JP5542702B2 - 無線通信装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、無線通信装置に関する。
一般的に、IEEE802.11aにおける無線端末は、例えば5GHz帯等の搬送波に載せられたRF信号をアンテナを通じて無線部で受信し、その受信信号をベースバンド信号に変換してから信号処理を行う。
現在、無線部において使用される方式としては、スーパーへテロダイン方式やダイレクトコンバージョン方式などがある。
スーパーへテロダイン方式の場合、アンテナで受信されたRF信号が中間周波数(IF:Intermediate Frequency)帯へ変換され、IFフィルターを通して利得制御が行われる。その後、IF帯の周波数の信号がベースバンドへ周波数変換され、直交復調部においてI,Q信号に変換されることになる。このとき、直交復調部では、DC(Direct Current)オフセットが発生し、信号に対して印加される。しかしながら、受信信号はIF帯で利得制御されているため、利得制御された後の信号に固定的にDCオフセットが印加されることになる。そのため無線端末では、AC(Alternating Current)カップリング等をすることによってDCオフセットを取り除くことができ、DCオフセットが乗ったとしてもあまり大きな影響を受けない。
一方、ダイレクトコンバージョン方式を採用した無線端末では、RF信号が直接ベースバンド信号へ変換される。このため、IF帯が存在せず、ベースバンド信号で利得制御することになる。
すなわち、直交復調部で発生するDCオフセットが受信信号に印加された後に利得制御することになり、ベースバンド信号での利得制御量に応じてDCオフセット量が可変になる。そのため、ダイレクトコンバージョン方式を採用する無線端末では、利得制御量に応じてDCオフセットをキャンセルする必要がある。しかしながら、パケット通信では、特に周波数オフセットがある場合、DCオフセットの推定精度が悪く、受信信号からDCオフセットを減算することが困難である。
スーパーヘテロダイン方式より部品点数の少ないダイレクトコンバージョン方式の使用が望まれる用途は多く、ダイレクトコンバージョン方式におけるDCオフセットによる上記問題に対して対策が必要である。
ところで、IEEE802.11aにおいて、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)が採用されている。OFDMでは、互いに直交関係にある複数のサブキャリアを用いて情報の伝達が行われる。このようなOFDMでは、上述したようなDCオフセット、またはHPF(High Pass Filter)による影響が大きいDCサブキャリアは使用されない。このため、DCオフセットやHPFにより、直流(近傍)成分が変動しても、受信性能の劣化は小さい。
しかしながら、周波数オフセットが存在する場合、DCオフセットやHPFの影響がDCサブキャリア以外のサブキャリア(有効サブキャリア)にも及ぶことがある。このため、受信性能の劣化が大きくなるという問題が生じる。
特許第4153907号明細書 特許第4153916号明細書
受信性能の劣化を抑制する無線通信装置を提供する。
本実施形態による無線通信装置は、複数のサブキャリアを用いてOFDM変調された信号を受信し、送受信間の無線周波数のずれ量を検出する自動周波数制御部を備えた無線通信装置にであって、前記自動周波数制御部により検出された前記送受信間の無線周波数のずれ量をもとに、直流成分により干渉を受けるサブキャリアを指定するサブキャリア指定部と、前記送受信間の無線周波数のずれ量の絶対値に基づいて、0から1以下の範囲内で重み係数の値を設定する重み係数設定部と、前記サブキャリア指定部により指定されたサブキャリアによって搬送された信号の復調信号の振幅値に前記重み係数設定部により設定された重み係数を乗算する第1重み乗算部と、前記第1重み乗算部により重み係数が乗算された復調信号の誤り訂正を行う誤り訂正復号部と、を具備する。
第1の実施形態に係る無線LANシステムにおける無線LAN端末の構成を示すブロック図。 図1の無線LAN端末の制御部の構成を示すブロック図。 図1の無線LAN端末の重み乗算部の構成を示すブロック図。 第1の実施形態に係る無線LANシステムにおいて通信されるパケットのフォーマットを示す図。 第1の実施形態に係る無線LANシステムにおける無線LAN端末の第1動作例を示すフローチャート。 データ変調方式がQPSKの場合の復調部出力の軟判定値系列を示す図。 重み係数が乗算された後の軟判定値系列を示す図。 第1の実施形態に係る無線LANシステムにおける送信時のサブキャリアを示す図。 第1の実施形態に係る無線LANシステムにおける受信時の周波数ずれが生じたサブキャリアを示す図。 第1の実施形態に係る無線LANシステムにおける受信時のDCオフセットが印加されたサブキャリアを示す図。 第1の実施形態に係る無線LANシステムにおける受信時のAFC後のサブキャリアを示す図。 第1の実施形態に係る無線LANシステムにおける無線LAN端末の第2動作例を示すフローチャート。 第1の実施形態に係る無線LANシステムにおける無線LAN端末の第3動作例を示すフローチャート。 第1の実施形態に係る無線LANシステムにおける無線LAN端末の第4動作例を示すフローチャート。 第1の実施形態に係る無線LANシステムにおける無線LAN端末の第5動作例を示すフローチャート。 周波数ずれ量とパケットエラーレート(PER)との関係を示すグラフ。 第2の実施形態の無線LANシステムにおける無線LAN端末の構成を示すブロック図。 第2の実施形態に係る無線LANシステムにおける無線LAN端末の第6動作例を示すフローチャート。 第3の実施形態に係る無線LANシステムにおける無線LAN端末の構成を示すブロック図。 図16の無線LAN端末の平滑化部の構成を示すブロック図。 第3の実施形態に係る無線LANシステムにおける受信時のサブキャリアに対する伝送路応答推定値ベクトルの一例を示す図。 第3の実施形態に関連する図18のサブキャリアに対する伝送路応答推定値ベクトルの補正値の比較例を示す図。 第3の実施形態に係る無線LANシステムにおける無線LAN端末の第7動作例を示すフローチャート。 第3の実施形態に係る図18のサブキャリアに対する伝送路応答推定値ベクトルの補正値を示す図。
本実施形態を以下に図面を参照して説明する。図面において、同一部分には同一の参照符号を付す。
<第1の実施形態>
図1乃至図13を用いて、第1の実施形態の無線LANシステムにおける無線LAN端末について説明する。
[構成]
以下に、図1乃至図4を用いて、第1の実施形態の無線LANシステムにおける無線LAN端末の構成について説明する。
図1は第1の実施形態の無線LANシステムにおける無線LAN端末のブロック図、図2は図1の無線LAN端末の制御部のブロック図、図3は図1の無線LAN端末の重み乗算部のブロック図、図4はマルチキャリア無線伝送(OFDM)を使用した無線LANシステムにおいて通信されるデジタル信号(パケット)のフォーマットを示している。
第1の実施形態において、無線LANシステムは、マルチキャリア無線伝送(OFDM)を使用したものである。また、無線LANシステムは、OFDM送信装置およびOFDM受信装置としての複数の無線LAN端末を備えており、それぞれの端末が送信側または受信側に成り得るよう構成されている。なお、無線LAN端末を送信側のみ、または受信側のみとして利用する場合は、それぞれの機能のみを備えていればよい。
図示はしないが、送信側となる無線LAN端末には、誤り訂正符号化部が備えられている。誤り訂正符号化部としては、例えば畳み込み符号化部やターボ符号化部が用いられる。
図1に示すように、受信側となる無線LAN端末は、無線部11、アナログデジタル変換部(ADC部)12、自動周波数制御部としてのオートフリクエンシーコントロール部(AFC部)13、伝送路応答推定部14、制御部15、復調部16、重み乗算部17、および誤り訂正復号部の一例としてのビタビ復号部18を有している。誤り訂正復号部は、送信側と対応させて用いるため、送信側にターボ符号化部を用いる場合はビタビ復号部18の代わりにターボ復号部を用いる。
無線部11は、アンテナ21、低雑音増幅部(LNA)22、ローカル発振部23、直交復調部24、および自動利得制御部としてのオートゲインコントロール部(AGC部)25を有している。
ローカル発振部23は、直交復調用のキャリア周波数(無線周波数)の局部発振信号(ローカル信号:LO)を発し、直交復調部24へ入力する。直交復調部24は、ミキサ等であり、受信されたOFDMのRF信号をローカル信号LOで直交復調してI成分の信号(I信号),Q成分の信号(Q信号)からなるOFDMベースバンド信号を生成し、I信号,Q信号を各AGC部25へ出力する。AGC部25は、入力された信号を所定のレベルへ利得制御してADC部12へ出力する。
すなわち、無線部11は、ダイレクトコンバージョン方式によって、アンテナ21で受信したRF信号をベースバンド信号へ変換する。
ADC部12は、無線部11より入力されたI信号,Q信号それぞれをデジタル信号へ変換してAFC部13へ出力する。
AFC部13は、各ADC部12より入力されたデジタル信号に含まれるショートプリアンブル61を使用して粗いAFCを行うことで、周波数オフセット値を得る。また、AFC部13は、ロングプリアンブル62を使用して精度の高いAFCを行うことで、周波数オフセット値を得る。
伝送路応答推定部14は、デジタル信号に含まれるロングプリアンブル62を使用して、受信信号が伝送路で受けたひずみを推定する。
復調部16は、受信信号をFFT処理して周波数軸へ変換し、伝送路応答推定値を利用して復調を行うことで、各周波数のサブキャリアにマッピングされたデータ信号(復調信号)を生成する。FFTは、高速フーリエ・コサイン・サイン変換の略称である。なお、FFTの出力データ数は64値あるが、その中で有効なデータ数は52値であり、それらはサブキャリア番号、−26、−25、…、−2、−1、+1、+2、…、+25、+26に対応する。
重み乗算部17は、制御部15からの命令によって、復調部16から入力されたデータ信号に予め設定された重み係数Aを乗算する。重み係数Aは、0<A<1の範囲内で、制御部15から指定されたサブキャリアのデータ信号に乗算されるものである。また、重み係数Aは、サブキャリアがDCオフセット位置に近いほど小さい値とされ、遠くなるにつれて大きい値とされる。ここで、DCオフセット位置とは、ローカル信号LOが漏れて自分自身とミキシングして発生する直流電圧の位置を言う。
ビタビ復号部18は、重み乗算部17から出力されたデータ信号の誤り訂正を行い、誤り訂正後のデータ信号を出力する。
制御部15は、図2に示すように、サブキャリア指定部151、および重み係数設定部152を有している。
サブキャリア指定部151は、AFC部13により検出された周波数オフセット値(無線周波数のずれ量)、すなわちキャリア周波数ずれ検出値(以下周波数ずれ量Δfと称す)を読み出し、その値に応じて、重みを付けるべきサブキャリア番号を決定して重み乗算部17へ通知する。
また、重み係数設定部152は、AFC部13により検出された周波数ずれ量Δfに応じて、重み係数Aの値を0<A<1の範囲内で選択して重み乗算部17へ通知する。より具体的には、重み係数設定部152は、周波数ずれ量Δfの絶対値が大きいほど小さい重み係数Aを選択し、周波数ずれ量Δfの絶対値が小さいほど大きい重み係数Aを選択する。また、重み係数設定部152は、周波数ずれ量Δfの絶対値が同じであっても正の場合と負の場合とで、異なる重み係数Aを選択する。言い換えると、周波数ずれ量Δfと重み係数Aとの関数は、正側と負側で非対称となる。
重み乗算部17は、図3に示すように、サブキャリア番号検出処理部171、記憶部172、および振幅重み係数乗算処理部173を有している。
サブキャリア番号検出処理部171は、入力されたデータがどのサブキャリアにマッピングされていたかを検出する。
記憶部172は、データの振幅値に乗算すべき複数の重み係数を予め記憶している。
振幅重み係数乗算処理部173は、復調部16より入力されるデータ信号のうち、制御部15により指定されたサブキャリア番号にマッピングされていたデータ信号の振幅値に、記憶部172に予め記憶されていた重み係数を乗算する。このとき、振幅重み係数乗算処理部173は、記憶部172に予め記憶されていた複数の重み係数のうち、周波数ずれ量Δfに基づいて制御部15により選択された重み係数をデータ信号の振幅値に乗算する。
図4に示すように、デジタル信号は、ショートプリアンブル61、ロングプリアンブル62、シグナルフィールド63、および複数のデータフィールド64を有している。
ショートプリアンブル61は、伝送されるパケットの先頭に位置し、利得制御と粗いAFCを行うためのものである。ロングプリアンブル62は、伝送路応答推定とAFCを行うためのものである。シグナルフィールド63には、データレートとデータ長の情報が含まれている。
[第1動作例]
以下に、図5乃至図7を用いて、第1の実施形態の無線LANシステムにおける無線LAN端末の第1動作例について説明する。
図5は無線LAN端末の第1動作例のフローチャート、図6はデータ変調方式が例えばQPSKの場合の復調部出力と、そのときのサブキャリア番号±1番目に対応するデータ位置の例、図7は図6の復調部出力に対して重み係数(<1)を乗算した結果を示している。
図5に示すように、この受信側の無線LAN端末では、まず、無線部11により、他の無線LAN端末から送信されたRF信号の受信が開始される(ステップS101)。
無線部11は、RF信号を受信すると、アンテナ21で受信されたRF信号を直交復調することによりベースバンド信号へ変換する。このとき、直交復調されたベースバンド信号におけるI軸、Q軸それぞれにDCオフセット値が印加される。このDCオフセットが印加されたそれぞれのI信号およびQ信号は、ADC部12へ入力されてデジタル信号に変換され、AFC部13へ出力される。
次に、AFC部13により、入力されたデジタル信号のショートプリアンブル61を使用して粗いAFCが行われる。また、AFC部13により、デジタル信号のロングプリアンブル62を使用して精度の高いAFCが行われる(ステップS102)。
次に、デジタル信号のロングプリアンブル62は既知信号であることから、伝送路応答推定部14により、このロングプリアンブル62を使用して伝送路応答推定が行われる(ステップS103)。
次に、復調部16により、デジタル信号のデータフィールド64(データ部)が復調される(ステップS104)。より具体的には、復調部16は、受信されたデジタル信号からFFTへの入力分のデータを切り出し、時間軸信号から周波数軸信号へ変換を行い、伝送路応答推定値の共役の複素数を乗算する。その後、復調されたデジタル信号は、重み乗算部17へ出力される。
次に、重み乗算部17により、制御部15からの命令に従って、復調部16から入力されてきたデータ(軟判定値系列)に対して重み係数が乗算される(ステップS105)。この動作例では、サブキャリア番号±1番にマッピングされたデータに対して、記憶部172に記憶されていた重み係数A(0<A<1)が乗算される。このとき、記憶部172に記憶されていた複数の重み係数Aのうち、周波数ずれ量Δfに基づいて制御部15により選択された重み係数Aが乗算される。
ところで、1つのサブキャリアにマッピングされたデータ数は、データ変調がBPSKの場合は1個、QPSKの場合は2個、16QAMの場合は4個、64QAMの場合は6個である。このため、受信したパケットのデータ変調方式によって、重み係数を乗算する1つのサブキャリアあたりのデータ数が異なることになる。
図6に示すように、例えばQPSKの場合、1つのサブキャリアあたりに2個の情報がマッピングされている。このため、−1番目のサブキャリアにマッピングされているデータ51の数は2個、+1番目のサブキャリアにマッピングされているデータ52の数は2個となる。したがって、これら4つのデータ51,52のそれぞれの振幅値に対して重み係数Aを乗算することになる。ただし、重み係数Aの値は、0よりも大きく1未満の数であり、重み係数Aの値の範囲を0<A<1と記述する。
この乗算結果、図7に示すように、4つのデータ51,52の振幅値が小さな値になる。その後、重み係数Aが乗算されたデジタル信号が重み乗算部17からビタビ復号部18へ出力され、ビタビ復号部18において誤り訂正が行われ(ステップS106)、誤り訂正されたデータが出力される。
IEEE802.11a規定では、周波数誤差は20ppm以下という規定があるため、最大周波数誤差は118kHzとなる。送信側および受信側の無線LAN端末で、共に118kHzずれたときが最も大きなずれとなり、総合すると、その2倍の236kHzの周波数ずれまで許されることになる。また、サブキャリアの間隔は312.5kHzであることから、DCオフセットは、サブキャリア番号−1と+1の間に入ることになる。したがって、最も干渉の影響を受けるのは、±1番目のサブキャリアとなる。
重み係数を乗算後、DCオフセットの干渉を受ける±1番目のサブキャリアの誤り訂正後のデータについては誤り訂正の際の信頼度が低くなり、周波数ずれ量Δfが大きい場合でもDCオフセットの干渉の影響を受け難くなる。
以下に、図8A乃至図8Dを用いて、DCオフセットが干渉を起こす理由について説明する。
図8Aは、送信側の無線LAN端末がパケットを送信したときのサブキャリアの模式図であり、サブキャリア番号、−26、−25、…、−1、+1、…、+25、+26にデータが乗っている。なお、サブキャリア番号0のサブキャリア(DCサブキャリア)は使用しない。
図8Bに示すように、送信側と受信側の無線LAN端末間に周波数誤差Δfが存在する場合、受信側の無線LAN端末において周波数が全体的にΔfだけずれることになる。
すなわち、送信側の無線LAN端末における送信信号のキャリア周波数をft[Hz]とし、受信側の無線LAN端末におけるキャリア周波数をfr[Hz]とすると、Δf=ft−frとなる。
そして、図8Cに示すように、受信側の無線LAN端末の無線部11(直交復調部24)においてDCオフセットが発生すると、サブキャリア番号0のサブキャリアのところにDC成分が現れる。
その後、無線部11より出力されてADC部12を通じて、DC成分が現れたデジタル信号がAFC部13に入力されると、AFC部13は、そのデジタル信号に対してAFCを行なう。これにより、図8Dに示すように、サブキャリア番号−26、−25、…、−1、+1、…、+26の各サブキャリアは、本来の周波数の位置に戻されることになる。
一方、DCオフセットは、AFC部13によるAFCによって、−Δfの周波数成分となり、他のサブキャリアと直交関係がくずれることになる。このため、DCオフセット成分は、他のサブキャリアへの干渉成分となる。
上記のようにDCオフセット成分によって特に干渉を受けるのは、DC成分に近いサブキャリアである。すなわち、IEEE802.11a規定の無線LAN端末では、±1番目のサブキャリアがDCオフセットの影響を最も受けることになる。
ところで、ビタビ復号部18は、軟判定復号をしており、振幅の大きい信号の方が振幅の小さい信号よりも信頼度が高いものとして計算する。
したがって、±1番目のサブキャリアは干渉の影響を受け信頼度が低いことを考慮して、事前に、該当するデータの振幅値に重み係数A(<1)を乗算する。すなわち、±1番目のサブキャリアにマッピングされたデータの信頼度を故意に低くさせてビタビ復号させる。これにより、DCオフセットが印加された場合に、誤り訂正の信頼度を向上させることができる。
上記第1動作例では、常に±1番目のサブキャリアにマッピングされたデータに対して選択された重み係数を乗算する例を示した。これに対し、以下に、重み係数の具体的な選択方法例、および±1番目のサブキャリア以外に重み係数を乗算する動作例を示す。
[第2動作例]
以下に、図9を用いて、第1の実施形態の無線LANシステムにおける無線LAN端末の第2動作例について説明する。
図9は、無線LAN端末の第2動作例のフローチャートを示している。
図9に示すように、この第2動作例では、まず、AFC部13により、周波数ずれ量Δf[Hz]が検出され、制御部15に通知される(ステップS201)。
次に、制御部15により、検出された周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値と予め自身に設定されている閾値TH1[Hz]とが比較される(ステップS202)。
ステップS202において、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値が閾値TH1[Hz]よりも大きい場合(ステップS202のYes)、制御部15により、±1番目のサブキャリアにマッピングされているデータに対し重み係数を乗算することが決定される(ステップS203)。
次に、制御部15により、検出された周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値と予め自身に設定されている閾値THn(nは2以上の整数:TH1<TH2<TH3<…)[Hz]とが比較される(ステップS204)。
ステップS204において、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値が閾値THn[Hz]よりも大きい場合(ステップS204のYes)、制御部15により、閾値THnが閾値THn+1に変更され(ステップS205)、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値と予め自身に設定されている閾値THn+1とが比較される。すなわち、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値が閾値THn[Hz]よりも小さくなるまで、ステップS204が繰り返される。
ステップS204において、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値が閾値THn[Hz]よりも小さい場合(ステップS204のNo)、制御部15により、そのときの閾値THn[Hz]に応じて重み係数Aの値が設定される(ステップS206)。すなわち、重み係数Aの値は、周波数ずれ量Δf[Hz]に基づいて設定される。なお、ここでは、周波数ずれ量Δf[Hz]と閾値THnとを繰り返し比較して重み係数Aの値を設定する構成としたが、周波数ずれ量Δf[Hz]と重み係数Aの値を対応させる変換表(table)を参照して重み係数Aの値を設定する構成であってもよい。このとき、閾値THn[Hz]が大きければ重み係数Aの値は小さくなり、閾値THn[Hz]が小さければ重み係数Aの値は大きくなる。また、周波数ずれ量Δfの絶対値が同じであっても正の場合と負の場合とで、異なる重み係数Aが選択される。
一方、ステップS202において、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値が閾値TH1[Hz]よりも小さい場合(ステップS202のNo)、該当サブキャリアのデータに重み係数Aを乗算せずに第2動作を終了する。なお、データに重み係数Aを乗算しないという方法以外に、例えば重み係数Aを1として該当サブキャリアのデータに乗算する、ということにしてもよい。
[第3動作例]
以下に、図10を用いて、第1の実施形態の無線LANシステムにおける無線LAN端末の第3動作例について説明する。
図10は、無線LAN端末の第3動作例のフローチャートを示している。
図10に示すように、この第3動作例では、まず、AFC部13により、周波数ずれ量Δf[Hz]が検出され、制御部15に通知される(ステップS211)。
次に、制御部15により、検出された周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値と予め自身に設定されている閾値TH1[Hz]とが比較される(ステップS212)。
ステップS212において、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値が閾値TH1[Hz]よりも大きい場合(ステップS212のYes)、制御部15により、その周波数ずれ量Δf[Hz]が「0」よりも大きいか否かが判定され(S213)、±1番目のサブキャリアではなくてΔfの符号に対応する番号に対してのみ重み付けすることが決定される。
例えば、Δf>0の場合(ステップS213のYes)、制御部15により、−1番目のサブキャリアにマッピングされているデータだけに重み係数を乗算することが決定され(ステップS214)、Δf<0の場合(ステップS213のNo)、+1番目のサブキャリアにマッピングされたデータだけに重み係数を乗算することが決定される(ステップS215)。
次に、制御部15により、検出された周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値と予め自身に設定されている閾値THn(nは2以上の整数:TH1<TH2<TH3<…)[Hz]とが比較される(ステップS216)。
ステップS216において、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値が閾値THn[Hz]よりも大きい場合(ステップS216のYes)、制御部15により、閾値THnを閾値THn+1に変更し(ステップS217)、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値と予め自身に設定されている閾値THn+1とが比較される。すなわち、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値が閾値THn[Hz]よりも小さくなるまで、ステップS216が繰り返される。
ステップS216において、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値が閾値THn[Hz]よりも小さい場合(ステップS216のNo)、制御部15により、そのときの閾値THn[Hz]に応じて重み係数Aの値が設定される(ステップS218)。すなわち、重み係数Aの値は、周波数ずれ量Δf[Hz]に基づいて設定される。なお、ここでは、周波数ずれ量Δf[Hz]と閾値THnとを繰り返し比較して重み係数Aの値を設定する構成としたが、周波数ずれ量Δf[Hz]と重み係数Aの値を対応させる変換表(table)を参照して重み係数Aの値を設定する構成であってもよい。このとき、閾値THn[Hz]が大きければ重み係数Aの値は小さくなり、閾値THn[Hz]が小さければ重み係数Aの値は大きくなる。また、周波数ずれ量Δfの絶対値が同じであっても正の場合と負の場合とで、異なる重み係数Aが選択される。
一方、ステップS212において、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値が閾値TH1[Hz]よりも小さい場合(ステップS212のNo)、該当サブキャリアのデータに重み係数Aを乗算せずに第2動作を終了する。なお、データに重み係数Aを乗算しないという方法以外に、例えば重み係数Aを1として該当サブキャリアのデータに乗算する、ということにしてもよい。
[第4動作例]
以下に、図11を用いて、第1の実施形態の無線LANシステムにおける無線LAN端末の第4動作例について説明する。
図11は、無線LAN端末の第4動作例のフローチャートを示している。
図11に示すように、この第4動作例では、まず、AFC部13により、周波数ずれ量Δf[Hz]が検出され、制御部15に通知される(ステップS221)。
次に、制御部15により、検出された周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値と予め自身に設定されている閾値TH1[Hz]とが比較される(ステップS222)。
ステップS222において、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値が閾値TH1[Hz]よりも大きい場合(ステップS222のYes)、制御部15により、±1番目サブキャリアだけではなく、±2番のサブキャリアにマッピングされているデータに対し重み係数を乗算することが決定される(ステップS223)。
次に、制御部15により、検出された周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値と予め自身に設定されている閾値THn(nは2以上の整数:TH1<TH2<TH3<…)[Hz]とが比較される(ステップS224)。
ステップS224において、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値が閾値THn[Hz]よりも大きい場合(ステップS224のYes)、制御部15により、閾値THnが閾値THn+1に変更され(ステップS225)、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値と予め自身に設定されている閾値THn+1とが比較される。すなわち、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値が閾値THn[Hz]よりも小さくなるまで、ステップS224が繰り返される。
ステップS224において、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値が閾値THn[Hz]よりも小さい場合(ステップS224のNo)、制御部15により、そのときの閾値THn[Hz]に応じて重み係数Aの値が設定される(ステップS226)。すなわち、重み係数Aの値は、周波数ずれ量Δf[Hz]に基づいて設定される。なお、ここでは、周波数ずれ量Δf[Hz]と閾値THnとを繰り返し比較して重み係数Aの値を設定する構成としたが、周波数ずれ量Δf[Hz]と重み係数Aの値を対応させる変換表(table)を参照して重み係数Aの値を設定する構成であってもよい。このとき、閾値THn[Hz]が大きければ重み係数Aの値は小さくなり、閾値THn[Hz]が小さければ重み係数Aの値は大きくなる。また、周波数ずれ量Δfの絶対値が同じであっても正の場合と負の場合とで、異なる重み係数Aが選択される。
一方、ステップS222において、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値が閾値TH1[Hz]よりも小さい場合(ステップS222のNo)、該当サブキャリアのデータに重み係数Aを乗算せずに第2動作を終了する。なお、データに重み係数Aを乗算しないという方法以外に、例えば重み係数Aを1として該当サブキャリアのデータに乗算する、ということにしてもよい。
[第5動作例]
以下に、図12を用いて、無線LANシステムにおける無線LAN端末の第5動作例について説明する。
図12は、無線LAN端末の第5動作例のフローチャートを示している。
図12に示すように、この第5動作例では、まず、AFC部13により周波数ずれ量Δf[Hz]が検出され、制御部15に通知される(ステップS231)。
次に、制御部15により、検出された周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値と予め自身に設定されている閾値TH1[Hz]とが比較される(ステップS232)。
ステップS232において、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値が閾値TH1[Hz]よりも大きい場合(ステップS232のYes)、制御部15により、その周波数ずれ量Δf[Hz]が「0」よりも大きいか否かが判定され(ステップS233)、この判定結果に応じて、重み係数を乗算するサブキャリア番号が決定され(ステップS234、ステップS236)、そのサブキャリア番号に適した重み係数を予め自身に記憶されている中から仮選択する(ステップS235、ステップS237)
例えば、周波数ずれ量Δf>0の場合(ステップS233のYes)、±1番目のサブキャリアに重み係数を乗算することを決定し(ステップS234)、決定した+1番目のサブキャリアにマッピングされているデータに第1重み係数A1を、−1番目のサブキャリアにマッピングされているデータに第2重み係数A2をそれぞれ乗算するものと仮設定する(ステップS235)。ただし、重み係数の値の範囲は、1>A1>A2>0の関係が成り立つ範囲とする。
一方、周波数ずれ量Δf<0の場合(ステップS233のNo)、±1番目のサブキャリアに重み係数を乗算することを決定し(ステップS236)、決定した+1番目のサブキャリアにマッピングされているデータに第3重み係数Z2を、−1番目のサブキャリアにマッピングされているデータに第4重み係数Z1をそれぞれ乗算するものと仮設定する(ステップS237)。ただし、重み係数の値の範囲は、1>Z1>Z2>0の関係が成り立つ範囲とする。さらに、Z1,Z2≠A1,A2の関係が成り立つ。言い換えると、{A1=Z1、かつ、A2=Z2}ではなく(A1,A2とZ1,Z2とは異なり)、かつ、{A1=Z2、かつ、A2=Z1}でもない(A1,A2とZ1,Z2とは非対称)。すなわち、A1,A2とZ1,Z2とは、対象に入れ替えた値ではない。
すなわち、周波数ずれ量Δf[Hz]が「0」よりも大きいか否かによって、+1番目のサブキャリアおよび−1番目のサブキャリアに異なる重み係数が乗算されるように設定される。
次に、制御部15により、検出された周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値と予め自身に設定されている閾値THn(nは2以上の整数:TH1<TH2<TH3<…)[Hz]とが比較される(ステップS238)。
ステップS238において、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値が閾値THn[Hz]よりも大きい場合(ステップS238のYes)、制御部15により、閾値THnが閾値THn+1に変更され(ステップS239)、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値と予め自身に設定されている閾値THn+1とが比較される。すなわち、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値が閾値THn[Hz]よりも小さくなるまで、ステップS238が繰り返される。
ステップS238において、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値が閾値THn[Hz]よりも小さい場合(ステップS238のNo)、制御部15により、そのときの閾値THn[Hz]に応じて重み係数A1およびA2の値が設定される(ステップS240)。すなわち、重み係数A1およびA2の値は、周波数ずれ量Δf[Hz]に基づいて設定される。なお、ここでは、周波数ずれ量Δf[Hz]と閾値THnとを繰り返し比較して重み係数Aの値を設定する構成としたが、周波数ずれ量Δf[Hz]と重み係数Aの値を対応させる変換表(table)を参照して重み係数Aの値を設定する構成であってもよい。このとき、閾値THn[Hz]が大きければ重み係数A1およびA2の値は小さくなり、閾値THn[Hz]が小さければ重み係数A1およびA2の値は大きくなる。また、周波数ずれ量Δfの絶対値が同じであっても正の場合と負の場合とで、異なる重み係数A1およびA2が選択される。
一方、ステップS232において、周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値が閾値TH1[Hz]よりも小さい場合(ステップS232のNo)、制御部15は、該当サブキャリアのデータに重み係数Aを乗算せずに第2動作を終了する。なお、データに重み係数A1およびA2を乗算しないという方法以外に、例えば重み係数A1およびA2を1として該当サブキャリアのデータに乗算する、ということにしてもよい。
すなわち、第5動作例では、制御部15は、AFC部13により検出された周波数ずれ量Δfの値に応じて、例えばΔf>0ならば+1番目のサブキャリアにマッピングされたデータには第1重み係数A1を乗算し、−1番目のサブキャリアにマッピングされたデータには第1重み係数A1よりも小さい第2重み係数A2を乗算するというように、サブキャリアのデータ毎に乗算する重み係数を変えている。
[効果]
上記第1の実施形態によれば、受信側の無線LAN端末に、重み乗算部17を設けたことで、DCオフセットが十分キャンセルできなかった場合でも、誤り訂正する際にDCオフセットの干渉の影響を受け難くなる。
制御部15は、DCオフセットの干渉が予想されるサブキャリアとして、−から+までの番号が付与されたサブキャリアのうち、DCオフセットの近傍の±1番目のサブキャリアを指定する。これにより、DCオフセットの干渉の影響を受け易い位置のサブキャリアのデータを小さな値とし、DCオフセットの干渉の影響を受け難くすることができる。
制御部15は、AFC部13により検出された周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値|Δf|が予め設定されていた所定の閾値TH[Hz]より大きい場合に±1番目のサブキャリアを指定する。これにより、直交復調部24で発生するDCオフセットが干渉する場合だけ誤り耐性を強くできる。DCオフセットが干渉しない場合に重み付けをすると、受信特性が多少劣化してしまうため、それを避けることができる。
制御部15は、AFC部13により検出された周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値|Δf|が予め設定されていた所定の閾値TH[Hz]より大きく、かつ、周波数ずれ量Δf[Hz]の符号が正(+)であるときは−1番目のサブキャリアにマッピングされた復調信号の振幅値に重み係数Aを乗算するよう指示する。一方、制御部15は、周波数ずれ量Δf[Hz]の符号が負(−)であるときは+1番目のサブキャリアにマッピングされた復調信号の振幅値に重み符号Aを乗算するよう指示する。これにより、直交復調部24で発生するDCオフセットが干渉する場合だけ、誤り耐性を強くできる。DCオフセットが干渉しない場合に重み付けをすると、多少受信特性が劣化してしまうため、それを避けることができる。
制御部15は、AFC部13により検出された周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値|Δf|が所定の閾値TH[Hz]より大きい場合のみ±1番目と±2番目のサブキャリアにマッピングされた復調信号の振幅値に重み係数Aを乗算するよう指示する。これにより、直交復調部24で発生するDCオフセットが干渉する場合だけ、誤り耐性を強くできる。DCオフセットが干渉しない場合に重み付けをすると、多少受信特性が劣化してしまうため、それを避けることができる。
制御部15は、AFC部13により検出された周波数ずれ量Δf[Hz]の絶対値|Δf|が所定の閾値TH[Hz]より大きい場合、周波数ずれ量が「0」よりも大きいか否かを判定し、周波数ずれ量Δf[Hz]が0よりも大きい場合、+1番目のサブキャリアにマッピングされた復調信号の振幅値に第1重み係数A1を乗算するよう指示し、−1番目のサブキャリアにマッピングされた復調信号の振幅値に第2重み係数A2を乗算するよう指示する。一方、周波数ずれ量Δf[Hz]が「0」よりも小さい場合、+1番目のサブキャリアにマッピングされた復調信号の振幅値に第2重み係数A2を乗算するよう指示し、−1番目のサブキャリアにマッピングされた復調信号の振幅値に第1重み係数A1を乗算するよう指示する。これにより、直交復調部24で発生するDCオフセットが干渉する場合だけ、誤り耐性を強くできる。DCオフセットが干渉しない場合に重み付けをすると、多少受信特性が劣化してしまうため、それを避けることができる。±1番目のサブキャリアに対してDCオフセットによる干渉量に応じて異なる重みがかけられるので、受信特性をより向上することができる。
図13は、周波数ずれ量Δfとパケットエラーレート(PER)との関係のグラフを示している。
図13の破線で示すように、DC近傍のサブキャリア(例えば±1番目のサブキャリア)に対して周波数ずれ量Δfの絶対値の大きさに関係なく一定の重み係数を乗算した場合(静的に重み付けをした場合)、周波数ずれ量Δfの絶対値が小さいときにPERが増加してしまう。すなわち、該当サブキャリアに重み係数を乗算することで、逆に受信性能が劣化してしまう。
これに対し、本実施形態における制御部15は、AFC部13により検出された周波数ずれ量Δfに応じて、重み係数Aの値を0<A<1の範囲内で選択し、その重み係数Aを該当サブキャリアに乗算する(動的に重み付けをする)ように指示する。より具体的には、制御部15は、周波数ずれ量Δfの絶対値が大きいほど小さい重み係数Aを選択し、周波数ずれ量Δfの絶対値が小さいほど大きい重み係数Aを選択する。これは、周波数ずれ量Δfの絶対値が大きいほど、DCオフセットによるサブキャリアへの干渉が大きくなり、該当サブキャリアの信頼性が劣化するためである。
このように動的に重み付けすることにより、図13の実線で示すように、周波数ずれ量Δfの絶対値が小さいときにPERが増加することがなく、受信性能の劣化を抑制することができる。
また、本実施形態における制御部15は、周波数ずれ量Δfの絶対値が同じであっても正の場合と負の場合とで、異なる重み係数Aを選択する。言い換えると、制御部15は、周波数ずれ量Δfと重み係数Aとの関数が正側と負側とで非対称となるように、重み係数Aを選択する。これにより、周波数ずれ量Δfの絶対値と干渉による受信性能劣化(PER)との関係が、周波数ずれ量Δfの符号が正の場合と負の場合で異なる場合であっても、重み係数Aを適切に設定することが可能となり、受信性能の劣化を抑制することができる。
<第2の実施形態>
図14および図15を用いて、第2の実施形態の無線LANシステムにおける無線LAN端末について説明する。
第2の実施形態では、マルチキャリア無線伝送システムにおける受信側の無線LAN端末が、複数のアンテナ(複数の無線部)を備える場合を考える。このとき、マルチキャリア無線伝送システムは、送信側の無線LAN端末も受信側と同様に複数のアンテナを備え、各アンテナからは異なる信号を送信するMIMO(Multiple Input Multiple Output)システムであるものとする。
MIMOシステムでは、送信側の無線機の複数アンテナから、アンテナ毎に異なるデータを送信し、受信側の無線機では複数のアンテナを用いてそれら合成されたデータを分離、復調するシステムであり、伝送効率を大きく向上できる。
[構成]
以下に、図14を用いて、第2の実施形態の無線LANシステムにおける無線LAN端末の構成について説明する。
図14は、第2の実施形態の無線LANシステム(MIMOシステム)における無線LAN端末のブロック図を示している。
図14に示すように、このMIMOシステムにおける無線LAN端末は、第1無線部31、第2無線部41、第1ADC部32、第2ADC部42、第1AFC部33、第2AFC部43、第1伝送路応答推定部34、第2伝送路応答推定部44、第1制御部35、第2制御部45、第1復調部36、第2復調部46、第1重み乗算部37、第2重み乗算部47、第1ビタビ復号部38、第2ビタビ復号部48、および干渉キャンセラ50を有している。
第1無線部31、第2無線部41、第1ADC部32、第2ADC部42、第1AFC部33、第2AFC部43、第1伝送路応答推定部34、第2伝送路応答推定部44、第1制御部35、第2制御部45、第1復調部36、第2復調部46、第1重み乗算部37、第2重み乗算部47、第1ビタビ復号部38、および第2ビタビ復号部48は、それぞれ上記図1で示した第1の実施形態の対応する各部と同様の動作を行う。
干渉キャンセラ50は、2つの第1無線部31および第2無線部41のそれぞれのアンテナから受信された信号を利用して干渉成分を除去した後、それぞれの重み乗算部(第1重み乗算部37、および第2重み乗算部47)へデータを送る機能を有している。
[第6動作例]
以下に、図15を用いて、第2の実施形態の無線LANシステムにおける無線LAN端末の第6動作例について説明する。
図14は、無線LAN端末の第6動作例のフローチャートを示している。
図14に示すように、このMIMOシステムの受信側の無線LAN端末では、まず、第1無線部31および第2無線部41それぞれの無線部により、RF信号の受信が開始される(ステップS301)。
第1無線部31は、RF信号を受信すると、受信したRF信号を直交復調することによりベースバンド信号へ変換する。このとき、第1無線部31では、直交復調されたベースバンド信号におけるI軸、Q軸それぞれにDCオフセット値が印加される。このDCオフセット値が印加された信号は、第1ADC部32へ入力され、デジタル信号に変換され、第1AFC部33へ出力される。
次に、第1AFC部33により、入力されたデジタル信号のショートプリアンブル61を使用して粗いAFCが行われる。また、第1AFC部33により、デジタル信号のロングプリアンブル62を使用して精度の高いAFCが行われる(ステップS302)。
次に、デジタル信号のロングプリアンブル62は既知信号であることから、第1伝送路応答推定部34により、それぞれ入力されたロングプリアンブル62を使用して伝送路応答推定が行われる(ステップS303)。
次に、第1復調部36により、デジタル信号のデータ部が復調される(ステップS304)。より具体的には、第1復調部36は、入力されたデジタル信号からFFTへの入力分のデータを切り出し、時間軸信号から周波数軸信号へ変換を行い、伝送路応答推定値の共役の複素数を乗算する。その後、復調されたデジタル信号は、干渉キャンセラ50へ出力される。
一方、第2無線部41についても、第1無線部31と同時にRF信号の受信を開始しているため(ステップS305)、第2無線部41は、受信したRF信号をベースバンド信号へ変換する。このとき、直交復調されたベースバンド信号には、I軸、Q軸それぞれにDCオフセット値が印加される。
このDCオフセット値が印加された信号は、第2ADC部42へ入力され、デジタル信号に変換され、第2AFC部43へ出力される。
次に、第2AFC部43により、入力されたデジタル信号のショートプリアンブル61を使用して粗いAFCが行われる。また、第2AFC部43により、デジタル信号のロングプリアンブル62を使用して精度の高いAFCが行われる(ステップS306)。
次に、デジタル信号のロングプリアンブル62は既知信号であることから、第2伝送路応答推定部44により、入力されたロングプリアンブル62を使用して伝送路応答推定が行われる(ステップS307)。
次に、第2復調部46により、デジタル信号のデータ部が復調される(ステップS308)。より具体的には、第2復調部46は、入力されたデジタル信号からFFTへの入力分のデータを切り出し、時間軸信号から周波数軸信号へ変換を行い、伝送路応答推定値の共役の複素数を乗算する。その後、復調されたデジタル信号は、干渉キャンセラ50へ出力される。
次に、干渉キャンセラ50により、第1無線部31および第2無線部41で直交復調されたそれぞれのデジタル信号を利用して干渉除去が行われ(ステップS309)、干渉成分が除去されたデジタル信号が第1重み乗算部37と第2重み乗算部47へそれぞれ出力される。
次に、第1重み乗算部37により、第1制御部35からのサブキャリアの指定命令に従って、干渉キャンセラ50から出力された、該当サブキャリアにマッピングされたデータに対して重み係数が乗算される(S310)。この例では、サブキャリア番号±1番にマッピングされたデータに対して、重み係数A1(<1)を乗算する。このとき、周波数ずれ量Δfに基づいて第1制御部35により選択された重み係数A1が乗算される。
その後、重み係数A1が乗算されたデジタル信号が第1ビタビ復号部38へ入力され、第1ビタビ復号部38において誤り訂正が行われ(S311)、誤り訂正されたデータが出力される。
一方、第2重み乗算部47により、第2制御部45からのサブキャリアの指定命令に従って、干渉キャンセラ50から出力された、該当サブキャリアにマッピングされたデータに対して重み係数が乗算される(S312)。この例では、サブキャリア番号±1番にマッピングされたデータに対して、重み係数A2(<1)を乗算する。このとき、周波数ずれ量Δfに基づいて第2制御部45により選択された重み係数A2が乗算される。また、重み係数A1と重み係数A2は、それぞれの無線部(第1無線部31、第2無線部41)の性能(受信特性等)に応じて予め設定するものであり、同じ値でもよく、また異なる値でもよい。
その後、重み係数A2が乗算されたデジタル信号が第2ビタビ復号部48へ入力され、第2ビタビ復号部48において誤り訂正が行われ(S313)、誤り訂正されたデータが出力される。
この無線LANシステムに誤り訂正手段としてビタビ復号部を用いる場合は、送信側の誤り訂正符号化部として畳み込み符号化部を用いる。また、送信側の誤り訂正符号化部としてターボ符号化部を用いる場合、受信側の誤り訂正復号部としてターボ復号部を用いる。
[効果]
上記第2の実施形態によれば、MIMOシステムにおいて、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上記各実施形態では、送信側の誤り訂正符号化を畳み込み符号化部とし、受信側の誤り訂正復号をビタビ復号部としたが、これらに代わる他の符号化方式、例えばターボ符号化部とターボ復号化部との組み合わせでもよい。
<第3の実施形態>
図16乃至図21を用いて、第3の実施形態の無線LANシステムにおける無線LAN端末について説明する。
上記各実施形態は、該当サブキャリアのデータに重み係数を乗算した後、誤り訂正を行った。これに対し、第3の実施形態では、該当サブキャリアのデータに重み係数を乗算した後、伝送路応答推定(平滑化)を行う例である。なお、第3の実施形態において、上記各実施形態と同様の点については説明を省略し、主に異なる点について説明する。
[構成]
以下に、図16および図17を用いて、第3の実施形態の無線LANシステムにおける無線LAN端末の構成について説明する。
図16は第3の実施形態の無線LANシステムにおける無線LAN端末のブロック図、図17は図16の無線LAN端末の平滑化部19のブロック図を示している。
図16に示すように、第3の実施形態において、上記各実施形態と異なる点は、無線LAN端末が重み乗算部を備える平滑化部を有している点である。
平滑化部19は、伝送路応答推定部14から得られた、周波数軸上で連続するm個の各サブキャリアに対する伝送路応答推定値を平滑化し、新たな伝送路応答推定値に補正する。
より具体的には、図17に示すように、平滑化部19は、レジスタ191−1,191−2,191−3、振幅測定部192−1,192−2,192−3、割算部193−1,193−2,193−3、重み乗算部194−1,194−2,194−3,195−1,195−2,195−3、ベクトル合成部196、平均化部197、振幅測定部198、割算部199、および乗算部200を有している。なお、図17では、レジスタ181−2に格納されるサブキャリアの伝送路応答推定値の補正を行う。
レジスタ191−1,191−2,191−3は、伝送路応答推定部14から出力された各サブキャリアに対する伝送路応答推定値を格納する。
振幅測定部192−1,192−2,192−3は、各サブキャリアに対する伝送路応答推定値のベクトル値の振幅を計算する。
割算部193−1,193−2,193−3は、各サブキャリアに対する伝送路応答推定値のベクトルを単位ベクトルにする。
ベクトル合成部196は、各サブキャリアに対する伝送路応答推定値のベクトルの単位ベクトルを加算する。
平均化部197は、各サブキャリアに対する伝送路応答推定値のベクトルの平均振幅を計算する。
乗算部200は、ベクトル合成部196から出力され、振幅測定部198および割算部199により単位ベクトルになったベクトルに、平均化部197の出力を乗算する。
これら重み係数乗算部194−1,194−2,194−3,195−1,195−2,195−3は、制御部15からの命令に従って、伝送路応答推定値のベクトルに対して重み係数を乗算する。
また、重み乗算部194−1,194−2,194−3,195−1,195−2,195−3はそれぞれ、図3に示す重み乗算部17と同様の構造を有している。すなわち、重み乗算部194−1,194−2,194−3,195−1,195−2,195−3はそれぞれ、サブキャリア番号検出処理部171、記憶部172、および振幅重み係数乗算処理部173を有している。
サブキャリア番号検出処理部171は、入力されたデータがどのサブキャリアにマッピングされていたかを検出する。
記憶部172には、データの振幅値に乗算すべき複数の重み係数が予め記憶されている。
振幅重み係数乗算処理部173は、伝送路応答推定部14より入力されるデータ信号のうち、制御部15により指定されたサブキャリア番号にマッピングされていたデータ信号の振幅値に、記憶部172に予め記憶されていた重み係数を乗算する。このとき、DCオフセットによる干渉を受けたサブキャリアに対する伝送路応答推定値を平滑化に用いる場合、記憶部172に予め記憶されていた複数の重み係数Aのうち、周波数ずれ量Δfに基づいて制御部15により選択された重み係数がその振幅値に乗算される。
例えば、重み係数は、レジスタ191−1からのベクトル値に対してはB1、レジスタ191−2からのベクトル値にはB2、レジスタ191−3からのベクトル値に対してはB3であり、B1+B2+B3=1(合成後の振幅値を規格化するため。ただし、B1,B3≦B2)の関係が成り立つ。
ここで、レジスタ191−1またはレジスタ191−3に格納されたサブキャリアのデータがDCオフセットによる干渉を受けている場合、周波数ずれ量Δfに基づいて重み係数B1またはB3は小さく設定される。また、重み係数B1またはB3が0であってもよい(平滑化に用いられない)。
[第7動作例]
以下に、図18乃至図21を用いて、第3の実施形態の無線LAMシステムにおける無線LAM端末の第7動作について説明する。
図18は第3の実施形態に係るサブキャリアに対する伝送路応答推定値ベクトルの一例の図、図19は第3の実施形態に関連する図18の伝送路応答推定値ベクトルの補正値の比較例の図、図20は無線LAM端末の第7動作例のフローチャート、図21は第3の実施形態に係る図18の伝送路応答推定値ベクトルの補正値の一例の図を示している。
まず、図18に示すように、ロングプリアンブル62から検出された伝送路応答推定値において、サブキャリア1,2,3のように振幅変動が存在した場合を考える。サブキャリア2に対して平滑化を行う場合、サブキャリア1,2,3をそのままベクトル平均した結果をサブキャリア2の位相にしてしまうと、図19に示すように、合成後のベクトルは振幅の大きいサブキャリア1の影響で、サブキャリア1とサブキャリア2との間の位相差が狭くなる。
これに対し、本実施形態では、平滑化部19により図20に示す処理手順を実行する。ここで、伝送路応答推定部14からの出力は、H(J):J=1…mと設定される。
まず、平滑化部19は、制御処理を開始すると、J=0として初期起動する(ステップS401)。
次に、Jがm−2より小さいか否かが判断され(ステップS402)、m−2より小さい場合(ステップS402のYes)、レジスタ191−1,191−2,191−3に値が設定される(ステップS403)。この初期値は、レジスタ191−1がH(1)、レジスタ191−2がH(2)、レジスタ191−3がH(3)である。
その後、振幅測定部192−1〜192−3により、各レジスタ191−1〜191−3に格納されたベクトルの振幅値a1、a2、a3がそれぞれ以下のように計算される(ステップS304)。
a1=|H(1)|
a2=|H(2)|
a3=|H(3)|
次に、割算部193−1〜193−3により、各ベクトルがそれぞれの振幅値で割られて単位ベクトルが生成され(ステップS405)、これらが重み乗算部194−1〜194−3に入力される。
次に、重み乗算部194−1〜194−3により、割算部193−1〜193−3から出力された各単位ベクトルに重み係数が乗算される(ステップS406)。このとき、特にDCオフセットによる干渉を受けたサブキャリア(例えば、±1番目のサブキャリア)に対する伝送路応答推定値を平滑化に用いる場合、記憶部172に予め記憶されていた複数の重み係数のうち、周波数ずれ量Δfに基づいて制御部15により選択された重み係数がベクトルの振幅値に乗算される。
次に、ベクトル合成部195により、重み付けされた3つの単位ベクトルがベクトル合成(加算)される(ステップS407)。すると、加算された3つの単位ベクトルは次のように表される。
B1H(1)/a1+B2H(2)/a2+B3H(3)/a3
次に、振幅測定部198により合成ベクトルの振幅値A4が計算され、割算部199により単位ベクトルV1が生成される(ステップS408)。すると、合成ベクトルの振幅a4および単位ベクトルV1は次のように表される。
a4=|B1H(1)/a1+B2H(2)/a2+B3H(3)/a3|
V1=(B1H(1)/a1+B2H(2)/a2+B3H(3)/a3)/a4
一方、重み乗算部195−1〜195−3により、振幅測定部192−1〜192−3から出力された各ベクトルの振幅値に重み係数が乗算される(ステップS409)。このとき、特にDCオフセットによる干渉を受けたサブキャリア(例えば、±1番目のサブキャリア)に対する伝送路応答推定値を平滑化に用いる場合、記憶部172に予め記憶されていた複数の重み係数のうち、周波数ずれ量Δfに基づいて制御部15により選択された重み係数がベクトルの振幅値に乗算される。
次に、平均化部197により、重み付けされた3つのベクトルの振幅値が平均化される(ステップS410)。これにより、ベクトルB1H(1)、B2H(2)、B3H(3)の平均振幅値a5が次のように計算される。
a5=(B1a1+B2a2+B3a3)/3
次に乗算部200により、単位ベクトルV1に平均振幅値A5が乗算される(ステップS411)。
a5×V1
この値がベクトルH(2)の補正後の値となり、図21に示す点線のベクトルとなる。この出力値(補正後のベクトル)は、レジスタ191−1へ書き込まれる。レジスタ191−2にはレジスタ191−3の値をシフトさせる。レジスタ191−3にはH(4)を書きこむ(ステップS412)。
そして、同様の計算を行ないH(3)の補正値を得ることができる。このような手順によって、H(m)までレジスタ181−3に入力したところで補正が終了する。つまり、伝送路応答推定値H(1)からH(m)の中で、H(2)からH(m−1)まで補正が行なわれることになる。サブキャリアの両端であるH(1)とH(m)は補正されない。
なお、ここでは、平均化の数を3本としているが、3本に限る必要はない。
[効果]
上記第3の実施形態によれば、上述したような簡易な演算で、伝送路応答推定値を平滑化することによって、サブキャリア間の位相差をほぼ等しくすることができ、伝送路応答推定精度を向上させることができる。また、本実施形態では、DCオフセットにより干渉を受けたサブキャリアの伝送路応答推定値に対して周波数ずれ量に基づいて小さな重み係数を乗算する、または平滑化に用いない(重み係数0を乗算する)ことにより、より伝送路応答推定精度を向上させることができる。
その他、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
13…AFC部、14…伝送路応答推定部、15…制御部、151…サブキャリア指定部、152…重み係数設定部、17,194−1,194−2,194−3,195−1,195−2,195−3…重み乗算部、18…ビタビ複合部、19…平滑化部、196…ベクトル合成部、197…平均化部、198…振幅測定部、199…割算部、200…乗算部

Claims (5)

  1. 複数のサブキャリアを用いてOFDM変調された信号を受信し、送受信間の無線周波数のずれ量を検出する自動周波数制御部を備えた無線通信装置において、
    前記自動周波数制御部により検出された前記送受信間の無線周波数のずれ量をもとに、直流成分により干渉を受けるサブキャリアを指定するサブキャリア指定部と、
    前記送受信間の無線周波数のずれ量の絶対値に基づいて、0から1以下の範囲内で重み係数の値を設定する重み係数設定部と、
    前記サブキャリア指定部により指定されたサブキャリアによって搬送された信号の復調信号の振幅値に前記重み係数設定部により設定された重み係数を乗算する第1重み乗算部と、
    前記第1重み乗算部により重み係数が乗算された復調信号の誤り訂正を行う誤り訂正復号部と、
    を具備することを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記重み係数設定部は、前記送受信間の無線周波数のずれ量の絶対値が大きいほど小さい重み係数を設定し、前記送受信間の無線周波数のずれ量の絶対値が小さいほど大きい重み係数を設定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記重み係数設定部は、前記送受信間の無線周波数のずれ量の絶対値が同じであっても、前記送受信間の無線周波数のずれ量が正の場合と負の場合とで、異なる重み係数を設定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  4. 前記複数のサブキャリアそれぞれの伝送路応答を推定する伝送路応答推定部と、
    前記伝送路応答推定部により推定された前記複数のサブキャリアそれぞれの伝送路応答を平滑化して補正する平滑化部と、
    をさらに具備し、
    前記平滑化部は、
    前記伝送路応答推定部により推定された前記複数のサブキャリアそれぞれの伝送路応答に前記重み係数設定部により設定された重み係数を乗算する第2重み乗算部と、
    前記第2重み乗算部により重み係数が乗算された第1サブキャリアの伝送路応答、前記第1サブキャリアの高域側に隣接する第2サブキャリアの伝送路応答、および前記第1サブキャリアの低域側に隣接する第3サブキャリアの伝送路応答を加算して加算値を求める加算部と、
    前記加算値の平均値を前記第1サブキャリアの補正値として求める演算部と、
    を有し、
    前記重み係数設定部は、前記第2サブキャリアまたは前記第3サブキャリアが直流成分により干渉を受けるサブキャリアであると指定された場合、前記第2重み乗算部で前記第2サブキャリアまたは前記第3サブキャリアに乗算される重み係数を小さい値に設定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  5. 前記重み係数設定部は、前記第2重み乗算部で前記第2サブキャリアまたは前記第3サブキャリアに乗算される重み係数を0に設定することを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
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