JP7103065B2 - 制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転電機とインバータとを備えるシステムに適用される制御装置に関するものである。
従来、回転電機において、その巻線を適宜切り替えるようにした技術が提案されている。例えば特許文献1に記載の技術では、星形結線された3相巻線の相ごとに、上アームスイッチ及び下アームスイッチの直列接続体を含むインバータが設けられるとともに、3相巻線に巻線切替スイッチが接続されている。そして、回転電機の巻線切替時に、回転電機の巻線に流れる電流がゼロとなるように、つまり、インバータが回転電機に印加する印加電圧が、回転電機の誘起電圧と同位相及び同振幅となるようにインバータの各スイッチをフィードバック制御する。所定の調整期間後に印加電圧と誘起電圧とが同位相及び同振幅となると、巻線切替スイッチを用いて回転電機の巻線を切り替える。これにより、回転電機の巻線を切り替える際に、インバータにサージ電圧が印加されないようにしている。
特開2013-62888号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、回転電機の巻線切替時に、インバータの各スイッチをフィードバック制御するため、巻線切替に必要な調整期間が長期化してしまう。そのため、例えば調整期間中に誘起電圧の振幅が印加電圧の振幅調整範囲を超えて増大した場合には、巻線を切り替えることができない問題が生じる。このため、巻線切替に必要な調整期間を短縮できる技術が望まれている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、巻線切替に必要な調整期間を短縮できる巻線切替装置を提供することを目的とする。
本発明は、巻数が互いに異なる複数の巻線パターンのいずれかを通電対象巻線に切替可能な回転電機と、直流電源に接続され、相ごとに設けられたスイッチをオンオフさせることにより前記通電対象巻線に通電させるインバータと、を備えるシステムに適用される制御装置であって、前記回転電機の誘起電圧の振幅と相関を有するパラメータを取得するパラメータ取得部と、前記インバータから前記通電対象巻線に印加される印加電圧の等価波形の振幅及び位相が前記通電対象巻線に発生する誘起電圧の振幅及び位相と同一であるとの切替条件を満たすように、前記インバータを制御する制御部と、前記切替条件が満たされた場合に前記通電対象巻線を切り替える巻線切替部と、前記スイッチのオン時間を規定するデューティ比と前記パラメータとが対応付けられたマップが記憶される記憶部と、を備え、前記制御部は、前記マップと、取得された前記パラメータとに基づいて、前記デューティ比を決定し、決定した前記デューティ比に基づいて、前記インバータを制御する。
印加電圧の等価波形の振幅及び位相が誘起電圧の振幅及び位相と同一である、との切替条件を満たすように通電対象巻線を切り替えるため、各相の巻線に流れる電流をゼロとした状態で通電対象巻線を切り替えることができ、サージ電圧の発生を抑制することができる。一方、各相の巻線に流れる電流をゼロとするために、スイッチのデューティ比がフィードバック制御されると、巻線切替に必要な調整期間が長期化し、通電対象巻線を適切に切り替えることができない等の問題が生じる。
本発明における制御装置では、スイッチのデューティ比と、誘起電圧の振幅と相関を有するパラメータとが対応付けられたマップが記憶部に記憶されている。そのため、回転電機の巻線切替時に、このマップと、取得された上記パラメータとに基づいて、スイッチのデューティ比を決定することができる。この結果、スイッチのデューティ比をフィードバック制御する必要がなくなり、フィードバック制御する場合に比べて巻線切替に必要な調整期間を短縮することができる。
車載モータ制御システムの全体構成を示す図。 インバータの制御における印加電圧の変化を示す図。 制御処理を示すフローチャート。 第1実施形態に係る巻線切替処理を示すフローチャート。 回転速度と電源電圧との関係を示す図。 調整期間を示す図。 二輪自動車の駆動時における回転速度等の推移を示す図。 第2実施形態に係る巻線切替処理を示すフローチャート。 エンジンの燃焼サイクルにおける回転速度の変動を示す図。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る制御装置を、車載モータの制御システム100に適用した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る制御システム100は、自動二輪車の回転電機10を制御するためのものであり、回転電機10、インバータ(電力変換器)20、制御装置30、及び巻線切替回路50を備えている。本実施形態において、制御システム100が「システム」に相当する。
回転電機10は、例えばMG(Motor Generator)である。回転電機10のロータ11(回転子)は、エンジン70のクランク軸72に対して動力伝達可能に連結されており、クランク軸72の回転によって回転電機10が回転する一方、回転電機10の回転によってクランク軸72が回転する。つまり、回転電機10は、クランク軸72の回転により発電(回生発電)を行う発電機能と、クランク軸72に回転力を付与する力行機能とを備えている。
回転電機10は、ロータ11とステータ13(固定子)とを備える。ロータ11には、界磁を行う永久磁石12が設けられている。つまり、回転電機10は、永久磁石界磁型回転電機である。永久磁石12は、具体的にはネオジム磁石やフェライト磁石である。
回転電機10のステータ13には、U相、V相、及びW相の各相に対応した多相巻線である固定子巻線14が設けられている。これらの固定子巻線14は、Y結線(星形結線)されており、各固定子巻線14は、例えば波巻にて構成され、第1巻線15と第2巻線16とを含む。
各相において、第1巻線15の一端は、インバータ20に電気的に接続(以下、単に接続という)されている。第1巻線15の他端は、巻線切替回路50を介して、第2巻線16の一端又は第2中性点Np2に接続される。第2巻線16の他端は、第2中性点Np2と異なる第1中性点Np1に接続される。
巻線切替回路50は、第1,第2,第3スイッチ51a,51b,51cにより構成されている。本実施形態では、各スイッチ51a~51cとして、電圧制御形の半導体スイッチング素子を用いることができ、具体的には例えば、MOSFET、IGBT、SiCスイッチング素子や、メカリレーを用いることができる。
各スイッチ51a~51cは、第1,第2切替端子52,53と、これらの切替端子52、53の一方に選択的に接続される接続端子54と、を有する。接続端子54は、第1巻線15の他端に接続されている。第1切替端子52は、第2巻線16の一端に接続されており、第2切替端子53は、第2中性点Np2に接続されている。
回転電機10の固定子巻線14は、インバータ20を介して、直流電源であるバッテリ40に接続されている。バッテリ40の電圧は、例えば補機類と同様の12Vでもよく、またそれ以上の高電圧でもよい。バッテリ40は、具体的には例えば、複数のリチウムイオン蓄電池が直列接続された組電池である。なお、バッテリ40は、ニッケル水素蓄電池等、他の種類の蓄電池であってもよい。
インバータ20は、高電位側のスイッチング素子22a,22b,22c(上アームスイッチ22)、及び低電位側のスイッチング素子23a,23b,23c(下アームスイッチ23)の直列接続体が、3つ並列に接続されて構成されている。各相において、上アームスイッチ22と下アームスイッチ23の接続点には、回転電機10の対応する相の固定子巻線14が接続されている。なお、本実施形態では、上,下アームスイッチ22,23として、電圧制御形の半導体スイッチング素子を用いており、より具体的にはMOSFETを用いている。
インバータ20は、相ごとに設けられた上アームスイッチ22及び下アームスイッチ23をオンオフさせることにより、各相の固定子巻線14を通電させる。具体的には、インバータ20は、上アームスイッチ22及び下アームスイッチ23をオンオフさせることにより、バッテリ40の電源電圧VDから印加電圧VIを生成し、この印加電圧VIを各相の固定子巻線14に印加する。
制御システム100は、電圧検出部21及び磁極位置センサ60を備えている。電圧検出部21は、バッテリ40の電圧を電源電圧VDとして検出する。例えば、レゾルバや、エンコーダ、ホールセンサである。磁極位置センサ60は、回転電機10の回転角に応じて変化する角度信号を出力する。本実施形態において、磁極位置センサ60は、ロータ11の磁極の極性に応じて、2値の信号を出力するホールセンサである。制御装置30は、電圧検出部21及び磁極位置センサ60等の検出値を取得する。なお、制御装置30が提供する機能は、例えば、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェア及びそれを実行するコンピュータ、ハードウェア、又はそれらの組み合わせによって提供することができる。
制御装置30は、磁極位置センサ60の出力信号に基づいて、ロータ11の磁極位置Lm(電気角)及びロータ11の回転速度Neを算出する。また、制御装置30は、磁極位置センサ60の出力信号に基づいて、エンジン70のクランク軸72の基準位置からの回転角度位置であるクランク角CAを算出する。
制御装置30は、算出された磁極位置Lm等に基づいて、インバータ20を構成する上,下アームスイッチ22,23をオンオフ操作すべく、上,下アームスイッチ22,23の操作信号を生成し、生成した操作信号を上,下アームスイッチ22,23に出力する。これにより、インバータ20は、各相の固定子巻線14に通電させる。ここで、上アーム側の操作信号と、対応する下アーム側の操作信号とは、互いに相補的な信号となっている。すなわち、上アームスイッチ22と、対応する下アームスイッチ23とは、交互にオン状態とされる。
また、制御装置30は、算出された磁極位置Lm及び回転速度Neに基づいて、回転電機10の固定子巻線14に発生する誘起電圧VYの位相と振幅を算出する。制御装置30は、磁極位置Lmから誘起電圧VYの位相を算出し、回転速度Neから誘起電圧VYの振幅を算出する。回転速度Neが誘起電圧VYの振幅の算出に用いられるのは、誘起電圧VYの振幅が回転速度Neに比例するためである。そして、制御装置30は、算出された誘起電圧VYに基づいて、巻線切替回路50を構成する各スイッチ51a~51cを切替操作すべく、各切替信号を生成し、生成した各切替信号を各スイッチ51a~51cに出力する。これにより、相ごとに通電対象巻線が切り替えられる。
切替信号により、各スイッチ51a~51cの接続端子54が同時に第1切替端子52に接続されると、第1巻線15と第2巻線16とが通電対象となり、中性点が第1中性点Np1となる。以下、第1巻線15と第2巻線16とが通電対象となる巻線パターンを、第1巻線パターンPM1という。また、切替信号により、各スイッチ51a~51cの接続端子54が同時に第2切替端子53に接続されると、第1巻線15のみが通電対象となり、中性点が第2中性点Np2となる。以下、第1巻線15のみが通電対象となる巻線パターンを、第2巻線パターンPM2という。そのため、第1巻線パターンPM1と第2巻線パターンPM2とでは、通電対象巻線の巻数が異なる。本実施形態において、第1巻線パターンPM1及び第2巻線パターンPM2が「複数の巻線パターン」に相当する。
そして、制御装置30は、通電対象巻線を切り替える際に、まず、インバータ20から通電対象巻線への印加電圧VIの等価波形の振幅及び位相が誘起電圧VYの振幅及び位相と同一である、との切替条件を満たすように、操作信号を生成してインバータ20を制御する。インバータ20の制御において、制御装置30は、上記切替条件を満たすように、回転電機10の1電気角周期Tdwにおける上アームスイッチ22及び下アームスイッチ23それぞれのデューティ比Dutyを制御する。詳しくは、デューティ比Dutyは、1電気角周期Tdwよりも短い規定期間Tsw(図2参照)に対する上,下アームスイッチ22,23のオン時間Tonの比率(=Ton/Tsw)を示す。制御装置30は、1電気角周期Tdwを2等分した前半期間TAにおいて、同相の上,下アームスイッチ22,23を同時にオンさせないことを条件として、デューティ比Dutyに従って上アームスイッチ22をオンオフする。また、制御装置30は、1電気角周期Tdwを2等分した後半期間TBにおいて、同相の上,下アームスイッチ22,23を同時にオンさせないことを条件として、デューティ比Dutyに従って下アームスイッチ23をオンオフする。本実施形態において、デューティ比Dutyは、1電気角周期Tdw毎に制御装置30により更新される。制御装置30は、上記切替条件が満たされた場合に、切替信号を生成して通電対象巻線を切り替える。
通電対象巻線の切り替えにおけるインバータ20の制御について、図2を用いて説明する。このインバータ20の制御では、位相制御と振幅制御とが実施される。ここで、位相制御は、印加電圧VIの等価波形と誘起電圧VYとを同一位相とするための制御である。また、振幅制御は、印加電圧VIの等価波形と誘起電圧VYとを同一振幅とするための制御である。本実施形態において、印加電圧VIの等価波形とは、1電気角周期Tdwを1周期とし、矩形波としての印加電圧VI(図2(A)の時間軸表現の欄を参照)に含まれる基本波成分が支配的な波形のことである。基本波成分は、印加電圧VIをフーリエ級数展開した場合における1次の成分である。
図2は、インバータ20の制御における印加電圧VIの変化を示す。図2(A)は、位相制御及び振幅制御それぞれが実行される前の印加電圧VIと誘起電圧VYとを示す図である。図2(B)は、位相制御後であって振幅制御前の印加電圧VIと誘起電圧VYとを示す図である。図2(C)は、位相制御及び振幅制御それぞれが実行された後の印加電圧VIと誘起電圧VYとを示す図である。また、図2(A),(B),(C)において、(a)は磁極位置センサ60の出力信号の波形を示し、(b)は印加電圧VIの波形を示し、(c)は印加電圧VIの等価波形及び誘起電圧VYの波形を示し、(d)は、dq座標系において印加電圧VIと誘起電圧VYとをベクトル表示したものである。なお、図2には、誘起電圧VYの位相及び磁極位置センサ60の出力信号の位相が同位相とされている例を示す。ただし、誘起電圧及び磁極位置センサ60の出力信号それぞれの位相関係は、回転電機10により一意に定まるため、位相関係が把握できていれば、必ずしも同位相である必要はない。
図2(A)に示すように、位相制御及び振幅制御それぞれが実行される前において、インバータ20を構成する各スイッチ22,23は矩形波制御されており、矩形波制御により生成される印加電圧VIの位相は、磁極位置センサ60の出力信号の位相に比べて、位相差δだけ進角している。そのため、印加電圧VIの等価波形の位相は、誘起電圧VYの位相に比べて、位相差δだけ進角している。また、印加電圧VIの電圧ベクトルVivの大きさは、誘起電圧VYの電圧ベクトルωΦの大きさに比べて大きい。そのため、印加電圧VIの等価波形の振幅は、誘起電圧VYの振幅に比べて大きくなっている。
図2(B)に示すように、位相制御では、印加電圧VIと磁極位置センサ60の出力信号とが同位相となるように、インバータ20を構成する各スイッチ22,23がオンオフ操作される。これにより、印加電圧VIの等価波形の位相が、誘起電圧VYの位相と等しくなる。
また、図2(C)に示すように、振幅制御では、印加電圧VIの等価波形と誘起電圧VYとが同振幅となるように、インバータ20の制御が矩形波制御からPWM制御に切り替えられるとともに、インバータ20を構成する各スイッチ22,23のデューティ比Dutyが制御される。そして、このデューティ比Dutyが適切に調整されることにより、印加電圧VIの電圧ベクトルVivの大きさが誘起電圧VYの電圧ベクトルωΦの大きさと等しくなり、印加電圧VIの等価波形の振幅が、誘起電圧VYの振幅と等しくなる。
ところで、振幅制御において、デューティ比Dutyを適切に調整するために、デューティ比Dutyがフィードバック制御(例えばPI制御)されると、巻線切替を開始してから、巻線切替が完了するまでに所定の調整期間TW(図6参照)が必要となる。この調整期間TWが長くなると、回転変動や運転状態の変化により印加電圧VIと誘起電圧VYとを同振幅にできなくなる状況が発生することがあり、通電対象巻線を切り替えることができなくなるおそれがある。
そこで、本実施形態では、上記問題を解決するために、回転電機10の巻線切替時において、制御装置30の記憶部32に予め記憶された第1、第2マップMP1、MP2を参照することによってインバータ20を制御する制御処理を実施する。なお、記憶部32は、例えば、ROM、書き換え可能な不揮発性メモリ等によって構成されている。
第1、第2マップMP1、MP2は、回転速度Ne、つまり誘起電圧VYの振幅に対応してデューティ比Dutyが予め規定されたマップ情報である。具体的には、第1、第2マップMP1、MP2では、誘起電圧VYの振幅が大きいほど、上アームスイッチ22及び下アームスイッチ23のオン時間Tonが長くなるように、デューティ比Dutyが定められている。そのため、制御処理では、第1、第2マップMP1、MP2を参照することによって、インバータ20のデューティ比Dutyがフィードフォワード制御される。これにより、デューティ比Dutyがフィードバック制御される場合に比べて、巻線切替に必要な調整期間TWを短縮することができる。
なお、第1マップMP1は、第1巻線パターンPM1に対応するマップであり、通電対象巻線を第1巻線パターンPM1から第2巻線パターンPM2に切り替える場合に参照される。また、第2マップMP2は、第2巻線パターンPM2に対応するマップであり、通電対象巻線を第2巻線パターンPM2から第1巻線パターンPM1に切り替える場合に参照される。つまり、制御装置30には、各巻線パターンPM1、PM2にそれぞれ対応する複数のマップMP1、MP2が記憶されている。そして、制御装置30は、現在の切替前の巻線パターンPM1、PM2に対応するマップMP1、MP2を参照することによってインバータ20を制御する。
図3に本実施形態の制御処理のフローチャートを示す。この制御処理は、例えばエンジン70の駆動中、制御装置30により所定時間毎に繰り返し実施される。
制御処理を開始すると、まずステップS10において、現在の通電対象巻線が第1巻線パターンPM1であるかを判定する。具体的には、巻線切替回路50に出力している切替信号により現在の通電対象巻線を判定する。
ステップS10で肯定判定すると、ステップS12において、巻線切替要求フラグFDがオン(有効)であるかを判定する。巻線切替要求フラグFDは、具体的には例えば、回転速度Neが所定値Nkよりも大きいと判定された場合にオンされる。また、巻線切替要求フラグFDは、具体的には例えば、トルクアシスト要求が生じた場合にオンされる。制御装置30は、第1巻線パターンPM1では二輪自動車の駆動に必要なトルクが不足する場合には、トルクアシスト要求を生じさせ、第2巻線パターンPM2によりトルクを増加させるようにする。ステップS12で否定判定すると、ステップS20に示すように、通電対象巻線が第1巻線パターンPM1に維持された状態で、制御処理を終了する。
ステップS12で肯定判定すると、ステップS13において、回転速度Neを算出する。続くステップS14において、ステップS13で算出した回転速度Neが第1閾値Ntg1以下であるかを判定する。図5に示すように、第1閾値Ntg1は、電源電圧VDに基づいて設定され、具体的には、通電対象巻線が第1巻線パターンPM1である場合において、誘起電圧VYの振幅が電源電圧VDと等しくなる場合の回転速度Neである。電源電圧VDと第1閾値Ntg1とは比例し、電源電圧VDが大きいほど第1閾値Ntg1が大きくなる関係を有する。
ステップS14で肯定判定すると、つまり、回転速度Neが第1閾値Ntg1以下である場合、ステップS16において、巻線切替処理を実施し、通電対象巻線を第1巻線パターンPM1から第2巻線パターンPM2に切り替える。続くステップS18において、通電対象巻線が第2巻線パターンPM2に切り替えられたことを確認し、制御処理を終了する。
一方、ステップS14で否定判定すると、つまり、回転速度Neが第1閾値Ntg1よりも大きい場合、通電対象巻線の切り替えを禁止する。これにより、ステップS20に示すように、通電対象巻線が第1巻線パターンPM1に維持された状態で、制御処理を終了する。
図4に本実施形態の巻線切替処理のフローチャートを示す。巻線切替処理では、通電対象巻線を切り替えるべく、印加電圧VIの位相制御及び振幅制御が実施される。巻線切替処理を開始すると、まずステップS50において、印加電圧VIの位相制御を実施する。続くステップS52において、第1巻線パターンPM1から第2巻線パターンPM2への巻線切替であるかを判定する。具体的には、現在の通電対象巻線が第1巻線パターンPM1であるかを判定する。
ステップS52で肯定判定すると、つまり、第1巻線パターンPM1から第2巻線パターンPM2への巻線切替である場合、ステップS54において、第1マップMP1を参照してデューティ比Dutyを決定する。具体的には、第1マップMP1において、ステップS13で算出された回転速度Neに対応付けられたデューティ比Dutyを特定し、このデューティ比Dutyに決定する。
一方、ステップS52で否定判定すると、つまり、第2巻線パターンPM2から第1巻線パターンPM1への巻線切替である場合、ステップS56において、第2マップMP2を参照してデューティ比Dutyを決定する。具体的には、第2マップMP2において、ステップS13で算出された回転速度Neに対応付けられたデューティ比Dutyを特定し、このデューティ比Dutyに決定する。
続くステップS58において、印加電圧VIの振幅制御を実施する。具体的には、ステップS54、56で決定したデューティ比Dutyに基づいて、インバータ20を制御する。この結果、切替条件が満たされる。続くステップS60において、巻線切替回路50に出力している切替信号を切り替えることで、通電対象巻線を切り替え、巻線切替制御を終了する。本実施形態において、ステップS50からステップS58までの処理が「制御部」に相当し、ステップS60の処理が「巻線切替部」に相当する。
図3に示す制御処理に戻り、ステップS10で否定判定すると、つまり、現在の通電対象巻線が第2巻線パターンPM2である場合、ステップS22において、巻線切替要求フラグFDがオンであるかを判定する。巻線切替要求フラグFDは、具体的には例えば、回転速度Neが所定値Nkよりも小さいと判定された場合にオンされる。また、巻線切替要求フラグFDは、具体的には例えば、回生要求が生じたと判定された場合にオンされる。制御装置30は、バッテリ40の残容量が下限閾値よりも小さいと判定した場合に回生要求が生じたと判定し、第1巻線パターンPM1により回生発電による発電量を増加させるようにする。ステップS22で否定判定すると、ステップS40に示すように、通電対象巻線が第1巻線パターンPM1に維持された状態で、制御処理を終了する。
ステップS22で肯定判定すると、ステップS23において、回転速度Neを算出する。続くステップS24において、ステップS23で算出した回転速度Neが第2閾値Ntg2以下であるかを判定する。図5に示すように、第2閾値Ntg2は、電源電圧VDに基づいて設定され、具体的には、通電対象巻線が第2巻線パターンPM2である場合において、誘起電圧VYの振幅が電源電圧VDと等しくなる場合の回転速度Neである。電源電圧VDと第2閾値Ntg2とは比例し、電源電圧VDが大きいほど第2閾値Ntg2が大きくなる関係を有する。本実施形態において、ステップS13,S23の処理が「パラメータ取得部」に相当する。
なお、第2巻線パターンPM2は、第1巻線パターンPM1に比べて、通電対象巻線の巻線数が少なく、インダクタンスが小さいため、誘起電圧の振幅が小さい。そのため、同一の電源電圧VDに対応する第1閾値Ntg1と第2閾値Ntg2とを比較すると、第2閾値Ntg2は第1閾値Ntg1よりも大きい。
ステップS24で肯定判定すると、つまり、回転速度Neが第2閾値Ntg2以下である場合、ステップS26において、図4に示した巻線切替制御を実施し、通電対象巻線を切り替える。続くステップS28において、通電対象巻線が第1巻線パターンPM1に切り替えられたことを確認し、制御処理を終了する。
一方、ステップS24で否定判定すると、つまり、回転速度Neが第2閾値Ntg2よりも大きい場合、通電対象巻線の切り替えを禁止する。これにより、ステップS40に示すように、通電対象巻線が第2巻線パターンPM2に維持された状態で、制御処理を終了する。
続いて、図6を用いて、制御処理の一例を示す。図6は、比較例における巻線切替に必要な調整期間TWを示し、特に第1巻線パターンPM1から第2巻線パターンPM2への巻線切替に必要な調整期間TWを示す。比較例とは、上述したように、フィードバック制御によりデューティ比Dutyを調整する構成のことである。図6(a)は、巻線切替要求フラグFDの推移を示し、図6(b)は、デューティ比Dutyの推移を示し、図6(c)は、通電対象巻線の推移を示す。なお、図6(b)、(c)において、実線は、本実施形態の制御処理における各値の推移を示し、破線は、比較例の制御処理における各値の推移を示す。
まず、比較例について説明する。図6(a)に示すように、時刻taにおいて巻線切替要求フラグFDがオンとなると、回転速度Neが第1閾値Ntg1よりも小さい場合、その時刻taにおいて位相制御が実施される。比較例では、振幅制御において、デューティ比Dutyがフィードバック制御される。そのため、図6(b)に示すように、デューティ比Dutyが決定されるタイミングが、時刻taから調整期間TW経過後の時刻tbとなる。その後、図6(c)に示すように、通電対象巻線が切り替えられる。つまり、比較例では、巻線切替が開始されてから巻線切替が完了するまでの調整期間TWが長くなってしまう。
一方、本実施形態では、図6(b)に示すように、時刻taにおいて第1マップMP1を参照してデューティ比Dutyが決定され、振幅制御が実施される。この結果、図6(c)に示すように、迅速に通電対象巻線が切り替えられる。つまり、本実施形態では、比較例に比べて調整期間TWが大幅に短縮される。具体的には、本実施形態では、調整期間TWがほぼゼロとされる。このため、回転電機10の巻線切替を適切に実施することができる。
図7は、二輪自動車の駆動時における回転速度Ne等の推移を示す。図7(a)は、回転速度Neの推移を示し、図7(b)は、第1巻線パターンPM1から第2巻線パターンPM2への切り替えの可否を示し、図7(c)は、第2巻線パターンPM2から第1巻線パターンPM1への切り替えの可否を示す。
図7に示すように、二輪自動車では運転挙動の変化が激しく、これに伴って回転速度Neが大きく変化する。そのため、時刻tcにおいて回転速度Neが第1閾値Ntg1以上となるものの、その後時刻tdにおいて回転速度Neが第1閾値Ntg1よりも小さくなる。そして、その直後の時刻teにおいて回転速度Neが第1閾値Ntg1よりも大きくなる。
時刻tdから時刻teまでの期間TXに、通電対象巻線を第1巻線パターンPM1から第2巻線パターンPM2に切り替えることを考える。この場合に、比較例の制御処理では、巻線切替に調整期間TWが必要とされる。そのため、調整期間TWが期間TXよりも短い場合には、通電対象巻線を、第1巻線パターンPM1から第2巻線パターンPM2に切り替えることができない。この結果、その後の時刻tjまで、通電対象巻線が第1巻線パターンPM1に維持されてしまい、二輪自動車の駆動に必要なトルクが不足する問題が懸念される。
時刻tfにおいて回転速度Neが第2閾値Ntg2以上となるものの、その後時刻tgにおいて回転速度Neが第2閾値Ntg2よりも小さくなる。そして、その直後の時刻thにおいて回転速度Neが第2閾値Ntg2よりも大きくなる。
時刻tgから時刻thまでの期間TYに、通電対象巻線を第2巻線パターンPM2から第1巻線パターンPM1に切り替えることを考える。この場合に、比較例の制御処理では、調整期間TWが期間TYよりも短い場合には、通電対象巻線を、第2巻線パターンPM2から第1巻線パターンPM1に切り替えることができない。この結果、その後の時刻tiまで、通電対象巻線が第2巻線パターンPM2に維持されてしまい、二輪自動車の発電量が不足する問題が懸念される。
本実施形態では、調整期間TWがほぼゼロに短縮される。そのため、通電対象巻線を切替可能な期間TX、TYが短い場合であっても、通電対象巻線を切り替えることができる。これにより、回転電機10の巻線切替を確実に実施することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
回転電機10の巻線切替では、切替条件が満たされた場合に通電対象巻線を切り替えるため、固定子巻線14の各相に流れる電流をゼロとした状態で通電対象巻線を切り替えることができ、サージ電圧の発生を抑制することができる。一方、固定子巻線14の各相に流れる電流をゼロとするために、デューティ比Dutyがフィードバック制御されると、巻線切替に必要な調整期間TWが長期化し、通電対象巻線を適切に切り替えることができない等の問題が生じる。
本実施形態の制御システム100は、制御装置30の記憶部32に、回転速度Ne、つまり誘起電圧VYの振幅に対応してデューティ比Dutyが予め規定されたマップ情報である第1,第2マップMP1,MP2が記憶されている。そのため、回転電機10の巻線切替時に、この第1,第2マップMP1,MP2を参照することによって、デューティ比Dutyを決定することができる。この結果、デューティ比Dutyをフィードフォワード制御することができ、フィードバック制御する場合に比べて巻線切替に必要な調整期間TWを短縮することができる。
特に本実施形態では、デューティ比Dutyをフィードバック制御しないため、フィードバック制御のために固定子巻線14の各相に流れる電流を検出する必要がない。そのため、固定子巻線14の各相に流れる電流を検出する電流センサを設ける必要がなく、制御システム100の構成を簡略化することができる。
回転電機10では、回転電機10の駆動中に誘起電圧VYを直接検出することができない。一方、回転速度Neは誘起電圧VYの振幅に比例するため、回転速度Neを算出することにより誘起電圧VYの振幅を間接的に取得することができる。そして、第1,第2マップMP1,MP2では、この回転速度Neに対応してデューティ比Dutyが予め規定されている。そのため、誘起電圧VYの振幅として回転速度Neを算出することで、この算出された回転速度Neを用いて、デューティ比Dutyを迅速に決定することができる。
誘起電圧VYの振幅として回転速度Neを算出する場合、回転速度Neに対応する誘起電圧VYの振幅は、第1,第2巻線パターンPM1,PM2、つまり通電対象巻線の数により変化する。そのため、第1,第2巻線パターンPM1,PM2が異なると、デューティ比Dutyの適正値が異なる。
本実施形態では、各巻線パターンPM1,PM2にそれぞれ対応する複数のマップMP1,MP2を有する。そのため、各マップMP1,MP2には、対応する巻線パターンPM1,PM2に応じたデューティ比Dutyを記憶しておくことができる。これにより、誘起電圧VYの振幅として回転速度Neを検出した場合でも、誘起電圧VYの振幅を適正値とすることができる。
本実施形態では、算出された回転速度Neを第1,第2閾値Ntg1,Ntg2と比較し、回転速度Neが第1,第2閾値Ntg1,Ntg2よりも小さい場合に、通電対象巻線を切り替える。
例えば増幅することなく電源電圧VDから印加電圧VIを生成する場合、印加電圧VIの振幅は、電源電圧VDよりも小さくなる。このように、印加電圧VIの振幅は、電源電圧VDにより制限を受けており、この制限内において誘起電圧VYと印加電圧VIとを同一振幅とする必要がある。
本実施形態では、この電源電圧VDによる制限を回転電機10の回転速度Neに換算した第1,第2閾値Ntg1,Ntg2を有し、この第1,第2閾値Ntg1,Ntg2により通電対象巻線を切り替えるか否かを判定する。そのため、電源電圧VDの制限内において誘起電圧VYと印加電圧VIとを同一振幅とすることができる。
また、本実施形態では、回転速度Neが第1,第2閾値Ntg1,Ntg2よりも大きい場合に、通電対象巻線の切り替えを禁止する。つまり、電源電圧VDの制限内において誘起電圧VYと印加電圧VIとを同一振幅とできない場合には、通電対象巻線の切り替えを禁止する。これにより、通電対象巻線の切り替えにおいて、サージ電圧が発生することを好適に抑制することができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、先の第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、図8に示すように、巻線切替処理が異なる。なお、図8には、本実施形態に係る巻線切替処理のフローチャートを示す。図8において、先の図4に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態の巻線切替処理が、第1実施形態の巻線切替処理と異なる点は、クランク軸72のクランク角CAに基づいて、参照するデューティ比Dutyを補正する点である。
上述したように、クランク角CAは、磁極位置センサ60の出力信号に基づいて算出される。そして、制御装置30は、算出されたクランク角CAから、エンジン70が、その燃焼サイクルを構成する1燃焼サイクル(吸気、圧縮、燃焼、排気)のどの行程であるかを判定することができる。
図9に示すように、エンジン70の燃焼サイクルでは、吸気、圧縮、燃焼、排気の各行程が繰り返し行われており、クランク軸72の回転速度が変動する。これに伴って、回転電機10では回転速度Neが変動する。具体的には、1燃焼サイクルにおける回転速度Neの時間平均値を平均回転速度Navとすると、吸気及び圧縮行程では、回転速度Neが平均回転速度Navよりも減少する傾向にあり、燃焼及び排気行程では、回転速度Neが平均回転速度Navよりも増加する傾向にある。
制御装置30は、磁極位置センサ60の出力信号に基づいて、ロータ11の平均回転速度Navを算出し、算出された平均回転速度Navに基づいてデューティ比Dutyを決定する。そのため、図9に示すように、算出されたクランク角CAが圧縮行程に属する第1クランク角CA1である場合、平均回転速度Navが実際の回転速度Neよりも大きいため、実際の回転速度Neに対して比較的大きいデューティ比Dutyに決定されてしまう。
また、算出されたクランク角CAが排気行程に属する第2クランク角CA2である場合、平均回転速度Navが実際の回転速度Neよりも小さいため、実際の回転速度Neに対して比較的小さいデューティ比Dutyに制御されてしまう。そのため、誘起電圧VYと印加電圧VIとを同一振幅とすることができず、サージ電圧の抑制効果が低減し得る。
そこで、本実施形態では、クランク角CAに基づいて決定したデューティ比Dutyを補正する。クランク角CAと1燃焼サイクルにおける各行程は一対一で対応するため、このクランク角CAから、平均回転速度Navに対する実際の回転速度Neの第1,第2変動量RE1,RE2を予想することができる。本実施形態では、平均回転速度Navから実際の回転速度Neを差し引いた値を変動量とする。そして、この第1,第2変動量RE1,RE2に基づいて、第1,第2マップMP1,MP2を用いて決定されたデューティ比Dutyを補正することで、サージ電圧の発生を抑制することができる。具体的には例えば、第1クランク角CA1では、平均回転速度Navが実際の回転速度Neよりも大きいため、第1変動量RE1が正の値となる。そのため、制御装置30は、デューティ比Dutyが小さくなるようにデューティ比Dutyを補正する。また、具体的には例えば、第2クランク角CA2では、平均回転速度Navが実際の回転速度Neよりも小さいため、第2変動量RE2が負の値となる。そのため、制御装置30は、デューティ比Dutyが大きくなるようにデューティ比Dutyを補正する。
次に、図8に示す本実施形態の巻線切替処理について説明する。巻線切替処理では、ステップS54,S56においてデューティ比Dutyを決定すると、ステップS70において、クランク角CAを算出する。続くステップS72において、ステップS70で算出されたクランク角CAに基づいて、デューティ比Dutyを補正する。本実施形態において、ステップS70の処理が「位置情報取得部」に相当する。
以上説明したように、本実施形態では、回転電機10の巻線切替時におけるクランク角CAを算出し、この算出されたクランク角CAに基づいて、第1,第2マップMP1,MP2に基づいて決定されたデューティ比Dutyを補正する。クランク角CAとエンジン70の1燃焼サイクルにおける各行程は一対一で対応するため、このクランク角CAから、平均回転速度Navに対する実際の回転速度Neの第1,第2変動量RE1,RE2を予想することができる。そして、この第1,第2変動量RE1,RE2に基づいて、デューティ比Dutyを補正することで、サージ電圧の発生を好適に抑制することができる。
(その他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、次のように実施されてもよい。
上記各実施形態では、固定子巻線14が2つの巻線15,16を備える例を示したが、これに限られず、3つ以上の巻線を備えており、3つ以上の巻線パターンのいずれかが通電対象巻線に切り替えられてもよい。
上記各実施形態では、固定子巻線14を構成する第1,第2巻線15,16が、それぞれ単独の巻線により構成される例を示したが、これに限られない。例えば、第1巻線15は、各第1巻線15を構成する3つの単位巻線が並列に接続されて構成されていてもよい。また、第2巻線16は、各第2巻線16を構成する3つの単位巻線が直列に接続されて構成されていてもよい。
上記実施形態では、固定子巻線14がY結線されている例を示したが、これに限られず、Δ結線されていてもよい。
上記実施形態では、通電巻線を間引く巻線切替制御を例示したが、これに限られず、Y結線とΔ結線とを切り替える巻線切替制御が実施されてもよい。
上記各実施形態では、誘起電圧VYの振幅として回転速度Neを取得する際に、磁極位置センサ60の出力信号に基づいて回転速度Neを算出する例を示したが、これに限られない。例えば、自動二輪車の車速から回転速度Neを取得してもよい。また、自動二輪車が変速機を有している場合には、自動二輪車の車速と変速機のギア比とから回転速度Neを取得してもよい。具体的には、自動二輪車の車速から算出される車軸の回転速度から、又はこの車軸の回転速度をギア比で除算することによって、回転速度Neを算出することができる。本実施形態において、自動二輪車の車速と変速機のギア比とが「相関値」に相当する。
上記各実施形態では、第1、第2マップMP1、MP2において、デューティ比Dutyが回転速度Neにのみ対応付けられている例を示したが、これに限られない。例えば、第1,第2マップMP1,MP2において、デューティ比Dutyが回転速度Neと電源電圧VDとに対応付けられていてもよい。電源電圧VDはバッテリ40の残容量により変動し、電源電圧VDが変動すると回転速度Neが変動する。第1,第2マップMP1,MP2において、デューティ比Dutyが回転速度Neと電源電圧VDとに対応付けられていることで、バッテリ40の残容量の変動に起因してサージ電圧が発生することを好適に抑制することができる。
上記各実施形態では、巻線切替要求フラグFDとして、回転速度Ne、回生要求、トルクアシスト要求によるものを例示したが、これに限られない。例えば、ユーザから切替指示があったか否かを判定してもよい。また、自動二輪車の車速が所定速度よりも小さいか否かを判定してもよい。
上記各実施形態では、回転電機10が、ロータ11に永久磁石12が設けられた永久磁石界磁型回転電機である例を示したが、これに限られず、例えばロータ11に磁極部として界磁巻線が設けられた界磁巻線型回転電機であってもよい。この場合、第1,第2マップMP1,MP2のパラメータとして界磁巻線に流す界磁電流(界磁磁束)を追加すればよい。
PWM制御として、1電気角周期Tdw内においてデューティ比Dutyが一定ではなく、誘起電圧VYの振幅にあわせてデューティ比Dutyを変化させる制御が実施されてもよい。この制御は、例えば、印加電圧VIの等価波形とキャリア信号との大小関係に基づくPWM制御である。
10…回転電機、14…固定子巻線、20…インバータ、22…上アームスイッチ、23…下アームスイッチ、30…制御装置、40…バッテリ、60…磁極位置センサ、100…車載モータ制御システム、MP1…第1マップ、MP2…第2マップ。

Claims (6)

  1. 巻数が互いに異なる複数の巻線パターン(PM1,PM2)のいずれかを通電対象巻線に切替可能な回転電機(10)と、
    直流電源(40)に接続され、相ごとに設けられたスイッチ(22,23)をオンオフさせることにより前記通電対象巻線に通電させるインバータ(20)と、を備えるシステム(100)に適用される制御装置(30)であって、
    前記回転電機の誘起電圧の振幅と相関を有するパラメータを取得するパラメータ取得部と、
    前記インバータから前記通電対象巻線に印加される印加電圧の等価波形の振幅及び位相が前記通電対象巻線に発生する誘起電圧の振幅及び位相と同一であるとの切替条件を満たすように前記インバータを制御する制御部と、
    前記切替条件が満たされた場合に前記通電対象巻線を切り替える巻線切替部と、
    前記スイッチのオン時間を規定するデューティ比(Duty)と前記パラメータとが対応付けられたマップ(MP1,MP2)であって、前記切替条件を満たすように設定されたマップが記憶される記憶部(32)と、を備え、
    前記制御部は、前記マップと、取得された前記パラメータとに基づいて、前記デューティ比を決定し、決定した前記デューティ比に基づいて、前記インバータを制御し、
    前記巻線切替部は、前記切替条件が満たされた場合に前記通電対象巻線を切り替える制御装置。
  2. 前記パラメータ取得部は、前記パラメータとして、前記回転電機の回転速度(Ne)又はその相関値を取得し、
    前記記憶部には、前記回転電機の回転速度と対応付けられた前記デューティ比が記憶されている請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記回転電機のロータと、エンジン(70)のクランク軸(72)とは動力伝達可能とされており、
    前記クランク軸の基準位置からの回転角度位置であるクランク角(CA)の情報を取得する位置情報取得部を備え、
    前記制御部は、取得された前記クランク角に基づいて、決定した前記デューティ比を補正し、補正した前記デューティ比に基づいて、前記インバータを制御する請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記記憶部には、前記各巻線パターンに対応する複数の前記マップが記憶されており、
    前記制御部は、現在の前記巻線パターンに対応する前記マップに基づいて、前記インバータを制御する請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の制御装置。
  5. 前記巻線切替部は、前記回転電機の回転速度が前記直流電源の電源電圧に基づいて設定される閾値(Ntg1,Ntg2)以下である場合に、前記通電対象巻線を切り替える請求項4に記載の制御装置。
  6. 前記巻線切替部は、前記回転電機の回転速度が前記閾値よりも大きい場合に、前記通電対象巻線の切り替えを禁止する請求項5に記載の制御装置。
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