JP5537062B2 - アルカリプロテアーゼ高生産菌 - Google Patents

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本発明は、新規アルカリプロテアーゼ高生産菌及びその製法、並びに当該生産菌を用いるアルカリプロテアーゼの製造法に関する。
プロテアーゼは、食品・水産加工工業、皮革工業、繊維工業、醸造工業、洗剤工業などに広く用いられている酵素であるが、洗浄剤への配合も古くから行われており、現在多くのアルカリプロテアーゼが洗浄剤用酵素として用いられている。
さらに近年、特に衣料用洗剤は、環境問題の面から無リン化あるいは洗剤使用量の省力化が進められているが、これにより低下する洗浄力を強化するためにアルカリプロテアーゼの配合が行われており、ますます高性能なアルカリプロテアーゼの需要が高まっている。
ところで、プロテアーゼが洗浄剤中に有効に配合されるためには、単にアルカリ性条件下において作用するというだけでは不充分であり、洗浄剤に配合される界面活性剤中で安定であること、及び衣類の汚れを分解しうる能力、すなわち優れた洗浄力を有することが要求される。
このような状況下において、本発明者らは、自然界より採取したバチルス・エスピーKSM−9865(FERM−P18566)が、界面活性剤及び酸化剤に対して高い安定性を有し、かつ高い洗浄力を有するアルカリプロテアーゼを生産することを見出し、先に特許出願した(特許文献1)。この菌株により優れたアルカリプロテアーゼの生産が可能となったが、工業的により有利に生産するためには、より生産性が向上した菌株の提供及びこれを用いたアルカリプロテアーゼの効率の良い製造法が望まれていた。
特開2003−199559号公報
本発明者らは、先ず前記アルカリプロテアーゼ生産菌の変異株を取得することによって、アルカリプロテアーゼの生産性を高められること見出した。しかし、アルカリプロテアーゼの工業的醗酵生産では、高濃度の窒素源及び炭素源を培地に添加することが多く、このような培地では有機酸の副生などが原因となってpH低下が起きやすくなる。バチルス属に属するアルカリプロテアーゼ生産菌は好アルカリ微生物であるため、培養中のpH低下は菌の生育及び酵素生産などに対して悪影響を及ぼすことが判明した。培地pHの低下は、予めpH調整剤を添加することによってある程度防ぐことができるが、他の栄養源との兼ね合いから培地のpHは高すぎない方が望ましい。
従って、本発明は、培養中のpH低下を抑制し、経済的に有利にアルカリプロテアーゼを大量生産することが可能な新規微生物を提供することに関する。
本発明者らは、特に突然変異株取得によるアルカリプロテアーゼ生産性向上について鋭意研究を行った結果、アルカリプロテアーゼ生産能を有するバチルス属に属する細菌に変異を導入し、培地のpH低下を抑制する性質を付与することにより、アルカリプロテアーゼ生産菌の生育及び酵素生産能が維持され、アルカリプロテアーゼの生産性が著しく向上することを見出した。
すなわち、本発明は、pH調整剤を0.2質量%含有する液体培養条件下で培養した場合に、培養2日後の培地のpH低下率が20%以下であるバチルス属に属するアルカリプロテアーゼ生産菌を提供するものである。
本発明のアルカリプロテアーゼ生産菌を用いれば、洗浄剤配合酵素として有用なアルカリプロテアーゼの高生産が可能なことから、工業的に極めて有利である。
図1は、バチルス・エスピーKSM−PH401株のアルカリプロテアーゼ生産能を示す図である。
本発明のバチルス属に属するアルカリプロテアーゼ生産菌は、pH調整剤を0.2質量%含有する液体培養条件下で培養した場合に、培養2日後の培地のpH低下率が20%以下である。アルカリプロテアーゼ生産菌のpH低下率は、アルカリプロテアーゼの生産性向上の点から、0〜20%が好ましく、更に0〜15%が好ましく、特に0〜10%が好ましい。
このアルカリプロテアーゼ生産菌のpH低下率は、培養開始前の培地pHと、培養2日(48時間)後の培地pHをそれぞれ測定し、次式(1)により算出される。
pH低下率(%)=[(培養開始前の培地pH)−(培養2日後の培地pH)]/(培養開始前の培地pH)×100 (1)
pH調整剤としては、通常の液体培地に添加されるものでよく、例えば炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。これらのうち、生育至適pH範囲内に培地を調製する点から炭酸ナトリウムを用いるのが好ましい。
アルカリプロテアーゼ生産菌の培養は、常法に従って好気培養すればよく、通気攪拌又は振盪培養するのが好ましい。攪拌又は振盪速度は、150〜250rpmとすることが好ましい。また、生産菌の生育及び酵素生産能維持の点から、培養開始前の培地pHを7〜10とすることが好ましく、特にpH8〜9とすることが好ましい。培養温度は、25〜40℃、好ましくは30〜35℃とすることが好ましい。
使用する培地は、バチルス属細菌が生育可能な液体培地であれば特に制限されず、例えば、後述するアルカリプロテアーゼ生産用の液体培地として用いることのできる富栄養培地がある。
このようなアルカリプロテアーゼ生産菌は、アルカリプロテアーゼ生産能を有するバチルス属に属する細菌を突然変異処理に付し、次いで得られた変異株を、pH調整剤を0〜0.2質量%含有する培地中で培養することによって得られる。
アルカリプロテアーゼ生産能を有するバチルス属に属する細菌(以下、「親株」と称する)は、野生株または変異株のいずれでもよく、またアルカリプロテアーゼ生産能を本来的に備えるものやアルカリプロテアーゼ生産能を本来的に有しない細菌に遺伝子導入など公知の人為的な改変を付すことによりアルカリプロテアーゼ生産能を付与したものであってもよい。好ましくはバチルス・エスピーKSM−9865(FERM−P18566)、及びこの菌株を突然変異処理に付して得られたバチルス・エスピーKSM−GLU51(FERM−P21608)等が挙げられる。バチルス・エスピーKSM−GLU51は、バチルス・エスピーKSM−9865に比べ、よりアルカリプロテアーゼ生産性が向上しているため、親株としてバチルス・エスピーKSM−GLU51を用いるのが好ましい。
親株を突然変異処理に付す方法としては、例えば、突然変異剤を作用させる方法、紫外線、電離放射線等の放射線を照射する方法等、菌株に突然変異を惹起せしめる一般的手法を用いることができる。突然変異剤としては、例えば、5−ブロモウラシル、2−アミノプリン等の塩基類似物質、亜硝酸、ヒドロキシアミン、ニトロソグアニジン(NTG)、エチルメタンスルホン酸、アクリジン類等が挙げられる。
次いで、得られた変異株を、pH調整剤を0〜0.2質量%含有する培地中で培養し、培地のpH低下を起こしにくく、親株よりも生育が旺盛で且つアルカリプロテアーゼを高生産する菌株を選択することにより、本発明のアルカリプロテアーゼ生産菌を取得できる。
本発明のpH低下抑制株選択用の培地中のpH調整剤の含有量は、変異株取得の効率の点から、0〜0.15質量%が好ましく、特に0〜0.1質量%が好ましい。この時、培養開始時の培地のpHは、生産菌の生育の点から、pH7〜10とすることが好ましく、特にpH8〜9とすることが好ましい。なお、pH調整剤としては、前記と同様のものが挙げられる。
また、変異株の培養は、常法に従って好気培養すればよいが、25℃〜40℃、好ましくは30〜35℃で1〜3日間、好ましくは2〜3日間行うのが好ましい。
使用する培地は、バチルス属細菌が生育可能な培地を用いることができ、例えばスキムミルク含有アルカリ寒天培地が挙げられる。その他、必要に応じて、後記の培地に添加し得る栄養源を適宜組合せて用いてもよい。
アルカリプロテアーゼ生産菌の選択は、スキムミルク選択プレート上でのタンパク分解活性を指標に行えばよい。
かくして得られるアルカリプロテアーゼ生産菌は、pH調整剤低濃度培地条件下においてプロテアーゼの生産性が向上している点で親株とは異なっている。本発明のアルカリプロテアーゼ生産菌としては、バチルス・エスピーKSM−PH401と命名され、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(住所:茨城県つくば市東1−1−1 中央第6)にFERM P−21609として寄託された微生物が挙げられる。
バチルス・エスピー(Bacillus sp.)KSM−PH401は、親株と同様の菌学的性質、生理学的性質を有する。
本発明のアルカリプロテアーゼ生産菌は、アルカリプロテアーゼ高生産用宿主として利用できる。例えば、目的とするアルカリプロテアーゼ構造遺伝子を含むDNA断片と適当なプラスミドベクターを結合させた組換えプラスミドを、一般的な形質転換法を用いて本発明のアルカリプロテアーゼ生産菌に取り込ませることによって、組換え細菌(形質変換体)を得ることができる。
ここで、ベクターとしては、アルカリプロテアーゼを安定に発現させることができ、その遺伝子を安定に保持できるベクターであれば特に制限されず、例えば、pHY300PLKシャトルベクター(ヤクルト)、pASP64(特開2000-287687号公報)等が挙げられる。また、形質転換するにはプロトプラスト法、コンピテントセル法、エレクトロポレーション法等を用いて行うことができる。
形質転換体の選択は、アルカリプロテアーゼ生産菌の選択と同様の方法で行うことができる。
本発明のアルカリプロテアーゼ生産菌又は前記形質変換体を適当な液体培地に接種し、常法に従って好気培養すれば、アルカリプロテアーゼを効率良く生産することができる。
本発明で用いられるアルカリプロテアーゼ生産用液体培地としては、バチルス属細菌が生育可能なものであれば特に制限されないが、例えば、資化しうる窒素源、炭素源、更にビタミン類、金属塩類等の微量栄養源を適宜組合せた富栄養培地が用いられる。富栄養培地において、炭素源、窒素源は特に限定されないが、炭素源としては、アラビノース、キシロース、グルコース、マンノース、フラクトース、ガラクトース、シュークロース、マルトース、ラクトース、ソルビトール、マンニトール、イノシット、グリセリン、可溶性澱粉や安価な廃糖蜜、転化等、また資化しうる有機酸、例えば酢酸等が挙げられる。また、窒素源としては、コーングルテンミール、大豆粉、コーンスティープリカー、カザミノ酸、酵母エキス、肉エキス、魚肉エキス、ポリペプトン、各種アミノ酸、ソイビーンミール、アジプロン、無機窒素化合物等が挙げられる。
培地中の窒素源は、2〜6質量%、特に4〜6質量%とするのが好ましく、炭素源は、1〜10質量%、特に5〜10質量%とするのが好ましい。
また、培地には、リン酸、Mg2+、Ca2+、Mn2+、Zn2+、Fe2+、Fe3+、Na+、K+等の無機塩や、ビオチン、パントテン酸、ピリドキサール、チアミン等のビタミン類を添加することもできる。
アルカリプロテアーゼの生産性向上の点から、培地のpHは7〜10、特に8〜9が好ましく、pHの調整には、前記pH調整剤を用いることができる。また、培養は、25〜40℃、好ましくは30〜35℃で、1〜4日間、好ましくは2〜4日間行い、必要により振とう培養を行うのが好ましい。
得られた培養物中からのアルカリプロテアーゼの採取及び精製は、一般の酵素の採取及び精製の手段に準じて行うことができる。
すなわち、培養物から遠心分離、濾過等によって菌体を分離し、その菌体及び培養濾液から、通常の分離手段、例えば、塩析法、等電点沈殿法、溶媒沈殿法(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン等)によってタンパク質を沈殿させたり、また、限外濾過法により濃縮させたりしてアルカリプロテアーゼを得る。塩析法では、例えば硫安(90%飽和画分)、溶媒沈殿では、例えば75%エタノール中で酵素を沈殿させた後、濾過または遠心分離、さらに脱塩することによってこれを凍結乾燥粉末とすることも可能である。
このようにして得られる酵素液は、そのまま使用することもできるが、更に公知の方法により精製、結晶化、あるいは造粒化して用いることもできる。更に酵素を精製するには、例えばヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー等の吸着クロマトグラフィー、DEAE−セファデックス、DEAE−セルロース、CM−セルロース、CM−バイオゲル等のイオン交換クロマトグラフィー及びセファデックスやバイオゲルのような分子篩ゲルクロマトグラフィーを適宜組み合わせて分離精製すればよい。
かくして得られるアルカリプロテアーゼは、洗剤用、写真工業、食品加工用として用いることができ、特に洗浄剤配合酵素として有用である。
[プロテアーゼ活性測定法]
実施例において得られたアルカリプロテアーゼの活性測定は次の如くして行った。すなわち、1/15Mリン酸緩衝液(pH7.4)0.9ml、40mMGlt−Ala−Ala−Pro−Leu−p−ニトロアニリド/ジメチルスルホキシド溶液0.05mlを試験管に採り、30℃で5分間保温した。これに酵素液0.05mlを加えて30℃で10分間反応を行った後、5%(w/v)クエン酸水溶液2.0mlを加えて反応を停止し、分光光度計を用いて420nmにおける吸光度を測定した。なお、酵素1単位は上記反応において1分間に1μmolのp−ニトロアニリンを生成する量とした。
実施例1 [変異剤処理]
(1)親株としてバチルス・エスピーKSM−9865株(FERM−P18566)を用いて、以下の変異処理を行った。すなわち、凍結保存しておいたバチルス・エスピーKSM−9865株(FERM−P18566)を表1の液体培地に接種し(植菌量0.1%)、13時間前培養(30℃、120rpm)を行った後、同じ組成培地に前培養液を接種し(植菌量0.5%)、三角培養フラスコ中にて30℃で振とう培養を行った。菌の生育が対数増殖後期に入った時点(培養約11時間後)の培養液から遠心分離(10000rpm、10分間、4℃)で菌体を集め、表1の液体培地50mlに菌を懸濁した後、NTGを最終濃度200μg/mlになるように添加し、30〜37℃で約45分間振とうを行った。遠心分離(2800rpm、30分間、4℃)で菌体を集め、表1の液体培地20mlにて2回洗浄を行った。得られた菌液を生理食塩水で適当に希釈し、平板培地上で生育したコロニーの周辺にスキムミルク溶解斑が明確に認められる菌株を選抜し、種々のアルカリプロテアーゼ生産用液体培地を用いて、プロテアーゼの生産性を評価した。
得られた変異株をバチルス・エスピーKSM−GLU51と命名し、平成20年7月18日付けで独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターにFERM P−21608として寄託した。
(2)(1)で作製したバチルス・エスピーKSM−GLU51株を親株として用いて、以下の変異処理を行った。すなわち、凍結保存しておいたバチルス・エスピーKSM−GLU51株を表1の液体培地に接種し(植菌量0.1%)、13時間前培養(30℃、120rpm)を行った後、同じ組成培地に前培養液を接種し(植菌量0.5%)、三角培養フラスコ中にて30℃で振とう培養を行った。菌の生育が対数増殖後期に入った時点(培養約11時間後)の培養液から遠心分離(10000rpm、10分間、4℃)で菌体を集め、表1の液体培地50mlに菌を懸濁した後、NTGを最終濃度200μg/mlになるように添加し、30〜37℃で約45分間振とうを行った。遠心分離(2800rpm、30分間、4℃)で菌体を集め、表1の液体培地20mlにて2回洗浄を行った。
Figure 0005537062
実施例2 [pH低下抑制変異株の選択]
変異剤処理を行った菌液を生理食塩水で適当に希釈し、表2に示す選択用平板培地に塗布した後、30℃で3日間培養を行った。正常な形態を形成し、かつコロニー周辺にスキムミルク溶解斑が明確に認められた菌株を224株選抜し、後述の形質転換及び液体培地評価に供した。
Figure 0005537062
実施例3 [プロテアーゼ組換え生産プラスミドによる形質転換]
バチルス・エスピーKSM−KP43株由来のアルカリプロテアーゼ(特開2004−122号公報)構造遺伝子約2.0kbの増幅DNA断片を、バチルス属細菌内で複製可能な発現ベクターpASP64(特開2000-287687号公報)に組み込んだプラスミドを作製し、以後の形質転換用DNAとして用いた。
形質転換すべき宿主としてバチルス・エスピーKSM−GLU51(親株)及び実施例2で選抜した224株を用いた。形質転換法はエレクトロポレーション法により、SSH−10(島津製作所)及びジーンパルサーキュベット(バイオラッド)を用いて形質転換を行った。
形質転換体は、表3に示す平板培地に生育させ、スキムミルク溶解斑の形成状況により目的のプロテアーゼ遺伝子導入の有無を判定した。
親株及びその変異株に対して得られた形質転換体を以後の培養に供した。
Figure 0005537062
実施例4 [液体培地でのpH低下率およびプロテアーゼ生産性評価]
実施例3で得られた各形質転換体について単集落分離及びコロニー周辺のスキムミルク溶解斑の形成を確認した後、表4に示す液体培地30mlの入った坂口フラスコに一白金耳ずつ植菌を行い、30℃、125rpmで一晩前培養を行った。この培養液0.4mlを、予めpHを測定した表5に示す液体培地20mlに植菌し、培養三角フラスコ中にて30℃、230rpmで2日間(48時間)振とう培養を行った後、培地pHを測定した。各菌株のpH低下率を前記式(1)より算出した。また、培養上清中のプロテアーゼ活性を測定した。
その結果、19株において組換えプロテアーゼの生産性は、親株に対して上昇しており、また培養2日後の培地pHも多くの株で親株よりも低下が抑制されていた。このうちの1株をバチルス・エスピーKSM−PH401と命名し、平成20年7月18日付けで独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターにFERM P−21609として寄託した。KSM−PH401株においては、培養2日後の培地pHは親株よりも明らかに低下が抑制され(表6参照)、さらに組換えプロテアーゼの生産性は、親株に対して約5.8倍上昇していることが認められた(図1参照)。このことから、本発明のバチルス・エスピーKSM−PH401は、pH低下抑制に関わる遺伝子に変異が起きたとものと推察される。
Figure 0005537062
Figure 0005537062
Figure 0005537062

Claims (4)

  1. バチルス・エスピーKSM−PH401と命名され、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターにFERM P−21609として寄託されたアルカリプロテアーゼ生産菌。
  2. 請求項記載のアルカリプロテアーゼ生産菌を培養し、その培養物からアルカリプロテアーゼを採取する、アルカリプロテアーゼの製造法。
  3. 請求項記載のアルカリプロテアーゼ生産菌に、アルカリプロテアーゼをコードする遺伝子を導入した組換え細菌。
  4. 請求項記載の組換え細菌を用いるアルカリプロテアーゼの製造法。
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