JP5538433B2 - ニッケル含有合金鉄の製造方法 - Google Patents

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Description

詳細な説明
本発明は、ニッケルを含有する合金鉄を製造する方法に関するものであり、本方法では、鉄含有亜クロム酸塩の精鉱と、ニッケル鉱、および/またはニッケル精鉱、および/またはニッケル鉱および/またはニッケル精鉱の浸出処理によって生成されるニッケル含有中間生成物と、浸出液から得られる中間生成物の析出物とを含むペレットを焼結し、焼結した材料を還元してフェロクロムニッケルとして精錬する際に、例えばステンレス鋼などの金属の原料として用いられるフェロクロムニッケルを得るものである。
一次のステンレス鋼を製造するのに必要なニッケルは、一般に製造過程において、製造過程の最終的な段階頃に添加されるものであり、最終的な転換段階でステンレス鋼屑、ニッケル鉄、ニッケル製造で得られるニッケル陰極、またはニッケル含有ブリケットとして添加される。ニッケルは硫化鉱およびラテライト鉱から生成されるものであり、後者の鉱石は主に酸化ラテライト鉱で構成されている。ニッケル製造におけるラテライト鉱の割合は、堅調に伸びている。ニッケルやニッケル鉄を含有する合金鉄は、回転窯/電気炉での処理過程において還元状態の下に一次原料から生成される。ここでは、回転窯は焼成および前還元を行うために使用される。このようにして生成されるニッケル鉄には不純物が残存しているため、不純物除去処理が必要となることもある。ニッケル鉄材は鋳物として鋳造するか、または造粒して、得られた鋳造物または粒状化生成物は、ステンレス鋼の製造のためなど、ニッケル鉄の応用に活用される。
一次原料からニッケル鉄を生成するほかに、ニッケル鉄を生成する方法として米国特許公開第2008/0011126号に係る方法が公知であり、この方法では、ニッケルを含有する鉱石または精鉱を浸出処理して得られる水酸化ニッケル中間生成物が原料として用いられている。水酸化中間生成物に結合剤を使用することでペレットが形成され、ペレットを温度110℃で乾燥させた後に炉に送り、温度1000〜1300℃の酸化条件下で焼成する。これにより、ペレットに含まれている水分が早くも温度400℃の段階で除去されてしまう。また、ペレットに含まれている硫黄は、温度1100℃で2時間処理すると、二酸化硫黄または三酸化硫黄の形でほぼ完全に除去される。炉から得られるペレットは、ニッケルと鉄の多孔性複合酸化物である。このニッケルと鉄の多孔性複合酸化物のペレットは、さらに還元ガス存在下の充填層で温度800〜1000℃で処理される。ペレットはこの充填層で還元されて、ニッケル鉄ペレットとなる。米国特許公開第2008/0011126号の一実施例では、生成されたニッケル鉄ペレットを製錬および精錬して、低量の硫黄と炭素を含むニッケル鉄生成物とする。
国際公開第97/20954号では、直接製錬によってニッケル鉱および/またはニッケル精鉱を処理して、ニッケル鉄、ニッケルと鉄の合金、およびステンレス鋼を製造することに関して述べている。製錬処理用の供給原料は、乾燥させた、および/もしくは焼成した硫化物、ならびに/またはラテライトニッケル鉱および/もしくはニッケル精鉱からなり、その他に、必要に応じて鉄鉱石と、任意で亜クロム酸塩もクロム源として含んでいる。国際公開第97/20954号によると、供給材料に前処理を施して、不要な材料成分を除去してもよい。その他の前処理として供給材料を乾燥、焼成して、供給材料に閉じ込められている硫黄および結晶水和水を除去してもよい。焼成は、流動床炉または回転窯で行ってもよい。還元条件下での製錬で得られる生成物は、ニッケル鉄、クロム鉄、またはニッケル含有鉄であり、この生成物をさらにAOD転炉で処理してステンレス鋼を製造する。国際公開第97/20954号によると、製錬工程で亜クロム酸塩を乾燥または焼成ニッケル鉱および/またはニッケル精鉱と共に供給する場合もあるが、これら一部の供給材料成分はそのようなものとして、別途、溶鉱炉に供給される。
カナダ特許第972165号は、鉄、クロム、およびニッケルを含む還元ペレットに関するものであり、その目的は、ペレットを使用して溶融ステンレス鋼の製造を促進することにある。原料として、カナダ特許第972165号はケイ酸ニッケル鉱、クロム鉄鉱、ラテライト鉱石、および鉄鉱石を挙げている。充填されている基本的な原料組成には、クロム鉄鉱および低レベルのニッケルを不定量含有する粗ケイ酸ニッケル鉱が含まれている。鉄分濃度の高いペレットが望ましい場合、鉄鉱石およびラテライト鉱石に、初期組成として十分に充填された酸化鉄を加える必要がある。還元剤、すなわちコークスを添加して混合物をペレット化し、ペレットを乾燥させて焼くことで、還元されたペレットを生成する。さらに、還元ペレットをサブマージドアーク炉に投入して鉄合金を製造する。カナダ特許第972165号に述べられている鉄合金の組成には、15.2〜17.7重量%のクロムと16.3〜15.8重量%のニッケルが含まれている。したがって、ニッケルとクロムの含有率は、同程度の大きさである。この種の材料はステンレス鋼の製造に直接使用するのには適さない。これは、工業用グレードのステンレス鋼には、ニッケルよりもクロムのほうがより多く含まれているためである。カナダ特許第972165号の生成物をステンレス鋼の製造に使用する場合、鋼材の溶解工程において実質的に一定量のクロムをフェロクロムの状態で加える必要がある。また、カナダ特許第972165号が関係する工程は、製造される金属合金の単位毎にエネルギー集中されるのが、主として供給物組成が実質的にニッケル含有量の低い粗ケイ酸ニッケル鉱に基づいているという事実から生じるものであり、また、大量のケイ酸塩−酸化物のスラグを扱い且つ廃棄しなければならないと規定している。鋼材溶解工程において金属合金に一定量のクロムを補給する必要性、エネルギー強度、および金属合金製造工程における金属合金とスラグの比率が、ステンレス鋼を作製する工程にとって利点がなく費用効果の低い組み合わせであることを示している。
一次のステンレス鋼の製造における主要成分は、つまり鉄およびクロムは、鋼製造工程で使用するために鉄含有クロム鉱またはクロム精鉱から得て、そこから電気炉での製錬によってフェロクロムが生産される。これに先行して、ペレット化段階および焼成段階が有利に行われる。
いわゆる規格品を製造する場合、最終製品として製造されたステンレス鋼から算出されるステンレス鋼中のニッケルの量は最高で10〜12重量%であるため、ステンレス鋼の製造に使用されるニッケルの並行生産も、そのこと自体は費用効果がなく、もしくは物質が環境に排出されるという点からみて環境保護的でない。
本発明は、従来の技術における問題を解消して、ニッケル鉱および/またはニッケル精鉱、または浸出処理および析出によってニッケル鉱および/またはニッケル精鉱から得られるニッケル含有中間生成物を、それ自体がフェロクロムの生産において周知であるペレット化や焼成などの製造段階に関連して活用して、製錬による産物としてニッケルを含む合金鉄、すなわちフェロクロムニッケルを得る方法を実現することを目的とする。フェロクロムニッケルは、例えばステンレス鋼などの金属の製造において、原料として用いることができる。本発明の基本的な特徴は、本願特許請求の範囲に記載する。
本発明では、ニッケル鉱および/またはニッケル精鉱、またはニッケル鉱および/またはニッケル精鉱を浸出、析出して生成される中間生成物を生産工程で凝集し、鉄、クロム含有亜クロム酸塩精鉱、および結合剤と合わせて、ニッケルを含むペレットとして所期の形態および大きさを有する供給物質に加工する。また、ニッケル、鉄、およびクロムを含有する物質の乾燥および焼成は、焼結工程として知られているペレットの一段階内熱処理で行われる。ペレットの熱処理時に物質を強化することで、熱処理した物質を、必要に応じて実質的に無傷の完全な状態で、各処理段階間で搬送できるようになる。任意で、ペレットを焼結する前に加熱してもよい。熱処理した物質は、必要に応じて、別々の処理装置間を実質的に完全な状態で搬送可能となる。熱処理した物質を各処理段階間または処理装置間で搬送する場合、必要に応じて物質のサイズを小さくしてもよい。焼結することで強化されたペレットは、還元条件下で行われる製錬処理用の原料として使用され、その場合、製錬の産物としてニッケルを含有する合金鉄、すなわちフェロクロムニッケルが得られる。得られたフェロクロムニッケルは、例えばステンレス鋼などの合金製品を製造するための原料として用いることができる。
本発明に係る方法で使用するニッケル含有原料は、有利には鉱山から、または他の湿式精錬処理から得られるニッケル含有水酸化物の中間生成物であり、この中間生成物は、ラテライトニッケル鉱および/または硫化ニッケル鉱および/またはニッケル含有精鉱の浸出処理によって生成された浸出溶液から析出するか、またはラテライトニッケル鉱を加工して得られた析出物または硫化ニッケル鉱を加工して得られた析出物である。この種のニッケル含有水酸化中間生成物は、例えば、ラテライトニッケルおよび/または硫化ニッケルの鉱石および/またはニッケル精鉱を加圧浸出処理、大気浸出処理、または堆積浸出処理して得られる中間生成物であり、また、ニッケル含有材料を溶媒抽出処理またはイオン交換処理して得られる溶媒抽出溶液、剥離溶液、または精製溶液の析出物でもある。本発明に係る方法では、炭酸ニッケルまたは硫酸ニッケルからなる材料を原料として使用してもよい。また、湿式精錬法で析出した硫化ニッケルの中間生成物を、本方法の原料として適用してもよい。
本発明に係る方法では、まずニッケルを含有する微細材料を微細な鉄含有クロム精鉱および任意の結合剤と混合する。混合物に占めるニッケル含有材料の割合は、10〜25重量%であり、有利には混合物の重量の15〜20重量%である。直径5〜15mmのペレットを、有利には結合剤を用いてこの混合物から生成する。生成したペレットは、さらに酸化焼結工程に送り、この工程で、高温の循環ガスおよびペレットに含まれている炭素を使って、また必要に応じてプロパンなどの別の燃料を予備的に使用して、温度1150〜1400℃の範囲でペレットを加熱する。焼結処理に関連して、ニッケル含有物質は焼成すべきものであり、また同様に、ペレットに含まれる硫黄は焼結処理で発生する排ガス中に放出すべきものであり、排ガスはガス洗浄器において浄化する。焼結したペレットの強度特性は、引き続き必要とされる処理工程に十分耐えうるものである。ペレットは焼成された状態のニッケル原料を含んでいて、予熱装置を介してさらに有利には電気炉へと送られ、電気炉において還元条件下で製錬される。こうして生成された製錬産物は、ニッケルに対するクロムの比率が1.5〜5、有利には2.0〜3.1となる金属のフェロクロムニッケルである。電気炉で生成して得られたフェロクロムニッケルは、有利には精錬状態でさらにステンレス鋼の製造で使用するために送られる。電気炉で得られた精錬したフェロクロムニッケルは、造粒して固形にしてもよく、生成した造粒物を、さらにステンレス鋼の製造に用いる。電気炉から得られる溶解状または造粒物形態のフェロクロムニッケルは、そのようなものとして他の完成品のために使用してもよく、その場合、少なくとも鉄、クロム、およびニッケルを含む原料が必要である。
本発明にかかる方法では、ニッケル含有材料および鉄含有亜クロム酸塩精鉱からなるペレット混合物を、焼結工程に関連してその工程中に一度に焼成、脱硫できるため、エネルギー効率がいい。したがって、焼結処理によって還元特性が良好なペレットが得られ、このペレットはそのようなものとして還元条件下でさらに精錬処理に役立てることができる。また、精錬処理へと搬送されるペレットの予熱処理を利用することで、精錬に使用する溶鉱炉における製品単位での電力使用を少なくできる。さらに、ペレットの還元および精錬を密閉されたサブマージド電気アーク炉で有利に行う場合、還元および精錬で発生する一酸化炭素ガスを、例えばペレットの焼結処理およびあれば予熱処理において利用でき、またその一方で、例えば合金鉄の焼結生成物であるフェロクロムニッケルから製造されるステンレス鋼の製造系統の一連の段階においても利用可能である。
また、ペレットに含まれているニッケルがペレット中のクロムの還元を触媒することで、合金鉄製造における還元剤、有利には炭素、の原単位が減少するという事実から、本発明に係る方法におけるエネルギー効率が向上する。
どのようなものであれ、それ自体が公知のペレット化方法を本発明に係る方法における原料のペレット化に活用してもよく、例えば有利にはドラムでのペレット化に適用できる。ペレット化の代わりに、例えば、練炭の製造法を用いてもよく、または同様の、本発明の原材料の混合物の後続の処理過程における処理を円滑にする方法を活用してもよい。
本発明では、それ自体が公知のいかなる焼結法で焼結処理をしてもよく、有利には例えば実質的に連続稼動されるベルト式焼結でもよい。また、焼結処理の代わりに、別の、それ自体が公知の熱処理を行ってもよく、熱処理によって得られる生成物はさらに処理するのが容易であろうし、これにより、本発明に係る方法における最終生成物、つまりフェロクロムニッケルを得ることができる。
本発明に基づいて処理される原料の製錬は、有利にはサブマージド電気アーク炉などの電気炉を使用して行う。また、誘導炉など、他の公知の製錬装置を使用して製錬を行ってもよく、この場合、所期の最終生成物、すなわちフェロクロムニッケルを生成するための還元条件を実現できる。
以下に、本発明について添付の図面を参照しながら詳しく述べる。
本発明の好適な一実施形態を、模式化したフローチャートで示す。
図1では、クロム精鉱1を含有する微細な鉄粉、微細な水酸化ニッケル2、およびこれらをペレット状にする結合剤3が混合装置4に供給され、混合装置4で得られる混合物に由来する微細ニッケル材2の割合は、混合物の重量に対し18重量%である。生成された、鉄、クロム、およびニッケルを含む混合物は、ペレット状にするために回転ドラム5に送られる。ドラム5から得られるペレットは、さらに、実質的に連続稼動されるベルト式焼結機6に送られる。焼結用に、実質的に均質な材料からなるペレットの床が、実質的に連続稼動される焼結用ベルトに敷き詰められている。焼結段階では、数種類の高温の循環ガスが原料床および焼結用ベルトの隅々まで送られ、これらのガスと少量の追加燃料によって、原料の温度が1150〜1400℃の範囲で上昇する。焼結段階時に、水分がペレットから除去されて、さらには水酸化ニッケルが有利に焼成されるため、水酸化ニッケル中の水分、および水酸化ニッケルに閉じ込められている結晶水和水が除去される。焼結段階において、種々の成分に結合している硫黄が混合物から取り除かれる。次に、焼結されたペレットは、スラグ発生剤および還元剤と共に、予備加熱炉8を経て、あるいは予備加熱をせずに直に、精錬工程のサブマージド電気アーク炉7に送られる。溶鉱炉7から得られる溶融したフェロクロムニッケルは、ステンレス鋼を製造するために鉄鋼製錬所9に送られるか、もしくはさらに処理を施すために造粒10される。
例1
本発明に係る方法を、水酸化ニッケルの中間生成物がNi(OH)x(SO4)yで示される水酸化・硫酸ニッケルとして存在する原料に応用した。この中間生成物は浸出処理工程において析出によって得られたものであり、40〜50重量%のニッケル分と、5重量%未満の硫黄分を含んでいる。クロムおよび鉄の原材料として用いた亜クロム酸塩精鉱中のクロム含有量は30〜31重量%の間で変化し、精鉱中のクロムと鉄の比率は1.6〜1.8である。
水酸化・硫酸ニッケルは亜クロム酸塩精鉱および結合剤として用いられるベントナイトと混ざり合うため、混合物中の水酸化・硫酸ニッケルの割合は、混合物の最終的な重量から計算した結果、20重量%であった。混合物は回転ドラムに供給し、混合物から直径5〜15mmのペレットを生成した。ドラムで生成されたペレットはさらに、基本的に連続稼動されるベルト式焼結工程の焼結用ベルトに、実質的に均等に分布されたペレット床として供給される。焼結時に、高温ガスをペレット床および焼結ベルトの穴から導入し、また必要に応じて他のエネルギー源を適用すると、水酸化・硫酸ニッケルが焼成されて、硫酸塩−水酸化ニッケルに含まれている硫黄が焼結による排ガス中に移る。排ガスは公知の方法で処理して、二酸化硫黄を除去すればよい。焼結したペレットの強度特性は、クロマイトペレットの耐摩耗性に対応し、タンブラー強度は3〜5%、耐圧強度は140〜160kg/cm2であった。
還元剤として用いたコークス、スラグ発生剤として用いた珪岩、所期のクロムを得るために調整剤として用いた亜クロム酸塩の塊、および精錬による生成物に含まれる鉄と一緒に、焼結によって得られたペレットをまず溶鉱炉の余熱部に供給し、そこから溶鉱炉自体に供給した。精錬して得た生成物のフェロクロムニッケルを造粒した。この造粒物には、40〜45重量%のクロム、18〜24重量%のニッケル、および3〜5重量%の炭素が含まれていて、残部は鉄および不可避不純物であった。
例2
例1に述べた同一の中間生成材のペレット化特性および焼結特性を、本発明の方法に従って、様々な量の中間生成材を亜クロム酸塩精鉱と混ぜ合わせてテストした。中間生成材の量は混合物の重量から算出して、それぞれ10重量%、15重量%、および20重量%とした。また、混合物には結合剤として、ベントナイトおよび石灰石または珪灰石、ケイ酸カルシウムが含まれていた。
亜クロム酸塩精鉱、水酸化ニッケル、および結合剤を含有する混合物を造粒ドラムに供給して、直径5〜15mmのペレットを生成した。ペレットはさらに焼結ベルトに送って、ベルト式焼結機で焼結した。焼結したペレットは、改良タンブラー法および別の従来の工業規格に則った技法を用いて、耐摩耗性、圧縮強度、高温負荷、気孔率、化学組成、および微細構造に関するテストを行った。
タンブラー法では、焼結されたペレットの数値が純クロマイトペレットと同じ値で得られる。すなわち、水酸化ニッケルの数値が10重量%である。混合物中の水酸化ニッケルが20重量%のとき、圧縮強度はかなり高いものの、ペレットの耐摩耗性が低下し、石灰石の代わりに珪灰石を用いた場合、耐摩耗性は向上した。水酸化ニッケルを20重量%追加すると、ペレットの気孔率が高いため、タンブラー値は高くなった。20重量%の水酸化ニッケルの気孔率は、15重量%の水酸化ニッケルの気孔率よりも高かった。しかしながら、15重量%の水酸化ニッケルを含むペレットの圧縮強度は、その後の溶鉱炉における処理に十分耐えうる程度に高かった。このように、ニッケル含有中間生成物として10重量%、15重量%、または20重量%の水酸化ニッケルを有する混合物から生成されるペレットはすべて、溶鉱炉で溶融精錬してフェロクロムニッケルを製造するのに適合した。もともと10重量%、15重量%、または20重量%の水酸化ニッケルを含んでいる混合物からなるペレットは、別々に精錬してフェロクロムニッケルにし、その後さらに造粒した。各混合物に基づく各フェロクロムニッケル中のニッケルに対するクロムの割合は次の通りである。すなわち、初めから10重量%の水酸化ニッケルを含む混合物では4.8であり、初めから15重量%の水酸化ニッケルを含む混合物では3.05、そして初めから水酸化ニッケルを20重量%有する混合物では2.1であった。

Claims (25)

  1. 鉄およびクロムを含む細粒原料ならびにニッケルを含む細粒原料に結合材料を合わせるフェロクロム製において、混合物を生成、凝集させ、それにより第1段階で所期の大きさの物体を形成し、次に該物体を熱処理し、ニッケル含有原料を焼成し、強化することで該熱処理した物体が運搬可能となり、また該物体を還元条件下で精錬してフェロクロムニッケルを得、クロムのニッケルに対する割合は1.5〜5.0であることを特徴とするニッケル含有合金鉄の製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記フェロクロムニッケルの、クロムのニッケルに対する割合は2.0〜3.1であることを特徴とするニッケル含有合金鉄の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法において、凝集段階はペレット化処理および焼結処理を含むことを特徴とする方法。
  4. 請求項1、2、または3に記載の方法において、鉄およびクロムを含有する亜クロム酸塩精鉱を原料として使用することを特徴とする方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の方法において、ニッケル含有原料として、ラテライトニッケル鉱および/またはニッケル含有精鉱の湿式冶金処理における浸出液から析出される、またはラテライトニッケル鉱の処理過程で生じる析出物から得られるニッケル含有水酸化物の中間生成物を用いることを特徴とする方法。
  6. 請求項に記載の方法において、ニッケル含有原料として、ラテライトニッケル鉱および/またはニッケル含有精鉱の加圧浸出処理で得られる、またはラテライトニッケル鉱の処理過程で生じる析出物から得られる中間生成物を用いることを特徴とする方法。
  7. 請求項に記載の方法において、ニッケル含有原料として、ラテライトニッケル鉱および/またはニッケル含有精鉱の大気浸出処理で得られる、またはラテライトニッケル鉱の処理過程で生じる析出物から得られる中間生成物を用いることを特徴とする方法。
  8. 請求項に記載の方法において、ニッケル含有原料として、ラテライトニッケル鉱および/またはニッケル含有精鉱の堆積浸出処理で得られる、またはラテライトニッケル鉱の処理過程で生じる析出物から得られる中間生成物を用いることを特徴とする方法。
  9. 請求項に記載の方法において、ニッケル含有原料として、ラテライトニッケル鉱および/またはニッケル含有精鉱の溶媒抽出処理で得られる、またはラテライトニッケル鉱の処理過程で生じる析出物から得られる中間生成物を用いることを特徴とする方法。
  10. 請求項に記載の方法において、ニッケル含有原料として、ラテライトニッケル鉱および/またはニッケル含有精鉱のイオン交換処理で得られる、またはラテライトニッケル鉱の処理過程で生じる析出物から得られる中間生成物を用いることを特徴とする方法。
  11. 請求項に記載の方法において、ニッケル含有原料として、ラテライトニッケル鉱および/またはニッケル含有精鉱の精製処理で得られる、またはラテライトニッケル鉱の処理過程で生じる析出物から得られる中間生成物を用いることを特徴とする方法。
  12. 請求項1ないし4のいずれかに記載の方法において、ニッケル含有原料として、硫化ニッケル鉱および/またはニッケル含有精鉱の湿式冶金処理における浸出液から析出される、または硫化ニッケル鉱の処理過程で生じる析出物から得られるニッケル含有水酸化物の中間生成物を用いることを特徴とする方法。
  13. 請求項12に記載の方法において、前記ニッケル含有原料として、硫化ニッケル鉱および/またはニッケル含有精鉱の加圧浸出処理で得られる、または硫化ニッケル鉱の処理過程で生じる析出物から得られる中間生成物を用いることを特徴とする方法。
  14. 請求項12に記載の方法において、前記ニッケル含有原料として、硫化ニッケル鉱および/またはニッケル含有精鉱の大気浸出処理で得られる、または硫化ニッケル鉱の処理過程で生じる析出物から得られる中間生成物を用いることを特徴とする方法。
  15. 請求項12に記載の方法において、前記ニッケル含有原料として、硫化ニッケル鉱および/またはニッケル含有精鉱の堆積浸出処理で得られる、または硫化ニッケル鉱の処理過程で生じる析出物から得られる中間生成物を用いることを特徴とする方法。
  16. 請求項12に記載の方法において、前記ニッケル含有原料として、硫化ニッケル鉱および/またはニッケル含有精鉱の溶媒抽出処理で得られる、または硫化ニッケル鉱の処理過程で生じる析出物から得られる中間生成物を用いることを特徴とする方法。
  17. 請求項12に記載の方法において、前記ニッケル含有原料として、硫化ニッケル鉱および/またはニッケル含有精鉱のイオン交換処理で得られる、または硫化ニッケル鉱の処理過程で生じる析出物から得られる中間生成物を用いることを特徴とする方法。
  18. 請求項12に記載の方法において、前記ニッケル含有原料として、硫化ニッケル鉱および/またはニッケル含有精鉱の精製処理で得られる、または硫化ニッケル鉱の処理過程で生じる析出物から得られる中間生成物を用いることを特徴とする方法。
  19. 請求項1ないし4のいずれかに記載の方法において、前記ニッケル含有原料として、炭酸ニッケル材を用いることを特徴とする方法。
  20. 請求項1ないし4のいずれかに記載の方法において、前記ニッケル含有原料として、硫酸ニッケル材を用いることを特徴とする方法。
  21. 請求項1ないし4のいずれかに記載の方法において、前記ニッケル含有原料として、硫化ニッケル材を用いることを特徴とする方法。
  22. 請求項1ないし21のいずれかに記載の方法において、前記凝集する混合物に占めるニッケル含有原料の割合は、10〜25重量%であることを特徴とする方法。
  23. 請求項22に記載の方法において、前記凝集する混合物に占めるニッケル含有原料の割合は、15〜20重量%であることを特徴とする方法。
  24. 請求項1ないし23のいずれかに記載の方法において、凝集に関連して、凝集中に前記混合物中の硫黄を除去することを特徴とする方法。
  25. 請求項1ないし24のいずれかに記載の方法において、前記凝集して精錬したフェロクロムニッケルは、40〜45重量%のクロムと、18〜24重量%のニッケルと、3〜5重量%の炭素とを含み、残部は鉄および不可避不純物であることを特徴とする方法。
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