JP5543685B2 - ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、強化ポリアミド樹脂組成物に関するものであり、更には、ガラス繊維と膨潤性層状珪酸塩を併用した強化ポリアミド樹脂組成物に関するものである。
従来から、ポリアミド樹脂の強度を向上させることを目的に、各種ガラス繊維をはじめとする無機フィラーを配合して、強化ポリアミド樹脂を得ることが行われてきた。そして、この強度アップ効果をさらに高いものにするため、無機フィラーの表面に、これらフィラーともポリアミド樹脂とも親和性の高いシランカップリング剤で処理する技術が広く使われている。
その一方で、これらの無機フィラーは一般的に樹脂より比重が重く、強度アップにともない比重アップもしていた。そこで、無機フィラーの一種で膨潤性層状珪酸塩を出発物質に用いて、樹脂中に存在する無機フィラーのサイズをマイクロメートルオーダーからナノメートルオーダーにし、強化効率を大幅にアップさせた強化ポリアミド樹脂組成物が開発された(特許文献1)。用途により、これらサイズの異なる無機フィラーを併用する場合もあるが、ガラス繊維と膨潤性層状珪酸塩のように、種類の異なる無機フィラーを用いた場合、機械物性のうち、特に無機フィラーの配向方向に対して平行方向に引く力を示す引張強度に対して、補強効果が期待できないという問題があった。
これに対して、オクタデシルアミンに代表される高級脂肪族アミンを用いて層状粘土鉱物の表面を処理する方法(特許文献2)、ポリアミド樹脂の成形加工時に成形改良剤としての高級脂肪族アミン等を混合し、射出成形を行い、成形品を得る方法(特許文献3)が開示されている。
しかし、いずれも、それぞれの目的達成のために発明された多くの他の有機化剤や成形改良剤の一つに過ぎず、ポリアミド樹脂に対して、単独の強化剤を用いた場合には引張強度の向上効果が認められるものの、ガラス繊維と膨潤性層状珪酸塩を併用した場合、得られた強化ポリアミド樹脂の機械物性、特に引張強度の改善効果は十分でなかった。そのような場合、ISO-527測定方法による引張り試験をおこなったサンプルの破断面を観察すると、ガラスと樹脂の密着性が悪く、それぞれの強化剤の相乗効果が得られないことが一般的であった。
特開平6−248176号公報 国際公開第1999050340号パンフレット 特開平9−012870号公報
本発明が解決しようとする課題は、ガラス繊維と膨潤性層状珪酸塩を併用してポリアミド樹脂の機械物性を改善することにあり、ガラス繊維と膨潤性層状珪酸塩の併用による強化ポリアミド樹脂組成物の機械物性、特に引張強度の改善された強化ポリアミド樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、脂肪族第1級
アミン由来のアミンカチオンを層間に挿入させた膨潤性層状珪酸塩(A)と、末端にアミノ基もしくはエポキシ基を持ち、他方の末端にシラノール基を有するシランカップリング剤で表面処理したガラス繊維(B)を配合してなるガラス繊維/膨潤性層状珪酸塩/微細繊維状マグネシウムシリケート併用強化ポリアミド樹脂とすることで、この課題が解決されることを見出し、本発明に達した。
すなわち、本発明の要旨は、ポリアミド樹脂100質量部に対し、膨潤性層状珪酸塩(A)1〜50質量部、表面処理ガラス繊維(B)5〜150質量部および微細繊維状マグネシウムシリケート(C)1〜20質量部を含有してなるポリアミド樹脂組成物であって、前記(A)成分が、膨潤性層状珪酸塩100質量部に対して層間に脂肪族第1級アミン由来のアミンカチオン0.5〜30質量部を挿入させたものであり、(B)成分が、集束剤100質量部に対して、次式(1)で示されるシランカップリング剤0.01〜1質量部を配合した集束剤で表面処理されたものであり、(C)成分が、次式(4)で示されるものあることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
Si(OR (1)
(式中で、Rは末端にアミノ基もしくはエポキシ基を持つ炭素原子が2〜10のアルキ
ル基、Rはメチル基、または、エチル基である)
Si 12 Mg 30 (OH) (OH ・8H O (4)
膨潤性層状珪酸塩に対して、脂肪族第1級アミン由来のアミンカチオンを層間に挿入させ、かつ、ガラス繊維に対しては、末端にアミノ基もしくはエポキシ基を持ち、他方の末端にシラノール基を有するシランカップリング剤で処理したものを用いたポリアミド樹脂組成物は、引張強度が改善され、高度な機械特性を要求される材料分野で好適に用いることができ、産業上の利用価値は極めて高い。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において用いる膨潤性層状珪酸塩は、珪酸塩を主成分とする負に帯電した結晶層とその層間に介在するイオン交換能を有するカチオンとからなる構造を有するものであり、後述する方法で求めた陽イオン交換容量が50ミリ当量/100g以上であることが望ましい。この陽イオン交換容量が50ミリ当量/100g未満のものでは、膨潤能が低いためにポリアミド複合材料の製造時に実質的に未劈開状態のままとなり、性能の向上が認められない。本発明においては陽イオン交換容量の値の上限に特に制限はなく、現実に調製可能な膨潤性層状珪酸塩の中から適当なものを選べばよい。
かかる膨潤性層状珪酸塩としては、天然に産出するものでも人工的に合成あるいは変成されたものでもよく、例えばスメクタイト族(モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、ソーコナイト等)、バーミキュライト族(バーミキュライト等)、雲母族(フッ素雲母、白雲母、パラゴナイト、金雲母、レピドライト等)、脆雲母族(マーガライト、クリントナイト、アナンダイト等)、緑泥石族(ドンバサイト、スドーアイト、クッケアイト、クリノクロア、シャモナイト、ニマイト等)が挙げられるが、本発明においてはNa型あるいはLi型膨潤性フッ素雲母やモンモリロナイトが特に好適に用いられる。
本発明において好適に用いられる膨潤性フッ素雲母は一般的に次式(2)で示される構造式を有するものである。
α(MgLiβ)Si (2)
(式中で、Mはイオン交換性のカチオンを表し、具体的にはナトリウムやリチウムが挙げられる。また、α、β、X、YおよびZはそれぞれ係数を表し、0≦α≦1.0、0≦β≦1.0、2.5≦X≦4、10≦Y≦15、1.0≦Z≦2.0である)
このような膨潤性フッ素雲母の製造法としては、例えば酸化珪素、酸化マグネシウムおよび各種フッ化物とを混合し、その混合物を電気炉あるいはガス炉中で1400〜1500℃の温度範囲で完全に溶融し、その冷却過程で反応容器内に膨潤性フッ素雲母の結晶成長させる溶融法が挙げられる。
一方、タルク〔MgSi10(OH)〕を出発物質として用い、これにアルカリ金属イオンをインターカレーションして膨潤性を付与し、膨潤性フッ素雲母を得る方法もある(特開平2-149415号公報)。この方法では、所定の配合比で混合したタルクと珪フッ化アルカリを、磁性ルツボ内で700〜1200℃の温度下に短時間加熱処理することによって、膨潤性フッ素雲母を得ることができる。
この際、タルクと混合する珪フッ化アルカリの量は、混合物全体の10〜35質量%の範囲とすることが好ましい。この範囲をはずれる場合には膨潤性フッ素雲母の生成収率が低下する傾向にある。
本発明に用いるモンモリロナイトは次式(3)で表されるもので、天然に産出するものを水ひ処理等を用いて、精製することにより得ることができる。
Si(Al2−aMg)O10(OH)・nHO (3)
(式中で、Mはナトリウム等のカチオンを表し、0.25≦a≦0.7である。また層間のイオン交換性カチオンと結合している水分子の数はカチオン種や湿度等の条件によって様々に変わりうるので、式中ではnH2Oで表した)
またモンモリロナイトにはマグネシアンモンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、鉄マグネシアンモンモリロナイト等の同型イオン置換体の存在が知られており、これらを用いてもよい。
本発明においては上記した膨潤性層状珪酸塩の初期粒子径について特に制限はない。ここで初期粒子径とは本発明において用いるポリアミド樹脂組成物を製造するに当たって用いる原料としての膨潤性層状珪酸塩の粒子径であり、複合材料中の珪酸塩層の大きさとは異なるものである。しかしこの粒子径もまた得られたポリアミド複合材料の物性、特に剛性や耐熱性に少なからず影響を及ぼす。従って、上記した膨潤性層状珪酸塩の混合比率を選択するに当たってはこの点も考慮するのが望ましく、必要に応じてジェットミル等で粉砕して粒子径をコントロールすることは好ましい。
ここで、膨潤性フッ素雲母系鉱物をインターカレーション法により合成する場合には、原料であるタルクの粒子径を適切に選択することにより初期粒子径を変更することができる。粉砕との併用により、より広い範囲で初期粒子径を調節することができる点で好ましい方法である。
本発明に用いる膨潤性層状珪酸塩の層間に挿入させる脂肪族第1級アミンは、具体的にはオクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミンなどが挙げられる。これらアミンのハロゲン化塩、もしくは金属塩を純水中に溶解させて、その溶液の中に所定量の膨潤性層状珪酸塩を混合し、室温にて撹拌後、ろ別し乾燥することで、層間にこれらのアミンカチオンを挿入させた膨潤性層状珪酸塩を得ることができる。これを600℃、空気中で焼成し、有機物を除去した後、残渣の質量を測定することにより、ステアリルアミン量を算出した。
膨潤性層状珪酸塩の層間に挿入する脂肪族第1級アミン由来のアミンカチオンは、膨潤性層状珪酸塩に対して0.5〜30質量部とすることが好ましい。0.5質量部未満の場合、得られるガラス強化樹脂組成物の引張強度の向上効果が少なく、また30質量部以上の場合は、上記の方法で得ることは現実的ではない。
脂肪族第1級アミンで処理された膨潤性層状珪酸塩の配合量は、樹脂組成物中にポリアミド樹脂100質量部に対して1〜50質量部とすることが好ましい。この配合量が1質量部未満では、機械強度の向上が少なく、一方、この配合量が50質量部を越える場合には、引張強度に対する補強効率が低下するので好ましくない。
本発明におけるポリアミド樹脂とは、アミノカルボン酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸(それらの一対の塩も含まれる)を主たる原料とするアミド結合を主鎖内に有する重合体である。その原料の具体例としては、アミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等がある。またラクタムとしてはε−カプロラクタム、ω−ウンデカノラクタム、ω−ラウロラクタム等がある。ジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等がある。またジカルボン酸としては、アジピン酸、スべリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等がある。またこれらジアミンとジカルボン酸は一対の塩として用いることもできる。
かかるポリアミド樹脂の好ましい例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリウンデカミド(ナイロン11)、ポリカプロアミド/ポリウンデカミドコポリマー(ナイロン6/11)、ポリドデカミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリドデカミドコポリマー(ナイロン6/12)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)およびこれらの混合物ないし共重合体等が挙げられる。中でもナイロン6、ナイロン66が特に好ましい。
本発明に用いるガラス繊維は、集束剤100質量部に対して、次式(1)で示されるシランカップリング剤0.01〜1質量部を含む集束剤で表面処理された表面処理ガラス繊維を用いる必要がある。
Si(OR (1)
(式中で、Rは末端にアミノ基もしくはエポキシ基を持つ炭素原子が2〜10のアルキ
ル基、Rはメチル基、または、エチル基である)
ポリアミド樹脂の補強剤として用いるガラス繊維には、一般的に、樹脂との接着性を向
上させるためのカップリング剤に代表される組成と、ガラス繊維を束ねて扱いやすくする
ための造膜剤等を配合した薬液でコートされている(例えば、特開平9−301745)。
シランカップリング剤には、ビニルシラン系、アクリルシラン系、エポキシシラン系、アミノシラン系などが一般的に知られているが、本願では、式(1)で示されるシランカップリング剤を用いる必要がある。それ以外のカップリング剤を用いると、引張試験後のサンプルの破断面を観察すると樹脂とガラスの接着が十分でない。なお、造膜剤には一般的に公知となっているウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂などを用いることができる。
また、ガラス繊維の断面は、一般的な丸形状や、長方形や、それ以外の異形断面であってもよい。
本発明に用いる微細繊維状マグネシウムシリケートは、次式で示されるもので、フィロ珪酸塩系鉱物の1種で、基本的な構造は、酸化マグネシウムの八面体シートを二枚の珪酸四面体シートが挟んだ形を示し、珪酸塩四面体シートが六単位ごとに反転して結合しているため、酸化マグネシウムの八面体シートは不連続層となり、微細繊維状のセピオライト粒子を形成する。
Si12Mg30(OH)(OH・8HO (4)
陽イオン交換容量は、10〜15ミリ当量/100gと弱いため低帯電性である。一方で、粒子長に沿って多くのシラノール基(Si-OH)が存在するため、本願においては、ガラス繊維に用いるシランカップリング剤との馴染みが特に良く、表面処理ガラス繊維との親和性によって、ポリアミド樹脂組成物中において、無機強化材が立体的な分布を呈し、機械的強度の向上につながる。
本発明に用いる微細繊維状マグネシウムシリケートの配合量は、ポリアミド樹脂100質量部に対して、1〜20質量部とすることが好ましい。1質量部未満では、機械的強度の向上につながらず、また、20質量部を超えた場合には、膨潤性層状珪酸塩や、ガラス繊維の分散の妨げになり、好ましくない。
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法は、膨潤性層状珪酸塩100重量部に対して
、層間に脂肪族第1級アミン由来のアミンカチオン0.5〜30質量部を挿入させた膨潤性層状珪酸塩(A)と、ガラス繊維100質量部に対して、次式(1)で示されるシランカップリング剤0.01〜1質量部を含む集束剤で表面処理された表面処理ガラス繊維(B)と、次式(4)で示される微細繊維状マグネシウムシリケート(C)およびポリアミド樹脂を溶融混錬するのが一般的であるが、この方法に限ったものではない。
Si(OR (1)
(式中で、Rは末端にアミノ基もしくはエポキシ基を持つ炭素原子が2〜10のアルキ
ル基、Rはメチル基、または、エチル基である)
Si 12 Mg 30 (OH) (OH ・8H O (4)
本発明のポリアミド樹脂組成物を製造するに当たっては、その特性を大きく損なわない
限りにおいて、熱安定剤、酸化防止剤、強化材、顔料、着色防止剤、耐候剤、難燃剤、可
塑剤、結晶核剤、離型剤等を添加してもよい。
熱安定剤や酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン類、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物が挙げられる。
以下本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に制限されるものではない。なお、実施例および比較例に用いた原料および物性測定方法は次の通りである。
1 原料
(A)ポリアミド樹脂
・ポリアミド6(ユニチカ社製A1030BRL 相対粘度2.6)
・ポリアミド66(ユニチカ社製A125 相対粘度2.8)
・ポリアミド11(アルケマ社製BMNO TLD 相対粘度 1.8 )
(B) 膨潤性層状珪酸塩
・ 合成フッ素雲母 (コープケミカルケミカル社製ME-100)
・ モンモリロナイト (クニピア社製クニピアF)
(C) 微細繊維状マグネシウムシリケート
・ 含水マグネシウムシリケート(楠本化学社製セピオライトPANGEL AD)
(D) 層間処理剤
(1) 脂肪族第1級アミン
・オクチルアミン
・ステアリルアミン
(2) 脂肪族第1級アミン以外の処理剤
・6−アミノカプロン酸
(E) ガラス繊維
・ ガラス繊維 : 径10μm、長さ3mmの円形断面を有するガラス繊維
(F) シランカップリング剤
・ アミノ系シランカップリング剤 :3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製KBE-903)
・ エポキシ系シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM-403)
・ ビニルシラン系カップリング剤:ビニルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM-1003)
2 測定方法
(1)引張破断強度
ISO527に準拠して23℃で測定した。180MPa以上を合格とした。
(2)樹脂とガラス繊維の接着状態
破断面のガラスと樹脂の接着状態は、光学顕微鏡観察を行い判断した。
判断基準は以下のとおり。
◎:樹脂とガラス繊維がしっかりくっ付いている。
○:樹脂とガラス繊維がくっ付いている。
×:樹脂とガラス繊維がくっ付いていない。
参考例 A1〜A8
指定の各種膨潤性層状珪酸塩に対し、指定の各種アミンで処理し、得られた膨潤性層状珪酸塩(A)を表1に示す。また、アミンで有機処理してない膨潤性合成フッ素雲母を(A8)とする。
参考例 B1〜B4
指定のシランカップリング剤で表面処理されたガラス繊維(B)を表2に示す。
実施例1
表3に示すように、ポリアミド6樹脂100重量部に対して、オクチルアミンで有機処理された膨潤性合成フッ素雲母(A1)5質量部と、アミノ系シランカップリング剤で表面処理されたガラス繊維(B1)30質量部、微細繊維状マグネシウムシリケート5質量部を、260℃で東芝機械社製TEM37BSを用いて溶融混錬した。得られた樹脂組成物の引張試験を行った。引張強度および破断面の観察を行った。引張試験の結果を表3に示す。ガラス繊維と樹脂がしっかりくっ付いており、破断強度も高かった。
実施例2
オクチルアミンで有機処理された膨潤性合成フッ素雲母を(A2)とし、配合量を45質量部に変えた以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を得た。引張試験の結果を表3に示す。ガラス繊維と樹脂の接着は良好であった。
実施例3
有機処理をステアリルアミンに変えた膨潤性合成フッ素雲母(A3)を用い、配合量10質量部とした以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を得た。引張試験の結果を表3に示す。ガラス繊維と樹脂がしっかりくっ付いており、破断強度も高かった。
実施例4
有機処理された膨潤性合成フッ素雲母を(A4)に変えた以外は、実施例3と同様に樹脂組成物を得た。引張試験の結果を表3に示す。ガラス繊維と樹脂の接着は良好であった。
実施例5
有機処理された膨潤性合成フッ素雲母(A3)を40質量部配合した以外は、実施例3と同様に樹脂組成物を得た。引張試験の結果を表3に示す。ガラス繊維と樹脂の接着は良好であった。
実施例6
有機処理された膨潤性層状珪酸塩をモンモリロナイト(A3)に変えた以外は、実施例3と同様に樹脂組成物を得た。引張試験の結果を表3に示す。ガラス繊維と樹脂の接着は良好であった。
実施例7
有機処理されたガラス繊維(B1)の配合量を100質量部に変えた以外は、実施例3と同様に樹脂組成物を得た。引張試験の結果を表3に示す。ガラス繊維と樹脂の接着は良好であった。
実施例8
有機処理されたガラス繊維を(B2)に変えた以外は、実施例3と同様に樹脂組成物を得た。引張試験の結果を表3に示す。ガラス繊維と樹脂の接着は良好であった。
実施例9
ポリアミド66樹脂を用い、樹脂組成物を溶融混錬するときの温度を280℃とした以外は、実施例3と同様に樹脂組成物を得た。引張試験の結果を表3に示す。ガラス繊維と樹脂の接着は良好であった。
実施例10
ポリアミド11樹脂を用い、樹脂組成物を溶融混錬するときの温度を220℃とした以外は、実施例3と同様に樹脂組成物を得た。引張試験の結果を表3に示す。ガラス繊維と樹脂の接着は良好であった。
比較例1
ガラス繊維を配合しない以外は、実施例3と同様に樹脂組成物を得た。引張破断強度はかなり低かった。その結果を表4に示す。
比較例2
膨潤性層状珪酸塩を配合しない以外は、実施例3と同様に樹脂組成物を得た。引張試験の結果を表4に示す。ガラスと樹脂の接着は良好であったが、引張破断強度が低かった。
比較例3
膨潤性フッ素雲母100質量部に対して、ステアリルアミンの処理量が、0.1質量部である膨潤性フッ素雲母(A7)を用いること以外は、実施例3と同様に、樹脂組成物を得た。引張試験の結果を表4に示す。ステアリルアミン量が少ないために、ガラス繊維と樹脂の接着性が悪く、引張破断強度も、ほぼ同じ組成の実施例1より劣った。
比較例4
ポリアミド6樹脂100質量部に対して、膨潤性フッ素雲母(A3)の配合量を0.5質量部とした以外は実施例3と同様に樹脂組成物を得た。引張試験の結果を表4に示す。膨潤性層状珪酸塩の配合量が少ないために、ガラス繊維と樹脂の接着性が悪く、引張破断強度も、ほぼ同じ組成の実施例1より劣った。
比較例5
6−アミノカプロン酸で処理された膨潤性フッ素雲母(A6)を用いた以外は、実施例3と同様に樹脂組成物を得た。引張試験の結果を表4に示す。膨潤性層状珪酸塩の有機処理材が一般的な6−アミノカプロン酸である場合、ガラス繊維と膨潤性層状珪酸塩の相乗効果は見られず、そして、ガラス繊維と樹脂の接着性は悪かった。
比較例6
アミンで有機処理してない膨潤性合成フッ素雲母を(A7)を用いた以外は、実施例3と同様に樹脂組成物を得た。引張試験の結果を表4に示す。比較例5同様、ガラス繊維と膨潤性合成フッ素雲母との相乗効果は見られず、そして、ガラス繊維と樹脂の接着性も悪かった。
比較例7
アミノ系シランカップリング剤で表面処理したガラス繊維(B1)を、ポリアミド樹脂100質量部に対して、200質量部配合した以外は、実施例3と同様に樹脂組成物を作成したが、ガラス繊維の配合量が多すぎて、ストランドの引取りが出来ず、ポリアミド樹脂組成物を得られなかった。
比較例8
ビニルシラン系カップリング剤を用いて処理したガラス繊維(B3)を用いる以外は、実施例3と同様に樹脂組成物を得た。引張試験の結果を表4に示す。ガラス繊維の表面処理剤をアミノ系とエポキシ系以外のものを用いているため、樹脂とガラス繊維の接着性が悪かった。
比較例9
ガラス繊維の表面のアミノシラン系カップリング剤の濃度を0.001質量%とした以外は、実施例3と同様に樹脂組成物を得た。アミノシランカップリング剤の濃度が低かったため、樹脂とガラス繊維の接着性が悪く、引張破断強度も低かった。
比較例10
膨潤性合成フッ素雲母の層間処理剤を6−アミノカプロン酸に、ガラス繊維の表面処理剤をビニルシラン系にした以外は、実施例3と同様に樹脂組成物を得た。この場合も、樹脂とガラス繊維との接着性が悪かった。
比較例11
ガラス繊維の表面処理剤をビニルシラン系にした以外は、実施例9と同様に樹脂組成物を得た。引張試験の結果を表4に示す。ナイロン66の場合も、ビニルシラン系の表面処理材を用いると、膨潤性層状珪酸塩と樹脂の相乗効果が見られず、実施例9より、引張破断強度が低く、樹脂とガラス繊維の接着性も悪かった。
比較例12
ガラス繊維の表面処理剤をビニルシラン系にした以外は、実施例10と同様に樹脂組成物を得た。引張試験の結果を表4に示す。ナイロン11の場合も、ビニルシラン系の表面処理剤を用いると、膨潤性層状珪酸塩と樹脂の相乗効果が見られず、実施例10より、引張破断強度が低く、樹脂とガラス繊維の接着性も悪かった。
比較例13
微細繊維状マグネシウムシリケートを配合しない以外は、実施例3と同様に樹脂組成物を得た。樹脂とガラス繊維の接着状態は良かったものの、引張破断強度が低くなった。

Claims (2)

  1. ポリアミド樹脂100質量部に対し、膨潤性層状珪酸塩(A)1〜50質量部、表面処理ガラス繊維(B)5〜150質量部および微細繊維状マグネシウムシリケート(C)1〜20質量部を含有してなるポリアミド樹脂組成物であって、前記(A)成分が、膨潤性層状珪酸塩100質量部に対して層間に脂肪族第1級アミン由来のアミンカチオン0.5〜30質量部を挿入させたものであり、(B)成分が、集束剤100質量部に対して、次式(1)で示されるシランカップリング剤0.01〜1質量部を配合した集束剤で表面処理されたものであり、(C)成分が、次式(4)で示されるものあることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
    Si(OR (1)
    (式中で、Rは末端にアミノ基もしくはエポキシ基を持つ炭素原子が2〜10のアルキ
    ル基、Rはメチル基、または、エチル基である)
    Si12Mg30(OH)(OH・8HO (4)
  2. 脂肪族第1級アミンが、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミンのいずれか一種もしくは一種以上を混合してなる混合物である請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
JP2007199118A 2007-07-31 2007-07-31 ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物 Expired - Fee Related JP5543685B2 (ja)

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