JPH09324930A - 空気調和装置 - Google Patents

空気調和装置

Info

Publication number
JPH09324930A
JPH09324930A JP14438996A JP14438996A JPH09324930A JP H09324930 A JPH09324930 A JP H09324930A JP 14438996 A JP14438996 A JP 14438996A JP 14438996 A JP14438996 A JP 14438996A JP H09324930 A JPH09324930 A JP H09324930A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
water
wet
wet plate
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14438996A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Inaba
仁 稲葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takasago Thermal Engineering Co Ltd
Original Assignee
Takasago Thermal Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takasago Thermal Engineering Co Ltd filed Critical Takasago Thermal Engineering Co Ltd
Priority to JP14438996A priority Critical patent/JPH09324930A/ja
Publication of JPH09324930A publication Critical patent/JPH09324930A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Central Air Conditioning (AREA)
  • Air Humidification (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で小型ながら、恒温高湿でクリー
ンな空気が得られる空気調和装置を得る。 【解決手段】 部屋1の給気口2と排気口3をダクト4
で接続し空気循環系を形成し、ダクト4内に送風機5を
湿板ユニット10を設置する。湿板ユニット10は、屏
風状をなす多数の湿板を湿板の表面が空気の流れと対面
するように配列し、湿板の表面を上から下に水が流れる
ように構成する。湿板ユニット10には湿板に流す水を
給水装置30によって給水する。給水装置30は水精製
器31と熱交換器32とポンプ33とで構成し、冷温水
発生器40から熱交換器32に給水される冷温水が、湿
板ユニット10に給水される水を所定の温度に加熱、冷
却する。冷温水発生器40は部屋1内に設置した温度セ
ンサ6によって制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気調和装置に関す
るものであり、特に、恒温高湿な環境を形成する場合に
好適な空気調和装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】環境設定
には恒温高湿を最適とする場合が少なくない。例えば、
野菜等の生鮮食品の保存には低温で高湿な環境が適して
おり、きのこ栽培には所定の温度に制御された高湿な環
境が適している。
【0003】このような環境をつくる場合、従来は通
常、温度と湿度の調整をそれぞれ別々の機器で行ってい
る。即ち、温度については、温度センサで検出した部屋
の温度に基いて、空気処理風道内に設置した冷却または
加熱コイルに冷水や温水あるいは蒸気を供給しコイルと
空気との熱交換により調整するか、または、電気ヒータ
の容量制御を行い、電気ヒータからの放熱によって調整
している。一方、湿度については、湿度センサで検出し
た部屋の湿度に基づいて、蒸気噴霧や水噴霧あるいは濡
れ面からの気化等を利用した加湿専用機により調整して
いる。
【0004】この方法では、複数の機器、センサが必要
で、大きな設備スペースが必要であるとともに、イニシ
ャルコストが高くなるという不具合がある。また、この
方法では、空気中のガス状不純物や浮遊塵埃を除去する
能力がなく、これらを除去する必要がある場合には、上
述構成に加えて更にケミカルフィルタや除塵フィルタを
装備しなければならないが、これらフィルタは寿命が短
く、短い周期で定期的に新しいフィルタに交換するメン
テナンスが必要で、面倒であるばかりでなく、ランニン
グコストを上昇させる原因にもなるという不利点があっ
た。また、これらフィルタは送風時の圧力損失が大きい
ため大きな送風動力を必要とし、これもランニングコス
トを上昇させる原因となり不利であった。
【0005】更に、浮遊塵埃のなかの菌類についていえ
ば、菌類はHEPA等の高性能フィルタを用いると除去
できるが、このフィルタは乾式であるため、高湿な空気
を通過させると目詰まりを起こす可能性が非常に高く、
フィルタの交換頻度を低く抑えるためには相対湿度90
%以上の空気を通すことはできない。高湿な雰囲気で乾
式の高性能フィルタを使った場合、補足された菌類がフ
ィルタに蓄積され更に繁殖を促進して、フィルタの下流
側に漏洩する虞れもある。したがって、このような条件
下で高性能フィルタを使う場合には、一旦昇温するか除
湿するかによって空気の相対湿度を下げてから通さなけ
ればならない。
【0006】恒温高湿環境を形成する別な方法として
は、特開昭58−214732号公報や特開昭62−1
49318号公報等に開示されているように、エアワッ
シャを利用したものもある。この方法は、空気の温度調
整と湿度調整を同時に行うことができる点と、ある程度
の空気中の可溶性ガス及び浮遊塵埃を除去できる能力を
有している点で、前述の従来法よりも優れている。
【0007】しかしながら、この方法において可溶性ガ
ス及び浮遊塵埃に対する高い除去性能を得るためには、
大量の水を小粒径で噴霧する必要があり、使用水量が多
くなってランニングコストが高くなるという不利点があ
る。また、この方法の場合には、風道の下流に水滴を捕
集するためのエリミネータを設置して、噴霧した水滴が
風道の下流に漏洩しないようにする必要がある。そのた
め、この方法には、全体の設備スペースが大きくなると
ともに、設備コストが高くなるという不利点がある。
【0008】一方、本出願人は、特公平8−30594
号公報に開示するような湿板式の空気調和装置を開発し
ている。この装置は、風道内に、保水性を有する板状の
湿板を多数並べて設置し、湿板には所定温度に制御され
た水を上から下に流し、各湿板間を空気が流れるように
構成されている。尚、この装置では、湿板はその表面が
空気の流れ方向と平行をなすように配置されている。こ
の装置においても、空気の温度調整と湿度調整を同時に
行うことができ、また、ある程度の空気中の可溶性ガス
及び浮遊塵埃を除去することができる。
【0009】しかしながら、この湿板式の空気調和装置
の場合、湿板をその表面が空気の流れ方向と平行をなす
ように配置しているので、余り高い熱交換効率や加湿効
率を得ることができない。そして、高い調温調湿性能を
得るには気液接触面積を大きくする必要があり、そのた
めには大きな湿板が必要になるが、湿板の表面を空気の
流れ方向と平行をなすように配置したこの装置では、湿
板を大きくすることによって装置全体が非常に大きくな
る。その結果、大きな設備スペースが必要になるととも
に、設備コストが高くなる。また、高い調温調湿性能を
得るとなると使用水量も多くなり、ランニングコストも
高くなる。
【0010】更に、この装置では、湿板の表面を空気の
流れ方向に対して平行になるように湿板を配置している
関係で、空気が湿板に衝突せず通過するため、湿板表面
の水に接触しないで通過してしまう空気の割合が大き
く、可溶性ガスや浮遊粒子に対する除去能力が低かっ
た。
【0011】本発明はこのような従来の技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、小型ながら調温調湿性能、
ガス除去性能、浮遊粒子除去性能に優れ、恒温高湿環境
を造るのに適した空気調和装置を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、以下の手段を採用した。本発明は、保水性
を有する複数の湿板を部屋の給気口に連なる空気流路に
設置し、液体供給装置によって所定温度に制御された液
体を前記湿板に供給して湿板を湿らせ、前記湿板間を通
過した空気を前記給気口から前記部屋の内部に送風する
空気調和装置において、前記湿板が空気の流れと対面す
るように設置されていることを特徴とする空気調和装置
である。
【0013】この空気調和装置では、空気が湿板間を通
過する時に、液体と空気との熱交換により空気の温度が
冷却あるいは加熱され、湿板を流れる液体の蒸発により
空気の湿度が上昇する。また、湿板の表面に形成される
液膜と空気が気液接触することにより、空気中の可溶性
ガス成分が液中に溶け込んで空気中の可溶性ガス濃度が
下がり、空気中の浮遊粒子が湿板の表面の液膜に慣性衝
突することにより浮遊粒子は液膜に捕獲され空気中の浮
遊粒子濃度が下がる。湿板の表面が空気の流れと対面す
るように湿板が設置されているので、気液接触が効率よ
く行われるとともに、浮遊粒子が湿板に衝突する確率が
非常に大きい。
【0014】前記部屋は、野菜やきのこ等の生鮮食品を
保存するための部屋であってもよいし、植物やきのこ等
の栽培室であってもよいし、魚介肉類等の非冷凍下にお
ける保存室であってもよいし、練り製品等の保存室であ
ってもよいし、繊維工場であってもよい。要するに、恒
温高湿を必要とする部屋であれば、どのような目的で使
用しても構わない。恒温とは低温であってもよいし、常
温であってもよしし、高温であってもよく、一定温度で
あれば温度の高低には特に限定されない。
【0015】湿板への液体の供給方法は、湿板の上方に
設けた給水パンに液体を供給し、給水パンから湿板に液
体を染み込ませるようにして供給してもよいし、あるい
は、湿板の上流側の斜め上方から液体をスプレーして供
給するようにしてもよい。いずれにしても、湿板を常に
濡れた状態に維持し且つ湿板の表面を上から下に液体が
流れるようにできれば、どのような供給方法であっても
構わない。
【0016】湿板を空気の流れと対面するように設置す
るというのは、湿板の表面を空気の流れ方向と直交する
ように配する場合だけをいうのではなく、空気の流れ方
向に対して斜めに向けて配する場合も含むものである。
また、湿板は平板状に限るものではなく、横断面がくの
字形や円弧状等、種々の形状のものが採用可能である。
【0017】空気流路は循環路としてもよいし、ワンパ
スの流路としてもよい。循環路とする場合には、湿板よ
りも上流側の空気流路を部屋の排気口に接続し、空気を
循環せしめる送風機を空気流路内などに設置する。
【0018】液体供給装置は、湿板を流下した後の液体
を回収し、回収した液体を液体精製器に通してこの液体
から不純物を除去し、温度制御した後に再び湿板に供給
する循環系に構成することも可能である。勿論、液体供
給装置から湿板に供給された液体は湿板を流下した後に
廃棄するワンパスにしても構わない。液体供給装置によ
り湿板に供給される液体としては水を例示することがで
きる。液体供給装置における液体の温度制御は、部屋の
室温あるいは空気流路内の空気温度を検出する温度検出
手段に基いて行うのが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
から図11の図面に基いて説明する。
【0020】〔第1の実施の形態〕初めに、本発明の第
1の実施の形態における空気調和装置の概略構成を図1
のフローダイヤグラムと図2の要部斜視図を参照して説
明する。
【0021】部屋1は恒温高湿な室内雰囲気を必要とす
る部屋であり、給気口2と排気口3を備えている。給気
口2と排気口3は部屋1の外部においてダクト(空気流
路)4を介して接続されており、このダクト4を介して
部屋1内の空気を循環させることができるようになって
いる。ダクト4の内部には、給気口2より上流側に湿板
ユニット10が設置され、湿板ユニット10よりも更に
上流側に送風機5が設置されている。
【0022】湿板ユニット10は、上部の給水パン11
と下部の排水パン12との間に多数の湿板20を設置し
て構成されている。給水パン11は矩形皿形をなし、給
水装置(液体供給装置)30から給水される水を所定の
水位で貯溜できるように形成されている。排水パン12
も矩形皿形をなし、湿板20を流れ落ちた水を受け入れ
ることができるように形成されている。
【0023】図5は一枚の湿板20の斜視図である。湿
板20は保水性を有する素材で形成されており、湿板2
0の横断面形状は、「く」の字を複数連続的に接続した
如く、屏風状をなしている。このように形成された多数
の湿板20は、図4の平面配置図に示すように、隣同士
が一定寸法の間隔を開けて互いに平行をなして重なるよ
うに配置されており、ダクト4内の空気の流れ方向(図
4及び図5において矢印A)に対して湿板20の重なり
方向が直交するように配されている。即ち、湿板20は
空気の流れに対面して設置されている。
【0024】各湿板20の下部は適宜の手段により排水
パン12の上面に固定されており、各湿板20の上部は
給水パン11に貫通状態に固定されている。図3は給水
パン11と湿板20の連結部の斜視図であり、給水パン
11には湿板20の断面形状及び寸法に対応する溝13
が形成されていて、この溝13に湿板20の上端を嵌入
させている。尚、湿板20の上端を給水パン11の天面
と面一にしてもよいし、天面から若干突出させてもよ
い。
【0025】また、給水パン11は金属やプラスチック
で形成するのが一般的であるが、湿板20と同じ素材で
形成しても構わない。給水パン11を湿板20と同じ素
材で形成した場合には、成型が容易であるという利点
と、少量の水を供給する場合に偏流を起こさずに全湿板
20に均一に水を供給することができ、全湿板20に均
一に湿面を形成することができるという利点がある。
【0026】この湿板20を構成する素材は次の条件を
満たすのが好ましい。 吸水率が40%以上であること。吸水率とは湿板の
容積に対する水の吸水体積の比をいう。 気孔率が50%以上であること。気孔率は空隙率と
同義である。 水吸い上げ時間が120秒以下であること。水吸い
上げ時間とは、厚さ1mmの平板状の湿板を垂直姿勢に
してその一端側を水中に没入して浸した時に、水面から
5cm上まで水を吸い上げるのに要する時間をいい、即
ち、水吸い上げ速度を意味する。
【0027】上記条件を満たす湿板20の素材として
は、ユニチカ株式会社製の商品名「ユニベックシート」
を例示することができる。
【0028】給水パン11に水を供給する給水装置30
は、水精製器(液体精製器)31と、熱交換器32と、
送水ポンプ33と、これらを接続する配管34とから構
成されている。送水ポンプ33で送水された水は給水パ
ン11に所定の水位に溜まり、給水パン11に設けた各
溝13から各湿板20に供給される。湿板20に給水さ
れた水の一部は湿板20の内部を通過して流れ落ち、他
は湿板20の表面に沿って流れ落ちる。いずれの部位を
流れるにせよ、湿板20を流下した水は排水パン12に
流れ込む。排水パン12に溜まった水は水精製器31を
通り、熱交換器32を通って、再び送水ポンプ33のサ
クションに導かれる。即ち、水の流路は循環系に構成さ
れている。
【0029】尚、この実施の形態における水精製器31
は、フィルタ等からなる微粒子除去手段と、イオン交換
樹脂や活性炭等からなるガス状不純物除去手段と、紫外
線灯等からなる殺菌手段を備えており、水精製器31に
は補給管35と排水管36が接続されている。また、従
来からある純水製造装置を水精製器31として利用する
ことも可能である。
【0030】熱交換器32には冷温水発生器40により
所定の温度に制御された水が供給管41から供給されて
おり、この熱交換器32において、冷温水発生器40か
らの水と湿板ユニット10からの水との間で熱交換が行
われ、湿板ユニット10に給水される水を所定の温度に
冷却あるいは加熱することとなる。
【0031】冷温水発生器40の運転は部屋1の内部に
設置された温度センサ(温度検出出手段)6のモニタ値
に基づき制御装置42によって制御され、これにより冷
温水発生器40から熱交換器32に送られる水が設定温
度に制御される。尚、温度センサ6は排気口3近傍のダ
クト4内に設置しても構わない。
【0032】冷温水発生器40から熱交換器32への給
水量は三方自動弁43によって制御される。三方自動弁
43は、入口ポートを冷温水発生器40に接続され、第
1出口ポートを熱交換器32に連なる供給管41に接続
され、第2出口ポートを冷温水発生器40に連なるバイ
パス管44に接続されており、制御装置50により開度
制御されて第1出口ポートと第2出口ポートへの流量比
率が制御され、これにより熱交換器32への給水量を制
御するようになっている。このようにして冷温水発生器
40の運転制御と熱交換器32への流量制御により、空
気調和装置への給水温度が所定温度に精密に制御され、
室内の恒温化が達成される。
【0033】次に、この空気調和装置の作用を説明す
る。冷温水発生器40と給水装置30を運転して、所定
温度に調整された清浄な水を湿板ユニット10に供給す
る。給水パン11に供給された水は各湿板20にほぼ均
一に浸透していき、各湿板20の全面を下方に流れ、各
湿板20の全面を常に濡れた状態に維持し、各湿板20
の全表面に水膜を形成する。
【0034】送風機5を運転して部屋1内の空気をダク
ト4を介して循環させると、空気は湿板ユニット10に
おいて各湿板20の間を通過する。湿板20間を通過す
る空気は、湿板20の表面に衝突するたびに流れ方向を
変えながら、連続した「く」の字状に流れる。
【0035】この時に、水と空気が気液接触して熱交換
を行い、空気が所定の温度に昇温あるいは冷却される。
これと同時に湿板20から水が蒸発し、空気は相対湿度
を90%以上100%近くまで加湿される。
【0036】また、空気が湿板20の表面の水膜に衝突
して気液接触するので、空気に含まれる可溶性ガス成分
の多くが湿板20の表面の液中に溶け込み、空気中から
除去される。これと同時に、空気中の浮遊粒子のうち所
定の大きさ及び質量以上のものは、慣性力によって湿板
20の表面の水膜に衝突し、その結果、水膜に捕獲され
て空気中から除去される。
【0037】つまり、湿板ユニット10を通過すること
によって、空気は所定の温度、湿度に調整され、可溶性
ガス濃度及び浮遊粒子濃度を下げられて、部屋1に供給
される。その結果、部屋1内を相対湿度90%以上の恒
温高湿で且つ清浄な雰囲気に維持せしめることができ
る。
【0038】尚、浮遊粒子のうち菌類について限って言
えば、湿板ユニット10を1回通過させただけでは菌類
に対する除去率は60〜80%しか得られず100%除
去するのは難しいが、この実施の形態では部屋1の空気
をダクト4を介して循環させているので、1パスで60
〜80%の除去率であっても、部屋1内の菌類濃度を1
0分の1以下に下げることができる。
【0039】湿板ユニット10において捕獲された空気
中の粒子(菌類を含む)及び可溶性ガス成分は、水と共
に湿板20を流れ落ち排水パン12に流れ込む。この水
は水精製器31に送られ、ここで水中の粒子及び可溶性
ガス成分が除去され、滅菌されて精製される。したがっ
て、湿板20において菌類が蓄積したり繁殖したりする
ことがない。
【0040】水精製器31で精製された水は熱交換器3
2で温度調整され、送水ポンプ33によって再び湿板ユ
ニット10に供給される。尚、空気を加湿することによ
って水が失われるので、補給水が補給管35から水精製
器31に補給される。
【0041】この空気調和装置では、部屋1を恒温高湿
で且つクリーンな環境に維持することができるだけでな
く、次のような点で有利である。この空気調和装置では
湿度センサを必要とせず、温度センサ6による温度管理
だけを行えばよいので、運転管理が極めて簡単である。
湿度センサは定期的な校正が必要不可欠であり面倒であ
った。
【0042】従来のエアワッシャ式の空気調和装置で
は、噴霧ノズルにおいて相当大きな圧力損失が生じるの
で大きなポンプ動力が必要であった。しかしながら、こ
の空気調和装置におけるポンプ33では、給水パン11
に揚水できるだけの能力があればよく、小さいポンプ動
力で足り、ランニングコストも低減する。
【0043】この空気調和装置によれば、高い調温調湿
効率を有しながら、装置の小型化を図ることができ、設
備スペースの縮小化、及び、設備コストの低減化を図る
こともできる。また、エアワッシャ式の空気調和装置に
比べて使用水量は極めて少なくて済み(例えば、熱負荷
が少ない場合であれば10分の1以下で済む)、ランニ
ングコストを低減することができる。更に、湿板20の
寿命が長く、経済的である。
【0044】この空気調和装置は部屋1の利用目的によ
っても以下に例示するような効果がある。 (i)部屋1を野菜やキノコ等の生鮮食品の保存庫とし
て利用した場合には、庫内が恒温高湿であり、且つ鮮度
劣化を促進する雑菌やガス成分濃度が低いので、鮮度の
長期維持が可能となる。
【0045】(ii)部屋1を魚介類や肉類等の非冷凍で
の短期保存庫として利用した場合には、非冷凍下での鮮
度維持期間が長くすることができ、冷凍品よりも美味な
魚介肉類を容易に提供することができる。ちなみに従来
は魚介肉類を非冷凍下で保存した場合、1〜2日ほどで
鮮度が劣化していた。
【0046】(iii)部屋1を植物やきのこ等を栽培す
る部屋として利用した場合には、恒温高湿環境の維持に
より生産性が向上する。
【0047】(iv)部屋1を練り製品等の半製品の保存
庫として利用した場合には、鮮度保持期間の長期化を図
ることができる。
【0048】〔他の実施の形態〕第1の実施の形態では
湿板ユニット10だけで除塵を行っているが、ダクト4
にプレフィルタを設けて湿板ユニット10の負荷を低減
させるようにすることも可能である。その場合のプレフ
ィルタの除塵性能は低いものでよい。
【0049】第1の実施の形態では湿板ユニット10を
送風機5の下流に配置したが、湿板ユニット10を送風
機5の上流側に配置することも可能である。尚、プレフ
ィルタを設置する場合には、部屋1の排気口3よりも下
流側で湿板ユニット10よりも上流側に配置するのがよ
い。
【0050】図6から図11は本発明の空気調和装置に
おける湿板ユニット10の他の実施の形態を示してい
る。他の実施の形態と第1の実施の形態との相違点は湿
板20の横断面形状と配列方法にある。以下、相違点の
み説明する。
【0051】図6及び図7に示す第2の実施の形態で
は、湿板20の横断面形状が平板状をなし、各湿板20
はその表面が空気の流れ方向Aに対して直交する姿勢で
起立しており、且つ、前列において隣接する2つの湿板
20,20の間の後方に後列の湿板20が位置するよう
に設置されている。このように湿板20を配置したこと
によって、前列の各湿板20に衝突した空気はその両側
の隙間を通って後方に流れ、後列の湿板20に衝突し、
これを繰り返しながら湿板ユニット10を通過する。
【0052】図8及び図9に示す第3の実施の形態で
は、湿板20の横断面形状が略半円弧形をなしている点
が第2の実施の形態との相違点であり、湿板20の配列
については第2の実施の形態と同じである。
【0053】図10に示す第4の実施の形態では、湿板
20の横断面形状が「く」の字形をなしている点が第2
の実施の形態との相違点であり、湿板20の配列につい
ては第2の実施の形態と同じである。
【0054】これら第3の実施の形態、及び、第4の実
施の形態の方が第2の実施の形態よりも湿板1枚当たり
の表面積が大きくなるとともに、空気抵抗が小さくな
る。
【0055】図11に示す第5の実施の形態における湿
板20は、空気の流れ方向Aと平行をなす表面を有する
縦壁部21と、空気の流れ方向Aと直交する表面を有す
る横壁部Bとを備え、1つの縦壁部21に多数の横壁部
22が一定間隔に設けて構成されている。そして、隣り
合う2つの湿板20は、一方の湿板20において隣接す
る横壁部22の間に、他方の湿板20の横壁部22が隙
間を開けて位置するように配されている。この第5の実
施の形態においては、隣接する2つの湿板20,20の
間を空気が通過する時に、横壁部22に衝突するたびに
流れ方向を変えながら進んでいく。
【0056】第2、第3、第4、第5の実施の形態によ
っても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることがで
きる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の空気調和
装置によれば、湿板が空気の流れに対面するように設置
されていることにより、簡単な構造で小型ながら、恒温
高湿でしかもクリーンな空気を部屋に供給することがで
きるという優れた効果が奏される。
【0058】本発明の空気調和装置は温度センサによる
部屋の温度管理だけで運転されるので、運転管理が容易
であるという効果もある。また、従来の空気調和装置で
恒温高湿な環境を創るよりも、設備スペースが小さくて
済み、設備コスト及び運転コストを低減することができ
て経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の第1の実施の形態における空気調
和装置の概略フローダイヤグラムである。
【図2】 本願発明の第1の実施の形態における空気調
和装置の要部斜視図である。
【図3】 本願発明の第1の実施の形態における空気調
和装置の湿板ユニットの要部斜視図である。
【図4】 本願発明の第1の実施の形態における空気調
和装置の湿板の平面配置図である
【図5】 本願発明の第1の実施の形態における空気調
和装置の湿板の斜視図である。
【図6】 本願発明の第2の実施の形態における空気調
和装置の湿板の平面配置図である
【図7】 本願発明の第2の実施の形態における空気調
和装置の湿板の斜視図である。
【図8】 本願発明の第3の実施の形態における空気調
和装置の湿板の平面配置図である
【図9】 本願発明の第3の実施の形態における空気調
和装置の湿板の斜視図である。
【図10】 本願発明の第4の実施の形態における空気
調和装置の湿板の平面配置図である
【図11】 本願発明の第5の実施の形態における空気
調和装置の湿板の平面配置図である
【符号の説明】
1 部屋 2 給気口 3 排気口 4 ダクト(空気流路) 5 送風機 6 温度センサ(温度検出手段) 10 湿板ユニット 20 湿板 30 給水装置(液体供給装置) 31 水精製器(液体精製器) 40 冷温水発生器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保水性を有する複数の湿板を部屋の給気
    口に連なる空気流路に設置し、液体供給装置によって所
    定温度に制御された液体を前記湿板に供給して湿板を湿
    らせ、前記湿板間を通過した空気を前記給気口から前記
    部屋の内部に送風する空気調和装置であって、前記湿板
    が空気の流れと対面するように設置されていることを特
    徴とする空気調和装置。
  2. 【請求項2】 前記湿板よりも上流側の前記空気流路が
    前記部屋の排気口に連なり、部屋内部の空気が送風機に
    よって空気流路を介し循環せしめられることを特徴とす
    る請求項1に記載の空気調和装置。
  3. 【請求項3】 前記液体供給装置によって供給される液
    体は湿板の上部に供給され、供給された液体の一部が湿
    板の表面を下方に流れ落ちるようにされていることを特
    徴とする請求項1または2に記載の空気調和装置。
  4. 【請求項4】 前記液体供給装置は、前記湿板を流下し
    た後の液体を回収し、回収した液体を液体精製器に通し
    てこの液体から不純物を除去し、温度制御した後に再び
    湿板に供給する循環系に構成されていることを特徴とす
    る請求項3に記載の空気調和装置。
  5. 【請求項5】 前記液体供給装置における液体の温度制
    御が、前記部屋の室温あるいは空気流路内の空気温度を
    検出する温度検出手段に基いて行われることを特徴とす
    る請求項1から4のいずれかに記載の空気調和装置。
JP14438996A 1996-06-06 1996-06-06 空気調和装置 Pending JPH09324930A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14438996A JPH09324930A (ja) 1996-06-06 1996-06-06 空気調和装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14438996A JPH09324930A (ja) 1996-06-06 1996-06-06 空気調和装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09324930A true JPH09324930A (ja) 1997-12-16

Family

ID=15361013

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14438996A Pending JPH09324930A (ja) 1996-06-06 1996-06-06 空気調和装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09324930A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005037076A (ja) * 2003-07-16 2005-02-10 Kureha Ltd 気化フィルター用不織布集合体
JP2006349303A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Daikin Ind Ltd 調湿装置
WO2014174867A1 (ja) * 2013-04-22 2014-10-30 三菱電機株式会社 加湿装置及び加湿装置を備えた空気調和機
JP2015028279A (ja) * 2013-07-31 2015-02-12 東北電力株式会社 鉄塔の嵩上げ方法および装置並びに建設方法および装置
CN109442605A (zh) * 2018-11-06 2019-03-08 中国船舶重工集团公司第七〇九研究所 一种外循环式环境控制系统
JP2020159654A (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 三機工業株式会社 空調システム

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005037076A (ja) * 2003-07-16 2005-02-10 Kureha Ltd 気化フィルター用不織布集合体
JP2006349303A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Daikin Ind Ltd 調湿装置
WO2014174867A1 (ja) * 2013-04-22 2014-10-30 三菱電機株式会社 加湿装置及び加湿装置を備えた空気調和機
CN105143777A (zh) * 2013-04-22 2015-12-09 三菱电机株式会社 加湿装置以及具有加湿装置的空调机
JP5989236B2 (ja) * 2013-04-22 2016-09-07 三菱電機株式会社 加湿装置及び加湿装置を備えた空気調和機
US9777935B2 (en) 2013-04-22 2017-10-03 Mitsubishi Electric Corporation Humidifier and air-conditioning apparatus including the same
DE112014002085B4 (de) * 2013-04-22 2021-02-04 Mitsubishi Electric Corporation Befeuchter und Befeuchter aufweisende Klimaanlage
JP2015028279A (ja) * 2013-07-31 2015-02-12 東北電力株式会社 鉄塔の嵩上げ方法および装置並びに建設方法および装置
CN109442605A (zh) * 2018-11-06 2019-03-08 中国船舶重工集团公司第七〇九研究所 一种外循环式环境控制系统
JP2020159654A (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 三機工業株式会社 空調システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN204717852U (zh) 空调柜机
CN207132459U (zh) 一种空调
CA2548699A1 (en) Air quality device
US10168063B2 (en) Fan coil apparatus including a humidification unit and a humidification unit
KR200207824Y1 (ko) 무균 자동화 버섯재배장치
CN107327945A (zh) 一种空调
CN107339752A (zh) 一种空调
US10247431B2 (en) Fan coil apparatus including a humidification unit and a humidification unit
JP2002061903A (ja) 湿膜コイル型空気調和機
JP2000317248A (ja) ガス不純物の除去システム
US10107512B2 (en) Fan coil apparatus including a humidification unit and a humidification unit
JPH09324930A (ja) 空気調和装置
JPH0765788B2 (ja) 気化式加湿器及びこれを用いた加湿システム
CN107388411A (zh) 一种空调
KR20190059105A (ko) 미세먼지제거 및 공기청정 기능이 구비된 공기조화기용 필터가습 유닛
JP3674616B2 (ja) 接ぎ苗順化装置
KR102173029B1 (ko) 미세먼지 제거 및 산소발생 기능을 갖는 공기조화기
US20180172298A1 (en) Fan coil apparatus including a humidification unit and a humidification unit
US20180172297A1 (en) Fan coil apparatus including a humidification unit and a humidification unit
KR101153858B1 (ko) 강제증발식 공조용 가습기
CN207214250U (zh) 一种空调
CN207132469U (zh) 一种空调
JP4367865B2 (ja) 冷蔵庫、保冷庫用加湿器
CN204786756U (zh) 空调柜机
CN204717855U (zh) 空调柜机

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050419

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20050510

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20051018

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02