JP5536620B2 - 抵抗分圧型d/aコンバータ - Google Patents

抵抗分圧型d/aコンバータ Download PDF

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本発明はデジタル信号をアナログ信号に変換する抵抗分圧型D/Aコンバータに関する。
Nビットのデジタル信号をアナログ信号に変換する抵抗分圧型D/Aコンバータとしては、図1に示すような回路が知られている。図1に示した回路は、Nビット(図1においては4ビット)のデジタル信号をアナログ信号に変換する回路である。図1に示した回路は、第1の基準電位と第2の基準電位との間に直列接続された24個の抵抗素子からなる基準電圧発生回路91と、前記24個の抵抗素子の第2の基準電位側のノードの各々に一端が接続され、他端が出力のノードに接続される24個のスイッチ群92と、からなる抵抗分圧型D/Aコンバータ90と、AD変換部100を含むA/Dコンバータ回路である。コンパレータ93の非反転入力端子には抵抗分圧型D/Aコンバータの24個の抵抗素子の中心となるノードから基準電圧VREFが出力される。コンデンサの一端には反転入力端子にはスイッチSW1によって入力電圧VINまたは抵抗分圧型D/Aコンバータの出力VDACのいずれか一方が入力される。
アナログ信号である入力電圧VINが、抵抗分圧型D/Aコンバータ90からのアナログ信号VDACおよびVREFによってデジタル信号に変換される。
[動作説明]
(1)サンプルフェイズ
まず、スイッチSW1を入力電圧VIN側に接続し、スイッチSW2をオンすることにより、コンデンサCには、C×(VREF1−VIN)の電荷が蓄えられる。(VREF1はサンプルフェイズにおける基準電圧)
(2)変換フェイズ
次に、スイッチSW1を抵抗分圧型D/Aコンバータの出力VDAC側に接続し、スイッチSW2をオフし、D/Aコンバータ制御回路94からのNビットのデジタル信号によって抵抗分圧型D/Aコンバータのスイッチ群92を最上位のビットから順に切り替えていき、アナログ信号VDACを出力していく。
このとき、Cに蓄えられる電荷は保存されるので、変換フェイズにおけるCの電荷;C×(VREF2−VDAC)とサンプルフェイズにおけるCの電荷;C×(VREF1−VIN)とは等しくなる。(VREF2は変換フェイズにおける基準電圧)
よって、VREF2=VREF1+VDAC−VINの関係が成り立つ。
そこで、VREF2とVREF1が等しければ、VDAC−VIN>0でコンパレータの出力がHIGHからLOWになり、抵抗分圧型D/Aコンバータ90でD/A変換された信号(VDAC,VREF)によって、入力電圧VINがA/D変換される。
Nビットのデジタル信号をアナログ信号に変換する抵抗分圧型D/Aコンバータとしては、図2に示すような回路も知られている。図2に示した回路は、Nビット(図2においては4ビット)のデジタル信号を上位Mビット(図2において2ビット)の信号と下位(N−M)ビットの信号に分けてアナログ信号に変換する回路である。図2に示した回路は、直列接続された2(4-2)個の抵抗素子からなる22個の抵抗素子群が、第1の基準電位と第2の基準電位との間に直列接続されてなる基準電圧発生回路と、前記22個の抵抗素子群各々の2(4-2)個の抵抗素子の第2の基準電位側のノードのうち、第1の基準電位側から数えて同じ箇所のノードの各々を選択して出力する22個のマルチプレクサからなる第1の選択回路と、前記第1の選択回路の22個のマルチプレクサの各々の出力のうちいずれか一つを選択して出力端に出力するマルチプレクサからなる第2の選択回路と、を備える回路である。第1の選択回路に下位2ビットの信号が入力されて、第2の選択回路に上位2ビットの信号が入力される。例えば[0001]というデジタル信号をアナログ信号に返還する場合、該デジタル信号の下位2ビットの信号[01]が第1の選択回路に入力されて、各抵抗素子群の第2の基準電位側から2番目のノードN1,N5,N9,N13に接続されたスイッチSW01,SW11,SW21,SW31がオンされ、上位2ビットの信号[00]が第2の選択回路のマルチプレクサの下から1番目のノードN16に接続されるスイッチSW40をオンするので、VDACとしては第1の基準電位と第2の基準電位の間の電位差を24個の抵抗素子が1/16に分圧した値が理論上出力される。
なお、上記スイッチとしては図3(a)に示すようなN型MOSFETや、図3(b)に示すようなP型MOSFETや、図3(c)に示すようなN型MOSFETとP型MOSFETを組み合わせたものが使用される。
例えばスイッチをオンオフするための駆動電圧がVDDとGNDである場合、第1の基準電圧がVDDより十分に低い場合は図3(a)に示したスイッチが使用可能であり、第2の基準電圧がGNDよりも十分に高い場合は図3(b)に示したスイッチが使用可能である。図3(c)に示したスイッチであれば、第1の基準電圧および第2の基準電圧によって制限されないため、用途によっては図3(c)に示したスイッチを用いることが好ましい。
特開2000−183747号公報
図1に示した回路において、スイッチが図3(a)に示したN型MOSFETであり、スイッチをオンオフする駆動電圧がVDDとGNDであり、どのノードが選択されても選択されたノードに接続されるスイッチがオンするように、第1の基準電圧<VDD−N型MOSFETのVTHであり、第2の基準電圧がGNDである場合、ノードN1に接続されているスイッチ以外のスイッチをオフするために、オフしたいMOSFETのゲート電位をグラウンドにする。このとき、オフしたいMOSFETのゲート−ソース間電圧VGSは−VDACとなり、該MOSFETには下記式(1)で表されるリーク電流がそれぞれ発生する。
Figure 0005536620
(VGS:ゲート−ソース間電圧、VT:閾値電圧、VDS:ドレイン−ソース間電圧、β=(W/L)*μCoxで表される定数、γ:定数、e:電子の電荷、kB:ボルツマン定数、T:絶対温度[K])
なお、上記式(1)において、VDS>0.1Vの場合は、下記式(2)に近似することが出来る。
Figure 0005536620
選択されるノードが第2の基準電圧側から数えてk番目とすると、k番目のノードに接続されるスイッチを流れる電流Ik-1は以下の式(3)で表される。
Figure 0005536620
上記式(2)(3)より、選択されるノードによって基準電圧発生回路に流れる電流IDACは該リーク電流の影響を受けて一律に各抵抗素子に流れず、各抵抗素子における電圧降下が1/2Nにそろわない。選択されるノードによって各抵抗素子における電圧降下が1/2Nにそろわないことにより、変換フェイズの基準電圧VREF2の値が異なってしまう。よって、VREF1とVREF2の値が一致しないため、変換エラーが生じてしまう。
また、スイッチが図3(b)に示したP型MOSFETの場合も、下記式(4)で表されるリーク電流が発生し、選択されるノードによって基準電圧発生回路に流れる電流IDACは該リーク電流の影響を受けて一律に各抵抗素子に流れず、各抵抗素子における電圧降下が1/2Nにそろわず、同様の変換エラーが生じてしまう。
Figure 0005536620
また、スイッチが図3(c)に示したN型MOSFETとP型MOSFETを組み合わせたものであっても、式(1)(4)で表されるリーク電流が発生し、同様の変換エラーが生じてしまう。
図2に示した回路では、N20にはグラウンドからN1→N16→N20を介してIDAC×Rの電圧が出力される。また、VREFには理想的にはIDAC×8Rの電圧が出力される。このとき、SW41〜43のNMOSのゲートにはスイッチをオフするためにGNDが接続されるが、SW41〜43のNMOSのゲート−ソース間電圧VGS=−IDAC×Rとなる。この値がMOSのVTに対して十分に低い値では無い場合、SW41〜43のNMOSには式(1)で表されるリーク電流I17〜I19が発生してしまい、このリーク電流の影響でIDACの値が変動してしまい、図1の場合と同様に、該リーク電流の影響によって選択されるノードによって各抵抗素子における電圧降下が1/2Nにそろわないことにより、変換フェイズの基準電圧VREF2の値が異なるため、VREF1とVREF2の値が一致せず変換エラーが生じてしまうことがある。
すなわち、本発明は、選択されるノードによってそれぞれ発生するリーク電流が回路に与える影響を抑制した抵抗分圧型D/Aコンバータおよび該抵抗分圧型D/Aコンバータを含むA/Dコンバータを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討したところ、デジタル信号の上位Mビットの信号と下位(N−M)ビットの信号によってNビットのデジタル信号をアナログ信号に変換する抵抗分圧型D/Aコンバータであって、直列接続された2(N-M)個の抵抗素子からなる2M個の抵抗素子群が、第1の基準電位と第2の基準電位との間に直列接続されてなる基準電圧発生回路と、前記2M個の抵抗素子群各々の2(N-M)個の抵抗素子の第2の基準電位側のノードのうち、第1の基準電位側から数えて同じ箇所のノードの各々を選択して出力する、2M個のマルチプレクサからなる第1の選択回路と、前記第1の選択回路の2M個のマルチプレクサの各々の出力のうちいずれか一つを選択して出力端に出力するマルチプレクサからなる第2の選択回路と、一端が第1の基準電位に接続されるスイッチと、ドレインが前記スイッチの他端に接続され、ゲートとバックゲートが互いに接続されるMOSFETと、からなる2M−1個の制御回路を備え、前記2M−1個の制御回路のMOSFETのゲートの各々が前記2M個の抵抗素子群の各々の間の2M−1個のノードに接続され、該MOSFETのソースの各々が前記第1の選択回路の2M個のマルチプレクサの出力ノードのうち第1の基準電圧側から2M−1個の出力ノードに接続される抵抗分圧型D/Aコンバータにより、上記課題を解決し得ることを見出し本発明を完成させた。
本発明によれば、選択されるノードによってそれぞれ発生するリーク電流が回路に与える影響を抑制した抵抗分圧型D/Aコンバータおよび該抵抗分圧型D/Aコンバータを含むA/Dコンバータを提供することが可能になる。
従来の抵抗分圧型D/Aコンバータを含むA/Dコンバータの第1の例を示す図である。 従来の抵抗分圧型D/Aコンバータの第2の例を示す図である。 スイッチの回路構成を示す図である。 本発明の抵抗分圧型D/Aコンバータおよび抵抗分圧型D/Aコンバータを含むA/Dコンバータの第1の実施形態の一例を示す図である。 本発明の抵抗分圧型D/Aコンバータの第2の実施形態の一例を示す図である。 本発明の抵抗分圧型D/Aコンバータの第3の実施形態の一例を示す図である。
[第1の実施形態]
図4は、デジタル信号の上位2ビットの信号と下位(4−2)ビットの信号によって4ビットのデジタル信号をアナログ信号に変換する抵抗分圧型D/Aコンバータおよび、該抵抗分圧型D/Aコンバータを含むA/Dコンバータであって、前記抵抗分圧型D/Aコンバータが、直列接続された2(4-2)個の抵抗素子からなる22個の抵抗素子群が、第1の基準電位と第2の基準電位との間に直列接続されてなる基準電圧発生回路(10)と、前記22個の抵抗素子群各々の2(4-2)個の抵抗素子の第2の基準電位側のノードのうち、第1の基準電位側から数えて同じ箇所のノードの各々を選択して出力する、22個のマルチプレクサからなる第1の選択回路(20)と、前記第1の選択回路の22個のマルチプレクサの各々の出力のうちいずれか一つを選択して出力端に出力するマルチプレクサからなる第2の選択回路(30)と、一端が第1の基準電位に接続されるスイッチと、ドレインが前記スイッチの他端に接続され、ゲートとバックゲートが互いに接続されるMOSFETと、からなる22−1個の制御回路(40)を備え、前記22−1個の制御回路のMOSFETのゲートの各々が前記22個の抵抗素子群の各々の間の22−1個のノードに接続され、該MOSFETのソースの各々が前記第1の選択回路の22個のマルチプレクサの出力ノードのうち第1の基準電圧側から22−1個の出力ノードに接続される抵抗分圧型D/Aコンバータである。
前記A/Dコンバータは、前記抵抗分圧型D/Aコンバータと、前記抵抗分圧型D/Aコンバータの出力ノードの電圧または入力電圧のいずれか一方を容量素子Cの一端に接続する第1のスイッチSW1と、反転入力端子に前記容量素子Cの他端が接続され、非反転入力端子に前記抵抗分圧型D/Aコンバータの直列接続された2M個の抵抗素子の中心のノードが接続されるコンパレータ53と、前記コンパレータの反転入力端子と非反転入力端子の間に設けられた第2のスイッチSW2と、前記コンパレータの出力が入力され、前記第1の選択回路および第2の選択回路の制御信号を出力するD/Aコンバータ制御回路54と、からなるAD変換部と、を備えるA/Dコンバータである。
[前提となる動作の説明]
図4に示すA/Dコンバータにおいて、図3(a)に示すスイッチを用いている。このスイッチは、式(1)において、VGS<−0.2Vでリーク電流がほぼ流れなくなるN型MOSFETである。スイッチをオンするときにはNMOS側のゲートにVDDを接続し、オフするときにはNMOS側のゲートにGNDを接続する。なお、いずれのノードが選択されても、選択されたノードに接続されたNMOSのVGSがVTHよりも大きくなるように、VDDは第1の基準電圧よりも十分大きい値に設定される(例えば第1の基準電圧がVDDの場合、SW33にVDDを接続してオンしようとしてもVGS=VG−VS=VDD−(VDD−IDAC×R)=IDAC×Rとなってしまい、IDACやRの値によってはVTHよりも小さくなってしまい、正常にオンしなくなる)。
M51〜53のNMOSには、SW41〜43のスイッチのNMOSと同じサイズのNMOSが採用される。
抵抗は各々同一の抵抗値(R)である。
[動作例]
次に、図4に示す第1の実施形態に係るA/Dコンバータの具体的な動作について説明する。
この動作例の説明において、入力する制御信号は、上記例と同様に[0001]の4ビットの信号であり、D/Aコンバータ制御回路54から入力される。また、ノードN0の一端がグランドに接続されており、第2の基準電圧はグラウンドと同電位となっている。
4ビットの信号における下位2ビットの制御信号[01]は、MUX0〜3にそれぞれ入力される。これにより、SW01,SW11,SW21,SW31がONされ、その他のスイッチはOFFされる。また、4ビットの信号における上位2ビットの信号[00]はMUX4に入力される。これによりSW40がオンされ、その他のスイッチはOFFされる。
このときノードN20にはSW01およびSW40を介して、グラウンドからIDAC×Rの電圧が発生する。
SW41〜43をオフするためにSW41〜43のNMOSのゲート電位VGは0V(GND)に接続されるので、これによりSW41〜SW43のNMOSのゲート−ソース間電圧VGSは−IDAC×Rとなる。この値が−0.2V以上であるとSW41〜43のNMOSには式(1)で表されるリーク電流が発生する。
ここで、M51のゲート電位VGはノードN4と等しいので、IDAC×4Rとなる。一方、M51のソース電位VSは、ノードN17と等しくなり、ノードN17の電位はSW11を介してN5と略等しくなるのでIDAC×5Rとなる。
したがって、M51のソース−ゲート間電圧VGS=VG−VS=−IDAC×Rとなる。
以上より、M51のVGSとSW41のNMOSのVGSは−IDAC×Rで一致する。またSW41のNMOSのドレイン−ソース間電圧VDS=N17の電位−N20の電位=IDAC×4Rとなるで、IDAC×4R>0.1Vとなるように回路を設計することでSW41のNMOSに流れるリーク電流は前記式(2)に近似することが出来るので、SW51をオンすることでM51に流れる電流とSW41のNMOSに流れる電流は式(2)より一致する。
上記説明はSW41が接続されるMUX1の経路で説明したが、SW42,43が接続されるMUX2,3の経路でも同様の動作となる。
以上より、SW41〜SW43のNMOSに流れるリーク電流と同じ大きさの電流がM51〜M53から供給されることでIDACはSW41〜SW43のNMOSに流れるリーク電流の影響を受けなくなる。なお、SW41〜SW43で発生したリーク電流自体はSW40およびSW01を介して第2の基準電圧に流れるが、第2の基準電圧までのインピーダンスが十分に小さくなっているため無視することが出来る。
以上より、第1の基準電圧であるVDDから供給されるIDACは全ての抵抗素子に略均一に流れ、各抵抗素子における電圧降下が1/2Nになり、選択されるノードによらず変換フェーズでのVREFを一定にすることが可能となる。
なお、MUX4のスイッチに流れるリーク電流は、選択されるノードの電圧によりN20の電圧がグラウンドに近いときに顕著に発生し、逆に選択されるノードの電圧によりN20の電圧がグラウンドよりも十分に高い電圧の時にはオフしているスイッチのVGSには高い負の電圧がかかるために該リーク電流は発生し難くなる。
なお、SW41〜43のいずれかがオンしているときにはSW51〜53はオフとなる。
すなわち、図4においては、SW41〜43のいずれかがオンしたときにはN20の電圧が十分に高くなり、SW40〜43のうちオフされたスイッチのVGSが十分に大きい負の電圧になり、オフされたスイッチにはリーク電流が発生しないように設計されているため、SW41〜43のいずれかがオンしたときにはSW51〜53はオフとなるように制御される。
上記説明は図3(a)に示したNMOSをスイッチとして採用した場合について説明したが、オフしたとき(VG=VDDとしたとき)のリーク電流が十分無視できるようなPMOSであれば図3(c)に示したスイッチを用いても所望のアナログ信号を得ることが可能となる。図3(c)に示したスイッチであれば、第1の基準電圧がスイッチの駆動電圧VDDと近い値であっても、選択したいノードを正常にオンさせることが可能になる。
具体的な例を挙げると、第1の基準電圧=VDDであり、N15を選択するためにSW33のNMOSのゲートにVDDを、PMOSのゲートにGNDを印加した場合、NMOSのVGS=VDD−(VDD−IDAC×R)、PMOSのVGS=0−(VDD−IDAC×R)となり、IDAC×Rが小さくNMOSが正常にオンできない場合にはPMOSがオンするような値で設計すれば、上述の通り第1の基準電圧がスイッチの駆動電圧VDDと近い値であっても、選択したいノードを正常にオンさせることが可能になる。
[第2の実施形態]
[前提となる動作の説明]
図5に示すD/Aコンバータは、図3(b)のスイッチを用いており、式(4)においてVGS>0.2Vでリーク電流が流れなくなるP型MOSFETを用いている。スイッチをオンするときにはPMOSのゲートにGNDを接続し、オフするときにはPMOSのゲートにVDDを接続するようになっている。なお、いずれのノードが選択されても、選択されたノードに接続されるPMOSのVGSがVGS<VTHP(VTHPはPMOSの閾値電圧)となるように、第2の基準電圧はGNDよりも十分大きい値とした(例えば第2の基準電圧がGNDだと、SW01にGNDを接続してオンしようとしてもVGS=VG−VS=0−(0−IDAC×R)となってしまい、IDACやRの値によってはVGS>VTHPになってしまい、正常にオンしなくなる)。
M61〜63のPMOSには、SW41〜43のスイッチのPMOSと同じサイズのPMOSを採用している。
抵抗は各々同一の抵抗値(R)である。
[動作例]
次に、図5に示す第2の実施形態に係るA/Dコンバータの具体的な動作について説明する。
この動作例の説明において、入力する制御信号としては、[1101]の4ビットの信号を採用した例である。
4ビットの信号における下位2ビットの制御信号[01]は、MUX0〜3にそれぞれ入力される。これにより、SW01,SW11,SW21,SW31がONされ、その他のスイッチはOFFされる。また、4ビットの信号における上位2ビットの信号[11]はMUX4に入力される。これによりSW43がオンされ、その他のスイッチはOFFされる。
このときノードN20にはSW31およびSW43を介して、VDD−IDAC×3Rの電圧が発生する。これはSW40〜42のソース電位VSである。
SW40〜42をオフするためにSW40〜42のPMOSのゲートにはゲート電圧VG=VDDをかけるため、SW40〜SW42のPMOSにはゲート−ソース間電圧VGS=VG−VS=IDAC×3Rがかかる。この値が0.2V以下であるとSW40〜42には式(4)で表されるリーク電流が発生する。
ここで、M61のゲート電位VGはノードN4と等しいので、VDD−IDAC×12Rとなる。一方、M61のソース電位VSは、ノードN16と等しくなり、ノードN16の電位はSW01を介してN1と略等しくなるのでVDD−IDAC×15Rとなる。したがって、M61のソース−ゲート間電圧VGS=VG−VS=IDAC×3Rとなる。
以上より、M61のVGSとSW40のPMOSのVGSはIDAC×3Rで一致する。またSW40のPMOSのドレイン−ソース間電圧VDS=N16の電位−N20の電位=IDAC×12Rとなるので、SW40のPMOSに流れるリーク電流は前記式(2)に近似することが出来るので、M61に流れる電流とSW40のPMOSに流れる電流は式(2)より一致する。
上記説明はSW40が接続されるMUX0の経路で説明したが、SW41,42が接続されるMUX1,2の経路でも同様の動作となる。
このように、SW40〜SW42のPMOSに流れるリーク電流と同じ大きさの電流がM61〜M63から供給されることでIDACはSW40〜SW42のPMOSに流れるリーク電流の影響を受けなくなる。
以上より、第1の基準電圧であるVDDから供給されるIDACは全ての抵抗素子に略均一に流れ、各抵抗素子における電圧降下が1/2Nになり、選択されるノードによらず変換フェーズでのVREFが一定となる。
上記説明は図3(b)に示したPMOSをスイッチとして採用した場合について説明したが、オフしたとき(VG=GNDとしたとき)のリーク電流が十分無視できるようなNMOSであれば図3(c)に示したスイッチを用いることも出来る。図3(c)に示したスイッチであれば、第2の基準電圧がスイッチの駆動電圧GNDと近い値であっても、選択したいノードを正常にオンさせることが可能になる(第2の基準電圧=GNDであり、N1を選択するためにSW01のNMOSにVDDをPMOSにGNDを接続した場合、PMOSのVGS=0−IDAC×RなのでIDACやRによってはVTHよりも大きくなり正常にオンしない場合があるが、NMOSのVGS=VDD−IDAC×Rなので正常にオンする)。
[その他の実施形態]
なお、図3の(c)のスイッチを用い、かつ、スイッチのNMOSは式(1)において、VGS<−0.2Vでリーク電流はほぼ流れなくなるN型MOSFETであり、PMOSは式(4)においてVGS>0.2Vでリーク電流が流れなくなるP型MOSFETである場合、図6に示すように、図4に示したリーク電流キャンセル回路と、図5に示したリーク電流キャンセル回路との両方を備える抵抗分圧型D/Aコンバータとすることにより、IDACはN型MOSFETに流れるリーク電流およびP型MOSFETに流れるリーク電流のいずれの影響も受けなくなり、所望のアナログ信号を得ることが可能になる。
10、91 基準電圧発生回路
20 第1の選択回路
30 第2の選択回路
40 制御回路
90 抵抗分圧型D/Aコンバータ
92 スイッチ群
53、93 コンパレータ
54、94 D/Aコンバータ制御回路
95 抵抗素子群
100 AD変換部

Claims (4)

  1. デジタル信号の上位Mビットの信号と下位(N−M)ビットの信号によってNビットのデジタル信号をアナログ信号に変換する抵抗分圧型D/Aコンバータであって、
    直列接続された2(N-M)個の抵抗素子からなる2M個の抵抗素子群が、第1の基準電位と第2の基準電位との間に直列接続されてなる基準電圧発生回路と、
    前記2M個の抵抗素子群各々の2(N-M)個の抵抗素子の第2の基準電位側のノードのうち、第1の基準電位側から数えて同じ箇所のノードの各々を選択して出力する、2M個のマルチプレクサからなる第1の選択回路と、
    前記第1の選択回路の2M個のマルチプレクサの各々の出力のうちいずれか一つを選択して出力端に出力するマルチプレクサからなる第2の選択回路と、
    一端が第1の基準電位に接続されるスイッチと、
    ドレインが前記スイッチの他端に接続され、ゲートとバックゲートが互いに接続されるMOSFETと、からなる2M−1個の制御回路を備え、
    前記2M−1個の制御回路のMOSFETのゲートの各々が前記2M個の抵抗素子群の各々の間の2M−1個のノードに接続され、該MOSFETのソースの各々が前記第1の選択回路の2M個のマルチプレクサの出力ノードのうち第1の基準電圧側から2M−1個の出力ノードに接続される
    抵抗分圧型D/Aコンバータ。
  2. 前記基準電圧発生回路の2M個の抵抗素子群のうち、最も第2の基準電位側の抵抗素子群の抵抗素子のいずれかが出力端に接続されたときに、前記制御回路のスイッチをオンするように制御される請求項1に記載の抵抗分圧型D/Aコンバータ。
  3. 請求項1または2に記載の抵抗分圧型D/Aコンバータと、
    前記抵抗分圧型D/Aコンバータの出力ノードの電圧または入力電圧のいずれか一方を容量素子の一端に接続する第1のスイッチと、
    反転入力端子に前記容量素子の他端が接続され、非反転入力端子に前記抵抗分圧型D/Aコンバータの直列接続された2M個の抵抗素子のいずれか一つのノードが接続されるコンパレータと、
    を備えるA/Dコンバータ。
  4. 前記抵抗分圧型D/Aコンバータの直列接続された2M個の抵抗素子の中心のノードが前記コンパレータの非反転入力端子に接続される請求項3に記載のA/Dコンバータ。
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