JP5549373B2 - シート折り装置、画像形成装置、及びシート折り方法 - Google Patents

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Description

本発明は、搬入されたシート状記録媒体(用紙、OHPシートなどの特殊紙も含むシート状記録媒体全てを意味する。本明細書ではこれらを全て「シート」と総称して説明する。)に対して折り処理を行うシート折り装置、このシート折り装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの機能を複合して有するデジタル複合機などの画像形成装置、及びこれらの各装置で実行されるシート折り方法に関する。
複写機等の画像形成装置によって画像形成された用紙に対して、折り処理を行った後に穿孔処理やスティプル処理のような後処理を行う用紙処理装置が各種提案されている。このような装置として例えば特許文献1に記載された発明が公知である。このうち特許文献1(特開2002−284443号公報)には、帳票等のシートを所定の位置で正確に折り目を形成するため、互いに平行に隣接して配置されるとともに反対方向に回転する2本の折りローラを備え、1枚のシートもしくは複数枚重ねられたシートを湾曲させ、該シートの湾曲した部分を回転させた状態の2本の前記折りローラ間に引き込ませて前記シートに折り目を形成するシート折り装置であって、前記シートが2本の前記折りローラの隣接部分の近傍を通過するように搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送されるシートが前記折りローラの隣接部分の近傍で、該隣接部分に向って湾曲するように、シートの先端部の進路を変更するガイド部と、該ガイド部に進行方向を変更されたシートの先端部の移動を停止させて、シートの湾曲した部分を前記折りローラの隣接部分に向わせるストッパと、前記ガイド部によりシートに湾曲が生じた際に、シートの湾曲した部分の内側に当接して、シートの先端部が前記ストッパに当接する前のシートの湾曲した部分の曲率を大きくするとともに、この湾曲した部分を前記折りローラの隣接部分に近づけることにより、シートの折り位置を規制する折り位置規制部材と、を備えた発明が記載されている。また、特許文献2(特開2001−206629号公報)及び特許文献3(特開2007−320665号公報)にも関連する発明が記載されている。
前記特許文献1記載の発明では、1枚折りあるいは重ね折りに拘わらずガイド部材を駆動手段で移動させ折りローラニップに近づけることによって折り位置不良を防止していた。この方式では、用紙1枚を搬送し、折り込む1枚折りでは位置規制部材まで用紙は確実に落下し、問題とならないが、用紙を複数枚プレスタックする重ね折りの場合、用紙の厚みやカールによりガイド部材と用紙の隙間が少なくなり、搬送抵抗が大きくなって位置規制部材まで用紙が落下しない場合があった。また、特許文献2及び3においても前記落下を確実にすることについては特に配慮されていない。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、複数枚重ねて折る重ね折りの場合も、シート厚さやカールの影響を受けずに揃え精度の良いシート折りを可能とすることにある。特に、先端がカールしたシートでも確実に下流への受け渡しが可能で、複数枚のシートでも搬送抵抗なく確実に滞留させることができるようにすることにある。
前記課題を解決するため、本発明は、1枚ずつ搬送されるシートを単一搬送経路で複数枚滞留させ、折りローラ対によって折るシート折り装置であって、前記搬送手段によって搬送される前記シートの先端に当接し、シート搬送を規制する規制手段と、前記規制手段によって規制された複数枚のシートを前記折りローラ対のニップへ導く可動ガイド部材と、シートが進入する前に、前記折りローラ対との間の搬送隙間が第1の隙間になるように前記可動ガイド部材を待機させ、シート先端が前記可動ガイド部材を通過した後、次のシートが進入する前に、前記折りローラ対との間の搬送隙間が前記第1の隙間より大きい第2の隙間になるように当該可動ガイド部材を搬送隙間が広がる方向に移動させる駆動手段と、を備えていることを特徴とする。
なお、後述の実施形態では、搬送手段は搬送ローラ対に、折りローラ対は第1折りローラ対21a,21bに、シート折り装置は符号5に、規制手段は第1のストッパ23に、折りローラ対のニップは第1の折りニップ25に、第1の隙間は搬送隙間H1に、第2の隙間は搬送隙間H2に、可動ガイド部材は可動ガイド板60に、駆動手段は第2モータ57に、画像形成装置は符号1にそれぞれ対応する。
本発明によれば、シート先端が可動ガイド部材を通過した後、当該可動ガイド部材を搬送隙間が広がる方向に移動させるので、複数枚重ねて折る重ね折りの場合も、シート厚さやカールの影響を受けずに揃え精度の良いシート折りが可能となる。その際、先端がカールしたシートでも確実に下流への受け渡しが可能で、複数枚のシートでも搬送抵抗なく確実に滞留させることができる。加えて折りローラ対と可動ガイド部材の搬送隙間を、搬送されるシートと次のシートとで、各々適切な隙間にすることができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示す図である。 図1のシステム構成におけるシート折り装置の折り動作を説明する動作説明図で、シート束を第2の搬送路に滞留させた状態を示す。 図1のシステム構成におけるシート折り装置の折り動作を説明する動作説明図で、シート束後端を押圧し、撓みを形成して押し込み部材で第1折りニップに導く状態を示す。 図1のシステム構成におけるシート折り装置の折り動作を説明する動作説明図で、シート束の撓み部分が第1の折りニップに挟持された後、移動ローラユニットを、シートを受け入れる位置へ移動させる状態を示す。 シート折り装置における押さえ部材の動作を示す動作説明図で、シート先端が押さえ部材の先端側に当接したときの状態を示す。 シート折り装置における押さえ部材の動作を示す動作説明図で、シート先端が押さえ部材の先端を押しのけて通過しているときの状態を示す。 シート折り装置における押さえ部材の動作を示す動作説明図で、シート後端が押さえ部材の先端を押しのけて通過しているときの最終段階の状態を示す。 シート折り装置における押さえ部材の動作を示す動作説明図で、シート先端が押さえ部材の先端を押しのけて通過した後の状態を示す。 シート折り装置における押さえ部材の動作を示す動作説明図で、シート先端が押さえ部材の先端を押しのけて通過した後、所定量戻されたときの状態を示す。 シート折り装置における可動ガイド板の動作を示す動作説明図で、可動ガイド板が折りローラ側から離間する方向移動するときの状態を示す。 シート折り装置における可動ガイド板の動作を示す動作説明図で、可動ガイド板が折りローラ側から離間し、待機しているときの状態を示す。 画像形成装置の操作パネルからシート折り装置への指示構成を示す図である。
本発明は、規制手段によって規制された複数枚のシートを折りローラ対のニップへ導く可動ガイド部材と、シート先端が前記可動ガイド部材を通過した後、当該可動ガイド部材を搬送隙間が広がる方向に移動させる駆動手段とを備え、シートの可動ガイド部材を挟んだ搬送路間の受け渡しを確実に行うことを可能にし、これによりシート厚さやカールの影響を排除して良好な折り処理を行うことができるようにしたものである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示す図である。本実施形態に係る画像形成装置1は、画像形成装置本体3、シート折り装置5及びシート後処理装置7からなる。画像形成装置本体3は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらのうち少なくとも2つの機能を複合して有するデジタル複合機のいずれかからなる。本実施例1では、複写機からなり、原稿の画像を読み取る画像読取部と、画像読取部により読み取られた原稿の画像をシート(用紙)に形成する画像形成部と、画像形成部に供給するシートを収容する給紙部と、画像形成部により画像形成されたシートが排出される排紙部と、装置本体内の各部を制御する制御部56と、制御部56に操作信号を送信する操作パネル4(図12参照)とを備えている。
画像形成装置本体3から搬送される画像形成済みのシートは、折り処理が必要であればシート折り装置5で必要な折り処理が施され、シート折り装置5での折り処理が不要であれば、シート折り装置をバイパスしてシート後処理装置7に搬送される。シート後処理装置7は、公知の機能及び機構を備えたもので、例えば、パンチ処理、整合処理、端綴じ処理、中折り処理、中綴じ処理、仕分け処理などの処理が可能である。 図2は本実施形態に係るシート折り装置の内部構成を詳細に示す縦断面図であり、図1の要部を拡大して示している。図2において、シート折り装置5にはシート受入口9からシート排出口45にストレートに排紙するストレート搬送路10が設けられ、シートに折りを施す場合には、このストレート搬送路10から第1の切換爪13で折り処理部側に搬送方向を変え、折り処理されたシートは第1の切換爪13設置個所より下流側で第7の搬送路43からストレート搬送路10に戻って排出口45からシート後処理装置7側に搬出される。
第1の切換爪13で分岐した搬送路は、第1の搬送路15、第2の搬送路17、第3の搬送路29、第4の搬送路33、第5の搬送路39、第6の搬送路41、及び第7の搬送路43からなる。第1の搬送路15と第2の搬送路17は第1の折りニップ25で分けられ、第2の搬送路17と第3の搬送路29は第2の折りニップ31で分けられ、第3の搬送路29と第4の搬送路33は第3の折りニップ35で分けられ、第5の搬送路39と第6の搬送路41は第4の切換爪37で分けられ、第6の搬送路41と第7の搬送路43は第3の搬送路29の下流側の接合点で分けられる。
さらに詳細には、第1の切換爪13のシート折り部11方向下流側には、シートの搬送先を第1の搬送路15又は第2の搬送路(滞留部)17に切換える第2の切換爪19が設けられている。第1の搬送路15の下流端は第2の搬送路17に合流しており、その合流部付近には第1の折りローラ対21a,21bが設けられている。第1の折りローラ対21a,21bのシート搬送方向下流側の第2の搬送路の最上部には、第2の搬送路の上半部から下半部にシートを受け渡す板状の受入ガイド板17aが設けられている。受入ガイド板17aは上半部側の開口面積が大きく下半部側の開口面積が小さくなるように傾斜した形状に設定されている。
第2の搬送路17の下流側には、シート搬送方向に移動可能であり、かつシート先端を規制する第1のストッパ(受け部材)23が設けられている。シートはシート先端が第1のストッパ23に当接した状態で、この第2の搬送路17に滞留できるようになっている。
第1の折りローラ対21a,21bの第1折りニップ25に対向する位置には、第1の搬送路15に沿って搬送されてきたシートの先端を第1の折りニップ25に案内し、又は第2の搬送路17に滞留したシートを第1の折りニップ25に押し込む押し込み部材27が設けられている。第2の搬送路17における第2の切換爪19と第1の折りニップ25との間には、シートを搬送する移動ローラユニット26が設けられている。
一方、第1の折りニップ25の下流側には、第3の搬送路29及び第2の折りローラ対21a,21cが設けられている。第2の折りローラ対21a,21cの第2の折りニップ31の下流側には、第4の搬送路33及び第3の折りローラ対21c,21dが設けられている。第1の折りローラ21aの軸には、シートの搬送先を第4の搬送路33又は第3の折りローラ対21c,21dの第3の折りニップ35に切換える第3の切換爪36が設けられている。
第3の折りニップ35の下流側には、シートの搬送先を第5の搬送路39又は第6の搬送路41に切換える切換爪37が設けられている。また、第5の搬送路39の下流端はスタッカ43に接続され、折られたシート束を排紙することができるようになっている。第6の搬送路41は第3の搬送路29の下流端と合流して、第7の搬送路43に連通している。
なお、第1の搬送路15、第2の搬送路17、第3の搬送路29、第5の搬送路39、第6の搬送路41及び第7の搬送路43には、シートを搬送する搬送ローラ対が設けられている。また、第3及び第4の搬送路29,33には第1のストッパ23と同様の第2及び第3のストッパ29,36がそれぞれ前記搬送路に出没可能、かつシート搬送方向に移動可能に設けられている。
前記移動ローラユニット26は、図2に拡大して示すように互いに圧接する一対の搬送ローラ47a,47b、第2の搬送路17に滞留したシートの後端を押圧する押さえ部材49、及びこれらを保持するフレーム48と、を備えている。前記一対の搬送ローラ47a,47bの軸の両端部はそれぞれフレーム48の前側板及び後側板に回転自在に支持され、搬送ローラ47a,47b対はそれぞれ前記軸の同軸上であってシート幅方向に所定の間隔を空けて配置された複数のローラを有する。
押さえ部材49は、前記搬送ローラ47a,47b対の軸と平行に配置された支持部材に、隣り合うローラ間に入り込むように所定の間隔を空けて複数突設されている。
図5ないし図9は押さえ部材49の動作を示す動作説明図である。押さえ部材49は、図5に示すように、軸部材からなる基端部49aがフレーム48の前側板及び後側板側に揺動自在に軸支されている。基端部49aは第2の搬送路17を挟んで一方の搬送ローラ47b側に位置しており、押さえ部材49は、フレーム48に固定された引張りコイルスプリング51により他方の搬送ローラ47a側に弾性付勢されている。押さえ部材49はストッパ部材(不図示)により一方の搬送ローラ47a側への回動が規制され、図5において2点鎖線で示すように、第2の搬送路17を塞ぐように揺動端(先端)側の位置が保持されている。引張りコイルスプリング51の付勢力(ばね定数)は、第2の搬送路17に搬送されてくるシートにより押さえ部材49が押されたときに、押さえ部材49が引張りコイルスプリング51の付勢方向と反対方向に回動する(第2搬送路17を開放する)程度に設定されている。また、押さえ部材49の揺動端側であって他方の搬送ローラ47aに近い側には、第2の搬送路17に搬送されてくるシートを滞留シートの側方に案内するガイド面(案内部)49bが形成されている。押さえ部材49の先端側かつ一方の搬送ローラ47aから遠い側には、第2搬送路17に滞留したシート束の後端を押圧する押圧面49cが形成されている。
図2に示すように、フレーム48の側部には移動ローラユニット26の移動機構が設けられている。移動機構はピニオン52とラック53からなり、ピニオン52は押さえ部材49の側面に被駆動可能に設置され、第2の搬送路17に沿って配置されたラック53と噛合する。ピニオン52は第1モータ(第1の駆動部)55から駆動力を得ており、第1モータ55の駆動制御は制御部56によって行われる。これにより、制御部56によって第1モータ55を駆動することにより、第1モータ55の駆動方向に応じて移動ローラユニット26は第2の搬送路17に沿って図示上下方向(シート搬送方向に)移動する。
第2の搬送路17の第1の折りローラ対21a,21b近傍には、図2に拡大して示すように前記受入ガイド板17aを通って第1のストッパ23へシートを導く可動式のガイド板(以下、可動ガイド板と称す)60が設けられている。可動ガイド板60には突起60aが設けられ、図示せぬガイド板側に引張りスプリング61によって弾性付勢されている。1枚折りのとき可動ガイド板60は、突起60aを不図示の前記ガイド板に突き当てた位置で位置が決まるが、重ね折りのときは、押し込み部材27が破線の位置に移動することにより、可動ガイド板60の係合部材60bを破線のように引張り、可動ガイド板60は係合部材60bと一体的に1枚折りの位置から平行移動し、前記ガイド板から離間する。この可動ガイド板60の後退動作は後述の押し込み部材27を駆動するステッピングモータを使用する。すなわち、このステッピングモータを第2モータ57(図3参照)として可動ガイド板60と押し込み部材27の駆動に兼用する。
このように可動ガイド板60の平行移動による離間動作により折りローラ21bの外周と可動ガイド板60間の隙間を、シート束を搬送するに適した間隔にしている。本実施例では可動ガイド板60の移動を平行移動させているが、上流側に回転支点を持ち下流側の搬送経路隙間を広がるようにしても良い。さらに、本実施形態では、後述の図10及び図11の離間動作の説明図にも示すように可動ガイド板60の離間動作を、シート束の厚さのみならず、シート束の搬送位置に応じて実行する。
押し込み部材27は、停止位置が任意に設定可能なステッピングモータを使用しているため、前記制御部56により第2モータ57の駆動ステップを変更することにより、折りローラ21bとの外周隙間(搬送隙間)を任意に変更可能である。そのため、搬送隙間は重ね折り枚数(又は折り厚さ)により適正な間隔に任意に設定できる。この搬送隙間としては、例えば、重ね折り5枚以下のとき隙間3mm、重ね折り10枚以下のとき4mm、重ね折り10枚〜20枚のとき6mmというように、枚数の増加に伴い隙間を広くなるようにする。
なお、シート折り装置5における各折り種における1枚折り又は重ね折りは画像形成装置本体3の操作パネルからの選択入力によって設定することができ、重ね折り枚数もこの操作パネルから設定可能である。図12は、操作パネル4からのシートの折り重ね枚数の選択画面4aを示す図である。
シート折り装置5では、以下のようにしてシートに対して折り処理が行われる。前にも少し触れたが、図2ないし図4はシート束の折り動作を説明するためのもので、図2はシート束を第2の搬送路17に滞留させた状態を、図3はシート束後端を押圧し、撓みを形成して押し込み部材で第1折りニップに導く状態を、図4はシート束の撓み部分が第1の折りニップ25に挟持された後、移動ローラユニット26を、シートを受け入れる位置へ移動させる状態を、それぞれ示す。
本実施形態におけるシート折り動作では、まず、ユーザが画像形成装置本体3の操作パネル4から重ね折りを選択し、その後、2つ折りを選択する。制御部56は、第1のストッパ23のシート受入位置を第1の折りニップ25からシートの搬送方向長さの1/2の位置に設定し、第1のストッパ23から押さえ部材49の押面49cまでの距離をシートの搬送方向長さより若干長く設定する。これにより、シート滞留後シート束を搬送することなく折りが可能である。なお、重ね折りを選択して、内3つ折り又は外3つ折りを選択する場合でも、2つ折り同様折り位置へ第1のストッパ23を移動させ、第1のストッパ23から押圧面49cまでの距離をシートの搬送方向長さよりも若干長くする。また、押し込み部材27がHP位置(図2の実線位置)に移動することにより、可動ガイド
板60も搬送隙間を狭くする方向(1枚折り位置)へ移動する(図2の実線位置)。押し込み部材27は前述のように第2モータ57によって駆動され、制御部56によって駆動制御される。
押し込み部材27も図3内で要部を拡大して示すように後端(図示左端)側に設けられたピニオン27aを押し込み部材27と一体に移動する第2モータ57によって回転駆動することにより、ラック27bに沿って進出後退し、進出位置及び後退位置、進出速度などは制御部56によって制御される。
このような設定が完了した後、画像形成装置本体3から画像形成された1枚目のシートp1がシート受入口9に搬入される。搬入されたシートP1は第1の切換爪13及び第の2切換爪19により第2の搬送路17に案内されて、シート先端が搬送ローラ47a,47b対の搬送ニップ50に進入する。シート先端は図5に示すように押さえ部材49のガイド面49bに突き当たり、図6に示すように押さえ部材49を押しのけながら下流側に進んでいく。制御部56はシート先端が押さえ部材49の先端位置に到達するタイミングで第1のモータ55を正回転させ、移動ローラユニット26を上方(シート搬送方向上流側)に距離M(15mm)移動させる。
シート先端が可動ガイド板60を通過し、受入ガイド板17aを経て上半部側から下半部側へのシートの受け渡しが完了すると、第2モータ57を駆動し、図10に示すように、押し込み部材27を初期位置から搬送隙間を広がる方向(矢印D1方向:破線位置−搬送隙間H2)に移動させ、可動ガイド60の搬送隙間をH1(初期位置)からH2(待機位置)に広げる。これは、1枚目のシートP1が搬送されてくる前に折りローラ21a,bとの間の搬送隙間H1を広げる方向(矢印D1方向)に可動ガイド板60が移動していると、可動ガイド板60の下端部60cの搬送隙間H2と受入ガイド板17aの最上流側の端部17bの搬送隙間H3との間の段差(H3−H2)が小さくなり、シートP1は受入ガイド板17aの内側の搬送経路17cに案内されず、シート先端部が受入ガイド板17aの最上流側の端部17bに引っ掛かりジャムとなることが多いからである。
このようにしてシートP1の先端が可動ガイド板60部を通過し、図7及び図8に示すようにシート後端が搬送ローラ47a,47bの搬送ニップ50を通過すると、シートは自重により可動ガイド板60を通過し、第1のストッパ23にその先端が突き当たるまで滑落する。制御部56は、シート先端が第の1ストッパ23に到達したときに、第1のモータ55を逆回転させて移動ローラユニット26を下方(シート搬送方向下流側)に移動させ、図9に示すように押さえ部材49の先端がシート後端よりも距離L(10mm)だけ下方に進んだ位置で、移動ローラユニット26の移動を停止させる。
次に2枚目のシートP2が移動ローラユニット26に送られてくると、1枚目同様、図5に示すようにシート先端が押さえ部材49のガイド面49bに突き当たり、押さえ部材49を押しのけて進んでいく。制御部56は、シート先端が押さえ部材49の先端位置に到達するタイミングで、第1のモータ55を正回転させて移動ローラユニット26を上方(シート搬送方向上流側)に前記距離M移動させる。このとき、1枚目のシートP1の後端は、押さえ部材49の先端部によって覆われているので、2枚目のシートP2の先端がガイド面49bに案内されて1枚目のシート(滞留シート)P1の後端に突き当たることなく1枚目のシートP1の側方に搬送される。
2枚目のシートP2が搬送されてきたとき可動ガイド板60は、図11に示す搬送経路隙間を広げた位置(搬送隙間H2の位置:実線)で待機しているが、1枚目のシートP1が受入ガイド板17aの上端部17bに当たらないようガイドしているため、引っ掛かり等によるジャムは発生しない。また、搬送抵抗となる2枚目以降のシートP2・・・で可動ガイド板60の搬送隙間が広がっているため、搬送抵抗となることがない。
シート後端が搬送ニップ50を通過するとシートは自重によりその先端が第1のストッパ23に突き当たるまで滑落する。制御部56は、シート先端が第1のストッパ23に到達したときに第1モータ55を逆回転させて移動ローラユニット26を下方(シート搬送方向下流側)に移動させて、押さえ部材49の先端がシート後端よりも距離L(10mm)だけ下方に進んだ位置で移動ローラユニット26の移動を停止させる。3枚目以降のシートも同様のタイミングで移動ローラユニット26を動作させてシートを第2の搬送路17に滞留させる。なお、重ね折りの場合、図2に示すように、第2の搬送路17に設けられた搬送ローラ対の従動ローラは、シートに搬送力を与えないように搬送ローラから離れた位置で待機している。
第2の搬送路17に所望枚数のシートを滞留させた後、押さえ部材49を下方に移動させて押圧面49cで滞留したシート束のシート搬送方向の整合を行い、図示しないジョガーフェンスによってシート幅方向(シート搬送方向に対して直交する方向)の整合を行う。さらに、図3に示すように、押さえ部材49を(移動ローラユニット26を)下方に所定距離(5mm)移動させてシート束に所定量の撓みを形成する。その後、押し込み部材27を駆動して可動ガイド板60を矢印D2方向に移動させてシート束の撓み部分を第1の折りニップ25側に移動させ、その後、押し込み部材2によってシート束を第1の折りニップ25に押し込み、第1の折りローラ対21a,21bによって用紙束を折る。押し込み部材27が第1折りニップ25へ向けて動作するとき、可動ガイド板60はスプリング力により1枚折りの位置(図2の実線位置)へ戻るが、可動ガイド60の移動距離を、押し込み部材27の移動距離より短く設定しているため、押し込み部材27より可動ガイド板60の方が早く実線の位置へ移動することができる。
このとき押さえ部材49と押し込み部材27の移動速度を、第1の折ローラ対21a,21bの線速よりも速い速度に設定している。この速度は、本実施形態では、第1の折りローラ対21a,21bの線速の1.1倍〜1.5倍の範囲の所定速度である。すなわち、用紙の搬送速度より1.1倍〜1.5倍の速度で押し込むことになる。これにより、押さえ部材49と押し込み部材27とをシート束に確実に圧接させることができる。なお、前記速い速度として例示した1.1倍〜1.5倍の範囲の速度は、本実施形態に対応するものであり、この速度範囲を限定するものではなく、装置に応じて適宜設定される。
その後、図4に示すように、シート束の撓み部分が第1折りニップ25に挟持されたときに、押さえ部材49を上方に移動させてシート束後端から離してシートを受け入れる位置(初期位置)まで対比させ、これと同時に押し込み部材27も退避位置へ移動させる。2つ折りされたシート束は、第4の切換爪37の切換動作により、シート綴じ装置7へ搬送される場合は第6の搬送路41へ、スタッカ43へ排出される場合は第5の搬送路39へ、それぞれ導かれる。
なお、図2ないし図4に示したシート折り装置5の折り動作は2つ折り時の動作であり、内3つ折り、外3つ折り、Z折り、単純4つ折り、観音折り等の各種の折りについても同様に対応することができることは言うまでもない。
以上のように、本実施形態によれば、
1)1枚目のシートP1が可動ガイド板60から下流の受入ガイド板17aへの受け渡しが完了してから可動ガイド板60を初期位置H1から搬送隙間を開く方向に移動させるようにしたので、カールしたシートでも確実に下流への受け渡しが可能となる。
2)2枚目のシートP2以降は可動ガイド板60が開いた状態で1枚目のシートP1がガイドとなるので、スムーズかつ確実にシートを案内することが可能となる。これにより複数枚のシートでも搬送抵抗なく確実に滞留させることができる。
3)可動ガイド板60の移動距離を、押し込み部材27の移動距離より短く設定しているので、搬送経路内で用紙のバタつきを抑えることが可能となり、安定した位置で折り処理することができる。
4)1枚目のシートP1の先端が搬送隙間H1の初期位置の可動ガイド板60を通過した後、可動ガイド板60を搬送隙間H2の位置まで矢印D1方向に移動させるが、搬送隙間H2は受入ガイド板17aの先端部17bの搬送隙間H3よりも小寸なので、1枚目のシートP1の先端部を確実に可動ガイド板60よりも下流側の受入ガイド板17a間の搬送経路17cに導くことができる。
等の効果を奏する。
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。
1 画像形成装置
5 シート折り装置
17a 受入ガイド板
17b 受入ガイド板の先端
17c 受入ガイド板の内側の搬送経路
21a,21b 第1折りローラ対
23 第1のストッパ
25 第1の折りニップ
27 押し込み部材
57 第2モータ
60 可動ガイド板
H1,H2,H3 搬送隙間
特開2002−284443号公報 特開2001−206629号公報 特開2007−320665号公報

Claims (8)

  1. 搬送手段によって1枚ずつ搬送されるシートを単一搬送経路で複数枚滞留させ、折りローラ対によって折るシート折り装置であって、
    前記搬送手段によって搬送される前記シートの先端に当接し、シート搬送を規制する規制手段と、
    前記規制手段によって規制された複数枚のシートを前記折りローラ対のニップへ導く可動ガイド部材と、
    シートが進入する前に、前記折りローラ対との間の搬送隙間が第1の隙間になるように前記可動ガイド部材を待機させ、シート先端が前記可動ガイド部材を通過した後、次のシートが進入する前に、前記折りローラ対との間の搬送隙間が前記第1の隙間より大きい第2の隙間になるように当該可動ガイド部材を搬送隙間が広がる方向に移動させる駆動手段と、
    を備えていることを特徴とするシート折り装置。
  2. 請求項1記載のシート折り装置であって、
    前記駆動手段は、1つの折り処理の対象となるシート枚数の搬送が完了するまで前記広がる方向に移動した位置に前記可動ガイド部材を保持すること
    を特徴とするシート折り装置。
  3. 請求項2記載のシート折り装置であって、
    前記駆動手段は、前記シート枚数の搬送が完了した時点で前記可動ガイド部材を搬送隙間が狭まる方向に移動させ、前記規制手段によって規制された状態の複数枚のシートの撓み部を折りローラ対のニップに導くこと
    を特徴とするシート折り装置。
  4. 請求項1ないし3記載のシート折り装置であって、
    前記可動ガイド部材よりシート搬送方向下流側の搬送路の最上流側の受入部の上端の搬送隙間が、前記可動ガイド部材が前記広がる方向に移動した位置における搬送隙間よりも大きいこと
    を特徴とするシート折り装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のシート折り装置であって、
    前記複数枚のシートを前記折りローラ対のニップに押し込む押し込み部材を備え、
    前記駆動手段は前記可動ガイド部材と前記押し込み部材を駆動すること
    を特徴とするシート折り装置。
  6. 請求項5記載のシート折り装置であって、
    前記可動ガイド部材は前記押し込み部材と連動して移動すること
    を特徴とするシート折り装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のシート折り装置を備えていること
    を特徴とする画像形成装置。
  8. 1枚ずつ搬送されるシートを単一搬送経路で複数枚滞留させて折り処理を行うシート折り方法であって、
    搬送手段によって搬送される前記シートの先端を規制手段に当接させてシート搬送方向の移動を規制し、
    前記規制された複数枚のシートを可動ガイド部材によって折りローラ対のニップへ導き、
    シートが進入する前に、前記折りローラ対との間の搬送隙間が第1の隙間になるように前記可動ガイド部材を待機させ、1枚目のシートの先端が前記可動ガイド部材を通過した後、次のシートが進入する前に、前記折りローラ対との間の搬送隙間が前記第1の隙間より大きい第2の隙間になるように当該可動ガイド部材を搬送隙間が広がる方向に移動させ、
    前記可動ガイド部材を折り処理の対象となるシート枚数の搬送が完了するまで前記広がる方向に移動した位置に保持し、
    前記複数枚のシートの搬送が完了した時点で前記可動ガイド部材を駆動し、前記規制された状態の複数枚のシートを搬送隙間が狭まる方向に移動させ、
    前記シートの撓み部を折りローラ対のニップに導き、折り処理を実行すること
    を特徴とするシート折り方法。
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