JP5537796B2 - 還元酵素遺伝子の取得方法、及び、還元酵素遺伝子 - Google Patents
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Description
[1] (1)配列番号1に記載の塩基配列からなる核酸断片、及び、配列番号2に記載の塩基配列からなる核酸断片;又は
(2)配列番号3に記載の塩基配列からなる核酸断片、及び、配列番号4に記載の塩基配列からなる核酸断片;
からなるプライマーセット。
[2] (1)配列番号1に記載の塩基配列からなる核酸断片の5’末端側に、制限酵素サイトを含む核酸断片が付加された核酸断片、及び、配列番号2に記載の塩基配列からなる核酸断片の5’末端側に、制限酵素サイトを含む核酸断片が付加された核酸断片;又は
(2)配列番号3に記載の塩基配列からなる核酸断片の5’末端側に、制限酵素サイトを含む核酸断片が付加された核酸断片、及び、配列番号4に記載の塩基配列からなる核酸断片の5’末端側に、制限酵素サイトを含む核酸断片が付加された核酸断片;
からなるプライマーセット。
[3] 上記[2]記載のプライマーセットが、
(1)配列番号5に記載の塩基配列からなる核酸断片、及び、配列番号6に記載の塩基配列からなる核酸断片;又は
(2)配列番号7に記載の塩基配列からなる核酸断片、及び、配列番号8に記載の塩基配列からなる核酸断片;
である、プライマーセット。
[4] 下記(1)〜(4)に記載する4工程:
(1)上記[1]〜[3]いずれかに記載のプライマーセットを用い、DNAライブラリーを鋳型として、核酸増幅反応を行い、増幅産物を得る工程;
(2)上記増幅産物を、宿主細胞内において機能可能なプロモーターと機能可能な形で接続し得るベクターに挿入して、組換えベクターを構築する工程;
(3)上記組換えベクターを宿主細胞に導入し、形質転換体を作製する工程;及び
(4)上記形質転換体又はその処理物を用いて、カルボニル化合物を光学活性なアルコールに不斉還元する活性を有することを検出する工程;
を備える、還元酵素遺伝子を取得する方法。
[5] 上記DNAライブラリーが、環境サンプル由来の環境DNAである、上記[4]に記載の方法。
[6] 配列番号11、13、15、17、19、21、23、25及び27からなる群より選ばれる塩基配列を有する核酸。
[7] 配列番号12、14、16、18、20、22、24、26及び28からなる群より選ばれるアミノ酸配列をコードする核酸。
[8] 配列番号12、14、16、18、20、22、24、26及び28からなる群より選ばれるアミノ酸配列を有するタンパク質。
[9] 上記[6]又は[7]に記載の核酸を含有する組換えベクター。
[10] 上記組換えベクターが、受託番号FERM ABP−11043、FERM ABP−11044、FERM ABP−11045、FERM ABP−11046、FERM ABP−11047、FERM ABP−11048、FERM ABP−11049、FERM ABP−11050、及び、FERM ABP−11051からなる群より選ばれる、上記[9]に記載の組換えベクター。
[11] 上記[9]又は[10]に記載の組換えベクターを含有する形質転換体。
[12] 光学活性なアルコールの製造における、上記[6]又は[7]に記載の核酸の使用。
[13] 光学活性なアルコールの製造における、上記[8]に記載のタンパク質の使用。
[14] 光学活性なアルコールの製造における、上記[9]又は[10]に記載の組換えベクターの使用。
[15] 光学活性なアルコールの製造における、上記[11]に記載の形質転換体の使用。
等を提供するものである。
本発明の核酸断片及びプライマーセットについて説明する。
本発明の核酸断片は、配列番号1〜4からなる群より選ばれる塩基配列からなる核酸断片である。
配列番号1:5’−TTAYTGCATGAACCAGCCGTGGCTGACGAYGAACG−3’
配列番号2:5’−ATGRGCAAYCTGAATGGCAARACCGCMRTCG−3’
配列番号3:5’−TTAGAWSGCRGTSRCSCCRCCRTCSACCGCCAGYGMATGGCCGG−3’
配列番号4:5’−ATGAGCATGACGTTTTCCGGYCAGGTRGCC−3’
なお、RはA又はGの塩基、YはC又はTの塩基、MはA又はCの塩基、KはG又はTの塩基、SはC又はGの塩基、WはA又はTの塩基を示す。
(1)配列番号1に記載の塩基配列からなる核酸断片、及び、配列番号2に記載の塩基配列からなる核酸断片;又は
(2)配列番号3に記載の塩基配列からなる核酸断片、及び、配列番号4に記載の塩基配列からなる核酸断片;
からなるプライマーセットである。
(1)配列番号1に記載の塩基配列からなる核酸断片の5’末端側に、制限酵素サイトを含む核酸断片が付加された核酸断片、及び、配列番号2に記載の塩基配列からなる核酸断片の5’末端側に、制限酵素サイトを含む核酸断片が付加された核酸断片;又は
(2)配列番号3に記載の塩基配列からなる核酸断片の5’末端側に、制限酵素サイトを含む核酸断片が付加された核酸断片、及び、配列番号4に記載の塩基配列からなる核酸断片の5’末端側に、制限酵素サイトを含む核酸断片が付加された核酸断片;
からなるプライマーセットである。
(1)配列番号5に記載の塩基配列からなる核酸断片、及び、配列番号6に記載の塩基配列からなる核酸断片;又は
(2)配列番号7に記載の塩基配列からなる核酸断片、及び、配列番号8に記載の塩基配列からなる核酸断片;
である、プライマーセットである。
配列番号5:5’−GGCCGGACAGGCCTTAYTGCATGAACCAGCCGTGGCTGACGAYGAACG−3’
配列番号6:5’−CATATGRGCAAYCTGAATGGCAARACCGCMRTCG−3’
配列番号7:5’−GGCCGGACAGGCCTTAGAWSGCRGTSRCSCCRCCRTCSACCGCCAGYGMATGGCCGG−3’
配列番号8:5’−CATATGAGCATGACGTTTTCCGGYCAGGTRGCC−3’
なお、RはA又はGの塩基、YはC又はTの塩基、MはA又はCの塩基、KはG又はTの塩基、SはC又はGの塩基、WはA又はTの塩基を示す。
次に、本発明の還元酵素遺伝子を取得する方法について説明する。
本発明の還元酵素遺伝子を取得する方法は、下記(1)〜(4)に記載する4工程:
(1)上記プライマーセットを用い、DNAライブラリーを鋳型として、核酸増幅反応を行い、増幅産物を得る工程;
(2)上記増幅産物を、宿主細胞内において機能可能なプロモーターと機能可能な形で接続し得るベクターに挿入して、組換えベクターを構築する工程;
(3)上記組換えベクターを宿主細胞に導入し、形質転換体を作製する工程;及び
(4)上記形質転換体又はその処理物を用いて、カルボニル化合物を光学活性なアルコールに不斉還元する活性を有することを検出する工程;
を備える。
本発明の還元酵素遺伝子、還元酵素、組換えベクター、及び、形質転換体について説明する。本発明の還元酵素遺伝子、還元酵素、組換えベクター、及び、形質転換体は、上記還元酵素遺伝子を取得する方法により単離同定したものである。
本発明の還元酵素遺伝子は、配列番号11に記載の塩基配列を有する核酸である。また、配列番号12に記載のアミノ酸配列をコードする核酸である。本発明の還元酵素は、配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質である。本発明の組換えベクターは、配列番号11に記載の塩基配列を有する核酸を含有する組換えベクターである。本発明の組換えベクターは、プラスミドLS−1と命名された受託番号FERM ABP−11043である。本発明の形質転換体は、プラスミドLS−1と命名された組換えベクターを含有する形質転換体である。
本発明の還元酵素遺伝子は、配列番号13に記載の塩基配列を有する核酸である。また、配列番号14に記載のアミノ酸配列をコードする核酸である。本発明の還元酵素は、配列番号14に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質である。本発明の組換えベクターは、配列番号13に記載の塩基配列を有する核酸を含有する組換えベクターである。本発明の組換えベクターは、プラスミドLS−7と命名された受託番号FERM ABP−11044である。本発明の形質転換体は、プラスミドLS−7と命名された組換えベクターを含有する形質転換体である。
本発明の還元酵素遺伝子は、配列番号15に記載の塩基配列を有する核酸である。また、配列番号16に記載のアミノ酸配列をコードする核酸である。本発明の還元酵素は、配列番号16に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質である。本発明の組換えベクターは、配列番号15に記載の塩基配列を有する核酸を含有する組換えベクターである。本発明の組換えベクターは、プラスミドLS−10と命名された受託番号FERM ABP−11045である。本発明の形質転換体は、プラスミドLS−10と命名された組換えベクターを含有する形質転換体である。
本発明の還元酵素遺伝子は、配列番号17に記載の塩基配列を有する核酸である。また、配列番号18に記載のアミノ酸配列をコードする核酸である。本発明の還元酵素は、配列番号18に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質である。本発明の組換えベクターは、配列番号17に記載の塩基配列を有する核酸を含有する組換えベクターである。本発明の組換えベクターは、プラスミドLS−11と命名された受託番号FERM ABP−11046である。本発明の形質転換体は、プラスミドLS−11と命名された組換えベクターを含有する形質転換体である。
本発明の還元酵素遺伝子は、配列番号19に記載の塩基配列を有する核酸である。また、配列番号20に記載のアミノ酸配列をコードする核酸である。本発明の還元酵素は、配列番号20に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質である。本発明の組換えベクターは、配列番号19に記載の塩基配列を有する核酸を含有する組換えベクターである。本発明の組換えベクターは、プラスミドLS−17と命名された受託番号FERM ABP−11047である。本発明の形質転換体は、プラスミドLS−17と命名された組換えベクターを含有する形質転換体である。
本発明の還元酵素遺伝子は、配列番号21に記載の塩基配列を有する核酸である。また、配列番号22に記載のアミノ酸配列をコードする核酸である。本発明の還元酵素は、配列番号22に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質である。本発明の組換えベクターは、配列番号21に記載の塩基配列を有する核酸を含有する組換えベクターである。本発明の組換えベクターは、プラスミドLS−20と命名された受託番号FERM ABP−11048である。本発明の形質転換体は、プラスミドLS−20と命名された組換えベクターを含有する形質転換体である。
本発明の還元酵素遺伝子は、配列番号23に記載の塩基配列を有する核酸である。また、配列番号24に記載のアミノ酸配列をコードする核酸である。本発明の還元酵素は、配列番号24に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質である。本発明の組換えベクターは、配列番号23に記載の塩基配列を有する核酸を含有する組換えベクターである。本発明の組換えベクターは、プラスミドLS−22と命名された受託番号FERM ABP−11049である。本発明の形質転換体は、プラスミドLS−22と命名された組換えベクターを含有する形質転換体である。
本発明の還元酵素遺伝子は、配列番号25に記載の塩基配列を有する核酸である。また、配列番号26に記載のアミノ酸配列をコードする核酸である。本発明の還元酵素は、配列番号26に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質である。本発明の組換えベクターは、配列番号25に記載の塩基配列を有する核酸を含有する組換えベクターである。本発明の組換えベクターは、プラスミドLS−24と命名された受託番号FERM ABP−11050である。本発明の形質転換体は、プラスミドLS−24と命名された組換えベクターを含有する形質転換体である。
本発明の還元酵素遺伝子は、配列番号27に記載の塩基配列を有する核酸である。また、配列番号28に記載のアミノ酸配列をコードする核酸である。本発明の還元酵素は、配列番号28に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質である。本発明の組換えベクターは、配列番号27に記載の塩基配列を有する核酸を含有する組換えベクターである。本発明の組換えベクターは、プラスミドLS−26と命名された受託番号FERM ABP−11051である。本発明の形質転換体は、プラスミドLS−26と命名された組換えベクターを含有する形質転換体である。
本発明の光学活性なアルコールの製造方法について説明する。本発明の光学活性なアルコールの製造方法は、上記の還元酵素遺伝子、還元酵素、組換えベクター、又は、形質転換体を用いることを特徴とするものである。また、上記製造方法は、上記の還元酵素遺伝子を取得する方法により単離同定した還元酵素遺伝子、還元酵素、組換えベクター、又は、形質転換体を用いるものであってもよい。本発明の光学活性なアルコールの製造方法は、基質であるケトン化合物又はアルデヒド化合物に、還元酵素、それを産生する形質転換体又はその処理物を作用させることを特徴とする。
環境サンプルとして、4℃保存した以下の環境サンプル(A)〜(C)を用いて、ISOIL for Beads Beating(ニッポンジーン社製)のマニュアルにしたがって、環境DNA(A)〜(C)をそれぞれ抽出した。DNAの抽出確認は1.5%アガロースゲル電気泳動を行って確認した。
(A)滋賀県琵琶湖周辺の土壌(表層土から下に10cm程度下にある黒色土)
(B)富山県砺波市の土壌(表層土から下に10cm程度下にある黒色土)
(C)富山県魚津市付近の土壌(表層土から下に10cm程度下にある黒色土)
以下の4種類の縮重プライマーを人工合成した。
プライマー1:5’−TTAYTGCATGAACCAGCCGTGGCTGACGAYGAACG−3’(配列番号1)
プライマー2:5’−ATGRGCAAYCTGAATGGCAARACCGCMRTCG−3’(配列番号2)
プライマー3:5’−TTAGAWSGCRGTSRCSCCRCCRTCSACCGCCAGYGMATGGCCGG−3’(配列番号3)
プライマー4:5’−ATGAGCATGACGTTTTCCGGYCAGGTRGCC−3’(配列番号4)
プライマー1と2、プライマー3と4のペアで遺伝子増幅反応を行った。なお、RはA又はGの塩基、YはC又はTの塩基、MはA又はCの塩基、KはG又はTの塩基、SはC又はGの塩基、WはA又はTの塩基を示す。
以下の手順により、特開2007−061065に記載のプラスミドpHAR1を改変し、EcoT14I制限酵素サイトを含まないpHAR1sベクターを構築した。
まず、プラスミドpHAR1を含む以下の組成液1を調製し、37℃で3時間処理した。
[組成液1]
pHAR1溶液(100μg/ml) 1μl
EcoT14I(宝酒造社製) 1μl
10×H Buffer(宝酒造社製)2μl
滅菌水 16μl
[組成液2]
0.1% BSA 2μl
dNTPs(各1.7mM−mix) 2μl
10×T4 DNA Polymerase Buffer
(New England Biolabs社製) 2μl
滅菌水 2μl
(4−1)還元酵素遺伝子の増幅
配列番号1で示される塩基配列の5’末端側に制限酵素サイト(SfiI)を付加したオリゴヌクレオチドプライマー(配列番号5)、配列番号2で示される塩基配列の5’末端側に制限酵素サイト(NdeI)を付加したオリゴヌクレオチドプライマー(配列番号6)を用いて、環境サンプル(A)由来の環境DNAを鋳型にして、下記反応液組成、反応条件でPCRを行った。
配列番号5:5’−GGCCGGACAGGCCTTAYTGCATGAACCAGCCGTGGCTGACGAYGAACG−3’
配列番号6:5’−CATATGRGCAAYCTGAATGGCAARACCGCMRTCG−3’
配列番号7:5’−GGCCGGACAGGCCTTAGAWSGCRGTSRCSCCRCCRTCSACCGCCAGYGMATGGCCGG−3’
配列番号8:5’−CATATGAGCATGACGTTTTCCGGYCAGGTRGCC−3’
なお、RはA又はGの塩基、YはC又はTの塩基、MはA又はCの塩基、KはG又はTの塩基、SはC又はGの塩基、WはA又はTの塩基を示す。
[反応液組成]
環境DNA液 2μl
dNTPs(各2mM−mix) 2μl
プライマー(100μM) 各0.8μl
10×Buffer for BlendTaq 2μl
Blend Taq−Plus−(東洋紡社製) 0.2μl
DMSO 2μl
滅菌水 10.2μl
[反応条件]
上記組成の反応液が入った容器をBio−RAD DNA Engineにセットし、94℃(2分間)に加熱した後、94℃(0.5分間)→69℃(1分間)→72℃(1分間)のサイクルを40回行い、さらに72℃で10分間保持した。増幅産物はWizard Plus SV Minipreps DNA Purification System(Promega社製)を用いて精製した。
精製後の溶液に2種類の制限酵素(NdeI及びSfiI)を加え、DNA断片を2重消化し、方向性がある制限酵素切断末端を有するDNA断片を調製した。一方、プラスミドpHAR1sを2種類の制限酵素(NdeI及びSfiI)により2重消化した。DNA断片の酵素消化確認は1.5%アガロースゲル電気泳動を行って確認した。1.5%アガロースゲル電気泳動後、ゲルから酵素消化DNA断片を切り出し、それぞれWizard Plus SV Gel and PCR Clean−up System(Promega社製)を用いて精製した。得られた精製液をエタノール沈殿後、乾燥させた後、それぞれの酵素消化DNA断片に滅菌水を5μl添加した。それぞれの酵素消化DNA断片水溶液を混合し、Ligation High(東洋紡社製)を10μl添加した。16℃にて一晩放置し、エタノール沈殿後、乾燥させた。5μlの滅菌水を添加後、エレクトロポレーション法によりE.coli JM109株を形質転換した。
コロニー 1白金耳
dNTPs(各2mM−mix) 1.6μl
M13−47プライマー(100μM) 1.0μl
PARSQR0プライマー(100μM) 1.0μl
10×Buffer for BlendTaq 2μl
Blend Taq−Plus−(東洋紡社製)) 0.2μl
滅菌水 14.2μl
[プライマー]
M13−47 :5’−CGCCAGGGTTTTCCCAGTCACGAC−3’(配列番号9)
PARSQR0:5’−GAAAGCGGGCAGTGAGCGCAACGC−3’(配列番号10)
[反応条件]
上記組成の反応液が入った容器をBio−RAD DNA Engineにセットし、94℃(2分間)に加熱した後、95℃(0.5分間)→50℃(0.5分間)→72℃(1.5分間)のサイクルを30回行い、さらに72℃で10分間保持した。
PCR増幅断片を1.5%アガロースゲル電気泳動を行って確認した結果、34個のコロニーに遺伝子の挿入を確認した。
(5−1)粗酵素液の調製
得られた34種類の形質転換体、プラスミドpHAR1sにてE.coli JM109株を形質転換した形質転換体、又は、プラスミドpKELA(特許文献:特開2008−017773)にてE.coli XL一Blue MRF’株を形質転換した形質転換体を100μg/mlのアンピシリン、及び、0.4mMのIPTGを含有するLB培地4ml中で培養(37℃、22時間、振盪培養)した。その後、培養液2mlを2ml容の遠心チューブに入れ、遠心分離(15000rpm、30秒、4℃)することにより、沈殿として湿菌体を得た。培養上清液を除いた湿菌体に、500mgのビーズ(Φ0.1mm)と、50mMのMOPS−NaOHバッファー(pH7.0)を0.5mlを加え、Multi−Beads Shocker(安井器械社製)で破砕した(2500rpm、150秒、ON(30秒×3)、OFF(30秒×2))。破砕液を短時間遠心分離した後、破砕液の入ったチューブの底に穴をあけ、チューブを1.5ml容の新しい遠心チューブに押し込んだ。遠心分離(3000rpm、5分、4℃)後、2ml容の遠心チューブを抜き、1.5ml容の遠心チューブのサンプルをさらに遠心分離(15000rpm、5分、4℃)し、得られた遠心上清液を粗酵素液とした。なお、プラスミドpKELAは、2,2,2−トリフルオロアセトフェノンを2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエタノールに還元する能力を有するポリペプチドをコードする還元酵素遺伝子を含有する組換えベクターである。
50mM MOPS−NaOHバッファー(pH7.0)、0.27mM NADH、3mM アセトフェノンを含む反応液990μlを25℃で1.5分保温し、粗酵素液を10μl添加後、NADHの340nmにおける吸収の減少を測定した。なお、プラスミドpHAR1sにてE.coli JM109株を形質転換した形質転換体から得られた粗酵素液で測定した結果をブランクとした。また、酵素活性はarbitrary unit(aU)とし、下記の計算式を用いて算出した。結果を表1に示した。
酵素活性(aU)=(340nmでの減少量(ΔA)/測定時間(1分))
基質として、2,2,2−トリフルオロアセトフェノン、3’−クロロアセトフェノン、n−バレルアルデヒド、又は、4−クロロ−3−オキソ酪酸エチルを用いた以外は実施例5に記載の方法で還元活性を測定した。なお、実施例5で活性の確認できた28種類について、各形質転換体から調製した粗酵素液を用いて基質特異性を検討した。結果を表2に示す。
基質としてアセトフェノン、2,2,2−トリフルオロアセトフェノン、3’−クロロアセトフェノン、n−バレルアルデヒド、4−クロロ−3−オキソ酪酸エチルエステル、4’−クロロアセトフェノン、3−メチル−2−オキソ酪酸エチルエステル、2−ヘプタノン、4−ヒドロキシ−2−ブタノン、n−ヘプチルアルデヒド、ベンゾイルギ酸エチル、プロピオンアルデヒド、1−フェニル−2−ブタノン、n−ブチルアルデヒド、又は、3−オキソ酪酸エチルを用いた以外は実施例5に記載の方法で還元活性を測定した。結果を表3〜6に示す。
(8−1)湿菌体調製
増幅された還元酵素遺伝子を含む34種類の形質転換体の中から20種類(LS−1、2、3、5、6、7、8、11、13、15、16、17、18、20、22、23、24、25、26、27)の形質転換体、又は、プラスミドpKELA(特開2008−017773)にてE.coli XL1Blue MRF’株を形質転換した形質転換体を100μg/mlのアンピシリン、及び、0.4mMのIPTGを含有するLB培地4ml中で培養(37℃、22時間、振盪培養)した。その後、培養液2mlを2ml容の遠心チューブに入れ、遠心分離(15000rpm、30秒、4℃)することにより、沈殿として湿菌体を得た。
湿菌体に、50mM MOPS−NaOHバッファー(pH7.0)、2mM 2,2,2−トリフルオロアセトフェノン、1mM NAD+、10%(w/v)2−プロパノールを含む反応液0.5mlを加え、バイオシェーカーで振とうした(1200rpm、22時間、30℃)。その後、1−ブタノールを1ml添加して振とうした(1200rpm、30分、30℃)。遠心分離(12000rpm、5分、30℃)し、有機層を得た。この有機層を、無水Na2SO4を用いて乾燥後、ガスクロマトグラフィーによる含量分析を行った。
以下の条件で、ガスクロマトグラフィーによる1−フェニルトリフルオロエタノールの含量分析を行い、溶出時間の違いにより、得られた還元体の光学純度を調べた。その結果を表7に示す。
<含量分析条件(ガスクロマトグラフィー条件)>
カラム:CP−cyclodextrin−β−236−N19(0.25mm×25M)
カラム温度:130℃
Injection温度:250℃
Detection温度:250℃
キャリアーガス:ヘリウム(流量:0.5ml/分)
検出器:FID
溶出時間:(S)−(+)−1−フェニルトリフルオロエタノール(8.3分)、(R)−(−)−1−フェニルトリフルオロエタノール(8.5分)
実施例4でアセトフェノン還元活性を示した28株(LS−1〜28)のプラスミドに挿入されたDNA断片の中から、LS−1、LS−7、LS−10、LS−11、LS−17、LS−20、LS−22、LS−24、LS−26について塩基配列を解析した。塩基配列の解析は、Dye Terminator Cycle sequencing FS ready Reaction Kit(パーキンエルマー製)を用いて各プラスミドを鋳型としてシークエンス反応を行い、得られたDNAの塩基配列をDNAシーケンサー373A(パーキンエルマー製)で解析することにより行った。得られた塩基配列を配列番号8、10、12、14、16、18、20、22、24に示した。
Claims (15)
- (1)配列番号1に記載の塩基配列からなる核酸断片、及び、配列番号2に記載の塩基配列からなる核酸断片;又は
(2)配列番号3に記載の塩基配列からなる核酸断片、及び、配列番号4に記載の塩基配列からなる核酸断片;
からなるプライマーセット。 - (1)配列番号1に記載の塩基配列からなる核酸断片の5’末端側に、制限酵素サイトを含む核酸断片が付加された核酸断片、及び、配列番号2に記載の塩基配列からなる核酸断片の5’末端側に、制限酵素サイトを含む核酸断片が付加された核酸断片;又は
(2)配列番号3に記載の塩基配列からなる核酸断片の5’末端側に、制限酵素サイトを含む核酸断片が付加された核酸断片、及び、配列番号4に記載の塩基配列からなる核酸断片の5’末端側に、制限酵素サイトを含む核酸断片が付加された核酸断片;
からなるプライマーセット。 - 請求項2記載のプライマーセットが、
(1)配列番号5に記載の塩基配列からなる核酸断片、及び、配列番号6に記載の塩基配列からなる核酸断片;又は
(2)配列番号7に記載の塩基配列からなる核酸断片、及び、配列番号8に記載の塩基配列からなる核酸断片;
である、プライマーセット。 - 下記(1)〜(4)に記載する4工程:
(1)請求項1〜3いずれか一項に記載のプライマーセットを用い、DNAライブラリーを鋳型として、核酸増幅反応を行い、増幅産物を得る工程;
(2)前記増幅産物を、宿主細胞内において機能可能なプロモーターと機能可能な形で接続し得るベクターに挿入して、組換えベクターを構築する工程;
(3)前記組換えベクターを宿主細胞に導入し、形質転換体を作製する工程;及び
(4)前記形質転換体又はその処理物を用いて、カルボニル化合物を光学活性なアルコールに不斉還元する活性を有することを検出する工程;
を備える、還元酵素遺伝子を取得する方法。 - 前記DNAライブラリーが、環境サンプル由来の環境DNAである、請求項4に記載の方法。
- 配列番号11、13、15、17、19、21、23、25及び27からなる群より選ばれる塩基配列を有する核酸。
- 配列番号12、14、16、18、20、22、24、26及び28からなる群より選ばれるアミノ酸配列をコードする核酸。
- 配列番号12、14、16、18、20、22、24、26及び28からなる群より選ばれるアミノ酸配列を有するタンパク質。
- 請求項6又は7に記載の核酸を含有する組換えベクター。
- 前記組換えベクターが、受託番号FERM BP−11043、FERM BP−11044、FERM BP−11045、FERM BP−11046、FERM BP−11047、FERM BP−11048、FERM BP−11049、FERM BP−11050、及び、FERM BP−11051からなる群より選ばれる、請求項9に記載の組換えベクター。
- 請求項9又は10に記載の組換えベクターを含有する形質転換体。
- 光学活性なアルコールの製造における、請求項6又は7に記載の核酸の使用。
- 光学活性なアルコールの製造における、請求項8に記載のタンパク質の使用。
- 光学活性なアルコールの製造における、請求項9又は10に記載の組換えベクターの使用。
- 光学活性なアルコールの製造における、請求項11に記載の形質転換体の使用。
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