JP5549673B2 - 記憶装置の振動センサ取り付け構造 - Google Patents
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Description
パーソナルコンピュータ等の電子機器には、ハードディスクドライブ(HDD)や光磁気記憶装置等の記憶装置、冷却ファン、圧電バックライト電源等の機械的な機構を利用した各種の装置が搭載されている。例えば、パーソナルコンピュータ用の記憶装置は、磁気記録媒体、磁気ヘッド、スライダ、ヘッドアーム、ボイスコイルモータ等により構成されている。
さらに、記憶装置の機構部品や機構部位は、長期使用している間に、この長期使用による劣化等に起因した異常振動を発生させる虞がある。
そこで、記憶装置に、この記憶装置が受ける外乱や記憶装置自体が発生する振動を検知するためのセンサ、具体的には、加速度、速度、変位を検知するための振動センサを搭載している。
記憶装置における異常は記録媒体やヘッドアームの動作に現れるので、振動センサの取り付け位置は、主に記録媒体の面内方向と面に垂直な方向とすることが望ましい。このように、記録媒体の2方向の振動を検知することで、記憶装置における異常発生の検知性能が高まる。
異なる2方向の振動を検知する従来技術としては、2つの加速度センサを用いて直角な2方向の加速度を独立して検知することができる加速度検出装置が提案されている(特許文献1参照)。
加速度センサ103のセンサ取付平面102に対する最大感度軸方向PA、及び加速度センサ104のセンサ取付平面102に対する最大感度軸方向PBは、センサ取付平面102に対して角度θだけ傾いている。
これにより、直角な2方向の加速度を独立して検出することができる。また、全く同じ加速度センサを2個用いているため、加速度センサの製造コストを低減することができ、さらに、製品の薄型化が実現できる。
また、振動センサにより振動を抑制することで低騒音化を図った記憶装置も提案されている(特許文献2の第7頁等参照)。
この記憶装置は、記憶装置のトップカバーの表面に接着剤により振動センサを固定した構成である。この記憶装置は、この振動センサの出力をトップカバーに取り付けたアクチュエータにフィードバックすることで、ヘッドアッセンブリからトップカバーに伝達される振動を抑制し、低騒音化を実現している。
第1の問題点は、記録媒体の面内方向および面に垂直方向の双方の最大振動箇所に加速度センサを設けることができないので、検知性能が低いという点である。
その理由は、この加速度センサが表面実装型のチップであることから、取り付け位置は記憶装置の制御回路基板か記憶装置内部に限定されてしまい、その結果、面内方向と面に垂直方向のいずれか一方での検知性能は高いものの、いずれか他方での検知性能が低くなってしまうからである。
また記憶装置の内部に加速度センサを内蔵させた場合、加速度センサの交換時に記憶装置を開封する必要があるために、保守管理が容易ではないという問題点もあった。
例えば、記憶装置の動作時においては、記憶装置内部および外装の温度が上昇してしまい、その結果、接着材により振動センサを固定した場合の接着強度が不安定になってしまう。
前記付勢部は、曲げ部を2つ以上有していることとしてもよい。
前記付勢部の前記第二の端部に、前記付勢部と一体化した防護部を設けてなることとしてもよい。
前記付勢部が前記第一の振動センサ及び前記第二の振動センサに加える押圧力は、0.01N以上かつ0.3N以下であることが好ましい。
また、記憶装置における振動センサの取り付け強度が一定になるので、これらの振動センサの出力値が変動する虞が無くなり、その結果、検知精度を向上させることができる。
この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は本発明の第1の実施の形態の記憶装置の振動センサ取り付け構造を示す断面図である。図2は図1のA−A線側から見た側面図である。
図1に示すように、記憶装置1は、記録媒体(記憶媒体)2と、この記録媒体2からのデータの読み取り及び記録媒体2へのデータの書き込みを行うための磁気ヘッド(図示略)とを備えている。
記憶装置1の振動センサ取り付け構造は、振動センサ(第一の振動センサ)3と、振動センサ(第二の振動センサ)4と、金属ばね(付勢部)5とを有する。
振動センサ3は、トップカバー上面1aに設けられており、記録媒体2の面垂直方向の振動を検知する。
振動センサ4は、側面(第二の外面)1bに設けられており、記録媒体2の面内方向の振動を検知する。
金属ばね5は、折り曲げられた略L型形状を有する。この折り曲げられた部分が、金属ばね5の曲げ部5aである。金属ばね5の略L型形状の一方の端部(第1の端部)が接着剤を介して振動センサ3の上面に接着されている。金属ばね5の略L型形状の他方の端部(第2の端部)が接着剤を介して振動センサ4の上面に接着されている。これにより、振動センサ3、4と金属ばね5とは、機械的に連結した状態になっている。
しかも、記憶装置1の面垂直方向最大振動箇所である基台のトップカバー上面1aに記録媒体2の面垂直方向の振動を検知する振動センサ3を、記憶装置1の面内方向最大振動箇所である基台の側面1bに記録媒体2の面内方向の振動を検知する振動センサ4を、それぞれ設けている。このため、記録媒体2の面垂直方向及び面内方向それぞれの最大振動箇所に振動センサを独立に設けることができ、したがって、高い測定性能を得ることができる。
この測定に用いられた振動センサ3、4は、長さ10mm、幅5mm、高さ5mmの圧電型振動センサである。
金属ばね5は、りん青銅からなる。金属ばね5の曲げ部5aにおける曲げ角度θは85°である。曲げ部5aから振動センサ3までの長さは30mm、幅は15mm、厚みは0.3mmである。曲げ部5aから振動センサ4までの長さは30mm、幅は10mmである。
制振部材6、7は、ゴム系の材料からなる。制振部材6、7は、長さが10mm、幅が8mm、厚みが0.3mmである。
測定は磁気ヘッドを高速連続動作させた条件下で行った。また、比較のために、制振部材6、7を、貼着ではなく、接着剤を用いて接着固定したものを従来例として作製し、この従来例についても同様に測定を行った。
図3において、曲線A1は、本実施形態の一例における最大加速度値の経時変化を示している。曲線A2は、従来例における最大加速度値の経時変化を示している。図4において、曲線B1は、本実施形態の一例における最大加速度値の経時変化を示している。曲線B2は、従来例における最大加速度値の経時変化を示している。
図3および図4によれば、本実施の形態の振動センサ取り付け構造では、従来例である接着剤を用いて接着固定した振動センサ取り付け構造と比べて、記録媒体2の面垂直方向および面内方向それぞれにおける加速度値の測定値が大きく、しかも安定していることが分かった。
加速度の測定は、記憶装置1に振動センサ3を条件毎の押し付け力で取り付けてから60分後に行った。また、押し付け力0.05Nにおける加速度を基準として相対比較した。
図5において、「相対加速度」とは、押し付け力0.05Nにおける加速度を基準とした相対加速度を意味している。「○」は、相対化速度が±20%以内の変動であることを示している。「×」は、相対化速度が−20%以下または+20%以上の変動であることを示している。
図5によれば、押し付け力が0.01Nから0.3Nの範囲で、加速度を安定的に測定することができることが分かった。
本実施形態においては、記録媒体2からのデータの読み取り及び記録媒体2へのデータの書き込みを行う記憶装置1を例に説明した。しかしながら、記憶装置1が、記録媒体2からのデータの読み取り、記録媒体2へのデータの書き込み、のいずれか一方を行うこととしても、全く同様の効果を奏することができる。
本実施の形態では、記憶装置としてハードディスクドライブ(HDD)を例に取り説明したが、これに限られない。記憶装置は、例えば、データの読み込みや書き込みにレーザー光線を使用する光学ドライブであってもよい。
図6は本発明の第2の実施の形態の記憶装置の振動センサ取り付け構造を示す断面図である。図7は図6のB−B線側から見た側面図である。
本実施の形態の記憶装置の振動センサ取り付け構造と、第1の実施の形態の記憶装置の振動センサ取り付け構造とは、金属ばね5が、金属ばね11に置き換わっている点において異なる。
金属ばね(付勢部)11は、2段階に折り曲げられた形状を有している。金属ばね11のこれらの2箇所の折り曲げられた部分が、曲げ部11a、11bである。金属ばね11の略L型形状の一方の端部が振動センサ3の上面と接触する。金属ばね11の略L型形状の他方の端部が振動センサ4の上面と接触する。この金属ばね11の両側部には、外側に突出する略L字状の固定部12、12が設けられている。これらの固定部12、12の先端部は、ネジ等の締結部13、13を用いて記憶装置1の側面1bに固定されている。
また、曲げ部11aの曲げ角度θ1により振動センサ3への押し付け力を、曲げ部11bの曲げ角度θ2により振動センサ4への押し付け力を、それぞれ独立に調整することができるので、この振動センサ取り付け構造の生産性を向上させることができる。
図8は本発明の第3の実施の形態の記憶装置の振動センサ取り付け構造を示す断面図である。図9は図8のC−C線側から見た側面図である。
本実施の形態の記憶装置の振動センサ取り付け構造が、第2の実施の形態の記憶装置の振動センサ取り付け構造と異なる点は、金属ばね11の振動センサ4側の端部に、金属ばね11と一体化した防壁(防護部)21を設けた点である。
また、金属ばね11の振動センサ4側の端部に、金属ばね11と一体化した防壁21を設けている。この構成により、振動センサ4に極度の衝撃が加わって落下した場合においても、防壁21により落下した振動センサ4を保持することができる。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
1a トップカバー上面
1b 側面
2 記録媒体
3 振動センサ(第一の振動センサ)
4 振動センサ(第二の振動センサ)
5 金属ばね
5a 曲げ部
6、7 制振部材
11 金属ばね
11a、11b 曲げ部
12 固定部
13 締結部
21 防壁
θ、θ1、θ2 曲げ角度
Claims (5)
- 記憶媒体に対して記録または再生を行う記録または再生ヘッドを有する記憶装置の振動センサ取り付け構造であって、
前記記憶装置の基台の第一の外面に設けられ前記記憶媒体の面垂直方向の振動を検知する第一の振動センサと、
前記基台の前記第一の外面と直交する第二の外面に設けられ前記記憶媒体の面内方向の振動を検知する第二の振動センサと、
前記第一の振動センサの上面と接触する第一の端部と、前記第二の振動センサの上面と接触する第二の端部とを有し、前記第一の外面及び前記第二の外面の少なくとも一方に固定されており、略L型形状を有する付勢部と、
前記付勢部に貼着される制振部材と
を備える記憶装置の振動センサ取り付け構造。 - 前記付勢部は、前記第一の外面及び前記第二の外面の少なくとも一方に、締結、溶接、接着のいずれかにより固定されている請求項1記載の記憶装置の振動センサ取り付け構造。
- 前記付勢部は、曲げ部を2つ以上有している請求項1または2記載の記憶装置の振動センサ取り付け構造。
- 前記付勢部の前記第二の端部に、前記付勢部と一体化した防護部を設けられている請求項1ないし3のいずれか1項記載の記憶装置の振動センサ取り付け構造。
- 前記付勢部が前記第一の振動センサ及び前記第二の振動センサに加える押圧力は、0.01N以上かつ0.3N以下である請求項1ないし4のいずれか1項記載の記憶装置の振動センサ取り付け構造。
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