JP3746011B2 - タイヤ溝形成用金具が鋳ぐるまれた自動車用タイヤ成形用金型およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤに微細の溝を形成するためのタイヤ溝形成用金具が鋳ぐるまれた自動車用タイヤ成形用金型およびその製造方法に関し、一層詳細には、この金型を用いてタイヤを成形する際、タイヤ溝形成用金具の変形、剥離若しくは破損の少ない、タイヤ溝形成用金具が鋳ぐるまれた自動車用タイヤ成形用金型およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用タイヤには、通常、図10に示すように、タイヤ10の円周方向に走るリブ溝12と、幅方向に走るラグ溝14があり、さらに、スタッドレスタイヤ等には微細な溝16が形成されている。
【0003】
このようなタイヤ10は、図11Aに示す上下一体型(セクショナルモールドタイプ)の金型20または図11Bに示す上下分割型(2ピースモールドタイプ)の金型24のうちのいずれかを用いて成形される。この金型20、24は、通常、アルミ合金材料を用いて鋳造される。
【0004】
前記金型を用いてタイヤを成形した後の離型段階における金型およびタイヤの状態を説明するための部分断面図を図12A、12Bに示す。タイヤの溝を形成するために、図12Aに示す上下一体型(セクショナルモールドタイプ)の場合は金型30に付属金具であるタイヤ溝形成用金具32が全長の半分程度を金型中に鋳ぐるまれて取り付けられており、また、図12Bに示す上下分割型(2ピースモールドタイプ)の場合は金型40に突起状の骨42が設けられている。
【0005】
この金型30、40にグリーンタイヤを押し付けてタイヤ34、44を成形した後、離型時に前記金型30、40が、図中、上方に向けて外される際、タイヤ34、44の外周の前記タイヤ溝形成用金具32あるいは骨42があった部分に溝36、46が形成されるが、この溝36、46にはアンダーカット38、48を生じ、このとき前記タイヤ溝形成用金具32あるいは骨42に曲げ応力を生じる。図12Aに示す、所謂セクショナルモールドタイプの成形方法の場合は、主としてタイヤの円周方向の負荷による曲げ応力を生じ、また図12Bに示す、所謂2ピースモールドタイプの成形方法の場合は、主としてタイヤの幅方向の負荷による曲げ応力を生じることになる。このような状態でタイヤの成形操作を繰り返すと、タイヤ溝形成用金具32あるいは骨42に変形を生じ、破損に至り、さらには、タイヤ溝形成用金具32あるいは骨42の基部の金型30、40の変形、破損につながるという問題がある。タイヤ離型時のゴムの変形量が大きく、前記アンダーカット量が大きいほど、また、タイヤのゴム質が硬いほど、これらタイヤ溝形成用金具32等の変形、破損の問題は顕著である。
【0006】
この問題を解消するために、従来より、タイヤ溝形成用金具32あるいは骨42の形状等について種々の工夫が図られている。例えば、タイヤ溝形成用金具32あるいは骨42の高さを低くしてこれらが受ける応力を小さくする、タイヤ溝形成用金具32あるいは骨42を厚肉化してこれらの強度を増す、タイヤ溝形成用金具の位置を移動してタイヤ溝形成用金具のある金型端部を厚肉化してこの部分の欠損を防ぐ、あるいは問題となる箇所のタイヤ溝形成用金具32あるいは骨42を除去する等の各方法が、単独にあるいは組み合わせて採用されている。
【0007】
しかしながら、これらの方法を採用した場合、例えば問題となる箇所のタイヤ溝形成用金具32あるいは骨42を除去したものについては、タイヤの溝パターンの欠損部が目立って、タイヤ需要者に欠陥タイヤとの誤認を与えるおそれがあるばかりでなく、実際に性能上の問題を生じることもある。他の方法についても、程度の差はあるものの、既成の溝パターンの変更を伴うという意味においては同様の問題がある。
【0008】
また、一方では、タイヤ溝形成用金具32あるいは骨42を金型に取り付ける際の固定を強化する工夫も図られている。たとえば、タイヤ溝形成用金具32がその全長の半分程度を金型に鋳ぐるまれる部分にロッキングホールと称する貫通孔を設け、鋳ぐるみ時に金型材料の溶湯を前記ロッキングホールに貫通、固着させる方法が採用されている。しかしながら、この場合においても、補強強度が十分でないためにロッキングホールの固定部分に亀裂を生じる等の問題がある。このとき、ロッキングホールの径を大きくして固定を強化する手段も考えられるが、これについては、今度はタイヤ溝形成用金具32自体の曲げ強度が弱くなる等の問題が派生する。そもそも、金型の構造上、ロッキングホールの径を大きくすることには限界がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、タイヤに微細の溝を形成するためのタイヤ溝形成用金具が鋳ぐるまれた自動車用タイヤ成形用金型を用いてタイヤを成形する際、タイヤ溝形成用金具の変形、剥離若しくは破損の少ない、タイヤ溝形成用金具が鋳ぐるまれた自動車用タイヤ成形用金型およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るタイヤ溝形成用金具が鋳ぐるまれたセクショナルモールドタイプの自動車用タイヤ成形用金型は、複数に分割して構成される金型ブロックの分割面近傍の端部に鋳ぐるまれたタイヤ溝形成用金具あるいは骨の離型角度が、金型の分割数によって異なる所定の角度よりも小さいことを特徴とする。
【0011】
ここで、セクショナルモールドタイプの自動車用タイヤ成形用金型とは、先に図12Aに示したものである。このタイプの金型の場合、タイヤ成形完了後、タイヤの円周方向に離型するため、主としてタイヤの円周方向の負荷による曲げ応力を生じることが特徴である。また、複数に分割して構成される金型ブロックとは、先に図11A、11Bに示したものをいい、通常、7〜10個程度に分割して用いられる。この金型ブロックの分割面近傍の端部とは、図11中、ブロック間に垂直に位置するブロックの分割面23の近傍をいう。図12Aで示したように、通常、タイヤ溝形成用金具32は、その先端がほぼタイヤ34の中心に向くように位置しており、このため、離型時には、タイヤの離型方向とタイヤ溝形成用金具の向きには一定の角度θを生じる。この角度をタイヤ溝形成用金具の離型角度と呼ぶ。この離型角度θは金型ブロックの端部に近いタイヤ溝形成用金具程その値が大きくなり、また、金型の分割数が多い程相対的に小さくなる。通常の金型においては、この金型ブロックの端部に近いタイヤ溝形成用金具の離型角度θは15〜30°であるが、本発明においては、この通常の値よりも小さくし、好適には0〜20°とする。
【0012】
これにより、離型時にタイヤ溝形成用金具に作用する曲げ応力を通常よりも小さくすることができ、タイヤ溝形成用金具の変形、剥離若しくは破損を著しく軽減することが可能となり、この結果、タイヤ溝形成用金具の寿命を延長することができる。また、セクショナルモールドタイプの金型の場合、通常、タイヤ溝形成用金具の変形等が金型ブロックの端部自体の破損につながりやすいが、本発明の金型においては、この問題も解消される。
【0013】
なお、この離型角度を変更する手段を用いた金型は、タイヤ溝形成用金具のみでなく骨を有する金型についても適用範囲内のものである。また、この際、タイヤ溝形成用金具の鋳ぐるみ部分に突起物を有することにより、より好適な効果を発揮できる。さらにまた、この離型角度を変更する手段は金型ブロックの分割面である端部に位置するタイヤ溝形成用金具あるいは骨のみでなく、他の位置のタイヤ溝形成用金具等についても、それぞれの位置に応じて所望の角度に設定して適用できるものであり、この場合、全体として好適な金型を得ることができる。
【0014】
また、このタイヤ溝形成用金具が鋳ぐるまれたセクショナルモールドタイプの自動車用タイヤ成形用金型は、タイヤ溝形成用金具あるいは骨の離型角度が、金型の分割数によって異なる所定の角度よりも小さく、金型の分割面近傍の端部に鋳ぐるまれたタイヤ溝形成用金具あるいは骨の位置が、タイヤ溝形成用金具あるいは骨の間で等間隔である所定の端部の位置よりも金型の分割面から離れた金型の中心側にあることを特徴とする。
【0015】
これにより、金型ブロックの端部がいわば厚肉状態となるために、タイヤ溝形成用金具あるいは骨の変形等が少ないという効果とともに、タイヤ溝形成用金具あるいは骨の変形等に起因して生じる金型の分割面近傍の端部の破損を少なくするという効果を発揮できる。なお、この場合も、タイヤ溝形成用金具の鋳ぐるみ部分に突起物を有することにより、より好適な効果を発揮できる。
【0016】
また、このタイヤ溝形成用金具が鋳ぐるまれたセクショナルモールドタイプの自動車用タイヤ成形用金型の製造方法は、ゴム型に石膏を流し込んで成形した石膏鋳型に、タイヤ溝形成用金具が所望の離型角度を有するように該タイヤ溝形成用金具の端部を埋め込んだ後、金型材料である溶湯に該タイヤ溝形成用金具の他端部を鋳ぐるむことを特徴とする。
【0017】
これにより、所望の離型角度を持つタイヤ溝形成用金具を有する金型を好適に製造することができる。この場合、タイヤ溝形成用金具の埋め込み位置を金型の分割面近傍の端部よりも金型の中心側とし、タイヤ溝形成用金具の石膏鋳型にタイヤ溝形成用金具の端部を埋め込んだ後に、タイヤ溝形成用金具の他端部に適当な突起物を設けることにより、本発明の効果をより好適に得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るタイヤ溝形成用金具が鋳ぐるまれた自動車用タイヤ成形用金型およびその製造方法の好適な実施の形態例を、図1〜図9を参照しながら説明する。
【0019】
まず、本実施の形態に係るタイヤ溝形成用金具が鋳ぐるまれた金型の製造方法について、図1、図2を参照して説明する。
【0020】
図1Aは、金型材料であるアルミ合金が鋳枠内で鋳造される状態を説明するための鋳型の平面図であり、図1Bは、図1AにおけるX−X線上の断面図である。図中、石膏鋳型41の周囲を環状の鋳枠43で囲み、石膏鋳型41と鋳枠43の間にアルミ合金の溶湯45を流し込み、金型47が鋳造成形される。
【0021】
図2A〜図2Dには、金型製造の際に、タイヤ溝形成用金具54が鋳ぐるまれる過程が概略的に示されている。まず、図2Aに示すように、金型に鋳ぐるまれるべきタイヤ溝形成用金具54の一端をゴム型50に埋め込んだ状態で、他端を石膏52で鋳ぐるみ、ゴム型50から離型して、図2Bに示す石膏鋳型56を製作する。次いで、図2Cに示すように、この石膏鋳型56にアルミ合金の溶湯58を流し込んで、金型部分60を成形し、図2Dに示すように金型が完成する。
【0022】
以上が、本発明の実施形態に係るタイヤ溝形成用金具が鋳ぐるまれた自動車用タイヤ成形用金型の製造方法の基本的な製造工程であるが、この工程自体は、自動車用タイヤ成形用金型の製造方法において、通常採用されているものである。
【0023】
次に、本発明に係るタイヤ溝形成用金具の鋳ぐるみ部分に突起物を設けた金型およびその製造方法の好適な実施の形態について、以下7つの例を挙げて説明する。
【0024】
まず、本発明に係る実施形態の第1の例を図3A〜図3Cに示す。この第1の例は、所望の形状の突起物が鋳ぐるまれた金型70である。
【0025】
図3Aの部分斜視図および図3Aをそれぞれ異なる側面からみた図3B若しくは図3Cの断面図に示すように、タイヤ溝形成用金具64の端部には2箇所のロッキングホール66があり、それぞれに、これを貫通するピンとその両端に連接する円盤状のプレートからなる突起物68が設けられている。この突起物68が設けられたタイヤ溝形成用金具64は、アルミ合金金型70に鋳ぐるまれ、固定されている。
【0026】
次に、本発明に係る実施形態の第2の例を図4A〜図4Cに示す。この第2の例は、タイヤ溝形成用金具74に骨76が連接されている場合の骨部分の補強を目的とした金型80である。
【0027】
図4Aに示すように、アルミ合金金型80には、タイヤに微細溝を形成するためのタイヤ溝形成用金具74に連接して、リブ溝またはラグ溝を形成するための骨76が設けられている。タイヤ溝形成用金具74には、骨76部分に鋳ぐるまれる箇所に図示しないロッキングホールを貫通する2本のピン状の突起物78が設けられている。この突起物78が設けられたタイヤ溝形成用金具74は、アルミ合金金型80に鋳ぐるまれ、固定されている。
【0028】
以上説明した、本発明に係る実施形態の第1および第2の例の金型70、80においては、タイヤ溝形成用金具64、74の鋳ぐるみ部分に設けられた突起物68、78が金型70、80と一体的に強固に固定されており、タイヤ溝形成用金具64、74の変形や剥離等の問題が大幅に解消される。
【0029】
次に、本発明に係る実施形態の第3の例を図5A、図5Bに示す。この第3例は、通常のタイヤ溝形成用金具84を準備し、金型製造過程でこのタイヤ溝形成用金具84にボルト・ナットからなる突起物94を設けた後、金型を製造する方法である。
【0030】
まず、図5Aに示すように、4箇所にロッキングホール86を有するタイヤ溝形成用金具84を石膏鋳型88に固定した後、図5Bに示すようにこのロッキングホール86に市販の全ネジボルト90を貫通させ、これを市販の六角ナット92で固定して、突起物94を形成する。次いで、この石膏鋳型88にアルミ合金の溶湯を流し込むことにより、突起物94を設けられたタイヤ溝形成用金具84が図示しないアルミ合金金型に鋳ぐるまれ、金型が完成する。
【0031】
この方法によれば、予め突起物を設けた特別なタイヤ溝形成用金具を準備する必要がなく、通常のタイヤ溝形成用金具を準備し、これに入手の容易な市販の部材を突起物94として固定することにより、本発明に係る実施形態の金型を簡易に製造することができる。
【0032】
次に、本発明に係る実施形態の第4の例を図6および図7に示す。この第4の例は、ゴム型106に予めタイヤ溝形成用金具状の凸部105を設け、この凸部105が石膏鋳型112に溝114として転写され、予め突起物116を設けられたタイヤ溝形成用金具118をこの溝114に挿入した後に、タイヤ溝形成用金具118をアルミ合金金型に鋳ぐるむ金型の製造方法である。
【0033】
まず、図6Aに示すように、鋳枠102の下部に、裏打ち層104bにタイヤ溝形成用金具状の凸部105が設けられた表層104aが貼付されたゴム型106を設置する。次いで、これに石膏108を流し込んで石膏鋳型を成形する。ここで、図6Aに示す横長の矩形で示されるタイヤ溝形成用金具状の凸部105は、Y−Y線上の断面図である図6Bに示すように、ゴム型の表層104aに多数設けられている。
【0034】
次いで、図7Aに示すように、成形された石膏鋳型112にはゴム型106から転写された多数の溝114が形成されており、この溝114に、図7Bに示すように、予め所望の形状の突起物116が設けられたタイヤ溝形成用金具118の端部を差し込む。最後に、突起物116が設けられたタイヤ溝形成用金具118の他端部がアルミ合金金型に鋳ぐるまれ、金型が完成する。
【0035】
この方法によれば、予め所望の形状の突起物が設けられたタイヤ溝形成用金具を用いる場合において、タイヤ溝形成用金具を金型に鋳ぐるむ作業を簡易に行うことができる。
【0036】
次に、本発明に係る実施形態の第6の例を図8に示す。この第6の例は、タイヤ溝形成用金具124の離型角度を変更する方法である。アルミ合金金型128に鋳ぐるまれるタイヤ溝形成用金具124は、通常その先端がタイヤの中心方向に向けられているため、金型のブロック端部122に設けられた破線で示すタイヤ溝形成用金具124aは、ここでは約17°の離型角度θaをもっている。この第6の例の金型128においては、図中、上向きとなる離型方向にタイヤ溝形成用金具124bの先端を向けて、約7°の離型角度θbに設定している。なお、タイヤ溝形成用金具124a、124bは0.6mmの厚みのものを用いており、また、金型ブロック端面126とタイヤ溝形成用金具124a、124bとの距離、すなわちブロック端部122の肉厚tは約2.0mmである。
【0037】
この方法によれば、突起物等を設けることなく、タイヤ溝形成用金具を鋳ぐるむ際のタイヤ溝形成用金具の離型角度を変更するだけの簡易な方法で、タイヤ溝形成用金具の変形、剥離等の問題を大幅に解消できる。
【0038】
次に、本発明に係る実施形態の第7の例を、図9A〜図9Cに示す。この第7の例は、タイヤ溝形成用金具の離型角度を変更する方法と、タイヤ溝形成用金具の位置を通常よりは金型の内部側に移動して金型ブロック端部の肉厚を増す方法とを併用するものである。
【0039】
図9Aに示すタイヤ溝形成用金具132に設けられた金型ブロック138の部分断面図において、タイヤ溝形成用金具132は離型角度を約7°に設定している。さらに金型ブロック端部137に鋳ぐるまれるタイヤ溝形成用金具132の位置を、通常のタイヤ溝形成用金具132aの位置から金型138の内部側のタイヤ溝形成用金具132bの位置に移動させることにより、金型ブロック端部137の肉厚は、約2.0mm(ta参照)から約4.0mm(tb参照)に増している。
【0040】
この方法によれば、タイヤ溝形成用金具の変形等を軽減するという本発明の本来的な効果に付随して、タイヤ使用時に好適な外観が得られるとともに性能上も望ましいものとなる効果を得ることができる。すなわち、図9Bに示すように、単にタイヤ溝形成用金具の位置を移動するだけの方法の場合においては、該タイヤ溝形成用金具によって形成されたタイヤ140の微細な溝134cは、所定の溝134aの位置からずれているために、タイヤ需要者に溝パターンに欠損部のある欠陥タイヤであるとの誤認を与えるおそれがあるばかりでなく、実際に性能上の問題を生じることがある。これに対して、本実施形態におけるタイヤ溝形成用金具により形成された溝134bは、図9Bの新品タイヤのものが摩耗して図9Cの状態に至った段階において、通常の溝134aの位置に近いものとなり、望ましいものとなる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るタイヤ溝形成用金具が鋳ぐるまれたセクショナルモールドタイプの自動車用タイヤ成形用金型は、タイヤ溝形成用金具あるいは骨の離型角度が通常よりは小さく設定されている。
【0042】
このため、この金型を用いてタイヤを成形する際、タイヤ溝形成用金具の変形、剥離若しくは破損が少ないだけでなく、タイヤ溝形成用金具の変形等に起因して生じる金型端部の破損が少ないことにより、金型寿命を延長できるという効果が達成される。
【0043】
また、本発明に係るタイヤ溝形成用金具が鋳ぐるまれたセクショナルモールドタイプの自動車用タイヤ成形用金型は、タイヤ溝形成用金具あるいは骨の離型角度が通常よりは小さく設定されるとともに、より好適には、タイヤ溝形成用金具あるいは骨の位置が所定の位置よりも金型の中心側に位置することにより、金型ブロック端部の肉厚を増したものとなっている。
【0044】
このため、より好適な金型を得ることができるとともに、この金型により成形されたタイヤが適当な期間使用されて摩耗した後は、通常の溝を設けた場合と変わらない効果を得ることができる。
【0045】
また、本発明に係るタイヤ溝形成用金具が鋳ぐるまれたセクショナルモールドタイプの自動車用タイヤ成形用金型の製造方法においては、金型製造工程中、石膏鋳型にタイヤ溝 形成用金具の端部を埋め込む際に、タイヤ溝形成用金具の離型角度および好ましくは埋め込み位置を調整し、より好ましくは、予め突起物が設けられたタイヤ溝形成用金具を石膏鋳型に埋め込むか、または石膏鋳型にタイヤ溝形成用金具の端部を埋め込んだ後、タイヤ溝形成用金具に適当な突起物を設ける。
【0046】
このため、本発明に係るタイヤ溝形成用金具が鋳ぐるまれた自動車用タイヤ成形用金型を、より安価でかつ簡易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aは、金型製造用の鋳型の構造を示す平面図であり、図1Bは、図1AにおけるX−X線上の断面図である。
【図2】 金型にタイヤ溝形成用金具が鋳ぐるまれる過程を概略的に説明するための模式図であって、図2Aは、ゴム型に石膏を流し込んで石膏鋳型を成形する工程を示すゴム型の断面図であり、図2Bは、成形された石膏鋳型を示す断面図であり、図2Cは、石膏鋳型に溶湯を注入して金型を成形する工程を示す鋳型の断面図であり、図2Dは、完成した金型を示す断面図である。
【図3】 本発明に係る実施形態の第1の例を示す図であって、図3Aは、予め突起物が設けられているタイヤ溝形成用金具の斜視図であり、図3B、図3Cは、これを異なる側面から見たタイヤ溝形成用金具の鋳ぐるまれた金型を示す断面図である。
【図4】 本発明に係る実施形態の第2の例を示す図であって、図4Aは、タイヤ溝形成用金具に骨が連接され、骨部分に鋳ぐるまれるタイヤ溝形成用金具の端部に突起物が設けられた金型の斜視図であり、図4B、図4Cは、これを異なる側面から見た金型の断面図である。
【図5】 本発明に係る実施形態の第3の例を示す図であって、図5Aは、ゴム型により成形された石膏鋳型にタイヤ溝形成用金具の端部が埋め込まれた状態を説明するための部分斜視図であり、図5Bは、石膏鋳型にタイヤ溝形成用金具を固定した後突起物を設けた状態を説明するための部分斜視図である。
【図6】 本発明に係る実施形態の第4の例の前段工程を示すものであって、図6Aは、石膏を注入して石膏鋳型を形成する状態を説明するためのゴム型の断面図であり、図6Bは、図6AのY−Y線上のゴム型の断面図である。
【図7】 本発明に係る実施形態の第4の例の後段工程を示すものであって、図7Aは、多数の溝が形成された成形後の石膏鋳型を示す斜視図であり、図7Bは、予め所望の形状の突起物が設けられたタイヤ溝形成用金具をこの溝に差し込む状態を説明するための金型の部分斜視図である。
【図8】 本発明に係る実施形態の第6の例を示すものであり、離型角度の異なるタイヤ溝形成用金具を鋳ぐるまれた金型の部分断面図である。
【図9】 本発明に係る実施形態の第7の例を示すものであって、図9Aは、タイヤ溝形成用金具の位置を移動する状態を説明するための金型の部分断面図であり、図9Bは、該金型を用いて成形されたタイヤの溝パターンを示す断面図であり、図9Cは、磨耗したタイヤの溝パターンを示す断面図ある。
【図10】 各種の溝がタイヤトレッド面に形成されている状態を説明するためのタイヤの斜視図である。
【図11】 分割されたタイヤ成形用の金型を説明するための図であって、図11Aは、上下一体型(セクショナルモールドタイプ)の金型の斜視図であり、図11Bは、上下分割型(2ピースモールドタイプ)の金型の断面図である。
【図12】 図12A、図12Bは、離型段階の金型とタイヤの関係を示す部分断面図である。
【符号の説明】
10、34、44、140…タイヤ 12…リブ
14…ラグ溝
16、36、46、134a、134b、134c…微細な溝
20、24、30、40、47、70、80、128、138…金型
23…金型ブロックの分割面
32、54、64、74、84、118、124、124a、124b、132、132a、132b…タイヤ溝形成用金具
38、48…アンダーカット 41、56、88、112…石膏鋳型
42、76…骨 43、102…鋳枠
45、58…アルミ合金の溶湯 50、106…ゴム型
52、108…石膏 60…アルミ合金の溶湯の金型部分
66、86…ロッキングホール 68、78、94、116…突起物
90…全ネジボルト 92…六角ナット
104a…ゴム型の表層 104b…ゴム型の裏打ち層
105…凸部 114…溝
122、137…金型ブロック端部 126…金型ブロック端面
Claims (2)
- タイヤ溝形成用金具が鋳ぐるまれたセクショナルモールドタイプの自動車用タイヤ成形用金型において、複数に分割して構成される金型ブロックの分割面近傍の端部に鋳ぐるまれたタイヤ溝形成用金具あるいは骨の離型角度が、金型の分割数によって異なる所定の角度よりも小さく、金型の分割面近傍の端部に鋳ぐるまれたタイヤ溝形成用金具の鋳ぐるみ部分が突起物を有し、金型の分割面近傍の端部に鋳ぐるまれるタイヤ溝形成用金具あるいは骨の位置が、タイヤ溝形成用金具あるいは骨の間で等間隔である所定の端部の位置よりも金型の分割面から離れた金型の中心側にあることを特徴とするタイヤ溝形成用金具が鋳ぐるまれた自動車用タイヤ成形用金型。
- タイヤに微細の溝を形成するためのタイヤ溝形成用金具が鋳ぐるまれたセクショナルモールドタイプの自動車用タイヤ成形用金型が複数に分割された金型ブロックにより構成され、各金型ブロックの分割面近傍の端部またはタイヤ溝形成用金具若しくは骨の間で等間隔である所定の前記端部よりも金型の分割面から離れた金型の中心側に位置し、該タイヤ溝形成用金具の鋳ぐるみ部分が突起物を有するとともに、タイヤ溝形成用金具あるいは骨の離型角度が、金型の分割数によって異なる所定の角度よりも小さいものとなっている、該金型を製造する方法において、ゴム型に石膏を流し込んで成形した石膏鋳型に、タイヤ溝形成用金具が所望の離型角度を有するように該タイヤ溝形成用金具の端部を埋め込んだ後、該タイヤ溝形成用金具の他端部にあるロッキングホールにボルトを貫通し、これをナットで固着する等の手段によりタイヤ溝形成用金具に突起物を設けた後、金型材料である溶湯に該タイヤ溝形成用金具の他端部を鋳ぐるむことを特徴とするタイヤ溝形成用金具が鋳ぐるまれた自動車用タイヤ成形用金型の製造方法。
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