JP5541791B2 - スタッダブルタイヤの製造方法及びタイヤモールド - Google Patents

スタッダブルタイヤの製造方法及びタイヤモールド Download PDF

Info

Publication number
JP5541791B2
JP5541791B2 JP2010178729A JP2010178729A JP5541791B2 JP 5541791 B2 JP5541791 B2 JP 5541791B2 JP 2010178729 A JP2010178729 A JP 2010178729A JP 2010178729 A JP2010178729 A JP 2010178729A JP 5541791 B2 JP5541791 B2 JP 5541791B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
tire
sector
circumferential end
closest
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010178729A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012035542A (ja
Inventor
智明 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2010178729A priority Critical patent/JP5541791B2/ja
Publication of JP2012035542A publication Critical patent/JP2012035542A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5541791B2 publication Critical patent/JP5541791B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)

Description

本発明は、タイヤトレッドにスタッドを埋設するためのスタッド埋設用の穴が形成されたスタッダブルタイヤの製造方法とスタッダブルタイヤを製造するためのタイヤモールドに関するものである。
従来、冬用タイヤとして、トレッドの陸部に金属から成るスタッドピン(以下、スタッドという)を打ち込んだスタッドタイヤが知られている。スタッドの一端はタイヤトレッド表面から突出し、他端はタイヤトレッドに形成された溝部の底部よりも深い位置に埋設されている。このようなスタッドタイヤを装着した車両が雪氷路上を走行すると、スタッドの先端が路面に食い込むことで路面とタイヤとの間の摩擦力を増加するので、雪氷路上での操縦安定性能を確保することができる。
スタッドタイヤを製造する方法としては、タイヤの加硫時にスタッドを直接タイヤトレッドに埋設する方法(例えば、特許文献1参照)も提案されているが、タイヤトレッドにスタッドを埋設するためのスタッド埋設用の穴を形成したスタッダブルタイヤを製造し、このスタッド埋設用の穴にスタッドを打ち込む方法が一般的である(例えば、特許文献2,3参照)。
図5に示すように、スタッド50は、タイヤ踏面側の径がタイヤ踏面側と反対側の径よりも大きなボディ51とボディ51の底側(タイヤ踏面側と反対側)に設けられたボディ51の径よりも大きな径を有する抜け防止用のフランジ52と、ボディ51のタイヤ踏面側端部からスタッド軸方向に突き出したチップ53とを備える。
一方、トレッド21の陸部に形成されるスタッド埋設用の穴としては、図5の左下に示すような、タイヤ踏面側から底部まで膨らみを有さないストレート形状の穴60Aや、右下に示すような、底部に胴部60aよりも膨らんでいるフランジ部60bを有するフラスコ型形状の穴60Bなどがある。
スタッド埋設用の穴60Aは、図6(a)に示すような、円弧状の内周面にストレート型のモールドピン71Aが配置された複数のセクターモールド72Aを備えたタイヤモールドを用いて形成される。また、スタッド埋設用の穴60Bは、図6(b)に示すような、フラスコ型のモールドピン71Bが配置された複数のセクターモールド72Bを備えたタイヤモールドを用いて形成される。
特開2001−38736号公報 特開2010−70052号公報 特開2010−111130号公報
ところで、スタッド埋設用の穴に求められる重要性能の1つに、スタッドを埋設した際のスタッド保持性能がある。
スタッド埋設用の穴をストレート形状の穴60Aとした場合には、スタッド50と穴60Aとの密着性が低下するため、スタッド保持性能が低下するといった問題点があった。
一方、スタッド埋設用の穴をフラスコ型形状の穴60Bとした場合には、スタッド50と穴60Bとの密着性は向上するが、加硫後の釜抜け時に穴60Bに亀裂が発生する、いわゆる「穴割れ」が起こり易いといった問題点があった。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、スタッド保持性能を確保しつつ穴割れを抑制することのできるスタッダブルタイヤの製造方法とスタッダブルタイヤの加硫処理に用いられるタイヤモールドを提供することを目的とする。
図7に示すように、加硫後のタイヤからセクターモールド72を引き抜く際に、セクターモールド72の中心部ではセクターモールド72の引き抜き方向Mとモールドピン71Pの延長方向Npとが一致しているが、セクターモールド72の周方向端部側では、セクターモールド72のピンの引き抜き方向Mとモールドピン71qの延長方向Nqとに大きな角度差が生じている。
モールドピン71がストレート型のモールドピン71Aの場合には、角度差があっても、トレッドから引き抜かれるときに穴60Aの周囲のゴムに与える応力は小さい。しかしながら、図6(b)に示すように、フラスコ型のモールドピン71Bの場合には、胴部71aの底部に胴部71aよりも膨らんでいるフランジ部71bがあるため、角度差があると、モールドピン71Bが穴60Bの周囲のゴムに与える応力が大きく、その結果、穴60Bに穴割れが生じ易くなると考えられる。
そこで、ブロックパターンを有するスタッダブルタイヤを加硫した際に、フラスコ型のモールドピン71Bをタイヤから引き抜いたときに穴60Bに発生するクラックを調べたところ、図8に示すように、セクターモールドの周方向端部側においてクラック発生数が多いことがわかった。特に、セクターモールドの端部に最も近い位置に位置する穴60Bでは、発生するクラックの大きさも大きかった。
本発明者は、鋭意検討の結果、セクターモールドの端部側に配置されるモールドピンを、ストレート型のモールドピン71Aのような、セクターモールドの軸方向から見たときのセクターモールドの端部側の形状が直線状であるモールドピンとし、セクターモールドの中心側に配置されるモールドピンを、フラスコ型のモールドピン71Bとすれば、スタッド埋め込み用の穴の穴割れを抑制することができるとともに、スタッド保持性能を確保することができることを見出し、本発明に到ったものである。
すなわち、本願発明は、タイヤサイド部を成形するための一対のサイドモールドと、内周面にトレッドパターンを形成するための複数の突起部が設けられた複数個のセクターモールドとを備えたタイヤモールドであって、前記セクターモールドには、内周面から当該セクターモールドの径方向内側に突出してタイヤトレッドの陸部にスタッド埋設用の穴を形成する複数のモールドピンが配置され、前記モールドピンのうち、前記セクターモールドの周方向端部に最も近いブロック形成領域に配置されるモールドピンと前記セクターモールドの周方向端部から2番目に近いブロック形成領域に配置されるモールドピンとが、ともに、当該タイヤモールドの軸方向から見たときのセクターモールドの周方向端部側の形状が直線状であり、前記セクターモールドの、前記周方向端部に最も近いブロック形成領域及び周方向端部から2番目に近いブロック形成領域以外のブロック形成領域に配置されるモールドピンが、円柱状の胴部と前記胴部の先端側に設けられる径が前記胴部の径よりも大きなフランジ部とを有することを特徴とする。
これにより、スタッド埋め込み用穴の穴割れを抑制することができるとともに、スタッド保持性能の低下を最小限に抑制することができる。
セクターモールドは円弧状の内周面を有し、かつ、複数個のセクターモールドが円環状に配置されてタイヤモールドのトレッド成形部を構成するので、セクターモールドの径方向、幅方向、周方向は、それぞれ、タイヤ径方向、タイヤ幅方向、タイヤ周方向と同じ方向で、タイヤモールドの軸方向がタイヤ軸方向となる。
また、本願発明は、前記セクターモールドの周方向端部に最も近いブロック形成領域及び周方向端部から2番目に近いブロック形成領域に配置されるモールドピンが円柱状であることを特徴とする。
これにより、モールドピンの製造が容易となるとともに、穴割れを確実に抑制することができる。
また、本願発明は、前記セクターモールドの周方向端部に最も近いブロック形成領域及び周方向端部から2番目に近いブロック形成領域以外のブロック形成領域に配置されるモールドピンのフランジ部の径が胴部の径の1.5倍以上であることを特徴とする。
これにより、タイヤ全体のスタッド保持性能を更に向上させることができる。
また、本願発明は、内周面にトレッドパターンを形成するための複数の突起部とモールドピンとが設けられた複数個のセクターモールドを備えたタイヤモールドを用いて、タイヤトレッドの陸部にスタッド埋設用の穴が形成されたスタッダブルタイヤを製造するスタッダブルタイヤの製造方法であって、前記セクターモールドとして、当該タイヤモールドの軸方向から見たときのセクターモールドの周方向端部側の形状が直線状であるモールドピンが前記セクターモールドの周方向端部に最も近いブロック形成領域と周方向端部から2番目に近いブロック形成領域に配置され、円柱状の胴部と前記胴部の先端側に設けられる径が前記胴部の径よりも大きなフランジ部とを有するモールドピンが前記セクターモールドの、前記周方向端部に最も近いブロック形成領域及び周方向端部から2番目に近いブロック形成領域以外のブロック形成領域に配置されているセクターモールドを用いたことを特徴とする。
これにより、優れたスタッド保持性能を有するとともに、スタッド埋設用の穴の穴割れが大幅に低減されたスタッダブルタイヤを製造することができる。
なお、前記発明の概要は、本発明の必要な全ての特徴を列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
本実施の形態に係るタイヤモールドの構成を示す図である。 本実施の形態に係るセクターモールドの配置を示す図である。 本発明のタイヤモールドで加硫成形したスタッダブルタイヤの断面図とトレッドパターンの一例を示す図である。 本発明によるモールドピンの他の例を示す図である。 スタッドとスタッド穴の一例を示す図である。 従来のスタッド穴の形成方法を示す図である。 スタッド穴のスタッド保持性能を説明するための図である。 モールドピンの位置とクラック発生数との関係を示す図である。
以下、実施の形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また、実施の形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1(a),(b)は本実施の形態に係るタイヤモールド10の構成を示す図で、図2はセクターモールド12の配置を示す図である。本例では、タイヤモールド10を用いてブロックパターンを有するスタッダブルタイヤを製造する場合について説明する。なお、加硫されるタイヤ20の軸方向を以下、上下方向とする。
タイヤモールド10は、加硫されるタイヤ20のサイド部22を成形するための上,下のサイドモールド11A,11Bと、これらのサイドモールド11A,11Bの間に挟まれて配置されて加硫されるタイヤ20のトレッド(以下、タイヤトレッドという)21を成形するための複数個のセクターモールド12とを備える。
セクターモールド12は、円環状のモールドを周方向に沿って複数個(本例では、9個)に分割したもので、複数のセクターモールド12が加硫されるタイヤ20の外側を取り囲むように環状に配置されて、タイヤモールド10のトレッド成形部を構成する。
上,下のサイドモールド11A,11Bは、一方もしくは両方が上下方向に移動可能であり、各セクターモールド12は、図2の矢印で示す半径方向に移動可能である。
各セクターモ−ルド12の内周面12aには複数の突起部13A,13Bと複数のモールドピン14(14A,14B)とが設けられている。
突起部13A,13Bはそれぞれセクターモ−ルド12の内周面12aから径方向内側に突出するように設けられて、タイヤトレッド21に溝部を形成する。周方向に延長する突起部13Aが、図3(a),(b)に示すような周方向溝23を形成し、幅方向に延長する突起部13Bが図3(b)に示すようなラグ溝24を形成する。
なお、図3(a)において、符号27はビード部28に配置された1対のビードコア28Cにトロイド状をなして跨るカーカスプライで、符号29はカーカスプライ27のタイヤ径方向外側に配置された複数のベルトから成るベルト層である。
タイヤトレッド21の陸部であるブロック25は、突起部13A,13Bにより形成された周方向溝23とラグ溝24とにより区画される。突起部13A,13Bの高さが周方向溝23及びラグ溝24の溝深さを決定する。図1(b)に符号Rで示す、突起部13A,13Bで囲まれた領域を、以下、ブロック形成領域Rという。
モールドピン14(14A,14B)は、図1(a),(b)に示すように、セクターモールド12の内周面12aのブロック形成領域Rに設けられたピン設置用穴12bに埋設される基部141と、この基部141からセクターモールド12の径方向内側に突出するピン部142とを有している。ピン部142の長さは、突起部13A,13Bの高さよりも大きな値に設定されている。
これにより、図3(a),(b)に示すようなタイヤトレッド21の陸部であるブロック25に、周方向溝23やラグ溝24の溝深さよりも深いスタッド埋設用の穴26(26A,26B;以下スタッド穴という)を形成することができる。
なお、モールドピン14を後付けしないタイプのセクターモールドでは、ピン設置用穴12bも基部141も必要ない。
また、スタッダブルタイヤでは、ブロック形成領域Rに、モールドピン14(14A,14B)に加えてブレードを設けて、ブロック25に図示しないサイプを形成するようにしているが、本例では、これらブレード及びサイプについては省略している。
本例では、図2に示すように、セクターモールド12に設けられたモールドピン14のうち、セクターモールド12の周方向端部に最も近い位置、すなわち、セクターモールド12の周方向端部に最も近いブロック形成領域R内に配置されるモールドピン14とセクターモールドの周方向端部から2番目に近いブロック形成領域R内に配置されるモールドピン14とをストレート型のモールドピン14Aとし、セクターモールド12の中心側に設けられたブロック形成領域R内に配置されるモールドピン14を、フラスコ型のモールドピン14Bとした。
ストレート型のモールドピン14Aは径が一定の円柱状のモールドピンであり、フラスコ型のモールドピン14Bは胴部14aと胴部14aの先端側に設けられる径が胴部14aの径よりも大きなフランジ部14bとを備える。本例では、フラスコ型のモールドピン14Bのフランジ部14bの径bを胴部14aの径aの1.5倍以上とした。
なお、フラスコ型のモールドピン14Bの割合は、タイヤ20のサイズやトレッドパターンにもよるが、本例では、モールドピン全体の約70%とした。
次に、本発明によるスタッダブルタイヤの製造方法について説明する。
まず、下側のサイドモールド11Bに生タイヤを配置し、上側のサイドモールド11Aを下降させつつ、セクターモールド12を縮径させて、モールド11A,11B,12を組み合わせて、加硫されるタイヤ20をタイヤモールド10内に密閉する。
次に、図示しないブラダーを生タイヤの内側で膨張させてタイヤ20を各モールド11A,11B,12の内面に押し付けながらタイヤ20を加硫処理する。
各セクターモールド12に設けられた突起部13A,13Bとモールドピン14A,14Bとは加硫温度まで上昇させられたタイヤ20の表面に押し当てられてタイヤトレッド21内に挿入される。
加硫処理後は、上側のサイドモールド11Aを上昇させつつ、セクターモールド12を拡径させて、各モールド11A,11B,12をタイヤ20から離間させた後、加硫されたタイヤ20をタイヤモールド10から取出すことにより、図3(a),(b)に示すような、ブロック25にストレート型のスタッド穴26Aが形成された領域とフラスコ型のスタッド穴26Bが形成された領域とがタイヤ周方向に交互に配置されたスタッダブルタイヤ20を得ることができる。なお、図3(b)の符号CLで示す細い一点鎖線はセンターラインを表し、符号Lで示す太い一点鎖線は加硫時におけるセクターモールド12の境界線を示す。
モールドピン14A,14Bは、セクターモールド12の拡径時にタイヤ20から引き抜かれるが、本例のタイヤモールド10では、セクターモールド12の周方向端部に最も近いブロック形成領域R内に配置されるモールドピンとセクターモールドの周方向端部から2番目に近いブロック形成領域R内に配置されるモールドピンとがストレート型のモールドピン14Aなので、加硫釜抜け時におけるモールドピン14Aの引き抜き方向がモールドピン14Aにより形成されたスタッド穴26Aの方向とずれていても、スタッド穴26Aに穴割れが生じることはない。
一方、穴割れが生じ易いフラスコ型のモールドピン14Bは、セクターモールド12の中心側に設けられたブロック形成領域R内に配置されているので、モールドピン14Bの引き抜き方向とモールドピン14Bの延長方向との角度差が小さい。したがって、引き抜き時においてモールドピン14Bがスタッド穴26Bの周囲のゴムに与える応力も小さいので、スタッド穴26Bにも穴割れが生じることはない。
このように、本実施の形態では、タイヤトレッド21にスタッド穴26が形成されたスタッダブルタイヤ20を製造する際に、タイヤモールド10として、周方向端部側にストレート型のモールドピン14Aが配置され、中心側にフラスコ型のモールドピン14Bが配置された複数のセクターモールド12を備えたタイヤモールド10を用いたので、フラスコ型のモールドピン14Bが設けられていても、フラスコ型のモールドピン14Bにより形成されるスタッド穴26Bの穴割れを大幅に低減することができる。また、形成されたスタッド穴26Bは、フランジ部14bの径bが胴部14aの径aの1.5倍以上あり、かつ、スタッド穴26Bのスタッド穴26全体に対する割合が約70%であるので、タイヤ全体のスタッド保持性能を十分に確保することができる。
また、本願発明のスタッダブルタイヤ20では、ストレート型のスタッド穴26Aが形成された領域とフラスコ型のスタッド穴26Bが形成された領域とがタイヤ周方向に交互に配置されているので、スタッド穴26Bの割合が約70%であっても、全てのスタッド穴26がフラスコ型のスタッド穴26Bであるスタッダブルタイヤとほぼ同等のスタッド保持性能を確保することができる。
なお、前記実施の形態では、ブロックパターンを有するスタッダブルタイヤを製造する場合について説明したが、本発明は、リブパターンなど他のトレッドパターンを有するタイヤにも適用可能である。
また、本発明は、セクターモールド12が、タイヤ周方向もしくはタイヤ幅方向に複数に分割した複数のピースをホルダーに保持して成るピースモールドである場合にも適用可能である。
また、前記例では、セクターモールド12の周方向端部側に配置されるモールドピンをストレート型のモールドピン14Aとしたが、これに限るものではなく、セクターモールド12の軸方向から見たときのセクターモールドの端部側の形状が直線状であるようなモールドピンであれば、加硫釜抜け時においてモールドピンがスタッド穴の周囲のゴムに与える応力を小さくできるので、スタッド穴の穴割れを防止することができる。
図4(a),(b)は、セクターモールド12に配置されるモールドピンの他の例を示す図である。この例では、モールドピン14Aに代えて、フラスコ型のモールドピン14Bのフランジ部14bのセクターモールド12の端部側を除去した形態のモールドピン14Jを周方向端部側に配置したものである。モールドピン14Jは、胴部14cとこの胴部14cの先端側に設けられてセクターモールド12の中心側に突出する膨らみ部14dとを備える。
フラスコ型のモールドピン14Bがタイヤトレッド21から引き抜かれるときには、モールドピン14Bにより形成されるスタッド穴26Bのセクターモールド12の周方向端部側により大きな応力が作用するが、モールドピン14Jでは、ストレート型のモールドピン14Aと同様に、セクターモールドの周方向端部側の形状が直線状である。したがって、加硫釜抜け時においてモールドピン14Jにより形成されるスタッド穴26Jに作用する応力を小さくできるので、穴割れを起こすことなく、モールドピン14Jを容易に引き抜くことができる。
また、モールドピン14Jにより形成されたスタッド穴26Jは、底部に胴部26aよりも膨らんでいる膨らみ部26fを有するので、ストレート型のスタッド穴26Aよりもスタッド保持性能が優れているので、スタッド保持性能を更に向上させることができる。
端部に最も近いブロック形成領域内と端部から2番目に近いブロック形成領域内にストレート型のモールドピンを配置し、中心側に設けられたブロック形成領域内にフラスコ型のモールドピンを配置したセクターモールドを備えたタイヤモールドを用いて製造したスタッダブルタイヤ(本発明)と、全周にストレート型のモールドピンのみを配置して製造したタイヤ(比較例1)と、全周にフラスコ型のモールドピンのみを配置して製造したタイヤ(比較例2)とをそれぞれ製造し、「穴割れ」について調べた結果を以下の表1に示す。
タイヤサイズは195/65R15で、スタッド穴は、タイヤ1本当たり110箇所設けた。
また、本発明のタイヤでは、ストレート型のスタッド穴を32箇所設けている。
「穴割れ」については、加硫釜抜け後のタイヤのスタッド穴の全数についてクラック発生状況を調査した。
Figure 0005541791
表1に示すように、フラスコ型のモールドピンのみを配置して製造したタイヤでは、穴割れが発生したスタッド穴が5個もあるのに対し、ストレート型のモールドピンのみを配置して製造したタイヤと本発明のタイヤモールドを用いて製造したタイヤでは、いずれも、穴割れの発生が見られなかった。
これにより、セクターモールドの端部側に配置されるモールドピンのみをストレート型のモールドピンとするだけで、「穴割れ」を大幅に改善できることが確認された。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に記載の範囲には限定されない。前記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲から明らかである。
このように、本発明によれば、フラスコ型のスタッド穴を設けたタイヤであっても、スタッド穴の穴割れを確実に抑制することができるので、スタッド保持性能に優れたタイヤの生産効率を著しく向上させることができる。
10 タイヤモールド、11A,11B サイドモールド、12 セクターモールド、
12a 内周面、13A,13B 突起部、14,14A,14B モールドピン、
14a 胴部、14b フランジ部、
20 スタッダブルタイヤ(タイヤ)、21 タイヤトレッド、22 サイド部、
23 周方向溝、24 ラグ溝、25 ブロック、
26,26A〜26C スタッド埋設用の穴(スタッド穴)。

Claims (4)

  1. タイヤサイド部を成形するための一対のサイドモールドと、
    内周面にトレッドパターンを形成するための複数の突起部が設けられた複数個のセクターモールドとを備えたタイヤモールドであって、
    前記セクターモールドには、内周面から当該セクターモールドの径方向内側に突出してタイヤトレッドの陸部にスタッド埋設用の穴を形成する複数のモールドピンが配置され、
    前記モールドピンのうち、前記セクターモールドの周方向端部に最も近いブロック形成領域に配置されるモールドピンと前記セクターモールドの周方向端部から2番目に近いブロック形成領域に配置されるモールドピンとが、ともに、当該タイヤモールドの軸方向から見たときのセクターモールドの周方向端部側の形状が直線状であり、
    前記セクターモールドの、前記周方向端部に最も近いブロック形成領域及び周方向端部から2番目に近いブロック形成領域以外のブロック形成領域に配置されるモールドピンが、円柱状の胴部と前記胴部の先端側に設けられる径が前記胴部の径よりも大きなフランジ部とを有することを特徴とするタイヤモールド
  2. 前記セクターモールドの周方向端部に最も近いブロック形成領域及び周方向端部から2番目に近いブロック形成領域に配置されるモールドピンが円柱状であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤモールド。
  3. 前記セクターモールドの周方向端部に最も近いブロック形成領域及び周方向端部から2番目に近いブロック形成領域以外のブロック形成領域に配置されるモールドピンのフランジ部の径が胴部の径の1.5倍以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤモールド。
  4. 内周面にトレッドパターンを形成するための複数の突起部とモールドピンとが設けられた複数個のセクターモールドを備えたタイヤモールドを用いて、タイヤトレッドの陸部にスタッド埋設用の穴が形成されたスタッダブルタイヤを製造する際に、
    前記セクターモールドとして、
    当該タイヤモールドの軸方向から見たときのセクターモールドの周方向端部側の形状が直線状であるモールドピンが前記セクターモールドの周方向端部に最も近いブロック形成領域と周方向端部から2番目に近いブロック形成領域に配置され、
    円柱状の胴部と前記胴部の先端側に設けられる径が前記胴部の径よりも大きなフランジ部とを有するモールドピンが前記セクターモールドの、前記周方向端部に最も近いブロック形成領域及び周方向端部から2番目に近いブロック形成領域以外のブロック形成領域に配置されているセクターモールドを用いたことを特徴とするスタッダブルタイヤの製造方法。
JP2010178729A 2010-08-09 2010-08-09 スタッダブルタイヤの製造方法及びタイヤモールド Expired - Fee Related JP5541791B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010178729A JP5541791B2 (ja) 2010-08-09 2010-08-09 スタッダブルタイヤの製造方法及びタイヤモールド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010178729A JP5541791B2 (ja) 2010-08-09 2010-08-09 スタッダブルタイヤの製造方法及びタイヤモールド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012035542A JP2012035542A (ja) 2012-02-23
JP5541791B2 true JP5541791B2 (ja) 2014-07-09

Family

ID=45848083

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010178729A Expired - Fee Related JP5541791B2 (ja) 2010-08-09 2010-08-09 スタッダブルタイヤの製造方法及びタイヤモールド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5541791B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6052311B2 (ja) * 2015-02-04 2016-12-27 横浜ゴム株式会社 タイヤ成形用金型及び空気入りタイヤ
JP7144310B2 (ja) * 2018-12-19 2022-09-29 株式会社ブリヂストン 加硫成形用金型

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01208203A (ja) * 1988-02-16 1989-08-22 Yokohama Rubber Co Ltd:The スパイクタイヤの製造方法およびスパイクタイヤのトレッド部材
JP3746011B2 (ja) * 2002-03-18 2006-02-15 日本碍子株式会社 タイヤ溝形成用金具が鋳ぐるまれた自動車用タイヤ成形用金型およびその製造方法
JP5355040B2 (ja) * 2008-11-04 2013-11-27 株式会社ブリヂストン スパイクタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012035542A (ja) 2012-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6826432B2 (ja) タイヤ加硫金型および空気入りタイヤ
FI126144B (fi) Pneumaattinen rengas
CN105163920B (zh) 轮胎成型用模具和轮胎
JP2017128253A (ja) 空気入りタイヤ
JP4438881B2 (ja) 空気入りタイヤ及びその製造方法、並びに、タイヤ加硫モールド
JP2009255734A (ja) 空気入りタイヤおよびタイヤ成形金型
JP6097193B2 (ja) タイヤ加硫金型及びタイヤの製造方法
WO2014091911A1 (ja) タイヤ用モールド
JP5541791B2 (ja) スタッダブルタイヤの製造方法及びタイヤモールド
EP3007890B1 (en) Moulding element comprising cutting means for moulding and vulcanizing a tyre tread
JP2005193770A (ja) 空気入りタイヤ及び加硫成形モールド
JP5612391B2 (ja) スタッダブルタイヤの製造方法、及び、タイヤモールド
JP5640668B2 (ja) タイヤ加硫用モールドおよび空気入りタイヤ
JP2014117924A (ja) タイヤ加硫用金型およびタイヤの製造方法
JP4933349B2 (ja) 空気入りタイヤ
CN114302804A (zh) 充气轮胎及轮胎成形用模具
JP2007030310A (ja) トレッド用ゴム部材の押し出し口金及び押出機
JP6720986B2 (ja) 空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法
JP5860949B2 (ja) タイヤ成型用金型およびタイヤ
CN113195189A (zh) 硫化成形用模具及利用该模具制造的充气轮胎
CN113195190A (zh) 硫化成形用模具及利用该模具制造的充气轮胎
JP2011037030A (ja) 空気入りタイヤの加硫用金型および空気入りタイヤの製造方法
JP4839848B2 (ja) 空気入りタイヤ、タイヤ用セクショナル型モールド及び空気入りタイヤの製造方法
CN113195188B (zh) 硫化成形用模具及利用该模具制造的充气轮胎
JP7115144B2 (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130607

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140204

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140403

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140430

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140501

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5541791

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees