JP5545646B2 - モータ駆動制御装置 - Google Patents

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本発明は、ロータの回転角度に応じてモータの駆動相を切り替え、所定時間の起動通電後、PWM制御により所定の制御周期でモータの駆動電流を目標電流に制御するモータ駆動制御装置に関し、詳しくは、モータ特性のばらつきに応じた起動通電の補正に関する。
従来、電気自動車やハイブリッド車の駆動モータとして、ロータに永久磁石や巻線が不要で安価かつ構造が簡単なスイッチトリラクタンスモータ(以下、SRモータという)が注目されている。
図6は3相駆動のラジアルギャップ型のSRモータの一例の概略の構造を示し、図6のSRモータ100は、モータ軸101に取り付けられたロータ200と、その外側に同軸状に設けれたステータ300とを備える。そして、ロータ200は外周面側に複数の突極201が等間隔に配設される。ステータ300は内周面側にステータ磁極としての各相の突極301が突極201に対向する向きに等間隔に相順に配設され、さらに、各突極301には各相の巻線302が集中巻される。なお、ロータ200の突極201の個数(図6では4極)と、ステータ300の突極301の個数(図6では6極)とは異なる。
このSRモータ100は、ステータ300の突極301とロータ200の突極201とが最も離れる非対向状態時に駆動相の巻線302のインダクタンス値が最も小さくなり、ステータ300の駆動相の突極301にロータ200の突極201が対向する対向状態時に駆動相の巻線302のインダクタンス値が最大になる。
そして、ロータ200が所定回転角度回転して非対向状態になる毎に、駆動相が切り替わり、周知のPWM制御により、アクセル開度等から算出されるトルク指令に応じた目標電流Irefに制御された駆動電流が駆動相の巻線302に流れ、ロータ200とステータ300の電磁作用でロータ200が回転してSRモータ100が駆動される。
ところで、SRモータ100にはモータ毎に製造時のばらつきに起因するモータ特性(特にステータの巻線のインダクタンス値)のばらつきがあり、この特性のバラツキがロータの回転位置の検出に基づく駆動相の切り替えや駆動相の電流制御に影響する。
そして、SRモータ100のインダクタンス特性のばらつきに対する駆動相の切り替えのずれに対しては、例えばSRモータ100の各相の前記インダクタンス値のしきい値を、各相の巻線302のインダクタンスに合わせて異なった値に設定して補正することが提案されている(例えば、特許文献1(段落[0028]−[0029]、図1等)参照)。
特開2000−245185号公報
特許文献1に記載の補正では、SRモータ100の駆動相の切り替えのタイミング、換言すれば、各相の駆動の終了タイミングをロータの適切な回転位置(対向状態の位置)に合わせることはできるが、つきに説明する駆動相の切り替え直後の起動通電の補正は行なえず、トルクの不足や変動等が生じる問題がある。
すなわち、例えばSRモータ100において、駆動相が切り替わる際には速やかに切り替わった駆動相の駆動電流を目標電流Irefに制御し、その後、PWM制御で駆動電流を目標電流に維持することが、トルクの変動を抑制する上からも好ましい。
そこで、ロータ200の回転角度に応じてSRモータ100の駆動相が切り替わったときに、駆動電流がPWM制御の目標電流Irefに到達すると予想される所定の通電時間には、駆動相のステータ300のコイル302を連続的に起動通電して駆動電流を速やかに目標電流Irefに増大し、前記起動通電の終了によりPWM制御に切り替えて駆動電流を目標電流Irefに維持することが考えられる。
図7は上記のように制御した場合の駆動電流の変化例を示し、ロータ200の回転位置(回転角度)をレゾルバ、エンコーダ等の位置センサから検出し、前記非対向状態になる通電開始角θonから設定された通電時間Ton、起動通電によって駆動相の巻線302に電流が連続的に流れることで、短時間に速やかにSRモータ100の駆動電流が目標電流Irefに達し、その後は、PWM制御に切り替わって駆動電流が周知のPWM制御で目標電流Irefに維持される。
このような駆動電流制御を行なう場合、SRモータ100によって前記したモータ特性(特にステータ300の巻線302のインダクタンス値)のばらつきがあるので、起動通電の時間を、駆動電流やトルク指令値等に基づく各起動条件の最適な通電時間のマップデータから選択した所定の通電時間(一定時間)Tonに設定すると、SRモータ100の前記インダクタンス値のばらつきによって、通電時間Ton後の駆動電流が目標電流Irefより大きくなり過ぎたり、小さくなり過ぎたりする。
図8は上記のモータ特性のばらつきに基づく、SRモータ100の駆動電流の通電開始角θonから起動通電の通電終了角θαまでの通電時間Tonの起動通電による変化例を示し、実線i1は通電時間Tonの起動通電で駆動電流が目標電流Irefに達する標準的なモータ特性の場合の変化を示し、実線i2は通電時間Tonの起動通電で駆動電流が目標電流Irefを超えて大きくなる、前記インダクタンス値が小さい場合の変化を示し、実線i3は通電時間Tonの起動通電で駆動電流が目標電流Irefに達しない、前記インダクタンス値が大きい場合の変化を示す。
そして、モータ特性のばらつきに基づいてSRモータ100の起動通電後の駆動電流が目標電流Irefから大小になると、トルクの不足や変動が生じたり、大きな駆動電流で駆動回路のスイッチング素子等が損傷する可能性がある。
そして、種々のモータの同様の駆動制御を行なう場合には、同じような問題が生じる。
本発明は、SRモータ等のモータのモータ特性(特にステータの巻線のインダクタンス値)のばらつきによらず、駆動相の切り替え直後の起動通電によって前記モータの駆動電流を目標電流に制御することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明のモータ駆動制御装置は、ロータの回転角度に応じてモータの駆動相を切り替え、所定時間の起動通電後、前記PWM制御により所定の制御周期で前記モータの駆動電流を目標電流に制御するモータ駆動制御装置であって、起動通電の設定された通電時間経過時点前記駆動電流が到達する電流値から学習したモータ特性に基づき、以降の起動通電によって前記駆動電流が前記目標電流になるように、起動通電の通電時間を補正する補正手段を備えたことを特徴としている(請求項1)。
そして、前記補正手段は、さらに、補正後の通電時間に応じてロータの回転に対する起動通電の開始タイミングを補正することが好ましい(請求項2)。
請求項1に係る本発明のモータ駆動制御装置の場合、補正手段により、起動通電の設定された通電時間経過時点の駆動電流の大きさから、モータ特性(特にステータの巻線のインダクタンス値)の影響を学習し、この学習に基づき、以降の起動通電によっては駆動電流が目標電流になるように、起動通電の通電時間を補正することができる。
そのため、前記モータ特性のばらつきによらず、駆動相の切り替え直後の起動通電によってSRモータ等のモータの駆動電流を過不足なく目標電流に制御することができ、トルクの不足や変動が生じることがなく、ばらつきのないモータ特性で想定される最大の電流値より大きな駆動電流が流れることで駆動回路のスイッチング素子等が損傷することもない。
請求項2に係る本発明のモータ駆動制御装置の場合、前記モータ特性により起動通電で駆動電流が目標電流に到達するまでの時間が長短変化することを考慮し、とくに補正後の起動通電で駆動電流が目標電流に到達するまでの時間が長くなるときには、前記補正手段によりロータの回転に対する起動通電の開始タイミングを早めるように補正し、トルク低下を防止してトルクの不足や変動を一層良好に防止することができる。
本発明の第1の実施形態のモータ駆動生後装置の構成の説明図である。 図1のSRモータの通電時間の補正の説明図である。 図1のSRモータの通電時間の補正による駆動電流の変化の説明図である。 本発明の第2の実施形態のSRモータのインダクタンス値が異なる場合の駆動電流の波形図である。 本発明の第3の実施形態の起動通電の開始タイミングの補正の説明図である。 SRモータの構成例の説明図である。 従来例装置の駆動制御の説明図である。 SRモータのモータ特性のばらつきによる駆動電流の変化の説明図である。
つぎに、本発明をより詳細に説明するため、実施形態について、図1〜図5を参照して詳述する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
図1は本実施形態のモータ駆動制御装置の構成を示し、このモータ駆動制御装置の駆動制御対象は、例えば電気自動車やハイブリッド車の駆動モータとしての3相駆動のSRモータ1であり、SRモータ1は例えば図6のSRモータ100と同じ構成である。SRモータ1の回転位置は周知のレゾルバやエンコーダ等の位置センサ2により検出される。
そして、本実施形態のモータ駆動制御装置は、概略、SRモータ1を駆動する3相のインバータ3およびその制御部4を備える。
インバータ3の入力電源は、車載のバッテリ等の電源5と、電源5に並列に接続されたキャパシタ6とからなり、その電源電圧は電圧センサ7により検出される。
インバータ3においては、電源5の正負の電源端子p、n間に、SRモータ1のU相のステータ巻線Luを挟んでU相の上下アームのスイッチング素子Sua、Subが直列に設けられ、同様に、SRモータ1のV相のステータ巻線Lvを挟んでV相の上下アームのスイッチング素子Sva、Svbが直列に設けられ、SRモータ1のW相のステータ巻線Lwを挟んでW相の上下アームのスイッチング素子Swa、Swbが直列に設けられる。各スイッチング素子Sua〜Swbは、IGBT、FET等で形成され、図1ではIGBTからなる。また、ステータ巻線Lu、Lv、Lwは、図5の各相それぞれの巻線302を直列又は並列に接続したものである。
さらに、正の電源端子pと、各相のステータ巻線Lu、Lv、Lwの下アーム側の端部との間に、カソードが電源端子pに接続された還流・回生用のダイオードDua、Dva、Dwaが設けられ、負の電源端子nと各相のステータ巻線Lu、Lv、Lwの上アーム側の端部との間に、アノードが電源端子nに接続された還流・回生用のダイオードDub、Dvb、Dwbが設けられる。
また、SRモータ1の各相の電流は、各相の電流センサ8u、8v、8wにより検出される。
制御部4は、マイクロコンピュータ構成の演算処理部41と、この演算処理部41の制御にしたがってインバータ3の各相のスイッチングSua〜Swbに制御信号を供給する駆動演算部42を有し、演算処理部41は、概略、CPUからなる駆動演算部41a、補正処理部41bおよび、各種データ等を記憶する不揮発性のメモリや演算の作業メモリ等を有する記憶部41cを備え、補正処理部41bが本発明の補正手段を形成する。
そして、位置センサ2の位置検出信号、電圧センサ7の検出電圧信号および、電流センサ8u〜8wの検出電流信号が演算処理部41に入力され、駆動演算部41aは、記憶部41cの駆動制御のプログラムに基づき、位置センサ2の位置検出信号に基づいてSRモータ1の駆動相のステータとロータの非対向、対向の状態を検出監視し、この検出監視に基づき、SRモータ1のロータの回転角度に応じてSRモータ1の駆動相の切り替えタイミングを把握する。
また、駆動演算部41aは、電圧センサ7の検出電圧信号からインバータ3の入力電源の電圧(電源電圧)を監視し、電流センサ8u〜8wの検出電流信号からSRモータ1の駆動相の駆動電流を検出する。
そして、駆動演算部41aの各相の制御出力を演算処理部41から駆動演算部42の電力増幅処理等を介してインバータ3の各相のスイッチング素子Sua〜Swbのゲートに供給し、インバータ3の駆動相のスイッチング素子Sua(Sva、Swa)、Sub(Svb、Swb)をオン・オフしてSRモータ1の駆動電圧を制御し、SRモータ1の駆動電流を、電源電圧、前記位置検出信号から検出したSRモータ1の回転数、アクセル開度に応じたトルク指令値等をパラメータとして記憶部41cの目標電流マップから読み出した時々刻々の目標電流IrefにPWM制御する。
そのため、駆動演算部41aは、検出した駆動電流と目標電流Irefの差に応じてパルス幅(オンデューティ)が変化する所定制御周期のPWM信号を形成し、このPWM信号をPWM制御の制御出力として出力する。
ところで、駆動相が切り替わったときには速やかに駆動電流を0から目標電流Irefに制御し、その後、PWM制御で駆動電流を目標電流Irefに維持することが望ましい。
そのため、記憶部41cに、SRモータ1の回転数、電源電圧、トルク指令値等をパラメータとして、目標電流Irefに到達する起動の通電時間マップが保持される。
そして、駆動演算部41aは、前記パラメータの現在値に基づき、記憶部41cの前記通電時間マップから、目標電流Irefに到達する通電時間Tonの指令値を読み出し、駆動相が切り替わる通電開始角θon(通電開始タイミング)から起動通電の通電終了角θαまでの通電時間Tonに、駆動相のスイッチング素子Sua(Sva、Swa)、Sub(Svb、Swb)をオンして起動通電し、駆動電流を速やかに目標電流Irefに到達させる。
しかしながら、記憶部41cに最初に書き込まれて保持される通電時間Tonの指令値は、いわゆる標準値であり、SRモータ1のモータ特性(特にSRモータ1のステータの巻線のインダクタンス値)の個別のばらつきは考慮されていない。また、SRモータ1のモータ特性は環境の温度変化や経年変化を示す。
そのため、通電時間Tonの後述する補正を実施しなければ、記憶部41cから読み出された通電時間Tonの指令値に基づいてその通電時間Tonの起動通電を行なうと、SRモータ1のモータ特性によっては、駆動電流が目標電流Irefより過大になったり、目標電流Irefに到達しなかったりして、トルクの不足や変動が生じたり、想定より大きな駆動電流でインバータ3のスイッチング素子Sua〜Swb等が損傷する可能性がある。
そこで、補正処理部41bにより、適当なタイミングの起動通電の際に、設定された通電時間経過時点の駆動電流の大きさに基づいてSRモータ1のモータ特性の影響を学習し、以降の起動通電によっては駆動電流が目標電流Irefになるように起動の通電時間Tonを補正する。
図2は上記補正を説明する起動通電の際の駆動電流の波形変化例である。同図の実線iaは比較のための標準モータ特性のSRモータの起動通電による駆動電流の波形変化を示し、この場合、通電開始角θonから起動通電の通電終了角θαまでの標準の通電時間Tonの起動通電により、駆動電流が目標電流Irefに到達する。同図の実線ibはSRモータ1の起動通電による駆動電流の波形変化を示し、この場合、SRモータ1が標準の通電時間Tonの起動通電では目標電流Irefより小電流Iαにしかならないモータ特性であるとすると、通電時間Tonが通電開始角θonから通電終了角θβのタイミングまでの通電時間TRonに長く補正され、通電時間TRonの起動通電により駆動電流が目標電流Irefに到達するようになる。
上記の補正は、いずれかの駆動相での検出に基づいて各相の通電時間Tonに一律に施してもよく、各相毎の検出に基づいて各相の通電時間Tonに個別に施してもよい。
各相の通電時間Tonを一律に補正する場合、まず、過大な駆動電流でスイッチング素子Sua〜Swb等が損傷するのを防止してSRモータ1の現在のモータ特性の影響を学習するため、記憶部41cに、目標電流Irefに代わる、その1/m(mは実験等によって設定される1より大きな実数であり、例えばm=2である)の学習目標電流Irefの指令値を記憶する。そして、例えばロータが1又は複数回回転する毎に、補正処理部41bの制御に基づき、1回目(最初)の駆動相の制御として、駆動演算部41aにより学習目標電流Irefに基づいて起動通電の制御およびその後のPWM制御を行なう。このとき、補正処理部41bは、起動通電の通電時間Tonが経過した時点で駆動電流が到達する電流値Ixからモータ特性の影響を学習する。さらに、学習したモータ特性の影響を考慮して、補正率(Iref/Ix)を算出し、2回目以降の駆動相の切り替わり時には、記憶部41cに保持されている各相の通電時間TRonに補正率を乗算して算出された通電時間Tonで起動通電を実施する。
そのため、SRモータ1のモータ特性のばらつきによらず、2回目以降の駆動相の切り替わりの際には、算出された通電時間TRonに基づく駆動演算部41aの通電起動により、PWM制御に移行するときの駆動電流が過不足なく目標電流Irefに到達して一致する。なお、補正後の通電時間TRonは、補正率(Iref/Ix)によっては、すなわち、SRモータ1のモータ特性によっては、補正前の通電時間Tonより短くなることもあるのは勿論である。
そして、記憶部41cに保持されている各相の起動通電の通電時間Tonを一律にSRモータ1のモータ特性の影響を考慮した通電時間TRonに補正することで、SRモータ1のモータ特性のばらつきによらず、補正後は切り替わった駆動相の起動通電でSRモータ1の駆動電流をすみやかに目標電流Irefに到達させることができるため、SRモータ1のステータの巻線のインダクタンス値が小さくても、起動通電で過大な駆動電流が流れず、駆動回路であるインバータ3のスイッチング素子Sua〜Swb等の過電流の通流による損傷が防止され、スイッチング素子Sua〜Swb等を必要以上に容量の大きなものにしなくてよく、装置の小型化やコストダウンを図ることができる。また、SRモータ1のステータとロータの非対向状態で目標電流Irefに近い電流を通電できるため、トルクの低下を抑えることができ、トルクの不足や変動を防止できる。
図3は上記の補正を施す場合の駆動電流の変化を示し、学習目標電流Irefに基づく最初(1回目)の駆動電流は目標電流Irefより小さくなるが、補正後の2回目以降の駆動電流は目標電流Irefに到達する。
なお、ロータが1又は複数回回転する毎に上記の補正が行なわれて記憶部4cの通電時間Tonに補正率を乗算して求めた通電時間TRonはくり返し最新の値に更新される。
各相について個別に補正する場合は、例えば、ロータが1又は複数回回転する毎に、各相それぞれが駆動相に最初に切り替わると、前記した1回目の補正と同様の学習目標電流Irefに基づく学習結果の補正が行なわれて、各相それぞれの補正率を算出する。通電時間の補正値TRonの算出の際には、通電時間Tonに駆動相の補正率を乗算する事でその値を求めることができる。この場合は、相毎により精密に起動の通電時間Tonの補正が行なえる。なお、補正された通電時間TRonは同様にして更新される。
ところで、前記の補正をより実用的に実施する場合は、2回目以降の補正の際に、通電時間Tonに代えて前回の補正によって算出された現在の通電時間TRonの起動通電を行ない、その結果得られた補正率(Iref/Ix)に基づき、現在の通電時間TRonを更新することが、補正の精度等からはより好ましい。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について、図1および図4を参照して説明する。
本実施形態の場合、モータ駆動制御装置の構成は第1の実施形態と同じであり、異なる点は、図1の記憶部41cには学習目標電流Irefの指令値を記憶せず、補正処理部41bによる通電時間Tonの補正を、目標電流Irefを用いて行なう点である。
この場合、SRモータ1のモータ特性のばらつき(誤差)の範囲から予想される前記インダクタンス値の下限値であっても駆動電流が目標電流Irefを超えて過電流にならない起動通電の通電時間Tonを、前記学習の際の通電期間として記憶部41cに保持する。
図4は前記インダクタンス値による駆動電流の変化の差を示し、実線iaは図2の実線iaと同様の標準モータ特性の場合の駆動電流の変化を示し、実線icは前記インダクタンス値が小さいモータ特性の場合の駆動電流の変化を示す。実線icのモータ特性の場合、通電開始角θonから通電終了角θγまでの通電時間Tonで目標電流Irefに達し、それ以上に通電を続けると過電流の域に達する。
そして、前記の学習の際には、駆動演算部41aにより、目標電流Irefと通電時間Tonとに基づいて通電時間Tonの起動通電の制御およびその後のPWM制御を行なう。補正処理部41bは、通電時間Tonの起動通電によって駆動電流が到達する電流値Iyからモータ特性を学習し、この学習により、記憶部41cの通電時間Tonに対して、例えば補正率(Iref・Ton)/(Iy・Ton)を乗算して通電時間TRonを算出する。さらに、この補正に基づき、2回目以降の起動通電は補正後の通電時間TRonに設定して行なう。
したがって、本実施形態の場合も、第1の実施形態の場合と同様、SRモータ1のモータ特性のばらつきによらず、補正後には、PWM制御に移行するときの駆動電流が過不足なく目標電流Irefに一致し、トルクの不足や変動が生じることがなく、インバータ3のスイッチング素子Sua〜Swb等が損傷するような過大な駆動電流が発生することもない。
なお、上記補正は、第1の実施形態の場合と同様、各相について一律に行なってもよく、各相毎に個別に行なってもよいのは勿論である。さらに、2回目以降の補正の際には、通電時間Tonに代えて前回の補正によって書き換えられた現在の通電時間TRonに基づき、通電時間Tonを、例えば(Iref/Ix)の比率で補正して更新するようにしてもよい。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について、図1および図5を参照して説明する。
本実施形態の場合も、モータ駆動制御装置の構成は第1、第2の実施形態と同じであり、異なる点は、補正処理部41bにより、例えば第1の実施形態の補正に加えて、起動通電の補正後の通電時間TRonに応じて、SRモータ1のロータの回転に対する起動通電の開始タイミングの補正も行なう点である。
すなわち、本実施形態の場合、補正処理部41bは、通電時間Tonの起動通電によって駆動電流が到達する電流値Ixからモータ特性を学習して記憶部41cの起動の通電時間Tonを通電時間TRonに補正するともに、補正後の通電時間TRonの起動通電によって非対向の間(完全な非対向から回転方向に少しずれた位置)により大きなトルクが得られるように、例えば規定の通電時間Tonの起動通電で駆動電流が目標電流Irefに到達する標準モータ特性の場合に、通電開始角θonから通電時間Tonの1/q(qは実験等によって設定される1より大きな実数であり、例えばq=2である)経過したタイミングに、補正後の通電時間Tonの1/q経過したタイミングが一致するように、SRモータ1のロータの回転に対する起動通電の開始タイミング、すなわち、記憶部4cの通電開始角マップの各通電開始角θonのタイミングも補正する。
図5は上記の通電開始角θonのタイミングの補正例を示し、実線iaは図2の実線iaと同様の標準モータ特性の場合の通電開始角θonから通電期間Tonの駆動電流の変化を示し、破線はSRモータ1の通電開始角θonから起動通電した場合の補正後の通電時間TRonの駆動電流の変化を示す。また、図5の実線idは、実線iaの通電時間Tonの1/2が経過したときの駆動電流の値がIref/2であるとして、通電時間TRonの1/2が経過して破線の駆動電流=Iref/2のタイミングが、実線iaの駆動電流=Iref/2のタイミングに一致するように破線を並行移動し、通電開始角をθonからθronに前出し方向に補正した後の駆動電流の変化を示し、θδは通電終了角である。
本実施形態の場合、図5からも明らかなように、補正後の通電時間TRonが長くなっても、通電開始角θronのタイミングが早められて前出しされ、駆動電流の通流の開始が早められて、駆動相の切り替わり直後には十分な駆動電流が通流してトルクが低下することがない。
したがって、前記第1、第2の実施形態の場合と同様、SRモータ1のモータ特性のばらつきによらず、通電時間TRonに補正することで確実に起動通電で駆動電流を目標電流に到達させることができ、SRモータ1の前記インダクタンス値が小さくても、過大な駆動電流が流れず、駆動回路であるインバータ3のスイッチング素子Sua〜Swb等の過電流の通流による損傷がなく、スイッチング素子Sua〜Swb等を必要以上に容量の大きなものにしなくてよく、装置の小型化やコストダウンを図ることができ、また、対向状態で目標電流Irefに近い電流を通電できるため、トルクの低下を抑えることができ、トルクの不足や変動を防止できるのは勿論、さらに、補正後の通電時間TRonの起動通電により目標電流Irefに到達する時間が長くなっても、それを考慮して通電開始角をθonからθronに補正して駆動電流を早目に通流し始めることでトルクの低下を抑えることができ、トルクの不足や変動の一層良好な防止が実現する。
なお、本実施形態のSRモータ1のロータの回転に対する起動通電の開始タイミングの補正は前記第2の実施形態の通電時間の補正に加えてもよく、この場合も同様の効果を奏する。
そして、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能であり、例えば、前記各実施形態の場合は、SRモータ1のモータ特性が環境の温度変化や経年変化を示すことを考慮して、ロータが1又は複数回回転する毎に頻繁に通電期間Tonの補正をくり返すようにしたが、簡易には、例えばイグニッションオン操作(相当する始動操作を含む)により、本発明のモータ駆動制御装置の搭載車が始動する毎に通電期間Tonの補正を行なうようにしてもよい。
つぎに、インバータ3や制御部4の構成等は前記各実施形態と異なっていてもよい。
また、SRモータ1が4相以上の多相の場合にも、インバータ3のアーム数、スイッチング素子数が3相の場合より多くなるだけであり、本発明を同様に適用できる。
さらに、本発明は、例えばアキシャルギャップ型のSRモータのモータ駆動制御装置にも同様に適用することができ、さらには、SRモータ以外のモータのモータ駆動制御装置にも適用できる。
そして、本発明は、電気自動車、ハイブリッド車の駆動モータだけでなく、種々の用途のモータのモータ駆動制御装置に適用することができる。
1 SRモータ
3 インバータ
4 制御部
41a 駆動演算部
41b 補正処理部
41c 記憶部

Claims (2)

  1. ロータの回転角度に応じてモータの駆動相を切り替え、所定時間の起動通電後、前記PWM制御により所定の制御周期で前記モータの駆動電流を目標電流に制御するモータ駆動制御装置であって、
    起動通電の設定された通電時間経過時点前記駆動電流が到達する電流値から学習したモータ特性に基づき、以降の起動通電によって前記駆動電流が前記目標電流になるように、起動通電の通電時間を補正する補正手段を備えたことを特徴とするモータ駆動制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記補正手段は、さらに、補正後の通電時間に応じてロータの回転に対する起動通電の開始タイミングを補正することを特徴とするモータ駆動制御装置。
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