JP2001174016A - 空気循環装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】室内の有効スペースを減じることなく設置で
き、また任意の空きスペースを有効に活用できる空気循
環装置を提供する。 【解決手段】本発明の空気循環装置は、床５および天井
４付近に開口６，７を有し建屋を構成している壁面１０
および１１と隔壁１２によって構成される空気ダクト８
と該空気ダクト８内に設置され床付近の開口６から、天
井付近の開口７へ空気を循環する空気循環ファン９から
構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和機の室内
ユニットを天井または天井近傍の壁に取付けた室内に設
置され、暖房時に室内空気を循環させることにより暖房
効果を上げる空気循環装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】天井または天井近傍に室内ユニットを取
付ける方式のヒートポンプエアコンで暖房を行うと、特
に運転開始時に天井付近のみ急速に温度が上昇し、室内
たとえば事務所等人の座っている空間がなかなか暖まら
ず長時間寒さを感じるという問題があった。このような
問題を解決するため、特開平10−332182号公報に開示さ
れているように、暖房時に室内の下層冷気を吸い上げて
室内上層の暖気に向かって吹出す方式の空気循環装置が
考案されている。

【０００３】しかしながら、このような空気循環装置で
は床付近の冷気を天井付近まで循環させるために床から
天井に至るダクトが必要であり、室内の有効スペースを
減じるという問題があった。また、床から天井に至る長
大なダクトを必要とするため、設置場所も壁付近にかぎ
られ、任意の空きスペースを有効に利用することができ
なかった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、室内
の有効スペースを減じることなく設置でき、また任意の
空きスペースを有効に活用することができる空気循環装
置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の空気循環装置は、室内の床面近く及び天
井近くにそれぞれ開口を有する空気ダクトと、該ダクト
内に設置され床面近くの開口から天井近くの開口へ空気
を搬送する送風機とから成り、該空気ダクトを建屋を構
成する二重壁の内部に隔壁を設けて構成したことを特徴
とする。

【０００６】このように構成することにより、室内の有
効スペースを減ずることなく空気循環装置を設置でき
る。

【０００７】また本発明の別の空気循環装置は、該空気
ダクトを家具の内部に隔壁を設けて構成したことを特徴
とする。

【０００８】本発明の別の空気循環装置は、該空気ダク
トの全て又は該床面近く及び天井近くの開口の一部を該
室内の空気中に開放したことを特徴とする。

【０００９】このように構成することにより、床から天
井に至る長大なダクトを必要としないので、室内の空き
スペースを有効に利用して空気循環装置を設置できる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の空気
循環装置を図面に基づき詳細に説明する。

【００１１】図１は、本発明の一実施の形態となる空気
循環装置と、該装置を備える室内における空気調和機の
配置を示す図である。空気調和機は一例として室内ユニ
ット１と室外ユニット２から構成されるヒートポンプ式
エアコンを示し、室内ユニット１は天井４（または天井
４付近の室壁）に設置されている。室内ユニット１には
熱交換器，ファン，膨張弁（いずれも図示せず）が組込
まれており、室内ユニット１と室外ユニット２は冷媒配
管３で接続されている。本発明の空気循環装置は、床５
および天井４の付近に開口６，７を有し建屋を構成して
いる壁面１０および１１と隔壁１２によって構成される
空気ダクト８と、該空気ダクト８内に設置され床付近の
開口６から天井付近の開口７へ空気を循環する空気循環
ファン９から構成されている。

【００１２】暖房運転時、室内ユニット１から吹出され
た温風は、建屋を構成している壁面１０および１１と隔
壁１２から構成される空気ダクト８の床付近の開口６か
ら吸入され、空気循環ファン９により天井付近の開口７
から吹出される床５付近の冷たく重い空気により生じ
る、循環流により床５付近に運ばれるため室内の温度分
布を小さくできる。このように構成することにより、空
気循環用のダクト８を別途製作することが不要となため
装置が安価となり、かつダクトが室内に露出することも
ないので室内のスペースを有効に利用できる。

【００１３】図２に、壁面１０および１１と隔壁１２に
より構成される空気ダクト８の断面を示す。ビルの場
合、通常建屋を構成している外壁にみぞ形鋼を介して内
壁を取付ける場合が多く、また室内の隔壁もみぞ形鋼を
介して二重壁にすることが多い。この場合、みぞ形鋼を
隔壁１２として用いて空気ダクト８を構成することがで
きるので、従来の建築設計を大きく変更することなし
に、安価に空気ダクト８を設置できる。また図２のＬ寸
法は一般に規格で定まっているので、空気ダクト８の断
面積は変更できない。そこで循環風量が多く、通路断面
積を大きくする必要がある場合には床付近の開口６を隔
壁１２にまたがって設けることにより、空気ダクト８の
断面積を２倍にできるので通風抵抗を小さくして空気循
環ファン９の消費電力を低減できる。

【００１４】図３は、本発明の他の実施例で空気循環フ
ァン９を天井裏１３に設置した点が図１に示した実施例
と異なる。このように構成することにより、室内に空気
循環ファン９を露出することなく空気循環装置を設置で
きるので、室内空間の有効利用が可能で更に室内の美観
を損なうこともない。

【００１５】図４は、本発明の別の実施の形態となる空
気循環装置を示す図である。空気循環ファン９の上流部
に室外の空気を取り込むための室外側開口１４と風量調
整ダンパ１５を設けた点が図１の実施例と異なる。この
ように構成すると、空気循環ファン９で外気を取り入れ
ることができる。

【００１６】図５は、更に他の実施形態の空気循環装置
を示す図である。室外側開口１４を床付近の開口６に相
対する位置に設けた点が、図４の実施例と異なる。この
ように構成すると、床付近の開口６と室外側開口１４を
一体に構成することができ構造が簡単になる。

【００１７】図６の実施例では、空気循環ファン９と空
気排気ファン１７及び熱回収用全熱交換素子１６を、空
気循環ファン９で循環される空気と空気排気ファン１７
で排気される空気が熱交換を行うように一体に構成し、
天井裏１３に設置した点が他の実施例と異なる。

【００１８】本実施例で室内空気を循環する際には、風
量調整ダンパ１５で室外側開口部１４を閉じ空気循環フ
ァン９のみ運転する。外気を導入して換気を行う際に
は、風量調節ダンパ１５を空気ダクト８出口を閉じ室外
側開口部１４を全開にする位置に設定し、空気循環ファ
ン９と空気排気ファン１７を運転する。このように構成
すると空気循環を行いながら換気が可能であり、換気さ
れる室内空気から熱を回収できるので暖房運転動力の損
失を低減できる。

【００１９】図７は、空気ダクト８を図８矢視図に示す
ように、ロッカーや書庫等の家具１８の全て、またはそ
の一部を利用して構成する実施例を示したものである。
このように構成すると、空気循環装置の存在感を感じさ
せることなく空気循環が可能となる。

【００２０】図９の実施例では更に空気循環ファン９を
家具１８内に設置し、図１０の矢視図のように外部から
見えないように構成したものである。このように構成す
ると更に空気循環装置の存在感をなくすことができる。

【００２１】図１１は、空気ダクト８を固体壁で構成し
ない発明の実施例を示す図である。床付近に空気循環フ
ァン１９を設置し、その空気吹出し口と相対する天井付
近に吸込み口を有する空気循環ファン９を設置してあ
る。本実施例では、空気循環ファン１９から流出した空
気は、室内の空気を巻き込みながら流れ２０が拡大し空
気循環ファン９に吸込まれる。このように構成すると、
空気ダクト８を省略できる。

【００２２】図１２は、本発明の他の実施例を示す図で
ある。本実施例では空気循環ファン９を、天井に釣り下
げる方式の室内ユニット２１の吸気口に相対するように
設置してある。このように構成することにより、図１１
に示すような空気循環ファン９を天井４に設ける必要が
なく、さらに空気調和装置の暖房運転の際には、室内ユ
ニット２１に比較的温度の低い床付近の空気を吸入させ
ることができるので、空気調和装置の成績係数を向上で
きる。

【００２３】図１３の実施例では、図１４の矢視図に示
すような空気ダクト８の床からの高さＬが天井高さＨよ
り低くなるように設置し、空気ダクト８から吹出した空
気を天井４の空気流反転部２３に吹き付けるようにして
ある。このように構成することにより、空気循環装置の
設置に特別の工事を必要とせず、設置が容易となる。

【００２４】図１５の実施例では、空気ダクト８を扇形
にして室内の角部に取付けられるようにしてある。この
ように構成すると、室内の角部が有効に利用できる。

【００２５】図１６の実施例では、筒状の空気ダクト８
内に空気循環ファン１９を内蔵一体化し、移動可能とし
たものである。このように構成することにより、室内の
任意の位置に空気循環装置を設置できる。

【００２６】図１７の実施例では、パーティションの壁
体２４を空気循環ダクト８として空気循環装置を構成し
たものである。このように構成することにより、室内の
パーティションを空気循環装置として利用できるので、
別途新たに空気循環装置を設置する必要がない。

【００２７】図１８は空気ダクト８をキャビネット２５
の側面に一体に構成した空気循環装置の構成を示す。こ
のように構成することにより、キャビネット２５と共に
多数室内に設置できる。

【００２８】図１９は空気ダクト８と空気循環ファン１
９を一体に構成して、キャビネット２５にマグネット等
で取付けられるように構成したものである。このように
構成すると更に取付けが容易になる。

【００２９】図２０の実施例は、机２６の脚部を空気ダ
クト８として利用した実施例を示す。このように構成す
ると、事務室等に必要な机を利用して空気循環装置を構
成できるので、別途空気循環装置を設置する必要がな
く、部屋を有効に利用できる。

【００３０】図２１は、空気ダクト８として椅子を利用
した実施例を示す。このように構成することにより、別
途空気循環装置を設置する必要がないので室内を有効に
利用できると共に、任意の位置への移動も容易になる。

【００３１】図２２は、椅子を利用する別の実施形態を
示す。本実施例では小形空気循環ファン１９を４個脚に
設けてあるので、図２１の実施例より循環風量を増加で
きる。

【００３２】図２３は、空気ダクト８と空気循環ファン
１９を一体に構成し、図２４に示すような花台２８とし
た実施例を示す。このように構成することにより、フロ
ア等に設置してある花台を空気循環装置として利用でき
る。

【００３３】図２５は、植木鉢台２９を空気循環装置と
して図２６に示すように構成した実施例を示す。このよ
うに構成することにより、植木鉢台を空気循環装置とし
て利用できる。

【００３４】図２７は、植木鉢台を空気循環装置として
利用する他の実施例である。本実施例における植木鉢台
３０は、図２８に示すように複数個の植木鉢を乗せるこ
とができ、パーティションも兼ねるものである。このよ
うに構成すると、図２５の実施例より空気循環量を増加
できる。

【００３５】図２９は、灰皿台３１を図３０に示す外観
のように、空気循環装置に利用した実施例を示す。この
ように構成すると特に、本空気循環装置を換気扇(図示
せず)の近くに設置する場合、たばこの煙を有効に換気
扇から室外に排出できる。

【００３６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る空気
循環装置では建屋の壁体や家具等を利用して空気ダクト
を構成するので、床から天井に至る長大なダクトを必要
とせず、室内の空きスペースを有効に利用して空気循環
装置を設置できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態となる空気循環装置の構成
を示す断面図。

【図２】本発明の空気循環装置の空気ダクト断面を説明
する断面図。

【図３】本発明の他の実施形態で、空気循環ファンを天
井に備えた空気循環装置を示す断面図。

【図４】本発明の他の実施形態で、外気取入れのための
開口部を設けた空気循環装置を示す断面図。

【図５】外気取入れのための開口部を床付近に設けた空
気循環装置を示す断面図。

【図６】本発明の他の実施形態で、天井に空気循環ファ
ン，排気ファンおよび熱交換素子を設置した空気循環装
置を示す断面図。

【図７】空気ダクトを家具で構成した空気循環装置を示
す断面図。

【図８】空気ダクトを家具で構成した空気循環装置の外
観を示す斜視図。

【図９】空気循環ファンを家具の内部に設置した空気循
環装置を示す断面図。

【図１０】空気循環ファンを家具の内部に設置した空気
循環装置の外観を示す斜視図。

【図１１】空気ダクトを固体壁で構成しない、空気循環
装置を示す断面図。

【図１２】空気調和機の天井釣り下げ形室内ユニットを
利用した空気循環装置を示す断面図。

【図１３】空気ダクトの先端を、天井付近で開放した空
気循環装置を示す断面図。

【図１４】空気ダクトの先端を、天井付近で開放した空
気循環装置の外観を示す斜視図。

【図１５】空気ダクトを室内の角部に取付ける方式の空
気循環装置を示す図。

【図１６】空気ダクトと空気循環装置を一体に取付け、
移動可能とした空気循環装置を示す図。

【図１７】室内のパーティションを空気ダクトとした、
空気循環装置の形態を示す図。

【図１８】キャビネットの一部を空気ダクトとする、空
気循環装置の形態を示す図。

【図１９】キャビネット等に取付け容易に構成した、空
気循環装置の形態を示す図。

【図２０】机の脚部をダクトに利用した、空気循環装置
の形態を示す図。

【図２１】椅子を利用した空気循環装置を示す斜視図。

【図２２】椅子を利用した空気循環装置の他の実施形態
を示す図。

【図２３】花台を利用した空気循環装置の構造を示す断
面図。

【図２４】花台を利用した空気循環装置の外観を示す斜
視図。

【図２５】植木鉢台を利用した空気循環装置の構成を示
す断面図。

【図２６】植木鉢台を利用した空気循環装置の外観を示
す斜視図。

【図２７】植木鉢台を利用した他の空気循環装置の構成
を示す断面図。

【図２８】植木鉢台を利用した他の空気循環装置の外観
を示す斜視図。

【図２９】灰皿台を利用した空気循環装置の構成を示す
断面図。

【図３０】灰皿台を利用した空気循環装置の外観を示す
斜視図。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 印南 幸夫 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 空調システム内 (72)発明者 小川 秀水 神奈川県相模原市淵野辺２丁目１番９号 富士工業株式会社内 Ｆターム(参考） 3L058 BD06 3L080 AC03

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】空気調和機の室内ユニットを暖房用に天井
   または天井近傍に取付けた室内に設置される空気循環装
   置において、該室内の床面近く及び天井近くにそれぞれ
   開口を有する空気ダクトと、該ダクト内に設置され床面
   近くの開口から天井近くの開口へ空気を搬送する送風機
   とから成り、該空気ダクトを建屋を構成する二重壁の内
   部に隔壁を設けて構成したことを特徴とする空気循環装
   置。