JP5535863B2 - ノズルユニット - Google Patents
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このようないくつかの要因から、製造途中、例えばハウジングにレンズを組み付ける工程ではより高いコンタミネーションフリーが求められており、ハウジングやレンズに付着した埃等のダストの除去を厳密に行うことが要求される。
前記ダストの除塵作業の形態には、従来からいわゆるエアダスターを用いた手法があり、大規模な設備ではクリーンルーム内でロボットアームを用い、ハウジングやレンズの形状に沿って圧縮空気を吹き付けて除塵を行った後、これらの組み付けが行われている。
また前記エアダスターの構成としては、例えば多数のエアノズルを縦配列した掃引ロッドを水平方向に移動させてワーク全域がエアブローされる構成が採られていた。しかしながら実際のワークは異形であり、従って多くのノズルからのエアブローは実作用をしない空吹き状態となり、エアの無駄な噴出となっており、ひいてはエアコンプレッサの負荷を高めて省エネルギー化には沿わないものとなっていた。
この装置はエアノズルを少なくともワークの要除塵面の範囲を二次元的に移動させ、その掃引移動時にエアノズルから圧縮空気を噴出させることによりワークの要除塵面に付着していたダストを吹き飛ばすとともに、吹き飛ばされたダストを吸塵機により集塵するように構成されたものであって、簡素且つコンパクトな構成でありながらも高効率な除塵性能を有するものである。
そしてその後も本出願人は、上述したような除塵装置の研究・開発を鋭意継続しており、その過程でノズルから噴出される圧縮空気を脈動させることにより、ワークに付着したダストをより効率的に除去することができることを見出し、このような圧縮空気の脈動を実現することのできるノズルユニットを案出するに至った。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
また機能空間の状態を様々な状態とすることにより、機能空間に、プランジャ本体の上下動に関連する複数の機能を発揮させることができる。
なお前記ノズル受入穴10とプランジャ受入穴11とは連通しており、またノズル受入穴10はカプラ受入穴12とも連通している。
更にケーシング1には、前記カプラ受入穴12に通じる第一給気路13が形成され、またプランジャ受入穴11に通じる第二給気路14が形成されるものであり、これら第一給気路13と第二給気路14とは内部で交差している。
なお前記第二給気路14はネジ14aによって開放部が封止され、更に前記第一給気路13はロックナット13b及びニードル13aによって開放部が封止されるとともに、ニードル13aの進入度合いに応じて第一給気路13と第二給気路14との交差部での流量が調節可能となっている。
そして前記シリンダブロック55の外周部には全周に亘って通気溝552が形成されるとともに、この通気溝552からシリンダ551内に通じる通気路553が、一例として対向する二箇所の位置に形成される。
また前記通気溝552の上下には、溝554が全周に亘って形成され、ここにОリング56が装着される。
また下部の溝554の下方は細径とされており、蓋体57との間にОリング56を介在させることができるように溝555が形成されている。
なお以上のようなシリンダブロック55の素材としては、黒鉛を主体とする固体潤滑剤を焼結合金の組織中に均一に分散させたものが、無給油で潤滑性を維持することができるため、好ましい。
更にこの実施例では、プランジャ本体50の一端面(図2では下端面)から軸方向に沿って、縦通気路53が他端面(図2では上端面)を貫通しないように形成されており、更に前記細径部50bの側周面から、前記縦通気路53に通じる横通気路52が、一例として周方向に沿って四箇所に形成されて成るものである。
ここで図2に拡大して示すように、前記シリンダブロック55におけるシリンダ551と、プランジャ本体50における細径部50bとの間に形成される機能空間S1は、シリンダ551内におけるプランジャ本体50の位置に応じて、シリンダブロック55における通気路553及びプランジャ本体50における横通気路52との連通状態が変化するものである。なおプランジャ本体50における段差部51が、シリンダブロック55における段差部556に接した状態で、機能空間S1の体積は0になる。
因みに図2において、プランジャ本体50がシリンダ551内において上死点に位置する状態、すなわち段差部51と段差部556とが噛み合った状態で接することにより、プランジャ本体50がシリンダ551から抜け出してしまうことが防止される。
なおこの実施例では、プランジャ本体50の先端部がノズルアッセンブリ2に当接し、これを押し下げると、やがてはノズルアッセンブリ2の上面がノズル受入穴10の天井部に接するため、ノズル本体20の高さ寸法を調節することにより、実質的にプランジャ本体50の上死点の位置を下げることができる。この場合、段差部51と段差部556とがぶつかることによる相互の損傷を防ぐことができる。
また前記横通気路52、縦通気路53及びシリンダ551によって形成される空間を内部空間S2と称するものとする。
また前記ノズルアッセンブリ2の側方(この実施例では下方)には、プランジャアッセンブリ5が位置することとなる。そしてこのプランジャアッセンブリ5を構成するプランジャ本体50は、前記ノズル本体20に供給される圧縮空気Aが分岐されて、第一給気路13及び第二給気路14を経由して、シリンダブロック55における通気路553に供給された圧縮空気Aによって駆動されることとなる。
そしてこのような構成が採られることにより、前記プランジャ本体50の往復動の際に、その先端部が、前記ノズル本体20および/または給気管22に当接(作用)することにより、ノズル本体20が脈動するように構成されるものである。
なおこの実施例ではノズルアッセンブリ2の取り付けを、図3(a)に示すように始発姿勢において噴出口20aがやや下方に指向するように構成した。
(1)始発姿勢
まず圧縮空気Aが供給されていない状態においてノズルユニットUは図3(a)に示すように、機能空間S1が、プランジャ本体50における横通気路52と連通状態となり、且つシリンダブロック55における通気路553と連通状態とされている始発姿勢となっている。
そして給気カプラ3を通じて圧縮空気Aが供給されると、この圧縮空気Aは図3(b)に示すようにノズル本体20の噴出口20aから下方に向けて噴出される。また圧縮空気Aの一部は分流されて、第一給気路13及び第二給気路14を通って通気路553に供給される。
そして通気路553に供給された圧縮空気Aは機能空間S1を通過して内部空間S2内に至り、内部空間S2内の雰囲気の圧が上昇して内部空間S2が拡張される。このためプランジャ本体50には突出力F1が作用して、プランジャ本体50は上昇することとなる。
またプランジャ本体50の上昇により気密状態にある内部空間S2が拡張されるため、プランジャ本体50には、内部空間S2を縮小しようとする戻り力f2が作用することとなる。
更にまたプランジャ本体50には、圧縮空気Aが機能空間S1を拡張しようとすることによる戻り力F2が作用することとなる。
このようにプランジャ本体50には、慣性力f1、戻り力f2及び戻り力F2が作用するが、しばらくの間は前記慣性力f1が打ち勝つためプランジャ本体50は上昇し続けることとなる。
この際、横通気路52がプランジャ突出開口部551bからシリンダ551の外部(ドラフト空間5S内)に抜け出した状態となり、内部空間S2は大気圧になり、前記戻り力f2は消滅する。
そしてこのとき機能空間S1は、横通気路52及び通気路553と非連通状態となっており、内部の雰囲気が圧縮された状態となっているためプランジャ本体50には、機能空間S1内に位置する空気の圧縮に伴う反作用によって戻り力f′2が作用することとなり、プランジャ本体50は下降を開始する。
なおプランジャ本体50には、重力並びに給気管22の弾性力も作用するが、プランジャアッセンブリ5の動作を理解するために、またこれら重力並びに給気管22の弾性力を考慮しなくても、プランジャ本体50の挙動自体に違いが生じないため、ここの説明では重力並びに給気管22の弾性力を無視するようにした。
そして図4(f)に示すように、噴出口20aから噴出される圧縮空気Aが略水平方向に噴出される状態を経て、図4(g)に示す状態となる。
この状態では、機能空間S1が通気路553と連通状態となるため、戻り力f′2は消滅しているが、圧縮空気Aが機能空間S1を拡張しようとすることによる戻り力F2がプランジャ本体50に作用することとなる。
そしてプランジャ本体50は下降を続け、やがて図4(h)に示すように横通気路52がプランジャ突出開口部551bからシリンダ551の内部に位置した状態となり、噴出口20aから噴出される圧縮空気Aは斜め下方向に噴出されることとなる。このとき気密状態にある内部空間S2が縮小されるため、プランジャ本体50には、内部空間S2内に位置する空気の圧縮に伴う反作用によって内部空間S2を拡張しようとする突出力f′1が作用することとなる。しかしながら戻り力F2が突出力f′1に打ち勝ち、プランジャ本体50は下降を続け、やがて図3(a)に示した始発姿勢となり、プランジャ本体50は下死点に位置することとなる。
そしてノズルユニットUは、以降、上述した動作が繰り返されるものであり、プランジャ本体50の往復動の際に、その先端部が、前記ノズル本体20および/または給気管22に当接(作用)することにより、ノズル本体20が脈動することとなり、噴出口20aから噴出される圧縮空気Aの作用方向が、一定範囲内において常時変動することとなる。
なお前記プランジャ本体50が上死点から下降に転じる際、及び下死点から上昇に転じる際には、ドラフト空間5S、ウレタンワッシャ58によってエネルギーが吸収されるため、異音の発生が防止されることとなる。
本発明は上述した実施例を基本となる実施例とするものであるが、本発明の技術的思想に基づいて以下に示すような改変を行うこともできる。
(1)ノズルアッセンブリの設置状態の改変例
まず図5に示す実施例は、ノズルアッセンブリ2を、基本となる実施例とは上下を異ならせて用いる実施例である。
そしてこの実施例では図5(b)に示すように、ノズル本体20および/または給気管22によってプランジャ本体50を支持した状態とすることにより、始発姿勢が維持されるようにするものである。
具体的には、圧縮空気Aが供給されていない時には、機能空間S1が、プランジャ本体50における横通気路52と非連通状態となり、且つシリンダブロック55における通気路553と連通状態となった状態を始発姿勢とするものである。
そしてこのような始発姿勢の状態で圧縮空気Aが供給されると、プランジャ本体50には、圧縮空気Aが機能空間S1を拡張しようとすることによる戻り力が作用するため、プランジャ本体50は上昇を開始することtなり、以降、基本と成る実施例と同様にプランジャ本体50の往復動の際に、その先端部がノズルアッセンブリ2に当接することにより、ノズル本体20が脈動して噴出口20aから噴出される圧縮空気Aの作用方向が、一定範囲内において常時変動することとなる。
またケーシング1及びプランジャアッセンブリ5についても改変が可能であり、一例として図6に示すような実施例を採ることもできる。
具体的にはまず図6に示したケーシング1は、基本となる実施例で示したケーシング1とは外形が異なるものであり、更にノズル受入穴10と直交するようにカプラ受入口12が形成されたものである。
次に図6に示すプランジャアッセンブリ5は、プランジャ受入穴11内の上部空間をシリンダブロック55と当接しない状態として、この空間をドラフト空間5Sとしたものである。
またこの実施例では、シリンダ551の他端側は太径の挿入開口部551bとなっており、この部分にトッププレート57a、ウレタンワッシャ58及びスナップリング59が位置することとなるものであり、ここにスナップリング59を嵌め込むための溝558が形成されている。
更にまたシリンダブロック55の側周部には溝555が形成されるものであり、この溝555に固定板6を噛み込ませるとともに、ネジ6aを用いてプランジャアッセンブリ5がケーシング1に固定される。
1 ケーシング
10 ノズル受入穴
11 プランジャ受入穴
12 カプラ受入穴
13 第一給気路
13a ニードル
13b ロックナット
14 第二給気路
14a ネジ
2 ノズルアッセンブリ
20 ノズル本体
20a 噴出口
21 継手
21a 溝
22 給気管
23 Оリング
3 給気カプラ
5 プランジャアッセンブリ
5S ドラフト空間
50 プランジャ本体
50a 太径部
50b 細径部
51 段差部
52 横通気路
53 縦通気路
55 シリンダブロック
551 シリンダ
551a 挿入開口部
551b プランジャ突出開口部
552 通気溝
553 通気路
554 溝
555 溝
556 段差部
557 円板
558 溝
56 Оリング
57 蓋体
57a トッププレート
58 ウレタンワッシャ
59 スナップリング
6 固定板
6a ネジ
100 除塵装置
101 垂直移動機構
102 水平移動機構
103 ホルダ
105 エアチューブ
A 圧縮空気
F1 突出力
F2 戻り力
f1 慣性力
f′1 突出力
f2 戻り力
f′2 戻り力
H ヘッドランプ
S1 機能空間
S2 内部空間
Claims (8)
- ケーシングに対して、給気カプラと、この給気カプラと接続されるノズルアッセンブリとを具え、前記給気カプラに供給された圧縮空気が、ノズルアッセンブリに具えられるノズル本体から噴出するように構成されたノズルユニットにおいて、
前記ノズルアッセンブリの側方には、プランジャアッセンブリが具えられており、このプランジャアッセンブリに具えられるプランジャ本体の往復動の際に、その先端部がノズルアッセンブリに当接することにより、ノズル本体が脈動するように構成されており、
更に前記プランジャアッセンブリは、シリンダブロックと、このシリンダブロックに形成されたシリンダ内に挿入されるプランジャ本体とを具えて構成されるものであり、
且つ、前記シリンダブロックは、外周部に対して通気溝が形成されるとともに、この通気溝からシリンダ内に通じる通気路が形成されて成るものであり、
前記シリンダブロックが、前記ケーシングに形成されたプランジャ受入穴に挿嵌されることにより、前記給気カプラから、前記シリンダブロックにおける通気路に通じる給気経路が形成されるものであり、
一方、前記プランジャ本体は、太径部と細径部とが軸方向に隣接して形成されて成るものであり、
且つ、プランジャ本体の一端面から軸方向に形成される縦通気路が、他端面を貫通しないように形成されており、
更に前記細径部の側周面から、前記縦通気路に通じる横通気路が形成されて成るものであり、
前記シリンダブロックにおけるシリンダと、プランジャ本体における細径部との間に形成される機能空間は、シリンダ内におけるプランジャ本体の位置に応じてシリンダブロックにおける通気路及びプランジャ本体における横通気路との連通状態が変化するように構成されていることを特徴とするノズルユニット。 - 前記機能空間とシリンダブロックにおける通気路とが連通状態になったときに、同時に機能空間とプランジャ本体における横通気路とが非連通状態になることにより、通気路を通じて機能空間内に供給される圧縮空気によって機能空間を拡張することができるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のノズルユニット。
- 前記機能空間とプランジャ本体における横通気路とが連通状態になったときに、同時に機能空間とシリンダブロックにおける通気路とが連通状態になることにより、通気路、機能空間及び横通岐路及び縦通気路を通じてシリンダ内に供給される圧縮空気によって、シリンダとプランジャ本体における横通気路及び縦通気路とによって形成される内部空間を拡張することができるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のノズルユニット。
- 前記機能空間とシリンダブロックにおける通気路及びプランジャ本体における横通気路とが非連通状態になることにより、機能空間内を気密状態とすることができるように構成されていることを特徴とする請求項1、2または3記載のノズルユニット。
- 前記圧縮空気が供給されていない時には、前記機能空間が、プランジャ本体における横通気路と連通状態となり、且つシリンダブロックにおける通気路と連通状態となった、始発姿勢を取るように構成されていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載のノズルユニット。
- 前記圧縮空気が供給されていない時には、前記機能空間が、プランジャ本体における横通気路と非連通状態となり、且つシリンダブロックにおける通気路と連通状態となった、始発姿勢を取るように構成されていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載のノズルユニット。
- 前記シリンダブロックにおける挿入開口部は、シリンダ内にプランジャ本体を挿入した状態で封止されるものであり、この封止に供されるトッププレートまたは蓋体と、挿入開口部との間に消音部材が具えられていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載のノズルユニット。
- 前記シリンダブロックにおけるプランジャ突出開口部の外側には、ドラフト空間が形成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載のノズルユニット。
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