JP5537116B2 - 外壁材 - Google Patents

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Description

本発明は、外壁材に関するものであり、詳しくは基材の表面に塗膜を形成した外壁材に関するものである。
従来、表面に塗膜が形成された板状の外壁材が建築用材料として用いられている。外壁材は家屋などの外壁を構成するものであり、表面に塗膜が施されていることによって意匠性を上げたり耐久性を上げたりすることができるものである。塗膜構成としては、例えば、基材の表面に、意匠性を付与する下塗り層を形成し、さらにその表面に透明で耐候性のある上塗り層を形成するといった複数層により塗膜を構成することが知られている(特許文献1参照)。塗膜が施された外壁材は、運搬車などに積み重ねられて積載され、施工現場や保管場所まで輸送される。
しかし、塗膜を形成した外壁材にあっては、運搬や積載の際に積み重ねられた隣り合う外壁材同士が擦れて、塗膜が破壊され欠陥を生じることがある。また、塗膜中に種々の目的で粒子を配合することがあるが、そのような外壁材にあっては、積み重ねて積載した際に、上側に積み重ねられた他の外壁材の重みなどの荷重によって、塗膜中に含まれた粒子が押圧されて下側の外壁材の塗膜が潰れて破壊されることがある。このように塗膜が破壊されると、外観を損ね、また、耐久性が低下するため、外壁材として利用できなくなる。したがって、積載・輸送によっても塗膜が破壊しない外壁材が求められている。
特許文献2には、衝撃による破壊を防止する塗膜を形成するための塗料が開示されている。しかしながら、特許文献2の塗料は、自動車のボディーなどに使用し、砕石の跳ね上げ(チッピング)による塗膜の剥離を防止しようとするものであり、外壁材の積載時や輸送時の塗膜の破壊を防止することは難しかった。
特開平11−12505号公報 特開2007−270014号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、積み重ねて積載・輸送する場合でも、積載時の荷重や、輸送時の擦れによって塗膜が破壊されることのない外壁材を提供することを目的とするものである。
本発明は、基材の表面に、水性エナメル塗料と水性クリアー塗料とをこの順で塗膜形成してなる外壁材であって、前記水性クリアー塗料は、平均粒子径が前記水性クリアー塗料で形成するクリアー塗膜の膜厚の2〜10倍である樹脂ビーズを含有し、前記水性エナメル塗料は、平均粒子径が前記水性エナメル塗料で形成するエナメル塗膜の膜厚の−5〜+5μmの範囲である樹脂ビーズを含有することを特徴とする外壁材である。
本発明は、前記水性クリアー塗料は、平均粒子径が前記クリアー塗膜の膜厚の0.5〜2倍である樹脂ビーズをさらに含有することが好ましい
本発明によれば、水性クリアー塗料により塗膜の耐久性を向上することができるものであり、この水性クリアー塗料には、平均粒子径がクリアー塗膜の膜厚の2〜10倍である樹脂ビーズが含有されることにより、一部を塗膜表面に突出させて樹脂ビーズを配置することができるので、塗膜表面の位置を樹脂ビーズの突出位置よりも基材側に配置させて塗膜を保護することができ、輸送時の擦れによって塗膜が破壊して欠陥が生じることを防止することができるものである。また、平均粒子径がエナメル塗膜の膜厚の−5〜+5μmの範囲である樹脂ビーズが水性エナメル塗料に含有されていることにより、水性クリアー塗料の層に含まれる粒径の大きい樹脂ビーズを基材側で支えることができるので、積載時の荷重などで塗膜が潰れて破壊されることを防止することができるものである。
また本発明によれば、平均粒子径がクリアー塗膜の膜厚の0.5〜2倍である樹脂ビーズが水性クリアー塗料に含有されている場合には、塗膜の艶消しを行って外観を良好にし、意匠性を向上することができるものである。
本発明の外壁材の実施の形態の一例を示す要部断面図である。
図1に、本発明の外壁材の構造の一例を示す。本発明の外壁材は、基材2の表面に、水性エナメル塗料と水性クリアー塗料とがこの順で塗装されて塗膜(エナメル塗膜3及びクリアー塗膜4)が形成されたものである。
基材2は、家屋の外壁材料として用いられる板状の部材であり、窯業系サイディングなどで構成することができる。基材2の塗膜が形成される表面は塗料を均一な厚みで塗装することができるよう図示の例では略平坦になっている。この基材2の表面には意匠性を付与する等の目的で本発明の効果を損ねない程度に凹凸が形成されていてもよい。
基材2の材質としては、窯業系基材や金属系基材のように無機質のものであっても、樹脂系基材のように有機質のものであっても、いずれでもよい。窯業系基材の外壁材は、瓦や外壁材等の用途に使用されるものである。窯業系基材は、無機質硬化体の原料となる水硬性膠着材に無機充填剤、繊維質材料等を配合し、成形した後に養生硬化させて作製されるものであり、水硬性膠着材としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポルトランドセメント、高炉セメント、高炉スラグ、ケイ酸カルシウム、石膏等から選ばれたものの一種あるいは複数種を用いることができる。また、無機充填剤としては、フライアッシュ、ミクロシリカ、珪砂等を、繊維質材料としては、パルプ、合成繊維等の無機繊維や、スチールファイバー等の金属繊維を、それぞれ単独であるいは複数種併せて用いることができる。成形は押出成形や注型成形、抄造成形、プレス成形等の方法により行うことができ、成形の後、必要に応じてオートクレーブ養生、蒸気養生、常温養生を行って、外壁材として使用される窯業系基材を作製することができる。その他、基材2としては、例えば、フレキシブルボード、珪酸カルシウム板、石膏スラグパーライト板、木片セメント板、プレキャストコンクリート板、ALC板、石膏ボード等の無機質板を用いることができる。
この基材2の表面に水性エナメル塗料を塗装してエナメル塗膜3を形成するのであるが、基材2と塗膜との間にシーラー塗膜を形成してもよい。シーラー塗膜は、塗膜の下塗りとなる層である。シーラー塗膜を形成するのに用いられるシーラー塗料としては、低分子量の樹脂や小粒径のエマルションからなる浸透性タイプの下塗り材等を用いることができる。具体的には、例えば、アクリルエマルション樹脂に、酸化チタン、酸化鉄系顔料、カーボンブラック、炭酸カルシウム等の顔料、ブチルセロソルブ、消泡剤等の添加剤、水等を加えて撹拌分散して調製したものをシーラー塗料として用いることができる。シーラー塗膜の厚みは、通常5〜20μm程度である。そして、基材2の表面に形成されたシーラー塗膜の外表面に、水性エナメル塗料及び水性クリアー塗料を順次塗布する。
水性エナメル塗料は、外壁材の塗膜の内層(下塗り層又は中塗り層)となるエナメル塗膜3を形成するものである。一方、水性クリアー塗料は、外壁材の塗膜の外層(上塗り層)となるクリアー塗膜4を形成するものである。各塗料を水性にすることにより環境負荷を低減できるものである。そして、外壁材は少なくともこのエナメル塗膜3とクリアー塗膜4との二層(もしくは少なくともさらにシーラー塗膜を加えた三層)で構成される。
水性エナメル塗料としては、下地の隠蔽力が高く耐久性に優れ種類豊富な色揃えを有し外観意匠性向上に寄与可能な着色塗料を用いることができる。具体的には、例えば、アクリルエマルション樹脂に、酸化チタン、酸化鉄系顔料、カーボンブラック、硫酸バリウム等の顔料、ブチルセロソルブ、消泡剤、増粘剤等の添加剤、水等を加えて撹拌分散して調製したものを水性エナメル塗料として用いることができる。また、アクリル系エマルションをベースにしたアクリル樹脂塗料や、アクリルシリコン系エマルションをベースにしたアクリルシリコン樹脂塗料等の水性塗料を用いることも好ましい。このように水性エナメル塗料により塗膜を形成すれば塗膜の耐久性を向上することができるものである。
水性クリアー塗料としては、アクリルエマルション塗料などを用いることができる。アクリルエマルション塗料としては、環境負荷を低減するために、アクリル系エマルションをベースにしたアクリル樹脂塗料や、アクリルシリコン系エマルションをベースにしたアクリルシリコン樹脂塗料等の水性塗料を用いるのが好ましい。このように水性クリアー塗料により塗膜の最外層を形成すれば塗膜の耐久性や耐候性を向上することができるものである。なお、アクリルエマルション塗料には、意匠性の向上のためにマイカ等の骨材を配合しておいてもよい。
各塗料においては、水を溶剤・分散剤として用いて、固形分を25〜40質量%程度に設定することができ、また塗料粘度を5〜100mPa・s程度に設定することができる。塗料中の固形分がこの範囲から外れたり、塗料の粘度がこの範囲から外れたりすると、膜厚が不均一になるおそれがある。
各塗料によって形成される塗膜の厚みとしては、エナメル塗膜3の厚みを35〜45μm程度に設定することが好ましく、クリアー塗膜4の厚みを10〜20μm程度に設定することが好ましい。エナメル塗膜3の厚みが上記の範囲より薄いと耐久性が低下するおそれがあり、逆にエナメル塗膜3の厚みが上記の範囲より厚いと乾燥に時間を要して製造性が低下するおそれがある。また、クリアー塗膜4の厚みが上記の範囲より薄いと耐久性が低下するおそれがあり、逆にクリアー塗膜4の厚みが上記の範囲より厚いと乾燥に時間を要して製造性が低下するおそれがある。
そして、本発明では、水性クリアー塗料に、さらに好ましくは水性エナメル塗料にも、樹脂ビーズ1が含有されるものである。図1では、略球形状の樹脂ビーズ1が用いられている様子が示されている。樹脂ビーズ1としては、有機材料のアクリル系樹脂で形成されたビーズ状の粒子、すなわちアクリル系樹脂ビーズを用いることが好ましい。アクリル系樹脂ビーズを用いれば、耐候性を維持しながら艶を調整することができる。
水性クリアー塗料には、平均粒子径がクリアー塗膜4の膜厚の2〜10倍である樹脂ビーズ1(1a)が含有される。これにより、クリアー塗膜4は、膜厚よりも平均粒子径が大きい粒子が含まれて形成されることになる。したがって、図1に示すように、樹脂ビーズ1aはその一部を塗膜表面に突出して配置される。このように樹脂ビーズ1aを突出させて配置すれば、樹脂ビーズ1aを除く塗料成分で形成する塗膜の最外表面の位置(図中のY)が、樹脂ビーズ1aが突出する先端の位置(図中の破線X)よりも基材2側に配置されるので、塗膜を保護することができるものである。
ここで、外壁材は、積み重ねられて積載・輸送・運搬されるものである。その際、積み重ねられた上側の他の外壁材の積み重ね面は、破線Xの位置となる。なお、後述するように他の外壁材は表面を対向させて(表面を図の下方向に向けて)配置される。そして樹脂ビーズ1aの突出によりクリアー塗膜4の外表面Yはこの破線Xよりも内側に位置しているので、外壁材を積み重ねて輸送した際に外壁材と他の外壁材とが横方向(外壁材の表面と平行な方向、図中の矢印A)にずれた場合でも塗料成分で形成した塗膜の表面が擦れたりすることがない。したがって、輸送時の擦れによって塗膜が破壊して欠陥が生じることを防止することができるのである。
樹脂ビーズ1aの平均粒子径がクリアー塗膜4の膜厚の2倍未満であると突出が十分でなく塗膜表面を保護できなくなるおそれがある。一方、樹脂ビーズ1aの平均粒子径がクリアー塗膜4の膜厚の10倍を超えると樹脂ビーズ1aがかえって脱落しやすくなるおそれがある。樹脂ビーズ1aの平均粒子径は、具体的には、クリアー塗膜4の厚みが10〜20μm程度である場合、20μm〜200μmになる。
樹脂ビーズ1aの含有量としては、クリアー塗膜4を形成した際に塗膜中に0.5〜20質量%の範囲で樹脂ビーズ1aが含まれるように調整されることが好ましい。そのためには、水性クリアー塗料の固形分(乾燥により蒸発しない成分)の全量に対して、0.5〜20質量%樹脂ビーズ1aを含有すればよい。樹脂ビーズ1aの含有量がこの範囲よりも少ないと十分な濃度分布で樹脂ビーズ1aを配置することができず塗膜表面を十分に保護することができなくなるおそれがある。一方、樹脂ビーズ1aの含有量がこの範囲よりも多いと樹脂ビーズを保持する塗料成分が相対的に少なくなって樹脂ビーズ1aが脱落して意匠性を損ねたり塗膜保護作用を発揮できなくなったりするおそれがある。
水性クリアー塗料には、平均粒子径がクリアー塗膜4の膜厚の0.5〜2倍である樹脂ビーズ1(1b)をさらに含有することが好ましい。これにより、上記の樹脂ビーズ1aよりも平均粒子径が小さく、膜厚に対する平均粒子径が0.5倍以上2倍未満の粒子が、クリアー塗膜4に含まれることになる。このような樹脂ビーズ1bを水性クリアー塗料に含有させることにより、塗膜の艶消しを行って外観を良好にし、意匠性を向上することができる。樹脂ビーズ1bの平均粒子径がクリアー塗膜4の膜厚の0.5未満では艶消し効果が十分でなくなるおそれがある。また、この平均粒子径の小さい粒子は、骨材としても機能し、クリアー塗膜4の耐久性を向上することができる。図示の例では、樹脂ビーズ1bはクリアー塗膜4の膜厚よりも小さい1倍未満の平均粒子径のものを用いた様子が示されている。樹脂ビーズ1bの平均粒子径がクリアー塗膜4の膜厚よりも小さいと、塗料成分で形成された塗膜の最外表面をより多く外表面として形成し露出させることができる。樹脂ビーズ1bの平均粒子径は、具体的には、クリアー塗膜4の厚みが10〜20μm程度である場合、5μm〜40μmになる。
樹脂ビーズ1bの含有量としては、クリアー塗膜4を形成した際に塗膜中に10〜20質量%の範囲で樹脂ビーズ1bが含まれるように調整されることが好ましい。そのためには、水性クリアー塗料の固形分(乾燥により蒸発しない成分)の全量に対して、10〜20質量%樹脂ビーズ1bを含有すればよい。樹脂ビーズ1bの含有量がこの範囲より少ないと艶消し効果が十分でなくなくおそれがあり、樹脂ビーズ1bの含有量がこの範囲より多いと、樹脂ビーズ1aを支える塗料成分が相対的に少なくなって樹脂ビーズが脱落するなどして塗膜保護作用が十分に発揮されなくなるおそれがある。
水性エナメル塗料に、樹脂ビーズ1を含有することが好ましい。この場合、平均粒子径がエナメル塗膜3の膜厚の−5〜+5μmの範囲である樹脂ビーズ1(1c)を含有することがさらに好ましい。それにより、クリアー塗膜4に含まる粒径の大きい樹脂ビーズ1aを基材2側で支えることができ、エナメル塗膜3及びクリアー塗膜4の潰れを防止することができるものである。樹脂ビーズ1cの平均粒子径がエナメル塗膜3の膜厚よりも5μmを超えて小さいと、樹脂ビーズ1aを基材2側で十分に支えることができなくなり塗膜の潰れが発生するおそれがある。一方、樹脂ビーズ1cの平均粒子径がエナメル塗膜3の膜厚のよりも5μmを超えて大きいと、樹脂ビーズ1cがエナメル塗膜3から突出して配置されるため樹脂ビーズ1aを基材2側で十分に支えることができなくなるおそれがある。樹脂ビーズ1cの平均粒子径は、具体的には、エナメル塗膜3の厚みが35〜45μm程度である場合、30μm〜50μmになる。
前述のように、クリアー塗膜4にある樹脂ビーズ1aは粒子の一部がクリアー塗膜4から突出して配置している。したがって、外壁材を積み重ねた際に、他の外壁材が基材2側(外壁材の表面と垂直な方向、図中の矢印B)に樹脂ビーズ1aを押圧することがある。特に積載時に外壁材を多数枚重ねると下側に積載された外壁材は多大な荷重がかかる。このとき、基材2側に押された樹脂ビーズ1aは、エナメル塗膜3に食い込んで塗膜を潰して破壊するおそれがある。しかしながら、エナメル塗膜3に上記のような樹脂ビーズ1cが含まれていると、この樹脂ビーズ1cは、エナメル塗膜3の膜厚とほぼ等しい範囲の平均粒子径となっているので、押圧された樹脂ビーズ1aを下層で受けて支えることができ、樹脂ビーズ1aがエナメル塗膜3に食い込んで塗膜が破壊されることを防止することができるのである。図1では、樹脂ビーズ1cに支えられた樹脂ビーズ1aを粒子Pとして、樹脂ビーズ1aを支えている樹脂ビーズ1cを粒子Qとして表し、その様子を示している。なお、図示では、樹脂ビーズ1aと樹脂ビーズ1cとが基材2の表面と垂直な方向に直列して配置している様子を粒子P,Qで示しているが、樹脂ビーズ1aが複数の樹脂ビーズ1cの間(隙間)に配置して支えられてもよい。
樹脂ビーズ1cの含有量としては、エナメル塗膜3を形成した際に塗膜中に5〜30質量%の範囲で樹脂ビーズ1cが含まれるように調整されることが好ましい。そのためには、水性クリアー塗料の固形分(乾燥により蒸発しない成分)の全量に対して、5〜30質量%樹脂ビーズ1cを含有すればよい。樹脂ビーズ1cの含有量がこの範囲よりも少ないと樹脂ビーズ1aを基材2側で十分に支えることができなくなり塗膜の潰れが発生するおそれがある。一方、樹脂ビーズ1cの含有量がこの範囲よりも多いとエナメル塗膜3の隠蔽力が低下し塗膜の透けが発生して外壁材の意匠性を損なうおそれがある。
なお、本発明において平均粒子径とは、個数平均径(レーザー光を用いた光散乱法による球相当径)のことであり、レーザー回折粒度分布計などによって測定することができる。
次に外壁材の製造について説明する。
外壁材を製造するにあたっては、好ましくは、まず基材2の表面にシーラー塗料を塗布・乾燥して、基材2の目止めや密着性確保等のためにシーラー塗膜を形成する。このときシーラー塗料は、基材2の表面に塗布量32〜76g/mで塗布するのが好ましい。そして、焼付け乾燥は、例えば、ジェット乾燥機を用いて、80〜140℃、1〜3分の条件で行うのが好ましい。なお、シーラー塗料の塗布は、スプレーガン、ロールコーター、フローコーター、カーテンコーター等を用いて行うことができる。
次に、シーラー塗膜の表面、又はシーラー塗膜を形成しない場合は基材2の表面に、水性エナメル塗料を塗布・乾燥して、着色等のためにエナメル塗膜3を形成する。このときエナメル塗料は、塗布量76〜140g/mで塗布するのが好ましい。そして、焼付け乾燥は、例えば、ジェット乾燥機を用いて、80〜120℃、1〜3分の条件で行うのが好ましい。なお、エナメル塗料の塗布は、スプレーガン、ロールコーター、フローコーター、カーテンコーター等を用いて行うことができる。水性エナメル塗料が樹脂ビーズ1cを含有するときは、乾燥後の塗膜(エナメル塗膜3)の厚みが樹脂ビーズ1cの平均粒子径の−5〜+5μmの厚みとなるように塗布することが好ましい。
その後、エナメル塗膜3の表面に水性クリアー塗料を塗布・乾燥してクリアー塗膜4を形成する。このときクリアー塗料は、エナメル塗膜3の表面に塗布量32〜76g/mで塗布するのが好ましい。そして、焼付け乾燥は、例えば、ジェット乾燥機を用いて、80〜140℃、1〜3分の条件で行うのが好ましい。十分に焼付け乾燥を行わないと、温度湿度等環境条件によって、外壁材の耐久性が低下しやすくなる場合がある。なお、クリアー塗料の塗布は、スプレーガン、ロールコーター、フローコーター、カーテンコーター等を用いて行うことができる。このうちスプレーガンを用いてスプレー塗装することが樹脂ビーズ1(1a及び1b)を均一に塗膜中に分布させることができる点から好ましい。また、乾燥後の塗膜(クリアー塗膜4)の厚みが樹脂ビーズ1aの平均粒子径の1/10〜1/2の厚みとなるように水性クリアー塗料を塗布することにより、樹脂ビーズ1aを前述のように突出させて配置することができる。
ここで、外壁材の積載方法について説明する。まず、外壁材と他の外壁材を、表面同士を対向させるとともに両者の間にポリエチレン合紙などの緩衝材を挟んで配置し積み重ねる。積載により裏面を上方に露出した外壁材の上に、さらに他の外壁材を裏面を対向させて積み重ねる。そして、この新たに積み重ねられた外壁材の上に、さらに他の外壁材を表面を対向させるとともに間に緩衝材を挟んで積み重ねる。このように外壁材の表面を上下方向に交互に配置して積み重ねることにより、複数の外壁材を積み重ねることができる。このような積載方法は、2枚ストレッチ梱包と呼ばれる。そして、上下交互に配置して外壁材を積載すれば、塗膜が形成された面同士が対向し緩衝材に接して積み重ねられるので、外壁材の塗膜を保護して積載・輸送することがより可能となる。
上記のように製造されて積載・輸送される外壁材にあっては、その最外層であるクリアー塗膜4にクリアー塗膜4の膜厚よりも粒子径の大きい樹脂ビーズ1aがその一部を突出させて配置されているので、積載・輸送時の擦れや潰れによる塗膜の破壊を防止することができるものである。
(外壁材の作製)
実施例及び比較例の外壁材を以下のようにして作製した。
基材2として窯業系サイディングを準備した。この窯業系サイディングは、普通ポルトランドセメント40質量部、フライアッシュ40質量部、パルプ6質量部、セメント板廃材粉砕物14質量部を混合し、これに水を固形分濃度が20質量%となるように混合して分散することによって、セメントスラリーを調製し、このセメントスラリーを抄造した後、凹凸の形成された樹脂製型等をプレス機で押圧して表面に凹凸模様を付与してセメント基材を成形し、このセメント基材を60℃で10時間蒸気養生し、さらに170℃で5時間オートクレーブ養生することによって得られたものである。なお、窯業系サイディングは抄造方法に限られることは無く、押出、注型等、通常用いられる方法で製造しても良いものである。
そしてまず、窯業系サイディングの表面にシーラー塗料を塗布・乾燥してシーラー塗膜を形成した。このとき、スプレーガンを用い、シーラー塗料を窯業系サイディングの表面に塗布量54g/mで塗布した。焼付け乾燥は、ジェット乾燥機を用いて、120℃、1.5分の条件で行った。なお、シーラー塗料としては、アクリルエマルション樹脂16質量部に、顔料(酸化チタン、酸化鉄系顔料、カーボンブラック、炭酸カルシウムからなる)13質量部、添加剤(ブチルセロソルブ、消泡剤からなる)1質量部、水70質量部を加えて撹拌分散して調製したものを用いた。
次に、シーラー塗膜の表面に水性エナメル塗料を塗布・乾燥してエナメル塗膜3を形成した。このとき、スプレーガンを用い、水性エナメル塗料をシーラー塗膜の表面に塗布量98g/mで塗布した。焼付け乾燥は、ジェット乾燥機を用いて、120℃、2分の条件で行った。水性エナメル塗料としては、アクリルエマルション樹脂28質量部に、顔料(酸化チタン、酸化鉄系顔料、カーボンブラック、硫酸バリウムからなる)23質量部、添加剤(ブチルセロソルブ、消泡剤、増粘剤からなる)6.5質量部、水42.5質量部を加えて撹拌分散して調製した水性アクリルエマルション塗料を準備し、この塗料をそのまま又は含有量(質量%)及び平均粒子径が表1に示すものとなるように樹脂ビーズ1(1c)を添加して用いた。
その後、エナメル塗膜3の表面に水性クリアー塗料を塗布・乾燥してクリアー塗膜4を形成した。このとき、スプレーガンを用い、水性クリアー塗料をエナメル塗膜の表面に塗布量54g/mで塗布した。焼付け乾燥は、ジェット乾燥機を用いて、130℃、60秒の条件で行った。水性クリアー塗料としては、アクリルエマルション樹脂34質量部、添加剤(ブチルセロソルブ、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤からなる)1.7質量部、水64.3質量部を加えて撹拌分散して調製した水性アクリルエマルション塗料を準備し、この塗料をそのまま又は含有量(質量%)及び平均粒子径が表1に示すものとなるように樹脂ビーズ1(1a又は1b)を添加して用いた。
各塗料に添加した樹脂ビーズ1としてはアクリル系樹脂ビーズを用いた。表1に添加した樹脂ビーズ1の平均粒子径を示す。平均粒子径はレーザー回折粒度分布計で測定した光散乱法による球相当径(個数平均径)である。樹脂ビーズの形状は真球である。
なお、外壁材の図柄(デザイン)については、木目調のものを採用した。この木目調の図柄はセメント基材を成形する際、プレス機にて木目調の凹凸模様を付与することによって形成された。
以上により、塗膜が形成された外壁材を得た。
(外壁材の評価)
(輸送試験)
複数の外壁材を、表面(塗膜面)同士及び裏面同士をそれぞれ対向させるとともに、隣り合う塗膜面の間にポリエチレン合紙(40μm)を挟み込んで積み重ね、2枚ストレッチ梱包を行った。この外壁材を高さ方向に40枚積み重ねてパレットにして、トラックにて200km輸送した。その後、塗膜の擦れ状態を目視で確認し、次の基準で判定した。
塗膜に異常がないものを「○」、大きさ30mmφ未満のテカリが発生したものを「△」、大きさ30mmφ以上のテカリが発生したものを「×」とした。
(積載試験)
二枚の外壁材を、表面(塗膜面)同士をそれぞれ対向させるとともに隣り合う塗膜面の間にポリエチレン合紙(40μm)を挟み込んで積み重ねた。この積み重ねられた外壁材に、40〜45℃及び45〜50℃の温度条件下、上側(積み重ねられた外壁材の裏面側)から3kg/cmの荷重を24時間かけた。その後、塗膜の潰れ及びテカリの状態を目視で観察し、次の基準で判定した。なお、木目調の柄が他方の外壁材の塗膜に転写される状態により潰れを判定することができる。
塗膜に異常がないものを「○」、大きさ30mmφ未満の潰れ又はテカリが発生したものを「△」、大きさ30mmφ以上の潰れ又はテカリが発生したものを「×」とした。
(動摩擦係数)
外壁材の表面(塗膜面)の上にポリエチレン合紙(40μm、9cm)を載せ、荷重1000g、速度1000mm/min、材質SUS球(直径φ10mm)の条件で、摩擦磨耗試験機により動摩擦係数を測定した。
(結果)
表1に、各塗料に用いた樹脂ビーズ1(1a,1b,1c)、塗膜の膜厚、及び上記試験の結果を示す。結果にあっては輸送性を満たすことが重要である。
実施例1、2及び参考例3〜8の塗膜は、輸送試験において塗膜のテカリが発生しない良好なものであった。参考例9の塗膜は、輸送試験においてテカリがわずかに発生し粒子の脱落があったものの使用可能な程度のものであった。また、実施例1、2及び参考例3〜9の塗膜は、積載試験において40〜45℃での温度条件下でのテカリの発生が小さく使用可能な程度を満たす良好なものであった。特に実施例1、2及び参考例3、4の塗膜は、積載試験において45〜50℃での温度条件下で異常がないきわめて良好なものであった。動摩擦係数については、実施例1、2及び参考例3〜9は比較例に比べて高い数値を示しており、外壁材が滑りにくくなって良好な輸送性となっていることが確認された。
一方、樹脂ビーズ1aの粒径が小さい比較例1〜4の塗膜や樹脂ビーズ1aの粒径が大きい比較例5は、輸送試験においてテカリが見られ、良好なものではなかった。また、樹脂ビーズを含まない比較例6は、輸送試験の評価は一見良好なように見えるが、これは艶が高くテカリが目立たないためであり、実際には動摩擦係数が低く擦れが発生しやすいものであった。
Figure 0005537116
1 樹脂ビーズ
2 基材
3 エナメル塗膜
4 クリアー塗膜

Claims (2)

  1. 基材の表面に、水性エナメル塗料と水性クリアー塗料とをこの順で塗膜形成してなる外壁材であって、前記水性クリアー塗料は、平均粒子径が前記水性クリアー塗料で形成するクリアー塗膜の膜厚の2〜10倍である樹脂ビーズを含有し、前記水性エナメル塗料は、平均粒子径が前記水性エナメル塗料で形成するエナメル塗膜の膜厚の−5〜+5μmの範囲である樹脂ビーズを含有することを特徴とする外壁材。
  2. 前記水性クリアー塗料は、平均粒子径が前記クリアー塗膜の膜厚の0.5〜2倍である樹脂ビーズをさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の外壁材。
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