JP5547441B2 - 保護回路 - Google Patents

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Description

本発明は、保護回路にかかり、特に、静電気放電(ESD(Electrostatic Discharge))から回路を保護するための保護回路に関する。
半導体デバイスには、半導体チップの内部回路を静電気放電から保護する保護素子を含む、保護回路が組み込まれている。保護回路は、半導体デバイスの外部端子から入力されるESDサージを引き込み、グランド配線に流すよう動作する。その結果、ESDサージは内部回路には流れ込むことがなく、内部回路に高電圧が加わることを防ぐことができる。このような保護回路を、本明細書では、以降ESD(Electrostatic Discharge)回路とも記す。
図3は、従来のESD保護回路を例示した図である。図示したESD保護回路は、2つのダイオード54、55を備えたことにより、外部端子53からESDが入力された場合、そのESDが保護素子56に流される。なお、図中に示したr1は、VSSを基準としてマイナスのパルスのESDが流れる経路である。また、r2は、VSSを基準としてプラスのパルスのESDが流れる経路である。図3に示した従来技術は、例えば、特許文献1に記載されている。
図4は、従来の他のESD保護回路を示した図である。図4に示したESD保護回路は、図3に示したダイオード54がなく、代わりに容量素子C、抵抗素子R、MOSトランジスタ61を使ってESDサージを流している。
高いパルスのESDが入力されると、MOSトランジスタ61がスナップバック現象を起こしてサージ電流を流すことにより、内部回路を保護することができる。このとき、容量素子C、抵抗素子Rは、ESDが入力されたときにMOSトランジスタ61のゲートに電圧を印加してスナップバックを起こりやすくしている。
図4に示したESD回路は、図3に示したESD回路において、電源電圧以上の電圧が印加される等の理由によってダイオード54を設けることができない場合に適用することができる。
特開2006−13446号公報
ただし、内部回路には、高速の信号を入力すべき場合もある。このため、上記した図4のESD保護回路には、入力すべき信号のパルスに対してはMOSトランジスタ61のゲート電圧を高めることがなく、ESDのパルスが入力された場合にだけゲート電圧を印加してサージ電流を流すことが要求される。このような動作は、容量素子C、抵抗素子Rの容量や抵抗値によって決まる時定数を、信号のパルスについては小さく、ESDについては大きくすることによって可能になる。
しかしながら、近年、半導体デバイスには、ESDに対するより高い信頼性が要求されるようになっている。また、内部回路には、高速の信号を損失なく入力すべきであることから、ESDサージだけが保護回路に流されるように容量素子C、抵抗素子Rを設計することは困難になっている。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、ESDから内部回路を確実に保護できて、しかも入力すべき信号は損失なく内部回路に入力することができる保護回路を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、本発明の請求項1の保護回路は、差動入力端子または差動出力端子である一対の端子(例えば図1に示した差動入力端子103a、103b、差動出力端子103c、103d)と、差動入力を受ける、または差動出力する被保護回路(例えば図1に示した内部回路101)との間に設けられた保護回路であって、前記一対の端子及び前記被保護回路を結ぶ一対の配線のそれぞれと、基準電位を設定する基準電源との間に介在する一対のトランジスタ素子(例えば図1に示したMOSトランジスタ105a、105b)と、前記一対の配線の一方に一端が接続される第1の容量素子と、前記一対の配線の他方に一端が接続され、他端が前記第1の容量素子の他端に接続され、前記第1の容量素子と等しい容量を有する第2の容量素子と、を備え、前記一対の端子に差動入力信号が入力されたとき、または差動出力信号が出力されたとき、前記一対のトランジスタ素子のそれぞれのゲート同士(例えば図1に示したMOSトランジスタ105aのゲート端子g1、MOSトランジスタ105bのゲート端子g2)を接続するとともに、前記ゲート同士を接続した接続ノードが、前記第1の容量素子及び前記第2の容量素子の共通する接続点に接続され、前記第1の容量素子(例えば図1に示した容量素子104a)を介して前記一対の配線の一方に接続され、前記第1の容量素子と容量が等しい第2の容量素子(例えば図1に示した容量素子104b)を介して前記一対の配線の他方に接続され、抵抗素子を介して前記基準電源に接続されることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、一対の端子に差動入力信号が入力される、または一対の端子から差動出力信号が出力される場合トランジスタ素子をオフしておくことができる。また、2つのノードに入出力される信号がESD等の差動信号でない場合、トランジスタをスナップバックさせて信号が被保護回路に入力されることを防ぐことができる。このため、本発明は、ESDから内部回路を確実に保護できて、しかも入力すべき信号は損失なく内部回路に入力することができる保護回路を提供することができる。
本発明の一実施形態の保護回路を説明するための回路図である。 図1に示したゲート電圧と差動入力される高速パルスとの関係を説明するための図である。 従来のESD保護回路を例示した図である。 従来のESD保護回路を例示した他の図である。
以下、図を参照して本発明に係る保護回路の一実施形態を説明する。
(構成)
図1は、本発明の一実施形態の保護回路を説明するための回路図である。図1には、被保護回路となっている内部回路101と、内部回路101を保護する、本実施形態の保護回路100が示されている。
保護回路100は、差動入力端子である一対の差動入力端子103a、103b、一対の差動出力端子である差動出力端子103c、103dと、差動入力を受けて、かつ差動出力する内部回路101との間に設けられている。そして、差動入力端子103a、103b及び内部回路を結ぶ一対の配線ノードN3、N4のそれぞれと、基準電位を設定する基準電源GNDとの間に介在する一対のMOSトランジスタ105a、105bを備えている。MOSトランジスタ105aのゲート端子g1、MOSトランジスタ105bのゲート端子g2は互いに接続されるとともに、その接続ノードN1は、容量素子104aを介してノードN3に接続され、容量素子104aと容量が等しい容量素子104bを介してノード4に接続され、抵抗素子108を介して基準電源GNDに接続されている。
なお、MOSトランジスタ105a、105bは、ゲート電極に電圧が印加されていない場合にオフ状態である、いわゆる、ノーマリーオフのトランジスタであるものとする。
図1に示した2つのノードN3、N4は、内部回路101に差動信号を入力する差動入力端子103a、103b、内部回路101から差動信号を出力する差動出力端子103c、103dに接続されている。差動入力端子103aに接続されるパッドをパッドP、差動入力端子103bに接続されるパッドをパッドNとして示す。
差動入力信号は、内部回路101に入力される電位の極性(正、負)が反対の2つの信号によってなる信号対である。また、差動出力信号は、内部回路101から出力される、電位の極性が反対の2つの信号によってなる信号対である。本実施形態では、差動入力信号、差動出力信号のいずれにおいても、信号対を構成する2つの信号が等しい絶対値を有する、すなわち平均値は一定なものとする。
なお、本実施形態の保護回路は、上記したように、ノードN3が差動入力端子103a及び差動出力端子103cに、ノードN4が差動入力端子103b及び差動出力端子103dに接続される構成に限定されるものではない。例えば、ノードN3、ノードN4が差動入力端子103a、103b、差動出力端子103c、103dの少なくとも一方に接続されていればよい。
本実施形態の保護回路には、さらに、ダイオード106、107が設けられている。ダイオード106、107は、内部回路101に入力される電流を整流するように機能する。
(動作)
以下、本実施形態の保護回路100の動作を説明する。保護回路100には、ESDによる高速の信号(以降、ESDパルスとも記す)と、本来内部回路101に入力すべき高速の信号(以降、高速パルスとも記す)とが入力され得る。
・高速パルスが入力された場合
前記したように、本実施形態では、差動入力端子103a、103bに絶対値が等しくて極性が反対の差動信号、すなわち平均値が一定の信号が入力されてくる。また、容量素子104a、104bの容量は同じである。このため、ノードN1、N2と容量素子104a、104bとの接続点p1には、容量素子104a、104bにより、同じ値であって、かつ極性が反対の電圧が印加される。この結果、印加された電圧が互いに打ち消しあって、接続点p1にかかる電位は0になる。
接続点p1の電位は、そのままMOSトランジスタ105a、105bのゲート端子g1、g2にかかるゲート電圧Vgになる。このため、MOSトランジスタ105a、105bのゲート端子g1、g2に印加される電圧は0Vとなる。このような場合、MOSトランジスタ105a、105bがスナップバックを起こすことはない。
以上の動作により、本実施形態は、高速パルスを、MOSトランジスタ105a、105bによってGNDへ流すことがなく、内部回路101に入力させることができる。
図2(a)、(b),は、図1に示したゲート電圧Vgと差動入力される高速パルスとの関係を説明するための図であって、縦軸に高速パルスの電圧を、横軸に時間を示している。図2(a)は、高速パルスの平均値が変動する場合、図2(b)は平均値が一定の場合を示している。図2(a)、(b)中に示したVPは図1に示したパッドPから入力されるパルスを示し、VNは図1に示したパッドNから入力されるパルスを示している。
図2(a)に示したように、高速パルスの平均値が相違すると、両者の差分が接続点p1にかかり、図2(a)中に示したゲート電圧Vgが発生する。その後容量素子C,抵抗素子Rの時定数により減衰するがこのとき、ゲート電圧Vgの値によっては、入力された高速パルスがMOSトランジスタ105a、105bのスナップバックによってGNDに流れてしまう可能性が生じる。
一方、図2(b)に示したように、高速パルスの平均値が一定であれば、接続点p1にかかるゲート電圧Vg’はほとんど表れない。このため、MOSトランジスタ501a、105bのスナップバックが起こらずに、入力された高速パルスが損失なく内部回路101に入力される。
・ESDパルスが入力された場合
ESDパルスがパッドP、パッドNのいずれかから入力された場合、接続点p1の電位が上昇する。このため、ゲート端子g1、g2の電位が上昇し、MOSトランジスタ105a、105bがスナップバック動作をする。このため、ESDパルスがMOSトランジスタ105a、105bを通ってGNDに流れ、内部回路101へ流れ込むことがない。
なお、ESDパルスがパッドP、パッドNから同時に入力され、その信号の平均値が一定で、接続点p1において電位を打ち消しあう可能性は極めて低いと考えられる。したがって、本実施形態によれば、高速パルスを損失なく内部回路101に入力させ、ESDパルスのみをGNDに流すことが可能になる。
以上述べた本発明の保護回路は、アナログの交流信号を入力して処理する内部回路を保護する保護回路であれば、どのような構成に対しても適用することができる。特に、試験工程等において静電気放電が入力され得る半導体デバイスに好適である。
53 外部端子
54 ダイオード
55 ダイオード
56 保護素子
61 トランジスタ
100 保護回路
101 内部回路
103 外部端子
103a、103b 差動入力端子
103c、103d 差動出力端子
104a、104b 容量素子
105a、105b MOSトランジスタ
106、107 ダイオード

Claims (1)

  1. 差動入力端子または差動出力端子である一対の端子と、差動入力を受ける、または差動出力する被保護回路との間に設けられた保護回路であって、
    前記一対の端子及び前記被保護回路を結ぶ一対の配線のそれぞれと、基準電位を設定する基準電源との間に介在する一対のトランジスタ素子と、
    前記一対の配線の一方に一端が接続される第1の容量素子と、
    前記一対の配線の他方に一端が接続され、他端が前記第1の容量素子の他端に接続され、前記第1の容量素子と等しい容量を有する第2の容量素子と、を備え、
    前記一対の端子に差動入力信号が入力されたとき、または差動出力信号が出力されたとき、前記一対のトランジスタ素子のそれぞれのゲート同士を接続するとともに、前記ゲート同士を接続した接続ノードが、前記第1の容量素子及び前記第2の容量素子の共通する接続点に接続され、前記第1の容量素子を介して前記一対の配線の一方に接続され、前記第2の容量素子を介して前記一対の配線の他方に接続され、抵抗素子を介して前記基準電源に接続されることを特徴とする保護回路。
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