JP5541480B2 - 局所清浄化空調システム - Google Patents

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本発明は、局所の空気清浄を行う局所清浄化空調システムに関する。
従来、クリーンルーム内に配置された液晶や半導体製造に用いる高発熱量の生産装置を局所的に清浄化する一方で、クリーンルーム内全体の空調を行う局所清浄化空調システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−112755号公報
ところで、上記の従来の特許文献1の局所清浄化空調システムは、生産装置を局所的に清浄化できるものの、空調対象は部屋全体であることから、温熱環境を維持するための空調が必要でない場所にも空調空気を供給していた。このため、設備のイニシャルコストの無駄やランニングコストの無駄が生じ、コスト高になっていた。また、従来の局所清浄化空調システムは、生産装置の真上から清浄空気を送り出していたために、生産装置の真上にクレーンなどが将来的に設置された場合、清浄空気が十分に生産装置へ到達しないなどの課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、清浄化の対象である発熱体の真上から清浄空気を送り出さない局所清浄化空調システムであって、コスト低減を図ることができる局所清浄化空調システムを提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1に係る局所清浄化空調システムは、室内に配置された発熱体に対して、低温の清浄空気を送風し、この発熱体の表面を清浄化する局所清浄化空調システムにおいて、前記発熱体の上方に配置され、吸い込んだ空気を冷却して低温の空気を吹き出す熱交換手段と、前記発熱体の上部の斜め上方または横に配置され、前記熱交換手段から吹き出される低温の空気を清浄化するとともに、この清浄空気を前記発熱体の上部に向けて吹き出す空気清浄手段とを備え、前記発熱体は、天井を有する室内の下側に配置され、前記熱交換手段は、天井下に設けられ、前記空気清浄手段から前記発熱体の上部に吹き出されて加熱された清浄空気が上昇することで天井下に比較的高温の温度成層部を形成し、この温度成層部の空気を前記熱交換手段に導いて冷却し、前記熱交換手段より吹き出した冷風を前記空気清浄手段で清浄化して前記発熱体へ送風する循環気流を、前記発熱体で加熱された空気の浮力と前記熱交換手段の吸い込む力により形成するように前記空気清浄手段および前記熱交換手段を配置し、前記空気清浄手段は、前記空気清浄手段から吹き出される低温の清浄空気の一部を、前記発熱体の側部上端より下側に吹き降ろせるように位置決めされることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る局所清浄化空調システムは、上述した請求項1において、前記空気清浄手段および前記熱交換手段を、平面的に見て線対称または点対象に配置したことを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る局所清浄化空調システムは、上述した請求項1または2において、前記空気清浄手段は、前記熱交換手段からの冷風をダクトを介さずに吸い込み、前記発熱体に向けて低温の清浄空気を吹き出すように位置決めされることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る局所清浄化空調システムは、上述した請求項1〜3のいずれか一つにおいて、前記熱交換手段は、熱交換コイルによって冷却される周囲の空気を下方向または横方向に吹き出すファンおよび空気流路を備えたファンコイルユニットであることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係る局所清浄化空調システムは、上述した請求項1〜4のいずれか一つにおいて、前記空気清浄手段は、風量調節が可能なファンフィルタユニットであることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に係る局所清浄化空調システムは、上述した請求項において、前記ファンフィルタユニットは、吸い込みファンの上流側に設けた風量調節手段を備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項7に係る局所清浄化空調システムは、上述した請求項において、前記風量調節手段は、外部空気を取り込み可能に開口した側部と、外部空気を取り込み可能な開口であってその開度を調節可能な開口からなる上部とを含んで構成されることを特徴とする。
また、本発明の請求項8に係る局所清浄化空調システムは、上述した請求項〜7のいずれか一つにおいて、前記ファンフィルタユニットは、吹き出し側に装着したV型のHEPAフィルタを備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項9に係る局所清浄化空調システムは、上述した請求項5〜8のいずれか一つにおいて、前記ファンフィルタユニットの吹き出し気流の流心が前記発熱体の上部中心から偏心するように前記発熱体の周囲に前記ファンフィルタユニットを複数台配置して、前記発熱体の上部で旋回する気流を生じさせ、この旋回する気流と、前記発熱体により加熱されて上昇する気流とを合成させることにより、旋回する上昇気流を形成させるように構成したことを特徴とする。
本発明に係る局所清浄化空調システムは、室内に配置された発熱体に対して、低温の清浄空気を送風し、この発熱体の表面を清浄化する局所清浄化空調システムにおいて、前記発熱体の上方に配置され、空気を冷却して低温の空気を吹き出す熱交換手段と、前記発熱体の上部の斜め上方または横に配置され、前記熱交換手段から吹き出される低温の空気を清浄化するとともに、この清浄空気を前記発熱体の上部に向けて吹き出す空気清浄手段とを備えるので、発熱体の真上にクレーンなどの設備が将来的に設置された場合でも、この設備の影響を受けることなく十分な清浄空気を発熱体に吹き付けることができるという効果を奏する。また、イニシャルコストの無駄やランニングコストの無駄をなくし、局所清浄化空調システムのコスト低減を図ることができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る局所清浄化空調システムの実施例を示すクリーンルームの側断面図である。 図2は、図1のA−A線に沿った平面図である。 図3は、図1のB−B線に沿った平面図である。 図4は、FFUの俯角を示すクリーンルームの側断面図である。 図5は、FCUの断面図である。 図6は、V型HEPAを装着したFFUの正面図である。 図7は、V型HEPAを装着したFFUの断面図である。 図8は、FFUから8m離れた垂直面の風速分布を説明する図である。
以下に、本発明に係る局所清浄化空調システムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明に係る局所清浄化空調システムの実施例を示すクリーンルームの側断面図である。図2は、図1のA−A線に沿った平面図である。図3は、図1のB−B線に沿った平面図である。
図1、図2および図3に示すように、クリーンルーム2の室内に生産装置を模擬した発熱体としての生産装置10が設置してある。この生産装置10は、室内中央に配置したセンターチャンバー12と、この周囲に略等間隔に配置した4台の反応炉14とからなる。なお、通常、反応炉の台数は異なるが、図1〜図3に示される生産装置10では反応炉14は4台であり、実際の生産装置を模擬したものとなっている。
本発明に係る局所清浄化空調システム100は、生産装置10の斜め上方(または横)に設けた空気清浄手段としてのファンフィルタユニット20(以下、「FFU」という。)と、このFFU20の上方に設けた熱交換手段としてのファンコイルユニット30(以下、「FCU」という。)とを備える。
FFU20は、FCU30の吹出した冷却された空気を吸い込んで清浄処理した空気を生産装置10の反応炉14の上面に向けて吹き出すものであり、各反応炉14に対して1台ずつ合計4台設けてある。FCU30は、クリーンルーム2の室内の空気を吸い込んで冷房負荷を熱処理(熱除去)した空気を吹き出すものであり、各FFU20に対して1台ずつ合計4台設けてある。
空気清浄化の対象は生産装置10の上面である。図1〜図3に示す生産装置10では、反応炉14の上面が清浄化の対象である。一方、温熱環境維持の対象は作業域である。作業域は、床面上約2m以下の高さにおける管理・運転作業域40、および床面上2〜5m高さの生産装置のメンテナンス作業域42である。
上記構成の動作および作用について説明する。
FCU30からFFU20に向けて送風される低温の空気を、FFU20によって清浄処理し、FFU20から低温の清浄空気を生産装置10(反応炉14)の上面に向けて吹き付ける。これにより、生産装置10の上部は低温の清浄空気によって包み込まれる。このように、本発明の局所清浄化空調システム100では、FFU20の上流側にFCU30を配置し、FCU30から吹き出される低温の空気をFFU20が吸い込むことで、生産装置10上部に送風する低温清浄空気を得ており、生産装置10上面の清浄化と、メンテナンス作業域42の温熱環境の維持の双方を図ることができる。なお、管理・運転作業域40の温熱環境については、FCU30から一定の冷風がこの作業域40へ到達するようにしてある。このため、本発明によれば、空気清浄化の対象領域を局所化する一方で、温熱環境維持の対象領域をも局所化することができる。
上記の実施の形態において、FCU30の設置台数を減らして、イニシャルコストを低減するためには、FCU30の冷却効率を高めればよい。FCU30は、吸い込み空気の温度を上げることで、吹き出し温度が若干上がるが、冷却処理量は格段に向上する。
例えば、処理風量4250m/hの大型FCUでは、熱交換コイルの冷水温度12℃、冷水流量35L/minにおいて、入口温度23℃に対して出口温度18℃(温度差5℃)で除去熱量7.1kW、入口温度30℃に対して出口温度19℃(温度差11℃)で除去熱量15.6kWの仕様のものがある。このように、除去熱量には2倍以上の差がある。したがって、クリーンルーム2上部に約30℃の高温成層域を形成させ、ここの高温の空気をこうしたFCUで処理することによりFCU30の熱処理能力を高め、これによってFCUの台数の削減と冷水配管長の短縮によるコスト低減、および冷水搬送動力の低減による省エネルギー化を達成することができる。FCUの吸い込み温度が高くなれば、FCUの戻り冷水温度が高くなり、より大量の熱量を運搬することができる。
以上のように、冷却効率を高めたFCUを用いることにより、熱交換手段であるFCUの台数の削減によるイニシャルコスト低減と、FCUに使われる冷水量の削減によるランニングコストの低減とを達成することができる。
また、従来の局所清浄化空調システムでは、生産装置の真上から清浄空気を送り出していたために、生産装置上部にクレーンなどの設備が将来的に設置された場合、清浄空気が十分に生産装置へ到達しないなどの課題があった。しかし、本発明によれば、生産装置上面に対して斜め方向または横から清浄空気を吹き付けるので、将来的に生産装置上部にクレーンなどの設備が設置された場合であっても、この影響を受けることなく十分な清浄空気を生産装置上面に吹き付けることができる。
また、上記の実施の形態によれば、低温清浄空気が生産装置10上面を通過することにより加熱され、加熱された空気が浮力による上昇気流を作り出すので、このことを利用してクリーンルーム2内に循環気流を形成することができる。
この循環気流を形成する作用について説明する。
FFU20は、上述したように生産装置10の斜め上方に設置され、対象とする反応炉14の上面全体に低温清浄空気が行き渡るように位置決めされている。反応炉14の上面は高温になっており、低温清浄空気がその表面を通過すると空気は加熱され、周囲空気温度との温度差が生じ、これにより浮力を得て上昇する。上昇した空気はクリーンルーム2上部に高温の温度成層部(以下、「高温成層」ともいう。)を形成する。
ここで、高温成層とは、クリーンルーム2の上部に溜まった高温の空気の層で、垂直方向温度分布については、作業域の温度より高く、位置が高くなってもほぼ一定温度である場合、または、作業域の温度より高く、位置が高くなるほど温度が高くなる温度分布の場合の両方を意味している。
この高温成層内にも穏やかな空気の流れがあり、生産装置10上面で加熱された空気は天井4へ上昇した後、天井4より横方向に放射状(図1において両側)に分岐し、クリーンルーム2の側壁6に沿ってFCU30の設置されている位置まで下降し、FCU30の上面の図示しないファンで吸われてFCU30内に取り込まれ、図示しない熱交換コイルで冷却された後、下側に吹き出される。この冷却された空気をFFU20が吸い込み清浄化して、再度、生産装置10上面を狙って吹き出す。
天井4下部に溜まった高温空気を下降させる力は、壁際に配置したFCU30のファンによる吸引力と室内中央部から上昇する空気の合力である。つまり、クリーンルーム2の室内に循環気流を形成する力は、生産装置10上面で加熱された空気の浮力(自然の力)とFCU30の吸い込むファンの力である。このように、本発明では、クリーンルーム2内に循環気流を作り出すために、自然の力である空気熱による浮力を積極的に活用している。
ここで、空気層において垂直方向の温度分布が上部ほど高い分布の場合、空気層は、その温度勾配を保持して安定している。逆に、上部温度が低い場合は不安定で、上部の低温空気は下降し、空気層全体が混合状態となっている。この高温成層では、一定の垂直温度勾配が保持されつつ、下側から浮力で上昇する空気量と同量の空気量が図1に示すように両側面方向へ移動している。この高温成層は、自然の力で形成された区画の無い天井チャンバーとみなすことができる。
また、図2および図3に示すように、FCU30およびFFU20を線対称または点対称に平面配置してもよい。こうすることで、生産装置10により加熱され上方の温度成層部に流れた高温空気をFCU30に導いて冷却し、FCU30より吹き出した冷風をFFU20で清浄化して生産装置10へ送風する循環気流を形成することができる。ここで、冷水配管のルート、FFU20、FCU30の施工を考慮すると、線対称が望ましい。図2では、線対称、点対称のどちらとも読み取れるが、線対称を意図して配置してある。
また、上記の実施の形態において、FCU30は、図5に示すように、上部より高温空気を吸い込み、熱交換コイル32によって冷却される周囲の空気を下方向または横方向に吹き出すファン34、空気流路36およびパンチングパネル38を備えてもよい。
ところで、生産装置10の反応炉14の側面も部分的に高温になっており、ここから上昇気流が生じる。この空気は生産装置10より下の汚染空気を吹き上げる場合があるので、生産装置10上面を清浄に保つためには、この汚染空気の上昇を抑える必要がある。そこで、上記の実施の形態において、FFU20からの低温清浄空気の一部を生産装置10上面端部14aより下側に吹き降ろせるように位置決めしてもよい。このようにすることで、生産装置10の側面からの上昇気流を抑制することができる。
また、上記の実施の形態において、図6および図7に示すように、FFU20の吹き出し側にV型HEPAフィルタ22などのHEPAフィルタを装着し、吹き出し風速を早くしてもよい。こうすることで、生産装置10全体に清浄空気を供給するために吹き出し風速を極力早くしたり、FFU20からの低温清浄空気を2〜10m離れた生産装置10に十分に供給することができる。
ここで、FFU20としては、吹き出し風速が0.8〜1.0m/sのものを使用することが可能である。クリーンルーム内に設置されるFFUのHEPAフィルタとしてはプリーツタイプあるいはセパレータタイプと呼ばれるHEPAメディアを多重折したものを用いることができる。FFU20から生産装置10までの距離が離れている場合、FFU20の吹き出し風速を速くするためにできる限り吹き出し風量を大きくする必要があり、FFU20にV型HEPA22を装着する。V型HEPA22は、圧損が低く、吹き出し面平均風速は上述の吹き出し風速の1.3倍である最大1.3m/sで送風することができる。このV型HEPA22の吹き出し面積は全FFU面積の1/2であり、吹き出し風速は全面吹き出しの場合の風速に比較して2倍の風速である。このため、V型HEPA22を装着したFFU20は、吹き出し位置において全面吹き出しの場合よりも4倍の運動エネルギーを有しており、FFU20の吹き出し面から8m以上離れた位置でも、0.4m/s以上の風速を確保することができる。
また、上記の実施の形態において、FFU20の吸い込みファン24の上流側に、図7に示すように、風量調節手段としての風量調節機構26を備えてもよい。風量調節機構26は、ダンパー式あるいはシャッター式などいずれの方法でもよい。この場合、FFU20の上部20aにのみ風量調節機構26を設け、側部20bに開口を設けることができる。風量調節機構26の調節により上部20aからの吸い込み風量(FCU30からの冷風)を制限すると、側部20bからFFU20周囲の空気を吸い込むこととなる。
FCU30からの冷風の温度は、クリーンルーム2内全体の熱負荷を処理できるように、FCU30の熱交換コイルの冷水流量を制御することで調整されている。FCU30からの冷風は、FFU20に取り込まれる風量と、FFU20に取り込まれずに下方の作業域40、42へ流下する風量とに別れる。風量調節機構26によって両者の風量比を変えることで、管理・運転作業域40の冷却量とメンテナンス作業域42の冷却量の比率を制御することができる。この風量調節機構26は、生産装置10の種類および生産装置反応炉14等の側面や上面の断熱仕様が異なる場合に有効である。
また、上記の実施の形態において、FFU20の吹き出し気流の流心が生産装置10上面の中心より、FFU20側に若干偏心した位置になるように、FFU20を複数台配置し、生産装置10上面に水平方向の旋回流を生じさせ、この旋回流が生産装置10で加熱されて浮力により上昇する力と合成されることにより、上昇竜巻を形成させてもよい。このように、上昇しようとする気流に旋回流を与えると竜巻が生じ、容易に高温の空気を室内上部に運ぶことができる。
次に、本発明の局所清浄化空調システム100の効果を検証するために行った実験について説明する。
実験条件は、図1〜図3に示すように、平面寸法7.5m×14m、天井高さ14.4mのクリーンルーム2内に模擬生産装置10を設置し、反応炉14を高温とし、表面温度100〜150℃とした。
FCU30は4台設置し、各FCU30は処理風量4250m3/h、冷水入口温度12℃、流量35L/minで運転した。FFU20も4台設置し、各FFU20は風量3300m3/hで運転した。FFU20はV型HEPAを装着したFFUであるが、風量調節機構26(図7)は付いていない。図2および図4に示すように、FFU20は俯角α=35〜40°、偏角θ=5〜10°となる位置に配置した。
次に、実験の具体的内容について説明する。
FCU30として、図5に示すFCUを製作し、このFCUの熱除去性能を測定した。その結果、FCUの入口温度が22.5℃の場合、出口温度は14.4℃であり、温度差8.1℃、除去熱量11.5kWであった。また、FCUの入口温度が30.9℃の場合、出口温度は15.7℃であり、温度差15.2℃、除去熱量21.6kWであった。これにより、FCUの入口温度が31℃の場合の除去熱量は、23℃の場合のそれに対して約2倍に達することが実証された。
一方、FFU20として、図6および図7に示すような吹き出し面寸法1200×600mmのFFUを製作した。このFFU20に対してV型HEPAフィルタ22を装着して風量を測定したところ、3300m3/hであった。このFFU20から8m離れた垂直面で風速分布を測定した結果を図8に示す。図8に示すように、中心を含む垂直面の幅2m×高さ1.5mの範囲では、風量は0.2〜0.9m/sで、平均0.61m/sであり、風速は十分確保されていることが判る。この場合、生産装置10上面では0.4〜0.7m/sであり、生産装置上1.5mの位置で0.2m/sの風速があるが、生産装置10上面より離れた位置の風速なので問題ない。
次に、反応炉熱負荷58.9kW(床面積当たりの発熱負荷0.56kW/m2)の場合の実験結果について説明する。
クリーンルーム2内の各場所の温度は、FCU30の吸込み温度28.2℃、吹出し温度15.5℃、FFU20の吹出し温度18.3℃、反応炉前面温度22.9℃、反応炉通過後の温度30.3℃である。そして、生産装置10上面中央の上部温度は27.1℃から温度勾配0.56℃/mで上昇し、天井面では温度31.7℃である。これにより生産装置10より上の空間に高温成層が形成されていることが確認できた。空気流れをスモークにより観察し、生産装置10より浮力で旋回上昇する高温空気流を確認し、さらに、上部の高温成層よりFCU30に吸込まれる流れを確認し、クリーンルーム2内に大きな循環気流が形成されていることを確認した。
次に、反応炉熱負荷75kW(床面積当たりの発熱負荷0.71kW/m2)の場合の実験結果について説明する。
クリーンルーム2内の各場所の温度は、FCU30の吸込み温度30.5℃、吹出し温度16.0℃、FFU20の吹出し温度21.7℃、反応炉前面温度25.8℃、反応炉通過後の温度31.4℃である。そして、生産装置10上面中央の上部温度は29.6℃から温度勾配0.02℃/mで上昇し天井面では温度31.0℃である。これにより生産装置10より上の空間に高温の温度成層が形成されていることを確認した。
次に、清浄度の測定結果について説明する。
上記の「反応炉熱負荷58.9kW」の条件で、初期クリーンルーム内粒子濃度、および反応炉上面の濃度を、線香を用いて10個/cf(粒径≧0.3μm)とし、上記の実験条件でFFU20、FCU30を運転したところ、反応炉上面粒子濃度は漸次下がり、120分経過後に粒子濃度10個/cfに到達し、クリーンルームとしての十分な回復性能を有していることを確認した。さらに、120分後には、ほぼ10個/cfに達し、ここで適用対象としているクリーンルームに適用可能であることを確認した。
反応炉14の周囲に発塵体(発塵量200,000個/min、粒径≧0.3μm)を設置した場合、反応炉14表面内に発塵体を設置した場合、また、気流阻害要因として反応炉14の1m上に平板を設置した場合について、反応炉14表面の清浄度を測定したところ、従来の局所清浄化空調システムより清浄度が向上することを確認した。特に、反応炉14上面に障害物がある場合でも、本発明の局所清浄化空調システム100では、斜めから清浄空気が十分に反応炉14上面に到達するために、従来の局所清浄化空調システムより清浄度は5倍向上することが判った。
以上説明したように、本発明によれば、従来の局所清浄化空調システムのFCU設置台数を例えば1/2に削減でき、これにより大幅なコストダウンを図ることができる。また、FCU用の冷水配管量を例えば1/2に削減でき、さらに天井高さも低くでき、これによりコストダウンを図ることができる。またFCU用の冷水流量の減少により、ポンプ動力が下がるので、ランニングコストの低減および省エネルギー化を図ることができる。
また、本発明によれば、FFUの吹き出し気流の流心を生産装置上面中心よりも少し外側になるようにFFUを配置することにより、生産装置上面に上昇する竜巻状の気流を発生させることができ、生産装置上面で加熱された高温空気を効率よく上層に搬出することができる。
また、本発明によれば、生産装置の上方にクレーンなどの設備があっても、清浄空気を斜め方向または横方向より吹き付けるために従来の局所清浄化空調システムの場合のようにこの設備が気流の障害にならず、生産装置上面を確実に清浄化することができる。
また、従来の局所清浄化空調システムでは、天井面にFFU、FCUを設置し、FFUは生産装置の上方に設置する必要があり、FFUが故障した場合の対応が困難であった。しかし、本発明の局所清浄化空調システムによれば、生産装置の上方にFFUを設置しないので、この故障への対応を容易に行うことができる。
以上のように、本発明に係る局所清浄化空調システムは、生産装置などの発熱体を局所的に清浄化する一方で、作業域などの温熱環境を空調する空調設備に有用であり、特に、高発熱量の生産装置が配置される液晶工場や半導体工場のクリーンルームの空調システムに適している。
2 クリーンルーム
4 天井
6 側壁
10 生産装置(発熱体)
12 センターチャンバー
14 反応炉
14a 上面端部
20 FFU(ファンフィルタユニット)(空気清浄手段)
20a 上部
20b 側部
22 V型HEPAフィルタ
24 ファン
26 風量調節機構(風量調節手段)
30 FCU(ファンコイルユニット)(熱交換手段)
32 熱交換コイル
34 ファン
36 空気流路
38 パンチングパネル
40 管理・運転作業域
42 メンテナンス作業域
100 局所清浄化空調システム

Claims (9)

  1. 室内に配置された発熱体に対して、低温の清浄空気を送風し、この発熱体の表面を清浄化する局所清浄化空調システムにおいて、
    前記発熱体の上方に配置され、吸い込んだ空気を冷却して低温の空気を吹き出す熱交換手段と、
    前記発熱体の上部の斜め上方または横に配置され、前記熱交換手段から吹き出される低温の空気を清浄化するとともに、この清浄空気を前記発熱体の上部に向けて吹き出す空気清浄手段とを備え、
    前記発熱体は、天井を有する室内の下側に配置され、前記熱交換手段は、天井下に設けられ、
    前記空気清浄手段から前記発熱体の上部に吹き出されて加熱された清浄空気が上昇することで天井下に比較的高温の温度成層部を形成し、この温度成層部の空気を前記熱交換手段に導いて冷却し、前記熱交換手段より吹き出した冷風を前記空気清浄手段で清浄化して前記発熱体へ送風する循環気流を、前記発熱体で加熱された空気の浮力と前記熱交換手段の吸い込む力により形成するように前記空気清浄手段および前記熱交換手段を配置し、
    前記空気清浄手段は、前記空気清浄手段から吹き出される低温の清浄空気の一部を、前記発熱体の側部上端より下側に吹き降ろせるように位置決めされることを特徴とする局所清浄化空調システム。
  2. 前記空気清浄手段および前記熱交換手段を、平面的に見て線対称または点対象に配置したことを特徴とする請求項1に記載の局所清浄化空調システム。
  3. 前記空気清浄手段は、前記熱交換手段からの冷風をダクトを介さずに吸い込み、前記発熱体に向けて低温の清浄空気を吹き出すように位置決めされることを特徴とする請求項1または2に記載の局所清浄化空調システム。
  4. 前記熱交換手段は、熱交換コイルによって冷却される周囲の空気を下方向または横方向に吹き出すファンおよび空気流路を備えたファンコイルユニットであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の局所清浄化空調システム。
  5. 前記空気清浄手段は、風量調節が可能なファンフィルタユニットであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の局所清浄化空調システム。
  6. 前記ファンフィルタユニットは、吸い込みファンの上流側に設けた風量調節手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の局所清浄化空調システム。
  7. 前記風量調節手段は、外部空気を取り込み可能に開口した側部と、外部空気を取り込み可能な開口であってその開度を調節可能な開口からなる上部とを含んで構成されることを特徴とする請求項6に記載の局所清浄化空調システム。
  8. 前記ファンフィルタユニットは、吹き出し側に装着したV型のHEPAフィルタを備えることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載の局所清浄化空調システム。
  9. 前記ファンフィルタユニットの吹き出し気流の流心が前記発熱体の上部中心から偏心するように前記発熱体の周囲に前記ファンフィルタユニットを複数台配置して、前記発熱体の上部で旋回する気流を生じさせ、この旋回する気流と、前記発熱体により加熱されて上昇する気流とを合成させることにより、旋回する上昇気流を形成させるように構成したことを特徴とする請求項5〜8のいずれか一つに記載の局所清浄化空調システム。
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