JP3470089B2 - 圧縮機モータのトルク制御装置 - Google Patents

圧縮機モータのトルク制御装置

Info

Publication number
JP3470089B2
JP3470089B2 JP2000220792A JP2000220792A JP3470089B2 JP 3470089 B2 JP3470089 B2 JP 3470089B2 JP 2000220792 A JP2000220792 A JP 2000220792A JP 2000220792 A JP2000220792 A JP 2000220792A JP 3470089 B2 JP3470089 B2 JP 3470089B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
torque
mechanical
position detection
torque control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000220792A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002044985A (ja
Inventor
浩幸 亀山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2000220792A priority Critical patent/JP3470089B2/ja
Publication of JP2002044985A publication Critical patent/JP2002044985A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3470089B2 publication Critical patent/JP3470089B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は圧縮機モータの制
御装置に関し、特に、空気調和機や冷蔵庫などの圧縮機
の駆動において、圧縮サイクル1回転中の負荷変動に起
因する振動・騒音に対し、特にインバータ電源を用いて
モータトルクを制御することで、圧縮機の低振動・低騒
音化を図った圧縮機モータの制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より一般的に空気調和機、冷蔵庫な
どに用いられている圧縮機は冷凍サイクルの重要な構成
部品であり、冷媒を圧縮させて高温・高圧状態にし熱交
換を行っている。通常この圧縮動作は、大きく3つの過
程に分けられ、まず圧縮機内部のシリンダ内に冷媒を満
たす吸入過程があり、次にシリンダ内の冷媒を圧縮する
圧縮過程があり、最後に圧縮した冷媒を圧縮機外部に放
出する吐出過程がある。
【0003】また、圧縮機はその圧縮機構により、ロー
タリ方式、レシプロ方式、スクロール方式などがある。
なかでもロータリ方式は他方式に比べ、構造が簡単で部
品点数も少なく、低コストであり、シリンダ部分の構造
により圧縮効率も良く、高効率化が容易である。
【0004】ただし、このロータリ方式は圧縮動作を行
うために、偏心したロータリピストンがシリンダ内部で
回転することにより、吸入・圧縮・吐出の各工程を行っ
ている。このため1回転中の吸入・圧縮・吐出による負
荷変動と回転軸の偏心により、振動や騒音が大きくなる
といった問題があった。
【0005】シリンダ部分を2つとして、ロータリピス
トンを180°回転をずらして、お互いの振動を打ち消
すようにしたツインロータリ方式も実用化されている
が、シリンダ部が1つのシングルロータリ方式に比べ、
構造が複雑になりコストが上がり、効率も低下するとい
った要因があった。
【0006】このためシングルロータリ方式のモータト
ルクを制御して振動・騒音を抑制する方法が考案されて
いる。この方法は、負荷トルクの大きい位置では、モー
タトルクを大きくし、逆に負荷トルクの小さくなる位置
では、モータトルクをカットして、1回転中のロータ速
度を一定にして、振動を低減させるものである。
【0007】この種の方法としては、コンプレッサの吸
込行程及び圧縮行程による負荷トルク変動に対応するよ
うに予め記憶手段に記憶されているトルクパターンを用
い、ロータ機械的位置決定手段から出力されるロータ機
械的位置に応じてインバータ装置の出力電圧を変化さ
せ、1回転中におけるトルク制御を行なう方法がある。
【0008】以上のような1回転中の負荷変動が大きい
シングルロータリ構造の圧縮機において、ロータ機械的
位置を決定し、トルクパターンを用いてトルクを制御す
るモータの制御方法の従来例として、特開平6−905
88号公報に記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記モ
ータの制御方法においては、ロータ機械的位置を決定す
る際、1回転中の最小速度を検出することにより回転子
の機械的位置を決めている。このため、圧縮機を変更し
てもソフトウェアの変更なくロータ機械的位置を判定で
きる利点はあるが、速度差が小さい隣り合う位置検出間
隔同士の速度の大小判定も正確に行えるだけの位置検出
間隔測定精度及び回転速度算出精度が必須であり、高機
能なマイクロコンピュータが必要となるためコストが高
くなるという課題がある。また、ノイズや位置検出回路
の精度の問題で機械的位置と記憶させていたトルクパタ
ーンのデータとの対応が例えば位置検出間隔1つ分だけ
ずれてしまうなど、十分な振動抑制能力を発揮できない
可能性がある。
【0010】それゆえに、この発明は高機能なマイクロ
コンピュータを必要としない安価な圧縮機モータのトル
ク制御装置を提供することにある。
【0011】また、簡単な構成で機械的位置と記憶させ
ていたトルクパターンのデータとの対応がずれてしまう
危険性のない圧縮機モータのトルク制御装置を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、圧縮機製造
工程において、ロータ磁石、ステータ巻き線、シリン
ダ、ローラ、シャフト、バランサの位置関係が常に同じ
となるように製造すれば、ロータ機械的位置と負荷トル
クの相関位置関係は1つのパターンに決定できることに
着目し、ロータ機械的位置を判定している。
【0013】例えば、4極ブラシレスモータでは、機械
角180°が電気角360°となりる。位置信号から電
気角の検出は可能であるため、位置信号の出力パターン
が等しい機械角180°位相のずれたロータ位置の判
別、つまりロータが機械角0°(電気角0°)から機械
角180°(電気角360°)内にあるのか、機械角1
80°(電気角360°)から機械角360°(電気角
720°)内にあるのかの判別さえ行なえれば、ロータ
機械的位置を決定できる。ロータ機械的位置さえ判別で
きれば、予め実験により測定したロータ機械的位置と負
荷トルクの関係からトルクパターンを作成し、トルク制
御を行なうことが可能である。
【0014】また、従来例では、ノイズや位置検出回路
の精度の問題で機械的位置と記憶させていたトルクパタ
ーンのデータとの対応が例えば位置検出間隔1つ分だけ
ずれてしまう可能性があったが、この発明は位置信号の
出力パターンが等しい機械角180°位相のずれたロー
タ位置の判別を行なうのみであるから、従来例のように
機械的位置と記憶させていたトルクパターンのデータと
の対応がずれてしまう危険性がない。
【0015】また、この発明は、1回転の負荷変動があ
る周期性を持つ圧縮機と、圧縮機の出力軸を駆動する機
械角に対して電気角が2倍となるロータ極数が極のブ
ラシレスモータと、ブラシレスモータを駆動するための
インバータ電源と、ブラシレスモータの予め測定され
荷トルクの変動パターンに基づいたトルクパターンを
記憶する記憶手段と、ブラシレスモータの誘起電圧を検
出してロータ位置を検出するロータ位置検出手段と、
ータ位置検出手段の位置検出信号に基づいてブラシレス
モータの転流タイミングを決定し、目標速度と記憶手段
に記憶されているトルクパターンに応じて印加電圧また
は電流を可変する制御手段とを備えたブラシレスモータ
の速度制御装置において、ロータ位置検出手段は、ブラ
シレスモータの各相巻線を接続した仮想中性点から得ら
れる基準電圧を検出する基準電圧検出手段と、複数極の
磁石を有するロータが回転することで発生する誘起電圧
を検出する各相毎の誘起電圧検出手段と、基準電圧検出
手段で検出された基準電圧と誘起電圧検出手段によって
検出された各相誘起電圧とを比較してロータ位置情報を
検出する比較検出手段と、比較検出手段の情報に基づい
て、ロータの機械的位置を決定するロータ機械的位置決
定手段と、ロータ機械的位置決定手段によってロータ機
械的位置が決定していることを確認し、決定後にトルク
制御を許可するトルク制御許可判定手段とを含み、ロー
タの機械的位置は、ロータが機械角についての0°から
180°の第1の範囲および180°から360°の第
2の範囲のいずれの内にあるかの判別ならびに電気角に
よって認識され、ロータ機械的位置決定手段は、ロータ
の機械的な1回転をインバータ電源の信号パターンに対
応させて複数区間に分割して区間毎に位置検出間隔Tn
を検出し、複数区間からインバータ電源の所定の信号パ
ターンによって特定される連続する所定の3区間を選定
して、さらに、所定の3区間とそれぞれ電気角で180
°ずつ離れた後続の3つの区間との間で位置検出間隔の
大小を比較して、ロータの機械的位置の認識が180°
ずれているかどうかを判定し、トルク制御許可判定手段
によるトルク制御許可時は、ロータの機械的位置に適し
たトルクパターンのデータを記憶手段から読み出し、こ
のトルクパターンに基づいてブラシレスモータの速度制
御装置で決定された印加電圧または電流を補正するもの
である。
【0016】また、初期状態において、所定の3区間の
位置検出間隔が機械角の第1の範囲と対応するようにロ
ータの機械的位置の認識は仮設定され、かつ、圧縮機が
吸入から圧縮に至る区間が機械角の第1の範囲と対応
し、圧縮機が圧縮から排出に至る区間が機械角の第2の
範囲と対応する場合には、ロータ機械的位置決定手段
は、所定の3区間の位置検出間隔が後続の3つの区間の
位置検出間隔よりそれぞれ大きいときには、ロータの機
械的位置の認識が機械角で180°ずれていると判定し
て、ロータが機械角の第1および第2の範囲のいずれの
内にあるかの判別を入れ替えるように指示するものであ
る。
【0017】また、1回転の負荷変動がある周期性を持
つ圧縮機と、圧縮機の出力軸を駆動する機械角に対して
電気角が2倍となるロータ極極のブラシレスモー
タと、ブラシレスモータを駆動するためのインバータ電
源と、予め測定されたブラシレスモータの負荷トルクの
変動パターンに基づいたトルクパターンを記憶する記憶
手段と、ブラシレスモータの誘起電圧を検出してロータ
位置を検出するロータ位置検出手段と、ロータ位置検出
手段による位置検出信号に基づいてブラシレスモータの
転流タイミングを決定し、目標速度とトルクパターンと
に応じて印加電圧または電流を可変する制御手段とを
えたブラシレスモータの速度制御装置において、ロータ
位置検出手段は、ブラシレスモータの各相巻線を接続し
た仮想中性点から基準電圧を検出する基準電圧検出手段
と、複数極の磁石を有するロータが回転することで発生
する誘起電圧を検出する各相毎の誘起電圧検出手段と、
基準電圧検出手段によって検出された基準電圧と、誘起
電圧検出手段によって検出された各相誘起電圧を比較
してロータ位置情報を検出する比較検出手段と、比較検
出手段の情報に基づいて、ロータの機械的位置を決定す
るロータ機械的位置決定手段と、ロータ機械的位置決定
手段によってロータ機械的位置が決定していることを確
し、決定後にトルク制御を許可するトルク制御許可判
定手段とを含み、ロータの機械的位置は、ロータが機械
角についての0°から180°の第1の範囲および18
0°から360°の第2の範囲のいずれの内にあるかの
判別ならびに電気角によって認識され、ロータ機械的位
置決定手段は、ロータの機械的な1回転をインバータ電
源の信号パターンに対応させて複数区間に分割して区間
毎に位置検出間隔Tnを検出し、予め実験によって最も
位置検出間隔の差が大きい機械角180°離れた区間同
士が特定されている場合には、区間同士の位置検出間隔
を比較して、位置検出間隔が短い方の区間が圧縮機の圧
縮機が吸入から圧縮に至る区間と対応するように、ロー
タの機械的位置を決定し、トルク制御許可判定手段によ
トルク制御許可時は、ロータの機械的位置に適したト
ルクパターンのデータを記憶手段から読み出し、このト
ルクパターンに基づいてブラシレスモータの速度制御装
置で決定された印加電圧または電流を補正する。
【0018】
【0019】
【0020】さらに、圧縮機モータの制御装置におい
て、ロータ機械的位置決定手段によりロータ機械的位置
を決定した後すぐにトルク制御を許可するのではなく、
所定時間経過した後、再度、位置検出間隔の測定と大小
比較を行ない、その大小比較結果が予め記憶しているパ
ターンと一致していることを1回以上確認し、一致して
いる場合は、トルク制御を許可し、不一致の場合は、ロ
ータ機械的位置判定をやり直すあるいはモータを停止さ
せる。
【0021】
【0022】さらに、圧縮機モータの制御装置におい
て、ロータ機械的位置決定手段における大小比較はモー
タ起動時の位置検出信号に関係なく強制的に転流を行な
う同期モードから位置検出信号を用いて転流を行なうセ
ンサレスモードに移行したのち直ちに行なう。
【0023】さらに、圧縮機モータの制御装置におい
て、トルク制御時に位置検出間隔を測定し、インバータ
駆動信号パターンが同一となる電気角で360°離れた
区間同士の位置検出間隔のうち1組あるいは複数組の大
小比較を行ない、その大小比較結果が予め記憶している
パターンと一致していることを1回以上確認し、不一致
の場合はトルク制御を禁止し、ロータ機械的位置判定を
やり直すあるいはモータを停止させる。
【0024】さらに、圧縮機モータの制御装置におい
て、トルク制御時に位置検出間隔を測定し、位置検出間
隔差の算出を行い、その算出結果とモータ回転数毎に予
め記憶している基準位置検出間隔差とを比較し、算出し
た位置検出間隔差の方が大きい場合は、トルク制御を禁
止し、ロータ機械的位置判定をやり直すあるいはモータ
を停止させる。
【0025】さらに、圧縮機モータの制御装置におい
て、圧縮機の振動を検出する振動検出手段を設け、その
検出結果を予め記憶している基準振動値と比較し、振動
検出手段の検出値の方が大きい場合は、トルク制御を禁
止し、ロータ機械的位置判定をやり直すあるいはモータ
を停止させる。
【0026】さらに、圧縮機モータの制御装置におい
て、基準電圧と誘起電圧とを比較して複数区間に分割さ
れる位置検出間隔と同じ区間毎に、インバータ部に流れ
る直流電流を検出する直流電流検出手段を設け、トルク
制御時に区間毎の直流電流値を測定し、インバータ駆動
信号パターンが同一となる電気角で360°離れた区間
同士の直流電流値のうち1組あるいは複数組の大小比較
を行ない、その大小比較結果が予め記憶しているパター
ンと一致していることを1回以上確認し、不一致の場合
はトルク制御を禁止し、ロータ機械的位置判定をやり直
すあるいはモータを停止させる。
【0027】さらに、圧縮機モータの制御装置におい
て、処理は予め設定した時間間隔で行なう。
【0028】さらに、圧縮機モータの制御装置におい
て、基準電圧と誘起電圧とを比較して複数区間に分割さ
れる位置検出間隔と同じ区間毎に、インバータ電源に流
れる直流電流を検出する直流電流検出手段を設け、区間
毎に検出した直流電流値に基づいて、区間毎の位置検出
間隔Tnを修正する修正手段を設けたものである。
【0029】さらに、圧縮機モータの制御装置におい
て、ロータ位置検出手段をブラシレスモータの各相巻線
から結線された仮想中性点による基準電圧検出手段の代
わりに、インバータ入力電圧を分圧した基準電圧検出手
段にしたものである。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施形態につ
いて、図面を参照しながら説明する。
【0031】実施形態1 図1はこの発明の圧縮機モータ速度制御装置の実施形態
1を示すブロック図である。図1において、交流電源1
から商用電源の交流電圧がリアクタ6を介して整流回路
2に与えられる。リアクタ6は平滑回路部での力率低下
を改善するための力率改善回路として挿入されている。
整流回路2は交流電圧を直流電圧に整流し、平滑回路3
によって直流電圧のリップル分が平滑化される。図1で
は、整流回路2として全波整流回路が用いられている
が、倍電圧整流回路を用いてもよい。
【0032】整流された直流電圧はインバータ回路4に
与えられる。インバータ回路4は6個の半導体スイッチ
ング素子4a〜4fが3相ブリッジ状に結線されてお
り、インバータ4の出力電圧は3相ブラシレスモータ5
に供給されている。
【0033】なお、インバータ回路4には回生電流を流
し、素子保護のために各々の半導体スイッチング素子4
a〜4fに対してダイオード4g〜4lが並列接続され
ている。
【0034】ブラシレスモータ5の3相各巻線には誘起
電圧検出回路7a〜7cの入力が接続され、これらの誘
起電圧検出回路7a〜7cによってロータ磁極位置に応
じた誘起電圧が検出され、その検出電圧は比較検出回路
9a〜9cの比較入力端に与えられる。比較検出回路9
a〜9cの基準入力端には基準電圧検出回路8から基準
電圧が与えられる。基準電圧検出回路8はブラシレスモ
ータ5の3相各巻線を結線することで下相中性点を作っ
た基準電圧を出力する。
【0035】比較検出回路9a〜9cは検出された誘起
電圧と基準電圧とを比較し、ロータ位置に応じたパルス
信号を出力する。ロータが4極の場合、1回転あたり1
2個のパルスが発生されて制御回路10に与えられる。
制御回路10は検出されたロータ位置信号に基づいて、
インバータ回路4の各半導体スイッチング素子4a〜4
fを転流させる駆動信号を作成してドライブ回路11に
出力する。ドライブ回路11では、デューテイ比が変更
されることでブラシレスモータ5に印加される電圧また
は電流が変更され、回転数およびトルクを制御でさる。
【0036】図2は、誘起電圧によるロータ位置信号の
検出方法を示す図である。図2の(a)は、ブラシレス
モータの各巻線からの誘起電圧波形と基準電圧を示して
いる。ブラシレスモータのロータ磁極が4極であれば1
回転すると磁極の変化が4回発生するので、誘起電圧波
形は2周期分発生する。またブラシレスモータは3相ス
ター結線されており、各々の巻線で発生した誘起電圧波
形は、120°ずつ位相がずれた状態になる。この誘起
電圧と基準電圧とを比較した結果が、(b)のロータ位
置信号波形である。
【0037】誘起電圧が基準電圧より大きいときは比較
結果が「H」レベルに、逆に小さいときには「L」レベ
ルになるように出力すると、磁極の変化する誘起電圧波
形のゼロクロス点で、立ち上がりまたは立ち下がりエッ
ジのパルスが得られる。このエッジパルスは1回転で1
2個発生し、ロータの絶対位置を12個の区間で検出で
きる。ただし(a)の誘起電圧波形と(b)のロータ位
置信号波形では、同巻線では同位相になるように示して
いるが、実際は誘起電圧検出手段の方法により、誘起電
圧とロータ位置信号には位相の遅れがでる。
【0038】制御部10ではこのロータ位置信号に基づ
いて、ブラシレスモータを駆動する信号を作成する。駆
動信号(c)は、例えばロータ位置信号Huの立ち上が
りエッジが検出されれば、U相の上アームのスイッチン
グ素子(図1では4a)をONさせる。次にHvの立ち
上がりエッジが検出されると、U相上アームのスイッチ
ング素子をOFFさせ、V相上アームのスイッチング素
子をONさせる。Hwの立ち下がり信号が検出される
と、V相下アームのスイッチング素子からW相下アーム
のスイッチング素子を転流させる。このようにロータ位
置信号のエッジを検出する毎に順次インバータ回路4の
スイッチング素子を転流させて、ブラシレスモータ5を
駆動する。
【0039】また、回転数とトルクを制御するため、通
常駆動信号にPWMチョッピングを重畳させて、モータ
印加電圧、電流を制御する。図2では上アームのみにP
WMチョッピングしているが、下アームであってもよい
し、上下アームであってもよい。このロータ位置検出信
号は、ロータの絶対位置と同期しており、ロータ1回転
を12個の区間に分割でき、12個の位置検出間隔情報
T0〜T11として検出できる。
【0040】このとき、上記制御部10は、予め記憶手
段に記憶されたトルクパターンを読み出し、PWM出力
のデューティ比を制御する。これにより、ブラシレスモ
ータの出力トルクがトルクパターンにしたがって増減さ
れ、負荷トルクに応じたトルク制御が行われるため、ブ
ラシレスモータの1回転中の回転数変動が抑えられる。
【0041】図3は、1回転中の負荷変動の大きいシン
グルロータコンプレッサを複数のトルクパターンを用い
て制御した場合のトルク特性を示す。
【0042】制御回路10は予めロータの機械的位置ご
とのトルク補償量である図4に示すようなデータ(トル
クパターン)を予めROMに記憶している。ROMに記
憶するデータとしては、モータトルクをPWMデューテ
ィ比により制御する場合、PWMデューティ比の補償量
であり、概ね負荷トルクの大きい区間は電流が大きくな
るようにPWMデューティ比が補償され、負荷トルクの
小さい区間は電流が小さくなるようにPWMデューティ
比が補償される。しかし、圧縮機の振動,騒音が低く、
またブラシレスモータの効率が高くなるように、実験や
シミュレーションにより調整を行ない、決定される。ま
た、その補償量も負荷に応じて変化させる必要がある。
そこで、回転数を複数の領域に分け、回転数に対応して
いるトルクパターンを記憶手段から読出して用いること
により、制御性能を向上することができる。
【0043】そして、ロータ機械的位置に対応した状態
に応じて所定のPWMデューティ比補償量がこの記憶部
から読出されて各ロータ機械的位置ごとのPWMデュー
ティ比が制御される。
【0044】ここで、ステートとは、図5に示すよう
に、ロータ1回転を各通電モード、つまり転流ごとに分
割したものであり、4極ブラシレスモータでは12分割
され、ステート0〜ステート11までの12ステートを
持つ。ただし、ステートsとステートs+6(s:0〜
5の整数)の通電モードは同一である。
【0045】このようなトルクパターンを用いた圧縮機
モータのトルク制御方法においてはロータの機械的位置
とトルクパターンの位相との対応をとる必要があり、イ
ンバータ通電モードから検出できるロータの電気的位置
ではなく機械的位置の検出が必要である。例えば、4極
ブラシレスモータでは、機械角180°が電気角360
°となり、インバータ通電モードが同一である機械角1
80°位相のずれたロータ位置判別が必要となる。
【0046】図2に示すような位置検出信号から1回転
中の位置検出間隔差を算出すると図6のようになる。図
6(b)は、圧縮機の1回転中の負荷トルク変動を示し
ている。圧縮機は、1回転中に大きく3つの過程(吸入
・圧縮・排出)の行程があるため、負荷トルクが大きく
変動する。吸入状態から冷媒が圧縮されていくにしたが
い負荷トルクは急激に増加し、吐出弁が開き冷媒が排出
されると、負荷トルクは減少していく。このとき、1回
転中のインバータ回路のPWMデューテイ比が一定であ
れば、負荷トルクの変動分だけ、実際にモータに印加さ
れるトルクは減少し、ロータの角加速度も小さくなって
いく。負荷トルクが大きく変化する区間(加速度の変化
が大きく変化する)区間は、速度つまりロータ位置信号
から検出される位置検出間隔も大きく変化する。これに
より図6(d)のように1回転中のロータ位置検出間隔
から負荷変動状態を検出できる。
【0047】つまり、コンプレッサの圧縮一吸入行程
(ロータ位置)とステートの関係を図6に示すように定
義すると、ステート6〜8の負荷トルクが他と比べて大
きく、ステート0〜2の負荷トルクが他と比べて小さく
なっている。そのため、全ステートに対してモータトル
ク一定の場合、ステート6〜8ではロータは減速され、
ステート0〜2では加速される。
【0048】ここで圧縮機の運動方程式を下記に示す。
【0049】
【数1】
【0050】ここで、モータトルクτMが一定であり、
負荷トルクτLが正弦波状(実際には、図6の圧縮機負
荷特性に示すような波形)に変化すると仮定すると、残
差トルクΔτも正弦波状となる。式(1)よりΔτと加
速度dωR/dtは同相であり、速度ωRは加速度の時
間積分であるから、正弦波状の加速度の変化に対して速
度変化は機械角で90°遅れる。電気角60°である1
ステート分の区間は、4極モータでは機械角30°とな
るので3ステート分の区間が機械角90°となる。
【0051】よって、減速されるステートから機械角9
0°遅れたステートでは速度は他と比べて遅くなり、加
速されるステートから機械角90°遅れたステートでは
速度は他と比べて遅くなるため、ステート6〜8では、
位置検出間隔が他と比べ長くなり(速度が他と比べ遅
い)、ステート0〜2では位置検出間隔が他と比べて短
くなる(速度が他と比べ速い)。
【0052】そこで、たとえばセンサレスモード移行時
のインバータ通電モードから現在のステートをステート
0〜5(機械角0°〜180°)の範囲内で、電気角に
応じた1つのステートに仮設定し、ステート2,3,
4,8,9,10の位置検出間隔を測定する。その後、
(A)T2<T8、T3<T9、T4<T10あるいは
(B)T2>T8、T3>T9、T4>T10のどちら
であるのかの判定を行い、(A)の場合は現在のステー
トの定義を維持し、(B)の場合は現在のステートの定
義を反転(ステート0→6、以下同様に1→7、…6→
0、…11→5)させる。
【0053】これにより、ロータの機械的位置とトルク
パターンの位相との対応をとることができたので、トル
ク制御を許可しトルク制御を行う。
【0054】実施形態2 実施形態1ではステート3、4、5とステート9、1
0、11の3ステートずつの大小判定を行つたが、予め
実験を行ない図6に示すように電気角で360°離れた
区間同士の位置検出間隔のうちステート3とステート9
の位置検出間柄Tnの差が最も大きくなると分かってい
る場合は、ステート3とステート9の1組の大小比較の
みでも構わない。
【0055】そこで、例えば、センサレスモード移行時
のインバータ通電モードから現在のステートをステート
0〜5いずれかに仮設定し、ステート3、9の位置検出
間隔を測定する。その後、(A)T3<T9あるいは
(B)T3>T9のどちらであるかの判定を行い、
(A)の場合は現在のステートの定義を維持し、(B)
の場合は現在のステートの定義を反転(ステート0→
6、以下同様に1→7、…6→0、…1→5)させる。
【0056】これにより、ロータの機械的位置とトルク
パターンの位相との対応をとることができたので、トル
ク制御を許可しトルク制御を行う。
【0057】実施形態3 図2に示すような位置検出信号から1回転中の位置検出
間隔差を算出すると図7のようになる。図7(b)は、
圧縮機の1回転中の負荷トルク変動を示している。圧縮
機は、1回転中に大きく3つの過程(吸入・圧縮・排
出)の行程があるため、負荷トルクが大きく変動する吸
入状態から冷媒が圧縮されていくにしたがい負荷トルク
は急激に増加し、吐出弁が開き冷媒が排出されると、負
荷トルクは減少していく。このとき、1回転中のインバ
ータ回路のPWMデューテイ比が一定であれば、負荷ト
ルクの変動分だけ、実際にモータに印加されるトルクは
減少し、ロータの角加速度も小さくなっていく。負荷ト
ルクが大きく変化する区間(加速度の変化が大きく変化
する)区間は、速度つまりロータ位置信号から検出され
る位置検出間隔も大きく変化する。これにより、図7
(d)のように1回転中のロータ位置検出間隔から負荷
変動状態を検出できる。
【0058】このとき、図8に示すように基準電圧が変
動すると、位置検出間隔にも変動が生じる。ロータが一
定回転数であれば、基準電圧が変動していない基準電圧
Aにより比較検出される位置検出間隔は等間隔になる。
しかし、基準電圧が変動(図の場合は、上側にシフト)
した基準電圧Bの場合、比較検出される位置検出間隔
は、1区間おきに短くなったり、長くなってしまう。
【0059】このように相隣り合う区間の位置検出間隔
情報では、基準電圧の変動分の影響を受けて、正確な負
荷変動状態が検出できなくなる。このため、この発明で
は図7(e)に示すように、区間nの状態Tnを検出す
る際、その前後の区間の位置検出間隔Tn+1、Tn-1の差
ΔTn(=Tn+1−Tn-1)を用いることで、基準電圧の
変動分をキャンセルでき、負荷変動のみによる位置検出
間隔の変動分を検出できる。式(1)よりΔTと加速度
dωR/dtは同相であり、位置検出間隔差ΔTnは加
速度dωR/dtと同相であるから、この演算されたΔ
nは負荷トルク特性と同相であり、これを用いてロー
タ機械的位置の検出を行うことができる。
【0060】よって、負荷トルクの大きくなるステート
では、位置検出間隔差ΔTnが他と比べて大きくなり、
負荷トルクの小さくなるステートでは、位置検出間隔差
△T nが他と比べて小さくなる(負の数で絶対値は大き
くなる)。
【0061】例えば、センサレスモード移行時のインバ
ータ通電モードから現在のステートをステート0〜5い
ずれかに仮設定し、ステート0、1、2、4、5、6、
7、8、10,11の位置検出間隔を測定し、それらを
用いてステート0、1、6、7、8、11の位置検出間
隔差を算出する。
【0062】その後、(A)ΔTll<ΔT5、ΔT0
<ΔT6、ΔTl<ΔT7あるいは(B)ΔTll>Δ
T5、ΔT0>ΔT6、ΔTl>ΔT7のどちらである
かの判定を行い、(A)の場合は現在のステートの定義
を維持し、(B)の場合は現在のステートの定義を反転
(ステート0→6、以下同様に1→7、…6→0、…1
1→5)させる。
【0063】これにより、ロータの機械的位置とトルク
パターンの位相との対応をとることができたので、トル
ク制御を許可しトルク制御を行う。
【0064】実施形態4 図9は、図7と同様であるが(e)の位置検出間隔差を
求めるときに、図7では前後の区間のみであったが、図
9ではさらに外側の区間を用いている。具体的には区間
nでの位置検出間隔差ΔTnを求めるために、前後の区
間Tn+1、Tn-1の差と、さらにその区間の前後の
n+2、Tn-2の差を利用する。このとき、Tn+ 2、Tn-2
の区間はTnの区間よりも離れた区間の情報であるた
め、直前の前後区間Tn+1、Tn-1よりも重みを軽くする
ため、1/2の値にして差を計算する。つまり位置検出
間隔差ΔTnは、ΔTn=(1/2・Tn+2+Tn+1)−
(Tn-1+1/2・Tn-2)として求める。これにより負
荷トルク変動の差を顕著にすることができ、ロータ機械
的位置判定性能を向上できる。
【0065】ここでは、外側の区間の位置検出間隔を1
/2にして計算したが、負荷トルク曲線の形状により、
1/1.5にしたり、1/3にしてトルク変動を顕著に
なるようにしても構わない。
【0066】実施形態5 実施形態3ではステート11、0、1とステート5、
6、7の3ステートずつの大小判定を行ったが、予め実
験を行ない、図7に示すように電気角で360°離れた
区間同士の位置検出間隔のうちステート0とステート6
の位置検出間隔差ΔTnの差が最も大きくなると分かっ
ている場合は、ステート0とステート6の1組の大小比
較のみでも構わない。
【0067】そこで、たとえば、センサレスモード移行
時のインバータ通電モードから現在のステートをステー
ト0〜5いずれかに仮設定し、ステート1、5、7,1
1の位置検出間隔を測定し、それらを用いてステート
0、6の位置検出間隔差を算出する。
【0068】その後、(A)ΔT0<ΔT6あるいは
(B)ΔT0>ΔT6のどちらであるかの判定を行い、
(A)の場合は現在のステートの定義を維持し、(B)
の場合は現在のステートの定義を反転(ステート0→
6、以下同様に1→7、…6→0、…11→5)させ
る。
【0069】これにより、ロータの機械的位置とトルク
パターンの位相との対応をとることができたので、トル
ク制御を許可しトルク制御を行う。
【0070】実施形態6 図10は、この実施形態6のモータ起動時のトルク制御
が許可されるまでのフローチャートを示す。
【0071】まず、相固定モード、同期モード、センサ
レスモードおよびステート初期位置を設定する。ここ
で、相固定モードは、同期モードの始動性を高めるた
め、同期運転前に予め決めた相に通電し、ステータとロ
ータの相を一致させ、同期モードの起動をスムーズにす
るためのものである。次に、同期モードは、ブラシレス
モータ起動時は、モータの誘起電圧が小さくセンサレス
モードでの運転に必要な位置信号が得られないため、誘
起電圧の検出が可能となる回転数まで強制的に転流、加
速を行ない、センサレスモードへの準備を行なうもので
ある。さらに、センサレスモードは、位置検出信号にし
たがって転流を行なうモードである。
【0072】そして、位置検出間隔を測定するが、大小
比較1回目によりロータ機械的位置を決定した後すぐに
トルク制御を許可するのではなく、所定時間経過した
後、再度、位置検出間隔の測定と大小比較2回目を行な
う。その大小比較結果が予め記憶しているパターンと一
致していることを確認し、一致している場合は、トルク
制御を許可し、不一致の場合は、ロータ機械的位置判定
をやり直している。これにより、大小比較1回目でロー
タ機械的位置判定を誤り、負荷トルクの位相とトルクパ
ターンの位相が不一致な状態となることを防止し、常に
負荷トルクの位相とトルクパターンの位相が一致した状
態でトルク制御を許可することができる。
【0073】また、図10では、不一致の場合は、ロー
タ機械的位置判定をやり直しているが、ロータ機械的位
置判定をやり直すのではなく一旦モータを停止させても
構わない。この場合、振動が大きい危険な状態で圧縮機
が駆動を継続することを防止することができる。
【0074】実施形態7 図11は、この実施形態7のモータ起動時のトルク制御
が許可されるまでのフローチャートを示す。図10と同
様にして相固定モード、同期モード、センサレスモード
およびステート初期位置を設定した後、検出間隔を測定
する。位置検出間隔を測定後、位置検出間隔差を算出
し、大小比較1回目によりロータ機械的位置を決定した
後すぐにトルク制御を許可するのではなく、所定時間経
過した後、再度、位置検出間隔の測定、位置検出間隔差
の算出を行ない、その大小比較結果が予め記憶している
パターンと一致していることを確認し、一致している場
合はトルク制御を許可し、不一致の場合はロータ機械的
位置判定をやり直している。これにより、大小比較1回
目でロータ機械的位置判定を誤り、負荷トルクの位相と
トルクパターンの位相が不一致な状態となることを防止
し、常に負荷トルクの位相とトルクパターンの位相が一
致した状態でトルク制御を許可することができる。
【0075】また、図11では、不一致の場合は、ロー
タ機械的位置判定をやり直しているが、ロータ機械的位
置判定をやり直すのではなく一旦モータを停止させても
構わない。この場合、振動が大きい危険な状態で圧縮機
が駆動を継続することを防止することができる。
【0076】実施形態8 図12は、従来例のロータ機械的位置判定タイミングを
示し、図13はこの実施形態のロータ機械的位置判定タ
イミングを示す。
【0077】従来例では、モータ起動後、トルク制御オ
フの状態のまま目標回転数まで加速し、回転数安定後に
ロータ機械的位置判定を行なっているが、この実施形態
では、同期モードからセンサレスモードに移行したのち
直ちに位置検出間隔を測定し、その後直ちにロータ機械
的位置判定を行なっている。
【0078】この実施形態では、1回転中の最低速度を
検出するのではなく、電気角で360°離れたステート
の位置検出間隔あるいは位置検出間隔差の大小を判定す
るという簡単な構成のため、モータが加速中であつても
ロータ機械的位置判定が可能である。
【0079】実施形態9 図14は、この実施形態のトルク制御時のロータ機械的
位置判定正常確認のフローチャートを示す。図14に示
すように、トルク制御時も位置検出間隔の測定、大小比
較を行ない、大小比較結果が予め記憶しているパターン
と一致していることを確認し、不一致の場合はトルク制
御を禁止し、ロータ機械的位置判定をやり直している。
これにより、ロータ機械的位置判定を誤り、負荷トルク
の位相とトルクバターンの位相が不一致な状態にあり振
動が大きくなっていることを検知し、再度ロータ機械的
位置判定を行なうことにより、負荷トルクの位相とトル
クパターンの位相を一致状態に戻すことができる。
【0080】また、図14では、不一致の揚合は、ロー
タ機械的位置判定をやり直しているが、ロータ機械的位
置判定をやり直すのではなく一旦モータを停止させても
構わない。この場合、振動が大きい危険な状態で圧縮機
が駆動を継続することを防止することができる。
【0081】実施形態10 図15は、この実施形態のトルク制御時のロータ機械的
位置判定正常確認のフローチャートを示す。図13と同
様にして、トルク制御時も位置検出間隔の測定、位置検
出間隔差の算出を行なう。その算出結果の絶対値をモー
タ回転数毎に予め記憶している基準位置検出間隔差と比
較し、算出した位置検出間隔差の方が大きい場合は、ト
ルク制御を禁止し、ロータ機械的位置判定をやり直して
いる。これにより、ロータ機械的位置判定を誤り、負荷
トルクの位相とトルクパターンの位相が不一致な状態に
あり振動が大きくなっていることを検知し、再度ロータ
機械的位置判定を行なうことにより、負荷トルクの位相
とトルクパターンの位相を一致状態に戻すことができ
る。
【0082】また、図15では、不一致の場合は、ロー
タ機械的位置判定をやり直しているが、ロータ機械的位
置判定をやり直すのではなく一旦モータを停止させても
構わない。この場合、振動が大きい危険な状態で圧縮機
が駆動を継続することを防止することができる。
【0083】実施形態11 図16に示すように、圧縮機の振動を検出する振動検出
手段12を設け、検出結果を制御部10に入力する。制
御部10ではその検出結果を予め記憶している基準振動
値と比較し、振動検出手段の検出値の方が大きい場合
は、トルク制御を禁止し、ロータ機械的位置判定をやり
直す。これにより、ロータ機械的位置判定を誤り、負荷
トルクの位相とトルクパターンの位相が不一致な状態に
あることを検知し、再度ロータ機械的位置判定を行なう
ことにより、負荷トルクの位相とトルクパターンの位相
を一致状態に戻すことができる。
【0084】また、場合によっては、ロータ機械的位置
判定をやり直すのではなく一旦モータを停止させて構わ
ない。この場合、振動が大きい危険な状態で圧縮機が駆
動を継続することを防止できる。
【0085】実施形態12 図17に示すように、インバータ部に流れる直流電流を
検出する直流電流検出手段13を設けて、制御部10に
直流電流の値を入力する。トルク制御時にステート毎の
直流電流値を測定し、インバータ駆動信号パターンが同
一となる電気角で180°×m離れた区間同士の直流電
流値のうち1組あるいは複数組の大小比較を行ない、そ
の大小比較結果が予め記憶しているパターンと一致して
いることを確認し、不一致の場合はトルク制御を禁止
し、ロータ機械的位置判定をやり直す。
【0086】これにより、ロータ機械的位置判定を誤
り、負荷トルクの位相とトルクパターンの位相が不一致
な状態にあることを検知し、再度ロータの機械的位置判
定を行なうことにより、負荷トルクの位相とトルクパタ
ーンの位相を一致状態に戻すことができる。
【0087】また、場合によっては、ロータ機械的位置
判定をやり直すのではなく一旦モータを停止させても構
わない。この場合、振動が大きい危険な状態で圧縮機が
駆動を継続することを防止できる。
【0088】実施形態13 実施例9から12に示すようなロータ機械的位置判定が
正常であるかの確認を制御部10のタイマ機能を用いて
予め設定した時間間隔で行なうことにより、一定時間以
上ロータ機械的位置判定を誤り、負荷トルクの位相とト
ルクパターンの位相が不一致な状態で圧縮機が駆動を継
続することを防止できる。
【0089】実施形態14 3相巻線の無通電巻線を利用して誘起電圧を検出するロ
ータ位置検出方法では、インバータおよびモータに流れ
る電流が増えると、回生電流の影響などで位置検出の情
報が早めに検出され、位相が前に進んでしまう。このた
めトルクが必要な区間では電流が増えるため、位相が前
に進み位置検出間隔が正確には検出できなくなる。この
ため、検出区間の直流電流の値に基づき、誘起電圧から
検出された位置検出間隔を予め遅れるように修正する。
これにより位相の進みをキャンセルでき、正確な位置検
出間隔が検出できる。
【0090】このような電流による位置検出信号の位相
進みは、予め実験などにより把握できるので位置検出進
み分を修正するテーブルを制御部内に持っておき、検出
した時点で修正すればよい。
【0091】実施形態15 実施形態1では、ブラシレスモータの各巻線から仮想中
性点をつくり、これを基準電圧としていたが、図18に
示すようにインバータの入力電圧を抵抗14a、14b
で分圧して、基準電圧を検出する手段15にしても同様
である。
【0092】また、以上の実施形態を複数組み合わせて
実施して、制御性能を向上させても構わない。
【0093】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0094】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、ロー
タ機械的位置を判定し、トルクパターン制御法を用い
て、安価なシングルロータリ式圧縮機の振動を抑制する
際、インバータ駆動信号パターンが同一となる電気角で
180°×m離れた区間同士の位置検出間隔のうち1組
あるいは複数組の大小比較を行なうことでロータの機械
的位置を判定することができ、圧縮機の低振動化を図る
ことができる。
【0095】また、この発明によれば、モータ制御にマ
イクロコンピュータを用いており、この位置検出間隔の
大小比較もマイクロコンピュータのソフトウェアで実現
していることから、コストアップ等の問題もない。
【0096】また、予め実験を行ないインバータ駆動信
号パターンが同一となる電気角で180°×m離れた区
間同士の位置検出間隔のうち両者の差が最も大きくなる
組み合わせが分かっている場合は、1組のみ大小比較を
行なうことにより、ソフトウェア処理を簡略化できひい
ては処理時間も短縮できる。
【0097】ロータ機械的位置を判定しトルクパターン
制御法を用いて、安価なシングルロータリ式圧縮機の振
動を抑制する際、インバータ駆動信号パターンが同一と
なる電気角で180°×m離れた区間同士の位置検出間
隔差のうち1組あるいは複数組の大小比較を行なうこと
でロータ機械的位置を判定することができ、圧縮機の低
振動化を図ることができる。
【0098】また、この発明によれば、モータ制御にマ
イクロコンピュータを用いており、この位置検出間隔差
の大小比較もマイクロコンピュータのソフトウェアで実
現していることから、コストアップ等の問題もない。
【0099】さらに、圧縮機によっては負荷トルクが異
なり位置検出間隔差の変動量を検出しにくい場合がある
が、そのときはさらに位置検出間隔差を求めるデータ量
を増やすことで、変動量を顕著にすることができ、制御
性能が向上できる。
【0100】さらに、予め実験を行ないインバータ駆動
信号のパターンが同一となる電気角で180°×m維れ
た区間同士の位置検出間隔差のうち両者の差が最も大き
くなる組み合わせが分かっている場合は、1組のみ大小
比較を行なうことにより、ソフトウェア処理を簡略化で
きひいては処理時間も短縮できる。
【0101】また、この発明は1回転中の最低速度を検
出するのではなく、インバータ駆動信号パターンが同一
となる電気角で180°×m離れたステートの位置検出
間隔あるいは位置検出間隔差の大小を判定するという簡
単な構成のため、モータが加速中であってもロータの機
械的位置判定が可能である。
【0102】さらに、トルク制御許可前に再度位置検出
間隔の大小比較を行なうことにより、大小比較1回目で
ロータの機械的位置判定を誤り、負荷トルクの位相とト
ルクパターンの位相が不一致な状態となることを防止
し、常に負荷トルクの位相とトルクパターンの位相が一
致した状態でトルク制御を許可することができる。
【0103】さらに、トルク制御許可前に再度位置検出
間隔差の大小比較を行なうことにより、大小比較1回目
でロータの機械的位置判定を誤り、負荷トルクの位相と
トルクパターンの位相が不一致な状態となることを防止
し、常に負荷トルクの位相とトルクパターンの位相が一
致した状態でトルク制御を許可することができる。
【0104】また、トルク制御中においても、位置検出
間隔より負荷トルクの位相とトルクパターンの位相が不
一致な状態にあることを検知し、再度ロータの機械的位
置判定を行なうことにより、負荷トルクの位相とトルク
パターンの位相を一致状態に戻すことができる。
【0105】さらに、トルク制御中においても、位置検
出間隔差より負荷トルクの位相とトルクパターンの位相
が不一致な状態にあることを検知し、再度ロータの機械
的位置判定を行なうことにより、負荷トルクの位相とト
ルクパターンの位相を一致状態に戻すことができる。
【0106】さらに、トルク制御中において、圧縮機の
所定値以上の異常振動を検知することにより、負荷トル
クの位相とトルクパターンの位相が不一致な状態にある
ことを検知し、再度ロータの機械的位置判定を行なうこ
とにより、負荷トルクの位相とトルクパターンの位相を
一致状態に戻すことができる。
【0107】さらに、トルク制御時にステート毎の直流
電流値を測定し、ロータの機械的位置判定正常確認を行
い、異常の場合は、再度ロータ機械的位置判定を行うこ
とにより、負荷トルクの位相とトルクパターンの位相を
一致状態に戻すことができる。
【0108】また、ロータの機械的位置判定正常確認を
制御部のタイマ機能を用いて予め設定した時間間隔で行
うことにより、一定時間以上ロータ機械的位置判定を誤
り、負荷トルクの位相とトルクパターンの位相が不一致
な状態で圧縮機が駆動を継続することを防止できる。
【0109】さらに、モータ電流の大きさにより発生す
るロータ位置検出回路の位相進みを、予め補正しておく
ことで、位置検出間隔情報を正確に検出でき、ロータ機
械的位置判定精度が上がる。
【0110】さらに、インバータ電圧を分圧して基準電
圧を検出する手段のように巻線の仮想中点による基準電
圧検出以外にも、この発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態1によるブラシレスモー
タの速度制御装置のブロック図である。
【図2】 誘起電圧によるロータ位置信号の検出方法を
示す図である。
【図3】 トルク制御時の負荷トルクとトルクパターン
の関係を示す図である。
【図4】 この発明の実施形態1のトルクパターンを示
す図である。
【図5】 ステートと機械角・電気角の関係および各通
電モードを示す図である。
【図6】 1回転中の負荷トルクと実施形態1による位置
検出間隔との関係を示す図である。
【図7】 この発明の実施形態3の位置検出間隔差の検
出方法を示す図である。
【図8】 基準電圧の変動と位置検出間隔との関係を説
明するための図である。
【図9】 この発明の実施形態4における位置検出間隔
差の検出方法を示す図である。
【図10】 この発明の実施形態6におけるモータ起動
時のトルク制御が許可されるまでの動作を示すフローチ
ャートである。
【図11】 この発明の実施形態7におけるモータ起動
時のトルク制御が許可されるまでの動作を示すフローチ
ャートである。
【図12】 従来例のロータ機械的位置判定タイミング
を示す図である。
【図13】 この発明の実施形態8におけるロータ機械
的位置判定タイミングを示す図である。
【図14】 この発明の実施形態9におけるトルク制御
時のロータ機械的位置判定正常確認のフローチャートを
示す図である。
【図15】 この発明の実施形態10におけるトルク制
御時のロータ機械的位置判定正常確認のフローチャート
を示す図である。
【図16】 この発明の実施形態11における圧縮機振
動検出手段を含むブロック図である。
【図17】 この発明の実施形態11における直流検出
手段を含むブロック図である。
【図18】 この発明の実施形態15における基準電圧
検出手段を含むブロック図である。
【符号の説明】
1 交流電源、2 整流回路、3 平滑回路、4 イン
バータ回路、5 ブラシレスモータ6 力率改善回路、
7a,7b,7c 誘起電圧検出回路、8 基準電圧検
出回路、9a,9b,9c 比較検出回路、10 制御
部、11 ドライブ回路、12 振動検出手段、13
直流電流検出手段、14 分圧抵抗、15 基準電圧検
出手段。

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1回転の負荷変動がある周期性を持つ圧
    縮機と、 前記圧縮機の出力軸を駆動する機械角に対して電気角が
    2倍となるロータ極数が極のブラシレスモータと、 前記ブラシレスモータを駆動するためのインバータ電源
    と、 前記ブラシレスモータの予め測定された負荷トルクの変
    動パターンに基づいたトルクパターンを記憶する記憶手
    段と、 前記ブラシレスモータの誘起電圧を検出してロータ位置
    を検出するロータ位置検出手段と、 前記ロータ位置検出手段の位置検出信号に基づいて前記
    ブラシレスモータの転流タイミングを決定し、目標速度
    と前記記憶手段に記憶されているトルクパターンに応じ
    て印加電圧または電流を可変する制御手段とを備えたブ
    ラシレスモータの速度制御装置において、 前記ロータ位置検出手段は、 前記ブラシレスモータの各相巻線を接続した仮想中性点
    から得られる基準電圧を検出する基準電圧検出手段と、 複数極の磁石を有するロータが回転することで発生する
    誘起電圧を検出する各相毎の誘起電圧検出手段と、 前記基準電圧検出手段で検出された基準電圧と前記誘起
    電圧検出手段によって検出された各相誘起電圧とを比較
    してロータ位置情報を検出する比較検出手段と、 前記比較検出手段の情報に基づいて、前記ロータの機械
    的位置を決定するロータ機械的位置決定手段と、 前記ロータ機械的位置決定手段によってロータの機械的
    位置が決定していることを確認し、決定後にトルク制御
    を許可するトルク制御許可判定手段とを含み、 前記ロータの機械的位置は、前記ロータが前記機械角に
    ついての0°から180°の第1の範囲および180°
    から360°の第2の範囲のいずれの内にあるかの判別
    ならびに前記電気角によって認識され、 前記ロータ機械的位置決定手段は、前記ロータの機械的
    な1回転をインバータ電源の信号パターンに対応させて
    複数区間に分割して区間毎に位置検出間隔Tnを検出
    し、前記複数区間から前記インバータ電源の所定の信号
    パターンによって特定される連続する所定の3区間を選
    定して、さらに、前記所定の3区間とそれぞれ電気角で
    180°ずつ離れた後続の3つの区間との間で前記位置
    検出間隔の大小を比較して、前記ロータの機械的位置の
    認識が機械角で180°ずれているかどうかを判定し、 前記トルク制御許可判定手段によるトルク制御許可時
    は、前記ロータの機械的位置に適したトルクパターンの
    データを前記記憶手段から読み出し、このトルクパター
    ンに基づいて前記ブラシレスモータの速度制御装置で決
    定された印加電圧または電流を補正することを特徴とす
    る、圧縮機モータのトルク制御装置。
  2. 【請求項2】 初期状態において、前記所定の3区間の
    位置検出間隔が機械角の前記第1の範囲と対応するよう
    に前記ロータの機械的位置の認識は仮設定され、かつ、
    前記圧縮機が吸入から圧縮に至る区間が前記機械角の第
    1の範囲と対応し、前記圧縮機が圧縮から排出に至る区
    間が前記機械角の第2の範囲と対応する場合には、 前記ロータ機械的位置決定手段は、前記所定の3区間の
    位置検出間隔が前記後続の3つの区間の位置検出間隔よ
    りそれぞれ大きいときには、前記ロータの機械的位置の
    認識が機械角で180°ずれていると判定して、前記ロ
    ータが機械角の前記第1および第2の範囲のいずれの内
    にあるかの判別を入れ替えるように指示する 、請求項1
    記載の圧縮機モータのトルク制御装置。
  3. 【請求項3】 1回転の負荷変動がある周期性を持つ圧
    縮機と、 前記圧縮機の出力軸を駆動する機械角に対して電気角が
    2倍となるロータ極数が極のブラシレスモータと、 前記ブラシレスモータを駆動するためのインバータ電源
    と、 予め測定された前記ブラシレスモータの負荷トルクの変
    動パターンに基づいたトルクパターンを記憶する記憶手
    段と、 前記ブラシレスモータの誘起電圧を検出してロータ位置
    を検出するロータ位置検出手段と、 前記ロータ位置検出手段による位置検出信号に基づいて
    前記ブラシレスモータの転流タイミングを決定し、目標
    速度と前記トルクパターンとに応じて印加電圧または電
    流を可変する制御手段とを備えたブラシレスモータの速
    度制御装置において、 前記ロータ位置検出手段は、 前記ブラシレスモータの各相巻線を接続した仮想中性点
    から基準電圧を検出する基準電圧検出手段と、 複数極の磁石を有するロータが回転することで発生する
    誘起電圧を検出する各相毎の誘起電圧検出手段と、 前記基準電圧検出手段によって検出された基準電圧と、
    前記誘起電圧検出手段によって検出された各相誘起電圧
    とを比較してロータ位置情報を検出する比較検出手段
    と、 前記比較検出手段の情報に基づいて、前記ロータの機械
    的位置を決定するロータ機械的位置決定手段と、 前記ロータ機械的位置決定手段によってロータ機械的位
    置が決定していることを確認し、決定後にトルク制御を
    許可するトルク制御許可判定手段とを備え、 前記ロータの機械的位置は、前記ロータが前記機械角に
    ついての0°から180°の第1の範囲および180°
    から360°の第2の範囲のいずれの内にあるかの判別
    ならびに前記電気角によって認識され、 前記ロータ機械的位置決定手段は、前記ロータの機械的
    な1回転をインバータ電源の信号パターンに対応させて
    複数区間に分割して区間毎に位置検出間隔Tnを検出
    し、予め実験によって最も位置検出間隔の差が大きい機
    械角180°離れた区間同士が特定されている場合に
    は、前記区間同士の位置検出間隔を比較して、位置検出
    間隔が短い方の区間が前記圧縮機の前記圧縮機が吸入か
    ら圧縮に至る区間と対応するように、前記ロータの機械
    的位置を決定し、 前記トルク制御許可判定手段による トルク制御許可時
    は、前記ロータの機械的位置に適したトルクパターンの
    データを前記記憶手段から読み出し、このトルクパター
    ンに基づいて前記ブラシレスモータの速度制御装置で決
    定された印加電圧または電流を補正することを特徴とす
    る、圧縮機モータのトルク制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ロータ機械的位置決定手段によりロ
    ータ機械的位置を決定した後すぐにトルク制御を許可す
    ることなく、所定時間経過した後、再度、前記位置検出
    間隔の測定と前記大小比較を行ない、その大小比較結果
    が予め記憶しているパターンと一致していることを1回
    以上確認し、一致している場合は、トルク制御を許可
    し、不一致の場合は、ロータ機械的位置判定をやり直す
    かあるいは前記モータを停止させることを特徴とする、
    請求項1あるいはに記載の圧縮機モータのトルク制御
    装置。
  5. 【請求項5】 前記ロータ機械的位置決定手段における
    大小比較は前記モータ起動時の位置検出信号に関係なく
    強制的に転流を行なう同期モードから位置検出信号を用
    いて転流を行なうセンサレスモードに移行したのち直ち
    に行なうことを特徴とする、請求項1からのいずれか
    に記載の圧縮機モータのトルク制御装置。
  6. 【請求項6】 トルク制御時に位置検出間隔を測定し、
    前記インバータ駆動信号パターンが同一となる電気角で
    360°離れた区間同士の位置検出間隔のうち1組ある
    いは複数組の大小比較を行ない、その大小比較結果が予
    め記憶しているパターンと一致していることを1回以上
    確認し、不一致の場合はトルク制御を禁止し、ロータ機
    械的位置判定をやり直すあるいは前記モータを停止させ
    ることを特徴とする、請求項1からのいずれかに記載
    の圧縮機モータのトルク制御装置。
  7. 【請求項7】 トルク制御時に位置検出間隔を測定して
    位置検出間隔差の算出を行い、その算出結果の絶対値と
    モータ回転数毎に予め記憶している基準位置検出間隔差
    とを比較し、前記算出した位置検出間隔差の方が大きい
    場合は、トルク制御を禁止し、ロータ機械的位置判定を
    やり直すあるいは前記モータを停止させることを特徴と
    する請求項1からのいずれかに記載の圧縮機モータの
    トルク制御装置。
  8. 【請求項8】 前記圧縮機の振動を検出する振動検出手
    段を設け、その検出結果を予め記憶している基準振動値
    と比較し、前記振動検出手段の検出値の方が大きい場合
    は、トルク制御を禁止し、ロータ機械的位置判定をやり
    直すあるいは前記モータを停止させることを特徴とする
    請求項1からのいずれかに記載の圧縮機モータのトル
    ク制御装置。
  9. 【請求項9】 さらに、前記基準電圧と前記誘起電圧を
    比較して複数区間に分割される位置検出間隔と同じ区間
    毎に、前記インバータ電源に流れる直流電流を検出する
    直流電流検出手段を含み、 トルク制御時に前記区間毎の直流電流値を測定し、前記
    インバータ駆動信号パターンが同一となる電気角で36
    0°離れた区間同士の直流電流値のうち1組あるいは複
    数組の大小比較を行ない、その大小比較結果が予め記憶
    しているパターンと一致していることを1回以上確認
    し、不一致の場合はトルク制御を禁止し、ロータ機械的
    位置判定をやり直すあるいは前記モータを停止させるこ
    とを特徴とする、請求項1からのいずれかに記載の圧
    縮機モータのトルク制御装置。
  10. 【請求項10】 前記処理は予め設定した時間間隔で行
    なうことを特徴とする、請求項からのいずれかに記
    載の圧縮機モータのトルク制御装置。
  11. 【請求項11】 さらに、前記基準電圧と前記誘起電圧
    とを比較して複数区間に分割される位置検出間隔と同じ
    区間毎に、前記インバータ電源に流れる直流電流を検出
    する直流電流検出手段と、 区間毎に検出した直流電流値に基づいて、区間毎の前記
    位置検出間隔Tnを修正する修正手段を含むことを特徴
    とする、請求項1から10のいずれかに記載の圧縮機モ
    ータのトルク制御装置。
  12. 【請求項12】 前記ロータ位置検出手段をブラシレス
    モータの各相巻線から結線された仮想中性点による基準
    電圧検出手段の代わりに、前記インバータ電源への入力
    電圧を分圧した基準電圧検出手段にしたことを特徴とす
    る、請求項1から11のいずれかに記載の圧縮機モータ
    のトルク制御装置。
JP2000220792A 2000-07-21 2000-07-21 圧縮機モータのトルク制御装置 Expired - Fee Related JP3470089B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000220792A JP3470089B2 (ja) 2000-07-21 2000-07-21 圧縮機モータのトルク制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000220792A JP3470089B2 (ja) 2000-07-21 2000-07-21 圧縮機モータのトルク制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002044985A JP2002044985A (ja) 2002-02-08
JP3470089B2 true JP3470089B2 (ja) 2003-11-25

Family

ID=18715329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000220792A Expired - Fee Related JP3470089B2 (ja) 2000-07-21 2000-07-21 圧縮機モータのトルク制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3470089B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1480326A4 (en) * 2002-02-25 2016-10-12 Daikin Ind Ltd MOTOR CONTROL METHOD AND ITS DEVICE
JP2006002732A (ja) * 2004-06-21 2006-01-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd レシプロ式圧縮機の制御装置
KR100648464B1 (ko) * 2005-10-13 2006-11-27 삼성전기주식회사 기어박스를 가지는 브러시리스 직류모터의 제어장치 및제어방법
JP5049497B2 (ja) * 2006-01-26 2012-10-17 株式会社ヴァレオジャパン センサレス・ブラシレスモータの駆動制御方法及びその装置
JP2009044881A (ja) * 2007-08-09 2009-02-26 Corona Corp コンプレッサ装置
JP4804521B2 (ja) * 2008-11-06 2011-11-02 シャープ株式会社 モータ制御装置
JP7103065B2 (ja) * 2018-08-28 2022-07-20 株式会社デンソー 制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002044985A (ja) 2002-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3506457B2 (ja) 空気調和機におけるコンプレッサの起動制御方法
JP5798838B2 (ja) モータ制御装置
EP0760074B1 (en) Control device for a refrigerator and refrigerator with such a device
EP2375558B1 (en) Motor drive device, and compressor and refrigerator using same
WO2004084400A1 (ja) ブラシレスdcモータの駆動方法及びその装置
JP5984524B2 (ja) モータ制御装置
KR100774006B1 (ko) 3상 bldc 모터의 제어장치 및 3상 bldc모터의제어방법
JP3470089B2 (ja) 圧縮機モータのトルク制御装置
JP3833918B2 (ja) モータ制御装置
JP3467233B2 (ja) モータのトルク制御方法
JP2001054296A (ja) モータの制御装置
JP4173724B2 (ja) モータのトルク制御装置
JP4513445B2 (ja) 圧縮機駆動用モータの制御方法およびその装置
JP2009017613A (ja) 制御装置、駆動システム、および熱移動システム
JP3544338B2 (ja) 圧縮機モータの制御装置
JP3487099B2 (ja) モータ制御装置、冷凍・空調装置
JP4469185B2 (ja) インバータ制御装置及びインバータ制御方法及び密閉型圧縮機及び冷凍空調装置
JP4804521B2 (ja) モータ制御装置
EP3355466B1 (en) Motor control device, rotary compressor system and motor control method
JP4475867B2 (ja) モータ制御装置および方法
JP4742776B2 (ja) ブラシレスdcモータの制御装置および換気送風装置
JP2002034276A (ja) モータの制御方法
JP4494906B2 (ja) 空気調和機
JP3696068B2 (ja) ブラシレスモータの駆動装置
JP3733095B2 (ja) 同期電動機の脱調検出装置及び同期電動機の脱調検出方法及び冷凍空調装置用圧縮機の駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030826

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090905

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090905

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100905

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees