
△:ボトル中の溶液が若干青味がかっていた。
×:ボトル中の溶液が青色に変色していた。
〈アルカリ洗浄後の黄変(カラーb値)〉
各実施例及び比較例のプリフォームを粉砕し、色差計(MSP−Σ80:日本電飾工業社製)を用いてカラーb値を測定した。その後、粉砕したプリフォームを90℃に加熱した1.5質量%NaOH水溶液中に60分間浸漬した。NaOH水溶液中からとり出して精製水でよくすすぎ、乾燥した後、同色差計を用いて洗浄後のカラーb値を測定し、洗浄前のカラーb値との差(Δb値)を求めた。
実施例1
(A)炭素−炭素不飽和結合を有する化合物として、水酸基末端液状ポリブタジエン(KRASOL LBH2000:出光興産社製;1,2−重合体構造割合65質量%)0.4質量部、(B)遷移金属化合物としてステアリン酸コバルト200ppm、(C)熱可塑性ポリエステル樹脂としてポリエチレンテレフタレート99.6質量部を、同方向二軸押出機(TEM35B:東芝機械社製)を用いて混合し、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られた樹脂を射出成型機(JSW150:日本製鋼所社製)を用い、成型温度280℃でプリフォームを成型した。つづいて、成型したプリフォームの胴部を赤外線ヒーターで加熱し、プリフォームの表面温度を100〜110℃とした。加熱したプリフォームをブロー成型機(SAN03:サン精密社製)により二軸ブロー延伸成型し、容量が500mlの二軸延伸ボトルを得た。
実施例2
ポリブタジエンとして、水酸基末端液状ポリブタジエン(G−2000:日本曹達社製;1,2−重合体構造割合90質量%)0.4質量部を用いたほかは、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂製の500ml二軸延伸ボトルを成型した。
比較例1
ポリエチレンテレフタレートを100質量部とし、ポリブタジエンを使用しなかったほかは、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂製の500ml二軸延伸ボトルを成型した。
比較例2
ポリブタジエンとして、水酸基末端液状ポリブタジエン(Polybd R−45HT:出光石油化学社製;1,2―重合体構造割合20質量%)0.4質量部を用いたほかは、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂製の500ml二軸延伸ボトルを成型した。
比較例3
ポリブタジエンとして、エポキシ基末端液状ポリブタジエン(DENAREX R−45EPT:ナガセケムテックス社製;1,2―重合体構造割合20質量%)0.4質量部を用いたほかは、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂製の500ml二軸延伸ボトルを成型した。
上記実施例1及び比較例1〜3により得られたそれぞれの樹脂製ボトル容器について、酸素吸収性及びアルカリ洗浄後の黄変の評価を行なった。結果を下記表1にまとめて示す。
Figure 0005550174
上記表1に示されるように、(A)1,2−重合体構造割合が65質量%,90質量%のポリブタジエンと、(B)ステアリン酸コバルトと、(C)ポリエチレンテレフタレートとを混合して得られた樹脂を用いて成形した実施例1,2では、優れた酸素吸収能を示すとともに、アルカリ洗浄後の黄変も小さいものであった。特に、(A)1,2−重合体構造割合が65質量%のポリブタジエンを用いた実施例1では、アルカリ洗浄後の黄変がより小さく抑えられていた。
一方で、ポリブタジエンを配合しなかった比較例1では、アルカリ洗浄後の黄変はほとんど生じていないものの、酸素吸収能がまったく得られていなかった。これに対して、1,2−重合体構造割合が20質量%のポリブタジエンを使用した比較例2,3では、酸素吸収性は良好であるものの、アルカリ洗浄後に著しい黄変が生じてしまっていた。
以上の結果から、(A)特定の1,2−重合体構造割合を有するポリブタジエンを、(B)遷移金属化合物とともに(C)熱可塑性ポリエステル樹脂中にブレンドすることによって、優れた酸素吸収能を有するとともに、リサイクル処理工程において必須であるアルカリ洗浄工程後において黄変が抑えられ、ポリエステル樹脂としての再利用に適した樹脂組成物が得られることがわかった。

Claims (6)

  1. (A)炭素−炭素不飽和結合を有する化合物であって、下記一般式(1)で表わされる1,2−重合体構造と、下記一般式(2)で表わされる1,4−重合体構造とを含み、(1)及び(2)の合計量に対する(1)の割合が60〜70質量%である化合物と、
    (B)遷移金属化合物と、
    (C)熱可塑性ポリエステル樹脂と
    を含むことを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
    Figure 0005550174
    (一般式(1),(2)中、Rは水素又はメチル基を表す。)
  2. 請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物において、(A)炭素−炭素不飽和結合含有化合物が、ポリブタジエンであることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のポリエステル樹脂組成物において、(B)遷移金属化合物が、Fe,Ni,Co,又はMnを含有する化合物の1種又は2種以上であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物において、(C)熱可塑性ポリエステル樹脂が、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸から選ばれるジカルボン酸成分と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコールから選ばれるジオール成分とを重合して得られるポリエステル樹脂であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を成形してなることを特徴とする樹脂成形体。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を成形してなることを特徴とする樹脂製ボトル容器。
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