JPH10292107A - 抗菌性ポリアミド樹脂成形体 - Google Patents

抗菌性ポリアミド樹脂成形体

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JPH10292107A
JPH10292107A JP9101900A JP10190097A JPH10292107A JP H10292107 A JPH10292107 A JP H10292107A JP 9101900 A JP9101900 A JP 9101900A JP 10190097 A JP10190097 A JP 10190097A JP H10292107 A JPH10292107 A JP H10292107A
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copper
polyamide resin
iodine
resin composition
containing component
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JP9101900A
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Harumi Watanabe
春美 渡辺
Keiichi Nakazawa
桂一 中沢
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種充填剤を配合した場合においても機械的
物性の低下も少なく、優れた成形品外観を有し、高湿度
下でもその抗菌性能が安定である抗菌性ポリアミド樹脂
成形体を提供する。 【解決手段】 銅換算で10〜500ppmの銅含有成
分、及びヨウ素換算で20〜25000ppmのヨウ素含
有成分とを含有し、銅含有成分とヨウ素含有成分とのモ
ル比が2〜30の範囲にあるポリアミド樹脂、又は該ポ
リアミド樹脂と無機充填剤とから成るポリアミド樹脂組
成物を用いて得られるポリアミド樹脂成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌性ポリアミド
樹脂成形体に関する更に詳しくは、高い抗菌性能を有
し、かつ成形体として優れた外観・機械的物性を有する
ものであり、しかも長期にわたり抗菌性能が安定である
抗菌性ポリアミド樹脂成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、銀イオン、銅イオン、亜鉛イ
オンなどを溶出させる金属や金属化合物が抗菌性を示す
ことは古くから知られており、近年、ポリアミド樹脂を
含む各種樹脂に、例えば、銀イオンや銅イオンとイオン
交換した抗菌性ゼオライトを配合する例(特公昭63−
54013号公報)、銀イオンを有する特定のリン酸塩
又は縮合リン酸塩系化合物を配合する例(特開平3−8
3905号公報、特開平3−83906号公報)、ハイ
ドロアパタイトの焼成物に銀イオンを担持させたもの等
を配合した樹脂組成物が報告されている。しかしなが
ら、これらの抗菌性付与剤を用いてポリアミド樹脂成形
体に抗菌性を付与しようとする場合には、強度及び靱性
が低下する等の問題点がある。
【0003】また、無機充填剤等を配合して高い機械的
強度及び靱性を必要とする用途に利用しようとする場合
には、ポリアミド樹脂組成物と無機充填剤との溶融混練
時及び得られた溶融混練した混合物を用いて溶融成形す
る際に、成形品の外観が不良であったり、着色や変色の
問題が生じるという問題があった。一方、ポリアミド樹
脂の耐熱安定性や耐候性付与を目的に、銅化合物を配合
することが古くから実施されており、ヨウ化カリウム、
臭化カリウムなどのハロゲン化物を銅化合物と併用して
用いることも広く行われている。また、特開平5−16
3614号公報には、過酸化水素水による漂白処理後も
安定した抗菌性を有するポリアミド繊維として、ヨウ化
銅を配合したものが報告されている。
【0004】自動車及び工業用品分野のように高い機械
的物性が要求される場合には、ポリアミド樹脂に無機充
填剤等を配合した強化ポリアミド樹脂を用いて成形体を
製造する場合が多いが、この場合にも他の成形品特性を
低下させることなく優れた抗菌性を有する成形体が求め
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ポリ
アミド樹脂成形体において、無機充填剤等を配合した場
合においても、機械的物性の低下も少なく、更に成形品
として優れた成形品外観を有し、高湿度下でもその抗菌
性能が安定である、抗菌性ポリアミド成形体、特に射出
成形体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に対して鋭意検討し、特定量範囲の銅含有成分を含有し
ているポリアミド樹脂成形体は高い抗菌性能を有するこ
と、また、特定量範囲の銅含有成分とヨウ素含有成分と
を含有し、銅に対するヨウ素のモル比が2〜30のポリ
アミド樹脂成形体は、従来知られている、前記の特開平
5−163614号公報のような、単にモル比1の銅含
有成分のみを含むものと比較して更に高い抗菌性能が得
られることを見出した。
【0007】更に、本発明者らは検討を続けた結果、ポ
リアミド樹脂と無機充填剤とからなるものが特定量範囲
の銅含有成分とヨウ素含有成分とを含有し、銅に対する
ヨウ素のモル比が2〜30の場合には、得られるポリア
ミド樹脂成形体が優れた抗菌性及び高い成形品物性を有
し、かつ優れた抗菌性能の持続性を有していることを見
出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、次の通りである。 (1)銅含有成分が銅換算で10〜500ppm添加さ
れているポリアミド樹脂組成物からなることを特徴とす
る抗菌性ポリアミド樹脂成形体、であり、(2)ポリア
ミド樹脂組成物100重量部と、ガラス繊維、ミルドフ
ァイバー、炭素繊維、カオリン、ワラストナイト、タル
ク及びマイカから選ばれる少なくとも一種の無機充填剤
5〜200重量部とからなるポリアミド樹脂成形体であ
って、上記ポリアミド樹脂組成物に銅含有成分が銅換算
で10〜500ppm添加されていることを特徴とする
抗菌性ポリアミド樹脂成形体、であり、(3)ポリアミ
ド樹脂組成物100重量部と、モンモリロナイト及び膨
潤性フッ素雲母系鉱物から選ばれる少なくとも一種の無
機充填剤0.5〜50重量部とからなるポリアミド樹脂
成形体であって、上記ポリアミド樹脂組成物に銅含有成
分が銅換算で10〜500ppm含有されていることを
特徴とする抗菌性ポリアミド樹脂成形体、であり、
(4)銅含有成分が銅換算で10〜500ppm、ヨウ
素含有成分がヨウ素換算で20〜25000ppm添加
されており、しかも上記銅とヨウ素とのモル比(I/C
u)が2〜30であるポリアミド樹脂組成物からなるこ
とを特徴とする抗菌性ポリアミド樹脂成形体、であり、
(5)ポリアミド樹脂組成物100重量部と、ガラス繊
維、ミルドファイバー、炭素繊維、カオリン、ワラスト
ナイト、タルク及びマイカから選ばれる少なくとも一種
の無機充填剤5〜200重量部とからなるポリアミド樹
脂成形体であって、上記ポリアミド樹脂組成物に銅含有
成分が銅換算で10〜500ppm、ヨウ素含有成分が
ヨウ素換算で20〜25000ppm添加されており、
しかも上記銅とヨウ素とのモル比(I/Cu)が2〜3
0であることを特徴とする抗菌性ポリアミド樹脂成形
体、であり、(6)ポリアミド樹脂組成物100重量部
と、モンモリロナイト及び膨潤性フッ素雲母系鉱物から
選ばれる少なくとも一種の無機充填剤0.5〜50重量
部とからなるポリアミド樹脂成形体であって、上記ポリ
アミド樹脂組成物に銅含有成分が銅換算で10〜500
ppm、ヨウ素含有成分がヨウ素換算で20〜2500
0ppm添加されており、しかも上記銅とヨウ素とのモ
ル比(I/Cu)が2〜30であることを特徴とする抗
菌性ポリアミド樹脂成形体、である。
【0009】以下、その詳細について説明する。本発明
におけるポリアミド樹脂は、酸アミド(−CONH−)
結合を繰り返し単位にもつ高分子化合物で、重合形式に
よりラクタムの開環重合によるもの、アミノカルボ
ン酸の重縮合によるもの、ジアミンと二塩基酸の重縮
合によるものなどが挙げられる。
【0010】具体例としては、ポリアミド6、ポリアミ
ド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド
46、ポリアミド610、ポリアミド612等の脂肪族
ポリアミド樹脂、ポリ(メタキシレンアジパミド)、ポ
リ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(ヘキサ
メチレンイソフタルアミド)などの脂肪族−芳香族ポリ
アミド樹脂、及びこれらの共重合体や混合物が挙げられ
る。これらの中で、本発明に用いるポリアミド樹脂は、
ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド6・6共重
合体、ヘキサメチレンアジパミド単位、ヘキサメチレン
イソフタルアミド単位及び又はヘキサメチレンテレフタ
ルアミド単位から構成される芳香環含有ポリアミド樹脂
が好ましい。
【0011】また、本発明に用いられるポリアミド樹脂
は、分子量としては成形が可能で有れば特に制限されな
いが、温度25℃、98重量%硫酸中の濃度1g/デシ
リットルにおける相対粘度が1.5〜3.5に相当する
ものが好ましい。また、本発明に用いるポリアミド樹脂
は、その末端カルボキシル基濃度と末端アミノ基濃度と
の比が1.0〜6.0の範囲のものが好ましく、さらに
好ましくは1.2〜5.0の範囲にあり、その比が1.
0未満の場合又は6.0を超える場合には熱安定性が低
下し、良好な抗菌性と成形品物性がともに優れた成形体
が得られない。
【0012】ポリアミド樹脂の末端基濃度比のコントロ
ール方法は、例えば、重合開始前のモノマー含有水溶液
に更にモノカルボン酸やジカルボン酸を加えるか、また
は重合途中でヘキサメチレンジアミン等のジアミン成分
を反応系外に除去する方法、及び押出機やニーダー内で
ポリアミドとモノカルボン酸やジカルボン酸の化合物を
直接反応させてコントロールする方法等が例示できる。
【0013】末端官能基濃度のコントロール用モノカル
ボン酸、ジカルボン酸としては、CH3(CH2 ) nCO
OH(n=0〜30)、HOOC(CH2)nCOOH
(n=0〜30)で示される脂肪族系カルボン酸、安息
香酸、トルイル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳
香族系カルボン酸、ナフタレンジカルボン酸等のナフタ
レン環を含有するカルボン酸、シクロヘキサン環を含有
するカルボン酸等が挙げられる。
【0014】本発明で用いられるポリアミド樹脂組成物
の銅含有成分としては、塩化銅、臭化銅、フッ化銅、ヨ
ウ化銅、チオシアン酸銅、硝酸銅、酢酸銅、ナフテン酸
銅、カプリン酸銅、ラウリン酸銅、ステアリン酸銅、ア
セチルアセトン銅、酸化銅(I)、酸化銅(II)、銅
のテトラアルキルアンモニウムアイオダイド錯体、ハロ
ゲン化銅とメルカプトベンゾイミダゾールとの錯体など
が例示できる。これらの中では、好ましくは酢酸銅、ハ
ロゲン化銅、酸化銅(I)、及び酸化銅(II)、特に
好ましくは酢酸銅及びヨウ化銅である。
【0015】本発明で用いられるポリアミド樹脂組成物
の銅含有成分は、濃度範囲が、銅換算濃度で10〜50
0ppmの範囲であり、好ましくは20〜350ppm
の範囲である。その含有量が10ppm未満に場合には
抗菌性が得られず、また含有量が上記500ppmを超
えても効果が飽和して、得られるポリアミド樹脂成形体
の抗菌性がさらに改善されることはなく好ましくない。
【0016】本発明において上記銅含有成分とともに用
いられるヨウ素含有成分としては、例えば、ヨウ化銅、
ヨウ化カリウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化アンモニ
ウムおよびヨウ素単体などが挙げられる。好ましくは、
ヨウ化銅、ヨウ化カリウムである。また、本発明で用い
られるポリアミド樹脂組成物は、ヨウ素含有成分の含有
量が、ヨウ素換算で20〜25000ppmの範囲であ
り、好ましくは100〜20000ppm、さらに好ま
しくは200〜18000ppmの範囲である。ヨウ素
含有成分のヨウ素換算濃度が20ppmより少ない場合
には充分な抗菌性が得られない。また、25000pp
mを超える場合には成分の溶出性が高くなり、抗菌性及
び成形品物性がともに優れた成形体が得られないばかり
か、重合反応器、押出機、成形機等への金属腐食等の問
題が顕著になり好ましくない。
【0017】また、本発明で用いられるポリアミド樹脂
組成物は、銅とヨウ素とのモル比(I/Cu)が、2〜
30の範囲、好ましくは5〜25の範囲、更に好ましく
は8〜22の範囲である。モル比が2より小さいと、ポ
リアミド樹脂成形体として安定した機械的物性が得られ
ないばかりか、安定した抗菌性をも得られず、更に吸水
による後変色も顕著になり好ましくない。又、30より
大きくなると金属に対する腐食、例えば重合反応器、押
出機、成形機等の金属腐食、成形品内にインサートされ
た金属の腐食が起こり易くなるなど、樹脂組成物及び樹
脂成形体の調製時に問題があるばかりか、持続性ある抗
菌性が得られず好ましくない。
【0018】また、本発明の抗菌性ポリアミド樹脂成形
体は、高湿度下においても安定な抗菌性を有することが
特徴である。その評価方法として、本発明においては次
の熱水処理方法を用いた。すなわち、樹脂成形体を純水
中に90℃にて150時間浸積した時、浸積前の樹脂成
形体中に含まれる銅元素量(Cu0)に対する浸積後の
銅元素量(Cu1)との比(Cu1/Cu0)で表すこと
とし、その比が0.5〜1.0の範囲、好ましくは0.
7〜1.0の範囲、更に好ましくは0.8〜1.0の範
囲で有ることが好ましい。
【0019】本発明の抗菌性ポリアミド樹脂成形体を製
造する方法は、特に限定されないが、例えば、以下のよ
うな方法にてポリアミド樹脂又はポリアミド樹脂組成物
に銅含有成分及び又はヨウ素含有成分を、成形する前に
添加配合した後、押出成形するか射出成形することによ
り製造することが出来る。 重合時に銅含有成分及び、又はヨウ素含有成分を添加
する方法、ポリアミド樹脂又はポリアミド樹脂組成物
のペレットに銅含有成分及び、又はヨウ素含有成分を水
溶液として噴霧してその表面にコートする方法、ポリ
アミド樹脂組成物を形成する時に銅含有成分及び、又は
ヨウ素含有成分を添加する方法、あるいは銅含有成分
とヨウ素含有成分とを高濃度に含有するポリアミド樹脂
マスターバッチを別途、形成しておき、射出成形時にポ
リアミド樹脂又はポリアミド樹脂組成物に配合する方法
等が例示できる。
【0020】本発明で用いられる無機充填剤は、ガラス
繊維、ミルドファイバー、炭素繊維、カオリン、ワラス
トナイト、タルク、モンモリロナイト、膨潤性フッ素雲
母系鉱物及びマイカから選ばれる少なくとも1種の無機
充填剤が挙げられ、中でもガラス繊維単独、モンモリロ
ナイト単独、膨潤性フッ素雲母系鉱物又はガラス繊維と
マイカ、ガラス繊維とカオリンまたは焼成カオリン、ガ
ラス繊維とタルクとカオリンまたは焼成カオリン等併用
して用いることが好ましい。
【0021】ガラス繊維は、通常熱可塑性樹脂に使用さ
れているものを使うことができ、繊維径や長さに特に制
限はないが、例えば直径が5〜25μのチョップドスト
ランド、ロービング、ミルドファイバーのいずれを使用
してもよい。本発明で用いられる無機充填剤は、その表
面に通常公知のシラン系カップリング剤が付与されてい
てもよい。シラン系カップリング剤としては、例えば、
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シランなどが利用できる。
【0022】無機充填剤の配合量は、ガラス繊維、ミル
ドファイバー、炭素繊維、カオリン、ワラストナイト、
タルク、及びマイカに関しては、ポリアミド樹脂成形体
中、ポリアミド樹脂組成物100重量部に対して5〜2
00重量部、好ましくは10〜150重量部、である。
添加量が5重量部より少ないと無機充填剤の補強効果が
十分発現されず、充分な強度、靱性、又は剛性が得られ
ず好ましくない。又、70重量%より多いと樹脂の流動
性が悪くなり薄肉部への樹脂の充填が困難となるばかり
でなく、成形品外観も悪化し好ましくない。
【0023】また、モンモリロナイト及び膨潤性フッ素
雲母系鉱物に関してはポリアミド樹脂成形体中、ポリア
ミド樹脂組成物100重量部に対して0.5〜50重量
部であり、好ましくは1〜30重量部、更に好ましくは
2〜20重量部の範囲である。添加量が0.5重量部未
満では充分な強度・剛性の向上が認められず、また、5
0重量部を超えた場合には靱性の低下が著しく好ましく
ない。
【0024】抗菌性ポリアミド樹脂成形体の製造に用い
るポリアミド樹脂組成物は、抗菌性成分、前記の無機充
填剤のほか、必要に応じて用いられる各種の添加剤を混
合し、混練し、成形すればよい。その際、配合、混練方
法や順序には特に制限はなく、通常用いられる混合機、
例えばヘンシェルミキサー、タンブラー、リボンブレン
ダー等で混合が行われる。混練機としては、一般に単軸
又は2軸の押出機が用いられる。
【0025】このような押出機により、通常はまず、上
記本発明の樹脂組成物からなるペレットが製造され、こ
のペレットを用いてシート成形、フィルム成形等の押出
成形、及び射出成形を実施することにより、任意の形状
に成形して所望の抗菌性ポリアミド樹脂成形体とするこ
とができる。例えば、樹脂温度が250℃から310℃
の範囲、金型温度が40℃〜130℃の範囲で射出成形
する方法が例示できる。
【0026】本発明の抗菌性ポリアミド樹脂成形体に
は、必要に応じ本発明の目的を損なわない範囲に於いて
通常のポリアミド樹脂に添加される酸化防止剤、紫外線
吸収剤、熱安定剤、光劣化防止剤、染料、顔料等の着色
剤、可塑剤、滑剤、離型剤、核剤、難燃剤等を添加する
こともできるし、他のポリアミド樹脂、他の熱可塑性樹
脂をブレンドしてもよい。
【0027】本発明の抗菌性ポリアミド樹脂成形体は、
用途により異なるが、試験後の試験検体での生存菌数に
対するブランクでの生存菌数の比(ブランクでの生存菌
数/試験後の試験検体での生存菌数)の常用対数値で表
した場合、その比が2.0以上であることが好ましく、
更に好ましくは3.0以上、特に好ましくは4.0以上
である。
【0028】本発明における抗菌性評価方法は、一定の
条件にて前処理されたポリアミド樹脂成形体の平板成形
体(試験検体)を用い、試験検体に菌液を0.5ml接
種し、37℃、24時間の条件にて培養し、その前後の
生存菌数を測定し、試験検体1枚当たりの生存菌数に換
算する。試験結果は、試験後の試験検体での生存菌数に
対するブランクでの生存菌数の比(ブランクでの生存菌
数/試験検体での生存菌数)の常用対数値で表し、値が
大きいほどその効果が大きいことを示す。
【0029】本発明の抗菌性ポリアミド樹脂成形体の用
途は、特に限定されることはないが、例えば、アウター
ドアハンドル、ホイールキャップ、ルーフレール、ドア
ミラーベース、ルームミラーアーム、サンルーフデフレ
クター、ラジエターファン、ベアリングリテーナー等の
自動車部品、及び机及び椅子の脚、座受け、肘掛け等の
各種オフィス部品、更には、車椅子部品、ドアハンド
ル、手摺り、浴室等の握り棒、窓用ノブ、グレーティン
グ材、結束バンド、コイルボビン、電池ワッシャー、ブ
レーカー、ワイヤーハーネス、床補強材アジャスタ等の
電機部品用途、工業用途及び雑貨用途に利用できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を更に
詳細に説明する。なお、評価は次の方法で行った。 (1)硫酸溶液粘度 JIS K6810に従って、1gのポリマーを98%
濃度の硫酸100ミリリットルに溶解し、25℃で測定
を行う。 (2)末端アミノ基濃度 (単位:ミリ当量/kg) 試料を90%フェノールに溶解して、25℃にて1/5
0規定塩酸で滴定し算出した。 (3)末端カルボキシル基濃度(単位:ミリ当量/k
g) 試料を160℃のベンジルアルコールに溶解して、1/
10規定水酸化カリウムのエチレングリコール溶液で、
指示薬としてフェノールフタレインを使用して滴定し算
出した。 (4)銅元素及びヨウ素元素の定量 成形体を粉砕後、銅元素の定量は試料の燃焼残分を塩酸
水溶液にて調整後ICP法にて、ヨウ素元素の定量は試
料を沸騰水抽出後イオン電極法にて測定した。 (5)機械的物性 東芝機械(株)製、商品名IS−50EP射出成形機を
用いて、スクリュー回転数200rpm、樹脂温度29
0℃の成形条件にて、厚さ3mmのASTMタイプ1を
成形し、ASTM D638、D790、D256に従
って引張試験、曲げ試験、アイゾット衝撃試験(ノッチ
有り、単位:kg−cm/cm)を行った。 (6)成形品表面外観 東芝機械(株)製、商品名IS−150E射出成形機を
用いて、スクリュー回転数150rpm、樹脂温度29
0℃、射出圧力を変更して種々の充填時間にて、66m
m×90mm、厚さ3mmの平板を成形し、(株)堀場
製作所製、商品名グロスチェッカーIG−320を用い
て60度グロスを測定した。 (7)抗菌性 厚さ2mmの平板にした以外は(6)成形品表面外観の
場合と同様の条件で成形し、50mm×50mmのサイ
ズに切り出した平板を用いた。試験用平板はエタノール
をしみ込ませたガーゼで成形体表面をワイプして清浄に
し、23℃、60%相対湿度雰囲気下で24時間放置
し、抗菌力試験用検体とした。
【0031】試験検体に菌液を0.5ml接種し、45
mm×45mmのポリエチレンフィルムを密着させた
後、37℃で保存し、保存開始時及び24時間後にSC
DLP培地(日本製薬(株)製)で生存菌を洗い出す。
この洗い出し液について菌数測定用標準寒天培地(ニッ
スイ(株)製)を用いた寒天平板培養法(37℃、24
時間)により、生存菌数を測定し、検体1枚当たりの生
存菌数に換算する。試験結果は、試験後の試験検体での
生存菌数に対する試験後のブランクでの生存菌数と比
(ブランクでの生存菌数/試験検体での生存菌数)の常
用対数値で表す。すなわち値が大きいほどその効果が大
きいことを示す。
【0032】なお、試験菌は大腸菌(IFO3301)
を使用した。試験菌液は大腸菌を、肉エキス5mg、ペ
プトン10mg、及び塩化ナトリウム5mgを1リット
ルの蒸留水に溶かした溶液に懸濁させ、1mlあたりの
菌数を約106個に調製する。 (8)銅元素残存率 厚さ2mmの平板にした以外は(6)成形品表面外観の
場合と同様の条件で成形し、50mm×50mmのサイ
ズに切り出した平板を用いた。抽出条件としては純水中
に平板を、90℃にて150時間浸積する方法を用い
た。抽出性の指標としては、試験前に平板中に含まれる
銅化合物の銅換算で表した浸積前濃度(Cu0)に対す
る浸積試験後の濃度(Cu1)との比(Cu1/Cu0
で表した。
【0033】
【実施例1】アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等
モル塩2.4kg、酢酸銅8g、ヨウ化カリウム106
g及び純水2.5kgを5リットルのオートクレーブの
中に仕込みよく攪拌した。充分N2 置換した後、攪拌し
ながら温度を室温から220℃まで約1時間かけて昇温
した。この際、オートクレーブ内の水蒸気による自然圧
で内圧は18kg/cm2 −Gになるが、18kg/c
m2 −G以上の圧力にならないよう水を反応系外に除去
しながらさらに加熱を続けた。さらに2時間後内温が2
60℃に到達したら加熱を止め、オートクレーブの排出
バルブを閉止し、約8時間かけて室温まで冷却した。冷
却後オートクレーブを開け、約2kgのポリマーを取り
出し粉砕した。
【0034】得られた粉砕したポリマーを、10リット
ルのエバポレーターに入れN2 気流下、200℃で10
時間固相重合した。固相重合によって得られたポリアミ
ド樹脂組成物は、末端カルボキシル基濃度が49.2で
あり、末端アミノ基濃度は32.1であった。ついで、
得られたポリアミド樹脂組成物を東芝機械(株)製、商
品名IS−150E射出成形機により、スクリュー回転
数150rpm、樹脂温度290℃、射出圧力を変更し
て種々の充填時間にて、66mm×90mm、厚さ3m
mの平板を成形した。射出成形板には銅元素を20pp
m含み、また、銅含有成分とヨウ素含有成分とのモル比
は10であった。
【0035】得られた成形板を用いて抗菌性を評価した
結果、ブランクテストの値が2×106個/枚であった
のに対して120個/枚であり、評価値は4.2であ
り、極めて良好な抗菌性を示した。また、高湿度下にお
ける安定性の指標である、90℃、150時間の熱水処
理後の銅元素残存率(Cu1/Cu0)は0.90であ
り、また熱水処理後の抗菌性は3.8であった。
【0036】
【比較例1】実施例1において酢酸銅及びヨウ化カリウ
ムを添加しない以外は実施例1と同様にしてポリアミド
樹脂を得た。得られたポリアミド樹脂を、実施例1と同
様にして射出成形板を成形した。その抗菌性を評価した
結果、0.4であり、抗菌性を有する成形体は得られな
かった。
【0037】
【比較例2】実施例1において酢酸銅の添加量を2.0
gに変更し、ヨウ化カリウムを用いない以外は実施例1
と同様にしてヨウ素を含まないポリアミド樹脂組成物を
得た。得られたヨウ素を含まないポリアミド樹脂組成物
を用いて実施例1と同様にして射出成形板を成形した。
射出成形板には銅元素を5ppm含み、硫酸溶液粘度は
3.0であった。抗菌性を評価した結果、0.8であ
り、抗菌性を有する成形体は得られなかった。また、高
湿度下における安定性の指標である、90℃、150時
間の熱水処理後の銅元素残存率(Cu1/Cu0)は0.
3であり、また熱水処理後の抗菌性は0.4であった。
【0038】
【実施例2】アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等
モル塩2.00kgとイソフタル酸とヘキサメチレンジ
アミンの等モル塩0.50kg及びアジピン酸0.10
kg、ヨウ化銅116g、及び純水2.5kgを5リッ
トルのオートクレーブの中に仕込みよく攪拌した。充分
N2 置換した後、攪拌しながら温度を室温から220℃
まで約1時間かけて昇温した。この際、オートクレーブ
内の水蒸気による自然圧で内圧は18kg/cm2 −G
になるが、18kg/cm2 −G以上の圧力にならない
よう水を反応系外に除去しながらさらに加熱を続けた。
さらに2時間後内温が260℃に到達したら加熱を止
め、オートクレーブの排出バルブを閉止し、約8時間か
けて室温まで冷却した。冷却後オートクレーブを開け、
約2kgのポリマーを取り出し粉砕した。
【0039】得られた粉砕ポリマーを、10リットルの
エバポレーターに入れN2 気流下、200℃10時間固
相重合した。固相重合によって得られたポリアミド樹脂
組成物は、末端カルボキシル基濃度が102.1であ
り、末端アミノ基濃度は44.1であった。得られたポ
リアミド樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして射出
成形板を成形した。射出成形板には銅元素を170pp
m含み、また、銅含有成分とヨウ素含有成分とのモル比
は1であった。
【0040】その抗菌性を評価した結果、3.8であ
り、極めて良好な抗菌性を示した。また、高湿度下にお
ける安定性の指標である、90℃、150時間の熱水処
理後の銅元素残存率(Cu1/Cu0)は0.94であ
り、また熱水処理後の抗菌性は3.5であった。
【0041】
【実施例3】ヨウ化カリウム1920g添加した以外は
実施例2と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得た。得
られたポリアミド樹脂組成物は、末端カルボキシル基濃
度が96.1であり、末端アミノ基濃度は42.1であ
った。得られたポリアミド樹脂組成物を用いて実施例1
と同様にして射出成形板を成形した。射出成形板には銅
元素を190ppm含み、また、銅含有成分とヨウ素含
有成分とのモル比は19であった。
【0042】その抗菌性を評価した結果、4.8であ
り、極めて良好な抗菌性を示した。また、高湿度下にお
ける安定性の指標である、90℃、150時間の熱水処
理後の銅元素残存率(Cu1/Cu0)は0.94であ
り、また熱水処理後の抗菌性は4.5であった。抗菌性
が4を越えるということは菌がほぼ死滅したことに相当
するので、この抗菌性4.8の値は、実施例2で得られ
た抗菌性の3.8と比較して、さらに優れた、顕著な効
果があることを意味する。
【0043】このように、銅含有成分と共にヨウ素含有
成分とを特定モル比で含有しているポリアミド樹脂成形
体は極めて優れた抗菌性を示すことが分かり、これは従
来全く知られていなかった効果である。
【0044】
【実施例4】実施例1で得られたポリアミド樹脂組成物
67重量部と、無機充填剤としてガラス繊維(旭ファイ
バーグラス(株)製 商品名 CS03JA416)3
3重量部とを用い、東芝機械(株)製の商品名TEM3
5φ2軸押出機を使用して、ポリアミド樹脂組成物をフ
ィードポッパーから供給し、無機充填剤はサイドフィー
ド口から供給して、シリンダー設定温度280℃、スク
リュー回転数300rpmの条件下、混練し、紡口より
押し出されたストランドを冷却し、ペレタイズして、ポ
リアミド樹脂組成物と無機充填剤とのポリアミド樹脂組
成物を得た。
【0045】混練押出の際、発泡現象やストランド切れ
等の問題もなく、安定して生産することができた。得ら
れたポリアミド樹脂組成物を用いて、前述の機械的物
性、成形品表面外観、抗菌性の評価方法の項に記載の成
形方法に従い、射出成形板を成形した。射出成形の際に
も外観を悪化さシせるシルバーストリークの発生もな
く、良好な成形を行うことができた。
【0046】その評価結果を表1に示す。実施例1の無
機充填剤を添加しない場合に較べて、さらに良好な抗菌
性を示し、熱水処理後も高い抗菌性を維持しており、長
期間にわたっての安定性を示す。このように、銅含有成
分と共にヨウ素含有成分とを特定モル比で含有し、更に
無機充填剤を含有するポリアミド樹脂成形体は極めて優
れた抗菌性を示すことが分かる。これは従来全く知られ
ていなかった効果である。
【0047】
【実施例5】実施例3で得られたポリアミド樹脂組成物
を用いた以外は実施例4と同様に実施し、ポリアミド樹
脂組成物を得た。得られたポリアミド樹脂組成物を用い
て実施例4と同様にして射出成形板を成形し、その評価
結果を表1に示す。
【0048】
【実施例6】ポリアミド樹脂としてナイロン6(宇部興
産(株)製 商品名 1013A)を用いた。その際、
予め表2に示す最終濃度になるように調整したヨウ化銅
及びヨウ化カリウムを含む水溶液を用いてナイロン6の
ペレットに噴霧乾燥することにより銅元素及びヨウ素元
素含有ポリアミドを調製し、実施例4と同様にしてポリ
アミド樹脂組成物を得た。得られたポリアミド樹脂組成
物を用いて実施例4と同様にして射出成形板を成形し、
その評価結果を表1に示す。
【0049】
【比較例3】ポリアミド樹脂組成物を比較例2で得られ
たヨウ素を含まないポリアミド樹脂組成物に変更した以
外は実施例4と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得
た。得られたポリアミド樹脂組成物を用いて実施例4と
同様にして射出成形板を成形し、その評価結果を表1に
示す。
【0050】
【実施例7〜8】実施例7では、実施例3で得られたポ
リアミド樹脂組成物を55重量部に、更に無機充填剤の
ガラス繊維を25重量部とワラストナイト(林化成
(株)製、商品名 VM−8N)を20重量部とに変更
した以外は実施例5と同様に実施し、ポリアミド樹脂組
成物を得た。
【0051】実施例8では、実施例3で得られたポリア
ミド樹脂組成物を45重量部に変更し、更にガラス繊維
の配合比率を55重量部に変更した以外は実施例5と同
様に実施し、ポリアミド樹脂組成物を得た。得られたポ
リアミド樹脂組成物を用いて実施例4と同様にして射出
成形板を成形し、その評価結果を表2に示す。
【0052】
【比較例4】ポリアミド樹脂としてナイロン6(宇部興
産(株)製 商品名 1013A)をそのまま、実施例
6のようにヨウ化銅及びヨウ化カリウムを含む水溶液を
噴霧し乾燥する処理を行わずに用いた。抗菌剤として、
銀置換ゼオライト(鐘紡(株)製、商品名 バクテキラ
ー)を1重量部を更に加え、実施例4と同様にポリアミ
ド樹脂組成物を調製した。。得られたポリアミド樹脂組
成物を用いて実施例4と同様にして射出成形板を成形し
た。その際、溶融ポリマーには発泡現象が認められ、成
形品表面にシルバーマークが発生した。その評価結果を
表2に示す
【0053】
【比較例5】予め、ナイロン6(宇部興産(株)製 商
品名 1013A)のペレットに酢酸銅水溶液を用い
て、最終組成物中、銅換算濃度で800ppm含有する
ように調製した。得られた銅含有ポリアミド組成物67
重量部とガラス繊維(旭ファイバーグラス(株)製、商
品名 CS03JA416)33重量部とを用い、東芝
機械(株)製、商品名TEM35φ2軸押出機を使用し
て、ポリアミド組成物をフィードポッパーから供給し、
無機充填剤はサイドフィード口から供給し、シリンダー
設定温度280℃、スクリュー回転数300rpmの条
件下、混練し、紡口より押し出されたストランドを冷却
し、ペレタイズしてポリアミド樹脂組成物を得た。その
際、銅含有物の析出物の生成が認められた。
【0054】得られたポリアミド樹脂組成物を用いて実
施例1と同様にして射出成形板を成形した。得られた成
形板を用いて抗菌性を評価した結果、4.0であり、良
好な抗菌性を示したが、熱水処理後の銅元素残存率(C
1/Cu0)は0.14であり、また熱水処理後の抗菌
性は1.5であった。このように、銅含有成分と共にヨ
ウ素含有成分とを含まないポリアミド樹脂成形体では優
れた抗菌性が得られず、銅含有成分濃度を増加させて
も、その性能を向上させることができないばかりか、熱
水処理により容易に抗菌性能が低下してしまうことが分
かる。
【0055】
【実施例9】予め、12−アミノドデカン酸で膨潤化処
理された膨潤性フッ素雲母(コープケミカル(株)製、
商品名 ME100F)を更に100g添加した以外は
実施例3と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得た。こ
のポリアミド樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして
射出成形板を成形した。射出成形板には膨潤性フッ素雲
母を4.7重量%及び銅元素を180ppm含み、また、
銅含有成分とヨウ素含有成分とのモル比は19であっ
た。
【0056】抗菌性を評価した結果、4.9であり、極
めて良好な抗菌性を示した。また、熱水処理後の銅元素
残存率(Cu1/Cu0)は0.96であり、また熱水処
理後の抗菌性は4.7であった。このように、銅含有成
分と共にヨウ素含有成分とを特定モル比で含有し、更に
無機充填剤を含むポリアミド樹脂成形体が極めて優れた
抗菌性を発現し、熱水処理後も極めて高い抗菌性を保有
していることが分かる。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】本発明の抗菌性ポリアミド樹脂成形体
は、優れた抗菌性を有するのみならず、無機充填剤が配
合され機械的物性が強化されたものでも、抗菌性ゼオラ
イトを含むような従来のものに較べて、優れた成形品物
性及び外観を満足し、更に抗菌性能に持続性が有り安定
している。また、高湿度下においても、従来のものに較
べて、銅元素の残存率が高く、抗菌性能が極めて安定で
あり、熱水に曝されても抗菌性能が低下しない。従っ
て、各種自動車部品、電気部品用途、更にオフイス用
品、工業用途、雑貨用途に広く利用出来る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅含有成分が銅換算で10〜500pp
    m添加されているポリアミド樹脂組成物からなることを
    特徴とする抗菌性ポリアミド樹脂成形体。
  2. 【請求項2】 ポリアミド樹脂組成物100重量部と、
    ガラス繊維、ミルドファイバー、炭素繊維、カオリン、
    ワラストナイト、タルク及びマイカから選ばれる少なく
    とも一種の無機充填剤5〜200重量部とからなるポリ
    アミド樹脂成形体であって、上記ポリアミド樹脂組成物
    に銅含有成分が銅換算で10〜500ppm添加されて
    いることを特徴とする抗菌性ポリアミド樹脂成形体。
  3. 【請求項3】 ポリアミド樹脂組成物100重量部と、
    モンモリロナイト及び膨潤性フッ素雲母系鉱物から選ば
    れる少なくとも一種の無機充填剤0.5〜50重量部と
    からなるポリアミド樹脂成形体であって、上記ポリアミ
    ド樹脂組成物に銅含有成分が銅換算で10〜500pp
    m含有されていることを特徴とする抗菌性ポリアミド樹
    脂成形体。
  4. 【請求項4】 銅含有成分が銅換算で10〜500pp
    m、ヨウ素含有成分がヨウ素換算で20〜25000p
    pm添加されており、しかも上記銅とヨウ素とのモル比
    (I/Cu)が2〜30であるポリアミド樹脂組成物か
    らなることを特徴とする抗菌性ポリアミド樹脂成形体。
  5. 【請求項5】 ポリアミド樹脂組成物100重量部と、
    ガラス繊維、ミルドファイバー、炭素繊維、カオリン、
    ワラストナイト、タルク及びマイカから選ばれる少なく
    とも一種の無機充填剤5〜200重量部とからなるポリ
    アミド樹脂成形体であって、上記ポリアミド樹脂組成物
    に銅含有成分が銅換算で10〜500ppm、ヨウ素含
    有成分がヨウ素換算で20〜25000ppm添加され
    ており、しかも上記銅とヨウ素とのモル比(I/Cu)
    が2〜30であることを特徴とする抗菌性ポリアミド樹
    脂成形体。
  6. 【請求項6】 ポリアミド樹脂組成物100重量部と、
    モンモリロナイト及び膨潤性フッ素雲母系鉱物から選ば
    れる少なくとも一種の無機充填剤0.5〜50重量部と
    からなるポリアミド樹脂成形体であって、上記ポリアミ
    ド樹脂組成物に銅含有成分が銅換算で10〜500pp
    m、ヨウ素含有成分がヨウ素換算で20〜25000p
    pm添加されており、しかも上記銅とヨウ素とのモル比
    (I/Cu)が2〜30であることを特徴とする抗菌性
    ポリアミド樹脂成形体。
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