JP5547089B2 - パーフルオロブタジエンの合成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、脱ハロゲン化または脱ハロゲン水素化によって、パーフルオロ−1,3−ブタジエンを得るための、フルオロハロブタンの合成方法に関する。より具体的には、本発明は、個々の工程において良好な選択性でパーフルオロ−1,3−ブタジエンを得るための方法であって、クロロフルオロカーボン(CFC)のカテゴリーに属さない前駆体を使用して、水素化副生物を分離するための費用のかかるプロセスを省いて得ることができる方法に関する。
オゾン層へのそれらの影響(ODP)の、およびそれらの高い環境影響(GWP)の結果として、CFCがモントリオール(Montreal)議定書およびそれのその後の改正によって禁止または制限されてきたことはよく知られている。とにかく、それらが依然として使用されている少ない部門において、CFCが環境中へ分散されるのを回避する必要がある。加えて、工業的CFC製造方法において、形成される所望の化合物は常に、類似構造の他の生成物との混合物である。前記他の生成物は、追加のコストをかけて、分離しなければならない。
パーフルオロ−1,3−ブタジエンは安定なガス(沸点5.5℃)であること、およびそれが半導体産業における用途に使用されることもまた知られている。例えば、(特許文献1)および(特許文献2)を参照されたい。この化合物は、シリコンウェーハのプラズマエッチングに非常に効率的で、選択的であり、同時にパーフルオロカーボンの低い排出を確実にする。この製品はGWP(地球温暖化係数)にほとんど影響を及ぼさないことが確認された。加えて、パーフルオロブタジエンは、塩素を含有しないのでオゾン層を損傷しない(ODP)。
ハロフルオロカーボン(ハロフルオロカーボンCFC)の前駆体の合成を含む、パーフルオロ−1,3−ブタジエンの製造方法は公知である。(特許文献3)は、分子中に少なくとも3個、より具体的には4〜12個のベース炭素原子を含有する、かつ、少なくとも2個の二重結合を含有する多不飽和フルオロ(ハロ)オレフィンの合成に関する。好ましい化合物は、式:
C=CR−CR=CR
(式中、少なくとも1つの置換基Rはフッ素であり、残りはハロゲンまたはニトロおよびシアノなどの他の基である)
のハロフルオロブタジエンである。それらの製造方法は、2つの異なる合成スキームを含む。
第1の方法は、ハロフッ素化オレフィンの熱二量化、続いて亜鉛での処理を含む。この方法の第1工程は次の通りである:
2RR’C=CR”X+Δ→RR’C=CR”−CR”X−CRR’X
(式中、Xはフッ素以外のハロゲン、好ましくは塩素であり、置換基Rの少なくとも1つはフッ素であり、他はハロゲン、パーフルオロアルキルまたはパーフルオロアリールである)。第2工程において、得られた化合物は、置換基Xを除去するために、そして3位および4位間に二重結合を導入するために亜鉛で処理される。
第2の方法は、元素状フッ素でのクロロフルオロオレフィンの二量化、続いて亜鉛での脱塩素を含む。この方法の第1工程において、次の反応が起こる:
2ClYC=CClY+F→FClYC−CClY−CClY−CClFY
(式中、YはF、Cl、パーフルオロアルキルまたはパーフルオロアリールであってもよい)。第2工程において、得られた化合物が亜鉛での処理によって脱ハロゲン化される。前記特許、特にその例3は、パーフルオロ−1,3−ブタジエンを得るために亜鉛と反応させられる1,2,3,4−テトラクロロヘキサフルオロブタン(CFC 316)を得るための、フッ素での1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエチレン(CFC 1112)の二量化を記載している。前駆体として使用されるCFC 1112は通常、アルコール溶媒中亜鉛金属でのテトラクロロジフルオロエタンCClFCClF(CFC 112)の脱ハロゲン化によって製造される。例えば、(非特許文献1)を参照されたい。工業的には、CFC 112は、様々な対称および非対称クロロフルオロエタンの混合物、主として次のもの:CFC 113(CFCl−CFCl)およびCFC 114(CFCl−CFCl)の成分として得られる。後者のクロロフルオロエタンは、冷却剤および溶媒として使用されるので工業的に大きな関心を引くものであった。クロロフルオロエタンのこれらの混合物の合成方法は、例えば、(非特許文献2)、(非特許文献3)に示されている。本明細書で上に報告されたようなモントリオール議定書およびそのその後の改正に従って、化合物CFC 113および114を使用することはもはや不可能である。加えて、CFC 112、およびその結果としてCFC 1112は、もはや工業的に入手できない。さらに、記載された方法において、CFC 112はその異性体CFC 112aとの混合物として得られることが指摘される。この異性体は、時折CFC 112に対してより大きい百分率で、大量に形成される。(非特許文献4)を参照されたい。CFC 112およびCFC 112aは、それぞれ、92.8℃および91.5℃の非常に似た沸点を有する。それらはそれ故、分留によって分離することが困難である。従って、できるだけ純粋なCFC 112を得ることが望ましい場合、生成物がCFC 112aとの同伴によって失われるので、蒸留収率が低い。CFC 1112を得るためのその後の脱塩素において、存在するときにCFC 112aは、周知であるように、非常に有毒な生成物である、CFC 1112aの形成につながることがまた指摘されるべきである。工業的観点から、CFC 112aはそれ故非常に低いレベルまで低減されるべきである。しかしながら、述べられたように、これは、目的の生成物、CFC 112の非常に高い損失につながる。
(特許文献4)は、式RC(X)(Y)(Z)(式中、ZはCl,Brまたはヨウ素であり;YはZより小さい原子量を有するハロゲン原子であり、XはH、Zより小さい原子量のハロゲンであり、Rはアルキル、ハロアルキルまたはアルケニルである)の化合物の二量化方法を記載している。熱または放射線、例えば紫外線、赤外線などが、一般式RC(X)(Y)−C(X)(Y)Rの生成物を生成するために、この方法に使用される。亜鉛、マグネシウム、水銀などのハロゲン原子受容体がまた使用されてもよい。得られた生成物は、不飽和化合物を得るために脱ハロゲン化または脱ハロゲン化水素されてもよい。前記特許の実施例1は、順繰りに、亜鉛粉でパーフルオロ−1,3−ブタジエンへ脱塩素されるCFC 316を得るための紫外線および水銀の存在下での1,2−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロヨードエタンCClFI-CClFの二量化を記載している。この方法は、プラントにおける使用に対して特別な安全性基準の実施を必要とする有毒化合物である、水銀およびヨウ素化アルカンを使用するという欠点を有する。
(特許文献5)は、パーフルオロアルカンジエンを製造するための亜鉛金属および窒素有機化合物を使用するα,ω−ジヨードパーフルオロアルカンの脱ヨードフッ素を記載している。特に、1,4−ジヨードパーフルオロブタンから出発すると、パーフルオロブタジエンが得られる。この方法の欠点は、有毒化合物である、ジヨードパーフルオロアルカンを出発原料として使用する必要があることである。加えて、それらの合成は、工業的および安全性観点から厄介である。
(特許文献6)の抄録は、1,2−ジクロロヘキサフルオロシクロブタンおよび3,4−ジクロロヘキサフルオロ−1−ブテンを得るための、クロロトリフルオロエチレンの熱分解を報告している。後者の化合物は蒸留によって分離され、極性溶媒中亜鉛の存在下に脱塩素されてパーフルオロ−1,3−ブタジエンが得られる。この方法の欠点は、熱分解が分離するのが困難である2つの主生成物を生成するのでパーフルオロ−1,3−ブタジエンへの選択性が低いことである。
(特許文献7)の抄録は、30〜90℃で水性媒体中亜鉛でのCFC 316の脱ハロゲン化によるパーフルオロ−1,3−ブタジエンの製造を記載している。この方法は、HSOもしくはHClなどの酸、またあるいは相間移動触媒、例えば弱酸の塩などの存在下に行われる。本出願人によって行われた試験は、この反応が非常に遅い速度論を有することを示した。
米国特許第6 362 109号明細書 米国特許第6 387 287号明細書 米国特許第2 668 182号明細書 米国特許第3 046 304号明細書 欧州特許第1 247 791号明細書 RU第2 264 376号明細書 RU第2 272 017号明細書
Houben Weyl vol.E 10 B2、125〜161ページ Adv.Fluorine Chem.3(1963)、「The Preparation of Organic Fluorine Compounds by Halogen Exchange」、194〜201ページ Fluorine Chem.4(1974)、117〜139ページ J.Fluorine Chem.4(1974)、117〜139ページ
従って、特性の次の組み合わせ:
− 個々の工程における良好な選択性、
− 使用される前駆体が、公知であるように、モントリオール議定書によって禁止されているCFCではない、
− 例えば2%未満の量までの、有毒な副生物の減少した形成
を有する、パーフルオロ−1,3−ブタジエンの工業的合成方法が必要とされていると見なされた。
本発明の一主題は、
以下の工程:
A)式:
CY”Y=CY’Cl (II)
(式中、同一であってもまたは異なってもよい、Y、Y’、Y”は、Y、Y’、Y”が同時に水素ではないという条件付きで、H、ClまたはBrである)
を有するクロロオレフィンから出発し;
そして次の2つの工程:
− フルオロ二量化、および
− 元素状フッ素でのフッ素化
を行い、
2つの工程の順番は逆もまた可能であり、
− 脱ハロゲン化または脱ハロゲン水素化工程が2つの工程の間に行われる、
式:
CF−CFYII−CFYII−CF (V)
(式中、同一であってもまたは異なってもよい、YおよびYIIは、YおよびYIIが同時に水素ではないという条件付きで、H、ClまたはBrであってもよい)
のフルオロ−ハロ−ブタンの製造工程と、
B)式(I)の化合物パーフルオロ−1,3−ブタジエンを得るための、式(V)のフルオロ−ハロ化合物の脱ハロゲン化または脱ハロゲン水素化工程と
を含む、式(I):
CF=CF−CF=CF (I)
を有するパーフルオロ−1,3−ブタジエンの製造方法である。
使用されてもよい式(II)のオレフィンは好ましくは次のもの:
CHCl=CCl、CHCl=CHCl、CH=CCl、CCl=CCl
である。
工程A)において、フルオロ二量化反応は、−130℃〜0℃、好ましくは−80℃〜−10℃の温度で液相にて行われる。
この反応は、次式:
CYY”F−CY’Cl−CY’Cl−CYY”F (VII)
CY’ClF−CYY”−CYY”−CY’ClF (VII’)
CYY”F−CY’Cl−CYY”−CY’ClF (VII”)
(式中、Y、Y’、Y”は上記の意味を有する)
を有する1種以上のハロフッ素化ブタンを生成する。
式(II)のオレフィンが対称であるとき、単一のハロ−フッ素化ブタンが形成され、式(VII)、(VII’)および(VII”)は同じものである。
得ることができる式(VII)、(VII’)および(VII”)の化合物は、例えば、次のもの:
CFHCl−CCl−CCl−CFHCl、
CFCl−CHCl−CHCl−CFCl
CFHCl−CCl−CHCl−CFCl
CFHCl−CHCl−CHCl−CFHCl、
CFCl−CCl−CCl−CFCl
CHF−CCl−CCl−CHF、
CFCl−CH−CH−CFCl
CHF−CCl−CH−CFCl
である。
この反応は、不活性ガス(ヘリウム、窒素など)で希釈された元素状フッ素を、オレフィンが反応温度で固体形態にあるときは任意に最小必要量の不活性溶媒に溶解されてもよい、好ましくは純オレフィンからなる液相を含有する反応器へ供給することによって行われてもよい。好ましくは、不活性ガス/F容量希釈は、80/1〜6/1、好ましくは50/1〜10/1である。
良好な選択性を得るために、フルオロ二量化反応中のオレフィン(II)は一般に、送り込まれるフッ素のモル数に対して過剰にある。オレフィンは好ましくは純粋にまたは下に示される有機溶媒中の濃厚溶液として使用される。フッ素は、希釈された形態で送り込まれる。
反応条件下に不活性であり、かつ、液体形態にある有機溶媒がフルオロ二量化に任意に使用されてもよい。有機溶媒は次のもの:(パー)フルオロポリエーテル、例えばGalden(登録商標)、それらが反応条件下に液体であるという条件で、例えば3〜10個の炭素原子を含有する(パー)フルオロアルカン;ハイドロフルオロカーボン(HFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、パーフルオロアミン、例としてH−Galden(登録商標)が言及されてもよい、ハイドロフルオロエーテルまたはハイドロフルオロポリエーテル、ハイドロクロロフルオロエーテル、クロロフルオロエーテル、またはそれらの混合物から選択される。
工程A)において、式(II)のクロロオレフィンの元素状フッ素でのフッ素化反応は、任意にN、Heなどの不活性希釈剤の存在下に、フッ素ガスの添加によって行われる。一般に、フッ素/不活性希釈剤比は1:0〜1:5の範囲である。クロロオレフィンは、この工程の条件下に不活性であり、かつ、液体形態にある、有機溶媒、またはそれらの混合物を使用して希釈される。使用されてもよい溶媒は、フルオロ二量化工程において述べられたものである。
一般に、クロロオレフィンのフッ素化は、−120℃〜+50℃、好ましくは−90℃〜+30℃の温度で行われる。
工程A)において、脱ハロゲン化水素(HClまたはHBrの除去)は、例えば、無機塩基、好ましくはNaOHもしくはKOH、または有機塩基、好ましくは第一級、第二級もしくは第三級アルキルもしくはアリールアミンとの反応によって行われる。一般に、この工程は、溶媒、好ましくは水もしくは、例えば1〜3個の炭素原子を含有するアルコールの存在下に液相で行われる。水性無機塩基が使用されるとき、反応は、第四級アンモニウムもしくはホスホニウム塩、例えばテトラブチルアンモニウムもしくはホスホニウム、好ましくは塩化物、またはトリオクチルベンジルアンモニウムもしくはホスホニウム、好ましくは塩化物などの存在下に行われてもよい。あるいはまた、または第四級アンモニウムもしくはホスホニウム塩との混合物として、他の塩、例えばスルホニウム塩が使用されてもよい。
工程A)において、脱ハロゲン化(塩素または臭素の除去)は、水素化プロトン性溶媒、例えば脂肪族アルコール;またあるいは水素化エーテル溶媒、例えばグライムもしくはジオキサン;双極性非プロトン性溶媒、例えばDMFもしくはDMSOの存在下に、亜鉛、銅、マンガンまたはZn/Cu、Zn/SnもしくはZn/Hgなどの金属カップルなどの遷移金属との反応によって行われる。使用される溶媒は、反応温度で液体でなければならない。
脱ハロゲン化および脱ハロゲン化水素は、0〜150℃、好ましくは25℃〜100℃の温度で行われる。
工程B)において、式(V)の化合物の脱ハロゲン化または脱ハロゲン化水素は、工程A)において記載されたように行われる。
本発明の方法において、圧力は決定的に重要であるわけではなく、本方法は好ましくは大気圧で行われる。
本発明の方法は、個々の反応の1つ以上について回分、半連続または連続モードで行われてもよい。
例えば、フルオロ二量化は、好ましくは不活性ガスで希釈された、フッ素ガス、およびオレフィン(II)が、定常状態に達するまで、反応器へ供給される連続プロセスとして行われてもよい。実際には、試薬は既知の速度で反応器へ供給され、反応混合物は連続的に抜き出される。反応器中の試薬のおよび反応生成物の濃度が反応器を出る試薬および生成物の濃度に等しいときに定常状態に達する。例えば、F/オレフィン供給物のモル比は0〜0.01の範囲であってもよい。
フッ素化工程は、半連続プロセスによって行われてもよい。
より詳細には、工程A)において、フルオロ二量化が第1工程として用いられる式(I)のパーフルオロ−1,3−ブタジエンの製造のための本発明の一実施形態は、次の通りである:
工程A):
1)式(II)のクロロオレフィンのフルオロ二量化による1種以上のハロフルオロブタンの形成、
2)式:
CFY=CYII−CYII=CFY (IV)
(式中、Y、YIIは上記の意味を有する)
のハロ−フルオロ−ブタジエンを得るための、工程1)で得られた化合物の脱ハロゲン化または脱ハロゲン水素化、
3)式:
CF−CFYII−CFYII−CF (V)
(式中、YおよびYIIは上に定義された通りである)
のフルオロ−ハロ−ブタンへの式(IV)のハロ−フルオロ−ブタジエンの元素状フッ素でのフッ素化
工程B):
4)式(I)の化合物パーフルオロ−1,3−ブタジエンを得るための、式(V)のフルオロ−ハロ化合物の脱ハロゲン化または脱ハロゲン水素化。
工程1)において、式(VII)、(VII’)および(VII”)の1種以上のハロフッ素化ブタンが得られる。
工程2)において、例えば式(VII)、(VII’)および(VII”)を有する、ハロフッ素化ブタンの脱ハロゲン水素化が行われる。
例えば式(VII)、(VII’)および(VII”)を有する、ハロフッ素化ブタンの脱ハロゲン化は、脱ハロゲン化水素の代替手段として工程2において行われる。
工程2)において得ることができる式(IV)の化合物の例は、次のもの:
CFCl=CCl−CCl=CFCl、CFCl=CH−CH=CFCl、
CHF=CCl-CCl=CHF、CHF=CCl−CH=CFClである。
フッ素化工程3)において、式(V)の化合物、例えば次のもの:
CFCl−CFCl−CFCl−CFCl、
CFCl−CHF−CHF−CFCl、CHF−CFCl−CFCl−CHF
CHF−CFCl−CHF−CFClが得られる。
フッ素化工程3)は、例えば、半連続プロセスによって行われてもよい。この場合、それ自体または不活性ガスでの低い希釈、例えば1:1希釈としてのフッ素ガス、および式(IV)の化合物が、反応溶媒または反応溶媒の混合物を含有する反応器へ供給される。
工程B)において、式(V)の1種以上のフルオロハロブタンの脱ハロゲン化水素または脱ハロゲン化の工程4)は、式(I)の化合物の生成につながる。
本出願人は、意外にもおよび予想外にも、この第1実施形態による本発明の方法が各個々の工程において良好な選択性を得ることを可能にすることを見いだした。
本発明の方法の第2実施形態では、パーフルオロブタジエンは、以下の工程:
工程A):
)式:
CFY”Y−CFY’Cl (III)
(式中、Y’、Y”は上に定義された通りである)
のフルオロハロエタンを得るための、式(II)を有するクロロオレフィンの元素状フッ素でのフッ素化、
)式:
CFY=CFYII (VI)
(式中、Y、YIIは上に定義された通りである)
のハロ−フルオロ−エチレンを得るための、式(III)のフルオロハロエタンの脱ハロゲン化または脱ハロゲン水素化、
)Y=YII=ClまたはBrのとき、式:
CF−CFYII−CFYII−CF (V)
のフルオロハロブタンを得るための、
およびYがYII以外であるとき、
CF−CFYII−CFY−CFII (V’)
CFII−CFY−CFY−CFII (V”)
との混合物として化合物(V)が得られる、式(VI)のハロ−フルオロ−エチレンのフルオロ二量化、
工程B):
)工程3)のフルオロ−ハロ−ブタンの脱ハロゲン化または脱ハロゲン水素化
を含む合成によって得ることができる。
工程1)で得ることができる式(III)の化合物は、例えば、以下のもの:
CHFCl−CFCl(HCFC 122a)、
CHFCl−CHFCl(HCFC 132)、
CFCl−CFCl(CFC 112)、
CFCl−CHF(HCFC 132c)である。
本出願人は、意外にもおよび予想外にも、工程1)中に、オレフィン二重結合へのフッ素の1,2−付加の生成物のみが得られることを見いだした。例えば、テトラクロロエチレンへのフッ素の付加の場合、CFC 112が選択的に、そしてCFC 112aが2重量%未満の量で形成される。
工程2)において、脱ハロゲン化水素または脱ハロゲン化は、上記の通り行われる。
この工程において得ることができる式(VI)のオレフィンは、例えば、以下のもの:
CFCl=CFCl(CFC 1112)、CFCl=CHF(HCFC 1122)である。
本出願人は、意外にもおよび予想外にも、上記の工程1)において得られたCFC 112の脱塩素は、オレフィン(II)がテトラクロロエチレンである場合、減少した量のCFC 1112aと共にCFC 1112の形成につながることを見いだした。実際には、よく知られているように、後者は有毒化合物である。
工程3)において述べられたように、良好な選択性を達成するために、反応の間ずっとオレフィンは送り込まれるフッ素のモル数に対して常に過剰でなければならず、不活性ガス/フッ素モル希釈は80/1〜6/1、好ましくは50/1〜10/1である。
工程3)において得ることができる式(V)、(V’)および(V”)の化合物の例は、CFCl−CFCl−CFCl−CFCl、
CFCl−CHF−CHF−CFCl、FCl−CHF−CFCl−CHF
CHF−CFCl−CFCl−CHFである。
工程4)において、式(V)、(V’)または(V”)の1種以上のフルオロハロブタンの脱ハロゲン化水素または脱ハロゲン化が行われる。
本発明の第2実施形態を構成する方法は、個々の工程1)〜4)の1つ以上について回分、半連続または連続モードで行われてもよい。
工程1)は、例えば、半連続モードで行われてもよい。この場合、それ自体または不活性ガスの低い希釈、例えばF/不活性ガス1:1〜1:3としての、フッ素ガス、および式(II)の化合物が、フッ素化工程について上に示された溶媒から選択される、反応溶媒または反応溶媒の混合物を含有する、反応器へ供給される。
工程3)は、任意に不活性ガスで希釈されてもよい、フッ素ガス、およびオレフィン(VI)が、定常状態に達するまで、反応器へ供給される連続プロセスとして行われてもよい。連続的に行われるフルオロ二量化についての上記の説明を特に参照されたい。フッ素/オレフィン供給物のモル比は1〜0.01の範囲である。
述べられたように、本発明の方法は、使用される出発原料がクロロフルオロカーボン(CFC)の部類に属さず、かつ、合成の各個々の工程における良好な選択性によって特徴づけられるので工業的に非常に有利である。
加えて、個々の工程において得ることができる化合物は、副生物を分離するための厄介なプロセスを用いることなく得ることができる。
本発明の方法の別の利点は、出発原料の転化率が不十分である、例えば50%未満であるときに、未反応出発原料をリサイクルすることが可能であるという事実にある。
以下に続く実施例は、本発明を非限定的に例示する。
実施例1
工程1):トリクロロエチレン(TCE)の回分フルオロ二量化およびフルオロハロブタンCClの製造
50.5gのCHCl=CCl(TCE)を50mlのAISI 316反応器に入れた。温度を−50℃に維持しながら、10Nl/hのヘリウムで希釈した1Nl/hのフッ素を、最終TCE/Fモル比=6.6が得られるまで加えた。粗反応生成物をGCによっておよび19F−NMRによって分析した。TCE転化率は24%であり、CCl二量体選択率は60%であった。
未転化TCEを蒸留によって回収する。36gのこの化合物が回収され、再使用されてもよい。
実施例2
工程1):CClへのトリクロロエチレン(TCE)の連続フルオロ二量化
73.6gのTCEを、排出ベントを備えた45mlのAISI 316反応器に入れた。温度を−50℃に維持しながら、TCEを18.0g/hの速度で加え、TCE/Fモル比=6.8を有するように4.5Nl/hのヘリウムで希釈した0.45Nl/hのフッ素を加えた。試験を11時間45分間連続的に行い、反応器を出る生成物と試薬との混合物を集めた。作業反応器中の粗反応生成物(66.2g)を排出させ、GC、GC−MSおよび19F−NMRによって分析した。TCE転化率は22.9%であり、CClへの選択率は50%である。
実施例3
工程2):CFCl=CCl−CCl=CFClへのCCl二量体の脱塩化水素
139gのCClを、磁気攪拌機、2つの滴下漏斗、温度計および冷却器を備えた丸底フラスコに入れた。8.6gのAliquat 336を室温で加え、引き続き激しく撹拌しながら175mlの20%NaOHを滴加し、滴加速度を温度が35℃を超えないように調節した。転化をGCによって監視した。8時間後に、反応を完了させ(全転化)、有機相を分離し、GC、GC−MSおよび19F−NMRによって分析した。CFCl=CCl−CCl=CFClについての反応収率は93%である。
実施例4
工程3):CFCl−CFCl−CFCl−CFCl(CFC 316)へのCFCl=CCl−CCl=CFClのフッ素化
溶媒としての50.1gのCFOCFClCFClを、10℃の温度に維持される50mlのAISI 316反応器に入れ、0.75Nl/hのヘリウムで希釈した2.7Nl/hのフッ素および9.4g/hのCFCl=CCl−CCl=CFClを1時間にわたって送り込んだ。粗反応生成物を排出させ、GC、GC−MSおよび19F−NMRによって分析した。CFCl=CCl−CCl=CFClの転化率は97.8%であり、CFC 316への選択率は64%である。
実施例5
工程4):パーフルオロ−1,3−ブタジエンへのCFC 316の脱塩素
120gの2−プロパノールおよび40gの亜鉛を、磁気攪拌機、温度計、滴加漏斗および−80℃のトラップに連結されたVigreuxカラムを備えた250mlの3つ口丸底フラスコに入れた。混合物を80℃に加熱し、撹拌しながら80gのCFC 316を次にフラスコに滴加した。パーフルオロ−1,3−ブタジエンは、数分後に蒸留し始めた。CFC 316の滴加は1時間後に完了し、撹拌を、パーフルオロ−1,3−ブタジエンの蒸留が完了するまで続行した。トラップに集められた生成物は、GCおよび19F−NMRによって、パーフルオロ−1,3−ブタジエンと同定され、キャラクタリゼーションされた(96.4%純度)。反応収率は95%である。生成物を60段蒸留塔で蒸留する。蒸留収率は96%である。得られた生成物は99.5%純度である。
実施例6
工程1):トリクロロエチレンへの元素状フッ素の付加およびCHClF−CClF(CFC 122a)の形成
25.5gのトリクロロエチレン(TCE)および反応溶媒としての475gのCFO−CFCl−CFClからなる溶液を、機械撹拌機を備えた400mlのAISI 316反応器に入れる。
低温保持装置を用いて、この溶液を−70℃の温度に冷却し、1/2モル比に窒素で希釈した1モルの元素状フッ素を滴下供給(drip feed)によって送り込む。1.07モルのTCEを同時にポンプによって送り込む。温度を−70℃に維持しながら、試薬を8時間にわたって送り込む。
反応の終わりに、633gの溶液を排出させ、GC/MS(質量分析に連結されたガスクロマトグラフィー)によって分析する。TCEの転化率は75%に等しく、CFC 122a(CHClF−CClF)への選択率は56.7%である。
実施例7
工程2):CClF=CClF(CFC 1112)を得るための実施例6で得られたCFC 122aの脱塩化水素
94%の純度の、実施例6で得られた90gのCFC 122a、および5gの水酸化テトラブチルアンモニウムを、磁気撹拌機、滴下漏斗、温度計および水冷冷却器を備えた250mlの4つ口反応器に入れる。氷−水浴で発熱を30℃に制限する間に、撹拌しながら26gの水性20%NaOH溶液を加える。いったん水酸化ナトリウムの添加が完了すると、混合物を30℃でさらに40分間撹拌し続ける。生じた混合物を10℃に冷却する:最終混合物は2つの別個の相を有する。反応混合物を、10℃の温度に維持された分液漏斗に注ぎ込む。99%純度の化合物(65g)CFC 1112(FCCl=CClF)からなる、72gのより高い密度の有機相を分離する。100%転化率、98%収率。
実施例8
工程3):CClF−CClF−CClF−CClF(CFC 316)を得るためのCFC 1112のフルオロ二量化
50gの1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエチレンを50mlの反応器に入れる。1Nl/hのフッ素および15Nl/hの窒素を、−70℃の温度で連続的に送り込む。135分後に、供給を最終オレフィン/F比が3.7であるように停止する。粗反応生成物をGCおよび19F−NMR分析によって定量的に分析する。転化率は43%であり、CFC 316への選択率は70%である。
実施例9
工程4):パーフルオロ−1,3−ブタジエンへのCFC 316の脱塩素
120gの2−プロパノールおよび40gの亜鉛を、磁気攪拌機、温度計、滴加漏斗および−80℃のトラップに連結されたVigreuxカラムを備えた250mlの3つ口丸底フラスコに入れた。混合物を80℃に加熱し、撹拌しながら80gのCFC 316を次にフラスコに滴加した。パーフルオロ−1,3−ブタジエンは、数分後に蒸留し始めた。CFC 316の滴加は1時間後に完了し、撹拌を、パーフルオロ−1,3−ブタジエンの蒸留が完了するまで続行した。トラップに集められた生成物は、GCおよび19F−NMRによって、パーフルオロ−1,3−ブタジエンと同定され、キャラクタリゼーションされた(96.4%純度)。反応収率は95%である。生成物を60段蒸留塔で蒸留する。蒸留収率は96%である。得られた生成物は99.5%純度である。
実施例10
工程1):テトラクロロエチレン(PCE)への元素状フッ素の付加
反応溶媒としての50.9gのCFO−CFCl−CFClを、実施例8に使用された同じ反応器に入れる。低温保持装置を用いて、反応器を−30℃の温度に冷却し、CFO−CFCl−CFCl溶媒中50重量%のPCEの溶液を、5.04g/hの速度で、滴下供給によって送り込む。2.22Nl/hのフッ素ガスを、別の滴下供給によって、同時に送り込む。1/2のフッ素/窒素モル比に窒素で希釈したフッ素を送り込む。
反応を3時間行い、最終溶液をGC/MSによって分析する。PCE転化は定量的である。モル%で表される、CClF−CClF(CFC 112)への選択率は81%である。CFC 112aは少量(CFC 112に対して0.5%)で反応混合物中に存在する。
実施例11
工程2):実施例10で得られたCFC 112の脱塩素
3NのHCl溶液で洗浄することによって活性化された、60.0gの亜鉛粉、および500mlのイソプロパノールを、窒素の不活性雰囲気下に、磁気攪拌機、滴加漏斗および温度計を備えた、かつ、−75℃の温度に維持された冷トラップにVigreuxカラムおよび水冷冷却器によって連結された1リットルの3つ口反応器に入れた。内温を75℃にする。実施例5に記載されたように得られ、その後99%の純度まで分留によって精製された、114gのFCClCClFを次に滴加する。いったん滴加が完了すると、混合物を80℃で1時間撹拌し続ける。67.9gのCFC 1112を冷トラップに集める。CFC 1112の収率は92%に等しい。

Claims (13)

  1. パーフルオロ−1,3−ブタジエンの製造方法であって、以下の工程:
    A)式:
    CY”Y=CY’Cl (II)
    (式中、同一であってもまたは異なってもよい、Y、Y’、Y”は、Y、Y’、Y”が同時に水素ではないという条件付きで、H、ClまたはBrである)
    を有するクロロオレフィンから出発し;
    そして次の2つの工程:
    次式:
    CYY”F−CY’Cl−CY’Cl−CYY”F (VII)
    CY’ClF−CYY”−CYY”−CY’ClF (VII’)
    CYY”F−CY’Cl−CYY”−CY’ClF (VII”)
    を有する、1種以上のハロフッ素化ブタンが得られるフルオロ二量化、および
    − 元素状フッ素でのフッ素化
    を行い、
    − 脱ハロゲン化または脱ハロゲン水素化工程が2つの工程の間に行われる、
    式:
    CF−CFYII−CFYII−CF (V)
    (式中、同一であってもまたは異なってもよい、YおよびYIIは、YおよびYIIが同時に水素ではないという条件付きで、H、ClまたはBrであってもよい)
    のフルオロ−ハロ−ブタンの製造工程と、
    B)化合物パーフルオロ−1,3−ブタジエンを得るための、式(V)のフルオロ−ハロ化合物の脱ハロゲン化または脱ハロゲン水素化工程と
    を含む方法。
  2. 得ることができる前記ハロフッ素化ブタンが、以下のもの:
    CFHCl−CCl−CCl−CFHCl、
    CFCl−CHCl−CHCl−CFCl
    CFHCl−CCl−CHCl−CFCl
    CFHCl−CHCl−CHCl−CFHCl、
    CFCl−CCl−CCl−CFCl
    CHF−CCl−CCl−CHF、
    CFCl−CH−CH−CFCl
    CHF−CCl−CH−CFCl
    から選択される、請求項に記載の方法。
  3. 前記フルオロ二量化が、不活性ガスで希釈された元素状フッ素を、液相を含有する反応器中へ供給することによって行われる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 液相が純オレフィンからなる、請求項に記載の方法。
  5. 反応条件下に不活性であり、かつ、液体形態である有機溶媒で液相が希釈される、請求項またはに記載の方法。
  6. 前記フルオロ二量化反応において、前記オレフィン(II)が、供給されるフッ素のモル数に対して一般に過剰にある、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  7. 工程A)において、式(II)のクロロオレフィンの元素状フッ素でのフッ素化反応が、任意に不活性希釈剤の存在下に、フッ素ガスの添加によって行われる、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  8. 工程A)において、前記脱ハロゲン水素化が、これらの化合物を、液相で、無機塩基とまたは有機塩基と反応させることによって行われる、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  9. 工程A)において、前記脱ハロゲン化が、反応温度で液体である、水素化プロトン性溶媒、または水素化エーテル溶媒、またあるいは双極性非プロトン性溶媒の存在下に、亜鉛、銅およびマンガンまたはZn/Cu、Zn/SnもしくはZn/Hgから選択される金属カップルから選択される遷移金属との反応によって行われる、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  10. 工程B)において、式(V)の化合物の脱ハロゲン化または脱ハロゲン水素化が工程A)において記載されたように行われる、請求項またはに記載の方法。
  11. 以下の工程:
    工程A):
    1)式(II)のクロロオレフィンのフルオロ二量化による1種以上のハロフルオロブタンの形成、
    2)式:
    CFY=CYII−CYII=CFY (IV)
    (式中、Y、YIIは上記の意味を有する)
    のハロ−フルオロ−ブタジエンを得るための、工程1)で得られた化合物の脱ハロゲン化または脱ハロゲン水素化、
    3)式:
    CF−CFYII−CFYII−CF (V)
    (式中、YおよびYIIは上に定義された通りである)
    のフルオロ−ハロ−ブタンへの式(IV)のハロ−フルオロ−ブタジエンの元素状フッ素でのフッ素化
    工程B):
    4)式(I)の化合物パーフルオロ−1,3−ブタジエンを得るための、式(V)のフルオロ−ハロ化合物の脱ハロゲン化または脱ハロゲン水素化
    を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 工程2)で得られる式(IV)の化合物が、以下のもの:
    CFCl=CCl−CCl=CFCl、CFCl=CH−CH=CFCl、
    CHF=CCl−CCl=CHF、CHF=CCl−CH=CFCl
    である、請求項11に記載の方法。
  13. 工程3)で得られる式(V)の化合物が、以下のもの:
    CFCl−CFCl−CFCl−CFCl、
    CFCl−CHF−CHF−CFCl、CHF−CFCl−CFCl−CHF、CHF−CFCl−CHF−CFCl
    である、請求項11または12に記載の方法。
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