以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
(実施の形態1)
本実施の形態の固体撮像装置およびその製造工程を図面を参照して説明する。本実施の形態の固体撮像装置は、例えば携帯電話、デジタルカメラ、TV電話、PCカメラ、PDA(Personal Digital Assistants:携帯情報端末)、光学マウス、ドアホン、監視カメラ、指紋認識装置または玩具などの画像入力部に使用されるカメラモジュールである。
<固体撮像装置(カメラモジュール)の構造について>
図1は、本発明の一実施の形態である固体撮像装置、例えばカメラモジュール(固体撮像装置)MJ1の正面図であり、図2はカメラモジュールMJ1の側面図である。図3は、レンズユニット6を取り付けていない状態のカメラモジュールMJ1(以下ではレンズユニット6を取り付けていない状態のカメラモジュールMJ1をカメラモジュールMJ1aと称するものとする)の正面図である。また、図4はカメラモジュールMJ1aの側面図であり、図5はカメラモジュールMJ1aの下面(底面)図であり、図6および図7はカメラモジュールMJ1aの断面図(側面断面図)であり、図8は、カメラモジュールMJ1aの下面透視図である。なお、図6は、図5および図8のA1−A1線の位置での断面図に対応し、図7は、図5および図8のB1−B1線の位置での断面図に対応するが、図5および図8は下面側が示され、図6および図7は、下面側が下を向き、上面側が上を向いた状態が示されている。また、図8は、図5の下面図において、樹脂カバー7を透視した状態が示されるとともに、センサチップ3で隠れている配線基板2の開口部OP1の位置を点線で示してある。
図1〜図8に示されるように、本実施の形態のカメラモジュールMJ1は、配線基板2と、配線基板2の下面2bに搭載されたセンサチップ3と、配線基板2の上面2aに搭載された電子部品4と、配線基板2の上面2aに配置されてセンサチップ3のセンサ面SEと電子部品4を覆う樹脂カバー5と、樹脂カバー5上に配置されたレンズユニット6と、配線基板2の下面2bに配置されてセンサチップ3を覆う樹脂カバー7とを有している。
配線基板(フレキシブル配線基板)2は、互いに反対側に位置する2つの主面である上面(主面、表面、レンズ搭載面)2aと下面(裏面、センサチップ搭載面)2bとを有しており、上面2a側が、レンズ(レンズはレンズユニット6に内蔵されている)搭載側の主面(レンズ搭載面)となり、下面2b側が、センサチップ搭載側の主面(センサチップ搭載面)となっている。
配線基板2は、フィルム状の配線基板であり、所謂フレキシブル配線基板(フレキシブル基板)である。具体的には、配線基板2は、屈曲性に優れた可撓性のベース基板(ベースフィルム、基材層、絶縁性フィルム)11に配線パターン(導体パターン)を形成したものである。ベース基板11は、例えばポリイミドやポリエステルなどからなり、絶縁性を有している。配線基板2を構成する配線パターン(導体パターン)は、配線基板2の上面2aに対応するベース基板11の上面上と、配線基板2の下面2bに対応するベース基板11の下面上とに形成されており、例えば、ベース基板11に接着材などで接着された導体箔(好ましくは銅箔)により形成されている。配線基板2の下面2bに形成されている後述の端子9,13や、この端子9に一体的に接続された配線(配線パターン)WP1は、配線基板2の下面2b(すなわちベース基板11の下面)に形成された配線パターン(導体パターン)によって形成されている。また、配線基板2の上面2aに形成されている後述の端子10やこの端子10に一体的に接続された配線パターンは、配線基板2の上面2a(すなわちベース基板11の上面)に形成された配線パターン(導体パターン)によって形成されている。図7には、配線基板2の配線パターンのうち、配線基板2の下面2bに形成された配線WP1の一部が図示されているが、図5では、簡略化のために、配線WP1の図示は省略してある。
配線基板2の上面2a側の配線パターンと下面2b側の配線パターンとは、ベース基板11に形成されたビア(図示せず)を介して必要に応じて電気的に接続されている。ここでビアとは、配線基板2を構成するベース基板11に形成された孔(貫通孔)であるが、孔の側壁上に導体膜が形成されているか、あるいは孔内が導体膜で埋められており、孔に、この導体膜を含めたものをビア(またはビアホール)と呼ぶものとする。従って、ベース基板11に形成されたビアは、そのベース基板11の上下両面の配線パターンの間を、ビアを構成する孔の側壁上または孔内の導体膜を介して電気的に接続するように機能することができる。
配線基板2において、センサチップ3が搭載された領域(チップ搭載領域)の中央部には、センサチップ3の平面寸法(面積)よりも小さな平面寸法(面積)を有する開口部(貫通孔、孔)OP1が形成されている。すなわち、配線基板2の開口部OP1は、配線基板2の下面2b上に配置されたセンサチップ3に平面的に内包されるように形成されている。この開口部OP1は、配線基板2の下面2bから上面2aまで(下面2bから上面2aに向かって)貫通しており、センサチップ3の表面3aのセンサ面(センサアレイ領域、受光素子領域)SEを開口部OP1から露出させている。センサチップ3の平面形状は四角形であり、より特定的には矩形(長方形)である。このため、センサチップ3の形状に合わせて、開口部OP1の平面形状も矩形(長方形)であることが好ましい。
センサチップ(撮像素子、固体撮像素子、半導体撮像素子)3は、光センサ用の半導体チップであり、例えばCMOSイメージセンサ回路などのセンサ回路(受光素子回路)が形成されており、センサ回路が形成された側の主面である表面(受光面、受光素子形成面)3aと、表面3aとは反対側の主面である裏面とを有している。そして、センサチップ3の表面3aが配線基板2に対向する側となるように、配線基板2の下面2b上にセンサチップ3がフリップチップ実装されている。
センサチップ3に形成されたCMOSイメージセンサ回路は、半導体装置の製造工程で標準的に使用されるCMOSプロセスにより形成されており、センサアレイ(受光素子領域)を有している。センサチップ3の表面3aの中央領域には、受光部として、センサアレイが形成された領域であるセンサ面(受光部、センサアレイ領域)SEが配置されており、このセンサ面SEは、配線基板2の開口部OP1から露出されている。すなわち、配線基板2の開口部OP1は、配線基板2の下面2b上に配置されたセンサチップ3に平面的に内包され、センサチップ3の表面3aにおけるセンサ面SEは、配線基板2の開口部OP1に平面的に内包されている。
レンズユニット6内のレンズ(図示省略)により集光された光が、IRフィルタ(IRガラスフィルタ)8を経由して、配線基板2の開口部OP1から露出されているセンサチップ3の表面3aのセンサ面SEに入射されるように構成されている。センサチップ3のセンサ面SEには、複数の受光素子がセンサチップ3の主面に沿って縦横方向に規則的に並んで配置されており、個々の受光素子は、CMOSイメージセンサ回路の画素を形成する部分であり、入射された光信号を電気信号に変換する光電変換機能を有している。この受光素子としては、例えばフォトダイオードまたはフォトトランジスタが使用されている。また、センサチップ3は、センサ面SEで得られた電気信号を処理するアナログ回路やDSP(Digital Signal Processor)回路なども有している。
センサチップ3の表面3aにおけるセンサ面SEの周囲には、すなわちセンサチップ3の表面3aの外周(外周領域、周辺部、周縁部)には、その外周に沿って複数の電極パッド(ボンディングパッド、パッド電極)PDが形成されている。この電極パッドPDは、センサチップ3のCMOSイメージセンサ回路の引出電極である。そして、センサチップ3の表面3aにおいて、複数の電極パッドPD上に複数のバンプ電極BPがそれぞれ形成されており、これら複数のバンプ電極BPが、配線基板2の下面2bの複数の端子(ボンディングリード、電極、導電性ランド)9にそれぞれ機械的かつ電気的に接続されている。
配線基板2の下面2bの各端子9は、配線基板2の下面2b(すなわちベース基板11の下面)に形成された上記配線パターン(導体パターン)の一部によって形成されている。配線基板2の下面2bにおいて、これら複数の端子9は、開口部OP1の周囲に配置(形成)されている。これらの端子9は、バンプ電極BP接続用の端子であり、ボンディングリードとみなすこともできる。
配線基板2の上面2aに単数または複数の電子部品4が搭載(実装)されているが、この電子部品4は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などのような不揮発性メモリ回路が形成されたメモリチップ(メモリ用の半導体チップ)や、チップ抵抗やチップコンデンサなどの受動部品(チップ部品)である。電子部品4のうち、メモリチップは、半田バンプ(バンプ電極)などを介して配線基板2の上面2a上にフリップチップ実装され、チップ抵抗やチップコンデンサなどの受動部品は、配線基板2の上面2a上に半田実装されている。すなわち、電子部品4の各電極が、配線基板2の上面2aの各端子(電極、導電性ランド、ボンディングリード)10にそれぞれ機械的かつ電気的に接続されている。図6では、電子部品4として、チップ抵抗やチップコンデンサなどの受動部品が半田14を介して配線基板2の上面2aの端子10に接続された状態が示されている。配線基板2の上面2aには、電子部品4接続用の端子である複数の端子10が形成されており、各端子10は、配線基板2の上面2a(すなわちベース基板11の上面)に形成された上記配線パターン(導体パターン)の一部によって形成されている。
樹脂カバー(第1カバー部材、保護部材、鏡筒、枠体)5は、配線基板2の上面2aに搭載された電子部品4と、配線基板2の開口部OP1から露出するセンサチップ3の表面3a(のセンサ面SE)とを覆うように、配線基板2の上面2aに搭載されており、樹脂カバー5の底面が接着材などを介して配線基板2の上面2aに接着されて固定(固着)されている。電子部品4とセンサチップ3のセンサ面SEとは、樹脂カバー5で覆われるが、樹脂カバー5とは接しておらず、樹脂カバー5の内壁から離間している。樹脂カバー5は、センサチップ3のセンサ面SE(および電子部品4)を覆って保護するように機能するため、カバー部材または保護部材とみなすことができる。樹脂カバー5は、例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)などの樹脂材料またはプラスチック材料(絶縁材料)などからなり、ガラス繊維などを含有することもできる。樹脂カバー5の上部(頭部)には、IRフィルタ(IRガラスフィルタ)8が樹脂カバー5の上部の開口を塞ぐように取り付けられている。IRフィルタ8は、可視光を透過し、所定の波長以上の不要な赤外放射を遮断するよう機能することができる。
レンズユニット(レンズブロック、レンズホルダ、レンズ保持部、レンズAssy)6は、内部にレンズ(光学レンズ、図示は省略)を保持または収容しており、樹脂カバー5の上部に配置(連結、装着)されている。これにより、カメラモジュールMJ1の外界の光が、レンズユニット6内のレンズにより集光され、IRフィルタ8を通ってセンサチップ3の表面3aのセンサ面SEに入射(照射)されるようになっている。また、レンズユニット6内にレンズの可動機構を設けて、ズーム機能を持たせることもできる。
また、センサチップ3の表面3aのセンサ面SEは、センサチップ3の表面3aと配線基板2の下面2bとの間の封止材12と、配線基板2の上面2aに搭載された樹脂カバー5(およびその上部のIRフィルタ8)とによって外部から遮蔽されているため、センサチップ3の表面3aのセンサ面SEを保護し、センサチップ3のセンサ面SEを防塵することができる。
配線基板2の下面2bにおいて、センサチップ3や樹脂カバー7を搭載している側とは反対側の端部近傍には、カメラモジュールMJ1の外部端子(外部接続端子)として機能するコネクタ(コネクタ部)CNTが設けられている。コネクタCNTは、カメラモジュールMJ1(が内蔵する回路)を外部機器に電気的に接続するための外部端子として機能する。具体的には、配線基板2の下面2bにおいて、センサチップ3や樹脂カバー7を搭載している側とは反対側の端部近傍には、複数の端子(外部端子、外部接続端子)13が配置されており、コネクタCNTは、これら複数の端子13に電気的に接続されている。配線基板2の下面2bの各端子13は、配線基板2の下面2b(すなわちベース基板11の下面)に形成された上記配線パターン(導体パターン)の一部によって形成されている。コネクタCNTは複数の端子を有しており、コネクタCNTの各端子は、配線基板2の各端子13に電気的に接続され、更に、配線基板2の配線パターン(配線WP1や端子9,10や配線基板2のビアを含む)を通じてカメラモジュールMJ1内の回路(センサチップ3や電子部品4の各電極)と電気的に接続されている。すなわち、配線基板2の下面2bに設けられた複数の端子9と、配線基板2の上面2aに設けられた複数の端子10と、コネクタCNTとは、配線基板2の配線(下面2bに形成された配線および上面2aに形成された配線)やビアを介して、電気的に接続されている。他の形態として、コネクタCNTを、配線基板2の上面2aにおいて、樹脂カバー5を搭載している側とは反対側の端部近傍に設けることもできる。
配線基板2の下面2b上に、センサチップ3を覆うように、樹脂カバー(第2カバー部材、保護部材)7が搭載されている。この樹脂カバー7は、例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)などの樹脂材料またはプラスチック材料(絶縁材料)などからなり、センサチップ3を覆うように、配線基板2の下面2bに接着材などで接着されている(貼り付けられている)。樹脂カバー7によってセンサチップ3を保護することができる。配線基板2の上面2a側の樹脂カバー5は、その内壁がセンサチップ3から離間していたが、配線基板2の下面2b側の樹脂カバー7は、その内壁をセンサチップ3に近接させることができる(接していてもよい)。樹脂カバー7は、センサチップ3を覆って保護するように機能するため、カバー部材または保護部材とみなすことができる。
センサチップ3は配線基板2の下面2bにフリップチップ実装(フリップチップ接続)されている。すなわち、センサチップ3の表面3aに設けられた複数のバンプ電極BPが、配線基板2の下面2bの複数の端子9にそれぞれ接続されている。そして、センサチップ3の表面3aの外周部(外周領域、周辺部、周縁部)と、それに対向する部分の配線基板2の下面2bとの間には、封止材12が充填されている。封止材12は、絶縁性を有している。封止材12は、樹脂材料からなり、より特定的には、熱硬化性樹脂が硬化したものである。この封止材12によってセンサチップ3の表面3aの外周部と配線基板2の下面2bとの間の隙間が埋められることで、配線基板2の下面2b側のセンサチップ3外部空間から、センサチップ3の表面3aのセンサ面SEが遮蔽されているため、センサチップ3の表面3aのセンサ面SEを防塵することができる。封止材12は、後述の封止材12aと封止材12bとによって形成されている。すなわち、封止材12には、後述の封止材12aで形成されている部分と後述の封止材12bで形成されている部分とがある。
センサチップ3のセンサ面SEに塵などの異物が付着すると、撮影し表示した画像中に不良を発生させてしまうため、センサチップ3のセンサ面SEに塵などの異物が付着するのを防止することは極めて重要である。本実施の形態のカメラモジュールMJ1では、センサチップ3の表面3aのセンサ面SEは、センサチップ3の表面3a、封止材12、配線基板2、樹脂カバー5およびIRフィルタ8で囲まれた遮蔽空間内に配置されているため、その遮蔽空間外部から塵などの異物が侵入してセンサチップ3のセンサ面SEに異物が付着するのを的確に防止することができる。
<固体撮像装置(カメラモジュール)の製造工程について>
次に、本実施の形態の固体撮像装置(ここではカメラモジュールMJ1)の製造工程について説明する。
図9は、本実施の形態の固体撮像装置、ここではカメラモジュールMJ1の製造工程を示す製造プロセスフロー図である。図10は、カメラモジュールMJ1の製造に用いる配線基板2の上面図であり、図11は、その下面図であり、図12は、その要部平面図(部分拡大下面図)、図13〜図15は、その断面図である。図10〜図12のA1−A1線の断面が図13(A1−A1断面図)にほぼ対応し、図12のA2−A2線の断面が図14(A2−A2断面図)にほぼ対応し、図12のA3−A3線の断面が図15(A3−A3断面図)にほぼ対応している。なお、図10は配線基板2の上面2a側が示され、図11および図12は配線基板2の下面2b側が示され、図13〜図15は、配線基板2の下面2b側が上を向き、上面2a側が下を向いた状態が示されている。また、図11の点線で囲まれた領域RG1の拡大図が図12に対応するが、図12は、図11の領域RG1を反時計回りに90°回転させて図示してあることに注意すべきである。なお、図10〜図12において、X方向とY方向とは、互いに直交する方向であり、X方向が配線基板2の長辺方向(長手方向)であり、Y方向が配線基板2の短辺方向(短手方向)であり、これは他の平面図でも同様である。
カメラモジュールMJ1を製造するには、まず、図10〜図15に示されるような配線基板2を用意する(図9のステップS1)。配線基板2は、上述のようにフレキシブル配線基板である。配線基板2の基本的な構成は上述したので、ここでは重複する説明については省略する。
図11および図12に示されるように、配線基板2の下面2bにおいて、開口部OP1の周囲には、後でセンサチップ3のバンプ電極BPを接続すべき複数の端子9が配列している。また、図10に示されるように、配線基板2の上面2aにおいて、電子部品4の搭載予定領域には、後で電子部品4の電極を接続すべき複数の端子10が設けられている。なお、配線基板2の下面2bにおいて、複数の端子9のそれぞれに配線WP1が一体的に接続されているが、図11の下面図では、簡略化のために、複数の端子9のうちの一部の端子9に接続された配線WP1のみが図示され、また、図12〜図15では、配線WP1の図示は省略している。
図10〜図15のような配線基板2を用意(準備)した後、図16〜図18に示されるように、配線基板2に電子部品4とコネクタCNTを実装(搭載)する(図9のステップS2)。
図16(上面図)、図17(下面図)および図18(A1−A1断面図)は、上記図10、図11および図13にそれぞれ対応する上面図、下面図および断面図であり、ステップS2が行われた段階(状態)が示されている。
ステップS2における電子部品4の実装工程を具体的に説明すると、配線基板2の上面2aを上方に向けた状態で、電子部品4のうちの受動部品(チップ抵抗やチップコンデンサなど)が接続される端子10に半田印刷などで半田14(半田ペーストなど)を供給してから、その上に受動部品を搭載する。また、電子部品4のうちのメモリチップのような半導体チップは、その半導体チップの半田バンプ(バンプ電極)が端子10に対向するように配線基板2の上面2a上に配置する。そして、半田リフロー処理(熱処理)を行うことで、受動部品の電極を半田を介して配線基板2の上面2aの端子10に接合して電気的に接続し、また、メモリチップのような半導体チップの半田バンプを配線基板2の上面2aの端子10に接合して電気的に接続する。
また、コネクタCNTは、配線基板2の下面2bに取り付け、配線基板2の上面2aにおけるコネクタCNTを接続すべき複数の端子13にコネクタCNT(の複数の端子)を電気的に接続する。
ステップS2において、配線基板2の上面2a上に電子部品4が実装され、配線基板2の下面2b上にコネクタCNTが実装されるが、電子部品4の実装とコネクタCNTの実装は、どちらを先に行うこともできる。
このようにして、配線基板2の上面2aに電子部品4が実装されて、各電子部品4の各電極が配線基板2の上面2aの各端子10に電気的に接続され、また、配線基板2の下面2bにコネクタCNTが実装(搭載)されて、コネクタCNTの各端子が、それに接続すべき配線基板2の各端子13に電気的に接続される。
次に、配線基板2の下面2bに封止材(第1封止材)12aを供給(塗布、配置)する(図9のステップS3)。
図19および図20は、上記図12に対応する要部平面図(部分拡大下面図)であり、図19には、ステップS3で封止材12aが供給された段階(状態)が示され、図20は、図19において、封止材12aを透視し、封止材12aの位置(外形位置)を点線で示したものである。図19は、平面図であるが、図面を見やすくするために、封止材12aにハッチングを付してある。また、図21(A1−A1断面図)、図22(A2−A2断面図)および図23(A3−A3断面図)は、上記図13、図14および図15にそれぞれ対応する断面図であり、ステップS3で封止材12aが供給された段階(状態)が示されている。
ステップS3の封止材12aの供給工程においては、配線基板2の下面2bが上方を向いた状態とし、配線基板2の下面2bにおいて、開口部OP1の周囲で、後でセンサチップ3が搭載されたときにそのセンサチップ3の表面3aと対向する領域に、封止材12aを供給する。より特定的には、配線基板2の下面2bにおいて、後で搭載されるセンサチップ3のバンプ電極BPに接続されるべき端子9が配列している領域またはその近傍領域に、封止材12aを供給する。
ステップS3で供給される封止材12aは、絶縁性の樹脂材料からなるが、好ましくは熱硬化性樹脂材料からなり、例えば熱硬化型のエポキシ樹脂を用いることができる。ステップS3の段階では、封止材12aは、まだ硬化しておらず、ペースト状である。このため、ステップS3で供給される封止材12aとして、NCP(ノンコンダクティブペースト)を好適に用いることができる。ステップS3において、封止材12aは、例えば、ディスペンス法という手法を用いて配線基板2の下面2b上に供給することができる。
次に、配線基板2の下面2bにセンサチップ3を搭載する(図9のステップS4)。
図24は、ステップS4で配線基板2へ搭載する前のセンサチップ3の平面図であり、センサチップ3の表面3aが示されている。図25(A1−A1断面)および図26(A1−A1断面図)は、上記図13に対応する断面図であり、図27(A2−A2断面図)および図28(A3−A3断面図)は、上記図14および図15にそれぞれ対応する断面図である。図25には、ステップS4でセンサチップ3を配線基板2の下面2bに搭載する途中の段階(状態)が示され、図26〜図28には、ステップS4でセンサチップ3が配線基板2の下面2bに搭載(フリップチップ実装)された段階(状態)が示されている。図29(要部平面図)は、上記図12に対応する要部平面図(部分拡大下面図)であり、ステップS4でセンサチップ3が配線基板2の下面2bに搭載(フリップチップ実装)された段階(状態)が示されている。なお、図24においても、理解を簡単にするために、ステップS4でセンサチップ3を配線基板2の下面2bにフリップチップ実装したときに、上記A1−A1線、A2−A2線およびA3−A3線に重なる位置に、A1−A1線、A2−A2線およびA3-A3線の位置を示す一点鎖線を入れてある。また、図29においては、理解を簡単にするために、センサチップ3の下に位置する(隠れている)配線基板2の開口部OP1の位置を二点鎖線で示し、センサチップ3の下に位置する(隠れている)バンプ電極BPを点線で示してある。
図24に示されるように、配線基板2の下面2bに搭載するセンサチップ3の表面3aには、受光部である上記センサ面SEが形成されており、センサ面SEの周囲、すなわちセンサチップ3の表面3aの外周(外周領域、周辺部、周縁部)には、複数の電極パッドPDが形成されており、この複数の電極パッドPD上に複数のバンプ電極BPがそれぞれ形成されている。なお、図24では、各バンプ電極BPの直下に各電極パッドPDが配置されているため、電極パッドPDの符号は省略してある。各バンプ電極BPは、好ましくは金バンプ(金からなるバンプ電極)である。バンプ電極BPはスタッドバンプ(より好ましくは金のスタッドバンプ)であることが好ましいため、センサチップ3を準備(製造)する際には、電極パッドPD上にスタッドバンプ法でバンプ電極BPを形成することが好ましい。センサチップ3におけるバンプ電極BPは、ステップS4で配線基板2の下面2bにセンサチップ3を搭載(フリップチップ実装)する前に形成しておく。スタッドバンプ法では、ボンディングワイヤを溶融して金属(好ましくは金)のボールを形成し、これをセンサチップ3の電極パッドPDに接合することで、スタッドバンプ(バンプ電極BP)を形成することができる。
センサチップ3を準備(用意)するのは、ステップS4のセンサチップ3の搭載工程の前であればよく、ステップS4の前であれば、ステップS1の前、ステップS1と同時、ステップS1の後、ステップS2の前、ステップS2と同時、ステップS2の後、ステップS3の前、ステップS3と同時、ステップS3の後のいずれとすることもできる。
ステップS4のセンサチップ3の搭載工程では、センサチップ3が配線基板2の下面2bにフリップチップ実装される。具体的に説明すると、ステップS4のセンサチップ3の搭載工程では、図25に示されるように、配線基板2の下面2bが上方を向いた状態とし、センサチップ3の裏面(表面3aとは反対側の主面)が上方を向き、センサチップ3の表面3aが下方、すなわち配線基板2の下面2b側を向いて配線基板2の下面2bに対向するように、フェイスダウンでセンサチップ3を配線基板2の下面2bに配置(搭載)する。この際、センサチップ3をボンディングツール(後述のボンディングツール42に対応)などで加熱しながら、センサチップ3の複数のバンプ電極BPが配線基板2の下面2bの複数の端子9にそれぞれ対向しかつセンサチップ3のセンサ面SEが配線基板2の開口部OP1から露出するように、配線基板2の下面2bにセンサチップ3を配置(搭載)し、更に配線基板2側にセンサチップ3を押し付ける(加圧する、荷重をかける)。これにより、センサチップ3とともに加熱された各バンプ電極BPが配線基板2の各端子9に押し付けられ、センサチップ3の複数のバンプ電極BPが配線基板2の下面2bの複数の端子9にそれぞれ熱圧着されることで、図26〜図28に示されるように、センサチップ3の各バンプ電極BPが配線基板2の下面2bの各端子9に機械的かつ電気的に接続される。
また、ステップS4のセンサチップ3の搭載工程の前にステップS3で封止材12aを供給していたため、配線基板2の下面2bの端子9上や端子9の周囲に封止材12aが存在する状態で、ステップS4のセンサチップ3の搭載工程を行うことになる。しかしながら、ステップS4のセンサチップ3の搭載工程では、センサチップ3に荷重をかけてセンサチップ3の各バンプ電極BPを配線基板2の下面2bの端子9に押し付けるため、バンプ電極BPは封止材12aを押し退けて配線基板2の下面2bの端子9に接触して圧着(熱圧着)される。このため、バンプ電極BPと端子9との間には封止材12aが介在せずにバンプ電極BPと端子9と電気的に接続されることになり、また、バンプ電極BPと端子9との接続部の周囲(すなわちバンプ電極BPの周囲)は、封止材12aで囲まれた状態となる。そして、ステップS4のセンサチップ3の搭載工程では、バンプ電極BPを端子9に熱圧着するためにセンサチップ3を加熱しているため、この加熱により、熱硬化性樹脂からなる封止材12aを硬化させることができる。このときのセンサチップ3の加熱温度は200〜250℃程度、例えば230℃程度とすることができる。
このように、ステップS4のセンサチップ3の搭載工程により、センサチップ3が配線基板2の下面2bにフリップチップ実装されて、センサチップ3の各バンプ電極BPが配線基板2の下面2bの各端子9に機械的かつ電気的に接続されるとともに、各バンプ電極BP(バンプ電極BPと端子9との接続部)が、その周囲を硬化した封止材12aで囲まれて保護される。
一般的な半導体チップは、平面形状が矩形であり、矩形の四辺全体に沿って(但し矩形の4つの角部を除いて)、ボンディングパッドあるいはバンプ電極がほぼ等ピッチ(均等)に配列している。しかしながら、本実施の形態で用いるセンサチップ3は、センサチップ3の表面3aにおいて、外周の四辺全体(全辺)に沿ってバンプ電極BPが等ピッチ(均等)に配列したものではない。すなわち、本実施の形態で用いるセンサチップ3は、センサチップ3の表面3aの外周部において(但し矩形の4つの角部を除いて)、外周の辺に沿ってバンプ電極BPが配列した部分(第1領域31に対応)と、外周の辺に沿ってバンプ電極BPが配列していない部分(第2領域32に対応)との両方を有するものである。図24の場合には、センサチップ3の表面3aの四辺(すなわち辺SD1,SD2,SD3,SD4)のうち、辺SD1,SD2,SD3に沿ってバンプ電極BPがほぼ等ピッチ(均等)に配列しているが、辺SD4に沿ってはバンプ電極BPが配列していない。
ステップS4でセンサチップ3がフリップチップ実装されると、センサチップ3の各バンプ電極BPが配線基板2の下面2bの各端子9に接続される。このため、配線基板2の下面2bのセンサチップ3搭載予定位置における端子9(センサチップ3のバンプ電極BPが接続されるべき端子9)の配列の仕方と、センサチップ3におけるバンプ電極BPの配列の仕方とは同じである。このため、図24のように複数のバンプ電極BPがセンサチップ3の辺SD1,SD2,SD3に沿って配列しているが、センサチップ3の辺SD4に沿っては配列していない場合には、図12に示されるように、配線基板2の開口部の四辺(すなわちSD11,SD12,SD13,SD14)のうち、辺SD11,SD12,SD13に沿って複数の端子9が配列しているが、辺SD14に沿っては端子9が配列していない。
ここで、センサチップ3を構成する四辺において、辺SD1と辺SD3とは互いに対向する(平行な)辺であり、辺SD2と辺SD4とは互いに対向する(平行な)辺であり、辺SD1,SD3と辺SD2,SD4とは互いに交差(直交)する辺である。また、配線基板2の開口部OP1を構成する四辺において、辺SD11と辺SD13とは互いに対向する(平行な)辺であり、辺SD12と辺SD14とは互いに対向する(平行な)辺であり、辺SD11,SD13と辺SD12,SD14とは互いに交差(直交)する辺である。また、配線基板2の開口部OP1を構成する四辺(すなわちSD11,SD12,SD13,SD14)のうち、配線基板2の下面2bにおいてコネクタCNTが配置されている位置(領域)から最も遠くに位置する辺が辺SD14であり、コネクタCNTが配置されている位置(領域)から最も近くに位置する辺が辺SD12である。
そして、ステップS4で配線基板2の下面2bにセンサチップ3をフリップチップ実装した際には、開口部OP1の四辺のうち、開口部OP1の辺SD11がセンサチップ3の辺SD1に略平行でかつ近接する辺となり、開口部OP1の辺SD12がセンサチップ3の辺SD2に略平行でかつ近接する辺となる。また、開口部OP1の辺SD13がセンサチップ3の辺SD3に略平行でかつ近接する辺となり、開口部OP1の辺SD14がセンサチップ3の辺SD4に略平行でかつ近接する辺となる。
センサチップ3において、バンプ電極BPが辺SD1,SD2,SD3に沿って配列し、辺SD4に沿って配列していないのは、配線基板2の下面2bにおいて、バンプ電極BP接続用の端子9が、開口部OP1の辺SD11,SD12,SD13に沿って配列しているが、開口部OP1の辺SD14に沿っては配列していないためである。そして、図11および図12に示されるように、配線基板2の下面2bにおいて、バンプ電極BP接続用の端子9が、開口部OP1の辺SD11,SD12,SD13に沿って配列しているが、辺SD14に沿って配列していないのは、開口部OP1の周囲に配置された複数の端子9とコネクタCNT(コネクタCNTに接続される複数の端子13)とを接続する複数の配線WP1のそれぞれの長さを短くするためである。配線基板2の下面2bにおいて、開口部OP1の四辺のうち、コネクタCNT(端子13)から最も遠くに位置する辺SD14側に端子9を配列させず、コネクタCNT(端子13)に近い辺SD11,SD12,SD13に沿って複数の端子9を配列させることで、開口部OP1の周囲に配置された端子9とコネクタCNT(端子13)とを接続する配線(上記配線WP1に対応)の長さを短くすることができる。また、この配線を引き回すための領域を低減できるため、配線基板2の平面寸法(面積)を縮小することが可能になる。
ステップS4のセンサチップ3の搭載工程の後、配線基板2の上面2a上に、樹脂カバー5を接着(搭載、貼り付け)して固定する(図9のステップS5)。
図30(A1−A1断面)および図31(A1−A1断面図)は、上記図13に対応する断面図であり、図32(上面図)は上記図10に対応する下面図(平面図)である。図30には、ステップS5で配線基板2の上面2aに樹脂カバー5を接着する前の段階(状態)が示され、図31には、ステップS5で配線基板2の上面2aに樹脂カバー5が接着された段階(状態)が示されている。また、図32には、ステップS5で配線基板2の上面2aに塗布する樹脂カバー5接着用の接着材21の塗布領域をハッチングを付して示してある。
ステップS5の樹脂カバー5の接着工程では、図30に示されるように、配線基板2の上面2aが上方を向いた状態としてから、図31に示されるように、既にIRフィルタ8が取り付けられている樹脂カバー5を、接着材(図32に示される接着材21に対応)を介して配線基板2の上面2a上に搭載してから、硬化用の熱処理などによってその接着材を硬化させることで、樹脂カバー5を配線基板2の上面2aに接着して固定する。樹脂カバー5の接着に用いる接着材21は、熱硬化型の樹脂接着材(熱硬化性樹脂)などを用いることができ、例えば熱硬化型のエポキシ樹脂接着材を用いることができる。この接着材21は、図32に示され、図31では簡略化のために図示が省略されているが、実際には、図31において、樹脂カバー5の底面と配線基板2の上面2aとの間に接着材21が薄く介在している。また、ステップS5の樹脂カバー5の接着工程では、樹脂カバー5の接着面(樹脂カバー5の底部の配線基板2に接着する面)に接着材21を塗布するか、あるいは、図32に示されるように配線基板2の上面2aにおける樹脂カバー5の接着予定領域(より特定的には開口部OP1の周囲)に接着材21を塗布するかしてから、樹脂カバー5を配線基板2の上面2a上に搭載し、その後、その接着材21を硬化すればよい。この接着材21を塗布する際には、配線基板2の開口部OP1から露出するセンサチップ3の表面3a(特にセンサ面SE)に付着しないようにする。
また、ステップS5の樹脂カバー5の接着工程では、樹脂カバー5は、配線基板2の上面2aに搭載された電子部品4と、配線基板2の開口部OP1から露出するセンサチップ3の表面3a(のセンサ面SE)とを覆うように、配線基板2の上面2aに搭載されて固定(接着)される。電子部品4とセンサチップ3のセンサ面SEとは、配線基板2の上面2aに固定された樹脂カバー5で覆われた状態となるが、樹脂カバー5とは接しておらず、樹脂カバー5の内壁から離間している。
ステップS5の樹脂カバー5の接着工程の後、配線基板2の下面2bとセンサチップ3(の表面3a)との間に封止材(第2封止材)12bを供給(注入)する(図9のステップS6)。
図33(A3−A3断面)および図34(A3−A3断面)は、上記図15に対応する断面図であり、図35(要部平面図)および図36(要部平面図)は、上記図12に対応する要部平面図(部分拡大下面図)である。図33には、ステップS6で封止材12bを供給する前の段階(状態)が示され、図34には、ステップS6で封止材12bが供給された段階(状態)が示されている。また、図35には、ステップS6で封止材12bが供給された段階(状態)が示され、図36には、図35において、封止材12aが供給されている平面領域と封止材12bが供給されている平面領域とにそれぞれハッチングを付したものである。なお、図35および図36においては、理解を簡単にするために、配線基板2の開口部OP1の位置を二点鎖線で示し、バンプ電極BPを点線で示してある。また、図35のA3−A3線の断面が図34にほぼ対応している。
このステップS6の封止材12bの供給工程においては、図33に示されるように、配線基板2の下面2bが上方を向いた状態とした状態としてから、図34に示されるように、配線基板2の下面2bとセンサチップ3の表面3aとの間に、封止材12bが注入される。ステップS6においては、例えば、センサチップ3の近傍(ここではセンサチップ3のバンプ電極BPが配列していない辺SD14に沿った領域)に封止材12bを塗布することで、毛細管現象を利用して、配線基板2の下面2bとセンサチップ3の表面3aとの間に封止材12bを注入することができる。
ステップS6で供給される封止材12bは、絶縁性の樹脂材料からなるが、好ましくは熱硬化性樹脂材料からなり、例えば熱硬化型のエポキシ樹脂を用いることができる。ステップS6の段階では、封止材12bは、まだ硬化しておらず、ペースト状である。このため、ステップS6で供給される封止材12bとして、NCP(ノンコンダクティブペースト)を好適に用いることができる。
本実施の形態では、ステップS6で供給する封止材12bとしては、上記ステップS3で供給する封止材12aとして使用する熱硬化樹脂よりも、硬化温度が低い熱硬化性樹脂を使用すれば、より好ましい。
本実施の形態では、上記ステップS3で供給された封止材12aは、センサチップ3のバンプ電極BPと配線基板2の下面2bの端子9との接合を保護または保持し、バンプ電極BPと端子9との接合強度を高めるように機能する。このため、センサチップ3の表面3aと、これに対向する配線基板2の下面2bとの間において、バンプ電極BPが配列している領域には、封止材12aが充填されて、バンプ電極BPが封止材12aで囲まれた状態にする必要がある。しかしながら、バンプ電極BPが配列していない領域には、封止材12aは充填されていなため、ステップS6の封止材12bの供給工程では、センサチップ3の表面3aと、これに対向する配線基板2の下面2bとの間において、バンプ電極BPが配列しておらず、かつ封止材12aが充填されていない領域に、封止材12bを注入(充填)するのである。これについては、後でより詳細に説明する。
ステップS6の封止材12bの供給工程の後、熱処理を行って封止材12bを硬化する(図9のステップS7)。
このステップS7の封止材12bの硬化工程では、配線基板2および封止材12bが加熱されることで、熱硬化性樹脂材料からなる封止材12bが硬化される。上記ステップS4のセンサチップ3の搭載工程(フリップチップ実装工程)で硬化した封止材12aと、ステップS7の封止材12bの硬化工程で硬化した封止材12bとを合わせたものが、上記封止材12となる。
また、ステップS6の封止材12bの供給工程では、センサチップ3の表面3aと配線基板2の下面2bとの間に、外部から封止材12bを注入(充填)するため、封止材12aに比べて、封止材12bは、センサチップ3の外側へのはみ出し量(幅)が大きくなる。本実施の形態では、センサチップ3の辺SD11〜SD14のうち、ステップS6で封止材12bを供給するのは、バンプ電極BPが配列していない辺SD14である。このため、製造されたカメラモジュールMJ1(MJ1a)においては、図35および図36からも明らかなように、センサチップ3の各辺SD11〜SD14辺から上記封止材12(12a,12b)がはみ出している量(幅)は、バンプ電極BPが配列している辺SD11,SD12,SD13よりも、バンプ電極BPが配列していない辺SD14の方が大きく(多く)なる。
ステップS7の封止材12bの硬化工程の後、配線基板2の下面2b上に、センサチップ3を覆うように、樹脂カバー7を接着(搭載、貼り付け)して固定する(図9のステップS8)。
図37(下面図)は上記図11に対応する下面図(平面図)であり、図38(A1−A1断面図)は、上記図13に対応する断面図である。図37には、ステップS8で配線基板2の下面2bに塗布する樹脂カバー7接着用の接着材22の塗布領域をハッチングを付して示してある。また、図38には、ステップS8で配線基板2の下面2bに樹脂カバー7が接着された段階(状態)が示されている。なお、図37では、上記図11に示されている配線WP1および端子13については、図面の簡略化のために図示を省略している。
ステップS8の樹脂カバー7の接着工程では、図37に示されるように、配線基板2の下面2bが上方を向いた状態とし、配線基板2の下面2bにおいて、センサチップ3の周囲に接着材を塗布(供給)してから、その上に樹脂カバー7を搭載(配置)し、硬化用の熱処理などによって接着材を硬化させることで、図38に示されるように、樹脂カバー7を配線基板2の下面2bに接着する。樹脂カバー7の接着に用いる接着材は、熱硬化型の樹脂接着材(熱硬化性樹脂)などを用いることができ、例えば熱硬化型のエポキシ樹脂接着材を用いることができる。この接着材22は、図37に示され、図38では簡略化のために図示が省略されているが、実際には、図38において、樹脂カバー7の底面と配線基板2の下面2bとの間に接着材22が薄く介在している。樹脂カバー7によってセンサチップ3が覆われることで、センサチップ3を保護することができる。
また、ステップS8で樹脂カバー7の配線基板2への接着に使用する接着材22として、ステップS6で使用する封止材12bと同じ材料(同じ熱硬化性樹脂材料)を使用すれば、より好ましい。そして、上記ステップS6で、上述のようにセンサチップ3(の表面3a)と配線基板2の下面2bとの間に封止材12bを注入すると共に、更に、配線基板2の下面2bにおけるセンサチップ3の周囲にも樹脂カバー7接着用の接着材22として封止材12bと同じもの(材料)を供給(塗布)する。そして、上記ステップS7の封止材12bの硬化用の熱処理を行うことなく、上記ステップS8で、配線基板2の下面2b上に、センサチップ3を覆うように、樹脂カバー7を搭載(配置)し、その後、硬化用の熱処理を行って、センサチップ3と配線基板2の下面2bとの間に注入された封止材12bと、樹脂カバー7を接着するための接着材22(封止材12bと同材料の接着材)との両方を硬化する。このようにすることで、カメラモジュールMJ1の製造工程を簡略化することができる。このことは、後述の実施の形態2においても同様である。
ステップS8の樹脂カバー7の接着工程までを行うことで、レンズユニット6を取り付けていない状態のカメラモジュールMJ1aが完成する。
ステップS8の樹脂カバー7の接着工程を行った後、樹脂カバー5の上部に上記レンズユニット6を取り付ける(図9のステップS9)。上記図1および図2は、ステップS9でレンズユニット6を取り付けた状態に対応する。
ステップS9のレンズユニット6の取り付け工程では、例えば、樹脂カバー5の上部のレンズユニット6の取り付け予定領域に接着材を塗布(供給)してから、その上にレンズユニット6を配置し、硬化用の熱処理などによって接着材を硬化させることで、樹脂カバー5の上部にレンズユニット6を固定することができる。レンズユニット6取り付け用の接着材を樹脂カバー5に塗布する際には、樹脂カバー5に取り付けられているIRフィルタ8に接着材が付着しないようにする。レンズユニット6の取り付けに用いる接着材は、熱硬化型の樹脂接着材(熱硬化性樹脂)などを用いることができ、例えば熱硬化型のエポキシ樹脂接着材を用いることができる。
このようにして、上記図1〜図8を参照して説明したような本実施の形態のカメラモジュールMJ1が製造される(組み立てられる)。また、レンズユニット6を取り付けていない状態のカメラモジュールMJ1aを顧客側に出荷し、顧客側でカメラモジュールMJ1aにレンズユニット6の取り付ける(すなわちステップS9のレンズユニット6の取り付け工程を顧客側で行う)ことで、カメラモジュールMJ1を完成させることもできる。このため、レンズユニット6を取り付けた状態のカメラモジュールMJ1と、レンズユニット6を取り付けていない状態のカメラモジュールMJ1aとのいずれについても、固体撮像装置とみなすことができる。
<本実施の形態の特徴について>
次に、本実施の形態の特徴について、より詳細に説明する。
本実施の形態のカメラモジュールMJ1では、センサチップ3を搭載する配線基板2として、ガラスエポキシ樹脂基板のような固いリジッド基板ではなく、薄く、柔軟性があり、屈曲性に優れ、可撓性のフレキシブル配線基板(フレキシブル基板)を用いている。そして、このフレキシブル配線基板である配線基板2にセンサチップをワイヤボンディング接続ではなく、フリップチップ接続している。これにより、カメラモジュールMJ1の薄型化や小型化を図ることができ、ひいては、カメラモジュールMJ1が搭載される電子装置の薄型化や小型化を図ることができる。
このように、センサチップ3は配線基板2にフリップチップ実装するが、センサチップ3のセンサ面SEへの光の入射を可能とするために、配線基板2の下面2bのチップ搭載予定領域(上記ステップ4でセンサチップ3が搭載(配置)される領域)には、センサチップ3のセンサ面SEを露出可能な開口部OP1が予め設けられている。このため、上記ステップS4で配線基板2の下面2bのチップ搭載予定領域にセンサチップ3を搭載(フリップチップ実装)すると、センサチップ3のセンサ面SEが配線基板2の開口部OP1から露出されるため、センサチップ3のセンサ面SEの上方からこのセンサ面SEへの光の入射が可能となる。これにより、カメラモジュールMJ1の固体撮像装置としての機能を得ることができる。
しかしながら、センサチップ3を配線基板2にフリップチップ実装して、センサチップ3の各バンプ電極BPとそれに接続すべき配線基板2の各端子9とを単に接続するだけでは、センサチップ3の実装強度が不十分であることが、本発明者の検討により分かった。これは、配線基板2はフレキシブル配線基板であるために変形しやすく(撓みやすく)、センサチップ3のフリップチップ実装後に配線基板2が変形する(撓む)と、センサチップ3の各バンプ電極BPと配線基板2の各端子9との間の接続部に負荷がかかることが、その理由の一つである。センサチップ3の実装強度が不十分であると、カメラモジュール(固体撮像装置)の製造歩留まりを低下させ、また、製造されたカメラモジュール(固体撮像装置)の信頼性を低下させる可能性がある。
そこで、本実施の形態では、センサチップ3と配線基板2との間に封止材12aを配置し、センサチップ3をフリップチップ実装する際の熱によりこの封止材12aを硬化させることで、センサチップ3の実装強度を向上させている。
すなわち、本実施の形態では、上記ステップS3で、配線基板2の下面2bのチップ搭載予定領域の一部に封止材12aを供給(塗布、配置)してから、上記ステップS4で、センサチップ3を配線基板2の下面2bのチップ搭載予定領域に搭載している。そして、配線基板2の下面2bにおいて、上記ステップS3で封止材12aを供給する領域は、上記ステップS4でセンサチップ3を搭載したときに、センサチップ3の表面3aにおける複数のバンプ電極BPが配列した領域と平面的に重なる領域である。
このため、ステップS4で配線基板2の下面2bにセンサチップ3搭載してセンサチップ3の複数のバンプ電極BPを配線基板2の下面2bの複数の端子9にそれぞれ接続(熱圧着)すると、配線基板2の下面2bの各端子9に接続された各バンプ電極BPは、封止材12aで周囲を囲まれることになる。そして、この封止材12aが硬化することで、配線基板2の下面2bの各端子9に接続された各バンプ電極BPは、硬化した封止材12aで囲まれた状態となる。これにより、センサチップ3の各バンプ電極BPと配線基板2の各端子9との間の接続部を、硬化した封止材12aで保護または補強することができるため、センサチップ3の実装強度を向上させることができる。
また、センサチップ3のバンプ電極BPは、上記ステップS4では、センサチップ3を加熱しながら配線基板2の下面2bのチップ搭載予定領域に搭載し、センサチップ3の複数のバンプ電極BPを配線基板2の下面2bの複数の端子9にそれぞれ熱圧着する。そして、封止材12aを熱硬化性樹脂で構成し、ステップS4において、バンプ電極BPを端子9に熱圧着するための加熱(センサチップ3の加熱)によって封止材12aも加熱して硬化させることができる。すなわち、ステップS4での加熱(センサチップ3の加熱)は、バンプ電極BPを端子9に接続(熱圧着)するための加熱(加熱処理、加熱工程)と、封止材12aを硬化するための加熱(加熱処理、加熱工程)とを兼ねたものとなる。このため、カメラモジュールMJ1の製造工程を簡略化することもできる。また、ステップS4での加熱により、バンプ電極BPを端子9に接続(熱圧着)するともに、封止材12aを硬化させれば、ステップS4で配線基板2の下面2bの端子9にバンプ電極BPを接続(熱圧着)してから、このバンプ電極BPの周りの封止材12aを速やかに硬化させることができるため、端子9とバンプ電極BPとの接続部を、硬化した封止材12aですぐに保護または補強することができる。
また、ステップS4において、封止材12aが硬化するのに要する時間は、センサチップ3のバンプ電極BPが配線基板2の端子9に接続(熱圧着)されるのに要する時間よりも長い。このため、ステップS4において、先に封止材12aが硬化してバンプ電極BPが端子9に接続(熱圧着)されるのを阻害することはない。すなわち、ステップS4では、センサチップ3のバンプ電極BPが、軟らかい状態の封止材12aを押し退けて、配線基板2の下面2bの端子9に押し付けられて熱圧着され、この熱圧着が完了してから例えば数秒程度(一例として5秒程度)後に封止材12aの硬化が完了する。このため、ステップS4では、バンプ電極BPを端子9の熱圧着した後も、封止材12aの硬化が完了するまで(例えば数秒程度)、加熱(センサチップ3の加熱とそれに伴う封止材12aの加熱)を継続することが好ましい。
しかしながら、センサチップ3におけるバンプ電極BPのレイアウト(配列)によっては、新たな課題が生じうることが、本発明者の検討により分かった。
センサチップの表面におけるバンプ電極の配列の仕方には、外周の四辺に沿ってバンプ電極が等ピッチに均等に配列したものがある。しかしながら、センサチップを搭載する配線基板のレイアウト(配線基板自身の形状やそこに形成する配線パターンのレイアウトなど)や、配線基板に搭載するセンサチップ以外の電子部品の配置の仕方などによっては、センサチップの表面において、バンプ電極を外周の四辺に沿って等ピッチに配列させたものではない方が、有利な場合がある。
上述したように、本実施の形態で使用するセンサチップ3は、センサチップ3の表面3aにおいて、外周の四辺全体に沿ってバンプ電極BPが等ピッチ(均等)に配列したものではない。すなわち、センサチップ3は、その表面3aの外周部(周辺部)において、複数のバンプ電極BPが配列した第1領域31とバンプ電極BPが配列していない第2領域32とを有している。図39は、本実施の形態で使用するセンサチップ3の平面図(上面図)であり、センサチップ3の表面3aが示されているが、第1領域31を一点鎖線で示し、第2領域32を二点鎖線で示してある。
図39の場合には、センサチップ3の表面3aの辺SD1,SD2,SD3,SD4のうち、辺SD1,SD2,SD3に沿ってバンプ電極BPが配列しているが、辺SD4に沿ってはバンプ電極BPが配列していないため、センサチップ3の表面3aの外周部において、辺SD1,SD2,SD3に沿った領域が第1領域31であり、辺SD4に沿った領域が第2領域32である。
バンプ電極BPのこのような配列を有したセンサチップ3をフレキシブル配線基板(配線基板2がこれに相当する)にフリップ実装する場合には、図40〜図43に示されるような現象が発生する。図40〜図43は、センサチップ3を加熱しながら配線基板2に押し付けてフリップチップ実装している状態を示す説明図(断面図)であり、図40および図42は、上記図29のA2−A2線に対応する位置での断面図に対応し、図41および図43は、上記図29のA3−A3線に対応する位置での断面図に対応する。図40と図41とは同じ時点(タイミング)に対応し、図42と図43とは同じ時点(タイミング)に対応する。
上記ステップS4でセンサチップ3をフリップチップ接続する際には、図40および図41に示されるように、配線基板2の上面2aがステージ(ボンディングステージ)41に対向し、配線基板2の下面2bが上方を向くように、配線基板2をステージ41上に配置する。なお、図示はしないけれども、ステージ41上に配線基板2を配置したときに、配線基板2の上面2aに実装していた電子部品4が、ステージ41の窪み(凹部)内に配置されるようにすれば、ステージ41上への配線基板2の配置に電子部品4が邪魔になるのを防止することができる。
そして、ボンディングツール42などでセンサチップ3を加熱しながら、図41および図42に示されるように、配線基板2側にセンサチップ3を押し付けることで、センサチップ3とともに加熱された各バンプ電極BPが配線基板2の各端子9に押し付けられ、センサチップ3の複数のバンプ電極BPが配線基板2の下面2bの複数の端子9にそれぞれ熱圧着される。
このように、センサチップ3の各バンプ電極BPを配線基板2の各端子9に接続(熱圧着)するために、センサチップ3を加熱するが、この加熱により配線基板2も加熱される。配線基板2も加熱されるのは、センサチップ3からバンプ電極BPを経由して配線基板2に熱伝導するためである。配線基板2は柔軟性があり、可撓性を有するフレキシブル配線基板であるため、この加熱により、配線基板2が撓んでしまう可能性がある。しかしながら、バンプ電極BPは、センサチップ3と配線基板2との間の間隔を一定に保つように作用するため、配線基板2のうち、センサチップ3のバンプ電極BPが接続された領域およびその近傍では、配線基板2の撓みが、バンプ電極BPによって抑制または防止される。このため、センサチップ3の辺SD1,SD2,SD3に沿った領域では、図39に示されるようにバンプ電極BPが配列しているため、配線基板2の撓みが抑制または防止される。一方、バンプ電極BPが配列していないセンサチップ3の辺SD4に沿った領域(すなわちA3−A3線に沿った領域)では、図43に示されるように、センサチップ3と配線基板2との間にバンプ電極BPが無いことから、バンプ電極BPによる配線基板2の撓み抑止効果を得られず、配線基板2が撓んでしまう可能性がある。
図44および図45は、比較例の製造工程を示す断面図であり、上記図41および図43にそれぞれ対応する断面図であるが、封止材12aの供給領域が、本実施の形態とは異なっている。すなわち、上記図41および図43の場合は、本実施の形態のように、バンプ電極BPが配列していないセンサチップ3の辺SD4に沿った領域(すなわちA3−A3線に沿った領域)には、封止材12aが供給されていなかった。それに対して、図44および図45の場合は、本実施の形態とは異なり、バンプ電極BPが配列していないセンサチップ3の辺SD4に沿った領域(すなわちA3−A3線に沿った領域)にも封止材12aを供給していた場合に対応する。
図44に示されるように、バンプ電極BPが配列していないセンサチップ3の辺SD4に沿った領域にも封止材12aを供給していた場合にも、図45に示されるように、センサチップ3をフリップチップ接続する際の加熱で配線基板2も加熱されて、バンプ電極BPが配列していないセンサチップ3の辺SD4に沿った領域で配線基板2が撓んでしまう可能性がある。バンプ電極BPが配列していないセンサチップ3の辺SD4に沿った領域にも封止材12aを供給していた場合には、配線基板2が撓むと、配線基板2とセンサチップ3との間の距離(間隔)が近づき、それによって、配線基板2とセンサチップ3との間に配置されている硬化前の封止材12aの一部が押し出されて、配線基板2とセンサチップ3との間から周囲に流出してしまう。封止材12aの一部が配線基板2とセンサチップ3との間から周囲に流出すると、センサチップ3のセンサ面SEが、流出した封止材12aの一部で覆われる虞がある。これは、カメラモジュール(固体撮像装置)の製造歩留まりを低下させ、また、製造されたカメラモジュール(固体撮像装置)の信頼性を低下させてしまう。センサチップ3のセンサ面SEは、受光部であるため、封止材12aなどの異物が付着するのを防止することが重要である。
それに対して、本実施の形態では、上記ステップS3で配線基板2の下面2bのチップ搭載予定領域に封止材12aを供給する際に、その後のステップS4でセンサチップ3を搭載したときに第1領域31(バンプ電極BPが配列した領域)と平面的に重なる領域には封止材12aを供給し、第2領域32(バンプ電極BPが配列していない領域)と平面的に重なる領域には封止材12aを供給しないようにしている。上記図24および図39の場合には、辺SD1,SD2,SD3に沿ってバンプ電極BPが配列しているが、辺SD4に沿ってはバンプ電極BPが配列していないため、センサチップ3の表面3aの外周部において、辺SD1,SD2,SD3に沿った領域が第1領域31であり、辺SD4に沿った領域が第2領域32である。
このため、ステップS4でセンサチップ3を配線基板2に搭載すると、センサチップ3の表面3aの第1領域31(バンプ電極BPが配列した領域)と配線基板2の下面2bとの間には、封止材12aが配置された状態となるが、バンプ電極BPがセンサチップ3と配線基板2との間の間隔を一定に保つように作用するため、この領域(第1領域31と平面的に重なる領域)では配線基板2がほとんど撓まない。従って、センサチップ3の表面3aの第1領域31(バンプ電極BPが配列した領域)と配線基板2の下面2bとの間に封止材12aが存在しても、バンプ電極BPによって配線基板2の撓みが防止されるため、この封止材12aがセンサチップ3のセンサ面SEに流出して付着するのを防止できる。
一方、ステップS4でセンサチップ3を配線基板2に搭載すると、センサチップ3の表面3aの第2領域32(バンプ電極BPが配列していない領域)と配線基板2の下面2bとの間にはバンプ電極BPが配列してないため、この領域(第2領域32と平面的に重なる領域)では配線基板2が撓みやすく、この配線基板2の撓みによって配線基板2とセンサチップ3との間の距離(間隔)が近づきやすい。この領域(第2領域32と平面的に重なる領域)に封止材12aがあると、その封止材12aが押し出されて、センサチップ3のセンサ面SEに付着する虞がある。本実施の形態では、この現象を防止するために、上記ステップS3の封止材12aの供給工程では、その後のステップS4でセンサチップ3を搭載したときに第2領域32(バンプ電極BPが配列していない領域)と平面的に重なる領域には封止材12aを供給しないようにしている。このため、ステップS4でセンサチップ3を配線基板2に搭載すると、センサチップ3の表面3aの第2領域32(バンプ電極BPが配列していない領域)と配線基板2の下面2bとの間には、封止材12aがほとんど存在しないため、バンプ電極BPが配列していないことでたとえこの領域(第2領域32と平面的に重なる領域)の配線基板2が撓んだとしても、周囲に押しだされる封止材12a自体が無い。従って、センサチップ3の表面3aの第2領域32(バンプ電極BPが配列していない領域)と配線基板2の下面2bとの間から周囲に封止材12aが流出してセンサチップ3のセンサ面SEに流出して付着するのを防止できる。
このように、配線基板2の下面2bにおいて、ステップS4で配線基板2の撓みが生じにくい領域(第1領域31と平面的に重なる領域)にはステップS3で封止材12aを供給するが、ステップS4で配線基板2の撓みが生じやすい領域(第2領域32と平面的に重なる領域)にはステップS3で封止材12aを供給しないようにする。これにより、封止材12aの不要な流出を防止して、センサチップ3のセンサ面SEへの封止材12aの付着を防止できる。従って、カメラモジュール(固体撮像装置)の製造歩留まりを向上させることができ、また、製造されたカメラモジュール(固体撮像装置)の信頼性を向上させることができる。また、封止材12aは、バンプ電極BPと配線基板2の端子9との接続部を保護し、センサチップ3の実装強度を向上させるために設けているが、この機能は、ステップS3で配線基板2の下面2bに封止材12aを供給する際に、その後のステップS4でセンサチップ3を搭載したときに第1領域31(バンプ電極BPが配列した領域)と平面的に重なる領域には封止材12aを供給することで、得ることができる。
なお、本実施の形態では、ステップS3で配線基板2の下面2bに封止材12aを供給する際に、その後のステップS4でセンサチップ3を搭載したときに第1領域31(バンプ電極BPが配列した領域)と平面的に重なる領域には封止材12aを供給し、第2領域32(バンプ電極BPが配列していない領域)と平面的に重なる領域には封止材12aを供給しないようにすることが重要である。しかしながら、ステップS4でセンサチップ3を搭載する際には、センサチップ3のバンプ電極BPや表面3aに押されて封止材12aが若干移動する場合もあり得る。このため、ステップS4でセンサチップ3のフリップチップ実装が完了して封止材12aが硬化した段階で、第2領域32(バンプ電極BPが配列していない領域)と平面的に重なる領域の一部に、封止材12aの一部が存在する場合もあり得る。このような場合であっても、ステップS4で配線基板2の撓みが生じやすい領域(第2領域32と平面的に重なる領域)の大部分には封止材12aが存在しないので、封止材12aの不要な流出を抑制または防止して、センサチップ3のセンサ面SEへの封止材12aの付着を抑制または防止できるという効果を得ることができる。
封止材12aは、センサチップ3の実装強度を向上させる機能を有している。封止材によってセンサチップ3の実装強度を向上するという目的では、センサチップ3の表面3aの第2領域32(バンプ電極BPが配列していない領域)と配線基板2の下面2bとの間に、封止材が配置されていなくともよい。しかしながら、センサチップ3のセンサ面SEは、可能な限り異物の付着を防止する必要がある。
このため、本実施の形態では、ステップS4でセンサチップ3を配線基板2にフリップチップ実装した後に、上記ステップS6で、配線基板2の下面2bとセンサチップ3(の表面3a)との間に追加の封止材12bを供給(注入)することが好ましい。ステップS6で封止材12bを供給する際には、センサチップ3の表面3aと配線基板2の下面2bとの間において、第2領域32(バンプ電極BPが配列していない領域)と平面的に重なる領域に封止材12bを供給(注入)し、この封止材12bをステップS7で硬化させる。
これにより、センサチップ3の表面3aの外周部と配線基板2の下面2bとの間において、バンプ電極BPが配列している領域(第1領域31と平面的に重なる領域)には、封止材12aが配置(充填)され、バンプ電極BPが配列していない領域(第2領域32と平面的に重なる領域)には、封止材12bが配置(充填)された状態となる。すなわち、センサチップ3の表面3aの外周部と配線基板2の下面2bとの間が、封止材12a,12bによって封止(接着)され、平面的に見ると、硬化した封止材12a,12bの配置領域が、配線基板2の下面2bにおいて開口部OP1を囲んだ状態となる。このため、配線基板2の下面2b側からの異物(例えば塵など)が、センサチップ3の表面3a(の外周部)と配線基板2の下面2bとの間の隙間(封止材12a,12bによってこの隙間が塞がれている)からセンサチップ3のセンサ面SE側に侵入してセンサ面SEに付着するのを防止することができる。従って、製造されたカメラモジュール(固体撮像装置)の信頼性を、より向上させることができる。
また、本実施の形態では、ステップS6,S7で封止材12bの供給および硬化を行っているが、次の2つの点(第1の点および第2の点)で、封止材12bを硬化する際の加熱による配線基板2の撓みを抑制または防止し、それによって、封止材12bがセンサチップ3のセンサ面SEに流出して付着するのを防止している。
すなわち、第1の点として、ステップS5で、配線基板2の上面2a上に、配線基板2の開口部OP1から露出するセンサチップ3のセンサ面SEを覆うように、樹脂カバー(枠体)5を固定した後に、ステップS6の封止材12bの供給工程とステップS7の封止材12bの硬化工程とを行うことである。また、第2の点として、封止材12bを硬化するための加熱温度(すなわちステップS7における加熱温度)を、封止材12aを硬化するための加熱温度(すなわちステップS4における加熱温度)よりも低くすることである。これら第1の点および第2の点により、封止材12bを硬化する際の配線基板2の撓みが防止される理由について説明する。
まず、上記第1の点について説明する。本実施の形態では、上記ステップS5で、配線基板2の上面2a上に、配線基板2の開口部OP1から露出するセンサチップ3のセンサ面SEを覆うように、樹脂カバー(枠体)5を接着して固定する。配線基板2の上面2aに電子部品4を実装している場合には、センサチップ3のセンサ面SEだけでなく、この電子部品4も樹脂カバー(枠体)5で覆うようにすることが好ましい。この樹脂カバー(枠体)5は、配線基板2の開口部OP1から露出するセンサチップ3のセンサ面SEを保護し、また、配線基板2の上面2aに実装された電子部品4を保護する機能を有している。そして、ステップS5で配線基板2の上面2a上に樹脂カバー(枠体)5を固定した後に、ステップS6の封止材12bの供給工程を行う。このため、ステップS6で配線基板2の下面2bとセンサチップ3(の表面3a)との間に供給(注入)された封止材12bをステップS7で硬化する際に、配線基板2が加熱されたとしても、センサチップ3搭載領域とその近傍の配線基板2は、樹脂カバー(枠体)5によって保持されるため、撓みにくくなっている。すなわち、上記ステップS4のセンサチップ3の搭載工程に比べて、ステップS7の封止材12bの硬化工程では、センサチップ3搭載領域とその近傍の配線基板2は、樹脂カバー(枠体)5によって保持される分、撓みにくいのである。配線基板2の上面2aに樹脂カバー(枠体)5が固定されていることにより配線基板2が撓みにくくなっていることで、封止材12bをステップS7で硬化する際に、センサチップ3の表面3aの第2領域32(バンプ電極BPが配列していない領域)と配線基板2の下面2bとの間から周囲に封止材12bが流出してセンサチップ3のセンサ面SEに付着するのを抑制または防止できる。一方、封止材12aは、封止材12bをステップS7で硬化する前に(すなわち上記ステップS4で)既に硬化しているため、封止材12bをステップS7で硬化する際に、封止材12aが流出してセンサチップ3のセンサ面SEに付着することはない。
このように、本実施の形態では、ステップS5で配線基板2の上面2a上に樹脂カバー(枠体)5を固定した後に、ステップS6の封止材12bの供給工程とステップS7の封止材12bの硬化工程とを行うことで、封止材12bをステップS7で硬化する際に、封止材12bが流出してセンサチップ3のセンサ面SEに流出して付着するのを抑制または防止することができる。
次に、第2の点について説明する。本実施の形態では、封止材12bを硬化するための加熱温度(すなわちステップS7における加熱温度)を、封止材12aを硬化するための加熱温度(すなわちステップS4における加熱温度)よりも低くしている。配線基板2が加熱された場合には、加熱温度が高くなるほど、配線基板2の撓み量は大きくなる傾向にある。このため、封止材の加熱に伴う配線基板2の撓み量を抑制するには、加熱温度を低くすることが有効である。しかしながら、上記ステップS4では、センサチップ3をフリップチップ実装する(バンプ電極BPを端子9に接続する)ためにセンサチップ3を加熱しているため、センサチップ3のフリップチップ接続を確実に行う(バンプ電極BPを端子9に確実に接続する)ためには、フリップチップ実装に最適な加熱温度を考慮し、加熱温度をある程度高くする必要がある。
一方、ステップS7での加熱は、封止材12bの硬化(あるいは封止材12bの硬化に加えて、樹脂カバー7を接着するための接着材22の硬化も)のために行うので、フリップチップ実装に最適な温度を考慮する必要は無く、封止材12bを硬化可能な温度に設定すればよい。このため、本実施の形態では、封止材12bを硬化するための加熱温度(すなわちステップS7における加熱温度)を、封止材12aを硬化するための加熱温度(すなわちステップS4における加熱温度)よりも低くすることができる。これにより、上記ステップS4のセンサチップ3の搭載工程に比べて、ステップS7の封止材12bの硬化工程では、加熱温度が低い分、配線基板2は撓みにくいのである。ステップS7の封止材12bの硬化工程では、加熱温度を低くしたことにより配線基板2が撓みにくくなっていることで、封止材12bをステップS7で硬化する際に、センサチップ3の表面3aの第2領域32(バンプ電極BPが配列していない領域)と配線基板2の下面2bとの間から周囲に封止材12bが流出してセンサチップ3のセンサ面SEに付着するのを抑制または防止できる。一方、封止材12aは、封止材12bをステップS7で硬化する前に(すなわち上記ステップS4で)既に硬化しているため、封止材12bをステップS7で硬化する際に、封止材12aが流出してセンサチップ3のセンサ面SEに付着することはない。また、封止材12bを硬化するための加熱温度(すなわちステップS7における加熱温度)を、封止材12aを硬化するための加熱温度(すなわちステップS4における加熱温度)よりも低くできるように、ステップS6で供給する封止材12bに、ステップS3で供給する封止材12aよりも、硬化温度(封止材を硬化させるのに必要な加熱温度)が低い封止材を使用することが好ましい。すなわち、ステップS3で供給される封止材12aの硬化温度(封止材12aを硬化させるのに必要な加熱温度)は、ステップS6で供給される封止材12bの硬化温度(封止材12bを硬化させるのに必要な加熱温度)よりも低いことが好ましいのである。
一例をあげれば、封止材12aを硬化するための加熱温度(すなわちステップS4における加熱温度)を230℃程度とし、その加熱時間(封止材12aの加熱時間)を5秒程度とし、一方、封止材12bを硬化するための加熱温度(すなわちステップS7における加熱温度)を80℃程度とし、その加熱時間(封止材12bの加熱時間)を30分程度とすることができる。
このように、本実施の形態では、封止材12bを硬化するための加熱温度(すなわちステップS7における加熱温度)を、封止材12aを硬化するための加熱温度(すなわちステップS4における加熱温度)よりも低くしたことで、封止材12bをステップS7で硬化する際に、封止材12bが流出してセンサチップ3のセンサ面SEに流出して付着するのを抑制または防止することができる。
本実施の形態では、ステップS3での封止材12aの供給領域を上述のように制御することで、ステップS4で封止材12aが流出してセンサチップ3のセンサ面SEに付着するのを抑制または防止でき、また、上記第1の点および第2の点により、ステップS7で封止材12bが流出してセンサチップ3のセンサ面SEに付着するのを抑制または防止できる。これにより、センサチップ3のセンサ面SEに封止材12a,12bのような異物が付着するのを抑制または防止できるため、カメラモジュール(固体撮像装置)の製造歩留まりを向上させることができ、また、製造されたカメラモジュール(固体撮像装置)の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、上記第1の点と第2の点との両方により、ステップS7で封止材12bが流出してセンサチップ3のセンサ面SEに付着するのを抑制または防止することができる。しかしながら、上記第1の点と第2の点との両方を満たすことが最も好ましいが、上記第1の点と第2の点とのうちの一方のみを満たす場合であっても、上記第1の点と第2の点との両方を満たさない場合に比べると、封止材12bの硬化時の加熱による配線基板2の撓みを抑制でき、それによって、封止材12bがセンサチップ3のセンサ面SEに流出して付着するのを抑制することができる。すなわち、封止材12bがセンサチップ3のセンサ面SEに流出して付着するのを防止する効果は、上記第1の点と第2の点との両方を満たす場合に最も大きくなるが、上記第1の点と第2の点とのうちの一方のみを満たす場合であっても得ることができる。
図46は、センサチップ3の変形例を示す平面図(上面図)であり、センサチップ3の表面3aが示されており、上記図39に対応するものである。上記図39と同様に、図46においても、第1領域31を一点鎖線で示し、第2領域32を二点鎖線で示してある。なお、図46に示される変形例のセンサチップ3を、以下ではセンサチップ3bと称することとする。
上記図39に示されるセンサチップ3と図46に示されるセンサチップ3bとは、センサチップ3,3bの表面3aにおいて、外周の四辺全体に沿ってバンプ電極BPが等ピッチ(均等)に配列したものではなく、その表面3aの外周部(周辺部)において、複数のバンプ電極BPが配列した第1領域31とバンプ電極BPが配列していない第2領域32とを有している。
しかしながら、図39に示されるセンサチップ3の場合には、センサチップ3の表面3aの辺SD1,SD2,SD3,SD4のうち、辺SD1,SD2,SD3に沿ってバンプ電極BPが配列しているが、辺SD4に沿ってはバンプ電極BPが配列していないため、センサチップ3の表面3aの外周部において、辺SD1,SD2,SD3に沿った領域が第1領域31であり、辺SD4に沿った領域が第2領域32であった。それに対して、図46に示されるセンサチップ3bの場合には、センサチップ3bの表面3aの辺SD1,SD2,SD3,SD4のうち、辺SD1,SD2,SD3に沿ってバンプ電極BPが配列しており、辺SD4に沿っては、バンプ電極BPが配列している部分(辺SD4の端部領域)と配列していない部分(辺SD4の中央領域)とがある。このため、図46に示されるセンサチップ3bの場合には、センサチップ3bの表面3aの外周部において、辺SD1,SD2,SD3に沿った領域の全部と辺SD4に沿った領域の一部(端部領域)とが第1領域31であり、辺SD4に沿った領域の他部(中央領域)が第2領域32である。
このようなセンサチップ3bも、本実施の形態のカメラモジュールMJ1の製造工程に使用することができる。
図47および図48は、図39に示されるセンサチップ3を使用した場合の封止材12a,12bの供給領域の説明図(平面図)であり、図49および図50は、図46に示されるセンサチップ3bを使用した場合の封止材12a,12bの供給領域の説明図(平面図)である。図47は、配線基板2の下面2bに図39のセンサチップ3をフリップチップ実装した場合の、センサチップ3の外形を二点鎖線で示し、配線基板2の開口部OP1を点線で示し、バンプ電極BPを実線で示したものであり、図48は、図47において、封止材12aが供給される平面領域と封止材12bが供給される平面領域とにそれぞれハッチングを付したものである。図49は、配線基板2の下面2bに図46のセンサチップ3bをフリップチップ実装した場合の、センサチップ3bの外形を二点鎖線で示し、配線基板2の開口部OP1を点線で示し、バンプ電極BPを実線で示したものであり、図50は、図49において、封止材12aが供給される平面領域と封止材12bが供給される平面領域とにそれぞれハッチングを付したものである。
図39のセンサチップ3と図46のセンサチップ3bのいずれを用いる場合でも、本実施の形態では、ステップS3で配線基板2の下面2bに封止材12aを供給する際に、その後のステップS4でセンサチップ3を搭載したときに第1領域31(バンプ電極BPが配列した領域)と平面的に重なる領域には封止材12aを供給し、第2領域32(バンプ電極BPが配列していない領域)と平面的に重なる領域には封止材12aを供給しない。そして、ステップS6で封止材12bを供給する際には、センサチップ3の表面3aと配線基板2の下面2bとの間において、第2領域32(バンプ電極BPが配列していない領域)と平面的に重なる領域に封止材12bを供給(注入)する。
このため、図39のセンサチップ3を使用した場合には、図47および図48からも分かるように、センサチップ3の表面3aと配線基板2の下面2bとの間において、センサチップ3の辺SD1,SD2,SD3に沿う領域には封止材12aが供給されており、辺SD4に沿う領域には封止材12bが供給されている。
一方、図46のセンサチップ3を使用した場合には、図49および図50からも分かるように、センサチップ3の表面3aと配線基板2の下面2bとの間において、センサチップ3の辺SD1,SD2,SD3に沿う領域には封止材12aが供給されている。そして、辺SD4に沿う領域においては、バンプ電極BPが配置(配列)されている部分(辺SD4の端部領域)には封止材12aが供給され、バンプ電極BPが配置(配列)されていない部分(辺SD4の中央領域)には封止材12bが供給されている。このようにすることで、図46のセンサチップ3bを使用した場合にも、上述したようにセンサチップ3のセンサ面SEに封止材12a,12bのような異物が付着するのを抑制または防止する効果を得ることができる。従って、カメラモジュール(固体撮像装置)の製造歩留まりを向上させることができ、また、製造されたカメラモジュール(固体撮像装置)の信頼性を向上させる効果を得ることができる。
また、センサチップ3の更に他の変形例として、センサチップ3の表面3aの四辺(辺SD1,SD2,SD3,SD4)のうちの対向する二辺に沿ってバンプ電極BPを配列させ、他の二辺に沿ってはバンプ電極BPを配列させない場合も、本実施の形態を適用できる。すなわち、センサチップ3の表面3aにおいて、辺SD1,SD3に沿ってバンプ電極BPを配列させかつ辺SD2,SD4に沿ってはバンプ電極BPを配列させない場合と、辺SD2,SD4に沿ってバンプ電極BPを配列させかつ辺SD1,SD3に沿ってはバンプ電極BPを配列させない場合とにも、本実施の形態を適用できるのである。この場合、センサチップ3の表面3aにおいて、辺SD1,SD3に沿ってバンプ電極BPが配列しているが、辺SD2,SD4に沿ってはバンプ電極BPが配列していない場合には、センサチップ3の表面3aの外周部において、辺SD1,SD3に沿った領域が第1領域31となり、辺SD2,SD4に沿った領域が第2領域32となる。また、センサチップ3の表面3aにおいて、辺SD2,SD4に沿ってバンプ電極BPが配列しているが、辺SD1,SD3に沿ってはバンプ電極BPが配列していない場合には、センサチップ3の表面3aの外周部において、辺SD2,SD4に沿った領域が第1領域31となり、辺SD1,SD3に沿った領域が第2領域32となる。
従って、本実施の形態では、センサチップ3の表面3aにおいて、その表面3aを形成する四角形の四辺(SD1,SD2,SD3,SD4)のうち、少なくとも一辺にはバンプ電極BPが形成(配列)されておらず、残りの辺に沿って複数のバンプ電極BPが形成(配列)されたセンサチップ3を使用することができる。この場合、第2領域32は、バンプ電極BPが形成されいない前記少なくとも一辺(上記図39の場合は辺SD4)に沿った領域に対応し、第1領域31は、複数のバンプ電極BPが形成された前記残りの辺(上記図39の場合は辺SD1,SD2,SD3)に沿った領域に対応する。
また、本実施の形態では、センサチップ3の表面3aにおいて、その表面3aを形成する四角形の四辺(SD1,SD2,SD3,SD4)のうち、少なくとも一辺(上記図46の場合は辺SD4)に沿って、バンプ電極BPが形成(配列)された第1領域31と、バンプ電極BPが形成(配列)されていない第2領域32とが存在しているセンサチップ3を使用することもできる。
また、本実施の形態では、ステップS3において、封止材12aを配線基板2の下面2b上に供給(塗布)したが、他の形態として、封止材12aを、配線基板2側ではなく、センサチップ3の表面3a上に供給(塗布)することもできる。この場合、センサチップ3の表面3aの外周部(周辺部)において、第1領域31(バンプ電極BPが配列した領域)に封止材12aを供給(塗布)し、第2領域32(バンプ電極BPが配列していない領域)には封止材12aが供給(塗布)されないようにする。この際、センサチップ3のセンサ面SEには封止材12aが付着しないようにする。このように封止材12aが供給(塗布)されたセンサチップ3を上記ステップS4で配線基板2の下面2bにフリップチップ実装する。このような場合においても、配線基板2の撓みに起因してセンサチップ3のセンサ面SEに封止材12a,12bのような異物が付着するのを抑制または防止する効果を得ることができる。但し、ステップS3では、封止材12aをセンサチップ3の表面3a側に供給(塗布)する場合よりも、本実施の形態のように封止材12aを配線基板2の下面2b側に供給(塗布)する場合の方が、封止材12a供給(塗布)時のセンサチップ3のセンサ面SEへの封止材12aの付着をより確実に防止できるため、より好ましい。
(実施の形態2)
本実施の形態の固体撮像装置(ここではカメラモジュールMJ1)の製造工程について説明する。
図51は、本実施の形態の固体撮像装置、ここではカメラモジュールMJ1の製造工程を示す製造プロセスフロー図である。
本実施の形態のカメラモジュールMJ1(固体撮像装置)の製造工程は、ステップS4(センサチップ3の搭載工程)までは、上記実施の形態1と同様であるので、ここではその説明を省略し、ステップS4を行った後の工程について説明する。
上記実施の形態1と同様にして上記ステップS4(センサチップ3の搭載工程)までの工程を行った後、上記実施の形態1では上記ステップS5の樹脂カバー5の接着工程を行うが、本実施の形態では、上記ステップS5の樹脂カバー5の接着工程を行うことなく、ステップS6の封止材12bの供給工程を行う。図52(A3−A3断面)および図53(A3−A3断面)は、上記図33および図34にそれぞれ対応する断面図(A3−A3断面)であり、図52には、ステップS6で封止材12bを供給する前の段階(状態)が示され、図53には、ステップS6で封止材12bが供給された段階(状態)が示されている。
本実施の形態で行うステップS6の封止材12bの供給工程は、図52および図53からも分かるように、配線基板2の上面2aに樹脂カバー5が搭載されていない状態で行うが、それ以外は、上記実施の形態1で行うステップS6の封止材12bの供給工程とほぼ同様であるため、ここではその具体的な説明は省略する。
本実施の形態では、ステップS6の封止材12bの供給工程の後、上記実施の形態1と同様に、ステップS7の封止材12bの硬化工程を行う。
本実施の形態で行うステップS7の封止材12bの硬化工程は、配線基板2の上面2aに樹脂カバー5が搭載されていない状態で行うこと以外は、上記実施の形態1で行うステップS7の封止材12bの硬化工程とほぼ同様であるため、ここではその具体的な説明は省略する。
本実施の形態では、ステップS7の封止材12bの硬化工程の後、上記実施の形態1と同様に、ステップS8の樹脂カバー7の接着工程を行う。図54(A1−A1断面)は、上記図38に対応する断面図(A1−A1断面)であり、図54には、ステップS8で配線基板2の下面2bに樹脂カバー7が接着された段階(状態)が示されている。
本実施の形態で行うステップS8aの樹脂カバーの接着工程は、図54からも分かるように、配線基板2の上面2aに樹脂カバー5が搭載されていない状態で行うが、それ以外は、上記実施の形態1で行うステップS8の樹脂カバー7の接着工程とほぼ同様であるため、ここではその具体的な説明は省略する。
本実施の形態では、ステップS8の樹脂カバー7の接着工程の後、ステップS5の樹脂カバー5の接着工程を行う。図55(A1−A1断面)は、上記図54と同じ断面領域(A1−A1断面)が示されているが、図55には、ステップS5で配線基板2の上面2aに樹脂カバー5が接着された段階(状態)が示されている。
本実施の形態で行うステップS5の樹脂カバー5の接着工程は、図55からも分かるように、ステップS6〜S8(封止材12bの供給および硬化と配線基板2の下面2bへの樹脂カバー7の接着)が行われた後に行われるが、それ以外は、上記実施の形態1で行うステップS5の樹脂カバー5の接着工程とほぼ同様であるため、ここではその具体的な説明は省略する。
本実施の形態では、ステップS5の樹脂カバー5の接着工程を行った後、ステップS9のレンズユニット6の取り付け工程を行う。
本実施の形態で行うステップS9のレンズユニット6の取り付け工程は、上記実施の形態1で行うステップS9のレンズユニット6の取り付け工程とほぼ同様であるため、ここではその具体的な説明は省略する。
このようにして、本実施の形態のカメラモジュールMJ1が製造される(組み立てられる)。製造されたカメラモジュールMJ1の構成については、上記実施の形態1と同様であるので、ここではその説明は省略する。
次に、本実施の形態の特徴について、より詳細に説明する。
本実施の形態では、上記実施の形態1とは異なり、ステップS5で、配線基板2の上面2a上に、配線基板2の開口部OP1から露出するセンサチップ3のセンサ面SEを覆うように、樹脂カバー(枠体)5を固定する前に、ステップS6の封止材12bの供給工程とステップS7の封止材12bの硬化工程とを行っている。すなわち、本実施の形態では、上記実施の形態1で説明した第1の点は満たしていない。
しなしながら、本実施の形態では、封止材12bを硬化するための加熱温度(すなわちステップS7における加熱温度)を、封止材12aを硬化するための加熱温度(すなわちステップS4における加熱温度)よりも低くしている。すなわち、上記実施の形態1で説明した第2の点を満たしている。これにより、上記実施の形態1でも説明したように、ステップS4のセンサチップ3の搭載工程に比べて、ステップS7の封止材12bの硬化工程では、加熱温度が低い分、配線基板2が撓みにくくなっていることで、封止材12bをステップS7で硬化する際に、封止材12bが流出してセンサチップ3のセンサ面SEに付着するのを抑制または防止できる。
従って、本実施の形態では、ステップS3での封止材12aの供給領域を上記実施の形態1で説明したように制御することで、ステップS4で封止材12aが流出してセンサチップ3のセンサ面SEに付着するのを抑制または防止でき、また、上記第2の点により、ステップS7で封止材12bが流出してセンサチップ3のセンサ面SEに付着するのを抑制または防止できる。これにより、センサチップ3のセンサ面SEに封止材12a,12bのような異物が付着するのを抑制または防止できるため、カメラモジュール(固体撮像装置)の製造歩留まりを向上させることができ、また、製造されたカメラモジュール(固体撮像装置)の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、上記ステップS5の樹脂カバー5の接着工程を行う前に、ステップS6,S7の封止材12bの供給工程および硬化工程を行っているため、配線基板2が樹脂カバー5によって保持されていない状態で、ステップS7の封止材12bの硬化のための加熱を行う。このため、本実施の形態では、次のように、ステップS7の封止材12bの硬化のための加熱を行うことが好ましい。図56および図57は、本実施の形態の加熱工程(封止材12bの硬化工程)の説明図(断面図)であり、図56は上記A1−A1線の位置での断面図に対応し、図57は上記A3−A3線の位置での断面図に対応する。
すなわち、ステップS7の封止材12bの硬化工程では、図56および図57に示されるように、センサチップ3がフリップチップ実装された配線基板2を、加熱用のステージ(加熱台、加熱用治具)51上に配置する。そして、ステージ51上に配置された配線基板2を封止材12bとともに加熱することで、封止材12bを硬化する。この配線基板2(および封止材12b)の加熱は、例えば、センサチップ3がフリップチップ実装された配線基板2をステージ51ごと加熱炉に通すことで行ったり、あるいは、ステージ51自身に加熱機構を設けて(内蔵させて)ステージ51を加熱することで行うことができる。
なお、センサチップ3がフリップチップ実装された配線基板2をステージ51上に配置する際には、配線基板2の下面2b側が上方を向き、配線基板2の上面2a側がステージ51に対向するようにする。この際、図56および図57に示されるように、配線基板2のチップ搭載領域(センサチップ3が搭載されている領域)の上面2aが、ステージ51に保持されない(ステージ51に接しない)ようにしておくことが好ましい。これは、ステージ51の上面に予め窪み部(凹部)52を設けておき、この窪み部52上に配線基板2のチップ搭載領域(センサチップ3が搭載されている領域)が位置するように、ステージ51上に配線基板2(センサチップ3がフリップチップ実装された配線基板2)を配置することで、実現できる。また、図56に示されるように、ステージ51上に配線基板2を配置したときに、配線基板2の上面2aに実装していた電子部品4が、ステージ51の他の窪み(凹部)53内に配置されるようにすれば、ステージ51上への配線基板2の配置に電子部品4が邪魔になるのを防止できる。
図56および図57の場合とは異なり、配線基板2のチップ搭載領域の上面2aが、ステージ51に保持されている(ステージ51に接している)状態で封止材12bを硬化するための加熱を行った場合には、この加熱により配線基板2が撓もうとすると、配線基板2とセンサチップ3との間の距離(間隔)が遠ざかる方向(図57の矢印54の方向)への撓みはステージ51によって規制(制限)される。このため、配線基板2は、前記距離(間隔)が近づく方向(図57の矢印54とは反対方向)へ撓みやすい。
しかしながら、図56および図57に示されるように、配線基板2のチップ搭載領域(センサチップ3が搭載されている領域)の上面2aが、ステージ51に保持されない(ステージ51に接しない)状態としておけば、配線基板2とセンサチップ3との間の距離(間隔)が遠ざかる方向(図57の矢印54の方向)への配線基板2の撓みはステージ51によって規制(制限)されなくなる。すなわち、加熱により配線基板2が撓む場合であっても、配線基板2は、配線基板2とセンサチップ3との間の距離(間隔)が遠ざかる方向(図57の矢印54の方向)へも撓むことができるようになる。
このため、図56および図57に示されるように、配線基板2のチップ搭載領域の上面2aがステージ51に保持されない(ステージ51に接しない)状態で、封止材12bを硬化するための加熱を行うことで、配線基板2が配線基板2とセンサチップ3との間の距離(間隔)が近づく方向(図57の矢印54とは反対方向)へ撓む確率を低減することができる。
配線基板2の撓みにより封止材12bが押し出されて流出する(それによって封止材12bがセンサ面SEに付着する)という問題は、配線基板2が配線基板2とセンサチップ3との間の距離(間隔)が近づく方向(図57の矢印54とは反対方向)へ撓んだ場合に生じる問題であり、配線基板2が配線基板2とセンサチップ3との間の距離(間隔)が遠ざかる方向(図57の矢印54の方向)に撓んだ場合には発生しない問題である。本実施の形態では、封止材12bを硬化するための加熱を行った際に、配線基板2が配線基板2とセンサチップ3との間の距離(間隔)が近づく方向(図57の矢印54とは反対方向)へ撓む確率を低減できた分、ステップS7で封止材12bが流出してセンサチップ3のセンサ面SEに付着するのを更に抑制することができる。
(実施の形態3)
図58は、本実施の形態で使用するセンサチップ3の平面図であり、センサチップ3の表面3aが示されており、上記図24に対応するものである。図58においても、理解を簡単にするために、図58のセンサチップ3を配線基板2の下面2bにフリップチップ実装したときに、上記A1−A1線、A2−A2線およびA3−A3線に重なる位置に、A1−A1線、A2−A2線およびA3-A3線の位置を示す一点鎖線を入れてある。また、図58において、バンプ電極BPを白抜きの丸で示し、ダミーのバンプ電極BP1を黒丸で示してある。また、図58において、バンプ電極BPが配列している第1領域31を点線で示し、ダミーのバンプ電極BP1が配列している第3領域33を二点鎖線で示してある。なお、図58に示される本実施の形態のセンサチップ3を、以下ではセンサチップ3cと称することとする。
上記実施の形態1,2で使用したセンサチップ3は、センサチップ3の表面3aにおいて、外周の四辺全体に沿ってバンプ電極BPが等ピッチ(均等)に配列したものではなく、センサチップ3は、その表面3aの外周部(周辺部)において、複数のバンプ電極BPが配列した第1領域31とバンプ電極BPが配列していない第2領域32とを有していた。例えば、上記図24および図39のように、センサチップ3の表面3aの辺SD1,SD2,SD3,SD4のうち、辺SD1,SD2,SD3に沿ってバンプ電極BPが配列しているが、辺SD4に沿ってはバンプ電極BPが配列していなかった。
それに対して、本実施の形態で使用するセンサチップ3cは、上記実施の形態1,2で使用するセンサチップ3において、上記第1領域31に配列したバンプ電極BPはそのままとし、上記第2領域32にダミーのバンプ電極BP1を配列させているのである。従って、本実施の形態で使用するセンサチップ3cは、その表面3aの外周部(周辺部)において、複数のバンプ電極BPが配列した第1領域31と複数のダミーのバンプ電極BP1が配列している第3領域33とを有しており、この第3領域33が上記実施の形態1,2の第2領域32に相当する。ここで、上記実施の形態1,2のセンサチップ3の表面3aにおける第2領域32の配置位置と本実施の形態のセンサチップ3cの表面3aにおける第3領域33の配置位置とは同じであるが、上記第2領域32にはバンプ電極BPもダミーのバンプ電極BP1も配列していないのに対して、第3領域33には、ダミーのバンプ電極BP1が配列しているのである。
従って、本実施の形態で使用するセンサチップ3cでは、センサチップ3cの表面3aにおいて、外周の四辺(すなわち辺SD1,SD2,SD3,SD4)全体に沿ってバンプ電極BP,BP1が等ピッチ(均等)に配列している。例えば、図58のように、センサチップ3cの表面3aの辺SD1,SD2,SD3,SD4のうち、辺SD1,SD2,SD3に沿ってバンプ電極BPが配列し、辺SD4に沿ってダミーのバンプ電極BP1が配列している。
各バンプ電極BPは、電気的に必要なバンプ電極であり、センサチップ3c内に形成されている回路(半導体集積回路)と電気的に接続されている。一方、ダミーのバンプ電極BP1は、電気的に必要なバンプ電極ではなく(すなわち電気的には不要なバンプ電極であり)、配線基板2(2d)とセンサチップ3cとの間の距離(間隔)を一定に保つために設けたものである。このため、ダミーのバンプ電極BP1は、センサチップ3c内に形成されている回路(半導体集積回路)とは電気的に接続されていなくともよい。カメラモジュールMJ1において、センサチップ3cのダミーのバンプ電極BP1には、信号(電気信号)は入力も出力もされない。センサチップ3cにおいて、ダミーのバンプ電極BP1は、バンプ電極BPと同様の手法で同工程で形成することができる。ダミーのバンプ電極BP1を設けたこと以外は、本実施の形態で使用するセンサチップ3cは、上記実施の形態1で使用するセンサチップ3とほぼ同様の構成を有している。
図59は、本実施の形態で用いる配線基板2の要部平面図(部分拡大下面図)であり、配線基板2の下面2b側が示され、上記実施の形態1の図12に対応するものである。図59において、バンプ電極BPが接続される端子9を白抜きの丸で示し、ダミーのバンプ電極BP1が接続される端子9aを黒丸で示してある。なお、図59に示される本実施の形態の配線基板2を、以下では配線基板2cと称することとする。
図59に示されるように、配線基板2cの下面2bには、センサチップ3cを搭載したときにセンサチップ3cの複数のバンプBP,BP1をそれぞれ接続するために複数の端子(ボンディングリード、電極、導電性ランド)9,9aが、センサチップ3cのバンプ電極BP,BP1に対応する位置に配置されている。このうち、端子9は、センサチップ3cのバンプ電極BPを接続するための端子9であり、端子9aは、センサチップ3cのダミーのバンプ電極BP1を接続するための端子9aである。配線基板2cにおいて、端子9は、電気的に必要な端子であり、上記コネクタCNT(が接続された端子13)や上記電子部品4(が接続された端子10)と、配線基板2cの配線パターン(やビア)を介して電気的に接続されている。一方、端子9aは、電気的に必要な端子ではなく、ダミーのバンプ電極BP1を接続可能とするために設けられたものであり、上記コネクタCNT(コネクタCNTが接続された端子13)や上記電子部品4(電子部品4が接続された端子10)とは電気的に接続されていない。このため、各端子9aは、配線基板2cの配線パターンに接続されていない孤立パターンとされている。従って、端子9aは、ダミーの端子(ダミーのバンプ電極BP1を接続するために設けるが、電気的には不要な端子)とみなすこともできる。端子9aを設けたこと以外は、本実施の形態で使用する配線基板2cは、上記実施の形態1で使用する配線基板2とほぼ同様の構成を有している。
また、本実施の形態のカメラモジュールMJ1は、センサチップ3c(3)におけるバンプ電極BP,BP1の配列と、配線基板2c(2)における端子9,9aの配列以外については、上記実施の形態1におけるカメラモジュールMJ1とほぼ同様の構成を有しているので、ここではその説明を省略する。
本実施の形態のカメラモジュールMJ1の製造工程は、次のように行うことができる。
まず、上記実施の形態1と同様に上記ステップS2(電子部品4の実装工程)までの工程を行う。それから、ステップS3の封止材12aの供給工程を行う。本実施の形態と上記実施の形態1との相違点について、以下に説明する。
図60は、本実施の形態におけるステップS3の封止材12aの供給工程での封止材12aの供給(塗布)領域を示す説明図(平面図)であり、図59において、ステップS3で封止材12aが供給(塗布)される領域をハッチングを付して示したものである。
本実施の形態におけるステップS3の封止材12aの供給工程と上記実施の形態1におけるステップS3の封止材12aの供給工程とでは、配線基板2(2c)の下面2bにおける封止材12aの供給領域(塗布領域、供給位置、塗布位置)が異なっている。
すなわち、上記実施の形態1では、ステップS3の配線基板2の下面2bのセンサチップ搭載予定領域への封止材12aの供給工程では、ステップS4でセンサチップ3を搭載したときに第1領域31(バンプ電極BPが配列した領域)と平面的に重なる領域に封止材12aを供給するが、第2領域32(バンプ電極BPが配列していない領域)と平面的に重なる領域には封止材12aを供給しないようにしている。それに対して、本実施の形態では、ステップS3の配線基板2cの下面2bのセンサチップ搭載予定領域への封止材12aの供給工程では、ステップS4でセンサチップ3cを搭載したときに第1領域31(バンプ電極BPが配列した領域)と平面的に重なる領域と第3領域33(ダミーのバンプ電極BP1が配列した領域)と平面的に重なる領域とに封止材12aを供給する。換言すれば、本実施の形態では、ステップS3の配線基板2cの下面2bのチップ搭載予定領域(センサチップ3cの搭載予定領域)への封止材12aの供給工程では、ステップS4でセンサチップ3cを搭載したときにセンサチップ3cの表面3aの外周領域(第1領域31と第3領域33とを足した領域)と平面的に重なる領域に封止材12aを供給するのである。このため、本実施の形態のステップS3の封止材12aの供給工程では、図60に示されるように、配線基板2cの下面2b上において、開口部OP1を囲むように、封止材12aが供給(塗布、配置)されることになる。そして、本実施の形態では、ステップS4でセンサチップ3cのフリップチップ実装を行うと、センサチップ3cの表面3aの外周領域(第1領域31と第3領域33とを足した領域)全体と、配線基板2cの下面2bとの間に、硬化した封止材12aが充填(配置)された状態となる。
なお、上記実施の形態1では、配線基板2の下面2bにおいて、ステップS4でセンサチップ3を搭載したときに第1領域31(バンプ電極BPが配列した領域)と平面的に重なる領域には、バンプ電極BPを接続すべき端子9が配列しているが、第2領域32(バンプ電極BPが配列していない領域)と平面的に重なる領域には端子9は配列していなかった。一方、本実施の形態では、配線基板2cの下面2bにおいて、ステップS4でセンサチップ3cを搭載したときに第1領域31(バンプ電極BPが配列した領域)と平面的に重なる領域には、バンプ電極BPを接続すべき端子9が配列しており、また、第3領域33(ダミーのバンプ電極BP1が配列した領域)と平面的に重なる領域には、ダミーのバンプ電極BP1を接続すべき端子9aが配列している。このため、本実施の形態のステップS3の封止材12aの供給工程では、図60に示されるように、配線基板2cの下面2bにおいて、後で搭載されるセンサチップ3cのバンプ電極BPに接続されるべき端子9が配列している領域またはその近傍領域と、後で搭載されるセンサチップ3cのダミーのバンプ電極BP1に接続されるべき端子9aが配列している領域またはその近傍領域とに、封止材12aが供給されることになる。
封止材12aの供給位置以外については、本実施の形態のステップS3の封止材12aの供給工程は、上記実施の形態1の封止材12aの供給工程とほぼ同様に行うことができる。
ステップS3の封止材12aの供給工程の後、本実施の形態でもステップS4のセンサチップ3cの搭載工程(フリップチップ実装工程)を行う。
図61は、ステップS4でセンサチップ3cが配線基板2cの下面2bに搭載(フリップチップ実装)された段階(状態)を示す要部平面図(部分拡大下面図)であり、配線基板2cの下面2b側が示され、上記図29に対応するものである。図62(A1−A1断面)、図63(A2−A2断面図)および図64(A3−A3断面図)は、ステップS4でセンサチップ3cが配線基板2cの下面2bに搭載(フリップチップ実装)された段階(状態)を示す断面図であり、それぞれ上記図26、図27および図28にそれぞれ対応するものである。このため、図61のA1−A1線の断面図が図62にほぼ対応し、図61のA2−A2線の断面図が図63にほぼ対応し、図61のA3−A3線の断面図が図64にほぼ対応している。また、図61においては、理解を簡単にするために、センサチップ3cの下に位置する(隠れている)配線基板2cの開口部OP1の位置を二点鎖線で示し、センサチップ3cの下に位置する(隠れている)バンプ電極BP,BP1を点線で示してある。
図61〜図64からも分かるように、本実施の形態におけるステップS4のセンサチップ3cの搭載工程は、センサチップ3cの各バンプ電極BPが配線基板2cの各端子9に接続(熱圧着)されるだけでなく、センサチップ3cのダミーの各バンプ電極BP1が配線基板2cの各端子9aに接続(熱圧着)される点が上記実施の形態1のステップS4のセンサチップ3の搭載工程と異なっている。それ以外については、本実施の形態におけるステップS4のセンサチップ3cの搭載(フリップチップ実装)工程は、上記実施の形態1のステップS4のセンサチップ3の搭載(フリップチップ実装)工程とほぼ同様に行うことができる。
本実施の形態では、ステップS4のセンサチップ3cの搭載工程よりも後の工程は、上記ステップS6の封止材12bの供給工程と上記ステップS7の封止材12bの硬化工程を行わないこと以外は、上記実施の形態1または上記実施の形態2と同様である。すなわち、本実施の形態では、ステップS4のセンサチップ3cの搭載工程の後、上記ステップS6,S7の封止材12bの供給工程および硬化工程を行うことなく、上記ステップS5の樹脂カバー5の接着工程、上記ステップS8の樹脂カバー7の接着工程、および上記ステップS9のレンズユニット6の取り付け工程を順に行う。あるいは、本実施の形態では、ステップS4のセンサチップ3cの搭載工程の後、上記ステップS6,S7の封止材12bの供給工程および硬化工程を行うことなく、上記ステップS8の樹脂カバー7の接着工程、上記ステップS5の樹脂カバー5の接着工程、および上記ステップS9のレンズユニット6の取り付け工程を順に行うこともできる。
上記実施の形態1,2では、センサチップ3が、その表面3aの外周部(周辺部)において、複数のバンプ電極BPが配列した第1領域31とバンプ電極BPが配列していない第2領域32との両者を有していた。このため、第2領域32と平面的に重なる領域では、バンプ電極BPが無いことで配線基板2が撓みやすいので、配線基板2の撓みに起因する不具合を防止するために、上記実施の形態1,2では、上述したような様々な工夫を行っていた。
それに対して、本実施の形態では、センサチップ3cは、その表面3aの外周部(周辺部)において、複数のバンプ電極BPが配列した第1領域31と複数のダミーのバンプ電極BP1が配列した第3領域33とを有しており、センサチップ3cの表面3aにおいて、外周の四辺全体に沿ってバンプ電極BP,BP1が等ピッチ(均等)に配列している。すなわち、本実施の形態で使用するセンサチップ3cは、その表面3aの外周部(周辺部)において、複数のバンプ電極BPが配列した第1領域31と複数のダミーのバンプ電極BP1が配列した第3領域33とを有しているが、バンプ電極BPとダミーのバンプ電極BP1のいずれも配列していない上記第2領域32に相当する領域は有していないのである。
このため、本実施の形態では、ステップS4でセンサチップ3cを配線基板2cの下面2bにフリップチップ実装すると、バンプ電極BPとダミーのバンプ電極BP1の両方が、センサチップ3cと配線基板2cとの間の距離(間隔)を一定に保つように作用する。このため、配線基板2cのうち、センサチップ3cのバンプ電極BPが接続された領域およびその近傍とセンサチップ3cのダミーのバンプ電極BP1が接続された領域およびその近傍とでは、配線基板2cの撓みが防止(制限)される。これにより、ステップS4のセンサチップ3cの搭載工程において、上記図43や図45で説明したような配線基板2cの撓みは、バンプ電極BPおよびダミーのバンプ電極BP1によって防止(制限)されるため、配線基板2cとセンサチップ3cとの間に配置されている硬化前の封止材12aが配線基板2cの撓みによって押し出されて流出する(センサチップ3cのセンサ面SEに付着する)現象を防止することができる。従って、カメラモジュール(固体撮像装置)の製造歩留まりを向上させることができ、また、製造されたカメラモジュール(固体撮像装置)の信頼性を向上させることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態1〜3で使用する配線基板2の変形例について説明する。図65は、配線基板2の変形例を示す上面図であり、図66は、その下面図であり上記実施の形態1の図10および図11にそれぞれ対応するものである。図65では、後でコネクタCNTが実装される領域を点線で示してある。また、配線基板2d(2)の下面2bにおいて、複数の端子9のそれぞれに配線WP1が一体的に接続されているが、図66の下面図では、簡略化のために、複数の端子9のうちの一部の端子9に接続された配線WP1のみが図示されている。なお、図65および図66に示される本実施の形態の配線基板2を、以下では配線基板2dと称することとする。
図65および図66に示される変形例の配線基板2(すなわち配線基板2d)は、以下の点で、上記実施の形態1の上記図10および図11に示される配線基板2と異なっている。
すなわち、上記実施の形態1で使用した配線基板2は、その下面2bにおいて、センサチップ3のバンプ電極BPを接続するための端子9が、開口部OP1の周囲に配列しているが、矩形(長方形)状の開口部OP1の四辺(すなわち辺SD11,SD12,SD13,SD14)のうち、辺SD11,SD12,SD13に沿って端子9が配列しているが、辺SD14に沿っては端子9が配列していない。ここで、端子9が配列していない開口部OP1の辺SD14は、開口部OP1の四辺(すなわち辺SD11,SD12,SD13,SD14)のうち、配線基板2の下面2bにおいてコネクタCNT(あるいはコネクタCNTが接続される端子13)が配置されている領域から最も遠くに位置する辺である。
上記図10および図11に示される配線基板2とは異なり、開口部OP1の辺SD14側に端子9を設けた場合には、開口部OP1の辺SD14側の端子9をコネクタCNT(あるいはコネクタCNTが接続される端子13)に電気的に接続するには、開口部OP1の辺SD14側の端子9とコネクタCNT(端子13)とを接続する配線(上記配線WP1に対応)が長くなってしまう。また、この配線を引き回すための領域を確保する必要があるため、配線基板の平面寸法(面積)が大きくなってしまう。
これに対して、上記実施の形態1で使用した上記図10および図11に示される配線基板2のように、開口部OP1の四辺のうち、コネクタCNT(端子13)から最も遠くに位置する辺SD14側には端子9を配列させないようにすることで、開口部OP1の周囲に配置された端子9とコネクタCNT(の端子)とを接続する配線(上記配線WP1に対応)の長さを短くすることができる。また、この配線を引き回すための領域を低減できるため、配線基板2の平面寸法(面積)を縮小することが可能になる。
一方、図65および図66に示される配線基板2dでは、その下面2bにおいて、センサチップ3のバンプ電極BPを接続するための端子9が、開口部OP1の周囲に配列しているが、矩形(長方形)状の開口部OP1の四辺(すなわち辺SD11,SD12,SD13,SD14)のうち、辺SD11,SD13,SD14に沿って端子9が配列しているが、辺SD12に沿っては端子9が配列していない。ここで、端子9が配列していない開口部OP1の辺SD12は、開口部OP1の四辺(すなわち辺SD11,SD12,SD13,SD14)のうち、配線基板2dの下面2bにおいてコネクタCNTと平面的に重なる領域から最も近くに位置する辺である。
図65および図66に示される配線基板2dは、チップ搭載領域(センサチップ3を搭載する領域)に設けた開口部OP1以外に、更に、開口部(貫通孔、孔)OP2も有している。この開口部OP2は、配線基板2dの下面2bから上面2aまで貫通している。この開口部OP2は、配線基板2dを折り曲げやすくするために設けられており、例えば、カメラモジュールMJ1において、配線基板2dを折り曲げる際の折り曲げ予定位置に配置することができる。配線基板2dにおいて、開口部OP2は、センサチップ3のセンサ面SEを露出させるための開口部OP1が配置されている領域と、後でコネクタCNTが配置される領域との間に、配置されている。このため、開口部OP1の四辺(すなわち辺SD11,SD12,SD13,SD14)のうち、配線基板2dの下面2bにおいて開口部OP2に対向し、開口部OP2から最も近くに位置する辺は、辺SD12である。
図65および図66に示される配線基板2dでは、開口部OP1以外の開口部OP2が設けられているため、開口部OP1の周囲に配列させた端子9とコネクタCNT(の端子)とを接続するための配線WP1は、配線基板2dにおいて、開口部OP2を避けて引き回す必要がある。このため、図65および図66に示される配線基板2dのように、開口部OP1の四辺のうち、配線基板2dの下面2bにおいて開口部OP2に対向しかつ開口部OP2から最も近くに位置する辺SD12側には端子9を配列させないようにすることで、開口部OP1の周囲に配置された端子9とコネクタCNT(コネクタCNT接続用の端子13)とを接続する配線WP1を、開口部OP2を避けて引き回しやすくなる。このため、配線基板2dにおける配線パターンの設計が容易になる。
また、図65および図66に示される配線基板2dでは、配線基板2dの幅(配線基板2dの短辺方向であるY方向の寸法)を局所的に狭くしたくびれ部61を設けており、くびれ部61に沿って配線基板2dを折り曲げやすくしている。配線基板2dのくびれ部61は、カメラモジュールMJ1において、配線基板2dを折り曲げる際の折り曲げ予定位置に設けることができる。配線基板2dに開口部OP2およびくびれ部61を設けることで、カメラモジュールMJ1において、配線基板2dを、開口部OP2に沿った位置と、くびれ部61に沿った位置との両方で、容易に折り曲げることが可能になる。
また、図65および図66に示される配線基板2dでは、電子部品4が実装される領域を、幅方向(配線基板2dの短辺方向)に広くし、そこに電子部品4実装用の端子10を集約して配置し、後で電子部品4を実装するようにしている。これにより、配線基板2dに電子部品4を実装しやすくなる。
また、図65および図66に示される配線基板2dでは、コネクタCNTは配線基板2dの上面2a側に実装するため、コネクタCNT接続用の複数の端子13は、配線基板2dの上面2aに形成している。
配線基板2dの他の構成は、上記実施の形態1で使用する配線基板2とほぼ同様である。
このような、図65および図66に示される配線基板2dを用いてカメラモジュールMJ1を製造することができ、その場合にも、上記実施の形態1〜3で説明したカメラモジュールMJ1の製造工程と基本的に同様の製造工程を行うことができる。
以下では、図65および図66に示される配線基板2dを用いてカメラモジュールMJ1を製造する場合と、上記実施の形態1で使用した上記図10および図11の配線基板2を用いてカメラモジュールMJ1を製造する場合との相違点について説明する。
すなわち、上記図10および図11の配線基板2と図65および図66の配線基板2dとでは、開口部OP1の四辺における端子9の配列する辺が相違していることに伴い、上記ステップS3,S6で封止材12a,12bを供給する位置が異なっている。
ステップS3の封止材12aの供給工程において、ステップS4でセンサチップ3を搭載したときに第1領域31(バンプ電極BPが配列した領域)と平面的に重なる領域に封止材12aを供給するが、第2領域31(バンプ電極BPが配列していない領域)と平面的に重なる領域には封止材12aを供給しないことは、上記実施の形態1,2と本実施の形態とで共通である。上記実施の形態1の上記図10および図11の配線基板2を使用した場合には、第1領域31(バンプ電極BPが配列した領域)と平面的に重なる領域は、配線基板2の下面2bにおいて開口部OP1の辺SD11,SD12,SD13に沿った領域であり、第2領域32(バンプ電極BPが配列していない領域)と平面的に重なる領域は、配線基板2の下面2bにおいて開口部OP1の辺SD14に沿った領域である。このため、上記実施の形態1の上記図10および図11の配線基板2を使用した場合には、ステップ3の封止材12aの供給工程では、配線基板2の下面2bにおいて、開口部OP1の辺SD11,SD12,SD13に沿った領域に封止材12aを供給(塗布)し、開口部OP1の辺SD14に沿った領域には封止材12aを供給(塗布)しない。一方、図65および図66の配線基板2dを使用した場合には、第1領域31(バンプ電極BPが配列した領域)と平面的に重なる領域は、配線基板2dの下面2bにおいて開口部OP1の辺SD11,SD13,SD14に沿った領域であり、第2領域32(バンプ電極BPが配列していない領域)と平面的に重なる領域は、配線基板2dの下面2bにおいて開口部OP1の辺SD12に沿った領域である。このため、図65および図66の配線基板2dを使用した場合には、ステップ3の封止材12aの供給工程では、配線基板2dの下面2bにおいて、開口部OP1の辺SD11,SD13,SD14に沿った領域に封止材12aを供給(塗布)し、開口部OP1の辺SD12に沿った領域には封止材12aを供給(塗布)しない。
また、ステップS6の封止材12bの供給工程で、センサチップ3の表面3aと配線基板2,2dの下面2bとの間において、第2領域32(バンプ電極BPが配列していない領域)と平面的に重なる領域に封止材12bを供給(注入)することは、上記実施の形態1,2と本実施の形態とで共通である。このため、上記実施の形態1の上記図10および図11の配線基板2を使用した場合には、ステップ6の封止材12bの供給工程では、センサチップ3の表面3aと配線基板2dの下面2bとの間において、開口部OP1の辺SD14に沿った領域に封止材12bを供給(注入)する。一方、図65および図66の配線基板2dを使用した場合には、ステップ6の封止材12bの供給工程では、センサチップ3の表面3aと配線基板2dの下面2bとの間において、開口部OP1の辺SD12に沿った領域に封止材12bを供給(注入)すればよい。
図65および図66に示される配線基板2dを用いてカメラモジュールMJ1を製造する場合においても、上記実施の形態1〜3と基本的に同様の製造工程を行うことで、ほぼ同様の効果を得ることができる。
更に、本実施の形態では、以下のような効果も得られる。
すなわち、本実施の形態で用いられる配線基板2dにおいては、図66に示されるように、開口部OP1の辺SD12の近傍に、配線WP1の一部である配線WP1aが配置されている(延在している)。このような場合には、ステップS4でセンサチップ3をフリップチップ実装する際に、開口部OP1の辺SD12に沿った領域では、バンプ電極BPが無いことから配線基板2dが撓みやすいが、配線基板2dが撓むと、センサチップ3が配線基板2dの配線WP1aに接触してしまう可能性がある。上記図45のように配線基板2dが撓んだ部分(ここでは辺SD12に沿った領域)に封止材12aがもしも存在すると、配線基板2dが撓んだ状態のまま封止材12aが硬化してしまい、センサチップ3と配線基板2dの配線WP1aとが接触してショートした状態が固定され、電気的な不良となり、カメラモジュールの製造歩留まりを低下させてしまう。
それに対して、本実施の形態では、上記実施の形態1,2と同様に、配線基板2dの下面2bにおいて、ステップS4で配線基板2dの撓みが生じやすい領域(第2領域32と平面的に重なる領域、ここでは辺SD12に沿った領域)にはステップS3で封止材12aを供給しないようにしている。このため、ステップS4でセンサチップ3をフリップチップ実装する際に、開口部OP1の辺SD12に沿った領域で、バンプ電極BPが無いことから配線基板2dが撓んだとしても、配線基板2dが撓んだ部分(ここでは辺SD12に沿った領域)には封止材12aが無いので、ステップS4のフリップチップ実装工程の終了後には、撓んでいた配線基板2dは元に戻ることができる。そして、本実施の形態でも、上記実施の形態1,2と同様の理由により、封止材12bの硬化時には配線基板2dの撓みを抑制または防止できる。従って、本実施の形態では、センサチップ3と配線基板2dの配線WP1aとが接触してショートした状態が固定されて電気的な不良となるのを防止できる効果を得ることができ、カメラモジュールの製造歩留まりを向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。