JP5546612B2 - 電力用半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は電力用半導体装置に係る。
IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の電力用半導体装置は、取り扱う電力が大きいため、その通電ロスに起因した発熱が大きい。このため、半導体基板の温度上昇が大きく、また、オン/オフ動作による温度変化も大きい。
温度上昇、温度変化等が大きいと、ワイヤ接合部等の疲労を招き、パワーサイクル寿命を低下させてしまう。なお、パワーサイクル寿命とは、電力用半導体装置の信頼性を表す指標の一つであり、動作に伴う温度変化に起因してワイヤ接合部の剥離等を生じることによる寿命を表す。
特開平6−342876号公報
電力用半導体装置では、基板外周部よりも基板中央部において温度が高くなり、基板中央部の温度が基板全体の温度を上昇させると考えられている。基板中央部の温度を検出して温度上昇による熱破壊を未然に防ぐ機能を有した半導体装置が、上記特許文献1に紹介されている。
具体的に特許文献1の半導体装置では、半導体基板に形成される電力用トランジスタの中央部(基板中央部にあたる)に空き領域を設け、当該空き領域に温度検出用トランジスタ等の温度検出用素子が形成されている。そして、温度検出用素子による検出温度に応じて、電力用トランジスタが制御される。
しかし、特許文献1の半導体装置によれば、温度検出用素子の配置領域を確保しなければならないので、装置の大型化を招いてしまう。
本発明は、基板全体への温度寄与が大きい基板中央部の温度上昇を抑制可能な電力用半導体装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る電力用半導体装置は、半導体基板を有し前記半導体基板の厚さ方向に電流が流れる電力用半導体装置であって、前記半導体基板は、前記電流に対する抵抗が前記半導体基板の外周部よりも前記半導体基板の中央部において高くなるように構成された抵抗制御構造を備えている。前記半導体基板は、第1導電型で構成された、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)のドリフト層と、前記厚さ方向において前記ドリフト層と対面し前記ドリフト層よりも高い不純物濃度を有し前記第1導電型で構成された、ドレイン層、前記厚さ方向において前記ドリフト層から見て前記ドレイン層とは反対側に設けられ、MIS構造を有し前記電流のオン/オフを制御する、複数のスイッチング素子とを備えている。前記外周部内の前記スイッチング素子と前記中央部内の前記スイッチング素子とは同等に構成されている一方で、前記ドレイン層の不純物濃度は前記外周部よりも前記中央部において低く、前記抵抗制御構造は前記ドレイン層を含んで構成されている
上記一態様によれば、半導体基板を厚さ方向に流れる電流が基板外周部に比べて基板中央部において少なくなる。このため、基板中央部では当該電流による発熱が抑制され、これにより基板中央部の温度上昇が抑制される。基板中央部の温度は基板全体への温度寄与が大きいので、基板全体の温度上昇を抑制することができる。その結果、パワーサイクル寿命等の信頼性を向上させることが可能である。また、当該一態様によれば、温度検出用素子を用いなくても温度抑制効果を奏するので、温度検出用素子の採用に伴う装置大型化を回避することできる。
実施の形態1に係るIGBTを概説する平面図である。 実施の形態1に係るIGBTを概説する縦断面図である。 実施の形態1に係るコレクタ層を概説する斜視図である。 実施の形態1に係るコレクタ層の不純物濃度分布を概説する図である。 実施の形態2に係るIGBTを概説する図である。 実施の形態2に係るコレクタ層を概説する斜視図である。 実施の形態3に係るIGBTを概説する縦断面図である。 実施の形態3に係るライフタイム制御層を概説する斜視図である。 実施の形態3に係るライフタイム制御層のライフタイムキラー濃度分布を概説する図である。 実施の形態4に係るIGBTを概説する図である。 実施の形態4に係るライフタイム制御層を概説する斜視図である。 実施の形態5に係るIGBTを概説する縦断面図である。 実施の形態5に係るバッファ層を概説する斜視図である。 実施の形態5に係るバッファ層の不純物濃度分布を概説する図である。 実施の形態6に係るIGBTを概説する図である。 実施の形態6に係るバッファ層を概説する斜視図である。 実施の形態7に係るIGBTを概説する縦断面図である。 実施の形態7に係るキャリア蓄積層を概説する斜視図である。 実施の形態7に係るキャリア蓄積層の不純物濃度分布を概説する図である。 実施の形態8に係るIGBTを概説する図である。 実施の形態8に係るキャリア蓄積層を概説する斜視図である。 実施の形態9に係るIGBTを概説する縦断面図である。 実施の形態9に係るベース層を概説する斜視図である。 実施の形態9に係るベース層の不純物濃度分布を概説する図である。 実施の形態10に係るIGBTを概説する縦断面図である。 実施の形態11に係るパワーMISFETを概説する縦断面図である。 実施の形態11に係るドレイン層を概説する斜視図である。 実施の形態11に係るドレイン層の不純物濃度分布を概説する図である。 実施の形態12に係るパワーMISFETを概説する図である。 実施の形態12に係るドレイン層を概説する斜視図である。 実施の形態13に係るパワーダイオードを概説する縦断面図である。
<実施の形態1>
実施の形態1では電力用半導体装置としてIGBTを例示する。図1に実施の形態1に係るIGBT10Aの半導体チップの平面図(換言すれば上面図)を示す。IGBT10Aは、少なくとも当該半導体チップを含み、さらに半導体チップに接続されるボンディングワイヤ、半導体チップが搭載される絶縁性基板等を含むことが可能である。以下ではIGBT10Aに含まれる1つの半導体チップについて説明するが、IGBT10Aは複数の半導体チップを含むことも可能である。
図1の例では、IGBT10Aの半導体チップは、素子部31と、終端部32とに大別することが可能である。素子部31は、複数の電力用半導体素子(ここでは複数のIGBT単位素子)が、例えばマトリックス状に配置されている領域である。終端部32は、素子部31内の電力用半導体素子の耐圧を確保するための構造(例えばガードリング)等が形成されている領域である。なお、終端部32が存在しない構造も採用可能であるが、終端部32を設けた方が耐圧向上等の点で好ましい。
素子部31は、チップ中心位置(換言すれば基板中心位置)を含んで広がる領域であるが、チップ外周縁(換言すれば基板外周縁)には到達していない。終端部32は、素子部31の外周縁からチップ外周縁までの領域であり、素子部31を取り囲む枠状をしている。換言すれば、終端部32はチップ外周縁からチップ中心位置へ向けて広がる枠状の領域であり、当該枠状の終端部32の内側領域が素子部31である。
また、IGBT10Aの半導体チップは、中央部41と、外周部42とに大別することも可能である。中央部41は、チップ中心位置を含んで広がる領域であるが、チップ外周縁には到達していない。外周部42は、中央部41の外周縁からチップ外周縁までの領域であり、中央部41を取り囲む枠状をしている。換言すれば、外周部42はチップ外周縁からチップ中心位置へ向けて広がる枠状の領域であり、当該枠状の外周部42の内側領域が中央部41である。
ここで、中央部41は、素子部31を超えない領域として存在する。このため、中央部41と外周部42とは素子部31内において区画される。この場合、素子部31は、中央部41と外周部42とにまたがっており、中央部41の全体と、外周部42のうちで中央部41から続く一部分とを含んでいる。また、外周部42は、終端部32と素子部31とにまたがっており、終端部32の全体と、素子部31のうちで終端部32から続く一部分とを含んでいる。
なお、上記各部31,32,41,42は、図1の平面視では2次元領域として図示されているが、当該2次元領域をチップ厚さ方向(換言すれば基板厚さ方向)に投影して把握される3次元の領域でもある。
図2にIGBT10Aの半導体チップの縦断面図を例示する。図2には1つのIGBT単位素子の構造について図示している。
図2の例によれば、半導体チップは半導体基板(以下「基板」と略称する場合もある)100Aを含んでおり、半導体基板100A内にドリフト層110(「第1半導体層」に対応する)と、キャリア蓄積層120と、ベース層130と、エミッタ層140と、溝(換言すればトレンチ)150と、ゲート絶縁膜160と、ゲート電極170と、バッファ層190と、コレクタ層200A(「第2半導体層」に対応する)とが形成されている。
半導体基板100Aは、出発材料としての半導体基板(例えばシリコン基板、炭化珪素基板等)に対して種々の処理が施されることにより得られる基板である。
ドリフト層110は、基板100Aの一方主面101と他方主面102との間に位置し(但し両主面101,102から離れている)基板100Aの厚さ方向103を自身の厚さ方向として広がる層である。ここではドリフト層110が基板全体に広がっている場合を例示する。かかる例によれば、ドリフト層110は、素子部31に設けられた複数のIGBT単位素子に渡って広がり、これらの単位素子に共有される。また、かかる例によれば、ドリフト層110は、中央部41と外周部42とに渡って存在する形状を有している。
ここでは、ドリフト層110の導電型がN型である場合、より具体的にはドリフト層110が、一般的に低濃度と称される範囲に不純物濃度が設定されたN型層(N型層)である場合を例示する。また、ドリフト層110の不純物濃度は中央部41と外周部42で同じとする。
なお、ドリフト層は「ベース層」と称される場合もあり、かかる場合にはドリフト層110を「Nベース層110」と称し、後述のベース層130を「Pベース層130」と称することによって両層110,130が区別される。
キャリア蓄積層120は、ドリフト層110と基板100Aの一方主面101との間に位置し基板厚さ方向103を自身の厚さ方向として広がる層である。換言すれば、キャリア蓄積層120は、基板厚さ方向103においてドリフト層110に対して(ドリフト層110を基準にして)一方主面101の側に位置し、当該厚さ方向103においてドリフト層110に対面している。キャリア蓄積層120は、ドリフト層110から引き続く層であるが、一方主面101からは離れている。ここではキャリア蓄積層120が基板全体に広がっている場合を例示する。かかる例によれば、キャリア蓄積層120は、素子部31に設けられた複数のIGBT単位素子に渡って広がり、これらの単位素子に共有される。また、かかる例によれば、キャリア蓄積層120は、中央部41と外周部42とに渡って存在する形状を有している。
ここでは、キャリア蓄積層120の導電型がN型である場合、より具体的にはキャリア蓄積層120はドリフト層110よりも不純物濃度が高く、一般的に高濃度と称される範囲に不純物濃度が設定されたN型層(N型層)である場合を例示する。また、キャリア蓄積層120の不純物濃度は中央部41と外周部42で同じとする。
ベース層130は、キャリア蓄積層120と基板100Aの一方主面101との間に位置し基板厚さ方向103を自身の厚さ方向として広がる層である。換言すれば、ベース層130は、基板厚さ方向103においてドリフト層110およびキャリア蓄積層120に対して一方主面101の側に位置し、当該厚さ方向103においてキャリア蓄積層120を介してドリフト層110に対面している。ベース層130は、キャリア蓄積層120から引き続き、一方主面101に到達している。但し、ベース層130の一部には後述のエミッタ層140が形成されている。ここではベース層130が基板全体に広がっている場合を例示する。かかる例によれば、ベース層130は、素子部31に設けられた複数のIGBT単位素子に渡って広がり、これらの単位素子に共有される。また、かかる例によれば、ベース層130は、中央部41と外周部42とに渡って存在する形状を有している。
ここでは、ベース層130の導電型がP型であり、その不純物濃度は中央部41と外周部42で同じである場合を例示する。
なお、ベース層130は後述のようにMIS(Metal Insulator Semiconductor)構造においてチャネルが形成される半導体層であるため、ベース層130を「チャネル形成半導体層130」と称してもよい。
エミッタ層140は、ベース層130の一部領域を占めるウェルとして設けられている。エミッタ層140は、基板100Aの一方主面101から所定深さまで形成されているが、ベース層130よりも浅く、従ってキャリア蓄積層120とは離れている。この場合、エミッタ層140は、基板厚さ方向103においてドリフト層110とキャリア蓄積層120とベース層130の一部とに対して一方主面101の側に位置し、当該厚さ方向103においてキャリア蓄積層120とベース層130の一部とを介してドリフト層110に対面している。エミッタ層140は、素子部31内の各IGBT単位素子に個別に設けられ、また、中央部41と外周部42のいずれにも設けられている。
ここでは、エミッタ層140の導電型がN型である場合、より具体的にはエミッタ層140はドリフト層110よりも不純物濃度が高く、N型層である場合を例示する。また、中央部41のエミッタ層140と外周部42のエミッタ層140とで不純物濃度は同じとする。
溝150は、基板100Aの一方主面101から他方主面102の側へ向けて、エミッタ層140とベース層130とキャリア蓄積層120とを貫通し、ドリフト層110内の所定深さまで形成されている。溝150は、素子部31内の各IGBT単位素子に個別に設けられ、また、中央部41と外周部42のいずれにも設けられている。
ゲート絶縁膜160は、溝150の内面(より具体的には側面および底面)上に設けられているが、溝150を埋め尽くしてはいない。ゲート絶縁膜160は例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物等によって構成可能である。ゲート電極170は、ゲート絶縁膜160上に配置され、溝150を充填している。換言すれば、ゲート電極170は、ゲート絶縁膜160を介して、溝150内に埋設されている。ゲート電極170は例えば多結晶シリコン、各種金属材料等によって構成可能である。なお、ゲート電極170は、不図示の位置において引き出され、不図示のゲートパッドに接続されている。
バッファ層190は、ドリフト層110と基板100Aの他方主面102との間に位置し基板厚さ方向103を自身の厚さ方向として広がる層である。換言すれば、バッファ層190は、基板厚さ方向103においてドリフト層110に対して他方主面102の側に位置し、当該厚さ方向103においてドリフト層110に対面している。バッファ層190は、ドリフト層110から引き続く層であるが、他方主面102からは離れている。ここではバッファ層190が基板全体に広がっている場合を例示する。かかる例によれば、バッファ層190は、素子部31に設けられた複数のIGBT単位素子に渡って広がり、これらの単位素子に共有される。また、かかる例によれば、バッファ層190は、中央部41と外周部42とに渡って存在する形状を有している。
ここでは、バッファ層190の導電型がN型である場合、より具体的にはバッファ層190はドリフト層110よりも不純物濃度が高く、N型層である場合を例示する。また、バッファ層190の不純物濃度は中央部41と外周部42で同じとする。
コレクタ層200Aは、バッファ層190と基板100Aの他方主面102との間に位置し基板厚さ方向103を自身の厚さ方向として広がる層である。このとき、コレクタ層200Aは、基板厚さ方向103においてドリフト層110およびバッファ層190に対して他方主面102の側に位置し、当該厚さ方向103においてバッファ層190を介してドリフト層110に対面している。コレクタ層200Aは、バッファ層190から引き続き、他方主面102に到達している。ここではコレクタ層200Aが基板全体に広がっている場合を例示する。かかる例によれば、コレクタ層200Aは、素子部31に設けられた複数のIGBT単位素子に渡って広がり、これらの単位素子に共有される。また、かかる例によれば、コレクタ層200Aは、中央部41と外周部42とに渡って存在する形状を有している。
ここでは、コレクタ層200Aの導電型がP型である場合を例示する。コレクタ層200Aの不純物濃度については後述する。
なお、上記例示の導電型とは逆の導電型を各層に採用して半導体基板100Aを変形することも可能である。かかる変形例は後述の各種構造についても同様である。
図2の例によれば、IGBT10Aの半導体チップは、さらに、絶縁層252と、エミッタ電極254と、コレクタ電極256とを含んでいる。
絶縁層252は、基板100Aの一方主面101における溝150の開口を塞ぐように配置されており、ゲート電極170を被覆している。なお、図2の例では絶縁層252はエミッタ層140上には及んでいないが、当該絶縁層252はエミッタ層140上にはみ出していても構わない。
エミッタ電極254は、基板100Aの一方主面101上に広がっており、ベース層130およびエミッタ層140に接している。エミッタ電極254は、絶縁層252上にも延在している。かかる例によれば、エミッタ電極254は、素子部31に設けられた複数のIGBT単位素子に渡って広がり、これらの単位素子に共有される。
コレクタ電極256は、基板100Aの他方主面102上に広がっており、コレクタ層200Aに接している。かかる例によれば、コレクタ電極256は、素子部31に設けられた複数のIGBT単位素子に渡って広がり、これらの単位素子に共有される。
次に、IGBT10Aの動作を概説する。
まず、IGBT10Aのオン状態を説明する。オン状態は、エミッタ電極254とコレクタ電極256との間に所定のコレクタ電圧(VCE>0)を印加した状態で、エミッタ電極254とゲート電極170との間に所定のゲート電圧(VGE>0)を印加することにより、実現される。かかる電圧印加態様によれば、ベース層130のうちでゲート電極170付近にN型チャネルが形成される。当該チャネルがエミッタ層140とキャリア蓄積層120との間に形成されることによって、エミッタ電極254から当該チャネルを通ってドリフト層110へ電子が注入される。注入された電子によってドリフト層110とコレクタ層200Aとの間が順バイアス状態になり、コレクタ層200Aからドリフト層110へ正孔が注入される。これにより、コレクタ電極256とエミッタ電極254との間に、換言すれば基板100Aの厚さ方向103に、IGBT10Aの電流(コレクタ電流、オン電流、主電流等とも称される)が流れる。
次に、IGBTのオフ状態を説明する。オフ状態は、ゲート電圧VGE≦0にすることにより実現される。かかる電圧印加態様によれば、上記チャネルが消失し、エミッタ電極254からドリフト層110へ電子が注入されなくなる。電子の注入が無くなることで、コレクタ層200Aからの正孔の注入も無くなる。その結果、電流が流れない。
ここで、ゲート電極170とゲート絶縁膜160とベース層130とによる積層構造(図2の断面図においては基板厚さ方向103に直交する方向に積層されていると把握される)が、いわゆるMIS構造を形成している。なお、MIS構造は、ゲート絶縁膜160が酸化膜である場合には特にMOS(Metal Oxide Semiconductor)構造と称される。かかるMIS構造は、上記の動作概説から分かるように、ベース層130内にチャネルが形成されることによってIGBT10Aの電流を流し、チャネルの不形成によって電流を遮断する。つまり、IGBT10Aの電流のオン/オフを制御するスイッチング素子180が当該MIS構造を含んで形成されている。
スイッチング素子180は、上記構成から分かるように、各IGBT単位素子に個別に設けられている。これら複数のスイッチング素子180のゲート電極170は不図示の位置で共通に(換言すれば並列に)接続されており、このためスイッチング素子180は同期して動作する。
なお、キャリア蓄積層120を有さない構造を採用することも可能であるが、次の点からキャリア蓄積層120を設けるのが好ましい。すなわち、キャリア蓄積層120は上記のようにドリフト層110に比べて不純物濃度が高いので、キャリア蓄積層120とベース層130との接合部の内蔵電位は、キャリア蓄積層120を有さない構造におけるドリフト層110とベース層130との接合部の内蔵電位に比べて、高くなる。かかる高い内蔵電位は、コレクタ層200Aからドリフト層110へ注入された正孔がエミッタ側へ通り抜けるのを防ぐ障壁となる。このため、キャリア蓄積層120に正孔が蓄積される。これにより、エミッタ側のキャリア密度が増加し、オン電流に対する抵抗(つまりオン抵抗)が低減される。また、オン電流が流れている際のコレクタ電圧VCE(つまりオン電圧)が低減される。
また、バッファ層190は、オフ状態すなわち耐圧保持状態において、空乏層がコレクタ層200Aへ到達してしまうパンチスルー現象を防ぐために設けられている。図2にはパンチスルー(Punch Through:PT)型構造が例示されている。なお、バッファ層190を有さないノンパンチスルー(Non Punch Through:NPT)型構造を採用することも可能である。
図3に、コレクタ層200Aを概説する斜視図を示す。図3には基板100A中からコレクタ層200Aを抜き出して図示している。また、図4に、中央部41を通る縦断面におけるコレクタ層200Aの不純物濃度分布を概説する図を示す。
図3および図4に示すように、コレクタ層200Aは、中央部41内に存在する部分201と、外周部42内に存在する部分202とに大別される。特に、中央部41に相当する部分201の不純物濃度は、外周部42に相当する部分202の不純物濃度よりも低く設定されている(図4参照)。すなわち、コレクタ層200Aの不純物濃度は外周部42よりも中央部41において低い。
なお、図4には両部分201,202の不純物濃度が急峻に変化する分布を例示しているが、かかる変化が傾斜を有しても構わない。また、ここでは低濃度部分201と高濃度部分202の両方が、一般的に高濃度と称される範囲に不純物濃度が設定されたP型層(P型層)である場合を例示するが、例えば低濃度部分201についてはP型となる濃度範囲を採用し、高濃度部分202についてはP型となる濃度範囲を採用することも可能である。
このような不純物濃度分布を有したコレクタ層200Aによれば、コレクタ層200Aからドリフト層110へ注入される正孔の注入効率が、外周部42に比べて中央部41において低くなる。これにより、基板厚さ方向103に流れる電流に対する抵抗が、外周部42よりも中央部41において高くなる。つまり、基板厚さ方向103に流れる電流に対する抵抗を外周部42よりも中央部41において高くするための抵抗制御構造300Aが、コレクタ層200Aによって構成されている。
抵抗制御構造300Aによれば、基板100Aを厚さ方向103に流れる電流(より具体的には、その電流密度)が外周部42に比べて中央部41において少なくなる。このため、中央部41では当該電流による発熱が抑制され、これにより中央部41の温度上昇が抑制される。中央部41の温度は基板全体への温度寄与が大きいので、基板全体の温度上昇を抑制することができる。その結果、パワーサイクル寿命等の信頼性を向上させることが可能である。また、抵抗制御構造300Aによれば、温度検出用素子を用いなくても温度抑制効果を奏するので、温度検出用素子の採用に伴う装置大型化を回避することできる。
IGBT10Aは既知の各種処理を利用して製造可能である。例えば、最終的にドリフト層110を提供するN型の半導体基板を出発材料として準備し、当該基板に対してイオン注入、エピタキシャル成膜、マスキング、エッチング、酸化等の処理を行うことによってIGBT10Aの上記構造を形成可能である。
例えばコレクタ層200Aは、中央部41と外周部42の両方に対して同時に行うイオン注入と、外周部42に対してのみ選択的に行うイオン注入とを組み合わせることによって形成可能である。但し、その他の手法によってコレクタ層200Aを形成しても構わない。
<実施の形態2>
図5に、実施の形態2に係るIGBT10Bを概説する図を示す。図5には、説明を分かりやすくするために、図面右側に図1に相当の平面図を示すとともに、図面左側上段に中央部41の縦断面図を示し、図面左側下段に外周部42の縦断面図を示している。
IGBT10Bは、半導体基板100A(図2参照)の代わりに半導体基板100Bを含んでいる点を除いて、基本的にはIGBT10A(図1および図2参照)と同様の構成を有している。半導体基板100Bは、コレクタ層200A(図2参照)の代わりにコレクタ層200Bを含んでいる点を除いて、基本的には半導体基板100Aと同様の構成を有している。
図6に、コレクタ層200Bを概説する斜視図を示す。図6には基板100B中からコレクタ層200Bを抜き出して図示している。図5および図6から分かるように、コレクタ層200Bは外周部42に存在するが中央部41には存在しない形状をしている。ここではコレクタ層200B内において不純物濃度は均一とする。コレクタ層200Bのその他の態様は基本的にコレクタ層200A(図2参照)と同様である。
なお、コレクタ層200Bが存在しない中央部41では、バッファ層190が基板100Bの他方主面102まで延在してコレクタ電極256に接している(図5中の左側上段図を参照)。
上記形状を有したコレクタ層200Bによれば、コレクタ層200Bからドリフト層110へ注入される正孔の注入効率が、外周部42に比べて中央部41において低くなる。これにより、基板厚さ方向103に流れる電流に対する抵抗が、外周部42よりも中央部41において高くなる。つまり、基板厚さ方向103に流れる電流に対する抵抗を外周部42よりも中央部41において高くするための抵抗制御構造300B(図6参照)が、コレクタ層200Bによって構成されている。
かかる抵抗制御構造300Bによっても、抵抗制御構造300A(図3参照)と同様の効果を得ることができる。
IGBT10Bも既知の各種処理を利用して製造可能である。例えばコレクタ層200Bは、外周部42に対してのみ選択的にイオン注入を行うことによって形成可能である。但し、その他の手法によってコレクタ層200Bを形成しても構わない。
<実施の形態3>
図7に、実施の形態3に係るIGBT10Cを概説する縦断面図を示す。IGBT10Cは、半導体基板100A(図2参照)の代わりに半導体基板100Cを含んでいる点を除いて、基本的にはIGBT10A(図1および図2参照)と同様の構成を有している。半導体基板100Cは、コレクタ層200A(図2参照)の代わりにコレクタ層200を含んでいる点と、ライフタイム制御層210Cが追加されている点とを除いて、基本的には半導体基板100Aと同様の構成を有している。
コレクタ層200は、中央部41と外周部42で同じ不純物濃度を有しており、その他の態様についてはコレクタ層200A(図2参照)と同様に構成されている。
ライフタイム制御層210Cは、ドリフト層110内に設けられ基板厚さ方向103を自身の厚さ方向として広がる層である。このため、ライフタイム制御層210Cは、基板厚さ方向103においてバッファ層190およびコレクタ層200に対して一方主面101の側に位置し、当該厚さ方向103においてバッファ層190を介してコレクタ層200に対面している。
ライフタイム制御層210Cは、ドリフト層110内において、当該ドリフト層110に隣接するバッファ層190およびキャリア蓄積層120のいずれからも離れた位置に設けられている。図7の例では、ライフタイム制御層210Cは、ドリフト層110内において、バッファ層190寄りに設けられている。すなわち、ライフタイム制御層210Cからバッファ層190までの距離の方が、ライフタイム制御層210Cからキャリア蓄積層120までの距離よりも短い。
ここではライフタイム制御層210Cが基板全体に広がっている場合を例示する。かかる例によれば、ライフタイム制御層210Cは、素子部31に設けられた複数のIGBT単位素子に渡って広がり、これらの単位素子に共有される。また、かかる例によれば、ライフタイム制御層210Cは、中央部41と外周部42とに渡って存在する形状を有している。
図8に、ライフタイム制御層210Cを概説する斜視図を示す。図8には基板100C中からライフタイム制御層210Cを抜き出して図示している。また、図9に、中央部41を通る縦断面におけるライフタイム制御層210Cのライフタイムキラー濃度分布を概説する図を示す。
図8および図9に示すように、ライフタイム制御層210Cは、中央部41内に存在する部分211と、外周部42内に存在する部分212とに大別される。特に、中央部41に相当する部分211のライフタイムキラー濃度は、外周部42に相当する部分212のライフタイムキラー濃度よりも高く設定されている(図9参照)。すなわち、ライフタイム制御層210Cのライフタイムキラー濃度は外周部42よりも中央部41において高い。
なお、図9には両部分211,212の不純物濃度が急峻に変化する分布を例示しているが、かかる変化が傾斜を有しても構わない。
ライフタイム制御層210Cは、一般的なスイッチングロスの低減効果を奏するとともに、ライフタイムキラー濃度の相違に起因した次の効果を奏する。
すなわち、上記ライフタイムキラー濃度分布を有したライフタイム制御層210Cによれば、コレクタ層200からドリフト層110へ注入された正孔の密度が、外周部42に比べて中央部41において低くなる。これにより、基板厚さ方向103に流れる電流に対する抵抗が、外周部42よりも中央部41において高くなる。つまり、基板厚さ方向103に流れる電流に対する抵抗を外周部42よりも中央部41において高くするための抵抗制御構造300C(図8参照)が、ライフタイム制御層210Cによって構成されている。
かかる抵抗制御構造300Cによっても、抵抗制御構造300A(図3参照)と同様の効果を得ることができる。
IGBT10Cも既知の各種処理を利用して製造可能である。例えばライフタイム制御層210Cは、ドリフト層110に対してプロトン照射、電子線照射等を行ってドリフト層110内にライフタイムキラーを導入することによって形成可能である。この際、例えば、中央部41と外周部42の両方に対して同時に行う照射と、中央部41に対してのみ選択的に行う照射とを組み合わせることによって、上記のライフタイムキラー濃度分布(図9参照)を具現化することが可能である。但し、その他の手法によってライフタイム制御層210Cを形成しても構わない。
<実施の形態4>
図10に、実施の形態4に係るIGBT10Dを概説する図を示す。図10の図示は図5に倣っている。
IGBT10Dは、半導体基板100C(図7参照)の代わりに半導体基板100Dを含んでいる点を除いて、基本的にはIGBT10C(図7参照)と同様の構成を有している。半導体基板100Dは、ライフタイム制御層210C(図7参照)の代わりにライフタイム制御層210Dを含んでいる点を除いて、基本的には半導体基板100Cと同様の構成を有している。
図11に、ライフタイム制御層210Dを概説する斜視図を示す。図11には基板100D中からライフタイム制御層210Dを抜き出して図示している。図10および図11から分かるように、ライフタイム制御層210Dは、中央部41に存在するが外周部42には存在しない形状をしている。なお、図11では二点鎖線によって、ライフタイム制御層210Dが存在する深さ範囲における外周部42の輪郭を補助的に示している。ここではライフタイム制御層210D内においてライフタイムキラー濃度は均一とする。ライフタイム制御層210Dのその他の態様は基本的にライフタイム制御層210C(図7参照)と同様である。
上記形状を有したライフタイム制御層210Dによれば、コレクタ層200からドリフト層110へ注入された正孔の密度が、外周部42に比べて中央部41において低くなる。これにより、基板厚さ方向103に流れる電流に対する抵抗が、外周部42よりも中央部41において高くなる。つまり、基板厚さ方向103に流れる電流に対する抵抗を外周部42よりも中央部41において高くするための抵抗制御構造300D(図11参照)が、ライフタイム制御層210Dによって構成されている。
かかる抵抗制御構造300Dによっても、抵抗制御構造300A(図3参照)と同様の効果を得ることができる。
IGBT10Dも既知の各種処理を利用して製造可能である。例えばライフタイム制御層210Dは、中央部41に対してのみ選択的にプロトン等を照射することによって形成可能である。但し、その他の手法によってライフタイム制御層210Dを形成しても構わない。
<実施の形態5>
図12に、実施の形態5に係るIGBT10Eを概説する縦断面図を示す。IGBT10Eは、半導体基板100A(図2参照)の代わりに半導体基板100Eを含んでいる点を除いて、基本的にはIGBT10A(図1および図2参照)と同様の構成を有している。半導体基板100Eは、コレクタ層200A(図2参照)の代わりにコレクタ層200を含んでいる点と、バッファ層190(図2参照)の代わりにバッファ層190Eを含んでいる点とを除いて、基本的には半導体基板100Aと同様の構成を有している。なお、コレクタ層200については実施の形態3で既述しているので(図7参照)、ここでは重複した説明は省略する。
図13に、バッファ層190Eを概説する斜視図を示す。図13には基板100E中からバッファ層190Eを抜き出して図示している。また、図14に、中央部41を通る縦断面におけるバッファ層190Eの不純物濃度分布を概説する図を示す。
図13および図14に示すように、バッファ層190Eは、中央部41内に存在する部分191と、外周部42内に存在する部分192とに大別される。特に、中央部41に相当する部分191の不純物濃度は、外周部42に相当する部分192の不純物濃度よりも高く設定されている(図14参照)。すなわち、バッファ層190Eの不純物濃度は外周部42よりも中央部41において高い。バッファ層190Eのその他の態様は基本的にバッファ層190(図2参照)と同様である。
なお、図14には両部分191,192の不純物濃度が急峻に変化する分布を例示しているが、かかる変化が傾斜を有しても構わない。また、ここでは高濃度部分191と低濃度部分192の両方がN型である場合を例示するが、例えば低濃度部分192についてはN型となる濃度範囲を採用し、高濃度部分191についてはN型となる濃度範囲を採用することも可能である。
上記不純物濃度分布を有したバッファ層190Eがコレクタ層200とドリフト層110との間に設けられていることにより、コレクタ層200からドリフト層110へ注入される正孔の注入効率が、外周部42に比べて中央部41において低くなる。これにより、基板厚さ方向103に流れる電流に対する抵抗が、外周部42よりも中央部41において高くなる。つまり、基板厚さ方向103に流れる電流に対する抵抗を外周部42よりも中央部41において高くするための抵抗制御構造300E(図13参照)が、バッファ層190Eによって構成されている。
かかる抵抗制御構造300Eによっても、抵抗制御構造300A(図3参照)と同様の効果を得ることができる。
IGBT10Eも既知の各種処理を利用して製造可能である。例えばバッファ層190Eは、中央部41と外周部42の両方に対して同時に行うイオン注入と、中央部41に対してのみ選択的に行うイオン注入とを組み合わせることによって形成可能である。但し、その他の手法によってバッファ層190Eを形成しても構わない。
<実施の形態6>
図15に、実施の形態6に係るIGBT10Fを概説する図を示す。図15の図示は図5に倣っている。
IGBT10Fは、半導体基板100E(図12参照)の代わりに半導体基板100Fを含んでいる点を除いて、基本的にはIGBT10E(図12参照)と同様の構成を有している。半導体基板100Fは、バッファ層190E(図12参照)の代わりにバッファ層190Fを含んでいる点を除いて、基本的には半導体基板100Eと同様の構成を有している。
図16に、バッファ層190Fを概説する斜視図を示す。図16には基板100F中からバッファ層190Fを抜き出して図示している。図15および図16から分かるように、バッファ層190Fは、中央部41に存在するが外周部42には存在しない形状をしている。なお、図16では二点鎖線によって、バッファ層190Fが存在する深さ範囲における外周部42の輪郭を補助的に示している。ここではバッファ層190F内において不純物濃度は均一とする。バッファ層190Fのその他の態様は基本的にバッファ層190,190E(図2および図12参照)と同様である。
なお、バッファ層190Fが存在しない外周部42では、ドリフト層110がコレクタ層200まで延在している(図15の左側下段図を参照)。
上記形状を有したバッファ層190Fがコレクタ層200とドリフト層110との間に設けられていることにより、コレクタ層200からドリフト層110へ注入される正孔の注入効率が、外周部42に比べて中央部41において低くなる。これにより、基板厚さ方向103に流れる電流に対する抵抗が、外周部42よりも中央部41において高くなる。つまり、基板厚さ方向103に流れる電流に対する抵抗を外周部42よりも中央部41において高くするための抵抗制御構造300F(図16参照)が、バッファ層190Fによって構成されている。
かかる抵抗制御構造300Fによっても、抵抗制御構造300A(図3参照)と同様の効果を得ることができる。
IGBT10Fも既知の各種処理を利用して製造可能である。例えばバッファ層190Fは、中央部41に対してのみ選択的にイオン注入を行うことによって形成可能である。但し、その他の手法によってバッファ層190Fを形成しても構わない。
<実施の形態7>
図17に、実施の形態7に係るIGBT10Gを概説する縦断面図を示す。IGBT10Gは、半導体基板100A(図2参照)の代わりに半導体基板100Gを含んでいる点を除いて、基本的にはIGBT10A(図1および図2参照)と同様の構成を有している。半導体基板100Gは、コレクタ層200A(図2参照)の代わりにコレクタ層200を含んでいる点と、キャリア蓄積層120(図2参照)の代わりにキャリア蓄積層120Gを含んでいる点とを除いて、基本的には半導体基板100Aと同様の構成を有している。なお、コレクタ層200については実施の形態3で既述しているので(図7参照)、ここでは重複した説明は省略する。
図18に、キャリア蓄積層120Gを概説する斜視図を示す。図18には基板100G中からキャリア蓄積層120Gを抜き出して図示している。また、図19に、中央部41を通る縦断面におけるキャリア蓄積層120Gの不純物濃度分布を概説する図を示す。
図18および図19に示すように、キャリア蓄積層120Gは、中央部41内に存在する部分121と、外周部42内に存在する部分122とに大別される。特に、中央部41に相当する部分121の不純物濃度は、外周部42に相当する部分122の不純物濃度よりも低く設定されている(図19参照)。すなわち、キャリア蓄積層120Gの不純物濃度は外周部42よりも中央部41において低い。キャリア蓄積層120Gのその他の態様は基本的にキャリア蓄積層120(図2参照)と同様である。
なお、図19には両部分121,122の不純物濃度が急峻に変化する分布を例示しているが、かかる変化が傾斜を有しても構わない。また、ここでは低濃度部分121と高濃度部分122の両方がN型である場合を例示するが、例えば低濃度部分121についてはN型となる濃度範囲を採用し、高濃度部分122についてはN型となる濃度範囲を採用することも可能である。
上記不純物濃度分布を有したキャリア蓄積層120Gによれば、コレクタ層200からドリフト層110へ注入された正孔をキャリア蓄積層120Gで蓄積するキャリア蓄積効果が、外周部42に比べて中央部41において低くなる。キャリア蓄積効果が低いほど基板厚さ方向103に流れる電流に対する抵抗が大きくなるので、当該抵抗は外周部42よりも中央部41において高くなる。つまり、基板厚さ方向103に流れる電流に対する抵抗を外周部42よりも中央部41において高くするための抵抗制御構造300G(図18参照)が、キャリア蓄積層120Gによって構成されている。
かかる抵抗制御構造300Gによっても、抵抗制御構造300A(図3参照)と同様の効果を得ることができる。
IGBT10Gも既知の各種処理を利用して製造可能である。例えばキャリア蓄積層120Gは、中央部41と外周部42の両方に対して同時に行うイオン注入と、外周部42に対してのみ選択的に行うイオン注入とを組み合わせることによって形成可能である。但し、その他の手法によってキャリア蓄積層120Gを形成しても構わない。
<実施の形態8>
図20に、実施の形態8に係るIGBT10Hを概説する図を示す。図20の図示は図5に倣っている。
IGBT10Hは、半導体基板100G(図17参照)の代わりに半導体基板100Hを含んでいる点を除いて、基本的にはIGBT10G(図17参照)と同様の構成を有している。半導体基板100Hは、キャリア蓄積層120G(図17参照)の代わりにキャリア蓄積層120Hを含んでいる点を除いて、基本的には半導体基板100Gと同様の構成を有している。
図21に、キャリア蓄積層120Hを概説する斜視図を示す。図21には基板100H中からキャリア蓄積層120Hを抜き出して図示している。図20および図21から分かるように、キャリア蓄積層120Hは、外周部42に存在するが中央部41には存在しない形状をしている。ここではキャリア蓄積層120H内において不純物濃度は均一とする。キャリア蓄積層120Hのその他の態様は基本的にキャリア蓄積層120,120G(図2および図17参照)と同様である。
なお、キャリア蓄積層120Hが存在しない中央部41では、ドリフト層110がベース層130まで延在している(図20の左側上段図を参照)。
上記形状を有したキャリア蓄積層120Hによれば、コレクタ層200からドリフト層110へ注入された正孔をキャリア蓄積層120Hで蓄積するキャリア蓄積効果が、外周部42に比べて中央部41において低くなる。キャリア蓄積効果が低いほど基板厚さ方向103に流れる電流に対する抵抗が大きくなるので、当該抵抗は外周部42よりも中央部41において高くなる。つまり、基板厚さ方向103に流れる電流に対する抵抗を外周部42よりも中央部41において高くするための抵抗制御構造300H(図21参照)が、キャリア蓄積層120Hによって構成されている。
かかる抵抗制御構造300Hによっても、抵抗制御構造300A(図3参照)と同様の効果を得ることができる。
IGBT10Hも既知の各種処理を利用して製造可能である。例えばキャリア蓄積層120Hは、外周部42に対してのみ選択的にイオン注入を行うことによって形成可能である。但し、その他の手法によってキャリア蓄積層120Hを形成しても構わない。
<実施の形態9>
図22に、実施の形態9に係るIGBT10Jを概説する縦断面図を示す。IGBT10Jは、半導体基板100A(図2参照)の代わりに半導体基板100Jを含んでいる点を除いて、基本的にはIGBT10A(図1および図2参照)と同様の構成を有している。半導体基板100Jは、コレクタ層200A(図2参照)の代わりにコレクタ層200を含んでいる点と、ベース層130(図2参照)の代わりにベース層130Jを含んでいる点とを除いて、基本的には半導体基板100Aと同様の構成を有している。なお、コレクタ層200については実施の形態3で既述しているので(図7参照)、ここでは重複した説明は省略する。
図23に、ベース層130Jを概説する斜視図を示す。図23には基板100J中からベース層130Jを抜き出して図示している。また、図24に、中央部41を通る縦断面におけるベース層130Jの不純物濃度分布を概説する図を示す。
図23および図24に示すように、ベース層130Jは、中央部41内に存在する部分131と、外周部42内に存在する部分132とに大別される。特に、中央部41に相当する部分131の不純物濃度は、外周部42に相当する部分132の不純物濃度よりも高く設定されている(図24参照)。すなわち、ベース層130Jの不純物濃度は外周部42よりも中央部41において高い。ベース層130Jのその他の態様は基本的にベース層130(図2参照)と同様である。
なお、図24には両部分131,132の不純物濃度が急峻に変化する分布を例示しているが、かかる変化が傾斜を有しても構わない。また、ここでは高濃度部分131と低濃度部分132の両方がP型である場合を例示するが、例えば低濃度部分132に対しては一般的に低濃度と称されるP型の濃度範囲を採用し、高濃度部分131に対してはP型となる濃度範囲を採用することも可能である。
上記不純物濃度分布を有したベース層130J(換言すればチャネル形成半導体層130J)によれば、MIS型スイッチング素子180の閾値電圧が、外周部42に比べて中央部41において高くなる。換言すれば、同じ印加電圧の下におけるMIS型スイッチング素子180のチャネル抵抗が、外周部42に比べて中央部41において高くなる。これにより、基板厚さ方向103に流れる電流に対する抵抗が、外周部42よりも中央部41において高くなる。つまり、基板厚さ方向103に流れる電流に対する抵抗を外周部42よりも中央部41において高くするための抵抗制御構造300J(図23参照)が、ベース層130Jによって構成されている。
かかる抵抗制御構造300Jによっても、抵抗制御構造300A(図3参照)と同様の効果を得ることができる。
IGBT10Jも既知の各種処理を利用して製造可能である。例えばベース層130Jは、中央部41と外周部42の両方に対して同時に行うイオン注入と、中央部41に対してのみ選択的に行うイオン注入とを組み合わせることによって形成可能である。但し、その他の手法によってベース層130Jを形成しても構わない。
<実施の形態10>
上記の抵抗制御構造300A等を構成する各種要素は種々に組み合わせ可能である。例えば、図25の縦断面図に例示するIGBT10Kでは、半導体基板100Kが上記のコレクタ層200Aおよびライフタイム制御層210Cを含んでいる。
つまり、当該IGBT10Kの抵抗制御構造300Kは、コレクタ層200Aとライフタイム制御層210Cとを含んで構成されている。かかる抵抗制御構造300Kによっても、抵抗制御構造300A(図3参照)と同様の効果を得ることができる。なお、上記の抵抗制御構造300A等を構成する各種要素を3つ以上組み合わせることも可能である。
なお、コレクタ層200A,200Bとライフタイム制御層210C,210Dとバッファ層190E,190Fとのうちの1つまたは複数によって抵抗制御構造を構成した場合、スイッチング素子180側の態様は中央部41と外周部42で同等になるので、スイッチング時に局所的な電流集中が発生するのを防止することができる。
<実施の形態11>
上記では電力用半導体装置としてIGBTを例示した。実施の形態11,12では電力用半導体装置の他の例としてパワーMISFET(Field Effect Transistor)を挙げる。なお、MISFETは、ゲート絶縁膜が酸化膜である場合には特にMOSFETと称される。
図26に、実施の形態11に係るパワーMISFET(以下「MISFET」と略称する場合もある)10Lを概説する縦断面図を示す。MISFET10Lは、半導体基板100A(図2参照)の代わりに半導体基板100Lを含んでいる点を除いて、基本的にはIGBT10A(図1および図2参照)と同様の構成を有している。半導体基板100Lは、コレクタ層200Aおよびキャリア蓄積層120を含んでいない点と、バッファ層190の代わりにドレイン層220L(「第3半導体層」に対応する)を含んでいる点を除いて、基本的には半導体基板100Aと同様の構成を有している。
ここで、IGBTの要素とMISFETの要素との一般的な対応付けに倣って、IGBTにおけるエミッタ層140、エミッタ電極254およびコレクタ電極256を、MISFETではソース層140、ソース電極254およびドレイン電極256と称することにする。
なお、上記のようにコレクタ層200A(図2参照)が設けられていないため、ドレイン層220Lがドリフト層110から基板100Lの他方主面102まで延在してドレイン電極256に接している。また、上記のようにキャリア蓄積層120(図2参照)が設けられていないため、ドリフト層110とベース層130とが接している。
ドレイン層220Lは、ドリフト層110と基板100Lの他方主面102との間に位置し基板厚さ方向103を自身の厚さ方向として広がる層である。換言すれば、ドレイン層220Lは、基板厚さ方向103においてドリフト層110に対して他方主面102の側に位置し、当該厚さ方向103においてドリフト層110に対面している。ドレイン層220Lは、ドリフト層110から引き続く層であり、他方主面102まで到達している。ここではドレイン層220Lが基板全体に広がっている場合を例示する。かかる例によれば、ドレイン層220Lは、素子部31に設けられた複数のMISFET単位素子に渡って広がり、これらの単位素子に共有される。また、かかる例によれば、ドレイン層220Lは、中央部41と外周部42とに渡って存在する形状を有している。
ここでは、ドレイン層220Lの導電型がN型である場合、より具体的にはドレイン層220Lはドリフト層110よりも不純物濃度が高く、N型層である場合を例示する。
図27に、ドレイン層220Lを概説する斜視図を示す。図27には基板100L中からドレイン層220Lを抜き出して図示している。また、図28に、中央部41を通る縦断面におけるドレイン層220Lの不純物濃度分布を概説する図を示す。
図27および図28に示すように、ドレイン層220Lは、中央部41内に存在する部分221と、外周部42内に存在する部分222とに大別される。特に、中央部41に相当する部分221の不純物濃度は、外周部42に相当する部分222の不純物濃度よりも低く設定されている(図28参照)。すなわち、ドレイン層220Lの不純物濃度は外周部42よりも中央部41において低い。
なお、図28には両部分221,222の不純物濃度が急峻に変化する分布を例示しているが、かかる変化が傾斜を有しても構わない。また、ここでは低濃度部分221と高濃度部分222の両方がN型である場合を例示するが、例えば低濃度部分221に対してはN型となる濃度範囲を採用し、高濃度部分222に対してはN型となる濃度範囲を採用することも可能である。
上記不純物濃度を有したドレイン層220Lでは、基板厚さ方向103に流れる電流に対する抵抗が、外周部42よりも中央部41において高くなる。つまり、基板厚さ方向103に流れる電流に対する抵抗を外周部42よりも中央部41において高くするための抵抗制御構造300L(図27参照)が、ドレイン層220Lによって構成されている。
かかる抵抗制御構造300Lによっても、抵抗制御構造300A(図3参照)と同様の効果を得ることができる。
MISFET10Lも既知の各種処理を利用して製造可能である。例えばドレイン層220Lは、中央部41と外周部42の両方に対して同時に行うイオン注入と、外周部42に対してのみ選択的に行うイオン注入とを組み合わせることによって形成可能である。但し、その他の手法によってドレイン層220Lを形成しても構わない。
なお、例えば、ドレイン層220Lと上記ベース層130J(図22参照)とを組み合わせて抵抗制御構造を構成することも可能である。
<実施の形態12>
図29に、実施の形態12に係るパワーMOSFET10Mを概説する図を示す。図29の図示は図5に倣っている。
MISFET10Mは、半導体基板100L(図26参照)の代わりに半導体基板100Mを含んでいる点を除いて、基本的にはMISFET10L(図26参照)と同様の構成を有している。半導体基板100Mは、ドレイン層220L(図26参照)の代わりにドレイン層220Mを含んでいる点を除いて、基本的には半導体基板100Lと同様の構成を有している。
図30に、ドレイン層220Mを概説する斜視図を示す。図30には基板100M中からドレイン層220Mを抜き出して図示している。図29および図30から分かるように、ドレイン層220Mは、外周部42に存在するが中央部41には存在しない形状をしている。ここではドレイン層220M内において不純物濃度は均一とする。ドレイン層220Mのその他の態様は基本的にドレイン層220L(図26参照)と同様である。
なお、ドレイン層220Mが存在しない中央部41では、ドリフト層110が基板100Mの他方主面102まで延在してドレイン電極256に接している(図29の左側上段図を参照)。
上記形状を有したドレイン層220Mでは、基板厚さ方向103に流れる電流に対する抵抗が、外周部42よりも中央部41において高くなる。つまり、基板厚さ方向103に流れる電流に対する抵抗を外周部42よりも中央部41において高くするための抵抗制御構造300M(図30参照)が、ドレイン層220Mによって構成されている。
かかる抵抗制御構造300Mによっても、抵抗制御構造300A(図3参照)と同様の効果を得ることができる。
MISFET10Mも既知の各種処理を利用して製造可能である。例えばドレイン層220Mは、外周部42に対してのみ選択的にオン注入を行うことによって形成可能である。但し、その他の手法によってドレイン層220Mを形成しても構わない。
なお、例えば、ドレイン層220Mと上記ベース層130J(図22参照)とを組み合わせて抵抗制御構造を構成することも可能である。
<実施の形態1〜12の変形例>
上記ではスイッチング素子180がいわゆるトレンチゲート型である場合を例示した。これに対し、スイッチング素子180を、ゲート絶縁膜160およびゲート電極170がトレンチ150を用いずに主面101上に積層された構造、いわゆる平面ゲート型に変形することも可能である。平面ゲート型スイッチング素子を採用しても上記各種効果が得られる。
<実施の形態13>
上記では電力用半導体装置としてIGBTおよびパワーMISFETを例示した。実施の形態13では電力用半導体装置の更なる例としてパワーダイオード(以下「ダイオード」と略称する場合もある)を挙げる。
図31に、実施の形態13に係るダイオード10Nを概説する縦断面図を示す。図31の例によれば、ダイオード10Nは半導体基板100Nと、カソード電極264と、アノード電極266とを含んでいる。また、半導体基板100N内には、ドリフト層110(「第1半導体層」に対応する)と、カソード層230(「第3半導体層」に対応する)と、アノード層240(「第2半導体層」に対応する)とが形成されている。なお、ドリフト層110については実施の形態1と同様に設けられているため(図2参照)、ここでは重複した説明は省略する。
カソード層230は、ドリフト層110と基板100Nの一方主面101との間に位置し基板厚さ方向103を自身の厚さ方向として広がる層である。換言すれば、カソード層230は、基板厚さ方向103においてドリフト層110に対して一方主面101の側に位置し、当該厚さ方向103においてドリフト層110に対面している。カソード層230は、ドリフト層110から引き続き、一方主面101に到達している。ここでは、カソード層230の導電型がN型である場合、より具体的にはカソード層230はドリフト層110よりも不純物濃度が高く、N型層である場合を例示する。
アノード層240は、ドリフト層110と基板100Nの他方主面102との間に位置し基板厚さ方向103を自身の厚さ方向として広がる層である。換言すれば、アノード層240は、基板厚さ方向103においてドリフト層110に対して他方主面102の側に位置し、当該厚さ方向103においてドリフト層110に対面している。アノード層240は、ドリフト層110から引き続き、他方主面102に到達している。ここでは、アノード層240の導電型がP型である場合、より具体的にはP型層である場合を例示する。
カソード電極264は、基板100Nの一方主面101上に配置され、カソード層230と接している。また、アノード電極266は、基板100Nの他方主面102上に配置され、アノード層240と接している。
かかるダイオード10Nにおいて、例えば、アノード層240に対して上記コレクタ層200A(図2〜図4参照)の不純物濃度分布または上記コレクタ層200B(図5および図6参照)の形状を採用することにより、アノード層240で以て抵抗制御構造を構成することが可能である。
あるいは、ドリフト層110に上記ライフタイム制御層210C(図7〜図9参照)または上記ライフタイム制御層210D(図10および図11参照)を導入することによって、抵抗制御構造を構成することが可能である。
あるいは、ドリフト層110とアノード層240との間に上記バッファ層190E(図12〜図14参照)または上記バッファ層190F(図15および図16参照)を追加することによって、抵抗制御構造を構成することが可能である。
あるいは、カソード層230に対して上記キャリア蓄積層120G(図17〜図19参照)の不純物濃度分布または上記キャリア蓄積層120H(図20および図21参照)の形状を採用しても構わない。かかる例によれば、カソード層230で以て抵抗制御構造を構成することが可能である。
なお、パワーダイオード10Nにおいても各種要素を組み合わせて抵抗制御構造を形成してもよい。
パワーダイオード10Nも既知の各種処理を利用して製造可能である。この際、例えば上記コレクタ層200A等の形成方法を採用可能である。
<実施の形態1〜13の変形例>
なお、上記の各態様は相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
10A〜10H,10J,10K IGBT(電力用半導体装置)、10L,10M パワーMISFET(電力用半導体装置)、10N パワーダイオード(電力用半導体装置)、41 中央部、42 外周部、100A〜100H,100J〜100N 半導体基板、103 厚さ方向、110 ドリフト層(第1半導体層)、120G,120H キャリア蓄積層、130J ベース層(チャネル形成半導体層)、180 スイッチング素子、190E,190F バッファ層、200A,200B コレクタ層(第2半導体層)、210C,210D ライフタイム制御層、220L,220M ドレイン層(第3半導体層)、230 カソード層(第3半導体層)、240 アノード層(第2半導体層)、300A〜300H,300J〜300M 抵抗制御構造。

Claims (4)

  1. 半導体基板を有し前記半導体基板の厚さ方向に電流が流れる電力用半導体装置であって、
    前記半導体基板は、前記電流に対する抵抗が前記半導体基板の外周部よりも前記半導体基板の中央部において高くなるように構成された抵抗制御構造を備え、
    前記半導体基板は、
    第1導電型で構成された、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)のドリフト層と、
    前記厚さ方向において前記ドリフト層と対面し前記ドリフト層よりも高い不純物濃度を有し前記第1導電型で構成された、ドレイン層
    前記厚さ方向において前記ドリフト層から見て前記ドレイン層とは反対側に設けられ、MIS構造を有し前記電流のオン/オフを制御する、複数のスイッチング素子と
    を備え、
    前記外周部内の前記スイッチング素子と前記中央部内の前記スイッチング素子とは同等に構成されている一方で、前記ドレイン層の不純物濃度は前記外周部よりも前記中央部において低く、
    前記抵抗制御構造は前記ドレイン層を含んで構成されていることを特徴とする電力用半導体装置。
  2. 半導体基板を有し前記半導体基板の厚さ方向に電流が流れる電力用半導体装置であって、
    前記半導体基板は、前記電流に対する抵抗が前記半導体基板の外周部よりも前記半導体基板の中央部において高くなるように構成された抵抗制御構造を備え、
    前記半導体基板は、
    第1導電型で構成された、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)のドリフト層と、
    前記厚さ方向において前記ドリフト層と対面し前記ドリフト層よりも高い不純物濃度を有し前記第1導電型で構成された、ドレイン層
    前記厚さ方向において前記ドリフト層から見て前記ドレイン層とは反対側に設けられ、MIS構造を有し前記電流のオン/オフを制御する、複数のスイッチング素子と
    を備え、
    前記外周部内の前記スイッチング素子と前記中央部内の前記スイッチング素子とは同等に構成されている一方で、前記ドレイン層は前記外周部に存在するが前記中央部には存在しない形状を有し、
    前記抵抗制御構造は前記ドレイン層を含んで構成されていることを特徴とする電力用半導体装置。
  3. 半導体基板を有し前記半導体基板の厚さ方向に電流が流れる電力用半導体装置であって、
    前記半導体基板は、前記電流に対する抵抗が前記半導体基板の外周部よりも前記半導体基板の中央部において高くなるように構成された抵抗制御構造を備え、
    前記半導体基板は、
    第1導電型で構成された、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)のドリフト層と、
    前記厚さ方向において前記ドリフト層と対面し前記ドリフト層よりも高い不純物濃度を有し前記第1導電型で構成された、ドレイン層と、
    前記厚さ方向において前記ドリフト層から見て前記ドレイン層とは反対側に設けられ、MIS構造を有し前記電流のオン/オフを制御する複数のスイッチング素子と
    を備え、
    前記MIS構造は、チャネルが形成される半導体層であって前記外周部よりも前記中央部において不純物濃度が高いチャネル形成半導体層を有し、
    前記ドレイン層の不純物濃度は前記外周部よりも前記中央部において低く、
    前記抵抗制御構造は、前記チャネル形成半導体層および前記ドレイン層を含んで構成されていることを特徴とする電力用半導体装置。
  4. 半導体基板を有し前記半導体基板の厚さ方向に電流が流れる電力用半導体装置であって、
    前記半導体基板は、前記電流に対する抵抗が前記半導体基板の外周部よりも前記半導体基板の中央部において高くなるように構成された抵抗制御構造を備え、
    前記半導体基板は、
    第1導電型で構成された、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)のドリフト層と、
    前記厚さ方向において前記ドリフト層と対面し前記ドリフト層よりも高い不純物濃度を有し前記第1導電型で構成された、ドレイン層と、
    前記厚さ方向において前記ドリフト層から見て前記ドレイン層とは反対側に設けられ、MIS構造を有し前記電流のオン/オフを制御する複数のスイッチング素子と
    を備え、
    前記MIS構造は、チャネルが形成される半導体層であって前記外周部よりも前記中央部において不純物濃度が高いチャネル形成半導体層を有し、
    前記ドレイン層は前記外周部に存在するが前記中央部には存在しない形状を有し、
    前記抵抗制御構造は、前記チャネル形成半導体層および前記ドレイン層を含んで構成されていることを特徴とする電力用半導体装置。
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