JP5512410B2 - モータ駆動制御装置 - Google Patents

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本発明は、ロータの回転角度に応じてモータの駆動相を切り替え、PWM制御により所定の制御周期でモータの駆動相の駆動電流を目標電流に通電制御するモータ駆動制御装置に関し、詳しくは、駆動相の通電制御の終了タイミングにおいて駆動電流値と目標電流値とのずれの対策に関する。
従来、電気自動車やハイブリッド車の駆動モータとして、ロータに永久磁石や巻線が不要で安価かつ構造が簡単なスイッチトリラクタンスモータ(以下、SRモータという)が注目されている。
図4は3相駆動のラジアルギャップ型のSRモータの一例の概略の構造を示し、図4のSRモータ100は、モータ軸101に取り付けられたロータ200と、その外側に同軸状に設けれたステータ300とを備える。そして、ロータ200は外周面側に複数の突極201が等間隔に配設される。ステータ300は内周面側にステータ磁極としての各相の突極301が突極201に対向する向きに等間隔に相順に配設され、さらに、各突極301には各相の巻線302が集中巻される。なお、ロータ200の突極201の個数(図4では4極)と、ステータ300の突極301の個数(図4では6極)とは異なる。
そして、SRモータ100は、いわゆるインバータ構成のモータ駆動制御装置により、ロータ200に非対向の状態になるステータ300の磁極が切り替わる毎、すなわち、ロータ200の所定回転角度毎に駆動相が切り替わり、インバータ構成のモータ駆動制御装置の周知のPWM制御により、アクセル開度等から演算したトルク指令値に応じた目標電流Irefに制御された駆動電流が駆動相の巻線302に流れ、ロータ200とステータ300の電磁作用でロータ200が回転し、この回転によってステータ300のつぎの相の磁極が非対向状態になると、駆動相が切り替わり、このくり返しでモータ軸101が回転して駆動される(例えば、特許文献1(段落[0025]−[0041]、図2等)参照)。
特開2009−240040号公報
特許文献1に記載のモータ駆動制御装置の場合、フィードバック制御であるPMW制御にフィードフォワード制御を組み合わせて制御の追従性の向上が図られているが、以下に説明するように、駆動相の通電制御の終了タイミングにおいて駆動電流(実電流)と目標電流とに差が生じ、駆動制御されるSRモータ100のトルクの低下や変動が発生する。
すなわち、前記PWM制御では図5(a)のように三角波のキャリア波形と閾値との大小関係によってPWM波形を生成している。例えば図5(b)では、キャリア波形が閾値より大きい場合には電流を増加させる動作をする「ON」、キャリア波形が閾値より大きい場合には電流を減少させる動作をする「OFF」の状態とするPWM波形であり、この時の駆動電流波形を図5(c)に示す。図5のTcはキャリア周期である。
図5から明らかなように、同図(c)の駆動電流の実線とその平均値の一点破線が一致するタイミングは、同図(a)のキャリア波形が最大(max)または最小(min)となる時であり、このタイミングで駆動電流をサンプリングし、公知のフィードバック制御を実施することで目標電流値と駆動電流の平均値を一致させている。
また、前記PWM制御の制御周期(キャリア周期)Tcは、通常、制御の基準クロック等に基づいてSRモータ100の回転と無関係に設定される。
そのため、ロータ200の回転角度に応じたSRモータ100の駆動相の切り替えがPWM制御の制御周期Tcと非同期に発生し、SRモータ100の駆動相の通電開始角θonだけでなく、駆動相の通電終了角θoffのタイミングが制御周期Tcのタイミングからずれ、SRモータ100の駆動電流ひいてはトルクが大きく変動する。なお、「制御周期Tcのタイミング」は、制御周期Tc内の図5(c)に示した駆動電流の実線とその平均値の一点破線が一致するタイミングである。
そして、前記の駆動相の通電終了角θoffのタイミングと制御周期Tcのタイミングとのずれをさらに具体的に説明すると、駆動相の通電制御の終了(換言すれば、駆動相の切り替え)のタイミングをロータの回転に対して精度よく設定するため、駆動相の通電終了角のタイミング(通電終了タイミング)は、PWM制御の制御周期(キャリア周期)Tcとは関係なく、トルクが最大となるように設定される。
そして、制御対象のSRモータ100の駆動相の通電終了角のタイミングとPWM制御の制御周期(キャリア周期)Tcのタイミングとがずれると、そのずれの時間差に基づいて駆動相の通電終了角のタイミングにはPWM制御に基づく駆動電流が目標電流Irefより大きくなったり小さくなったりする。そのため、通電終了角のタイミングで通電が停止して駆動電流が0になる実際の駆動電流波形と、目標電流Irefの大きさから通電が停止して駆動電流が0になる基本の駆動電流波形とに差が生じる。その結果、SRモータ100のトルクの低下や変動が発生する。
図6(a)は通電終了角θoffのときの駆動電流(実際の電流)が目標電流Irefより大きい場合に、実際の駆動電流が通電の停止で0に減少する駆動電流波形iaと、目標電流Irefから通電の停止で0に減少する基本の駆動電流波形irとの差の一例を示す。
図6(b)は通電終了角θoffのときの駆動電流(実際の電流)が目標電流Irefより小さい場合に、実際の駆動電流が通電の停止で0に減少する駆動電流波形ibと、目標電流Irefから通電の停止で0に減少する基本の駆動電流波形irとの差の一例を示す。
そして、図6(a)、(b)の比較からも明らかなように、基本の駆動電流波形irで駆動電流が0になるタイミングに対して、駆動電流波形ia、ibで駆動電流が0になるタイミングが個々にずれる。このずれにより、駆動相を切り替えた際のSRモータ100のトルクが低下したり変動する。
この問題は、種々のモータの同様の駆動制御を行なう場合も生じる。
本発明は、ロータの回転角度に応じてモータの駆動相を切り替え、PWM制御により所定の制御周期でモータの駆動電流値を目標電流値に通電制御する際に、駆動相の通電制御の終了タイミングにおいて駆動電流値と目標電流値とを一致させることを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明のモータ駆動制御装置は、ロータの回転角度に応じてモータの駆動相を切り替え、PWM制御により所定の制御周期で前記モータの駆動相の駆動電流を前記目標電流に制御するモータ駆動制御装置であって、駆動相の通電終了角とロータの回転数とから前記通電終了角に到達するタイミングを算出し、前記通電終了角に到達するタイミングにおいて駆動電流値と目標電流値とを一致するように前記制御周期を補正する補正手段を備えたことを特徴としている(請求項1)。
そして、前記補正手段は、前記制御周期を短くして補正することが好ましく(請求項2)、前記通電終了角のタイミングに近づく程短くなるように前記制御周期を補正することが望ましい(請求項3)。
請求項1に係る本発明のモータ駆動制御装置の場合、前記通電終了角に到達するタイミングにおいて駆動電流値と目標電流値とが一致し、PWM制御の制御周期のタイミングに対する駆動相の通電終了タイミング(駆動電流が0になるタイミング)がずれることがなく、モータのトルクの低下や変動を防止することができる。
請求項2に係る本発明のモータ駆動制御装置の場合、前記補正手段により、PWM制御の制御周期を短くして、この制御周期のタイミングを通電終了角に到達するタイミングに一致させるため、駆動相の通電制御終了付近ではPWM制御の周期が短くなって駆動電流が小刻みに制御され、駆動電流の電流リップルを抑制することができる利点も生じる。
請求項3に係る本発明のモータ駆動制御装置の場合、前記補正手段の補正により、PWM制御の制御周期が通電終了角のタイミングに近づく程短くなるため、回転により通電終了角付近で次第に磁気飽和の状態になり、そのインダクタンスが次第に小さくなるSRモータ等を駆動制御する場合に、前記インダクタンスが小さくなって次第に増加する駆動電流の電流リップルをその増加に合わせて良好に抑制することができる。そのため、モータ駆動制御装置の素子に電流容量の小さなものを使用することができ、モータ駆動制御装置の低コスト・小型化を図ることができる。
本発明の一実施形態の回路構成の説明図である。 図1のPWM制御の制御周期の補正の説明図である。 図1の動作説明用のフローチャートである。 SRモータの構成例の説明図である。 PWM制御におけるPWM波形および駆動電流波形の説明図である。 従来のPWM制御による通電終了角付近の駆動電流波形の説明図である。
つぎに、本発明をより詳細に説明するため、一実施形態について、図1〜図3を参照して詳述する。
図1は本実施形態のモータ駆動制御装置の構成を示し、このモータ駆動制御装置の駆動制御対象は、例えば電気自動車やハイブリッド車の駆動モータとしての3相駆動のSRモータ1であり、SRモータ1は例えば図4のSRモータ100と同じ構成である。SRモータ1の回転位置は周知のレゾルバやエンコーダ等の位置センサ2により検出される。
そして、本実施形態のモータ駆動制御装置は、概略、SRモータ1を駆動する3相のインバータ3およびその制御部4を備える。
インバータ3の入力電源は、車載のバッテリ等の電源5と、電源5に並列に接続されたキャパシタ6とからなり、その電源電圧は電圧センサ7により検出される。
インバータ3においては、電源5の正負の電源端子p、n間に、SRモータ1のU相のステータ巻線Luを挟んでU相の上下アームのスイッチング素子Sua、Subが直列に設けられ、同様に、SRモータ1のV相のステータ巻線Lvを挟んでV相の上下アームのスイッチング素子Sva、Svbが直列に設けられ、SRモータ1のW相のステータ巻線Lwを挟んでW相の上下アームのスイッチング素子Swa、Swbが直列に設けられる。各スイッチング素子Sua〜Swbは、IGBT、FET等で形成され、図1ではIGBTからなる。また、ステータ巻線Lu、Lv、Lwは、図5の各相それぞれの巻線302を直列又は並列に接続したものである。
さらに、正の電源端子pと、各相のステータ巻線Lu、Lv、Lwの下アーム側の端部との間に、カソードが電源端子pに接続された還流・回生用のダイオードDua、Dva、Dwaが設けられ、負の電源端子nと各相のステータ巻線Lu、Lv、Lwの上アーム側の端部との間に、アノードが電源端子nに接続された還流・回生用のダイオードDub、Dvb、Dwbが設けられる。
また、SRモータ1の各相の電流は、各相の電流センサ8u、8v、8wにより検出される。
制御部4は、マイクロコンピュータ構成の演算処理部41と、この演算処理部41の制御にしたがってインバータ3の各相のスイッチングSua〜Swbに制御信号を供給する駆動制御部42を有し、演算処理部41は、概略、CPUからなる駆動演算部41a、補正処理部41bおよび、各種データ等を記憶する不揮発性のメモリや演算の作業メモリ等を有する記憶部41cを備え、補正処理部41bが本発明の補正手段を形成する。
そして、位置センサ2の位置検出信号、電圧センサ7の検出電圧信号および、電流センサ8u〜8wの検出電流信号が演算処理部41に入力され、駆動演算部41aは、記憶部41bの駆動制御のプログラムに基づき、位置センサ2の位置検出信号からSRモータ1の駆動相のステータとロータの非対向、対向の状態を検出監視し、この検出監視に基づき、SRモータ1のロータの回転角度に応じてSRモータ1の駆動相の切り替えタイミングを把握する。
また、駆動演算部41aは、電圧センサ7の検出電圧信号からインバータ3の入力電源の電圧(電源電圧)を監視し、電流センサ8u〜8wの検出電流信号からSRモータ1の駆動相の駆動電流を検出する。
そして、駆動演算部41aの各相の制御出力を演算処理部41から駆動制御部42の電力増幅処理等を介してインバータ3の各相のスイッチング素子Sua〜Swbのゲートに供給し、インバータ3の駆動相のスイッチング素子Sua(Sva、Swa)、Sub(Svb、Swb)をオン・オフしてSRモータ1の駆動電圧を制御し、SRモータ1の駆動電流を、電源電圧、前記位置検出信号から検出したSRモータ1の回転数、アクセル開度に応じたトルク指令値等をパラメータとして記憶部41cの目標電流マップから読み出した目標電流IrefにPWM制御する。
そのため、駆動演算部41aは、検出した駆動電流と目標電流Irefの差に応じてパルス幅(オンデューティ)が変化する所定の制御周期TcのPWM信号を形成し、このPWM信号をPWM制御の制御出力として出力する。
なお、前記PWM制御においては、詳しくは、駆動相の上下アームのスイッチング素子Sua(Sva,Swa)、Sub(Svb、Swb)がともにオンする力行モードと、上下アームのスイッチング素子Sua(Sva,Swa)、Sub(Svb、Swb)のいずれか一方がオンする環流モードとに交互に制御する。
また、駆動相が切り替わったときには速やかに駆動電流を0から目標電流Irefに制御し、その後、PWM制御で駆動電流を目標電流Irefに維持することが望ましい。そのため、記憶部41cに、SRモータ1の回転数、電源電圧、トルク指令値等をパラメータとして、目標電流Irefに到達する起動の通電時間マップが保持される。
そして、駆動演算部41aは、前記パラメータの現在値に基づき、記憶部41cの前記通電時間マップから、目標電流Irefに到達する起動通電時間の指令値を読み出し、駆動相が切り替わる際には、通電開始角θonに対応する起動通電の開始タイミングから前記起動通電時間、駆動相のスイッチング素子Sua(Sva、Swa)、Sub(Svb、Swb)をオンして起動通電し、駆動電流を速やかに目標電流Irefに到達させる。
その後、PWM制御に移行し、駆動演算部41aの各相の前記PWM信号の制御出力に基づき、制御周期TcでSRモータ1の駆動電流を目標電流IrefにPWM制御する。このPWM制御により、駆動電流は制御周期Tcのタイミングに目標電流Irefになる。
そして、このPWM制御でSRモータ1のロータが通電終了角θoffまで回転すると、ステータの駆動相の突極(磁極)がロータに対向状態になり、通電中のステータの駆動相の突極(磁極)が磁気飽和の状態になってSRモータ1のインダクタンスが小さくなる。このとき、ステータのつぎの相の突極(磁極)がロータに非対向状態になるので、制御演算部41aは、現在の駆動相の通電を終了して駆動相を切り替える。このくり返しでSRモータ1が駆動される。
各相の通電開始角θon、通電終了角θoffは電源電圧、駆動電流等をパラメータとして記憶部41cに書き込まれて保持される。
そして、通電終了角θoffは、目標電流Irefで通電を停止した時にSRモータ1で最大トルクが得られるように設定されるので、通電終了角θoffのタイミングと制御周期Tcのタイミングとがずれていると、通電終了角θoffのタイミングによっては、駆動電流が目標電流Irefより大小にずれた状態で通電が停止し、前記したように駆動相を切り替えた際にトルクの低下や変動が発生する。
そこで、本実施形態においては、補正処理部41bにより、駆動相の通電終了角θoffとロータの回転数ωとから通電終了角θoffに到達するタイミングを算出し、通電終了角θoffに到達するタイミングにおいて駆動電流値と目標電流値とが一致するように各相の制御周期Tcを短くする方向に補正し、駆動相を切り替えた際にSRモータ1のトルクの低下や変動を防止する。
制御周期Tcを短くするのは、通電終了角θoffの付近ではステータの駆動相の突極(磁極)とロータの突極とが対向状態になって磁気飽和でSRモータ1のインダクタンスが小さくなり、駆動電流の電流リップルが大きくなるので、制御周期Tcを短くして前記電流リップルを抑制し、トルク変動の防止を図り、かつ、過大な電流リップルによるインバータ3のスイッチング素子Sua〜Swb等の素子の過熱を防止してそれらの素子の電流容量を小さくして小型化・コストダウン等を図るためである。
図2は制御周期Tcの補正例を示し、同図(a)の補正前の一定の制御周期Tcを、通電終了角θoffのタイミングに基づき、補正後は同図(b)に示すように制御周期Tcを短くして通電終了角θoffのタイミングに一致させる。なお、図2のtcは制御周期Tcの切り替えのタイミングである。
図3は補正処理部41bの上記の補正処理を示し、補正処理部41bは、制御周期Tc毎に、位置センサ2の位置検出信号等に基づいてSRモータ1の現在の回転の角度θおよび回転数ωを検出する。また、目標電流Irefの指令値やトルク指令値等に基づき、記憶部41cから通電終了角θoffを読み出す(ステップS1)。そして、現在の角度θから通電終了角θoffまでの角度差△θを算出する(ステップS2)。また、SRモータ1の回転数ωから通電終了角θoffに到達するまでの時間△T=△θ/ωを算出する(ステップS3)。さらに、現在の制御周期Tcで時間△Tになる周期数(回数)Fを、ΔT/Tcの除算から四捨五入で算出する(ステップS4)。また、時間ΔTが過不足なくF周期分になるあらたな制御周期TcをΔT/Fの除算から算出する(ステップS5)。
そして、ステップS6に移行し、PWM制御の制御周期を算出したあらたな制御周期Tcに変更し、変更した制御周期Tcで駆動電流を目標電流IrefにPWM制御する。
このようにすれば、通電終了角θoffのタイミングと制御周期Tcのタイミングとが一致し、通電終了角θoffに到達するタイミングにおいて駆動電流値と目標電流値とが一致して駆動電流が必ず目標電流Irefになった状態で通電が停止し、トルクの低下や変動が発生しないようにすることができる。また、補正しない場合と略同じ周期数の制御周期Tcで駆動相が切り替わるので、インバータ3のスイッチング素子Sua〜Swpのスイッチング回数等が変わらず、インバータ3等での損失を増加させることもない。さらに、制御周期Tc毎に上記の補正処理を行なって制御周期Tcを更新するので、制御周期Tcが時間的に変化し、インバータ3のスイッチング素子Sua〜Swpのスイッチング周波数のノイズが拡散されて騒音が少なくなる利点もある。
そして、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能であり、例えば、補正演算部41bの上記補正はPWM制御の毎制御周期Tcに行なわなくてもよく、例えば奇数周期や偶数周期に行うようにしてもよい。
また、図3のステップS4、S5では、時間ΔTの中に整数個の新たな制御周期が入るように処理していたが、図5から明らかなようにキャリア周期Tcの中に駆動電流とその平均値が一致するタイミングが2回あり、さらにその間隔はTc/2であるため、ステップS4で周期数(回数)FをΔT/(F+2)の除算から四捨五入で算出し、ステップS5で新たな制御周期TcをΔT/(F+2)で算出してもよい。
つぎに、図3のステップS5において、補正後の制御周期Tcが補正前より短くなることを条件とし、長くなる時には例えば周期数Fを+1して制御周期Tcを再計算してあらたな制御周期Tcを算出するようにし、制御周期Tcを必ず短くなるように補正して設定すれば、駆動相の通電制御終了付近では磁気飽和により前記したようにSRモータ1のインダクタンスが低下して駆動電流の電流リップルが増加傾向を示すが、PWM制御の制御周期Tcが必ず短くなって駆動電流が小刻みに制御されることで駆動電流の電流リップルが良好に抑制される利点も生じる。
さらに、PWM制御の制御周期Tcが通電終了角θoffのタイミングに近づくにしたがって、例えば周期数Fを図3のステップS4で算出する周期数Fより多くし、あらたな制御周期Tcを短くするようにしてもよい。この場合、通電終了角θoffのタイミングに近づいてSRモータ1のインダクタンスが小さくなるにしたがって、換言すれば、駆動電流の電流リップルが増加傾向になるにしたがって制御周期Tcが短くなり、駆動電流の電流リップルをその増加に合わせて一層良好に抑制することができる。
つぎに、インバータ3や制御部4の構成等は前記実施形態と異なっていてもよい。
また、SRモータ1が4相以上の多相の場合にも、インバータ3のアーム数、スイッチング素子数が3相の場合より多くなるだけであり、本発明を同様に適用できる。
さらに、本発明は、例えばアキシャルギャップ型のSRモータのモータ駆動制御装置にも同様に適用することができ、さらには、SRモータ以外のモータのモータ駆動制御装置にも適用できる。
そして、本発明は、電気自動車、ハイブリッド車の駆動モータだけでなく、種々の用途のモータのモータ駆動制御装置に適用することができる。
1 SRモータ
3 インバータ
4 制御部
41 演算処理部
41a 駆動演算部
41b 補正処理部

Claims (3)

  1. ロータの回転角度に応じてモータの駆動相を切り替え、PWM制御により所定の制御周期で前記モータの駆動相の駆動電流を前記目標電流に制御するモータ駆動制御装置であって、
    駆動相の通電終了角とロータの回転数とから前記通電終了角に到達するタイミングを算出し、前記通電終了角に到達するタイミングにおいて駆動電流値と目標電流値とを一致するように前記制御周期を補正する補正手段を備えたことを特徴とするモータ駆動制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記補正手段は、前記制御周期を短くして補正することを特徴とするモータ駆動制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記補正手段は、前記通電終了角のタイミングに近づく程短くなるように前記制御周期を補正することを特徴とするモータ駆動制御装置。
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