JP2020159654A - 空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】加湿を効率よく行い得る空調システムを提供する。【解決手段】対象空間Sにおいて空気が温度成層を形成する温度成層型の空調システムに関し、温度成層が形成される領域における床3より上の位置に設けた吸込口27aと、吸込口27aから引き込んだ空気の温度を調整する温度調整部6と、温度調整部6にて温度を調整された空気を対象空間Sに送り出す給気部2と、吸込口27aの高さから引き込まれ、温度調整部6へ至る空気を加湿する加湿ユニット29とを備え、加湿ユニット29は、水を保持する保水体と、該保水体に対して空気を吹き付ける加湿ファンとを備える。【選択図】図4

Description

本発明は、空調システムに関する。
近頃の工業用クリーンルームでは、生産装置内での製品が暴露される個所の局所クリーン化、工程間搬送での製品暴露箇所の局所クリーン化が進んでおり、工場の生産環境であるクリーンルームは、間仕切りの無い大空間として、生産装置を天井搬送との位置関係で配置するボールルーム方式が一般化している。
図11はクリーンルームにおける空調システムの一例を示している。対象空間Sはボールルーム方式の工業用クリーンルームとして構成されており、天井1には、所定の間隔で離れて複数の送風ユニット2が給気部として設置されている。送風ユニット2は、筐体の上側にファンが、下側にはHEPAフィルタが設けられたファン・フィルタ・ユニット(FFU)等と称される装置であり、天井1の上方の空気をファンにより筐体内に吸い込んでフィルタに吹き付け、該フィルタを通って浄化された空気を清浄室内向空気A1として下方の対象空間Sへ下向きに送り出すようになっている。
対象空間Sの床3は、躯体床から持ち上げパンチングパネルやグレーチング等を床材とする上げ床として構成されている。送風ユニット2から対象空間Sに清浄室内向空気A1として送り込まれた空気は、室内の機器5の熱負荷や発塵した塵埃を含んで床3の開孔を通って還気A2として床下の空間に抜け、床下と天井裏を連通するレタンシャフト4を通って天井裏の空間へ送られ、再度送風ユニット2から清浄室内向空気A1として対象空間Sに供給される。
工業用クリーンルームである対象空間Sでは生産装置等の機器5が稼働しており、清浄室内向空気A1は、機器5の排熱を受け取り昇温した状態となって還気A2として床下へ抜ける。昇温した還気A2は、床下から天井裏へ戻って再度送風ユニット2から送り出されるまでの間に、再び床下に抜ける際に機器5の稼働に適した温度でありかつ室内空気条件の温度となるよう室内負荷を賄える室内吹出し温度まで冷却される必要があり、送風ユニット2で除塵されて清浄室内向空気A1として吹出される。ここに示した例では、レタンシャフト4の入口付近に温度調整部としての冷却ユニット6を備え、対象空間Sの床3を抜けた後の還気A2を冷却するようになっている。冷却ユニット6は、例えば内部に冷媒が流通するドライコイルである。
また、工業用クリーンルームの場合、塵埃の侵入を防ぐために内部を陽圧に保つ必要がある。そしてそれ以上に、生産工程で各種排気を要求する各機器5の排気量も外部から給気しなければならない。ここに示した例の場合、外調機7から外気A3を取り込み、適当な温度と湿度に調整したうえで床下の空間へ供給するようになっている。外調機7は、外気A3を浄化するプレフィルタ8,外気最終フィルタ9と、取り込んだ外気A3を予熱するための予熱コイル10と、該予熱コイル10の下流で外気A3を冷却する冷却コイル11と、該冷却コイル11の下流で外気A3を加熱するための加熱コイル12と、気流を作り出す送気ファン13を備えている。また、加熱コイル12の下流側且つ送気ファン13の上流側の位置には、加湿器14を備えている。
送気ファン13を作動させると、外気A3はプレフィルタ8を通って塵埃を除去されたうえで、予熱コイル10、冷却コイル11、加熱コイル12、加湿器14の順に外調機7内を通過し、外気最終フィルタ9により再び浄化されたうえで対象空間Sの床下へ供給される。
夏季など、外気温および絶対湿度が高い条件下においては、冷却コイル11に冷熱媒を多量に流し加熱コイル12に熱媒を流して作動させると、外気A3は冷却コイル11を通過する際に露点以下に冷却されて水分が凝結し、絶対湿度を下げられる。さらに、飽和点の乾球温度で供給すると、床下で循環空気と温度差があって混合しづらい場合、外気A3は下流側の加熱コイル12を通過する際に再び適当な温度まで加熱される。一方、冬季など、外気温が低い条件下においては、加熱コイル12に加えて予熱コイル10も熱媒を流して作動させる。冷却コイル11の運転は、外気の絶対湿度が十分に低ければ不要である。プレフィルタ8を通過した外気A3は、予熱コイル10で予熱され、さらに下流側の加熱コイル12で十分な温度まで加熱される。要求される湿度に対して外気A3の絶対湿度が不足している場合には、加湿器14を作動させ、外気A3の湿度を上昇させる。加湿器14の形式が蒸気加湿の場合は、加熱コイル12で室内の絶対湿度の飽和点まで加熱すればよく、加湿器14の形式が水加湿の場合は、加熱コイル12の出口空気温度を室内の絶対湿度の飽和点の等エンタルピ線と外気絶対湿度との交点より加湿飽和効率分高く加熱すればよい。こうして外調機7は、季節にかかわらず、外気A3を適当な温度および湿度に調和して対象空間Sの床下へ供給することができる。
また、床下の空間には各機器5に接続され各機器から各種排気を導く排気ダクト15が設置されており、該排気ダクト15の途中に設置された排気ファン16の作動により、対象空間S内部の清浄室内向空気A1の一部が適宜外部へ排出されるようになっている。
尚、外調機7からは、他のクリーンルームや、クリーンルーム以外の付帯室等に対しても調和された外気A3が供給されるようになっていることが通常であるが、ここでは図示を省略している。
対象空間Sの床下から天井裏に至る還気A2の経路の途中(ここでは、レタンシャフト4の入口付近)には、さらに加湿器17が設けられている。外調機7にて温度と湿度を調和されて送り込まれた外気A3は、還気A2と混合され、続いて冷却ユニット6および加湿器17により温度と湿度を改めて精密に調整され、送風ユニット2のHEPAフィルタで浄化されて、清浄室内向空気A1として対象空間Sに供給されるようになっている。
この種の空調システムに関連する先行技術文献としては、例えば、下記の特許文献1等がある。
特開2007−178116号公報
上述の如き空調システムにおいて、加湿器17としては、百数十度の加熱源が必要な蒸気加湿方式の加湿器よりも、機器発熱の熱や加熱器の熱媒のように30℃以上程度の加熱源で済む水加湿方式の加湿器が省エネルギーの観点からは好ましい。また水加湿器の場合、湿り空気状態として等エンタルピ線上を動いて加湿するので、熱負荷の大きいクリーンルームでは年間を通して冷房を要するが、水加湿方式の加湿器であれば、還気A2を加湿すると同時に気化熱を奪って冷却することができるからである。
水加湿方式の加湿器には、スプレー方式(ここではエアワッシャ方式と高圧水噴霧による加湿量分噴霧方式を含む)と気化方式がある。スプレー方式では、空気に対して水を微細な水滴として噴射する。気化方式では、保水機能を有するエレメントに空気を通過させる。
精密な湿度管理が要求される工業用クリーンルームでは、古くはエアワッシャ方式の水加湿器が、その加湿飽和効率の高さから、循環水ポンプの電力多消費にかかわらず用いられてきた。その後、同様の工業用クリーンルームでは、高圧水噴霧によるほぼ加湿量に見合う水量の、スプレー方式の加湿器が使用されることが多くなってきた。スプレー方式の加湿器では、時間比例制御や空気量比例制御といった手法によって加湿量を精度よく管理することができることを以前出願人は知見を得、実用化してきた。ところが、気化方式の加湿器ではエレメントの保水量を即時的に操作することが難しく、加湿量をその時に要求される水分量に応じて厳密に制御できない特性があり採用が難しいからである。
ここで、クリーンルーム内における適正温度は、例えば機器5近傍で23℃程度であり、この温度を保つために、送風ユニット2における吹出温度は例えば15℃に設定される。清浄室内向空気A1は、ここから還気A2として床下へ抜けるまでの間に、機器5の排熱を受け取って23℃程度まで上昇する。そして、冷却ユニット6において15℃まで冷却され、再度送風ユニット2へ送られる。
すなわち、スプレー方式の加湿器17においては、23℃程度の温度の還気A2に対し、水滴を添加して加湿を行うことになる。ここで、水を気化させるにあたっては、対象となる空気の温度はなるべく高い方が効率の面で好ましい。同一の加湿量を得るにあたり、空気の温度が低ければ、その分だけ気化に時間を要し、所要量の水が気化されるまでの流路長が長くなり、加湿に必要な機構の容積が大きくなってしまう。
また、上述の如きクリーンルームに限らず、液体の水を用いた加湿を行う空調システム全般において、加湿の効率を高めることは共通の課題である。
本発明は、斯かる実情に鑑み、加湿を効率よく行い得る空調システムを提供しようとするものである。
本発明は、対象空間において空気が温度成層を形成する温度成層型の空調システムであって、温度成層が形成される領域における床より上の位置に設けた吸込口と、前記吸込口から引き込んだ空気の温度を調整する温度調整部と、前記温度調整部にて温度を調整された空気を前記対象空間に送り出す給気部と、前記吸込口の高さから引き込まれ、前記温度調整部へ至る空気を加湿する加湿ユニットとを備え、前記加湿ユニットは、水を保持する保水体と、該保水体に対して空気を吹き付ける加湿ファンとを備えていることを特徴とする空調システムにかかるものである。
本発明の空調システムにおいて、前記加湿ユニットは、前記加湿ファンの回転数を制御できる回転数制御装置をさらに備えていることが好ましい。
本発明の空調システムにおいては、温度成層のうち下部の領域を温度調整の対象とし、前記吸込口は、温度調整の対象とする領域の上部の位置に設けることができる。
本発明の空調システムにおいて、前記加湿ユニットは、前記吸込口の前段に設けた構成とすることができる。
本発明の空調システムにおいて、前記加湿ユニットは、前記吸込口から前記温度調整部に至る経路に設けた構成とすることができる。
本発明の空調システムは、クリーンルームである前記対象空間のうち、他の領域に比べて高い清浄度の要求される領域を高度清浄域に設定すると共に、該高度清浄域以外の領域を非高度清浄域に設定し、前記高度清浄域の上方に、浄化した空気を下方へ向けて供給する前記給気部としての所定数の送風ユニットを備え、前記高度清浄域に供給された空気は、床上を通って前記非高度清浄域に至り、該非高度清浄域内を上昇し、前記送風ユニットから再度前記高度清浄域に供給されるよう構成され、前記非高度清浄域を上昇して前記送風ユニットへ至る空気を冷却する前記温度調整部としての冷却ユニットと、前記冷却ユニットの前段において空気を加湿する前記加湿ユニットとを備えることができる。
本発明の空調システムにおいては、前記高度清浄域と前記非高度清浄域との間における床より上方の位置に、鉛直方向に沿って延びる垂壁を備えることが好ましい。
本発明の空調システムにおいて、前記高度清浄域の上方には、前記送風ユニットと送風ユニットの無いところに載置される閉鎖パネルとが設置された天井が位置し、前記天井の上側の空間は、天井側壁により天井内空間として画成され、前記送風ユニットは、前記天井内空間内の空気を前記高度清浄域へ供給するよう前記天井に設置され、前記冷却ユニットおよび前記加湿ユニットは、前記天井から上方に設置された構成とすることができる。
本発明の空調システムにおいて、前記非高度清浄域の室壁側の一部上方には第二の天井が位置し、前記第二の天井の上側の空間は、第二の天井側壁により吸込チャンバとして画成され、前記冷却ユニットは、前記吸込チャンバから前記天井内空間へ至る経路に設置され、前記加湿ユニットは、前記吸込チャンバ内に設置され、前記非高度清浄域から前記天井内空間へ移動する空気は、前記第二の天井側壁に備えた前記吸込口から前記吸込チャンバを経由し、前記送風ユニットにより前記高度清浄域に供給されるよう構成することができる。
本発明の空調システムにおいて、前記第二の天井は、前記天井と同じ高さで連続し、前記吸込チャンバは、前記天井内空間と隣接する構成とすることができる。
本発明の空調システムは、前記天井側壁に、前記非高度清浄域内の空気を前記天井内空間へ導く前記吸込口を備え、前記吸込口に前記冷却ユニットを備え、前記非高度清浄域内における前記冷却ユニットの前段に前記加湿ユニットを備えた構成とすることができる。
本発明の空調システムによれば、加湿を効率よく行い得るという優れた効果を奏し得る。
本発明の第一実施例による空調システムの構成を示す概略立面図である。 本発明の第一実施例による空調システムの構成を示す概略平面図である。 本発明の第一実施例による空調システムの構成を示す概略側断面図であり、図1のIII−III矢視相当図である。 本発明の第一実施例による空調システムの構成を示す斜視図である。 本発明の第一実施例による空調システムの構成を示す斜視図であり、図4とは別の方向から見た図である。 本発明の実施に用いる加湿ユニットの構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の第二実施例によるクリーンルームの空調システムの構成を示す概略平面図である。 本発明の第三実施例によるクリーンルームの空調システムの構成を示す概略平面図である。 本発明の第四実施例による空調システムの構成を示す概略正断面図である。 本発明の第四実施例による空調システムの構成を示す概略平断面図である。 従来の空調システムの一例を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1〜図5は本発明の実施による空調システムの形態の一例を示しており、図中、図11と同一の符号を付した部分は同一物を表している。尚、図1〜図5に示した構成は、例えば空調システムを備えた対象空間Sにおける一部分であり、同様の構成が平面視で縦横に複数連続していても、後述する吸込口27a(図7参照)に対面する天井側壁と並行する中央通路を対象軸としてシンメトリーに展開しても良い。
本第一実施例の空調システムは、対象空間Sの天井1に給気部として複数の送風ユニット2を設置し、浄化された清浄室内向空気A1を下方の対象空間Sへ下向きに送り出す構成に関しては図11に示した上記従来例と共通している。また、外気A3を取り込む外調機7は外気3Aを上部天井内空間Cへ供給するようになっており、外調機7は、上記従来例と共通の構成を備え、プレフィルタ8,外気最終フィルタ9と、予熱コイル10、冷却コイル11、加熱コイル12、送気ファン13および加湿器14を備えた構成により、外気A3が適当な温度および湿度に調和されて供給されるようになっている。
本第一実施例の場合、対象空間S内の構成に特徴を有しており、対象空間Sのうち一部の領域を高度清浄域S1、その他の領域を非高度清浄域S2に設定して、高度清浄域S1に対しては送風ユニット2からダウンフローにより清浄室内向空気A1を供給すると共に、非高度清浄域S2においては機器5の排熱と送風ユニット2の吸込み力とにより清浄室内向空気A1に機器発熱と発生塵埃を含んだ還気A2のアップフローを生じさせるようになっている。すなわち、空気は床下の空間を通ることなく循環する。これに伴い、外調機7により温度と湿度を調和された外気A3は、床下ではなく非高度清浄域S2の上部天井内空間Cへ供給されるようになっている。また、上記従来例におけるレタンシャフト4にあたる構成が省略され、温度調整部である冷却ユニット6についても配置が変更されている。また、本第一実施例では上記従来例における加湿器17に代えて後述する加湿ユニット29を備えており、この加湿ユニット29の構成および配置にも特徴を有している。
尚、高度清浄域S1とは、「対象空間Sのうち、他の領域と比較して高い清浄度が要求される領域」を指し、非高度清浄域S2とは、「対象空間Sのうち、高度清浄域S1以外の領域」を指す。高度清浄域S1の設定清浄度は、例えばクラス5〜6であり、非高度清浄域S2の設定清浄度は、例えばクラス6程度である(尚、これは一例であって、各領域の清浄度については本発明を実施するにあたり適宜設定し得る)。
工業用クリーンルームである対象空間S内の床3上では、機器5が稼働している。機器5は、例えば半導体集積回路を形成する母材のウエハや、フラットパネルディスプレイの基板、あるいはそれらの物品を複数収納できる容器等の物体(被加工物18)を加工する生産装置である。対象空間S内の天井1付近には、被加工物18を搬送するための天井搬送装置19が設けられている。天井搬送装置19は、天井1の下面に沿って取り付けられた搬送レール20と、該搬送レール20に沿って移動可能な搬送車21とを備えている。搬送レール20は、天井1の構成材、あるいは上階の床スラブから吊られるようにして、天井1に沿って取り付けられる。搬送車21は、被加工物18をポッドやFOUPなどの容器に入れて外界と遮断して局所クリーンを保ちつつ積み込んで搬送レール20に沿って移動し、ポッドなどを降下して機器5との間でポッド内の被加工物18の機器5内への受け渡しを行うようになっている。
このようなクリーンルームである対象空間S内において、最も清浄度を確保すべき領域は、被加工物18が露出する可能性のある領域である。より具体的には、被加工物18が搬送車21によって搬送され、搬送車21からポッドに入った被加工物18が降下され、機器5のロード・アンロード部との間で被加工物18の受け渡しが行われる場所、すなわち平面視で搬送レール20の周辺の領域である。そこで、本第一実施例では、平面視で搬送レール20の周辺にあたる領域を高度清浄域S1、その他の領域を非高度清浄域S2に設定している。
高度清浄域S1および非高度清浄域S2それぞれの構成を説明する。高度清浄域S1の上方には、図2に示す如く、天井1が上階の床スラブから吊下設置され、天井1の上側に天井裏の空間が形成されている。一方、非高度清浄域S2の上方は天井1の設置されない直天井となっており、上階の床スラブ下面(スラブ面22)が露出している。天井1の縁にあたる部分の上側、すなわち高度清浄域S1と非高度清浄域S2との境界の上方には天井側壁23が設けられ、天井1の設置された高度清浄域S1の上方の領域は、天井側壁23によって非高度清浄域S2の上方の領域と区画されている(以下では、天井1とスラブ面22に挟まれ、且つ天井側壁23により画成された領域を天井内空間Cと称する)。
非高度清浄域S2の平面積は、高度清浄域S1の平面積と同等以上とすることが好ましい。後述する空気の循環のためである。
高度清浄域S1の上方にあたる天井1には、送風ユニット2が設置されている。天井1は、例えばアルミ等を材料とする構成材を平面視で格子状に組んだ天井セルにより形成され、スラブ面22の下面から吊下設置される。そして、構成材によって組まれた格子の開口であるグリッドに、送風ユニット2を適宜な配置により設置する。送風ユニット2を設置しない残りのグリッドは、閉鎖パネル2aを設置して塞ぐ。こうして、送風ユニット2を高度清浄域S1の上方(すなわち、搬送レール20の上方)にあたる位置に集中して配置し、送風ユニット2から送り出される清浄な清浄室内向空気A1を、高度清浄域S1に集中して供給するようにしている。
さらに、高度清浄域S1と非高度清浄域S2との間には、垂壁24が設置されている。垂壁24は、天井1の縁にあたる部分から下方に向かって鉛直方向に沿って延びる垂壁部材であり、高度清浄域S1と非高度清浄域S2との間を、両空間の下方が連通するように不完全に隔てている(尚、ここでいう「鉛直方向に沿って延びる」とは、必ずしも正確な鉛直面を有することを指すものではなく、垂壁24は鉛直方向に対して傾きを有していても良い。鉛直方向に沿った向きとは、鉛直方向を成分として含む向きといった程度の意味である)。
天井1から垂壁24の下端までの寸法は、以下のように設定される。まず、垂壁24の下端は、床3における機器5の側方の作業員移動の妨げや、清浄室内向空気A1の機器5の吸い込んだ排気分を除いた分の循環の妨げとならないよう、床3よりは上方に位置するようにする。また、垂壁24が機器5に接すると、やはり機器5のメンテナンスや移設の妨げとなるため、垂壁24の下端は機器5の上端よりは上方に位置していることが好ましい。一方、後述する清浄室内向空気A1の循環の観点から、床3と垂壁24の下端とは一定の距離を保ちながらある程度近接させ、垂壁24の下方を流れる清浄室内向空気A1の流速をある程度小さく保つことが好ましい。以上のことから、清浄室内向空気A1の循環と機器5のメンテナンスや移設自由度の両立のためには、垂壁24は下端が機器5の上端から10cmほど上方に位置する程度の寸法とするのが最も好適である。本第一実施例では、垂壁24の下端は同じ高さで連続しており、また、機器5同士の間を遮るものはない。
垂壁24の素材としては、パネルのような硬質の素材、あるいは下端に重りを入れたビニールシートのような軟質の素材など、各種の素材を採用することができる。
本第一実施例では、図2、図4、図5に示す如く、対象空間Sにおいて搬送レール20が平面視でH型に設置されている。そして、搬送レール20に沿ったH型の領域を高度清浄域S1に設定し、該高度清浄域S1の上側の空間を天井内空間Cとしている。天井側壁23、及び垂壁24は、H型の高度清浄域S1と、非高度清浄域S2との境界に、平面視で一対のコの字型となるよう配置される。天井側壁23や垂壁24は、例えば天井1を構成する前記天井セルを利用し、平面視で前記天井セルの構成材に沿って配置することができる。尚、天井側壁23を設置する位置は必ずしもここに示すように平面視で天井1の縁でなくとも良く、高度清浄域S1の上方の空間を上部天井内空間Cと隔てるように配置されていれば良い。また、垂壁24についても、ここに示すように平面視で天井1の縁に配置する必要はなく、高度清浄域S1と非高度清浄域S2の境界に配置されていれば良い。
このようにして高度清浄域S1および非高度清浄域S2を設定された対象空間Sにおいて、機器5は図2、図3に示す如く、前面部5aが搬送レール20下方の高度清浄域S1へわずかに突出するように配置され、前面部5a以外は非高度清浄域S2内に位置している。機器5にとっては、搬送車21機器5にとっては、搬送車21から降下するポッドとの間で被加工物18の受け渡しを行うロード・アンロード部の前面部5aで特に高い清浄度が要求されるからである。
送風ユニット2から高度清浄域S1へ清浄室内向空気A1として送り出された空気は、機器5の前面部5aに吹き付けられ、垂壁24と床3の間を通って非高度清浄域S2へ抜け、その間に機器5の背面部5bなどから排出された排熱や発生個所があれば発塵塵埃を受け取って昇温して還気A2となる。そして、非高度清浄域S2から還気A2として上部天井内空間Cに吸い込まれ、再び送風ユニット2から清浄室内向空気A1として送り出される。
空気の循環については後に詳しく説明するが、このように構成される空気の流路の一部には、さらに空気を冷却し、加湿するための機構が設けられる。
本第一実施例においては、上述の如く高度清浄域S1の上方に設置した天井1の上側の空間を天井内空間Cとして画成しているが、天井1の構成部材は同じ高さで非高度清浄域S2の一部(ここでは、図2中における室壁である左端の壁際の通路のうち、左側にあたる部分)の上方まで延長しており(以下、この延長部分を第二の天井25と称する)、この第二の天井25の上方を、上部天井内空間Cとは別の空間(以下、吸込チャンバC1と称する)として画成している。すなわち、非高度清浄域S2の上方の領域(図2における左側の領域)と上部天井内空間Cとの間は、天井側壁(第一の天井側壁)23とは別の側壁(第二の天井側壁)26により隔てられており、これにより、第二の天井25と上階のスラブ面22に挟まれ、且つ第二の天井側壁26に囲まれた吸込チャンバC1が画成されている。吸込チャンバC1は上部天井内空間Cと連通しており、非高度清浄域S2内の清浄室内向空気A1が機器の発熱と発塵を伴い還気A2となったのち、一旦吸込チャンバC1を経由してから清浄前の室内向空気として天井内空間Cに送り込まれるようになっている。そして、この経路の途中に冷却ユニット6および後述する加湿ユニット29が設置され、吸込チャンバC1を通過する還気A2が冷却され、また必要に応じて加湿されるようになっている。ここで吸込チャンバC1は、図7に示すごとく第二の天井25、上階のスラブ面22、第一の天井側壁23に区画された構成でもよい。
吸込チャンバC1の構成について、より具体的に説明する。第二の天井25は、非高度清浄域S2の一部の天井をなすと共に吸込チャンバC1の下面部分を構成する。本第一実施例においては、第二の天井25は天井1と同じ高さで連続しているが、第二の天井25の役割は非高度清浄域S2の上方に吸込チャンバC1を画成することであり、この役割を果たす限りにおいて種々の構成や配置を取り得る。例えば、第二の天井25は天井1とは異なる高さに設置されていても良いし、天井1から水平方向に離間した位置に設置されていても良い。ただし、本第一実施例の如く天井1と第二の天井25とは同じ高さで連続した構成とすると、第二の天井25にかかる設置の手間やコストの面で最も簡便である。
吸込チャンバC1は、こうして上部天井内空間Cと隣接するように画成されるが、吸込チャンバC1には送風ユニット2は設置されない。また、上部天井内空間Cにおいて吸込チャンバC1を区画する第二の天井側壁26は第一の天井側壁23と直接連続していない。吸込チャンバC1は、上部天井内空間Cの一部(図2中、左端にあたる部分)を挟んで非高度清浄域S2と向かい合う形となっており、吸込チャンバC1を画成する第二の天井側壁26は、上部天井内空間Cを画成する第一の天井側壁23と、上部天井内空間Cを挟んで対向している。そして、互いに対向する第一の天井側壁23と第二の天井側壁26との間には吸込ダクト27が設置されており、上部天井内空間Cの一部を貫いて非高度清浄域S2と吸込チャンバC1とを連通している。
本第一実施例の場合、吸込ダクト27は互いに向かい合う第二の天井側壁26と第一の天井側壁23の間を水平方向に繋ぐダクト状の部材として構成され、第二の天井側壁26に設けた開口を入口(吸込口27a)とし、ここから還気A2を引き込むようになっている。上述の如く、吸込チャンバC1は非高度清浄域S2と水平方向に直に隣接してはいないが、両空間が吸込ダクト27により上部天井内空間Cの一部を通して連結される形である。吸込ダクト27の内部は、上部天井内空間Cとは隔絶されている。
吸込ダクト27および吸込口27aの設置位置は、第一の天井側壁23ないし第二の天井側壁26のなるべく上方(スラブ面22の直下)とすることが好ましい。後述する空気の循環のためであり、また加湿を効率よく行うためである。
また、第二の天井側壁26における吸込ダクト27とは別の箇所には連通口28が設けられており、この連通口28において、吸込チャンバC1と、上部天井内空間Cとが連通している。冷却ユニット6はこの連通口28に備えられており、吸込チャンバC1から上部天井内空間Cへ流れる還気A2の全量が、冷却ユニット6を通過するようになっている。吸込チャンバC1内における冷却ユニット6の前段には、さらに加湿ユニット29が設けられており、冷却ユニット6に到達する前の還気A2に対し加湿を行うようになっている。
加湿ユニット29は、図6に示す如き保水体30と加湿ファン31を備えた気化方式の加湿器である。保水体30と加湿ファン31は、方形の箱型のダクトチャンバ32の両側に互いに対向する形で設けられており、水を含ませた保水体30に対し加湿ファン31から空気を吹き付けることで、保水体30に保持された水を気化させ、空気を加湿するようになっている。保水体30は、一般的な気化方式の加湿器に用いられるような保水性の素材により構成され、外部から給水管33を通して水が供給されるようになっている。保水体30から下方に垂れた水は、保水体30の下方に設けたドレンパン34から排出される。この加湿ユニット29の加湿ファン31は、インバータなど回転数制御が外部信号により可能な回転数制御装置31aを備えている。高度清浄域S1に設置される湿度センサから送られる信号を湿度調節器により湿度設定値と湿度実測値の偏差から演算し、回転数制御装置31aへ例えば送電の最低周波数から定格周波数までに割り付けた回転数の信号により湿度の比例制御ができるようになっている。
このような構成を備えた加湿ユニット29が、図1〜図5に示す如く吸込チャンバC1内に配置される。保水体30および加湿ユニット29は、還気A2の流通する流路の断面に対して一部を占めるように配置されており、加湿ファン31を作動させると、吸込チャンバC1を流れる還気A2のうち一部が加湿ユニット29に引き込まれ、保水体30を通って加湿されて排出され、連通口28に流れる。加湿ユニット29に引き込まれない残りの還気A2は、加湿ユニット29および保水体30を迂回して連通口28に流れる。加湿ファン31を作動させなければ、還気A2はほぼ全量が加湿ユニット29に引き込まれることなく連通口28に流れる。
このように、本第一実施例における加湿ユニット29は気化方式を採用しているが、加湿量については加湿ファン31の回転数を制御することで自在に制御することができる。一般的な気化方式の加湿器の場合、エレメント(保水体30に相当)に保持される水の量が多く、上部の滴下水量を制御したところで通風に対して蒸発量を制限できず、加湿量を即時的に調整できないために加湿量を細かく制御することが難しいが、図6に示す如き加湿ユニット29であれば、気化方式を採用しつつ、還気A2全体量の部分であるが大きな割合を加湿ファン31で引き込んで加湿を乗せた空気量を加湿ファン31の回転数制御つまり風量制御でき、還気A2の流れに戻すことで、加湿量を比例制御することができる。これにより、加湿量を工業用クリーンルームに要求される精度で十分精密に制御することができるのである。
また、加湿ユニット29はスプレー方式の加湿器ではないので、気化していない水滴が還気A2に乗ってさえぎり部分で滴下飛散したり、さらに循環空気に乗って機器5等に空気中の塵埃などを含んだ汚い水滴として付着するといった事態について特に考慮する必要がない。したがって、吸込チャンバC1のような狭い空間にも支障なく設置することができ、限られたスペースに設置するにあたって有利である。
非高度清浄域S2の還気A2が冷却ユニット6を通って清浄前の室内向空気として上部天井内空間Cへ移動する際には、非高度清浄域S2から吸込ダクト27を通って一旦吸込チャンバC1に入り、そこから冷却ユニット6の設置された連通口28を通って上部天井内空間Cに到達する。この過程において、清浄前の室内向空気は送風ユニット2から高度清浄域S1に清浄室内向空気A1として送り込まれる前に、還気A2として通過した連通口28において冷却ユニット6で冷却される。さらに必要に応じ、冷却ユニット6において冷却される前に、吸込チャンバC1に設置された加湿ユニット29で加湿される。
こうして、上部天井内空間Cから送風ユニット2を介して高度清浄域S1に供給された清浄室内向空気A1は、機器5の排熱を回収しつつ非高度清浄域S2に流れて還気A2となり、さらに吸込ダクト27から吸込チャンバC1を経由し、連通口28から上部天井内空間Cへ清浄前の室内向空気として戻る。こうした空気の循環にかかる搬送力は、送風ユニット2の静圧により賄うことができ、冷却ユニット6における空気の通過や、吸込チャンバC1における空気の流通等に関し、特に送風のための機構を別途配置する必要はない(ただし、本発明を実施するにあたり、送風ユニット2だけで搬送力が不足するような場合には、冷却ユニット6や吸込チャンバC1等に送風のための機構を設置し、搬送力を補っても良い)。
以上のような空気の流れにおいて、加湿ユニット29が吸込チャンバC1に配置されていることは、加湿の効率の面でも有利である。非高度清浄域S2に到達した清浄室内向空気A1は、機器5の排熱を受け取って昇温し還気A2となり、さらに非高度清浄域S2の上部で熱溜まりを形成する(詳しい温度分布については、後に具体的な数値例を挙げて詳述する)。この熱溜まりにある高温の還気A2が吸込チャンバC1に引き込まれ、連通口28から上部天井内空間Cへ流れるのであるが、ここで吸込チャンバC1内に加湿ユニット29が設置されていると、非高度清浄域S2上部の熱溜まりから引き込まれた高温の還気A2が、連通口28に設けられた冷却ユニット6の前段で加湿ユニット29により加湿されることになる。すなわち、冷却ユニット6にて冷却される前の、高温の状態で絶対湿度がほとんど変わらないので乾いた湿度の低い空気に対して加湿が行われるため、素早く効率の良い加湿が可能である。また、この際、水の気化に伴って還気A2が冷却されることにもなるので、冷却ユニット6や、外調機7(図1参照)において要求される冷熱量を減らし、省エネルギーを図ることもできる。
尚、ここでは上部天井内空間Cの一端側に位置する空間を第二の天井側壁26により画成して吸込チャンバC1を形成した場合を例に説明したが、吸込チャンバC1を設置する位置や形式はこれに限定されない。吸込チャンバC1の役割は、上述の通り送風ユニット2から空気を送り出すにあたり、空気を冷却ユニット6に確実に通過させることにあり、この役割を好適に果たし得る限りにおいて、吸込チャンバC1としては種々の形式を採用し得る。
例えば、図7に別の実施例(第二実施例)として示す如く、搬送レール20の配置が異なる場合には、それに合わせて高度清浄域S1や吸込チャンバC1の配置も変更され得る。図7に示す例では、搬送レール20が平面視でT字状に配置されており、これに伴い、上方に送風ユニット2の設置された高度清浄域S1の形状も平面視でT字状になっている。そして、吸込チャンバC1と非高度清浄域S2とは、第二の天井側壁26を介して直接隣接している。冷却ユニット6は連通口28に設置され、加湿ユニット29は、吸込チャンバC1内における冷却ユニット6の前段に設置されている。非高度清浄域S2内の上方で熱溜まりを形成する還気A2は、第一の天井側壁23に設けた吸込口35から吸込チャンバC1に引き込まれ、加湿ユニット29で必要に応じて加湿されたうえ、冷却ユニット6で冷却され清浄前の室内向空気として連通口28から上部天井内空間Cに送られるようになっている。
図8はさらに別の実施例(第三実施例)を示しており、ここに示す例では、吸込チャンバC1や第二の天井側壁26、第二の天井25を省略し、非高度清浄域S2と上部天井内空間Cとを吸込口27aにて直接連通している。吸込口27aは非高度清浄域S2と上部天井内空間Cとを隔てる第一の天井側壁23に備えられ、冷却ユニット6はコイル部分が上部天井内空間C内に位置するように吸込口27aに設置されている。非高度清浄域S2の上部で熱溜まりを形成する還気A2は、第一の天井側壁23に設けられた連通口28を通り、冷却ユニット6で冷却され清浄前の室内向空気として上部天井内空間Cに送られる。加湿ユニット29は、非高度清浄域S2の上部で、且つ空気の流れに関して連通口28の手前の位置に設置され、冷却ユニット6の前段で連通口28に引き込まれる前の還気A2に対し加湿を行う。
このように、加湿ユニット29は、空間構成にかかわらず、冷却ユニット6の前段に設置すると、冷却される前で温度の高い空気に対して効率よく加湿を行うことができる。特に、図1〜図8に示した各実施例では、非高度清浄域S2で温度成層をなす還気A2に対して上部寄りの高さに冷却ユニット6を配置し、温度成層のうち床3よりも上方にあって特に温度の高い還気A2を引き込んで冷却するようにしており、このように配置された冷却ユニット6に対して前段に加湿ユニット29を設置することで、高い加湿効率を確実に実現できるようになっている。
このほか、例えば上部天井内空間C内の複数箇所に連通するように複数の吸込チャンバC1を設け、各吸込チャンバC1毎に冷却ユニット6を備えるといったこともできる。あるいは、上部天井内空間Cと隣接する場所以外に吸込チャンバC1を設置しても良いし、また例えば、ダクトもしくはチューブ状の空間として吸込チャンバC1を構成することもできる。こうした配置は、高度清浄域S1への適切な送風や、空気の冷却効率等を考慮して適宜決定すべきである。ただし、対象空間S内における床3上のスペースの有効利用や、冷却ユニット6における経済的な熱交換といった観点からは、図1〜8に示した各実施例の如く、吸込チャンバC1を上部天井内空間Cと同じ高さに形成すると共に吸込ダクト27や連通口28により空気の流路を形成し、連通口28または吸込口27aに備えた冷却ユニット6で空気を冷却するよう構成することが最も好ましく、且つ簡便である。
上記した第一実施例に関し、空気の循環、および室内における温度の分布を、さらに数値例を挙げつつ説明する。高度清浄域S1の上方の天井1には、送風ユニット2が所定の送風量や清浄度を満たし得るように適当な密度で設置されており、送風ユニット2から下向きに吹き出される清浄室内向空気A1は、送風ユニット2の設置数がある程度密に多くなっていて垂壁24により床方向へ導かれるので、ほぼダウンフローとなって高度清浄域S1に流れる。清浄室内向空気A1は、機器5の前面部5aを下向きに流れ、垂壁24の下端や機器5の端面を迂回する側方流れとなって非高度清浄域S2ヘ押し出される。機器5の前面部5aでの発熱量は、機器のそれ以外での発熱量に比べ半分以下例えば3割である。非高度清浄域S2では、機器5の発熱が多い部分の側方をなめながら清浄室内向空気A1は還気A2の流れとなり、天井1より上方に位置する吸込ダクト27の入口に向かうアップフローとなる。
送風ユニット2における吹出温度は一例として以下のように設定される。高度清浄域S1において接触するポッドや接触可能性のあるポッド内製品の温度条件、排気のための給気温度として例えば23℃に設定されていれば、送風ユニット2における吹出温度は20℃であり、天井搬送の発熱量や機器5の前面部5aの発熱量を処理して23℃となる。上部天井内空間Cから送風ユニット2を通って20℃で供給される清浄室内向空気A1は、下方の高度清浄域S1へ送り込まれ、搬送レール20や機器5の前面部5aへ吹き付けられる(図1〜図5参照)。搬送車21により搬送され、収容されるポッドが搬送車21から下降され機器5に受け渡される被加工物18は、送風ユニット2で浄化されて間のない清浄室内向空気A1を吹き付けられ、清浄に保たれる。
次に、清浄室内向空気A1は、機器5同士の間や、機器5と垂壁24との間、垂壁24と床3との間を抜けて非高度清浄域S2へ移る。非高度清浄域S2では被加工物18の受け渡しや搬送が行われないため、仮に高度清浄域S1から非高度清浄域S2へ至る途中で清浄室内向空気A1の清浄度が低下し還気A2となったとしても、その状態の還気A2が被加工物18に直接接触する虞はない。
上述の如く、機器5は前面部5aが高度清浄域S1へわずかに突出するように配置されており、清浄室内向空気A1は、高度清浄域S1から非高度清浄域S2へ移動するまでの間に機器5の前面部5aから排熱を受け取る。この過程で前面部5aから清浄室内向空気A1が受け取る排熱は、機器5全体の発熱の例えば3割程度である。
非高度清浄域S2に向かう清浄室内向空気A1は、さらに機器5の前面部5a以外の部分(背面部5b等)から排熱を受け取って昇温し還気A2となる。非高度清浄域S2は天井1が設置されず、スラブ面22が露出した直天井構造となっており、高温の還気A2は非高度清浄域S2をスラブ面22の近傍まで上昇し、熱溜まりを形成する。熱溜まりにおける還気A2の温度は、例えば30℃程度である。還気A2は機器5の前面部5aのように製品に触れる可能性はなく、排気に用いられる空気も前面部5aから機器へ導入されるので、機器内温度条件23℃より高くてよい。すなわち、機器5全体の排熱を受け取った結果、清浄室内向空気A1は吹出温度の20℃から10℃程度昇温する。前述のように、高度清浄域S1において清浄室内向空気A1が機器5の前面部5aから受け取る排熱は機器5全体の排熱の3割程度なので、非高度清浄域S2へ移行する直前における清浄室内向空気A1の温度は23℃程度である。これは、基板等である被加工物品18にとって適正な温度である。冷却ユニット6では、この機器5の前面部5aにおける適正温度23℃を保つため、非高度清浄域S2へ移行する直前の清浄室内向空気A1の温度を計測し、これに基づいて冷媒の温度等を調整し、熱交換量を制御する。
昇温した還気A2が非高度清浄域S2を上昇する際、非高度清浄域S2の上方と、上部天井内空間Cとの間に設けられた第一の天井側壁23が非高度清浄域S2を囲む形で鉛直の逆向き槽の如き役割を果たし、還気A2は、この逆向き槽状の空間で温度成層を形成しながらゆっくりと上方へ運搬されることになる。併せて、第一の天井側壁23の下方に設けられた垂壁24も同様の役割を果たす。尚、この温度成層の下方における清浄室内向空気A1から還気A2へなりかける途中の空気の温度は、機器5からの排熱を受け取りつつも周辺の冷えた清浄室内向空気A1と混合するため、25℃前後である。温度成層の上方においては還気A2で、上述の通り30℃程度である。ここで、非高度清浄域S2の平面積が高度清浄域S1の平面積と同等以上に設定されていると、全体としてゆっくりした清浄室内向空気A1の流れが形成されやすく、さらに安定した温度成層が形成されやすい。
また、垂壁24は、高度清浄域S1と非高度清浄域S2との間を隔てることで、送風ユニット2から高度清浄域S1に供給されて間もない清浄且つ比較的低温の清浄室内向空気A1に、非高度清浄域S2内の還気A2が混合することを抑える機能をも担っている。送風ユニット2から下方へ向かう清浄室内向空気A1の流れと、機器5の近傍から上方へ向かう還気A2の流れを垂壁24により分割することで、非高度清浄域S2内の還気A2の状態(温度や清浄度)が、高度清浄域S1内の清浄室内向空気A1の状態に大きく影響することを防いでいるのである。
尤も、高度清浄域S1に十分な数の送風ユニット2を配置し、送風ユニット2から下へ向かう清浄室内向空気A1の送風量を確保すれば、仮に垂壁24を設置しないとしても、高度清浄域S1において生じる強いダウンフローにより一定の清浄度を保つことは可能である。ただし、高度清浄域S1における清浄度をより確実に保持するためには、やはり垂壁24を設置することが好ましい。また、垂壁24は、上述の如く温度成層を形成する機能の点や、高度清浄域S1と非高度清浄域S2との清浄室内向空気A1と還気A2との温度差を確保するという点においても有用である。後述するように、空気の循環の観点から、両領域間における清浄室内向空気A1と還気A2との温度差はある程度高く保たれている方が有利である。
非高度清浄域S2の上方を囲む第一の天井側壁23の一部に設けられた吸込ダクト27の入口からは、非高度清浄域S2の上方で熱溜まりを形成する30℃程度の還気A2が、吸込チャンバC1へ引き込まれる。吸込チャンバC1に設置された加湿ユニット29の加湿ファン31がある回転数で作動している場合、吸込チャンバC1内の還気A2の一部は加湿ユニット29に引き込まれ、加湿されると共に冷却されて排出される。ここで、加湿ユニット29に引き込まれる還気A2の温度は30℃程度と高いので、保水体30における水の気化が効率よく進行し、加湿・冷却を効果的に行うことができる。
加湿ユニット29から排出された還気A2は、加湿ユニット29を迂回した還気A2と合流し、連通口28へ流れる。還気A2は、さらに連通口28に設けられた冷却ユニット6にて20℃程度の温度まで冷却されて上部天井内空間Cへ清浄前の室内向空気として戻され、送風ユニット2から除塵されたのち、高度清浄域S1へ清浄室内向空気A1として再度供給される。
以上のような空気の循環は、主に送風ユニット2におけるファンの動作により駆動されるが、このほかに、空気の比重差も機能する。すなわち、高度清浄域S1には20℃程度の清浄室内向空気A1が供給される一方、非高度清浄域S2には25℃前後〜30℃程度の相対的に高温で比重の小さい還気A2が位置することになり、こうした比重の差が手伝って、高度清浄域S1から垂壁24の下方を回り込んだ清浄室内空気が、非高度清浄域S2において垂壁24や第一の天井側壁23に囲まれた空間を上昇するのである。
一方、図11に示す如き従来例の場合、上述の如く、機器5全体に清浄室内向空気を吹き付けて機器5のどの部位においても適正温度(23℃程度45%RH程度)を保つために、送風ユニット2における吹出温度は発熱を処理した還気A2までの熱負荷100%を処理するため、室内で除湿が生じないようこの適正温度の露点温度でのドライコイルでの出口空気の冷却最大温度差8℃で処理できる15℃に設定される。清浄室内向空気A1は、ここから還気A2として床下へ抜けるまでの間に、機器5の排熱を受け取って23℃程度まで上昇する。そして、冷却ユニット6において15℃まで冷却され、再度送風ユニット2へ送られる。
このように、図11に示す上記従来例と、図1〜図5に示す第一実施例を比較すると、各所における空気の温度が合理的に異なってよいこととなり、本第一実施例では、空調システム全体の平均温度を上記従来例と比較して底上げしつつ、機器5周囲の温度は非高度清浄域S2においては25℃前後とし、高度清浄域S1に面する前面部5aでは23℃程度の適温を保つような制御が可能となっている。こうした温度設定は、従来例のように対象空間S全体における排熱量を基準として設定温度を決め、全体の温度を一律に管理するのではなく、対象空間S内に清浄室内向空気A1及び還気A2の温度が相対的に高い領域と低い領域を設定し、特に冷却を要する領域(本第一実施例の場合は、機器5の周辺、特に前面部5a付近)をその他の領域(本第一実施例の場合は、非高度清浄域S2の上方)よりも上流側とすることで実現されている。換言すれば、冷却された空気の供給対象を精密な温度制御が必要な高度清浄域S1に限定し、その他の領域における設定温度を上昇させることで、冷却に必要な冷熱量を小さくしているのである。
また、冷却ユニット6に供給される冷媒の冷却効率の点でも本第一実施例は有利である。従来例の場合、23℃の還気A2を冷却ユニット6で15℃まで冷却しなくてはならない。また、冷却ユニット6において空気中の水分が凝縮して予期せぬ除湿が生じないようにすることも考慮に入れ、冷却ユニット6に供給される冷媒の温度は、例えば入口で10℃、出口で15℃程度に設定される(23℃における相対湿度が45%の空気の場合)。一方、本第一実施例では、加湿ユニット29の加湿ファン31を作動させない場合、冷却ユニット6においては30℃の還気A2を20℃まで冷却することになる。この場合、冷却ユニット6に供給される冷媒の温度は、例えば入口で15℃、出口で20℃程度である。加湿ファン31を作動させて還気A2を加湿・冷却する場合は、30℃よりは多少低い温度となった還気A2を冷却ユニット6で冷却することになるが、そうであっても、冷媒の温度設定は従来例と比較すれば十分に高くなる。
冷却ユニット6に冷媒を供給する冷熱源(図示せず)においては、往き冷媒温度が高いほど、蒸発器と凝縮器との圧力差が小さくなることで冷熱発生量と圧縮機での仕事とのKW比率である成績係数COPが高くなる。したがって、図示しない前記冷熱源において冷媒の冷却のために消費されるエネルギーについても、本第一実施例であれば消費量を抑えることができるのである。さらに、中間期や冬季においては冷媒の冷却に外気の冷熱を利用したフリークーリングを行うことがあるが、往き冷媒温度が高ければ、それだけフリークーリングの利用できる期間は長くなり、いっそうの省エネルギー化を図ることができる。また無論、冷媒の温度が高ければ、その分だけ冷却ユニット6の表面における水分の凝縮はいっそう生じにくく、予期せぬ除湿が発生する心配もない。
空気の循環を駆動するエネルギーに関しても、本第一実施例では空気の比重差により駆動される割合が大きくなっており、ここでも省エネルギー効果を得ることができる。すなわち、従来例では清浄室内向空気A1の吹出温度は約15℃、機器5の排熱を受け取った後の温度は23℃前後であり、温度差は8℃程度であったが、本第一実施例では、清浄室内向空気A1の吹出温度は約20℃、非高度清浄域S2の上方で熱溜まりを形成する還気A2の温度は30℃程度であり、温度差は10℃程度である。空気の比重差は温度差に比例するため、本第一実施例の場合、空気の比重差による駆動力が大きくなる分、送風ユニット2において、空気の循環に必要なファンの駆動エネルギーが小さく済む。
ここで、上述の如く吸込ダクト27の入口である吸込口27aがスラブ面22の直下に設置されていると、非高度清浄域S2の上方で熱溜まりを形成する30℃程度の温度の高い還気A2を吸込ダクト27から定常的に吸い込み、冷却することになる。冷熱を運搬する空気の温度差が、上記従来例では8℃程度であるところ、本第一実施例では10℃ほどの大温度差となるので、同じ熱量を運搬するのに必要な風量は8/10となり、送風量を2割も減らすことができる。また、比重差による駆動力を得る上でもより有利である。
尚、ここでは外調機7(図1参照)を備えた空調システムを例示したが、要求される外気量に伴う加湿量や冷熱量、クリーンルームおよびその周辺のレイアウト、その他の条件によっては、外調機を備えず、温度および湿度の調整の全部を室内の冷却ユニット6と加湿ユニット29で賄うことも原理的には可能である。
図9、図10は本発明の第四実施例による空調システムを示している。本第四実施例では、従来の一般的な温度成層型の空調システムに対し、上述の如き加湿ユニット29を設置している。工場や体育館等、大空間を有する建物50のペリメータゾーンの床51付近には、多数の孔が設けられたパンチングメタル等により形成された給気部としての給気ユニット52が複数備えられており、給気ユニット52の背面側には、各給気ユニット52に対して空調空気A4を送り込む温度調整部としての空調機53が接続されている。給気ユニット52の上方には吸込口54が設置され、建物50内の室内空気A5を還気A6として還気ダクト55に引き込み、空調機53へ循環し給気ユニット52から吹出すようになっている。
夏季冷房時には、冷房用の空調空気A4が空調機53から給気ユニット52へ送り込まれ、給気ユニット52から建物50内の床51に沿って低速で吹き出される。建物50内の対象空間Sでは、空調空気A4の床付近の供給により室内空気A5の温度が床上レベルから下がり、また、室内の熱負荷により緩やかな上昇気流が発生した後に、温度差で混じらない空気層が生じてきて、結果室内空気A5による温度成層が形成される。吸込口54からは、室内の熱負荷によって給気ユニット52における吹出温度よりは高温になった室内空気A5が吸い込まれ、還気A6として空調機53へ循環される。建物50内の対象空間Sの屋根近辺の高い空気層は、空調機53へ循環するよりも排気してしまったほうがエネルギ的には省エネとなるので排気し、排気分の外気を外壁の下部分から緩やかに導入する。
また、冬季暖房時には、暖房用の空調空気A4が空調機53から給気ユニット52へ送り込まれ、給気ユニット52から建物50内へ吹き出され、室内空気A5の温度が上昇する。給気ユニット52より上方の吸込口54からは、床51付近よりは温度の高い室内空気A5が吸い込まれ、還気A6として空調機53へ循環される。この上方の吸込み口54の高さ位置とその設置数により、成層空調の温度成層を吸込み口54の下に形成でき、天井部分を切り離すことも可能である。
このような本第四実施例の空調システムにおいて、建物50内の床51の上方で吸込口54の手前の位置には、上記第一〜第三実施例と同様の加湿ユニット29(図6参照)が設置されている。吸込口54からは、上述の如く温度の高い室内空気A5が還気A6として引き込まれ、空調機53により温度を調整されるが、その前段において冬期暖房時にも、室内空気A5の中でも温度の高い温度成層部分の空気に対して加湿ユニット29により加湿を行うので、効率の良い加湿が可能である。
あるいは、図9中に破線にて示す如く、風量が多くダクト内風速が緩やかならば、還気ダクト55の途中に加湿ユニット29を備え、還気A6に対して加湿を行うようにしても良い。この場合も、温度の高い還気A6に対して加湿ユニット29により加湿を行うので、効率の良い加湿が可能である。
尚、空気を加湿ユニット29により加湿しようとする場合、温度成層における吸込口54の位置は高いほど加湿の対象とする空気の温度が高く、加湿の効率は向上するが、冷房時における空調機53の運転を考えた場合、冷却対象である還気A6の温度があまり高いと、冷却効率はかえって低下してしまう。したがって、温度成層のうち下部の領域を特に温度調整の対象とする場合、吸込口54の位置は、温度成層の最上部よりは、温度調整の対象とする領域の上部に設定すると、加湿の効率と冷却の効率を両立させることができ、好ましい。また、図9中に実線にて示す如く加湿ユニット29を吸込口54の手前に設ける場合、加湿ユニット29を設置する高さは、建物50の床51よりは高く設定すべきであるが、吸込口54の高さを超えないようにすると、特に好ましい。
このように、本発明は、図1〜図8に示したようなクリーンルームに限らず、対象空間Sにおいて空気が温度成層を形成する温度成層型の空調システムであれば適用することができる。すなわち、対象空間Sのうち、温度成層が形成される領域における床51よりは上の位置に吸込口(吸込口27aまたは吸込口54)を設け、該吸込口27a,54から引き込まれ、温度調整部(冷却ユニット6または空調機53)に至る温度の高い空気に対し、気化方式の加湿器(加湿ユニット29)で加湿を行うことにより、気化方式の加湿ユニットを用いて効率よく加湿することができるのである。
以上のように、上記各実施例は、対象空間Sにおいて空気が温度成層を形成する温度成層型の空調システムであって、温度成層が形成される領域における床3,51より上の位置に設けた吸込口27a,54と、吸込口27a,54から引き込んだ空気の温度を調整する温度調整部(冷却ユニット6、空調機53)と、温度調整部6,53にて温度を調整された空気を対象空間Sに送り出す給気部(送風ユニット2、給気ユニット52)と、吸込口27a,54の高さから引き込まれ、温度調整部6,53へ至る空気を加湿する加湿ユニット29とを備え、加湿ユニット29は、水を保持する保水体30と、該保水体30に対して空気を吹き付ける加湿ファン31とを備えていることを特徴とする空調システムにかかるものである。このようにすると、温度調整部6,53により冷却される前の空気を加湿ユニット29により加湿することで、効率よく加湿を行うことができる。また、加湿器として気化方式の加湿ユニット29を採用しつつ、加湿ファン31のオンオフを介した時間比例制御により、加湿量を精密に制御することができる。
としている。
一部の実施例において、加湿ユニット29は、前記加湿ファン31の回転数を制御できる回転数制御装置31aを備えている。このようにすると、加湿の精密な制御ができて室内の湿度制御の一定化の点でいっそう好適である。
一部の実施例においては、温度成層のうち下部の領域を温度調整の対象とし、吸込口27a,54は、温度調整の対象とする領域の上部の位置に設けている。このようにすると、加湿の効率と冷却の効率を両立させることができる。
一部の実施例においては、加湿ユニット29を、吸込口27a,54の前段に設けた構成としている。
各実施例においては、加湿ユニット29を、吸込口27a,54から温度調整部6,53に至る経路に設けた構成としている。
一部の実施例は、クリーンルームである対象空間Sのうち、他の領域に比べて高い清浄度の要求される領域を高度清浄域S1に設定すると共に、該高度清浄域S1以外の領域を非高度清浄域S2に設定し、高度清浄域S1の上方に、浄化した空気を下方へ向けて供給する前記給気部としての所定数の送風ユニット2を備え、高度清浄域S1に供給された空気は、床3上を通って非高度清浄域S2に至り、該非高度清浄域S2内を上昇し、送風ユニット2から再度高度清浄域S1に供給されるよう構成され、非高度清浄域S2を上昇して送風ユニット2へ至る空気を冷却する前記温度調整部としての冷却ユニット6と、冷却ユニット6の前段において空気を加湿する加湿ユニット29とを備えている。こうすることにより、空気の浄化に係るコストを節減すると共に、高度清浄域S1では高い清浄度を実現することができる。また、高度清浄域S1に対し空気をダウンフローにて供給することができ、且つ空気の循環に床下の空間を利用する必要がない。
一部の実施例においては、高度清浄域S1と非高度清浄域S2との間における床3より上方の位置に、鉛直方向に沿って延びる垂壁24を備えている。このようにすると、高度清浄域S1を送風ユニット2から下方へ向かう空気の流れと、非高度清浄域S2を上方へ向かう空気の流れを垂壁24で分割することにより、非高度清浄域S2内の空気の状態が、高度清浄域S1内の空気の状態に大きく影響することを防ぐことができる。また、垂壁24が非高度清浄域S2を囲む逆向き槽の一部としての役割を果たすことにより、安定した温度成層が形成されやすくなる。
一部の実施例において、高度清浄域S1の上方には、送風ユニット2と送風ユニットの無いところに載置される閉鎖パネル2aとが設置された天井1が位置し、天井1の上側の空間は、天井側壁23により天井内空間Cとして画成され、送風ユニット2は、天井内空間C内の空気を高度清浄域S1へ供給するよう天井1に設置され、冷却ユニット6および加湿ユニット29は、天井1から上方に設置された構成としている。このようにすると、冷却された空気の供給対象を精密な温度制御が必要な高度清浄域S1に限定し、その他の領域における設定温度を上昇させることで、冷却に必要な冷熱量を小さくすることができる。
一部の実施例において、非高度清浄域S2の室壁側の一部上方には第二の天井25が位置し、第二の天井25の上側の空間は、第二の天井側壁26により吸込チャンバC1として画成され、冷却ユニット6は、吸込チャンバC1から天井内空間Cへ至る経路に設置され、加湿ユニット29は、吸込チャンバC1に設置され、非高度清浄域S2から天井内空間Cへ移動する空気は、第二の天井側壁26に備えた吸込口27aから吸込チャンバC1を経由し、送風ユニット2により高度清浄域S1に供給されるよう構成している。
一部の実施例において、第二の天井25は、天井1と同じ高さで連続し、吸込チャンバC1は、天井内空間Cと隣接する構成とすることができる。このようにすると、第二の天井25にかかる設置の手間やコストの面で簡便である。
一部の実施例は、天井側壁23に、非高度清浄域S2内の空気を天井内空間Cへ導く吸込口27aを備え、吸込口27aに冷却ユニット6を備え、非高度清浄域S2内における冷却ユニット6の前段に加湿ユニット29を備えた構成としている。
したがって、上記各実施例によれば、加湿を効率よく行い得る。
尚、本発明の空調システムは、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 天井
2 送風ユニット
2a 閉鎖パネル
3 床
6 冷却ユニット
18 被加工物
19 天井搬送装置
20 搬送レール
23 天井側壁
24 垂壁
25 第二の天井
26 第二の天井側壁
27a 吸込口
28 連通口
29 加湿ユニット
30 保水体
31 ファン
31a 回転数制御装置
C 天井内空間(上部天井内空間)
C1 吸込チャンバ
S 対象空間
S1 高度清浄域
S2 非高度清浄域

Claims (11)

  1. 対象空間において空気が温度成層を形成する温度成層型の空調システムであって、
    温度成層が形成される領域における床より上の位置に設けた吸込口と、
    吸込口から引き込んだ空気の温度を調整する温度調整部と、
    前記温度調整部にて温度を調整された空気を前記対象空間に送り出す給気部と、
    前記吸込口の高さから引き込まれ、前記温度調整部へ至る空気を加湿する加湿ユニットとを備え、
    前記加湿ユニットは、
    水を保持する保水体と、
    該保水体に対して空気を吹き付ける加湿ファンと
    を備えていることを特徴とする空調システム。
  2. 前記加湿ユニットは、前記加湿ファンの回転数を制御できる回転数制御装置を備えていることを特徴とする請求項1に記載の空調システム。
  3. 温度成層のうち下部の領域を温度調整の対象とし、
    前記吸込口は、温度調整の対象とする領域の上部の位置に設けられていること
    を特徴とする請求項1または2に記載の空調システム。
  4. 前記加湿ユニットは、前記吸込口の前段に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の空調システム。
  5. 前記加湿ユニットは、前記吸込口から前記温度調整部に至る経路に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の空調システム。
  6. クリーンルームである前記対象空間のうち、他の領域に比べて高い清浄度の要求される領域を高度清浄域に設定すると共に、該高度清浄域以外の領域を非高度清浄域に設定し、
    前記高度清浄域の上方に、浄化した空気を下方へ向けて供給する前記給気部としての所定数の送風ユニットを備え、
    前記高度清浄域に供給された空気は、床上を通って前記非高度清浄域に至り、該非高度清浄域内を上昇し、前記送風ユニットから再度前記高度清浄域に供給されるよう構成され、
    前記非高度清浄域を上昇して前記送風ユニットへ至る空気を冷却する前記温度調整部としての冷却ユニットと、
    前記冷却ユニットの前段において空気を加湿する前記加湿ユニットとを備えたこと
    を特徴とする請求項5に記載の空調システム。
  7. 前記高度清浄域と前記非高度清浄域との間における床より上方の位置に、鉛直方向に沿って延びる垂壁を備えたこと
    を特徴とする請求項6に記載のクリーンルームの空調システム。
  8. 前記高度清浄域の上方には、前記送風ユニットと送風ユニットの無いところに載置される閉鎖パネルとが設置された天井が位置し、
    前記天井の上側の空間は、天井側壁により天井内空間として画成され、
    前記送風ユニットは、前記天井内空間内の空気を前記高度清浄域へ供給するよう前記天井に設置され、
    前記冷却ユニットおよび前記加湿ユニットは、前記天井から上方に設置されること
    を特徴とする請求項7に記載の空調システム。
  9. 前記非高度清浄域の室壁側の一部上方には第二の天井が位置し、
    前記第二の天井の上側の空間は、第二の天井側壁により吸込チャンバとして画成され、
    前記冷却ユニットは、前記吸込チャンバから前記天井内空間へ至る経路に設置され、
    前記加湿ユニットは、前記吸込チャンバ内に設置され、
    前記非高度清浄域から前記天井内空間へ移動する空気は、前記第二の天井側壁に備えた前記吸込口から前記吸込チャンバを経由し、前記送風ユニットにより前記高度清浄域に供給されること
    を特徴とする請求項8に記載の空調システム。
  10. 前記第二の天井は、前記天井と同じ高さで連続し、前記吸込チャンバは、前記天井内空間と隣接すること
    を特徴とする請求項9に記載の空調システム。
  11. 前記天井側壁に、前記非高度清浄域内の空気を前記天井内空間へ導く前記吸込口を備え、
    前記吸込口に前記冷却ユニットを備え、
    前記非高度清浄域内における前記冷却ユニットの前段に前記加湿ユニットを備えたこと
    を特徴とする請求項8に記載の空調システム。
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