JP5503379B2 - 繊維強化ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維強化ポリアミド樹脂組成物に関する。
近年、高強度、耐熱性を併せ持ったプラスチック(エンジニアリングプラスチック)の開発が進んでいる。高強度、耐熱性といった要求を満たすため、従来より、ガラス繊維による補強、粘土鉱物による補強など無機フィラーを配合すること等が試みられている。
ガラス繊維による補強では引張強度、曲げ強度等の機械物性の一部の向上がみられるものの、成形品の表面平滑性が著しく悪くなり、かつ比重が高くなる。
特許文献1には、膨潤性層状珪酸塩をポリアミド中にナノオーダーで均一分散させ、機械的強度を向上させた強化ポリアミド樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2には、繊維状粘土鉱物をポリアミド中に均一分散させたナイロン複合材料が開示されている。このような方法で得られるポリアミド樹脂組成物は、ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物よりも低比重であり、かつ、引張強度,曲げ強度,弾性率等の機械特性、表面平滑性の向上を図ることができる。しかし、それ以上に引張強度を向上させるために、ポリアミドに含有させる粘土鉱物量を増やすと、引張強度が高まる反面、耐衝撃性が大幅に低下し、引張強度と耐衝撃性の何れもをバランスよく向上させつつ、ポリアミドへの粘土鉱物の配合量を増やすことはできなかった。
このような問題に対し、特許文献3では、ガラス繊維と粘土鉱物を併用し、ガラス繊維により一定の強度を保持しながら、粘土鉱物添加により曲げ弾性率を向上させかつ表面平滑性の向上し、比重低下させる方法が開示されている。しかしながら、ガラス繊維と粘土鉱物を併用し用いた場合、ガラス繊維とポリアミド樹脂の密着性が悪くなり、機械物性、特に引張強度に対して、補強効果が期待できないという問題があった。
特開平6−248176号公報 特開昭63−251461号公報 特開2009−35591号公報
本発明は、高強度、耐熱性に加え、特に引張強度、曲げ弾性率の改善、および表面平滑性の改善を実現した繊維強化ポリアミド樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリアミド樹脂、セピオライト、および繊維状強化材とからなる樹脂組成物において、シランカップリング剤を特定比率で用いることで、引張強度、曲げ弾性率、および表面平滑性に優れる繊維強化ポリアミド樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に達した。
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
(1)ポリアミド樹脂(a)40〜90質量部、セピオライト(b)1〜50質量部、および繊維状強化材(c)10〜60質量部の合計100質量部と、シランカップリング剤(d)0.1〜5質量部を含有し、前記(a)〜(d)の各成分を溶融混練してなる繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
(2)ポリアミド樹脂(a)、セピオライト(b)、およびシランカップリング剤(d)の質量比率が、(d)/(a)<0.05、かつ(d)/(b)≧0.01を満たすことを特徴とする(1)に記載の繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
(3)セピオライト(b)、繊維状強化材(c)の質量比率が、(b)/(c)>0.1であることを特徴とする(1)または(2)に記載の繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
(4)繊維状強化材(c)がガラス繊維である(1)〜(3)いずれかに記載の繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
)シランカップリング剤(d)がアミノ基含有アルコキシシラン化合物である(1)〜(4)いずれかに記載の繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
)(1)〜(5)いずれかに記載の繊維強化ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品。
本発明によれば、ポリアミド樹脂、セピオライト、および繊維状強化材とからなる樹脂組成物に対し、シランカップリング剤を特定比率で用いることで、引張強度、曲げ弾性率、および表面平滑性に優れる繊維強化ポリアミド樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明におけるポリアミド樹脂(a)とは、アミノカルボン酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸(それらの一対の塩も含まれる)を主たる原料とするアミド結合を主鎖内に有する重合体である。その原料の具体例としては、アミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等がある。またラクタムとしてはε−カプロラクタム、ω−ウンデカノラクタム、ω−ラウロラクタム等がある。ジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等がある。またジカルボン酸としては、アジピン酸、スべリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等がある。またこれらジアミンとジカルボン酸は一対の塩として用いることもできる。
ポリアミド樹脂(a)の好ましい例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリウンデカミド(ナイロン11)、ポリカプロアミド/ポリウンデカミドコポリマー(ナイロン6/11)、ポリドデカミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリドデカミドコポリマー(ナイロン6/12)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)およびこれらの混合物ないし共重合体等が挙げられる。中でもナイロン6、ナイロン66が特に好ましい。
ポリアミド樹脂(a)の相対粘度は特に限定されないが、溶媒として96質量部硫酸を用い、温度25℃、濃度1g/dlの条件で測定された相対粘度で 1.5〜5.0の範囲にあるものが好ましく、2.0〜4.0がさらに好ましい。相対粘度が1.5未満では、樹脂組成物の機械的強度が低下する。一方、5.0を超えるものでは、流動性が急速に低下する。
本発明で用いるセピオライト(b)は、繊維構造を有する粘土鉱物である。セピオライトは、微細な繊維構造を有し、粒子間に多くのヒドロキシル基を有する。詳細には分っていないが、ポリアミド樹脂に、このような粒子間にヒドロキシル基を有するようなセピオライト(b)とシランカップリング剤(d)を配合した場合に、相互の結合力を強くすることができ、顕著に機械的物性の向上を図ることができる。
セピオライトは、一般に二次鉱物としてジャ紋岩中に産出し、アタパルジャイトは、水成岩中の輝石、かくせん石から変質して産出するものである。なお、アタパルジャイトは、用途あるいは産地によりパリゴルスカイトと称される場合もある。また、アタパルジャイトは、粉末にし熱処理(100℃〜200℃に加熱)するとゼオライト水が抜けて空洞になり、吸着力が増える。このようなアタパルジャイトは、本発明において特に好適に用いることができる。
セピオライト(b)は、その種類によっても異なるが、一般には、比表面積が100〜350m/gの範囲にあり、吸油量が100〜300ml/100gの範囲にあるものが好適に使用される。比表面積がこの範囲より小さいとシランカップリング剤(d)の収着が小さく、一方この範囲よりも大きくても、それ以上の効果は得られない。
セピオライト(b)の繊維長は、4〜20μmであることが好ましく、5〜10μmであることがより好ましい。セピオライト(b)の繊維径は、0.1〜5μmであることが好ましく、0.2〜4μmであることがより好ましい。セピオライト(b)の繊維長/繊維径で示されるアスペクト比は、0.8〜200であることが好ましく、1.25〜50であることが、取り扱いの点で好ましい。
本発明で用いる繊維状強化材(c)としては、無機繊維、有機繊維、金属繊維またはそれらの混合からなる繊維が挙げられる。無機繊維としては、炭素繊維、黒鉛繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、タングステンカーバイド繊維、ボロン繊維、ガラス繊維などが挙げられる。有機繊維としては、アラミド繊維、高密度ポリエチレン繊維、その他一般のナイロン、ポリエステル等の有機繊維が挙げられる。金属繊維としては、ステンレス、鉄等の繊維が使用可能であり、また金属を被覆した炭素繊維等もある。本発明において特に好ましいのは、ガラス繊維である。本発明の繊維強化ポリアミド樹脂組成物において、セピオライトとの併用を行うことで、引張強度および曲げ弾性率の改善を図るためには、ガラス繊維を用いることが最も好ましい。
本発明においては公知のガラス繊維を用いることができる。また、ガラス繊維は、マトリックス樹脂との密着性、均一分散性の向上のためシランカップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニア系カップリング剤などのカップリング剤を少なくとも1種類、皮膜形成剤などを含んだ配合する樹脂に適した公知の集束剤により集束され、集束されたガラス繊維ストランドを集めて一定の長さに切断したチョップドストランドの形態で使用される。ガラス繊維の断面形状は、丸型、偏平型、ひょうたん型、まゆ型、長円型、楕円型、矩形またはこれらの類似品などが挙げられる。
本発明において、ガラス繊維の繊維長は、1〜10mmが好ましく、1.5〜6mmがさらに好ましい。また、ガラス繊維の繊維径は 4〜13μmが好ましく、7〜10μmがさらに好ましい。ガラス繊維の断面形状が、丸型以外で、例えば、偏平型、ひょうたん型、まゆ型、長円型、楕円型、矩形である場合は、長辺と短辺との比、すなわちアスペクト比は、1.5〜10 であることが好ましく、2〜8であることがさらに好ましい。
シランカップリング剤(d)としては、ビニルシラン系、アクリルシラン系、エポキシシラン系、アミノシラン系などが挙げられるが、本発明の繊維強化ポリアミド樹脂組成物において、セピオライト(b)のポリアミド樹脂(a)との密着性を向上させるためには、アミノシラン系シランカップリング剤が好ましく、アミノ基含有アルコキシシラン化合物を用いることが最も好ましい。
本発明の繊維強化ポリアミド樹脂組成物においては、ポリアミド樹脂(a)40〜90質量部、セピオライト(b)1〜50質量部、および繊維状強化材(c)10〜60質量部を(a)+(b)+(c)=100質量部となるように用いる。
ポリアミド樹脂(a)の配合が40質量部未満である場合には、得られる成形品の強靭性が不足し 、90質量部を越える場合は、セピオライト(b)や繊維状強化材(c)による補強効果が低下し問題である。また、セピオライト(b)の配合が1質量部未満である場合は得られる成形品の引張強度,曲げ強度,曲げ弾性率等の機械特性の向上効果が小さくなり、50質量部を越えると溶融混練時の操業性が低下し、樹脂ペレットが得られなかったり、樹脂ペレットが得られたとしても、成形品の耐衝撃性が低くなる。さらに、繊維状強化材(c)の配合が10質量部未満である場合には、 得られる成形品の補強効果が低下し、60質量部を越える場合には溶融混練時の操業性が低下し、樹脂ペレットが得られなかったり、樹脂ペレットが得られたとしても、成形品の外観不良となる。
本発明の繊維強化ポリアミド樹脂組成物において、ポリアミド樹脂(a)、セピオライト(b)、および繊維状強化材(c)の合計100質量部に対し、シランカップリング剤(d)0.1〜5質量部を配合することを必要とする。シランカップリング剤(d)の配合が0.1質量部未満であると、セピオライト(b)とポリアミド樹脂(a)間の結合力が小さくなり、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率等の機械特性の向上効果が小さくなり、 シランカップリング剤(d)の配合が5質量部を越えると、マトリックス樹脂の可塑化が促進され、マトリックス樹脂であるポリアミド樹脂自体の機械特性が低下する。
また、ポリアミド樹脂(a)、セピオライト(b)、およびシランカップリング剤(d)の質量比率が、(d)/(a)<0.05、かつ (d)/(b)≧0.01であることが好ましい。ここで、ポリアミド樹脂(a)に対するシランカップリング剤(d)の質量比が0.05以上であると、その可塑化が促進され、マトリックス樹脂であるポリアミド樹脂自体の機械特性が低下し、その結果、繊維強化ポリアミド樹脂組成物の引張強度,
曲げ強度,曲げ弾性率等の機械特性が低下する。また、セピオライト(b)に対するシランカップリング剤(d)の質量比が0.01未満であると、ポリアミド樹脂(a)とセピオライト(b)間の結合力が小さくなり、引張強度,曲げ強度,曲げ弾性率等の機械特性の向上効果が小さくなる。
さらには、セピオライト(b)、繊維状強化材(c)の質量比率は、(b)/(c)>0.1であることが好ましい。(b)/(c)が0.1以下であると、得られる成形品の曲げ弾性率が低下する傾向があり好ましくない。
上記現象については、そのメカニズムは詳細には分っていないが、次のように考えられる。シランカップリング剤(d)がポリアミド樹脂(a)とセピオライト(b)の間でグラフト層となり、セピオライト(b)がそのグラフト層を介してポリアミド樹脂(a)に強固に結合する。このグラフト層の介在によりポリアミド樹脂(a)とセピオライト(b)間の親和性を高め、ポリアミド樹脂(a)とセピオライト(b)を強固に結合させるためと思われる。
従来の繊維強化ポリアミド樹脂組成物は、ガラス繊維を高充填させ、成形品の引張強度、曲げ強度、および弾性率等の機械特性の向上を図っていた。本発明における繊維強化ポリアミド樹脂組成物は、前記のようなポリアミド樹脂(a)とセピオライト(b)間の強固な結合が得られるために、ガラス繊維の配合を減らしても、セピオライトとガラス繊維の併用効果で、ガラス繊維の配合を減らす前と同水準の引張強度、曲げ強度を得ることができる。しかも、繊維径の大きいガラス繊維の一部をセピオライト(b)で代替したので、表面平滑性を向上させることができるばかりでなく、特に曲げ弾性率に優れた繊維強化ポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
なお、本発明の繊維強化ポリアミド樹脂組成物を製造するに当たっては、その特性を大きく損なわない限りにおいて、熱安定剤、酸化防止剤、強化材、顔料、着色防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、結晶核剤、離型剤等を添加してもよい。
熱安定剤や酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン類、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物が挙げられる。
本発明の繊維強化ポリアミド樹脂組成物を製造する方法としては、二軸押出混練機を用いて混練する方法が好適に用いられる。シリンダーの上流からポリアミド樹脂(a)と、セピオライト(b)を供給し、下流側でガラス繊維をサイドフィードする工程が経済的にも好適である。ポリアミド樹脂(a)とセピオライト(b)の具体的な供給の仕方としては、均一に分散できる方法であれば特に限定されないが、予め均一分散したポリアミド樹脂(a)と、セピオライト(b)を主ホッパーに投入する方法、主ホッパーより別々に計量されたポリアミド樹脂(a)、セピオライト(b)を別々に投入する方法等が選択できる。シランカップリング剤(d)は、液状であり反応性を有するため、二軸押出混練機投入前に雰囲気温度によって固化、または劣化しないように考慮しながら供給する必要がある。投入方法としては、ギアポンプ、プランジャーポンプ、シリンジポンプ、モーノポンプを用いることができるが、計量精度のためにはプランジャーポンプを用いることが好ましい。特に、本発明では、シランカップリング剤(d)は、ポリアミド樹脂(a)とセピオライト(b)との結合に寄与しなくてはならないため、結合の度合いに応じて、シランカップリング剤(d)を、主ホッパーより液状添加する方法、二軸押出混練機の途中より、液状で添加する方法を適宜選択することができる。シランカップリング剤(d)の添加方法が適切でないと、以下(1)、(2)の要件を満たすことは難しくなるばかりか、シランカップリング剤(d)がゲル化してしまい、均一分散できないばかりか、ポリアミド樹脂と、セピオライト(b)間の十分な結合が得られない。
本発明の繊維強化ポリアミド樹脂組成物より得られる成形品は、通常の成形加工方法で加工することができ、例えば射出成形、押出成形、吹き込み成形等の熱溶融成形法によって各種の成形品にしたり、有機溶媒溶液からの流延法により薄膜とすることができる。
本発明の繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレットを用いた成形品の成形では、その特性が損なわれない範囲で、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等の有機金属塩を配合することができる。
本発明の繊維強化ポリアミド樹脂組成物より得られる成形品は、高強度、耐熱性に優れるために、自動車用部品、電気部品、家庭用品等に用いることができる。さらには、従来の繊維強化ポリアミド樹脂組成物の機械的特性に比べ、特に引張強度、曲げ弾性率、および表面平滑性に優れているため、例えば、自動車のトランスミッション周り、エンジン周りで使用される部品に用いる部品として使用できる。具体的には、自動車のトランスミッション周りとしては、シフトレバー、ギアボックス等の台座に用いるベースプレート、エンジン周りとしては、シリンダーヘッドカバー、エンジンマウント、エアインテークマニホールド、スロットルボディ、エアインテークパイプ、ラジエータタンク、ラジエータサポート、ウォーターポンプレンレット、ウォーターポンプアウトレット、サーモスタットハウジング、クーリングファン、ファンシュラウド、オイルパン、オイルフィルターハウジング、オイルフィルターキャップ、オイルレベルゲージ、タイミングベルトカバー、エンジンカバー等に好適に用いられる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例に用いた原料および物性測定方法は次の通りである。
1.原料
(1)ポリアミド樹脂
・ポリアミド6(ユニチカ社製A1030BRL; 相対粘度2.6)
(2)セピオライト
・セピオライト(楠本化成社製PANGEL−HV;長さ:0.2〜2μm、幅:0.1〜0.3μm,厚さ:0.05〜0.1μm、表面積:320m/g、総気孔度:0.70cm/g)
(3)膨潤性層状珪酸塩
・合成フッ素雲母(コープケミカル社製ME−100)
(4)ガラス繊維
・オーウェンスコーニングジャパン製JAFT692、繊径9μm
(5)シランカップリング剤
・N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業製 KBM−603)
2.測定方法
(1)引張強度
ASTM−D−638に記載の方法に準じて測定した。
(2)曲げ強度および曲げ弾性率
ASTM−D−790に記載の方法に準じて測定した。
(3)アイゾット衝撃強度
ASTM −D−256に記載の方法に準じて測定した。
(4)成形品の表面外観
上記(1)引張強度測定で用いた成形品を目視で観察し、表面外観を評価した。
○ : 凹凸がなく、成形品表面が平滑である。
× : 成形品表面に凹凸が認められる。
実施例1
ポリアミド樹脂66質量部とセピオライト4質量部をドライブレンドし二軸押出機(東芝機械製:TEM26SS、スクリュ径26mm)の主ホッパーに供給した。また、別供給により主ホッパーよりシランカップリング剤を液状添加し、280℃で溶融した。途中サイドフィーダーよりガラス繊維30質量部を供給し、十分に溶融混練させ、ストランド状に押出して冷却固化した後、ペレット状に切断し繊維強化樹脂組成物を得た。 ここで、シランカップリング剤の配合は、ポリアミド樹脂、セピオライト、ガラス繊維の合計100質量部に対し、0.5質量部とした。 得られた繊維強化樹脂組成物を十分に乾燥した後、射出成形機(東芝機械製:EC−100型)を用いてシリンダ温度260℃、金型温度100℃、射出時間20秒、冷却時間10秒で射出成形し評価用の成形品を得た。得られた成形品を用いて各評価を行なった。その結果を表1に示す。
実施例2〜8
表1に記載のポリアミド樹脂、セピオライト、繊維状強化材の配合とした以外は、実施例1と同様の操作を行って、繊維強化ポリアミド樹脂組成物の作製を行い、得られた成形品を用いて各評価を行なった。その結果を表1に示す。
比較例1〜9
表1に記載のポリアミド樹脂、セピオライト、繊維状強化材の配合とした以外は、実施例1と同様の操作で、繊維強化ポリアミド樹脂組成物の作製を行い、得られた成形品を用いて各評価を行なった。その結果を表1に示す。なお、比較例5では、セピオライトに代えて膨潤性層状珪酸塩を用いた。
比較例10
ポリアミド樹脂29質量部、セピオライト1質量部、ガラス繊維70質量部として、実施例1と同様の操作で、溶融混練を行った。しかし、ガラス繊維の配合が過多であったため、溶融混練時の操業性が低下し、樹脂ペレットが得られなかった。
比較例11
ポリアミド樹脂35質量部、セピオライト55質量部、ガラス繊維10質量部として、実施例1と同様の操作で、溶融混練を行った。しかし、セピオライトの配合が過多であったため、溶融混練時の操業性が低下し、樹脂ペレットが得られなかった。
実施例1〜7は、所定の配合に従い、繊維強化ポリアミド樹脂組成物の作成を行ったため、引張強度、曲げ弾性率、表面平滑性に優れた成形品を得ることができた。
比較例1
セピオライト、シランカップリング剤を配合しなかったために、実施例1に比べて引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率は低く、また、表面外観が悪かった。
比較例2
シランカップリング剤を添加しなかったために、実施例1に比べて引張強度、曲げ強度は低かった。
比較例3
ポリアミド樹脂に対するシランカップリング剤の配合が過多であったため、実施例1に比べて引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率は低かった。
比較例4
ポリアミド樹脂とシランカップリング剤に対し、セピオライトの配合を行わなかったため、実施例1に比べて引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率は低かった。
比較例5
セピオライトに替えて、合成フッ素雲母の配合を行ったために、ガラス繊維30質量部の配合は行ったものの、実施例1に比べて引張強度、曲げ強度は低かった。
比較例6
セピオライトとシランカップリング剤を添加しなかったために、引張強度、曲げ強度は低かった。
比較例7
セピオライトとシランカップリング剤を添加しなかったために、実施例4〜7に比べて曲げ弾性率は低く、表面外観が悪かった。
比較例8
シランカップリング剤を添加しなかったために、実施例6〜7に比べて引張強度、曲げ強度は低かった。
比較例9
ポリアミド樹脂の配合が過多で、ガラス繊維の配合が過少であったため、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率は低かった。

Claims (6)

  1. ポリアミド樹脂(a)40〜90質量部、セピオライト(b)1〜50質量部、および繊維状強化材(c)10〜60質量部の合計100質量部と、シランカップリング剤(d)0.1〜5質量部を含有し、前記(a)〜(d)の各成分を溶融混練してなる繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
  2. ポリアミド樹脂(a)、セピオライト(b)、およびシランカップリング剤(d)の質量比率が、(d)/(a)<0.05、かつ(d)/(b)≧0.01を満たすことを特徴とする請求項1に記載の繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
  3. セピオライト(b)、繊維状強化材(c)の質量比率が、(b)/(c)>0.1であることを特徴とする請求項1または2に記載の繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
  4. 繊維状強化材(c)がガラス繊維である請求項1〜3いずれかに記載の繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
  5. シランカップリング剤(d)がアミノ基含有アルコキシシラン化合物である請求項1〜いずれかに記載の繊維強化ポリアミド樹脂組成物。
  6. 請求項1〜いずれかに記載の繊維強化ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品。
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