JP5548582B2 - 金型設計装置、金型設計方法、金型設計システムおよび金型設計プログラム - Google Patents

金型設計装置、金型設計方法、金型設計システムおよび金型設計プログラム Download PDF

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    • B29C45/7693Measuring, controlling or regulating using rheological models of the material in the mould, e.g. finite elements method

Description

本発明は、鋳造品におけるバリの発生を効果的に抑える技術に関する。
鋳造技術に関し、例えば特許文献1には、金型の温度分布や製品の温度分布を考慮し、製品が室温になったときの変形を解析により求め、変形量を見込んだ金型を設計する手法が記載されている。
特開平7−236942号公報
ところで、鋳造品にバリが発生する現象が見られる。鋳造品にバリが発生すると、それを後工程で取り除く作業が必要となる。これは、工程増加に伴うコストアップにつながる。また、バリが金型に張り付くこともあり、その場合は、次の鋳造工程において適正な型締め行えず、更なるバリの発生につながる。また金型にバリが張り付くと、それを取り除く作業が必要となる。このバリを取り除く作業期間は、鋳造が行えず、更にその間に金型が冷えてしまうので、再度の捨てうち工程が必要となり、生産性が低下する。
このような背景において、本発明者らは、上記のバリの発生について解析した結果、以下の知見を得た。まず、鋳造時に溶湯から受ける熱に起因して金型が膨張する。この膨張は均一ではなく、金型の部分的な形状の違い、溶湯から受ける圧力、成形機の型締圧力、溶湯から受け取る熱量等に起因して部分的に異なるものとなる。このため、金型の合わせ面に作用する接触面圧は、均一にならない。この結果、鋳造時に接触面圧が相対的に小さい部分の金型の合わせ面が開き、その部分から溶湯が漏れ出すことで、バリが発生する。
このような背景において、本発明は、金型の変形に起因するバリの発生を抑えることができる技術を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、鋳造条件における金型の合わせ面の接触面圧の分布を算出する接触面圧算出手段と、前記鋳造条件における金型の合わせ面の熱膨張量を算出する熱膨張量算出手段と、前記接触面圧の分布および前記熱膨張量に基づき、前記金型の前記合わせ面の形状を反転形状に設定する設定手段とを備え、前記反転形状は、前記合わせ面の熱膨張した状態の形状を当該熱膨張が生じていない場合の当該面を中心として反転させた形状であり、前記反転させる割合は前記接触面圧の分布に対応しており、前記反転させた形状は、前記熱膨張量と前記反転させる割合との積に基づいて算出されることを特徴とする金型設計装置である。
請求項1に記載の発明によれば、組み合わされる対となる金型の対向するPL面の鋳造時の変形に起因する隙間の発生を抑えるために、鋳造時に該当するPL面に働く面圧を算出し、この面圧に基づいて、PL面を凹形形状に成形する。これにより、鋳造時にPL面が変形しても凹型形状が膨らむことで、PL面が凸型形状になることで生じる金型の合わせ面での隙間の発生を抑えることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記反転させる割合は、前記接触面圧が相対的に大きな領域で相対的に大きく、前記接触面圧が相対的に小さな領域で相対的に小さいことを特徴とする。請求項2に記載の発明によれば、面圧の違いに応じて加工量が設定される。面圧の大きい部分は、金型同士が押し合う力がそれだけ大きいことを示している。これは、その部分のPL面がより膨張し膨らもうとしていることを意味している。しがって、面圧が相対的に大きく作用する部分は、相対的に加工量を大きくし、面圧が相対的に小さく作用する部分は、相対的に加工量を小さくすることで、隙間の発生を抑える作用を全体で均一に得ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記反転させる割合は、対象となる領域における面圧の前記接触面圧の最大値に対する割合に基づいて算出されることを特徴とする。請求項3に記載の発明によれば、面圧の違いを反映した加工量が設定されるので、隙間の発生を抑える作用を全体で均一に得ることができる。
請求項に記載の発明は、鋳造条件における金型の合わせ面の接触面圧の分布を算出する接触面圧算出ステップと、前記鋳造条件における金型の合わせ面の熱膨張量を算出する熱膨張量算出ステップと、前記接触面圧の分布および前記熱膨張量に基づき、前記金型の前記合わせ面の形状を反転形状に設定する設定ステップとを備え、前記反転形状は、前記合わせ面の熱膨張した状態の形状を当該熱膨張が生じていない場合の当該面を中心として反転させた形状であり、前記反転させる割合は前記接触面圧の分布に対応しており、前記反転させた形状は、前記熱膨張量と前記反転させる割合との積に基づいて算出されることを特徴とする金型設計方法である。
請求項に記載の発明は、鋳造条件における金型の合わせ面の接触面圧の分布を算出する接触面圧算出手段と、前記鋳造条件における金型の合わせ面の熱膨張量を算出する熱膨張量算出手段と、前記接触面圧の分布および前記熱膨張量に基づき、前記金型の前記合わせ面の形状を反転形状に設定する設定手段とを備え、前記反転形状は、前記合わせ面の熱膨張した状態の形状を当該熱膨張が生じていない場合の当該面を中心として反転させた形状であり、前記反転させる割合は前記接触面圧の分布に対応しており、前記反転させた形状は、前記熱膨張量と前記反転させる割合との積に基づいて算出されることを特徴とする金型設計システムである。
請求項に記載の発明は、コンピュータに読み取らせて実行させるプログラムであって、コンピュータを鋳造条件における金型の合わせ面の接触面圧の分布を算出する接触面圧算出手段と、前記鋳造条件における金型の合わせ面の熱膨張量を算出する熱膨張量算出手段と、前記接触面圧の分布および前記熱膨張量に基づき、前記金型の前記合わせ面の形状を反転形状に設定する設定手段として動作させ、前記反転形状は、前記合わせ面の熱膨張した状態の形状を当該熱膨張が生じていない場合の当該面を中心として反転させた形状であり、前記反転させる割合は前記接触面圧の分布に対応しており、前記反転させた形状は、前記熱膨張量と前記反転させる割合との積に基づいて算出されることを特徴とする金型設計プログラムである。
本発明によれば、金型の変形に起因するバリの発生を抑えることができる。
鋳造装置の概念図である。 バリが発生する原理およびバリの発生を抑える原理を示す概念図である。 実施形態のブロック図である。 実施形態における処理の手順を示すフローチャートである。 PL面から見た金型の正面図である。 PL面から見た金型の正面図である。 隙間量の分布を示すグラフである。 接触面圧の分布を示すグラフである。
(鋳造装置)
まず、本発明を適用した金型を用いる鋳造装置の一例を説明する。図1には、発明を適用した金型を利用可能な鋳造装置100が示されている。図1には、鋳造装置100に一対の金型101、102が装着された状態が示されている。鋳造装置100は、一方の金型を保持する可動部103、他方の金型を保持する固定部104を備えている。可動部103が固定部104に近づくことで、金型101と金型102が接触し、その状態で固定される。この際、予め決められた値の型締力で金型101と102が互いに押し付けられた状態とされる。なお、金型101または102には、金型101と102が組み合った状態において、その内部に形成されるキャビティー(空洞)に溶湯を注入するための注湯口(図示省略)が設けられている。
(原理)
以下、バリが発生する原理、およびバリの発生を抑える原理について説明する。図1に示す鋳造装置100において、金型101と102が接触し組み合った状態で内部のキャビティーに溶湯が注入され、鋳造が行われる。図2には、金型101と102のPL面(パーティングライン面)の状態が概念的に示されている。PL面というのは、組となる金型同士が接触する面のことである。PL面は、キャビティーを構成する凹部または凸部の周囲の部分の相手金型に接触する面である。組となる金型において、このPL面の接触状態が悪く隙間があると、そこから溶湯が漏れ(あるいは浸透し)、バリが発生する。
鋳造工程において、溶湯の熱により、金型101、102が膨張する。金型101と102は、型締力によって互いに押し付けられているが、上記の膨張に起因してPL面が盛り上がる。この際、隙間105、106が生じる。この状態が図2(A)に誇張して示されている。図2(A)には、金型101本来のPL面101a、膨張によって膨らんだPL面101b、金型102本来のPL面102a、膨張によって膨らんだPL面102bが示されている。この隙間105や106に溶融が漏れ出すことで、PL面におけるバリが発生する。
そこで、本発明を利用したバリの低減手法では、以下の処理を施すことで、上記の要因で発生するバリの発生を抑える。以下、金型101のPL面を例にとり、基本的な原理を簡単に説明する。まず、熱解析モデルを用いたコンピュータシミュレーションにより、金型101のPL面の膨張を計算により予想する。図2(B)に計算により求めた膨張時のPL面101bが示されている。膨張は、金型の型締力等の他の要因もあるが、熱膨張によるものが主となる。また、実際に生じる膨張は、対向する面との間で働く圧力によって制約されるので、膨張(盛り上がり)の程度の評価は、対向する金型102のPL面との間で働く面圧を考慮して算出される。つまり、面圧が大きい部分がPL面の盛り上がりが相対的に大きく、面圧が小さい部分は、PL面の盛り上がりが相対的に小さいものとして取り扱われる。
PL面の盛り上がり101bが算出されたら、それを変形がない場合のPL面101aを中心として反転させ、反転面101cを算出する。そして、冷間時(つまり、温度上昇がない状況)におけるPL面が反転面101cとなるようにPL面を設定する(図2(C))。つまり、溶湯による温度上昇に起因する膨張分を予め見込んで、PL面を凹面とする。ここでは、この凹面とされる反転面101cを形成するための加工量が算出される。
この状態で金型101と102を組み合わせた状態のPL面の様子が図2(D)に概念的に示されている。そして、図2(D)の状態で図示されないキャビティー内に溶湯が注入され、鋳造が行われる。この際、膨張を見込んで凹型に形成されていたPL面101cが、溶湯から受熱することで図2(F)に概念的に示されるように膨張し、図2(G)に示されるように熱間時(溶湯により高温とされている状態)において対向するPL面間に隙間が生じない(あるいは隙間の形成が抑えられた)状態となる。図2(G)には、隙間の発生が抑えられたPL面101dとPL面102dが示されている。そしてこのように対向するPL面間の隙間の発生が抑えられることで、対向するPL面間の隙間に起因するバリの発生が抑えられる。
(金型設計装置)
以下、図2に示す原理による金型の設計を行う装置の一例を説明する。図3には、発明の実施形態である金型設計装置300が示されている。この例において、金型設計装置300は、コンピュータ上でソフトウェア的に構成されている。金型設計装置300を構成し、それを動作させるためのプログラムは、当該コンピュータにインストールされている。なお、部分的な動作に係るプログラム、例えば金型モデルを形成する三次元CADソフトや熱解析を行うプログラム等が別に用意される形態であってもよい。またこれらのプログラムが、外部から適当な記憶媒体や回線を介して供給される形態であってもよい。また、金型設計装置300をASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのPLD(Programmable Logic Device)等を用いて構成した専用のハードウェアによって構成することも可能である。
金型設計装置300は、金型モデル作成部301、金型温度算出部302、金型モデル解析部303、隙間量判定部307、接触面圧エリア設定部308、反転割合設定部309および加工量設定部310を備えている。
金型モデル作成部301は、金型の設計を行う三次元CAD機能を有している。金型モデル作成部301は、基礎となる金型データに基づいて金型の三次元モデルデータを作成する。また金型モデル作成部301は、加工量設定部310で設定された加工量に基づき、金型モデルを修正する。金型温度算出部302は、金型内に溶湯を流し込んだ際における金型の温度分布を算出する。この算出は、市販の熱計算シミュレーションソフトウェアに基づいて行われる。
金型モデル解析部303は、溶湯から受ける熱による金型への影響をシミュレーションにより解析する。ここで、金型モデル解析部303は、接触面圧算出部304、熱膨張量算出部305、隙間量算出部306を含んでいる。接触面算出部304は、溶湯の熱を受け、温度が上昇した状態における金型の合わせ面(対となる金型を合わせた際の接触面:PL面)の面圧を算出する。この面圧は、主に金型の熱膨張に起因するもので(その他、溶湯の圧力の影響もある)、この面圧によりPL面の膨張の程度が評価される。またこの面圧は、場所ごとの分布状態も算出される。熱膨張量算出部305は、PL面における熱膨張量を算出する。隙間量算出部306は、金型の膨張により、対向するPL面に生じる隙間の寸法を算出する。
隙間量判定部307は、隙間量算出部306が算出した隙間寸法が設定された閾値以下であるか否か、を判定する。この例では、閾値として0.2mmが設定されている。勿論、この閾値は、鋳造品に要求される精度、大きさ、材質によって異なるので、他の値を採用することも可能である。接触面圧エリア設定部308は、接触面圧算出部304が算出した接触面圧の分布状態に基づき、ある範囲毎に接触面圧のエリアを区分けし、複数の面圧エリアを設定する。反転割合設定部309は、接触面圧エリア設定部308が設定した各エリアにおける反転割合(例えば、図2(B)の符号101cで示される反転形状の程度)を当該エリアにおける面圧に基づいて算出する。加工量設定部310は、金型モデル解析部303が算出した熱膨張量および反転割合設定部309が算出した反転割合に基づき、PL面の加工量(例えば、図2(C)の符号109参照)を算出する。この加工量に基づき、金型モデル作成部301が作成した金型モデルが修正される。この修正は、金型モデル作成部301において行われる。
(処理の一例)
以下、図3に示す金型設計装置300で行われる処理の一例を説明する。図4は、金型設計装置300で行われる金型の設計に係る処理の一例を示すフローチャートである。処理が開始されると(ステップS401)、金型モデルの作成が図3の金型モデル作成部301で行われる(ステップS402)。この段階で行われる作業は、通常の金型モデルの作成と同じ作業であり、通常の三次元CAD機能を用いて行われる。
次に、ステップS402で得た金型モデルが実際の鋳造条件化でどのような温度状態になるのかをコンピュータシミュレーションによって算出する(ステップS403)。この処理は、市販の熱解析シミュレーションソフトウェアを用いて、図3の金型温度算出部302において行われる。金型の温度を算出したら、それに基づき、温度の上昇で金型に生じる変化(熱による金型への影響)を解析する(ステップ404)。この処理も市販の熱解析シミュレーションソフトウェアを用いて行われる。この処理は図3の金型モデル解析部303において行われる。ステップS404では、鋳造時における対となる金型の接触面(PL面)の面圧分布状態の算出、鋳造時における金型の熱膨張の状態の算出、対向するPL面間に生じる隙間の寸法の算出が行なわれる。
次に、ステップS405に進み、ステップS404で算出したPL面の隙間の寸法が設定値(この場合は、0.2mm)以下であるか否か、を判定する(ステップS405)。この判定は、生じる隙間の最大値を対象として行われる。ステップS404で算出された隙間量が設定値以下であれば、金型の設計を終了する(ステップS409)。また、ステップS404で算出された隙間量が設定値を越える値である場合、ステップS406に進む。
ステップS406では、ステップS404で算出したPL面の接触面圧の分布状態に基づき、接触面圧の最大値を100%として面圧の分布状態を規格化する。この処理は、図3の接触面圧エリア設定部308において行われる。図5には、PL面における面圧の分布の状態の一例が示されている。図5には、組となる金型の一方の側をPL面側から見た様子が示されている。ここで、斜線部分がPL面となる領域である。そして一例として、図5には、図3の金型モデル解析部303が算出したPL面の3箇所の点における面圧が示されている。また、図中の%表示されている値は、算出された面圧の最大値に対する算出点における面圧値の割合(規格値)である。図5には、一例として3点における面圧およびその規格値が示されているが、実際には、格子状に区切った複数の各交点において面圧およびその規格値が算出される。
ステップS406の後、ステップS407に進む。ステップS407では、ステップS406で設定された規格化された接触面圧の分布状態に基づき、図2(B)にその原理を示す反転面の設定に必要な反転割合を設定する。この際、ステップS308で設定した面圧が100%のエリアを基準として、各エリアにおいて当該エリアの面圧の規格値に比例した反転割合の設定を行なう。この処理は、図3の反転割合設定部309において行なわれる。図6には、この設定の具体的な一例が示されている。図6は、図5に対応するもので、反転率を面圧の違いに応じて3グループに分け、面圧の最大値に対する各エリアの割合に応じて反転率を設定した状態が示されている。
すなわち、面圧が最大となるエリアの反転率に対して、面圧が74%のエリアは、反転率を最大となるエリアの74%とする。また、面圧が最大となるエリアの反転率に対して、面圧が54%のエリアは、反転率を最大となるエリアの54%とする。以下、このようにする理由について説明する。まず、面圧の大きい部分は、金型同士が押し合う力がそれだけ大きいことを示している。これは、その部分のPL面がより膨張し膨らもうとしていることを意味している(例えば、図2参照)。しがって、面圧が相対的に大きく作用する部分は、相対的に反転率を大きくし、面圧が相対的に小さく作用する部分は、相対的に反転率を小さくすることで、図2(F)に例示する原理に基づく隙間の発生を抑える作用を全体で均一に得るようにする。
ステップS407の後、ステップS408に進む。ステップS408では、ステップS407で設定された反転率に基づき、金型の加工量を設定する。この処理では、ステップS404で算出された熱膨張量とステップS407で設定された反転割合との積が加工量として算出される。これにより、ステップS404で算出された熱膨張量が仮に同じであっても、相対的に面圧の大きな部分は相対的に大きな反転量で加工され、相対的に面圧の小さな部分は相対的に小さな反転量で加工される。このステップS408の処理は、図3の加工量設定部310で行なわれる。ステップS408の後、ステップS403以下の処理を再度行う。こうして、鋳造時(熱間時)に生じる対向するPL面間の隙間が、設定値(この際の場合、0.2mm)以下となるまで、ステップS403〜S408の処理を繰り返す。
(評価)
図7には、PL面における領域A、領域B、領域C、領域D、領域E、領域Fにおける隙間量の実測値のデータを示す。図7に示されるように、本実施形態で説明した面圧に応じて反転量を設定する設計とすることで、反転を行なわない場合に比較して大きく隙間量を抑えることができる。また、図7には、全て一律に最大値の面圧に基づいて反転量を同じとした場合のデータも示されている。この場合、領域Fにおいて何ら対策を施さない場合(反転なしの場合)に比較して、隙間量が劇的に増大している。これは、面圧に対して加工量が過大(つまり凹型に過大に加工し過ぎ)なため、かえって大きな隙間が形成されてしまったことを示している。
図8には、格子状に測定点を設定した場合における接触面圧の値をプロットしたデータが示されている。図8から明らかなように、本発明を採用することで、「反転なし」の場合に比較して、接触面圧の大きな点が減少している。また、図8は、接触していない部分(つまり、面圧が0である部分)が大きく減少し、更に鋳造時に100MPa付近の値で均一に接触が行なわれていることを示している。また図8は、全て100%で反転させた場合、面圧が足りない点が増大し、均一な接触状態を得るという点では、効果が低いことを示している。
(優位性)
PL面の接触面圧に基づき、変形を見込んだ反転面を設定することで、鋳造時における対向するPL面間の隙間の発生を抑えることができる。これにより、この隙間の発生に起因するバリの発生を抑えることができる。また、接触面圧の分布に基づき、反転面の反転割合を調整することで、変形の程度に対応させた反転面の設定が行なわれ、反転のさせ過ぎによる新たな隙間の発生を抑えることができ、鋳造時におけるより均一な鋳造金型の接触状態が得られる。また、反転率に応じてエリアを区分けすることで、全体で一律に加工量を設定する場合に比較して、加工量を減らすことができ、金型の加工に要する時間を短縮することができる。
また、面圧を考慮にいれて反転させた形状の加工量を設定することで、加工量が過大となり新たな隙間が発生する現象を抑えることができる。仮に、接触面圧の分布に基づく反転面の反転割合の調整を行わない場合、同じ熱膨張量が算出された部分は、面圧の違いに係らずに同じ加工量が設定される。ここで、面圧が相対的に大きな部分は、さらに熱膨張しようとする潜在力を有する部分であり、面圧の相対的に小さな部分は、その逆である。したがって、同じ熱膨張量の2つの部分において、面圧の違いを考慮せずに加工量を設定した場合、相対的に面圧の小さな部分は、相対的に面圧の大きな部分に比較して加工量が過大となり、新たな隙間の発生の要因となる。これに対して、面圧を考慮にいれて反転させる形状の加工量を設定することで、この相対的に面圧の小さな部分における加工量が過大となる現象が抑えられる。
(その他)
反転率の設定に溶湯の粘性や半凝固状態のパラメータを反映させてもよい。この場合、反転率の設定を行なう計算に、溶湯の粘性や半凝固状態を取り込む係数を導入し、この係数により反転率の調整を行う。これにより、溶湯の粘性や半凝固状態に起因するPL面間における隙間の発生への影響が計算に取り込まれ、より隙間の発生を抑えることができる金型の設計が可能となる。
図3に示す各機能および図4に示す各処理を分散して行なう構成も可能である。例えば、複数のコンピュータを接続し、金型モデルの作成を第1のコンピュータで行い、金型温度の算出を第2のコンピュータで行なうといったシステムで本発明を実施することも可能である。この場合は、本発明は、金型設計システムとして把握される。
本発明は、鋳造技術に利用することができる。
100…鋳造装置
101、102…対となる金型
101a、102a…冷間時のPL面
101b、102b…熱間時にPL面
101c、102c…反転面
101d、102d…PL面の変形を考慮した場合における熱間時のPL面
103…可動部
104…固定部
105、106…隙間

Claims (6)

  1. 鋳造条件における金型の合わせ面の接触面圧の分布を算出する接触面圧算出手段と、
    前記鋳造条件における金型の合わせ面の熱膨張量を算出する熱膨張量算出手段と、
    前記接触面圧の分布および前記熱膨張量に基づき、前記金型の前記合わせ面の形状を反転形状に設定する設定手段と
    を備え、
    前記反転形状は、前記合わせ面の熱膨張した状態の形状を当該熱膨張が生じていない場合の当該面を中心として反転させた形状であり、
    前記反転させる割合は前記接触面圧の分布に対応しており、
    前記反転させた形状は、前記熱膨張量と前記反転させる割合との積に基づいて算出されることを特徴とする金型設計装置。
  2. 前記反転させる割合は、前記接触面圧が相対的に大きな領域で相対的に大きく、前記接触面圧が相対的に小さな領域で相対的に小さいことを特徴とする請求項1に記載の金型設計装置。
  3. 前記反転させる割合は、対象となる領域における面圧の前記接触面圧の最大値に対する割合に基づいて算出されることを特徴とする請求項2に記載の金型設計装置。
  4. 鋳造条件における金型の合わせ面の接触面圧の分布を算出する接触面圧算出ステップと、
    前記鋳造条件における金型の合わせ面の熱膨張量を算出する熱膨張量算出ステップと、
    前記接触面圧の分布および前記熱膨張量に基づき、前記金型の前記合わせ面の形状を反転形状に設定する設定ステップと
    を備え、
    前記反転形状は、前記合わせ面の熱膨張した状態の形状を当該熱膨張が生じていない場合の当該面を中心として反転させた形状であり、
    前記反転させる割合は前記接触面圧の分布に対応しており、
    前記反転させた形状は、前記熱膨張量と前記反転させる割合との積に基づいて算出されることを特徴とする金型設計方法。
  5. 鋳造条件における金型の合わせ面の接触面圧の分布を算出する接触面圧算出手段と、
    前記鋳造条件における金型の合わせ面の熱膨張量を算出する熱膨張量算出手段と、
    前記接触面圧の分布および前記熱膨張量に基づき、前記金型の前記合わせ面の形状を反転形状に設定する設定手段と
    を備え、
    前記反転形状は、前記合わせ面の熱膨張した状態の形状を当該熱膨張が生じていない場合の当該面を中心として反転させた形状であり、
    前記反転させる割合は前記接触面圧の分布に対応しており、
    前記反転させた形状は、前記熱膨張量と前記反転させる割合との積に基づいて算出されることを特徴とする金型設計システム。
  6. コンピュータに読み取らせて実行させるプログラムであって、
    コンピュータを
    鋳造条件における金型の合わせ面の接触面圧の分布を算出する接触面圧算出手段と、
    前記鋳造条件における金型の合わせ面の熱膨張量を算出する熱膨張量算出手段と、
    前記接触面圧の分布および前記熱膨張量に基づき、前記金型の前記合わせ面の形状を反転形状に設定する設定手段と
    して動作させ、
    前記反転形状は、前記合わせ面の熱膨張した状態の形状を当該熱膨張が生じていない場合の当該面を中心として反転させた形状であり、
    前記反転させる割合は前記接触面圧の分布に対応しており、
    前記反転させた形状は、前記熱膨張量と前記反転させる割合との積に基づいて算出されることを特徴とする金型設計プログラム。
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